セレナ（サトシはあんまり今までした旅のこととか話さないし、これは貴重ね。しっかり聞いて、これからの糧にしなくっちゃ！）

サトシ「まず俺が一番最初に会った仲間は、カスミっていう奴なんだ」

セレナ「カスミ……女の子、よね？」

サトシ「そうだよ。で、そのカスミって奴は水ポケモンマスターを目指してる、水ポケモンジムの子供でさ。すんごく勝気な性格だったんだよ。最初のころは俺と毎日喧嘩してたっけ」

セレナ「サトシが喧嘩？私やシトロン、ユリーカと旅してるサトシを見てる限り、サトシって年の割にすっごく落ち着いてるし、喧嘩なんてしないと思ってた」

サトシ「へへ、それは俺が落ち着いてたってよりもセレナ達が優しいからだって」

セレナ「そ、そんなことないよ////」

セレナ（サ、サトシが私のこと、優しいって……！！///）

サトシ「それに、旅に出たころの俺は今よりもっと落ち着きなかったからなぁ。俺のせいでピカチュウを傷付けて、カスミと会ってすぐにビンタされたし」

セレナ「ビ、ビンタ！？」

セレナ（サ、サ、サトシにビンタ！！？！？！？出会頭に！？）

サトシ「あの時は唖然としちゃったけど、でもピカチュウを傷付けたのは俺の力不足だったし、カスミの言うことは正しかった」

サトシ「そのカスミと仲間になるきっかけは、ピカチュウがあいつの自転車を壊しちゃったことなんだ。弁償しろって付いてきて、成り行きで仲間になってたって感じかな」

セレナ「へ、へぇ……」

サトシ「本当に、あいつとは毎日のように喧嘩が絶えなかったけど、しばらく一緒に居てそれも大分少なくなってたなぁ。なんだかんだで信頼し合ってたんだと思ってる」

セレナ（……）

セレナ（私が聞いといてなんだけど、想像以上に堪えるわね……女の子のことを笑顔で語るサトシは……）

サトシ「俺が旅してきた仲間の中でもカスミは二番目に付き合いが長いんだ。ピカチュウもかなり懐いてたし」

サトシ「あ、そうだ！これこれ……」ｺﾞｿｺﾞｿ

サトシ「これ、カスミから貰った特別なルアーなんだ！へへ、前にセレナに教えた釣りのことは、半分カスミからの受け売りだったんだ」

セレナ（……た、耐えるのよ私………この程度で失神しそうになってどうするの……）ﾊｧﾊｧ

セレナ（そ、それに二番目に付き合いが長いって言ってたけど、私はそれよりずっと前にサトシと会ってるし！）

セレナ（……お、思い出してくれるのに時間はかかったけど）

サトシ「それで、ジョウト地方での旅が終わってカスミは家の事情でカントーから出られなくなったから、もう一緒に旅はできなくなったんだ」

サトシ「でも時々会うし、マサラタウンからあいつの住んでるハナダシティまでそんなに遠いわけじゃないし、なんだかんだで今も交流は続いてるって感じだな」

セレナ「……ねぇ、サトシ。そのカスミって子と、わ、わわ、私は……」

サトシ「え？どうしたんだ？」

セレナ「な、何でもない！それより次の仲間のこと話してほしいな！」

サトシ「次にであったのはタケシっていう奴で、俺にとっちゃ一番の親友さ！タケシとは……」


三十分後


サトシ「……んで、タケシはポケモンドクターになるって夢を叶えるためにラッキーと一緒に頑張ってんだぜ」

セレナ（す、すごく長かった……とりあえず今は女の話以外はいいんだけどなぁ……）

サトシ「よし、じゃあ次の仲間だな。次に出会ったのはケンジって奴で……」

セレナ（ま、また男！？）