【モバマスSS】謎の少女と、リーナの出会い。追ってくる黒い影。 (23)

ミク「この人の手を離さない」リーナ「私の魂ごと、離してしまう気がするから」
ミク「この人の手を離さない」リーナ「私の魂ごと、離してしまう気がするから」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460138182/)

の続きです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460480301


お城の中を彷徨い歩くうちにリーナは、檻に閉じ込められた少女に出会いました。

少女を放っておけず檻から助け出したリーナ。

しかしすぐに影のような煙のような形の生き物が現れ、少女を捕まえて影の巣のような黒い穴の中に少女を引きずり込もうとしました!

リーナは突然のことに驚きましたが、少女を助けなくてはと思い、傍らにあった棒で影を追い払いなんとか少女を助け出しました。

リーナ「今の何?君を狙ってた?君もこんな処にいると危ないよ」

少女「………」

リーナ「とにかく、ここから出ようよ」

少女「………にゃぁ」

そして、言葉も通じないこの不思議な少女を助け出すために、少女の手を取りこのお城から二人で逃げ出すことを決意したのです。


二人の行く先には常にあの影が待ち構えていました。

影が現れるたびにリーナは、小さな身体を投げ出し影から少女を守りました。

影の巣に少女が飲み込まれてしまったら取返しのつかないことになると思ったからです。

小さい影「ハタライタラマケ」…スゥ

リーナ「なにあの影、何もせずに消えちゃった」

大きい影「ハピハピスユ」

リーナ「くっ、この影普通のより強いよ」バコン

大きい影「ニョワ…」…スゥ

リーナ「ふぅなんとか追い払ったみたい」

リーナ「…大丈夫?」

少女「にゃあ」

リーナ「良かった、それじゃいこっか」

少女「にゃあ!」


リーナは、少女が登れないような高い壁も上から手を差し伸べて引っ張り上げたり、少女が一人で進めないような険しい道も様々な仕掛を動かして少女のために道を作りました。

反対に少女もリーナの行く手を遮る謎の石像を不思議な力を使って開けてくれました。

他にもお城の中には少女にしか動かせない謎の仕掛がいくつかあるようでした。

リーナ「向こうに渡りたいけど床が落ちっちゃってるなあ」

リーナ「二階中央の廊下も途中で崩れてるし、この黒いのなんだろ」

リーナ「黒い球体に導火線のような紐…ゼルダなら爆弾だよね、火種ないかな」

少女「にゃあ!」ユビサシ

リーナ「ん、何?…あっシャンデリア!しかも火が付いてる」

リーナ「あれを落とせば廊下も落とせるかも!落とせなくても爆弾を使えば…」

リーナ「ありがと、助かったよ」

少女「にゃあ」


リーナは王冠が生えている分普通の子供より丈夫なようでした。

もの凄い高さから落ちたらさすがに無事ではいられないだろうけど、ある程度の高さからなら飛び降りてもせいぜい尻餅をつくぐらいでした。

そんなリーナだからこそ、どれだけ影にやられてもその度に立ち上がり、少女を守るため常に影に向かって行けたのでした。

三ツ星の影「オマエモリュウセイニシテヤロウカ」蒼い影「アイオライトブルー」

リーナ「しまった、囲まれた」

笑顔の影「ガンバリマス」フンス

少女「…!?」

リーナ「…っまずい、逃げて!」

少女「にゃあああ!!」ブン

笑顔の影「アタマヲヘゴチン」…スゥ

リーナ「すごい…樽を軽々持ち上げて次々投げてる…」

三ツ星の影「キャンセー」…スゥ
蒼い影「フーン」…スゥ

リーナ「すごいね君、みんな追い払っちゃった」

少女「にゃあ」ドニャア


お城の中には所々、石でできた奇妙な文様の描かれたソファが置かれていました。

その文様は少女に反応するようで、少女がソファに近づくと文様は光を放ち、ソファに不思議な力が宿るように見えました。

リーナは一人で徐にソファに腰掛けてみましたが、何も起こりません。

しかし、リーナの隣に少女が座った時二人は不思議な感じに包まれて眠りに落ちてしまいました。

このソファは記憶を預かるソファだったのです。

少女とリーナ、二人でソファに座り思い出を刻みこめば、たとえリーナが少しの間お城のことを忘れてもまたいつでもその場所に戻ってくることができるでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=PGwfBvW3YA8
ICO-Heal-
ゆるふわな影「セーブの時に流れるBGMです。憔悴したあなたをきっと癒してくれるでしょう。」


お城は非常に不思議な形をしていて、リーナはしばしばお城の様々な風景に目を奪われました。

今や廃墟のダンスホールは、過去のお城の栄華を思い浮かばせ、お城の地下に存在する滝は、自然の雄大さを象徴していました。

数々のお城の不思議な光景を目の当たりにするうちリーナは、お城から脱出したいと願いながらも、お城の存在に惹かれていったのでした。

少女とリーナが彷徨い始めてからしばらくの間、お城には自分と少女と様々な影しかいないようでしたが、リーナはそのことに少し疑問を感じていました。いったい少女を閉じ込めていたのは誰だろうか?

―影たちを操っている誰かがいるんじゃないだろうか?

ということです。

そして、リーナと少女の脱出劇も半ばにさしかかった頃ある人物が二人の前に立ちはだかったのです。


-霧の城・正門-

リーナ「見て、門が開いてる!外に出られるよ!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

リーナ「!?…門が勝手に閉じようとしてる…行こう!」ダッ

少女「にゃ」バタッ

リーナ「えっ!?」

…ゴゴゴゴゴゴバタン

道産子の城主「Давай, возвращайся.Мику」バチバチバチ

城主「アナタですね、私のかわいいミクを連れまわしている不届き者は」

城主「そのдочь…あー、娘が誰か分かっていますか?」

城主「アナタと一緒にいるのは、私のたった一人のユニットメンバー」

城主「いずれはこのзамок…あー、城を継ぐ者、ですね」

城主「頭に王冠の生えたアナタとは住んでる世界、違います」

リーナ「………っ…」

城主「さあ、身の程を弁えて、ここから立ち去ってください」バチバチバチバシュン…

リーナ「………」

リーナ「……立ち去ってほしいなら門開けてよ」

リーナ「はっ…大丈夫?」

少女ミク「にゃあ…」

(城主「Почему, я не понимаю?Вы не можете жить во внешнем мире…」)

リーナ「えっと、ミクちゃん」

ミク「にゃあ!」

リーナ「えへへっ私はリーナ」

リーナ「お城脱出するまで頑張ろうね」

ミク「にゃあ?」

リーナ「今更だけど言葉わかんないよね…よし、いこっか」

小さな二人の少女の冒険はまだ続きます。

とりあえずここまで
続きは後日書きます

http://fx.104ban.com/up/src/up33484.png
3ヶ月前に作った李衣菜のマウスカーソル(左上のが実際に動かすときに見えるやつ)
一部でしか出してなかったから良い機会なんでここに載せました


正門を再び開けるため城の東西に聳える塔を目指す少女とリーナ。

途中東の闘技場で短剣を手にしました。

小さなリーナにとって短剣と言うには長すぎるものでしたが、苦も無く振り回します。

-霧の城・東の偶像階段-

痛い影「ヤミニノマレヨ」バサッバサッ

リーナ「飛ぶのもいるの!?」

バサッバサッ…スタ

リーナ「あ、襲ってくる時は降りるのね」ズバッ

痛い影「タマシイノオモムクママニ」…スゥ


-霧の城・給水塔-

リーナ「なんでここよく分かんない仕掛多いんだろ」

リーナ「デザイナーさんの趣向なのかな」

ミク「にゃあ!!」

みりあちゃんの影&ちびギャルの影「「ヨイデハナイカー」」エッサホイサ

リーナ「しまった、連れて行かれる」

お菓子の影「オイシイカラダイジョウブダヨ」四つ葉の影「カエルサン」

リーナ「っ!?まずい…」

ミク「にゃあ」ガブッ

ちびギャルの影「オネエチャ-ン」…スゥ

リーナ「ほっ、ごめんね。よそ見しちゃった」

ミク「にゃあ」


東西の塔の仕掛を動かした少女とリーナは再び正門に戻って来ました。

正門を開く最後の鍵は少女の不思議な力でしたが、門を開くと少女は力を失くし倒れてしまいました。

リーナ「大丈夫?」

ミク「………にゃあ」ハァハァ

リーナ「無理させてごめんね」

リーナ「見て、あの橋を渡ればお城から出られるよ」

リーナ「ゆっくり歩いていこ」

ミク「にゃ」ハァハァ


少女の手を握りそろそろと歩くリーナ。

二人がお城と陸を繋ぐ橋の半ばに差し掛かった時、突如橋が分断し始めました。

突然のことに驚いたリーナはバランスを崩し、少女の手と持っていた剣を離してしまいます。

落下するリーナの手を少女が掴みました。

しかし、後ろから城主が影と共に迫って来ます。

城主が近づくと周りを黒い空間が侵食し始めました。

その空間が少女を覆いリーナに触れようとした時、少女は手を離しました。

城主「…」

ミク「にゃあ…」


リーナはお城の下にぶら下がっている檻に引っ掛かりなんとか助かりました。

全身を打ち痛みが走るリーナは、それでも少女を助け出したい思いは変わらずお城の中を目指します。

お城の地下には船着き場があり、光る剣が安置されていました。

この剣には少女と同じ不思議な力が宿っているようでした。

リーナは石像を開け、昇降機に乗り込みます。


昇降機で上がった先は、最初リーナがカプセルに入れられた広い部屋でした。

ふと目をやると部屋の奥、祭壇に倒れこんだ少女とそれを囲む影達が見えました。

瞬間、リーナは無我夢中で影に向かって行きました。

専務の影「センムノミシロダ」黒い影「ウィ」事務員の影「ピヨッ」

リーナ「…このっ……ミクから離れろおおぉ!!」

少女を囲んでいた影を倒してもどこからともなく影が湧いてきます。

はにかむ影「コヒナタミホダゾ」寒い影「カゲノオカゲ」

リーナ「どれだけ出てくるの!?」

大量の影に囲まれてしまったーナ。

しかし、影は攻撃してきません。

まるで何かを待ってるかのように。


リーナ「えっ…なんで……」

攻撃してこないと分かり冷静になったリーナの目に"カプセルから出てくる一体の影"が映りました。

リーナ「もしかして、この影たちは………」

リーナ「そっか…そう、なんだ」

リーナ「苦しかったよね…ごめんね」

一人一人祈りながら影を攻撃するリーナ。

そして、最後の一人を倒しました。

リーナ「はぁ…はぁ……ぐすっ」

リーナ「ミク、大丈夫?」

少女は倒れこんだまま動きません。

その時、祭壇の奥に新しい部屋が姿を現しました。

リーナ「来いってことか。ちょっと待っててね」


-霧の城・玉座の間-

道産子の城主「………」

リーナ「ミクをどうするつもり?」

城主「諦めてください。もう手遅れです」

城主「私のこの躰、もう長くありません」

城主「ミクには私のумысел…あー、意思を継いで復活してもらいます」

城主「それがあの子の宿命、ですね。ミクは私の魂の器です」

城主「次に目が覚めたとき、アナタのこと憶えてません」

城主「さぁ、立ち去ってください。ミクも望んでましたよ?」

リーナ「…嘘だっ!!」ダッ

城主に対し剣を振るうリーナ。

しかし城主の魔法で剣は弾かれリーナは吹き飛ばされてしまいます。

その衝撃で頭の王冠が欠けてしまいました。


リーナ「ぐっ…ぅ…」

城主「悪い子、ですね。そんなに死にたいのですか?」

リーナ「…生贄の人たちを影に変えた上、ミクの躰を乗っ取る?」

リーナ「そんなの絶対に許さない」

城主「許されなくても運命変わりません」

リーナ「あんたを倒して変えて見せる」ダッ

城主「ふぅ、ヤレヤレ。кретин、馬鹿は死なないと治らないですね」

城主「これで終わりでぐっ…ガハッ……こん、なときに…」

リーナ「今だっ」ザクッ

城主「Oййййййййййй」

城主「…あの子…はこの…城か…ら……出ること…できま…せん…」

城主「た…とえ…私が死……んでも…」ガクッ

城主が今際の際解き放った魔力でリーナは再度吹き飛ばされ気絶しました。

城は崩壊を始め頭の王冠は、砕け散りました。


-霧の城・カプセル部屋-

リーナが城主を倒した瞬間、全てのカプセルから稲妻が少女に向かい放たれました。

リーナの入っていたカプセルを除いて。

稲妻を浴びた少女は影となり立ち上がりました。

そして玉座の間に足を運びます。

倒れているリーナを見つけた少女、リーナを抱え崩れゆく城を背に船着き場まで運びます。

少女はリーナだけを小舟に乗せ、押し出しました。

ミク「………にゃあ」


-砂浜-

リーナ「ん…あれ、ここは」

リーナ「舟?もしかしてミクが?」

リーナ「ミクー!」

リーナ「…どこにもいない」

リーナ「………そんな」


海外線をとぼとぼ歩くリーナ、お城から逃げ出せた喜びよりも少女がいない悲しみに包まれていました。

リーナ「はぁ」

リーナ「………ん?…あれは……誰か倒れてる?」

リーナ「もしかしてっ」ダッ

リーナ「!?…間違いない、ミク―!!」

ミク「…にゃぁ」

海外線に倒れていた少女は始めに出会った時のような真っ白な姿でした。

【おわり】


―――
――


-帰り道-

前川みく「ねえ、李衣菜ちゃん」

多田李衣菜「ん、何?」

みく「あのお芝居のキャッチコピーはどういう意味だったのかな?」

李衣菜「この人の手を離さない~ってやつ?」

みく「うん、作中だと何度も手を離してるよね」

李衣菜「あれはね、相手を想い心と心を繋ぐことだと私は思ってる」

みく「心を?」

李衣菜「うん、私たちで例えると『アスタリスクを解散しない。私の魂ごと失くしてしまう気がするから』になるかな」

李衣菜「アスタリスクは私にとってのロック。ロックは私の魂。それが無くなっちゃったら私は私でなくなるってこと」

李衣菜「直接じゃなくても繋げる手はあるんだよ」

みく「そっか、そういう意味だったんだ」

李衣菜「あくまで私の考えだけどね。ちょっと臭かったかな」

みく「ううん、そんなことない。みくも解散したくないよ」

みく「だってみくも猫チャンと同じくらいアスタリスクが大事だから」

李衣菜「よかった、これで解散だーなんて言われたらショックだったよ」

みく「もー李衣菜ちゃんはみくのこと信頼してないの?」

李衣菜「信頼してないとこんなこと言わないよ」

みく「むぅこういう時だけズルいんだから」

みく「罰として今日はハンバーグね!」

李衣菜「何の罰なの!?」

みく「いいからっ」

李衣菜「はいはい分かりましたよー」

みく「はいっ手繋いでいこっ」

李衣菜「…うん!」

終わり

以上です
読むの好きだけど書くとなると難しすぎて自分の文才の無さに泣けてくる
藍子と李衣菜がお散歩ロックしてるSS読みたい

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