【ミリマス】恵美と未央のパーリータイム【モバマス】 (61)

ミリマスの所恵美とモバマスの本田未央の話です

【ミリマス】美也と藍子のお散歩日和【モバマス】
【ミリマス】美也と藍子のお散歩日和【モバマス】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457016230/)

上の続きになります

美也と藍子は仲良し
四人とも寮生活
アニメの人間関係と違う部分あり
遅い更新

ご了承下さい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460195014

女子寮Vi棟

木々が色付く秋の日の午後、所恵美は飲み物でも、と思いラウンジを訪れた。

陽当たりの良さそうな窓側の席に座り、何やら眺めている少女を見つけ、声をかける。

「おっ、美也じゃん!何見てんの?」

この少女は宮尾美也。所恵美の同僚であり、ほんわかした雰囲気で売り出しているアイドルだ。

「恵美ちゃん、こんにちは~。この前に紅葉を見に行った時の写真ですよ~」

「それにしては美也の写ってる写真が多いような……」

「藍子ちゃんが撮ってくれたんですよ~。私も撮ったんですけど……難しいです~」

「あ、前に泊まりに来てた娘?」

「はい~。とってもふわふわした可愛い女の子です~」

「あはっ、美也にふわふわしてるって言われたら相当だねー」

美也の性格がそうさせるのか、ラウンジの空気は緩やかに流れていく。

導入がもう少し続きます

書け次第投下予定

一方その頃Pa寮では

「やっほー、あーちゃん!なーに聞いてんの?」

外に跳ねた髪とよく通る声、本田未央がイヤホンを着けた少女の肩を叩いた。

「きゃっ、未央ちゃん!?びっくりしました……」

声をかけられた少女、高森藍子は驚いて振り返った。

「えへへっ、ごめんごめん。それで何聞いてるの?」

「これですっ」

渡されたのは小さな歌詞カードだった。

「『ハッピ~エフェクト!』……あ、あーちゃんのCDの隣に並んでたやつだ!」

「はい、ふわふわしてていかにも美也ちゃんって曲ですよ」

「あーちゃんがふわふわって言う女の子……気になるなー」

「どういう意味ですか!?」

「我が事務所が誇るゆるふわ……そのあーちゃんが認める逸材……」

「誇ってません!あ、そうだ未央ちゃんこれ見て下さい」

「んん?ライブ?」

「美也ちゃんが出演するので一緒にどうですか?」

「おー行く行く!」

どこかに負けずとも劣らない緩やかな空気の中、予定をたて始めた。

そうしてライブ会場

「おおー立派ですなぁ」

未央は眼前に広がるシアターを見上げ感嘆の声を溢した。

「未央ちゃーん、こっちですよ」

そう言って藍子が指差した先には小ホールと書かれた案内が出ている。

「出演者は……チームVi?」

「はい、私たちのPaみたいに所属が別れてるみたいです」

話をしながらホールへ入って行く二人。そうしてステージは始まった。

妄想文学少女、自称姫、セレブ等々。

「なんだか面白いメンバーだねー。うちだったらPaかな?」

冗談っぽく未央が言う。藍子もそう思っていたのか笑顔を返す。

「うふふっ、そうですね。あ、美也ちゃんの出番みたいです!」

「こんにちは、宮尾美也です~」

「ほんとにあーちゃん以上かも……」

歌は『ハッピ~エフェクト!』
会場全体が不思議な空気に包まれた様だった。

「あーちゃんの言ってたことがわかったよ……ゆるふわ恐るべし。お、次の人で最後かな?」

「みたいですね。えーっと……所恵美さんみたいです」

長い茶髪をなびかせて恵美はステージに上がった。

「やっぱり美也は凄いね~。でも、こっからはガラッと空気を変えてくよっ!曲は『アフタースクールパーリータイム』」

緩やかな雰囲気はどこへ行ったのか、曲が終わる頃にはダンスホールのような高揚感に包まれていた。

「かっこよかったなー、恵美さん!」

「すっかりファンですね、未央ちゃん」

「お~、藍子ちゃん。来てくれたのですね~」

ライブの感想を話す二人に美也が声をかけてきた。

「美也さん、すごく良かったです!」

「む~、美也ちゃん。ですよ~?」

「あ、ごめんなさい。えへへ、まだ慣れなくて。そうだ、この人は本田未央ちゃん、私のアイドル仲間です!」

「はじめまして。本田未央、15歳!あーちゃんとアイドルやってます!」

「未央ちゃん、ですね。よろしくお願いします~」

お互いに挨拶を交わしていると、美也を呼ぶ声が聞こえた。

「美也ー!あ、こんなとこにいたの?」

「はい~、お友達が見に来てくれたんですよ~」

そう言って美也は二人を紹介した。

「藍子ちゃんだね。美也から話はよく聞いてるよ~。んでこっちが未央ちゃん、よろしくねっ」

「えっと……所恵美さん!?」

「そだよ~。ってそんな畏まらなくていいってば!」

未央の問いかけに恵美は気さくに返す。

「美也の友達の友達なんでしょ?じゃあアタシの友達みたいなもんだって」

「おぉ……恵美さん優しいっ」

「やっぱり堅いな~。ほら恵美ちゃんって呼んでみなって!」

誰とでもすぐに打ち解けられる二人の性質からだろうか、まるで旧知の友のように談笑をしている。

そんな二人を美也と藍子が眺めている。

「すっかり仲良しさんですね。でも、私たちも負けませんよ~。ね、藍子ちゃん!」

「はいっ!」

その後、いかにもお嬢様な言葉を使う女性が二人を探しに来た。美也を探しに行った恵美まで帰って来なくなって心配していたらしい。

じゃあまたね、と手を振って恵美たちは帰っていき、その場はお開きとなった。

「楽しかったねー。恵美さんと遊ぶ約束もしちゃった!」

「さすが未央ちゃんですねっ」

そうして二人は帰路につくのだった。

プロローグ、終わり

一旦ここまで。
次回以降は二人が買い物行ったりカラオケ行ったりする予定。

書け次第投下します。

色々書き込みありがとうございます。
文香×百合子、志希×可憐はR18で話を考えて文章にしなかったものが……

少し投下します。

Pa寮にて

クリスマス、年末年始、バレンタインと大忙しの冬を越え、ようやく春が訪れようとする頃。

「おはようございます、未央ちゃん」

「あーちゃんだ、おはよー!」

「今日は一段と元気だね」

いつも以上に上機嫌な未央。何事だろうと藍子が問い掛ける。

「今日は恵美さんと遊びに行くんだ!なかなか予定が合わなくてさー」

「私たちも少しずつ忙しくなってきましたしね」

連絡は取り合っていたし、お互いのライブ等を見に行ったりもしていたが二人の予定が重なったのは意外にも初めてだった。

準備は万全、お昼前に未央は飛び出して行った。

「到着っと。あ、恵美さーん!」

「やっほ、未央!お腹空かしてきた?」

待ち合わせ場所はファミレス前、少し早い食事を済ましてから街へ繰り出す算段だ。

「とりあえずドリンクバーで!」

座席に案内されると恵美が即座に注文する。店員にお決まりの説明を受けた後、恵美は嬉々として立ち上がった。

「未央は食べるもの考えといて!アタシが飲み物取ってくるからさっ」

「え?あ、はい」

しばらくして恵美が二つのカップを持って戻って来た。一つはジンジャエール。もう一方は何やら茶色く濁った液体。

「はいっ」

「えっと……恵美さん?」

「ん?ダイジョーブだよ!さ、飲んで飲んで!」

恵美に勧められ恐る恐る口をつける未央。

「……あ、美味しい。えーっと……コーラとカルピス?」

「そだよ~。美味しいでしょ?キューピットって言うんだって」

飲み物談義をしながら料理を待つ。コーヒーに塩を入れるとヤバい、などというもはやドリンクバーとは殆ど関係ない話を始めた頃に料理が届いた。

「いただきまーす」

二人揃って食べ始める。話題は美也と藍子を初めとした友人たちに移って行く。

「藍子ちゃんと美也って似てるよね。なんかこう……ふわーっとした感じがさ」

「あーちゃんのゆるふわも凄いけどみゃーちゃんがもっと凄くてびっくり!なんか二人で公園にいて気付いたら日が暮れてたとか……」

「あ~、あの二人ならあり得そうだね~。それにみゃーちゃんっなんか可愛いね~」

「みゃーちゃん猫っぽいからいいかなーって。それに姉妹っぽい!」

「確かに美也は猫っぽいね~。あ、そうだ!あだ名で思い出した!」

「え?」

「未央ってばなんで美也はみゃーちゃんなのに、アタシはさん付けなのさ!?」

「みゃーちゃんはあーちゃんがいつもちゃん付けて呼んでるから……それに恵美さんは恵美さんって感じだし!」

「美也ってアタシより年上だよ?」

「え、そうなの!?」

「その美也をみゃーちゃんって呼ぶんだからアタシの呼び方も変えるべきだって~」

「うーん……」

「よし!じゃあメグミィって呼んでみよう!」

「え、えーっと……メグミィ?」

「お、いい感じ!じゃ、これからはメグミィねっ」

「ええい!負けるな未央……これからよろしくねメグミィ!」

たかが呼び方、されど呼び方。予定よりずっと時間が押してしまったが、友情は確かに深まったようだ。

今晩はここまでになります。

二人は陽気に通りを歩いて行く。

「見て見て未央、あんな服どう?」

「えーっ!?可愛過ぎるって!」

「そうかな~?あ、そうだ今度、私服交換しよっか!未央も肩とかだしてこっ」

「おおー、いいねメグミィ。あ、制服とかも見たい!」

「いいねいいね~。てことは?」

「てことは!」

「「お泊まりだ!」」

二人の声が重なる。その後も話は尽きることなく日は暮れて行く。

「遊んだね~。いい時間だしそろそろ帰ろっか」

「だね!あー、お泊まり楽しみだなぁ。ちゃーんと日程調整しないとねっ」

「そのためにもお仕事お仕事!」

結局最後の最後まではしゃぎ尽くした二人だった。

昨日書けなかった分を書いて一段落。

これだけなら書いておくべきだった……

「お誕生日おめでとう!」

クラッカーが鳴らされる。主役はもちろん恵美だ。

仕事でどうしても来れない人を除けば、全員が恵美の誕生日を祝いに、この女子寮Vi棟に集まっている。

「私たちまで来ても良かったんでしょうか……?」

不安そうに尋ねるのは藍子だ。

「大丈夫ですよ~。むしろ来てくれた方が助かります~」

いつもと変わらぬ調子で答える美也。この誕生日パーティーに二人を呼んだ張本人である。

「あれ?未央ちゃんは……?」

さっきまで横にいた未央が居ない。あれ、と思ったのも束の間。すぐに声が聞こえてきた。

「メグミィ、誕生日おめでとう!」

「未央!来てくれたの!?」

「ふっふっふっ……この未央ちゃんが親友の誕生日を祝わないと思うかね?」

冗談めかして恵美に笑いかける未央。すっかりシアター組とも仲良くなっているようだ。

「未央ちゃんは凄いですね~。さあ私たちも行きましょ~」

「はいっ」

藍子の手を引く美也。

「恵美ちゃん、おめでとうございます~」

「おめでとうございます、恵美さん!」

「ありがと、美也!それに藍子ちゃんも。ささ、食べて食べて!いくら食べてもなくならないからさっ。あ、呼ばれてるみたいだし行ってくる!」

そう伝えると恵美はシアターのアイドルの方へ駆け寄って行った。

さて、シアター組の中では常識でも、未央と藍子は知らない。

いくら食べてもなくならない、その言葉が事実であることを知るのは数時間後である。

「はえー、メグミィって凄い人気だねー」

「みんな楽しそうです!」

恵美は仲間に囲まれて楽しそうに笑っている。しばらくして一段落ついたのか、恵美が二人の元へやって来た

「未央と藍子ちゃん、楽しんでる?」

「当然っ!」

「はいっ、あれ?何かいい匂いが」

「あ、わかる?プレゼントに香水貰ってさ、その場でつけたんだ~。えーっと……あの赤い服の娘!」

恵美の視線の先、そこには以前に藍子がここで見かけた少女がいた。

「うわっ、凄い美人……」

「私と同い年とは思えません……」

「でしょ!?美人だしオシャレだし……」

「でもメグミィも負けてないよね。美人でかっこよくって、しかも友達思いで。ねっ、あーちゃん!」

「はいっ!みんな恵美さんの誕生日を自分のことのように祝ってます。これってとっても素敵です!」

「ちょ、ちょっとやめてよ~……そんな褒められると恥ずかしいじゃん……」

「照れてるメグミィ……可愛い」

「写真に納めておきますっ」

「え?え!?写真は、写真はだめだって~!」

楽しい誕生日パーティーは遅くまで続いた。途中、仕事終わり組も合流してますます賑やかになった。

未央と藍子は何故か減らない料理に疑問を持ちつつも、大満足で帰路につく。 

「いやー、楽しかったねあーちゃん」

「はいっ、あ、でも食べすぎたから……」

「あ……」

明日からのレッスン頑張らないと、そう心に決めた二人だった。

恵美、誕生日おめでとう!間に合って良かった!友達思いで頼りになるけどちょっと自信がない、そんな恵美が大好きです。

読んで下さった方はありがとうございます。

また書き次第投下予定です。

少しだけ投下
明日、完結予定です

桜は散ってすっかり緑の葉を茂らせている。
大型連休に合わせたイベントやステージを終えて、アイドルたちは久しぶりの休みを楽しんでいる。

女子寮Vi棟にて

「んじゃ、待ってるね~」

そう言って電話を切ったのは所恵美だ。傍から見ても楽しそうな様子がよくわかる。

「あ、千鶴じゃん。にゃはは、聞いてよ聞いてよ」

「あら、御機嫌よう恵美。なにかいいことでもあったんですの?」

長い髪をなびかせながら入って来たのは二階堂千鶴。Viに属するアイドルでセレブキャラで売っている女性だ。

「それがさ~、未央が今日泊まりにくるんだ!」

「未央……本田未央さんですわよね?確か恵美の誕生日にもいらしてた」

「さすが千鶴、覚えてたんだね」

「恵美の親友であれば当然ですわ!お~っほっほっほ!…げほっごほっ」

実はセレブじゃないんじゃ、と思うファンもいる。シアターの仲間にすらいる。

それでも彼女を馬鹿にする人間はいない。そうあろうと努力する彼女の気高さを誰もが知っていた。

「ちょっと大丈夫~?」

「え、ええ。大丈夫ですわ。それより、未央さんが来るならおすそ分けをしてもいいかしら。コロッケをたくさん揚げ……買ってしまいましたの」

「いいの!?未央も絶対喜ぶよ!」

これで夕飯の心配はほとんどなくなった。あとは布団の用意くらいか、と恵美は部屋へ戻っていった。

Pa寮にて

「じゃあ準備して……15時くらいには行くねっ」

本当はすぐにでも行きたかったがそうもいかない。お泊りには何かと準備が必要なのだ。
必要なものを考えていると誰かがラウンジへやってきた。

「あー疲れた……あ、未央ちゃんじゃない」

「お疲れ様ですっ!」

「元気ねー、羨ましいわ……お姉さん、ここ数日の仕事仕事仕事で体にガタが…」

何やらぐったりした様子で入ってきたのは片桐早苗。未央や藍子と同じPaに属するアイドルだ。

「何言ってるんですか早苗さん。まだまだ現役でしょ!」

「……そうよね、まだまだいけるわよね!」

片桐早苗、28歳。気分もやる気もまだまだ現役である。

「でも無理はしないで下さいよー」

「はーい。そうだ、未央ちゃん。ずいぶん楽しそうに電話してたわね」

「はいっ!今日はお泊りなんです」

「まさか……彼氏!?」

「違いますよ!?所恵美さんって知ってますよね?」

「あー、前に藍子ちゃんと話してた娘ね」

「そうです、今日はその恵美さんのところに行ってきますっ」

「存分に楽しんできなさい。あ、でも羽目を外しすぎちゃだめよ?」

「はーい」

早苗は元警官ということもあってか、学生たちの動向には常に気にかけていた。
二日酔いでダウンしているところもよく見かけるが、やはり大人である。

未央は早苗と別れると、泊まりの支度をはじめた。

私事で今日中の完結が厳しくなりました。
今週中には完結しますのでご了承下さい。

そうして約束の時間

「お邪魔しまーす!」

元気よく女子寮に足を踏み入れる未央。何人かがそれに気づいて挨拶をかける。
恵美の誕生日にあっただけなのにこうも溶け込めるのは未央の人間性に寄るものだろう。

「お、来たね、こっちこっち!」

出迎えた恵美が手まねきする。

「やっほー、めぐみぃ!」

「さ、部屋まで行こっか」

途中、美也の部屋なんかを紹介しつつ二人は部屋へと向かう。

「はい到着。さ、入って入って」

「お邪魔します」

部屋に入ると様々な写真が目に入った。どの写真も仲間と肩を組み、手を繋ぎ、笑い合っている写真ばかりだ。

「あ、この娘、誕生日にもいたよね。あ、この娘も!」

「みんなシアターの仲間でさ、いい娘ばっかりだよ~」

そんな話をしていると呼び鈴が鳴らされる。

「ちょっと出てくるね」

しばらくして恵美がいい匂いをさせて帰って来た。

「じゃーん!コロッケ~」

「やったー!」

時計を見ると夕飯にいい時間だ。

「じゃあご飯にしよっか。コロッケ以外は……昨日の残りでいい…?」

「未央ちゃんは何でもおいしくいただくよっ」

そうして簡単なサラダやスープが並べられる。もちろんメインはコロッケだ。

「いただきまーす」

二人は揃ってコロッケに箸を伸ばす。

「美味しい!こんなに美味しいコロッケ初めて!」

「にゃはは、でしょ?シアターが誇るコロッケなんだから」

「シアターが誇る……ぜひとも揚げたてを食べたいものですな」

揚げてからしばらくは経っているであろうコロッケ。にもかかわらず衣がサクサクしている。
潰しすぎていないジャガイモがしっかりと味を主張し、それに負けじと千切り肉がジューシーさを出している。

「じゃあ今度はお店行こっか」

二人は存分にコロッケを堪能したのだった。

「さてと、お風呂の時間だよ!」

「だねっ!」

なぜかのりのりの二人だ。

「ほほー、大きいとは思ってたけどこれはこれは……」

「ちょっと未央~、目つきおやじっぽいよ~?」

「ほーんとめぐみぃセクシーだよねー」

「未央だってスタイルいいじゃん」

「いやぁ、私なんかは女として見られてないってー」

「そんなことないって~」

和気あいあいで楽しい入浴時間、裸の付き合いに男女の別はない。二人揃ってそう思える時間になった。

入浴を終えて涼んでいた恵美に未央が声をかけた。

「めぐみぃ、愛って何だと思う?」

「どしたの未央、好きな人でもできた?」

「そんなんじゃないってー。今度『ラブリー』って曲をカバーすることになったんだ」

「あ、そういうことね」

「だから愛ってなんなのかなーって。めぐみぃなら詳しそうだし」

「どんなイメージ!?でも愛かぁ……」

「あーちゃんとも話したんだけどね。あーちゃんは「何かを共有したい、一緒にいたいと思う気持ち、そこにあるんじゃないかな?」って」

「アタシもわかんないな~。でも何も男女の恋愛とは限らないよね。仲間のために何かしてあげたいってのも一種の愛じゃない?」

「何かしてあげたい……」

「ま、正解がどうかなんてわかんないけどね~」

「うーん……」

「ほら、未央も思ったこと言ってみなって」

「いや、でもねぇ……」

未央は普段のハキハキとした様子と打って変わってなかなか話せないでいた。

「そんなに悩まなくていいじゃん。アタシらの年でそんなのわかりっこないって。それに未央は言いたいことあるんじゃない?」

「え?」

「みんなの答えと未央の答えが違ったっていいじゃん。ほら声に出さなきゃ始まんないよ?」

「私は……」

「うんうん」

「相手に近づきたいと思う気持ち、だと思う!趣味とか好きなものを知りたいとか……」

「いい答えじゃん。正解かはわからないけど、未央らしいって思うな」

「本当に?」

「未央ってば変なとこで臆病だよね~。誰も怒ったりしないって」

「自信がないっていうかさ、みんなのためって言い訳して引いちゃうタイプ?」

「ううっ……」

「……アタシもそうなんだろうけど……」

「えっなんて?」

「なんでもっ!さあ寝るよっ」

ちょっぴり自身のない二人の夜は騒がしく更けていく。

二人の頭の中が少し整理されただけで、大きく何かが解決したわけではない。

似たもの同士の二人の仲が親愛に一歩近づいた、そんな夜であった。

「恵美と未央のパーリータイム」終わり

読んで下さった方、ありがとうございます。
続編を考えていますので、その時もまたお付き合いいただければと思います。

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