モバP「口調シャッフル・リベンジ」 (32)

モバP「口調シャッフル」
のリベンジです。
一度、断念してしまいましたが、今回は書ききります。

一応、前回の反省を踏まえて、アイドル一人分を書き溜めて投下という形にします。
なので、投下の速度は遅れるかも知れません。

それではよろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370754258

ちひろ「さて、プロデューサーさんに問題です」

P「はい」

ちひろ「この箱の中身は何でしょうか?」

P「唐突ですね?個人的にはガチャチケだったりするとうれしいんですが」

ちひろ「はい。残念でした」

ちひろ「正解は……」すっ


ちひろ「これです」

P「カード?何ですか、これは……」


ちひろ「このカードにはアイドルの名前が書いてあります」

ちひろ「そしてアイドルのみんなには引いたカードの相手の口調で1週間過ごしてもらいます」


P「なんでまた、そんなことを……」

ちひろ「演技力の指導、とでもいっておきましょうか」

ちひろ「最近、みんな舞台やドラマでも露出が増えてきましたからね」

ちひろ「その対策です」

P「本心は?」

ちひろ「面白そうだからです!(みんなのためを思ってですよ!)」

P「本音と建前が逆ですよ?ベタなリアクションをありがとうございます」

ちひろ「まぁ、何はともあれ社長の許可も下りてるんで、決行します!」

ちひろ「ちなみに、既にマストレさんが演技指導に当たっています」

P「手が早いんですね」

ちひろ「いえ、みんなかなり乗り気だったので」

P「はぁ、何なんだこの事務所……」


P「というわけで、アイドルの様子を伺おうと思うわけだが……」

P「ぶっちゃけ、不安だよねー」

ガチャ

P「ただいま戻りましたー」


?「お帰りなさい。Pさん」


P「お、お前は……」

鈴帆「そんなに驚かなくても良いのではないでしょうか?」にこり

鈴帆「確かに、私がこんな風に話すというのは想像したことが無かったでしょうから」
鈴帆「仕方が無いのかも知れませんが」

P(鈴帆がなんかおしとやかになってる……)

鈴帆「正直、笑いにならないと思いましたしね」


そういうと彼女はティーカップをソーサーに置いた。
かちゃり、と陶磁器の重なり合う音がした。

窓から見える人ごみの喧騒など別世界だとも言わんばかりの涼やかな顔で。

すらりとしなやかな腕を
こいのぼりのきぐるみからから伸ばしながら……

鈴帆「Pさん?」

鈴帆「大きい真鯉は、お父さんですよ?」


P「笑いにならない?」
P「よくいうよ、その格好で」

鈴帆「うふふ、ありがとうございます」

鈴帆「私が引いたのは『水本ゆかり』と書かれたカードです」

鈴帆「おしとやかで可憐で、上品な……」


鈴帆「ある意味、笑いとは対極にあります」


鈴帆「それでも、マストレさんとちひろさんに気づかされました」

鈴帆「シリアスな笑い……」

鈴帆「そういうのもあるのかと……」

鈴帆「新たな挑戦は良いものですね」

鈴帆「厳しい指導をしていただいたので、演技にも自信がつきました」

鈴帆「ふふっ…やはり、正攻法とは違って新しい発見がいっぱいです」

鈴帆「セリフは全部覚えちゃいました♪」

P(ほとんど同じ台詞なのに、こうも台無しにしてくれるとは……)

P(というか、マストレさん何したんですか……)

鈴帆「今日は笑いを取れませんでしたが……」

鈴帆「私、まだ諦めてませんよ? まだまだいきますからね…!」


P(それだけ言い残すと、彼女は去っていった)

P「これはいろいろと面倒くさそうだな……」

P「鈴帆のおかげでなんとなく覚悟はできた」

P「思った以上にめんどくさいことになってるぞ、これ」

P「できるだけ、穏便に済みそうなアイドルに会いたいな。うん」

P「あれは……」

あい

P「お疲れさm」

あい「ちょりーっす☆プロデューサー!」

P「」

あい「あれぇー、どうしたのどーしたん?なんか、さげぽよってかんじー?」

P「」

あい「プロデューサー?」

P「すみません、頭の処理が追いついてないです……」

あい「あははー、まぢで?かわいー☆」

P(この状況下で、なんでこんなにスタイリッシュなんだろう、この人……)

P(というか、なんで無駄にノリノリなんだよ……)

P「なぁ、東郷さん……」

あい「なんか、かたくね?あいでおーけーっしょ☆」

P「別に……断ってくれても良かったんですよ……」ほろり

あい「!?」


あい「な、何いってんー?ま、まぢイミフー?」

P「なんというか、あなたは僕の心の支えだったんですよ……(精神的に大人組的な意味で)」


あい「プロデューサー……」



P「東郷さん……」



あい「……まぢ、ごめんチョ……」

あい「アタシ、これでもプロだから……☆」

あい「なんつーの?」

あい「負けられない戦いがそこにある……的な……」


P「……」


P「東郷さん、いや……」

P「あい」

P「あとーんっす……」
あい「!」


P「もう何もいわないよ」

P「ありがとう。お前の気持ちは伝わった」

P「まぢで、俺はあげぽよだよ」

あい「プロデューサー……」

P「あい……」

P「おつにゃんだ」

あい「あとーんっす……」にこり


彼女はそういうと部屋を後にした。
やや涙目だが、その顔は晴れやかだった。

扉を開けた彼女の背は初夏の日差しに包まれた。
それは直視できないほどに
まぶしいものだった……。

彼女は本物のプロだったのだ。

P(あと1週間がんばるんだぞ……)

P「おつにゃん」



---

P「ちょっと感動した」

P「俺もがんばろう……」

?「あ、せんせぇ!」

P「お?薫か?今日も元気だな!」くるっ

早苗「せんせぇ!」

P「おまわりさんがこいつです!」


「早苗さん、どうしたんですか。その格好は……」

早苗「うえぇ、だってちひろさんが『なりきれ』っていうから」

P「そこまでしなくてもいいんですよ……」

P(半そでに短パン)

P(背中には赤いランドセル、その脇にはリコーダー)

P(これは、小学生で余裕で通るんじゃなかろうか……)

P(自己主張の激しい胸部のふくらみを除けば……)

P(合法?うん、合法だ)

早苗「せんせぇってこういうのがすきなの?」にやり

P(絶対にわかってやってるよ、この人)


P(それなら、こっちにも考えがある)

P「そうか、早苗はえらいなぁ……」なでり

早苗「えへへ」

P「そうだ、そんな早苗にはご褒美をあげないとなぁ」

早苗「やったぁ!せんせぇ、ありがとう!」だきっ

P「お子様ランチを食べに行こう」

P「大通りを抜けたところに、おいしいところがあるんですよ」

早苗「……え」

P「仁奈や薫には好評でしたよ?」

早苗「えーと、せんせぇ?」

P「なんだい」にこり

早苗「き、着替えても……」

P「だーめ」

P「善は急げ、いや、膳は急げかな?」

P「早く行こうか」にっこり


早苗「本当に勘弁してください」


P「どうしたんだ?薫の話し方と違いますよ?」がしっ

早苗「いや、本当に、この格好は……」

P「さぁ、行こうか」にっこり

---

ちひろ「……プロデューサーさん?」

P「……すみません」

ちひろ「これはどういうことです?」


P「すみません」

早苗「せんせぇはもっと反省しないとだめだよっ!」

ちひろ「まさか、警察のお世話になるとは……」

あのあと、レストランへと向かう途中で俺は警察に捕まった。

嫌がる幼女の腕をつかみ、無理やり連れ去ろうとする不審者として通報された。

元おまわりさんは、ちょっと根に持っていたのか助けてはくれなかった。

P「早苗さん?」

早苗「せんせぇ?」

早苗「それ以上言ったらシメる♪」

連行された署で早苗さんの元同僚に会った。
もちろん早苗さんも。

あのときの慌てふためく早苗さんは胸の中にしまっておこうとおもう……。

とりあえず、ここで一旦切ります

http://i.imgur.com/bFQmRN6.jpg
http://i.imgur.com/JScRO7Z.jpg
市原仁奈(9)

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