例によって立てるだけ立てときます。

書き始めは今日深夜から～

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比奈「いやそういうのいいっス。何してるんスか楓さん」


楓「？」


比奈「いや小首かしげないでくださいかわいいんで」


沙紀「またこたつ出しちゃったんすね・・・」


楓「ええ、出しちゃいました。まだ朝晩は冷えますからね」


比奈「ひとりで？」


楓「はい♪」


比奈「こたつに入りながらりんご酢飲むために？」


楓「はい♪」


沙紀「なんでそんなニッチな・・・」


楓「こたつ・・・」


比奈沙紀「「はい？」」


楓「入らないんですか？」


比奈「入るっス」ﾓｿﾞﾓｿﾞ


沙紀「そらもう断れないっす」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

沙紀「しかしなんでまたこたつを？」


楓「？」


沙紀「いや小首かしげはもういいですかわいいんで」


楓「あら、二人ともお上手ですね・・・ふふ」



楓「こたつに入ってた理由はですね、これを機に二人とお近づきになろうかと」


比奈「あー」


沙紀「最近は割といるっすもんねあたしたち」


楓「はい、なんかあの二人といると落ち着くんだよ、って、奈緒ちゃんも言ってまして」


沙紀「なるほどなるほど。いやー高垣さんに言われると照れるっすねぇ」


比奈「奈緒ちゃんから高評価受けてたのも意外っスねぇ」

比奈「でもなんでこたつなんスか？」


楓「なぜ、とは？」


沙紀「この前プロデューサー込みであたしたちちひろさんにこっぴどくお説教いただいたんっすよ・・・」


比奈「一応アイドルも社会人なんでス！ こたつ禁止ってルールは守ってください！ って感じで」


沙紀「その日だけプロデューサーは能面を付けて仕事をするっていう意味不明なペナルティ課せられてましたよね」


比奈「薫ちゃんがガン泣きしたんですぐ取りやめになったっスけどね」


楓「ああ、知ってますよ。で、アイドル全員の連絡網にこたつ使用禁止令が発令されたんですよね」


楓「それに私、そのお説教聞いてましたし。最初から最後まで」


楓「積極的に説教を聞く・・・ふふ」


沙紀「知っててわかってて見ててなんでまた出してるんすか・・・」

楓「えっと、ですね」


比奈「はい」


楓「こたつを出した本当の理由は、ですね」


沙紀「・・・っす」ｺﾞｸﾘ



楓「私が出しても沙紀ちゃんと比奈ちゃんが怒られてくれるかな、なんて」


沙紀「意外と強かっすね楓さん！？」


比奈「大人っスねえ」


楓「いえいえそんなそんな」ｺﾞｸｺﾞｸ


沙紀「比奈さんもそれでいいんっすか！？ てかりんご酢ってそんなグイグイいくもんでしたっけ！？」

楓「まあそんなわけなんで、のんびり親睦深めましょう」


比奈「了解っス～」ｸﾞﾃﾞｰ


沙紀「いや片づけましょうよ・・・。また怒られたらたまったもんじゃないっす」


比奈「いやあ、今度はアタシたちが能面つければいいだけっスよ」


沙紀「またいたいけな児童たちにトラウマ植え付けるつもりっすか！？」


比奈「っスよ」


沙紀「っすじゃないっす！ 鬼っすかあなたは！」

楓「沙紀ちゃん、沙紀ちゃん」ﾁｮﾝﾁｮﾝ


沙紀「な、なんっすか」


楓「さっきのいたいけな下りで思い出したんですけどね」ｽｯ


沙紀「いたいけなくだり……はあ、なんでしょう？」


楓「私……」ﾄｸﾄｸ


楓「巷では……」ｸｲｯ


楓「25歳児って呼ばれてるらしいっす」ﾆｺｰ


沙紀「いや知ったこっちゃないっすよ！ てかどっから日本酒出してるんすか！ なんでしれっと飲んでるんすか！ あとなんであたしたちの口調まねてるんすか！」


楓「まあまあお酒どうぞ」


沙紀「あらゆる方向に喧嘩売るのやめてくださいっす！」


比奈（ツッコミスキルが大分上達してきたっスねぇ）

楓「私、お二人と仲良くなりたかったんです。ダメですか？」


沙紀「……いや、もういいっす。ツッコミ疲れたっす」


比奈「体力無いっスねぇ」ｸﾞﾃﾞｰ


沙紀「今の比奈さんには言われたくないっスよっ」


楓「ふふ、やりました。 じゃあ、そういうわけで……」ｽｯ


沙紀（どういうわけなんすか）


比奈（噂には聞いてましたけどホント自由っスねえ楓さん）


楓「日本酒で乾杯しましょう」ﾄｸﾄｸ


比奈「なんでまた徳利とお猪口を」


沙紀「ここのこたつって四次元ポケットでもあるんすか……？」


楓「飲みましょ？」


比奈「いやアタシお酒は日本酒はあんまり」


楓「まあまあ日本酒どうぞ」


沙紀「天丼！ そもそもあたし未成年っす！」

楓「いいですー。じゃあ私一人で飲んじゃいますー」ｸｲｯ


沙紀「最初からそうしてください」


楓「……」ﾁﾋﾞﾁﾋﾞ


比奈「……。あー」


楓「？ どうしました？」


比奈「日本酒、一杯だけ、もらってもいいっスか？」


楓「わ、いいんですか？ どうぞどうぞ」ﾄｸﾄｸ


沙紀「……大丈夫っすか？」


比奈「や、なんとかなるんじゃないんスかねえ。強くはないっスけど」


沙紀「その自信はどこから湧いてくるんすか……」


楓「お猪口なみなみついどきました」ﾌﾝｽ


比奈「わあ、ナイス表面張力っスすね」


沙紀「持ち上げるのも一苦労っすねえ」

比奈「んじゃあ、ちょっと不格好っすけど」


楓「はい、じゃあ、私たちのこれからを祝って」


比奈「っス」


沙紀「っす」


比奈「あれ、沙紀ちゃんそれ……」


沙紀「りんご酢っすね。手元にあったんで」


沙紀「ハブられるのはいい気がしないっすし」


楓「……ふふ。じゃあ、改めて」


比奈「っス。アタシたちの仲良しを祝って……」

「乾杯っス」

「乾杯っす」

「乾杯、です」

沙紀（や、こういうとき早く20歳になりたいって思うっすよね。その時まであたしも思ってたっす）


沙紀（いやだって楓さん本当においしそうにお酒飲むんですもん。比奈さんも）


比奈『あ、これうめぇっス』ｺﾞｸｺﾞｸ


沙紀（とか言ってグイグイ飲んじゃうし）


沙紀（いやあ、でもまあ、比奈さんがお猪口じゃ物足りなくなってコップに日本酒注ぎ始めてから嫌な予感はしてたんすけど）


沙紀（この後とんでもないことになるとは……）

―――――

―――


比奈「あ゛ー、あ゛ー」ｺﾞｸｺﾞｸ


沙紀「ちょ、比奈さん、飲みすぎっすよ」


比奈「んなぁんスか！ 全然飲んでなぁいスよ拙者はぁ！」


沙紀「一人称ぶれぶれっすよ。べろんべろんに酔ってるじゃないっすか……」


比奈「酔ってないスー！ 酔ってるって言った方が酔ってるんスー！」ﾖｲｶﾞｵﾀﾞﾌﾞﾙﾋﾟｰｽ


沙紀「あーもう、ほらもう、お酒の代わりにこのりんご酢を……」


楓「沙紀ちゃん、沙紀ちゃん」ﾁｮﾝﾁｮﾝ


沙紀「……なんすか」


楓「お酒を避ける」ｷﾘｯ


沙紀「……」


楓「お酒を避ける」ｷﾘｯ


沙紀「……」


楓「お酒を……避け……酒……ふふ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


楓「ふふ……ふふふ……避け酒……ふふふふ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


沙紀（なんだこれ）

比奈「だーかぁらあ！ 言ってるじゃないっスか！ そのすっすっすっすいーうーのー！」


沙紀「いや比奈さんも言ってるじゃないっすか……」


比奈「流行らせるっス！」


沙紀「あれ本気で言ってたんすか……」


楓「ふふ……酒、避け………ふふふふ」


楓「ふっふ、んふっふふふ」


沙紀「ちょ、楓さん、大丈夫っすか」


比奈「こらぁ！ さきちゃん、アタシの、はなしを、ちゃんとぉ……」


沙紀「あ、もう、比奈さん、昼間っから酒飲んでこたつで寝るなんて勘弁してくださいっすよいやもうほんと」ﾕｻﾕｻ


楓「ふふふ、んっふふふふふふ」ﾁｮﾝﾁｮﾝ


沙紀「んひゃっ！ もう、楓さん、脇腹つつくのやめてほしいんけど！」


楓「わき、わき、ふふふ、ふふふふふふ」ﾁｮﾝﾁｮﾝ


沙紀「ちょ、もう、比奈さんも、もう……」ﾕｻﾕｻ


比奈「寝ゲロ」


沙紀「それだけはやめるっす」

ｶﾞﾁｬ


＜ﾀﾀﾞｲﾏﾓﾄﾞﾘﾏｼﾀｰ


沙紀「げ、ちひろさんの声」


楓「千川、課金せんか？……ふふ、ふふふふふ」ﾁﾋﾞﾁﾋﾞ


比奈「……ｚｚｚ」


沙紀「……あー」



＜ｱｰ､ﾏﾀｺﾀﾂﾀﾞｼﾏｼﾀﾈ! ﾅﾝｶｲｲｯﾀﾗ､ﾓｳ……


＜ｯﾃｵｻｹｸｻ！ ｶｴﾃﾞｻﾝﾅﾝﾃﾞｵﾋﾙｶﾗ! ﾋﾅﾁｬﾝﾏﾃﾞ!


＜ﾓｳ､ｻｷﾁｬﾝ! ｱﾄﾃﾞﾏﾀｵｾｯｷｮｳﾃﾞｽｶﾗﾈ!



沙紀「酒はもうこりごりっす……」









おわり