ジャン「30人のモン娘と迷子のお嬢様探し」(クイーンズゲイトSC) (137)

更新不定期。

稀に選択式安価有り。

暇つぶしにでも読んであげてください。


それでは、はじまりはじまり。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460103378



僕の名はジャン。キュートお嬢様の従者であり、ヒーラーです。



今から2年ほど前、お嬢様と一緒にクイーンズブレイドを目指して冒険の旅をしていました。



当初の僕は、どうせすぐ飽きるだろうとタカをくくっていたのですが……



ひょんなことから、美闘士さん達と知り合いになったり、怖い魔法使いや吸血鬼に襲われたり、



実はお嬢様の中に神様?が宿っていたり、その神様のお姉さん達と戦ったり、



正直、死ぬかと思いました。



優しくしてくれる人もいれば、厳しく接してくれた人もいました。特に天使の人は僕を サル と呼んでいつも罵っていました。



懐かしいなぁ。美闘士さん達元気かな。


こんなこともありました。



冒険の途中でお嬢様とはぐれて途方に暮れていると、空からおっぱ……もとい、自称 お菓子職人の美少女が落ちてきたり、



異世界からやってきた露出のすごいツインテ美少女と友達になれたり、異世界の扉を通っていろんな世界を回ったり、



大変なこともたくさんあったけど、異世界の美女とたくさんお知り合いになれました。



その時、敵として僕達の前に立ちはだかったのが、次元そのものを食べてしまう暗黒の覇者。



名前はよく覚えていないけど、とてもかわいい声をしていたのは覚えてます。



一度殺されたのは、今となってはいい思い出です。



え?生きてるじゃないかって?生き返ったんですよ。信じてもらえないかもしれないけど、あんな体験はもう二度と御免です。



そんなこんなで、暗黒の覇者を倒して皆さんとお別れをした後、もとの世界へ帰って来ました。



ご実家に帰った後も、お嬢様は相変わらずクイーンズブレイドに参加したがっています。原因である中の人も俄然やる気のようです。



しかし、今度ばかりは旦那様がお許しになるわけも無く、凄まじい討論の結果、女性として一人前になってからならば参加を許すとの事で決着がつきました。



流石は旦那様。冒険の最中、素晴らしい剣技を身に着けたお嬢様ですが、女性としてはまだまだ未熟。



おてんば な お嬢様の弱点を突いた見事な裁量でした。



そして、一人前のレディになるべく奥様と修行を始めたお嬢様でしたが……




ジャン「う~ん、独創的」




こっちの修行はなかなかうまくいっていないようです。




キュート「ジャン!うるさい!!」



ミシェル『キュート、私もやってみたい』



キュート『ダメよ。ミシェルにやってもらっちゃったら、お父様との約束を破ったことになるもの』



ミシェル『そうだよね……がんばれ!キュート』



ジャン『今、何か会話しましたね。そんな顔してましたよ。お嬢様たち♪』



編み物が上手く出来ず、ムスッとしているお嬢様。対照的に、奥様はあらあらと微笑んでいるばかり。



きっと、お嬢様の短気な性格は旦那様に似たのでしょう。体のほうは、奥様譲りであって欲しいと願うばかりです。



お嬢様の成長は未だ未知数。僕は、いつも温かい目で見守っていますからね。



キュート「ジャン!こんなところで油売ってないで、まき割りでも手伝ってきたら!?もう直ぐ冬になるんだからね!!」



ジャン「はいはい」





帰ってきてから二度目の冬が来る。



あの辛くも、美しい日々の思い出に浸りながら、今年もまき割りを楽しむとしましょう。



そうそう、美闘士さん達や異世界の皆さんとは別れてしまったけれど、



旅が終わった後もついてきてくれた心強い仲間が、僕には30人もいるんです。



一時はどうなることかと不安でしたが、旦那様は変わった娘達ができた。と、彼女達がここで暮らすことを許してくださいました。



これは、その変わった娘達と、またまた迷子になってしまったお嬢様を探しにいくお話。



キュート邸 中庭



ケラット「ほい」ひょい



ステラ「ふんっ!」スパンッ!



ティノ「はいですっ」ひょい



ステラ「はぁっ!」ズバッ!




カララララララランッ!!




ステラ「次っ!投げて。早くしないと冬が来るわよ!!」



ケラット「そんなにあせんなくったって……四六時中ここにいなくちゃいけないわけじゃないんだから、てきとーでいいじゃん。呼び出されたら来ればいいんだからさ」



ティノ「わ、私は、ジャンさんやキュートさんと一緒に居たいから……」



ケラット「二人共すっかり懐いちゃって。恐竜チームじゃあボクが一番 ジャンキュー と付き合い長いんだけどな~」



ステラ「あっちよりもここの方が過ごし易いからに決まってるでしょ。暖かい食事と安全な寝床のありがたみが……」



ケラット「はいはい、そんなこと言ってジャンが気になってるだけじゃないの?」



ティノ「えぇ!?」ガーン!



ステラ「ティノ、そんなわけないでしょ。ジャンのことなんて全然好きじゃないわ」



ケラット「へーそー。ま、ボクはキュートが気になってるかな。キュートには是非あのままで居て欲しいなぁ」




ズンズン…



ケラット「げ、うるさいのが来た」



ケーラ「またサボってるな、ケラット。まき割りはジャンがボクらに任せた重要な仕事なんだぞ」



ケラット「ちぇ、同族のくせにいつも厳しすぎるんだよ。ケーラは」



ケーラ「ボクは別に難しいことを言ってるつもりはないんだけどな」



モンスリー「まぁまぁ、皆でやればすぐ終わるし。力をあわせてがんばろうよ」



ケラット「へぇ~い」



ティノ「ラルちゃん、瑠那ちゃん。そっちは終わったの?」



ラル「うん」



瑠那「手伝うよ。ティノちゃん」



ティノ「ありがとう。お願い」




サーシャ「またケラットのサボりぐせがでたの?」



慧梨「あなたも苦労するわね」



ステラ「ありがと……ごめん、手伝ってくれる?」



サーシャ「お安いごようよ」



慧梨「まかせて」


コンッ!!カコン!!コンッ!!カコンッ!!



テクテク……



ジャン「やぁ、皆さんやってますね。お手伝いに来ましたよ」



ティノ「あ!おにぃ……ジャンさん!」



ラル「きてくれたんですねー!」



瑠那「うれしいですっ!」



ジャン「僕も嬉しいよ。こんなに可愛い妹達がいつも傍にいてくれるんだから!」



ステラ「調子に乗るな」



ジャン「すみません……」



ティノ「私達のせいで怒られちゃいました……」



ラル「ごめんなさいですー……」



慧梨「大丈夫よ ラル。こんなのいつものことでしょ」



瑠那「ぐすんっ……」



サーシャ「瑠那、泣かないで。ほら、涙拭くわよ」



瑠那「うじゅ……」




ケラット「ん?よ~~ジャンじゃん」



ジャン「やっぱりこうなってましたか、はいケラットさん。これを食べて元気出してください」



ケラット「おぉー!生野菜!!さっすがジャン♪ちょうどおなかペコペコだったんだぁ!ありがと!!ボクがんばるよ!!!」むしゃむしゃ!



ジャン「はい、モンスリーさん。新鮮なトマトです」



モンスリー「ジャン、いつもありがとう。いただきまーす」もぐもぐ!



ジャン「いえいえ、こちらこそ。さぁ、ケーラさんには大好きなキャベツを持ってきましたよ」スッ…



ケーラ「いや、ボクはいいよ。小腹すいてる程度だし。仕事が終わった後にでも……」



ケラット「あ、そうなの!じゃあこのキャベツはボクのね、いただき!」がぶがぶ!!



ケーラ「む……」



ジャン「だと思って、野菜ジュース作っておきましたよ。これならいいでしょう。はい、水筒」



ケーラ「わぁ……!ありがと、ジャン。んく…………ん……ぷはぁっ!うまーい!!」



ジャン「よかった。これでまき割りも捗りますね」



ステラ「……単純よね」



ジャン「そうですね」



サーシャ「ジャン。手伝いにきたんでしょ?ぼーっと突っ立ってないで斧持って、ほら!!」



ジャン「はい。おっとっと!」パシッ……ポロッ!ズンッ!!



サーシャ「もう!どんくさいわねぇ。はい、しっかり持つ!!…………足は大丈夫?今、斧が当たらなかった?」



ジャン「大丈夫ですよ」



慧梨「びっくりした…………しっかりしてよねっ。怪我したらどうするのよ!」



ジャン「治しますけど……」



慧梨「けど、痛みはあるし血も出るでしょ。それに、あんたの血なんか絶対にみたくないわ」



ジャン「心配してくれるんですね」



ステラ「注意しなさいってことよ」



ジャン「はい……ふんっ!!」ブゥン!



カコンッ!!!



ティノ「お見事ですぅ!」



ラル「さすがですー!」



瑠那「かっこいいですっ!」



ジャン「いやぁ、なんのこれくらい!」




……………コンッ…!ドサッ!!



ジャン「ふぅ~~~……とりあえず、今日のノルマは終わりましたね。皆さんお疲れ様です」



ケラット「あ~~疲れた。晩御飯、ボクのは大盛りね」



ジャン「わかりました」



ケーラ「ジャン。なんか困ったことがあったら、ボク手伝うよ」



ジャン「今は無いので、大丈夫です」



モンスリー「ねぇ、ボク今日はほうれん草が食べたいよ」



ジャン「はい、厨房に伝えときます」



ステラ「お風呂借りたいんだけど」



ジャン「沸かしてありますよ」



慧梨「ん、おつかれさま」



ジャン「おつかれさまです」



サーシャ「ジャン、そろそろ髪切ったら?」



ジャン「そんなに伸びてます?今度アラネちゃんに切ってもらおうかな」



ティノ「ジャンさん……」つんつん…



ジャン「どうしたの?」



ティノ「晩御飯が終わったら、また お兄ちゃん の部屋でお話したいですぅ…」ぼそっ…



ジャン「お兄ちゃん……嬉しいです」



ラル「ティノちゃんずるい…ラルもお話しするですー……」ぎゅぅ!



瑠那「瑠那も…まぜてくれたら嬉しい……ですっ…!」きゅ…!



ジャン「ムッホ!」



時には、こんなご褒美があったり。お兄ちゃん、たまりません。



ティノちゃん、ラルちゃん、瑠那ちゃんの3人は同種ではないものの、かなり近い種なんだそうです。



顔もしっぽの感触も似てはいますが、比べるとその違いがわかります。特に色はまったく違いますね。



ティノちゃんのしっぽは少しゴツゴツしているし、ラルちゃんのは鱗越しでもわかるほどむにむにと弾力がある。瑠那ちゃんのはいつもしっとり潤っていてとてもエロスです。



どのしっぽも一度触ったら病みつきになってしまうほど魅力的です。が、色々と後が怖いので、おさわりはしっぽだけと決めています。



キュート邸 厨房



ジャン「ふんふんふ~~ん♪」



恐竜チームの皆さんがお風呂に行っている間、夕食作りのお手伝いです。



お風呂なんてすぐ終わると思うのですが、いつも40分以上は出てこないので、空いた時間を有効活用です。



ぽんっ!



ジャン「あ」



天狐「小僧、晩ごはんはまだかのう」



ジャン「もうすぐですよ」



天狐「お揚げは昨日食べたから、今日は豆腐がいいのう」



ジャン「残念ながら、豆腐は切らしてます。また別の日にしましょう」



天狐「それは…残念じゃのう……」



ジャン「ここでは豆腐も貴重品なんですから」



天狐「うむぅ……」



ジャン『この人はホントにアレインさんより年上なんだろうか……』



ジャン「それより天狐さん、出てくるなら出てくるって言ってから出てきてくださいよ。いつも言ってるでしょう」



天狐「ふん♪ワシは好きなときに出て好きなときに帰るのじゃ」



ジャン「ひどい契約だよほんと」



天狐「なぬ!?小僧、ワシが近くに居るとそんなに嫌か!!」



ジャン「嫌じゃないですけど、僕にだってプライバシーってものがあります」



天狐「ううむ……世知辛いのう。これが、じぇねれーしょんぎゃっぷってやつかの」



ジャン「それは関係な……え」



ぽんっ!



蔵舞「小僧、今日のおかずは鶏の竜田揚げにしてほしいのじゃ」



ぽんっ!



山吹「小僧や、肩を揉んでくれんかの。昨日の重労働のせいで肩がかちこちなのじゃ」



ジャン「これだよ」パァ…!



山吹「はえ、肩が軽いのじゃ」



ジャン「はいはい、もうすぐご飯ですから大人しく待っててくださいね。はい、肩こり治しましたよ山吹さん」



天狐「はっ……これが反抗期というやつかの!?」



蔵舞「コン~………小僧、冷たくなったのう」



山吹「最近は、化かされてもくれんしの」



天狐「さみしいのう……」

蔵舞「さみしいのう……」

山吹「さみしいのう……」



ジャン「鍋をあたため……あ、いけない。火種が消えてる」



天狐「お!小僧、火ならワシがつけてやるのじゃ♪」



蔵舞「いやいや、ここはワシが!」



山吹「いーや、ワシじゃ!!ワシのが高火力じゃ!!」



わーーーーわーーーーー!!!ポカポカッ!!!!



ジャン「じゃあ、天狐さんの火をもらいますね。蔵舞さんも山吹さんも、気を使っていただいてありがとうございます」なでなで…



天狐「おふぅっ……!?そ、そこはぁ………」///



ジャン「蔵舞さんは耳の付け根でしたね」こしょこしょ…



蔵舞「だっ…だめ……おぉ~~~…」///



ジャン「山吹さんは顎でしょう?」もふもふ…



山吹「うひゃ……コ、コンコンしてしまぅのじゃぁ……」///



ジャン「……はっ、いけない。調子に乗るのは僕の悪い癖だ……じゃ、僕はこれで」



天狐「こ、小僧……は、良き成長を遂げたようじゃの…」


蔵舞「うむ……鼻が高いのう」


山吹「もっとしてほしかったのじゃ……」



さて、話は変わりますが、このお屋敷の食堂にあるテーブルはとんでもなく長い。どれくらい長いかというと、50人が余裕で座れる程長いんです。



そんな長い食卓が二つも並んでいるので、食事前の拭き掃除だけでも苦労します。



これも、食事は主従分け隔てなく同じものを皆で一緒に食べる。という旦那様の暖かい方針のおかげなのです。



ジャン「食卓はきれいになってますかね。ちょっと見に行こう」

クッソ懐かしいな
期待

思い出がたくさんある。良ゲーだった



キュート邸 食堂



ジャン「おぉ、これはすごい。ピッカピカだ」



プラム「お、ジャンだ。それ、パックン!パック~~~ン!!」



ジャン「わぉ」スッ…



バク……



プラム「へ…………!?わぁあー!!ジャン!!!なにやってんの!!溶けちゃうよ!?!?」



ペッ!



ジャン「治すから、大丈夫ですよ」ぺカー……



プラム「もう!自分からパックンされるなんて変態なんじゃないの!?」



ジャン「そうかも」べっとり…



マーム「あーーーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃwww」



陽子「ぷっぷすーwww」



アーム「わぁあ~~ジャン~~~♪」



陽子「なにやってんの~~溶けちゃうよ~~~♪」



プラム「む…!ぐぬぬ……!!」



マーム「傑作ぅ!!ジャン、最高だよ~!」



ジャン「どうも」



陽子「このこのぉ、プラムったらカワイイ子ぉ!!」つんつん!



プラム「う、うるさぁああああい!待てーーーーーーーーーー!!パックンしてやるーーーー!!!」



マーム「きゃあー共食いーー」



陽子「こわーいー」



ジャン「しまった。僕のせいでテーブルにプラムさんの唾液が……ここは僕が責任をもって掃除しよう」



フキフキ……スッ……



ジャン「くんくん……うん、ラベンダーのような良い匂いだ」すぅ~…



プラム「待たんかい!ふたりと……ちょっ!?嗅ぐなっ!バカぁ!!」



にぎやかなことをしている内に、夕食の時間になっていました。



朝、昼、晩。決まった時間になると、僕は彼女達を呼び出して食事をします。



一日働いてくれた娘も、その日は非番だった娘も、皆一緒です。



最初は使用人の方々も、モンスターである彼女達を怖がっていたのですが、今ではすっかり慣れたようで皆食事を楽しんでいます。



ちなみに、奥様からの言いつけにより露出度の高い服装の娘は、淑やかな服装に着替えることが義務付けられました。



この取り決めには旦那様も僕も少しガッカリです。

ジャン「皆さん、夕食の時間ですよ。出てきてください」




ぽぽぽぽぽんっ!!




ピュイア「ん~~~……もうこんな時間か、一日は早いねぇ」



ジャン「今晩は、ピュイアさん。今日は何かしてました?」



ピュイア「いつもとおんなじ。爪磨いたり、昼寝したり、速く飛ぶ練習したり、退屈だったね。会いたかったよ、ジャン」



ジャン「僕もです」



リオ「や!ジャン♪今日は暇だったから、あっちで一日中踊ってたよ。あたしの踊り、後で見せてあげようか?」ゆさゆさっ…!



ジャン「ぜひお願いしま……いえ、今日はやめておきます。また、次の機会にでも」



リオ「あ、そう?残念だねぇ」



ジャン「はい。とても……」



ジャン『紳士は二重に約束をしたりしないのです』



メイス「よぉ、ジャン。お?………鼻の下のびてんぞ」



ジャン「んん!……メイスさん。今日こそは貴女に振り回されはしませんよ。一体何を証拠に僕の鼻の下が…」



メイス「このスケベが。リオのここ、チラチラ見てただろ?ほれほれ」ゆさゆさ…



ジャン「…」じぃっ…!



ジャン『布で隠れているからか、普段の露出過多な服装よりよほどエロスを感じてしまいます』



ピュイア「乗せられんな。馬鹿」ポカ!



ジャン「あいた」



ピュイア「いいかげん慣れろよ。みっともない」



メイス「いつまでも不慣れだからかわいいのに。なぁ、ジャン?」なでなで…



ジャン『メイスさんは言葉に毒はあるけれど、とても積極的。この人の前では終始受けに徹する僕です』



恐竜チームの皆さんも、お風呂から上がって来たようです。



風呂上りのしっとりとした髪からは、ほわん…と、甘い香りが漂ってきます。




ジャン「…」すぅ~…




突然ですが、腹式呼吸は健康に良いのです。是非お試しください。




ぞわっ…




ジャン「…!?」



ジャン『なんでしょう…突然、背筋に悪寒が……』




のそ~…



アラネ「…」てくてく…



ジャン「アラネちゃん。待ってましたよ」



アラネ「髪………のびたね」ぼそ…



ジャン「あぁ、はい。サーシャさんにも言われました」



アラネ「切る……の?」



ジャン「はい、流石に放っておきすぎましたね。もう肩にかかるほど伸びてしまいました」



薫子「のばしてるのかと思った……」ぽそっ…



ジャン「あ、薫子ちゃん。今日は髪型が違いますね」



薫子「…………気づいた……えらい」///



ジャン「そりゃ、毎日見てますからね。ポニーテール、似合ってますよ。可愛いです」



薫子「30人も……居るのに……覚えてるんだ…………」じとー…



ジャン「……もしかして、何かご褒美でもくれるんですか?」



薫子「ん……考えとく」



ジャン『やった!しかし、今夜はダメだ…』



ジャン「あれ?そういえば、ラクネちゃんは……まさか」



ぴと…



ラクネ「うん。後ろ……」



ジャン「やっぱり……いつからですか?」



ラクネ「昨日の……晩御飯から。ずぅっと……一緒……ふふ………」



ジャン『ひぇ…』



ラクネ「見てたよ。今日は…キュートに………トカゲ、キツネと仲良くしてたね。たのしかった?」



ジャン「いや、僕はただ皆さんとの親睦を……」



ラクネ「でもいいよ……ジャンが誰と仲良くしても………」



ジャン「別に一緒にいてくれるのは構いませんから 闇隠れ 使わないでくださいよ……」



ラクネ「それはダメ……!恥ずかしい」



ジャン『慕ってくれるのは嬉しいんだけど……安心してトイレもお風呂も使えないんだよなぁ…』




アラネ「ラクネ……そういうのよくないでしょ…」



ラクネ「そ……」



薫子「ストーカーは悪趣味……」




ズゥーーン……




ジャン『うぉ…!空気が重くなってきた……ここは!』



ジャン「アニーさん!」



アニー「はーーーい!何?ジャン」



ジャン「アラネちゃんたちが、アニーさんたちと一緒にご飯食べたいって」



アニー「ほんとぉー!?アラネちゃん、いっつもそっけないから嫌われてると思ってた!!」



アラネ「え……ジャン?」



ジャン「いやぁ、良かったですね。今日はきっと楽しい食事になりますよ」



薫子「ごめんね……けんかして…あやまるから…」



ラクネ「ジャン。やめて……それだけは…」



アニー「べス!セレネ!カモーン!!」



アラネ「ひっ…」



べス「なになにー?」



セレナ「どしたのー?」



アニー「今日はここに座ろうよ!アラネちゃんたちが、私たちと一緒にご飯食べたいんだって!!」



べス「えぇ!?やったねー!蜘蛛チームの子、みんなかわいいからすきー♪」



セレネ「あーーーんしたげるー!!」



わーーーーわーーーーーーー!



騒がしいのも束の間。



他の使用人たちにはお構いなしな彼女達ですが、



旦那様と奥様。お嬢様がお見えになると



着席して静かにしてくれます。



お祈りが終わると、



旦那様の いただきます の一声とともに、楽しい夕食の始まりです。


カチャカチャ…



ジャン「お嬢様。トマトが手付かずのようですが」



キュート「うっさい」



ジャン「好き嫌いなどしていては、いつまでたっても一人前のレディーにはなれませんよ」



キュート「わかってるわよ」



ジャン「ミシェルさんに食べてもらうのは無しですからね」



キュート「そんなことするわけないでしょっ」



ジャン「どうです?ミシェルさん」



パッ!



ミシェル「キュートはズルなんかしないよ。ジャン」



ジャン「そうですか。ミシェルさんがいうなら……」



パッ!



キュート「はっ……ど、どうよ。ふん!」



ジャン「御見それいたしました。じゃ、トマト」



キュート「うう……うぇぇ…」パク…



ジャン「流石でございます。お嬢様」



カチャリ…



ジャン「ふぅ…おなかいっぱいだ」



ごちそうさまでした。



旦那様の一声で、いっせいに食事の片付けが始まります。



ジャン「ごちそうさまでした。よし、僕もお手伝いしよう」



今日の片付け当番はフェアリーチームとメデューサチームの方々です。



このチームなら、片付けなど直ぐに終わるでしょう。



カチャン…



シャルロット「よいしょ…!あ!?」ポロ…!



サッ!



ジャン「危ない!…っと、間一髪でしたね」



シャルロット「ジャン、ありがと」



ジャン「らしくないですね、シャルロットさんが食器を落すなんて……あっ!!」



メイ「どうしたの?シャル、ジャン」



エミリー「何かあったの…?シャル……シャル!あなた、羽に穴があいてるじゃない!?」



ジャン「これじゃまともに飛べないはずですよ」



シャルロット「大丈夫よ。掃除してるときに、燭台にひっかけただけから……」



メリッサ「ジャンさん」



ジャン「メリッサさん……すみません。後はお願いします」



メリッサ「はい、シャルロットさん、お大事に…」



エマ「困ったときは、お互い様ですものね」



スメラギ「そうですよ。シャルロットさん」



シャルロット「じゃあ……休ませてもらうわ。皆、ありがとう…」



ジャン「いきましょう」



シャルロット「うん…」



って、今日はまだ終わりじゃあありません。



ティノちゃんたちとお話をすると約束していたんだ。



僕は、なんて幸せなんだろう……



しかし……



お嬢様のこともあり、なかなか手を出せないでいる僕です。



お嬢様は、僕が彼女たちと仲良くしているのを見ると、不機嫌になります。



モてる男はつらい……と思いきや、自分が修行というつらい目にあっているのに、



従者である僕が幸せな目にあうのが許せないのでしょう。



確かに、僕でもそれは腹が立ちます。



なので、お嬢様に気づかれずに……なんとかして彼女たちと距離を縮めたい……



僕だって男です。



可愛い娘と、いやらしいことがしたいのです……




トントン…



ジャン「お………開いてますよ」



ガチャリ…



ジャン「>>39







1 あれ?ティノちゃん一人?



2 ラルちゃん?二人はどうしたの?



3 瑠那ちゃん?ジャンケンで勝ったから来たって…?



4 やぁ、三人とも。どうぞ、狭い部屋だけど。



5 何故、ケラットさんが……

4

ksk

4



ジャン「やぁ、三人とも。どうぞ、狭い部屋だけど」



ティノ「お邪魔しますぅ」



ラル「滅相もないですー」



瑠那「きれいな部屋ですっ…」



ジャン「ごめんね。僕の部屋、椅子が一脚しかないもんだから。三人とも、ベッドに座ってもらえるかな」



ティノ「はいですぅ」



すとん…



ジャン「さて、何を話そうか?」



ラル「ジャンさん、これ……」ごそごそ…



ジャン「これは…?」



瑠那「私達からの、プレゼントですっ」


ぬくぬく…



ジャン「わぁ……これは暖かくていいや!ありがとう」



ティノ「帽子はティノがつくりましたぁ」


ラル「マフラーはラルですー」


瑠那「手袋は瑠那が。サイズ、大丈夫ですか?」



ジャン「うん、どれもピッタリだよ」



ラル「喜んでもらえて嬉しいですー!」


瑠那「やったねー」



ティノ「あの…」



ジャン「どうしたの?」



ティノ「私達、ジャンさんのために、いっぱいがんばったんですぅ……冬でも、寒くないようにって」



ジャン「…うん」



ラル「…」


瑠那「…」



ティノ「だから……その…ご褒美が欲しいんですぅ…」///



ジャン「ぽっ…」///



ジャン「お兄ちゃん……とっても嬉しいよ」



ラル「お兄ちゃん…!ラル、なでなでしてほしいですー……」ぎゅっ…



ジャン「わかった。これくらい……?」なでなで…



ラル「も…もっとつよく……」ぐりぐり…



ジャン「こ、こうかな……!」はぁはぁ…



瑠那「…えいっ」頭突き!



ごつん!



ジャン「あたっ!」



瑠那「瑠那は、しっぽ!しっぽがいいですっ!ぎゅってしてくださいっ」



ジャン『瑠那ちゃんはこういうときになると、二人よりも積極的になってくれるんだよなぁ…ムハー!三人とも可愛すぎる!!』



ぎゅ~~……



瑠那「んあぁ……おにいちゃぁん」とろ~ん…



ジャン「しっとりとしていて、手に吸い付いてくるみたいだ……」



ティノ「あの…あのぅ…」あたふた!



ジャン「おいで、ティノちゃん」



ティノ「……はいですぅ」



だきっ…



ジャン「…」



ジャン『ティノちゃんは僕に抱きつくのが好きみたい。そして、僕もティノちゃんを抱きしめるのが大好きです』



ジャン『一見華奢に見えるものの、流石は恐竜族の肉食種。ぷにぷにとした肌のやわらかさの下に……』ぎゅぅ…



ティノ「……あんっ」びくっ!



ジャン『はっきりとした筋肉の感触があります。剛と柔が調和している……この抱き心地はまさに、極上です』



ジャン『理性を保つのが苦しくなってきますが……ここは冒険で培ったお預け耐性が物を言います』



ティノ「はふぅ……お兄ちゃん」すりすり…



ラル「む~……長いですー!」



瑠那「私もっ!」



むぎゅーー!!



ジャン『うおぉん!?極上の感触がさらに二つ……!!』




今夜は、長くなりそうです。




ティノちゃん、ラルちゃん、瑠那ちゃんの愛をハッキリと感じたような気がする!

待ってる



今日は日曜日。



旦那様の方針で、日曜日はほとんどの使用人がお休みをもらうことができます。



なので、使用人が休みで少ない日曜日は、なんと旦那様、奥様、お嬢様が家事をこなすのです。



旦那様曰く、これも家庭を円満に保つ秘訣なんだとか。



これほどまでに家族と使用人を大事にしている貴族は、他にいない。と言っても過言では無いでしょう。



そして……事件はこの日に起きました。



チュンチュン……



ジャン「……ふわぁ」



いい朝だ。



それに今日は日曜日。



いつまで寝坊していてもいい贅沢な日。



昨日は夜更かしをしてしまったので、今日は昼まで寝ていよう……



ジャン「ぐぅ……ん?」



もぞもぞ……



ジャン「あの……」



ラクネ「おはよう……もう、朝なの?」



ジャン「ラクネちゃん……」



ラクネ「すんすん……トカゲのにおいがする。それもたくさん……昨晩……一緒にいたんだね……」



ジャン「ごめんねラクネちゃん。僕、今日はゆっくり眠ってたいんです……自分の部屋か、元の世界に帰ってくれないかな」



シュバッ!



ジャン「うぐっ!」



ラクネ「いいじゃない……ここは、ジャンの部屋なんだから……一緒に寝ましょ」



ジャン「だから……女の子と一緒だと悶々して眠れないから一人にしてほしいんですよ」



ラクネ「トカゲとは寝れて……私とは寝れないんだ……」



ジャン「いや、ティノちゃん達はきちんと部屋まで送っていきましたよ」



ラクネ「ふぅん……ねぇ、私でも…………悶々する?」




ジャン「しますします」



ラクネ「嬉しい……」



バシュッ!!



ジャン「わあっ!何故さらに糸を!?」



ラクネ「ジャン……ジャン」はぁはぁ…



ぽんっ!



ケーラ「ジャン!」



ジャン「ケーラさん!?」



ラクネ「トカゲ……」



ケーラ「ジャンの周りに不穏な気配を感じて来てみれば……やめろラクネ。いいかげんにしないと、ぶっとばしちゃうぞ」



ラクネ「ちょっと…………腕が立つからっていい気になるな……トカゲ風情が」



ケーラ「ボクは最強だ。キミやスメラギだってボクの敵じゃない」



ラクネ「やってみる……?」



ケーラ「それはボクの台詞だぜ。やりたいならかかってこいよ」



ラクネ「…」



ケーラ「…」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!



ラクネ「ふん……」



ケーラ「さぁ、どーすんだ……!」



ラクネ「ジャン、ごめんね。私……また暴走しちゃった」



ジャン「いえ……いいんですよ。でも、僕のお願いも少しは聞いてくださいね」



ラクネ「わかった……じゃあね、ジャン…………………………おぼえてろよ……脳筋短足トカゲ」ぼそっ…



ぽんっ!



ケーラ「な……なんだとーーーー!!」



ジャン「ま、まぁまぁ……」



ケーラ「…う」



びえーーーーーーーーーーーーーーー!!



ケーラ「うわぁあああああああああああああああああん!!!足短いの超気にしてるのにぃ!!!いじめられたよぉ!!ジャン~~~~~!!!」



ジャン「大丈夫ですよ~。全然短くなんか無いですからね~~よしよ~し……」なでなで…



ジャン『自称する通り、戦闘能力はモン娘中最強な彼女ですが……』



ケーラ「うぇええええん!!」



ジャン『心は最弱なケーラちゃんです』



ジャン『仲間の前で決して弱みは見せないけれど、僕の前では素の自分をさらけ出してくれます』



ケーラ「ジャン~!腹筋が六つに割れてる女の子って変かなぁ!?力んでないのに力こぶがある女の子はダメなのかなぁ!?」



ジャン「良いと思います」

かわいければ全ては許されます



小一時間ほどケーラさんをなだめた後、もう一度睡眠をとろうと試みましたが、



生憎、目が覚めてしまったようです。



仕方が無いので、もう起きることにしました。



朝食を済ませ、休日の課題であるヒールの訓練に励みます。



ジャン「よいしょ…」がさごそ…



床に厚紙を敷いて、部屋に鍵をかけて、モン娘の皆さんが召喚されないように一時的に契約全てを封印します。これで準備完了です。



ジャン「…」チャキ…



愛用しているナイフで体を斬ってみたり、刺してみたりします。



スパッ……ドスッ………ザシュッ……



傍から見れば気が狂っていると思われるかも知れませんが、これは真面目な訓練です。



傷が無ければ治す事もできませんからね。



もちろん、痛みと出血を抑制する術を使っているので、ナイフで深々と刺しても指で軽く叩いたほどにしか感じません。



初めのころは指先を斬っただけでも失神しそうでしたが、今となっては慣れたものです。



ジャン「はぁ……っ!!」パァ…!



僕にはこれくらいしか取柄がありません。



だからこそ、僕は僕に出来ることを精一杯頑張りたい。



お嬢様の為にも。



尤も、こんな取柄が役に立つような状況に、なって欲しくは無いですが。

その特訓はなれちゃいけない……


ドンドンドン!



ジャン「?」



ジャン「どなたですか?」チャッ…



キュート(ジャーン!私よ。お願いがあるの。入るわよー?あれ、鍵……)ガチャガチャ!



これはまずい。



こんな光景を見せてしまっては、お嬢様が驚いて倒れてしまうかも……!



ジャン「ごめんなさい!今、手が離せなくって。後でお嬢様の部屋に行きますから」



キュート(ダメ急いでるの!早く開けてよ!!)ドンドン!!



どうやら、お嬢様には何か急な用事があるようですね。



瞬間移動で部屋まで入ってくるのも時間の問題か……。




※(キュートはミシェルの力を借りてテレポートすることが出来ます)




傷は全て治した。後は、この真っ赤な厚紙をどうにかしないと!



ジャン「>>56




1 僕、いま全裸なんですよ!すぐ着替えるので待っていて下さい!!



2 助けて!ミシェルさん!!



3 実は今熱っぽくて……



4 厚紙を窓から投げ捨てる。

4

1



ジャン「助けて!ミシェルさん!!」



ミシェル(え……?)



キュート(は?どーしてミシェルが出てくるのよ!!)



ミシェル(……キュート、ジャンは今、すごく忙しいんだと思う。いつものジャンなら、キュートが困っていたら直ぐに助けに来てくれるもの)



キュート(ミシェル……まぁ、それはそうだけど)



ミシェル(部屋で待っていてあげようよ。大丈夫、まだ時間はあるよ)



キュート(そうね……ジャン!部屋で待ってるから、直ぐに来てよね!いい?直ぐなんだからね!!)



ジャン「はーい!!しばしお待ちを!!!」



ジャン『やった……ミシェルさんに頼んでよかった…………後でお礼をしなきゃ』



無事、厚紙を始末し終わった僕は、一目散にお嬢様の部屋に向かいます。



この間約5分。従者の行動は迅速に、が基本です。



ジャン「お嬢様、お待たせいたしました」コンコン…



ガチャ!



キュート「待ってたわ!ジャン、こっち来て!!裏庭に行きましょ!!」グイグイ!



ジャン「え!?ちょっと!!お嬢様!?引っ張らないで……いたた!」



旅を終えたお嬢様の筋力はかなりのものです。磨き上げた剣術と相まって、今のお嬢様ならばクイーンズブレイドに出場してもいいとこまでいけるでしょう。



まぁ、お嬢様の力の大半はミシェルさんのおかげでしょうが。



それにしても、いきなり人気の無い裏庭に誘うだなんて……。



まさか、お嬢様はやはり僕のことを!?



と、思わせておいて、何か別の用事なんですよね。



何千回と繰り返したこのパターン。流石に読めてきました。



淡く光る木漏れ日が美しい裏庭。



僕と植物系モン娘のオードリィチーム(プラム、マーム、陽子)の皆さんが手分けして管理しているので、とてもきれいです。



キュート「あのね、ジャン」



ジャン「はい」



キュート「私を街まで運んでくれるように、ピュイアさんにお願いしてくれない?」



ジャン「ダメです」



こんなことだろうと思いました。



キュート「お願い!今日じゃなきゃダメなのよ」



ジャン「旦那様から、お嬢様を領内から出すなと命じられています」



キュート「ちょっとだけならバレないわよ。だから、ね?ジャンお願い……」うるうる…



ジャン「ダメったらダメです。泣き落としなんか効きませんよ」



キュート「もう!ジャンのケチ!!私の従者なんだから頼みぐらい聞いてよ!!」



ジャン「お嬢様。僕はお嬢様の従者である前に、旦那様の使用人です。優先するのは当然、旦那様からの命令です」



キュート「う……」



ジャン「何か欲しい物があるのなら、代わりに僕が買って来ますから」



キュート「自分で買わなきゃダメなのよぅ……」



ぽんっ!



ジャン「!?」



ピュイア「よう、話は聞いたよ」



キュート「ピュイアさん!」



ジャン「ちょっ……また僕になんにも言わないで……」



ピュイア「固いこと言うなよ。あたしらの仲じゃないか。で、キュート」



キュート「はい!」



ピュイア「街に行きたいんだろ?いいよ。あたしが連れてってやるよ」



キュート「やったぁ!ありがとうピュイアさん!」



ジャン「ピュイアさん!困りますよ!!」



ピュイア「あんたも融通利かないねぇ。許してやんなよ。買い物くらいさ」



ジャン「う~ん……」



ミシェル「ジャン」



ジャン「ミシェルさん……」



ミシェル「私からもお願い……ジャン。許してあげて……」



きゅっ……



じぃ~~~……



ジャン「ぬっ……」



キュート『ミシェル、ありがとう』



ミシェル『ううん、気にしないで』



手を握られてしまった……しかもこの目線の使い方、よくわかっていらっしゃる。



体は同じお嬢様のはずなのに、ミシェルさんに入れ替わると途端に色っぽくなる。不思議だ。



それに、さっきのこともあるし……



ジャン「ミシェルさんには弱いなぁ……わかりました。でも、30分だけですよ」



ジャン「移動が往復15分として、買い物する時間が30分。見逃すのはこの1時間だけです」



キュート「それだけあれば十分!ありがとうジャン!!」



ピュイア「よかったねぇキュート!早速、行こうか!!」バサッ!



ジャン「待ってください!僕も行きます」



ピュイア「そうだね。その方が安心か。二人ともしっかりつかまっときな」



ジャン「いえ、僕はピュイアさんの足首を掴んでますので、ピュイアさんはお嬢様を両腕でしっかり掴んであげてください」



キュート「いいの?ジャン……落ちない?」



ジャン「15分くらいなら持つと思います。それに、僕ならもし落ちてしまっても大丈夫ですよ。お気になさらず」



キュート「ジャン……」



ピュイア「わかった。あんたがソレでいいなら従うよ。じゃあいっくよーー!!」バサァッ!!

PSP引っ張り出して来た。久々にやると面白いわ

たくましくなったなぁジャン
自分の怪我に対して鈍感になっているだけな気もしないでもないが



いつもよりとばしてくれたのか、街まで10分とかかりませんでした。



街の人々に配慮して、ピュイアさんは人気の無い林に僕たちを下ろしてくれました。



ピュイア「はい、到着ぅ!」バサッ!バサッ!バサァ……



ジャン『お嬢様は白。ピュイアさんは黒……しかと、このまぶたの裏に焼き付けておこう』



キュート「お疲れ様!ピュイアさん」



ピュイア「ほら、とっとといっといで!時間、ないんだろう?」



キュート「はい!」



ピュイア「一般人に騒がれるのも嫌だし、あたいはここで待ってるからさ。終わったらここに戻っといで」



ジャン『そういえば、ピュイアさんのはしばらく見ていなかったなぁ』



キュート「ジャン、行きましょ!」



ジャン『奥様の言いつけがなければ、毎日あの扇情的なピュイアさんたちの姿を見れたのに……』



キュート「ジャン……?」



ジャン『乳のピュイアさん、腰のリオさん、尻のメイスさんだな……』じ~…



ベシンッ!



ジャン「あでっ!」



ピュイア「やらしいこと考えてんじゃない……さぁ、行った行った!」



ジャン「違いますよ!少々考え事を……」



キュート「いいから!ジャン、行こっ!!」



ジャン「はいっ!お嬢様!!」



ピュイア「いってらっしゃーい」



ピュイア『ったく、ちょっと成長したと思ったらこれだ。あのスケベ心さえなけりゃあ、もっともてるだろうに……いい男が台無しだよ』



久しぶりに訪れた街。相変わらず賑やかですね。お嬢様はここで何を購入するつもりなんだろう。



キュート「ん~~……ない」



10分程駆け回りましたが、お目当てのものは見つけられなかったようです。



ジャン「お嬢様、何を探しているんですか?教えていただければ、一緒に探して…」



キュート「ジ、ジャンは何も知らなくていいの!!たぶんこっちよ!」



お嬢様は薄暗いほうに駆け出しました。いけない、そっちは確か……



「ひぃ~~っひっひっひ……おじょうさん。媚薬はいらんかぇ~?惚れ薬も安くしとくよぉ~?」



キュート「きゃあ!?い、いりません!!」



「ねぇん♪おにいさん。今、昼割引の時間なんだけどぉ、おにいさん私の好みだからもっとサービスしちゃう!半額でいいわよぉ?どぉ、私を買わない?」



ジャン「結構です。お嬢様、こちらへ」



キュート「う、うん…!」キュン…///



ジャン『同じ褐色でも、ああも違うものなんだな。サーシャさんの肌の方がもっとキメ細やかで綺麗だし、スタイルも圧倒的にサーシャさんの方がいい』キリッ!



キュート『わぁ……真面目な顔のジャン。ちょっとかっこいいかも…』



ジャン『いや、ああいうタイプならば寧ろ健康的なサーシャさんではなく、エキドナさんの方が妖艶でいい感じが……エキドナさん。美人だったなぁ……』



ジャン『まてよ……褐色ならばイルマさんも…イルマさんとはじっくり話す機会がなかったから……』



キュート『昔は頼りなかったけど……今は、こんなに立派になったんだね。ジャン……』



ジャン『異世界で知り合ったミナさんも抜群のスタイルだったなぁ……』



キュート「ジャン……ありがと。あっち、今度はあっちいってみよ」



ジャン「……あ、はい!お供いたします!」

知らぬが花とはよくいったものだ



しばらく二人で街を歩いていると……



キュート「あったー!」



どうやら、お目当てのものは見つかったようです。よかったですね、お嬢様。



キュート「おばさん!その約束の腕輪、ひとつください!」



約束の腕輪?聞いたことが無いな。どんなアイテムなんだろう?



「まいどあり~」



ジャン「それが欲しかったんですか、きれいな腕輪ですね」



キュート「でしょ。ずっと欲しかったの♪」



こんなに嬉しそうなお嬢様は久しぶりです。なんだか、僕も嬉しくなってきました。



キュート「ねぇ、ジャン」



ジャン「はい?」



キュート「私、もっと頑張って一人前になるね」



ジャン「クイーンズブレイドですか……正直、僕としてはあまり喜ばしいことではありません」



キュート「そこは応援してよ!」



ジャン「勿論。お手伝いしますよ。僕はお嬢様の剣であり、盾なんですから」



キュート「…」ボフッ…///



ジャン「所で、お嬢様。先ほど買った約束の腕輪というのは、何に使うアイテムなんで…」



キュート「ジャン!ピュイアさんのとこまで競争!!よーいどーーーん♪」ダダッーー!



ジャン「お嬢様……よーし、負けませんよ!ミシェルさんに頼るのは無しですからね!!」ダッ…



その時でした。



走るお嬢様の前を遮るように、一人の女性がふらりと現れました……



ジャン「お嬢様!止まって!!ぶつかりますよ!!」



キュート「え!ま…まにあわ……」



「ふふふ……」ニヤ…



ジャン「!?」



ドゴッ…!



キュート「!?………うぅっ」ガクッ…



その女性は、勢い余って近づいてきた、お嬢様の腹部を思い切り殴りつけた。



ジャン「お嬢様ァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」



気を失ったのか、その女性に、もたれるようにぐったりとしているお嬢様。



ジャン「こちらに非があったのは認めます。しかしっ……何もそこまで!!」



「……ぷっ!キャハハ!相変わらずマヌケだねぇ。キミたちさぁ♪」



この声は……



ジャン「あなた……メローナさんでしょう!!」



ドロドロ……



突然のモンスターの襲来に逃げ惑う民衆。



しかし、僕まで逃げるわけにはいけません。



お嬢様に危害を加えるものは、誰だろうと絶対に許さない。



メローナ「せいか~い。久しぶり、ジャン。いつぶりかなぁ」



ジャン「なんの用事があって来たのか知りませんが……やっていいことと悪いことがありますよッ!」



メローナ「ごめんねぇ、ボクだってこんなことしたくなかったよ。一応、仲間だった時期もあったしね。特にキミはボクのことよく回復してくれたし、嫌いじゃないよ」



ジャン「なら何故!!」



メローナ「落ち着きなって、主からの命令でさ。しょうがないんだ~」



ジャン「主……沼地の魔女さんがお嬢様に何の御用ですか!」



メローナ「さぁ?ボクは連れて来い。としか命令されてないし、知らないなぁ。じゃ、ボク帰るから」



ジャン「このまま返すと思いますか」ギロ…!



メローナ「アッハハ!何凄んでんの?キミがボクに勝てるわけ無いじゃない。怪我しないうちに、キミも帰りなよ。この子の親にはてきとーにごまかしてさぁ」



ジャン「…………」ぶつぶつ…



メローナ「?」



ぽぽぽんっ!



ケーラ「おらぁっ!」



メローナ「わ!」スカ!



スメラギ「はぁっ!」



メローナ「あぶなっ!」ひょい!



ジャン「ケーラさん!スメラギさん!お嬢様を助けてください!!」



メローナ「あ~そうだった。キミは召喚術が使えたっけ」



ケーラ「任せろ!久しぶりだな。スライムのバケモノ!」



スメラギ「キュートさんを放しなさい……」



メローナ「ふん、でたな。トカゲのバケモノにヘビのバケモノ。ボクは、キミらみたいな力しか能の無いのは嫌いさ」

悪役っぷりが板につきすぎてるなメローナ

そろそろ1ヶ月か。期待してるから帰って来てくれ


メローナ「変身っと!」



ケーラ「何っ!?」



バサァ!



スメラギ「空へ…!」



メローナ「ホントなら君達なんかボクの敵じゃないんだけどさぁ、時間もないし今回は見逃してあげるよ!じゃあ~ねぇ~~!!」



ジャン「竜化…!ならば!!」



ぽぽんっ!



メローナ「またなんか呼んだ?」



リオ「待ちな!御嬢泥棒!!」


メイス「八つ裂きにされたくなかったらねぇ!」



メローナ「数だけは認めてあげるけど、こんな雑魚モンスターばっかでボクを止められるもんか」



ザクッ!!



メローナ「うぐっ!?後ろ……!!」



ピュイア「騒がしいから飛んで来てみれば……懐かしい顔じゃないかい」



ジャン「ピュイアさん!!」




ピュイア「戦いは数だろうが。え?メローラさんよ」




リオ「流石、最古参!!」



メローナ「ハーピィも三匹だったっけね……ん?ボクはメローナだ!!」



ピュイア「はいはい、バケモノのメローロさん」



メローナ「貴様……覚えてろよ。この仕事が終わったら、必ず……!!」



ポカポカッ!



メローナ「いてて!何……!?」



シャルロット「メイ!エミリー!爆弾はキュートまで巻き込むわ!!直接攻撃よ!!!」


メイ「うん!このこの!キュートを返しなさい!!」


エミリー「目よ!目を狙いましょ!!」



シュルル……!!グイィ!!!



メローナ「わっ!?こ、これは…!?」



プラム「このツタは、そう簡単には切れないわよ!」


マーム「それ!オーエス!!オーエス!!!」


陽子「引っ張れ、引っ張れ!!」




メローナ「や、やめろ!そんなことしたら、この子まで危ないぞ!!」ぐらぐら!






シュシュシュッ!!




メローナ「ぐぐぅ…こんどは糸か!!」




アラネ「薫子、ラクネ……二人は、糸を巡らせて」


薫子「落下防止……」


ラクネ「ん……」



バシュシュシュシュ!!



メローナ「こんのぉ…!!たかが雑魚十数匹で…ドラゴンを止められるもんかぁ……っ!!」バサバサ!




ジャン「皆さん!!手伝ってください!!!」



ぽぽぽぽぽん!!



メローナ「は……はははは!!マジだねぇ。こんなところで、30匹全部出すとは思わなかったよ!!」



オーエス!!オーエス!!!




メローナ「ちっくしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」





ぴゅ~~~~~……ビヨンビヨン……



アラネ「おちた……」



ケラット「それ!今だぜみんな!!たこ殴りだ!!!」



アニー「フィーバー♪」



ジャン「皆さん待って!お嬢様が先決ですよ!!」



メリッサ「ジャンさん!キュートさんが居ません…」



天狐「やや!?ジャン!ヤツが消えたぞ!?」



ジャン「バカな!!確かに今……」



ボワァ……



メローナ「いやぁ、たすかったよ」



アイリ「メローナ。油断しすぎです」



ジャン「アイリさんまで……!」



アイリ「お久しぶりです。ジャンさん。その節はお世話になりました。突然ですが、貴方の主人を預からせていただきますわ」



ジャン「そんなこと許しません!」



アイリ「あらかじめ謝っておきますわ。申し訳ございません。私個人としましては、こんなことをしたくはないのです。しかし、命令ですから。あしからず」


アイリ「低級霊、少し遊んで差し上げなさい」



ジャン「くっ……お嬢様ぁ!!」



アイリ「丁重に扱いますから、ご心配なく。では、ごきげんよう」ペコ…



メローナ「キャハハハハ!ざんねんでした!バイバーイ!!と、またねジャン♪」投げキッス♡



ボワァ……




襲い来る低級霊を全て倒した後……



アイリさん達の姿はどこにも無かった。



ジャン「…」



ケーラ「……ジャン、ごめんよ。ボクたちがついていながら…」



ジャン「皆さんのせいではありません」



ラクネ「ジャン……泣かないで」



ジャン「皆さんの…せいではありません」



ドサッ…!



ジャン「うぅっう……」



メリッサ「ジャンさん…」ギュッ…!



ジャン「僕は……僕は従者失格だ…」



天狐「小僧……大丈夫じゃ、奪われたのなら、取り返せばよかろう。安心せい。ワシらは一心同体。何処までも小僧についてゆくぞ」



ティノ「そうですよ!」



モンスリー「そうとも!あいつら……キュートをさらうなんて絶対にゆるさないぞ!」



ワーワーー!!



ジャン「皆さん…!」



ピュイア「皆、静かにしな!ジャン、取りあえずあたい以外をひっこめなよ。話の続きは屋敷でしよう」



ジャン「わかりました……皆さん。また後で」スッ…



ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽんっ!




ピュイア「じゃ、帰ろう」ギュッ…



ジャン「はい…」



ファサッ……バサッ…バサッ……!!



ジャン『お嬢様……必ず…………必ず助けに行きますからね……』



ピュイア「なぁ、ジャンには悪いけどさ。あたいは少しワクワクしてるんだ」



ジャン「え…?」



ピュイア「また冒険できるなってさ。今度の相手は沼地の魔女だ。気合入れていこうじゃないか!」バサァ!



ジャン「ピュイアさん!速い!?速すぎですよ!!」



ピュイア「いいのさ!これで!!涙が乾くだろ!!!」



ジャン「ピュイアさん…!」



ピュイアさんの愛をハッキリと感じたような気がした。




バサッバサッ……



アイリ「もう少しですわ」



キュート「…」



メローナ「こんなちびっ子で何をしようってんだか」



アイリ「知りません。私達は、ただ命令を遂行すればいいんです」



メローナ「にしてもさ、この子のどこがそんなに魅力的なんだろう。顔だってボクの方がカワイイし、スタイルだってボクの方が断然いいのになぁ」



アイリ「ジャンさんの事?殿方の趣味は多岐に渡ると聞きますわ」



メローナ「難しいもんだねぇ」



パッ!



ミシェル「…」





メローナ「うん?あれ、アイリ。なんか髪の色が変わったけど……」



アイリ「何ですって!?メローナ!!彼女を捕縛して……」



ミシェル「っ!」肘鉄!



ドゴッ!



メローナ「うげっ…!?ボクに…打撃だって………」



シュンッ!



アイリ「瞬間移動!?メローナしっかりなさい!!」



メローナ「う、うるさい!どこだ!!」



ミシェル「上よ」ドロップキック!



ドゴォッ!!



アイリ「きゃあ!?」



ミシェル「さようなら」



シュンッ……シュンッ……シュンッ……!!



アイリ「落下しながら瞬間移動を…!メローナ!追いましょう!!」



メローナ「わかってるよ!待てーぃ!!」


ん?




キュート邸



邸へ戻ってきてから、僕は旦那様に事の本末を話した。



とたんに、凄まじい怒号が邸中に響き渡る。



騒ぎを聞きつけた奥様が旦那様をなだめるも、怒りの収まらない旦那様。



当然だ。旦那様のいいつけを破って、お嬢様を外へ出したのは他ならないこの僕なのだから。



僕に、全ての責任がある。



ジャン「旦那様……お願いです。僕に、チャンスを下さい。この命に代えても、必ずお嬢様を取り返します。必ずっ!!」



旦那様はしばらく俯いた後、静かに頷いて下さいました。



そして、僕にこう命じたのです。



沼地の魔女からお嬢様を取り返し、一人も欠けることなくここへ帰って来い。と……



ジャン「一人も…?」



振り返ると、決意に満ちた表情で僕をを見つめる30人の仲間達がいた。



ジャン「皆さん…」



お嬢様救出の命の下、僕達は立ち上がった。

シリアスな展開ktkr



ジャンの部屋



ゴソゴソ…



ジャン「あった……」



過去二度にわたって、僕の身を守り続けてきた、思い出の詰まった防具だ。


薄く被っていた埃を掃い、ゆっくりと身につける。



ジャン「うん、ピッタリだ」



ユーミルさんとカトレアさんが鍛え上げてくれた逸品。


自慢の宝物の一つだ。



ジャン「あとは…魔人のマント(攻撃+70防御-50)に、ヴィーナスストライプ(毎ターンSPを自動回復)これで、ヒールは使い放題だ」



きっと、争いは避けられない。だから、最高の装備で挑もう。



ジャン「懐かしい。ヴィーナスストライプが手に入るまで、メナスさんからアマラストライプを借りてたんだっけ」



ジャン「メナスさん……そうだ、今回はメナスさんも敵になるかもしれないんだ」



ジャン「あ…」



忘れていました。



ジャン「頼むぞ……相棒」



混沌王の腕輪……この呪われた腕輪に、再び腕を通すことになるとは。



ジャン「いざ!」



三度目の、冒険の旅へ!



目指すは沼地。沼地は大陸の果てにあるといわれています。


遠くに行くには彼女たちの力を借りるのが一番です。



バッサバッサ…!



ジャン「寒いなぁ…」



リオ「そうだねぇ。あたしは夏に飛ぶのが好きだねぇ」



ジャン「すみませんね。こんな季節に」



リオ「いいっていいって!ジャンがくれた服、あったかいしさ!!」



ジャン「安物生地ですけど、一応手作りです」



リオ「あんた、いい嫁になれるよ。あたしんとこに嫁にくるかい?」



ジャン「従者をクビになったら是非」



リオ「あっはっはっはっはっは!!」



メイス『ジャン、そろそろ交代しようか?リオ、かれこれ二時間は飛んでるぞ』



ジャン「そうですね。リオさん、メイスさんが交代してくれるって」



リオ「えぇ~!?いいじゃんかよぉ!もちっと独り占めさせろよぉ」



ジャン「……だそうです」



メイス『へいへい、どうぞ二人っきりのフライトを』



リオ「へへへ」



リオさんはお話が大好きで、離している間は疲れも忘れるほど夢中になれるそうです。



リオ「でさ~?あたしホント馬鹿だなぁ~って!」



ジャン「確かに、そりゃ可笑しいですね!」



天狐『小僧』



ジャン「天狐さん、どうしました?」



天狐『そろそろいい時間じゃろう。昼飯にしようではないか。皆も腹を空かしているだろうて』



ジャン「え…?本当だ。太陽があの位置ということは、もうお昼か。リオさん、どこか近くに村はありませんか?」



リオ「えーっとぉ……お、あそこなんかいいんじゃないか?」



ジャン「いいですね、行きましょう」



リオ「あいよっ」バサバサ!

更新楽しみにしています



村から少し離れた所にキャンプを作ります。30人の大人数ですから、いちいち外食なんてしていられません。



村で食材を買い求めて、ここで調理してお昼ご飯です。



ジャン「皆さん、出てきてください。ご飯にしましょう」



ぽぽぽぽぽぽぽんっ!!



は~~~~~~い!



ジャン「買出しに行くので、何人か付き添って欲しいのですが……」



ジャン『31人分の食料だから、力の強い子に任せるべきか。しかし、あんまり目立つ子だと村人にモンスターだと気づかれてしまうかも…』



>>92>>97



(好きなモン娘を選択)

ケーラ

ステラ

シャルロット

ラクネちゃん

天狐

ヒュドラ

ヒュドラのスメラギ



ケーラ「力仕事なら任せてよ!なんなら、ボク一人でも十分なくらいさ!!」



ステラ「はいはい、どれだけ力があっても腕は2本しかないでしょ。ジャン、私も行く」



シャルロット「私も、ついて行ってあげる」



ジャン「大丈夫ですか?荷物持ちですけど……」



シャルロット「私の能力はほとんど知ってるでしょ。魔法で荷物を軽くしてあげるわ。姿も透明にしておくから、村人にもバレないわよ」



ジャン「なるほど、じゃあお願いしようかな」



シャルロット「ん♪任せなさい」



ラクネ「ジャンが行くなら……当然…………私も行く」



ジャン「助かります。でも、髪の毛使って荷物持たないでくださいね。村の人たちが驚いてしまいますから」



ラクネ「他人の目なんか……気にしなくていいのに」



天狐「これだから子供はいかんのう。もっと体裁を重んじるのじゃ」



ラクネ「うっせ……ババァ…」



天狐「ば…!?」



ジャン「天狐さんも一緒に行きましょう。好きなもの買ってあげますから」



天狐「本当か!楽しみじゃのう。ほれほれ、見たか小娘。体裁を重んじてこそ、女はちやほやされるのじゃぞ」



ラクネ「はん……ジャンは優しいから…年寄りに気を使っているだけ……」



天狐「なぬぅ~~~~?」



スメラギ「まぁまぁ……もう喧嘩はやめましょう。ね?」ざわっ…



天狐「ぬっ……そうじゃな。スメラギの言う通りじゃ」


天狐『ヘビ怖いのじゃ…』



ラクネ「…」



ジャン「じゃ、じゃあ、人数も揃った事ですし、行きましょうか。皆さん、変装もいつも通りにしてください」



ケーラ「この服、窮屈なんだよなぁ…」しぶしぶ…



ステラ「しっぽを隠すのが特に大変よね」



ケーラ「そうそう」



シャルロット「透明化っ!」フッ…



ラクネ「ん、特に何もなし」



天狐「変化ならワシの十八番じゃからな。どうじゃ、小僧。しっぽがない姿もまた、乙なものじゃろう」



ジャン「可愛いです」



天狐「……なんじゃ///改めてそう言われると照れるのぅ。歯が浮くのじゃ」



ラクネ「チッ…」



ケーラ「おい、ラクネ。わかってるだろうな。あんまり目立つことしてると……」



ラクネ「胴長」



ケーラ「ぐ…」ガーン!!



スメラギ「ごめんね。少しの間我慢してて、みんな」大きな帽子


村に入る前はこんな感じでしたが、いざ村に入ると終始穏便に済みました。



真面目な皆さんに感謝です。



村人「ありがとねー。また寄っとくれよーー!!」



ジャン「どうもー!いい買い物でしたね」



スメラギ「そうですね。お金も限られているし、節約しないと」



ジャン「そうしてくれると助かります」



シャルロット「キュートのお父さん、旅のお金まで出してくれたのよね」



ジャン「はい……」



ステラ「ジャン、今日はアレが食べたいでしょ?作ってあげるわね」



ジャン「ありがとうございます。後、できればそれと一緒に…」



ステラ「はいはい、アレもね。分かってるわよ」



ケーラ「ステラはジャンの考えてること、しょっちゅう当てるよね」



ステラ「二年もあれば、ジャンの思考パターンなんてお見通しよ」



ケーラ「すごいなぁ」



ラクネ「全然……凄くない…………私だって、ジャンの考えてることわかるし…カマかけてるのがたまたま当たっただけ」



ステラ「あっそ」

負けず嫌いのラクネちゃんかわいい



村人「誰か助けて~~!!モンスターだぁーー!!」



わぁーーーーーーー!?きゃあーーーーーーーーーーーー!!!



ジャン「え…っ!全員いますよね?」



スメラギ「えぇ。どうやら、近くの森からモンスターが迷い込んだようです」



ジャン「なるほど、このまま放ってはおけませんね」



ケーラ「ゴーレムっぽいのが三体、オークっぽいのが三匹か。ジャン、ボクが行って蹴散らしてこようか?一分もかからないよ」ポキポキ…!(指鳴らし)



ジャン「いえ、あまり目立ちたくないので。ラクネちゃん」



ラクネ「私の…出番……♪」



ケーラ「む…」



ジャン「お願いします」



ラクネ「いいよ……ジャンのお願いならきいてあげる。人間に気付かれないように、モンスターを皆殺しにすればいいのね?」



ジャン「はい、気をつけて」



ラクネ「あのね……帰ったら、ご褒美……」もじもじ…



ケーラ「あーもーっ!さっさと行けよっ!!村の人やられちゃうぞー!!」がおーっ!



ラクネ「ちっ……お邪魔虫め……」ボワァ…



ケーラ「けっ!虫はどっちだい!!」ぷいっ!



ゲシッ!



ケーラ「いてっ!このぉ!!お尻蹴ったなー!!」



スメラギ「もう行ってしまったようですよ」



天狐「まったく、見ておれんの」



ステラ「お互い成長しないのね」



シャルロット「ほんと、いつも喧嘩ばっかりしてよく飽きないものよ」



ジャン「まぁまぁ、僕はラクネちゃんを待ってますから、皆さんは先に戻って調理を始めていてください」



スメラギ「わかりました、荷物、お持ちしますね」



ジャン「ありがとうございます」


喧嘩するほど仲がいい……となるのだろうかこの子達は



モンスターたちは、手当たり次第に暴れていましたが、一匹、また一匹と倒れていきました。



その全てが沈黙するまで、僕は静かにその光景を見つめていました。



空間が陽炎の様に揺らめいて、何かが動いたかと思うと、切り裂かれ、貫かれ、成す術なく狩られていく。



と、討ち漏らしでしょうか。ゴーレムが一体、建物の裏に隠れていたようです。これは少し危ないかも。



ラクネ「終わり…」パッ…



ゴーレム「グゴーーーーーー!」



ラクネ「あ……生き残り」チャッ…



ジャン「よいしょっ!」



ゴスッ!!



ゴーレム「グゲッ!?」



ズズーーンッ!!



ジャン「ラクネちゃん、怪我はない?」スタッ…



ラクネ「ジャン…!ありがとう。守ってくれたんだね……」



ジャン「隙だらけだったので、不意打ちさせてもらいました。丈夫な杖を持ってて良かったですよ」



ラクネ「こんなやつの攻撃……受けても平気だったけど…守ってくれたの、すごく…嬉しい」



ジャン「長居は無用です。戻りましょうか」タタタッ!



ラクネ「うん…!」タタッ!


皆とお昼です。


美少女を眺めながら食べるシチューときたら、これまた格別です。(羽根とか尻尾とか生えてますが、可愛いので関係ありません)



ジャン「う~ん、美味しい」



メリッサ「ありがとうございます。おかわりはいかがですか?」



ジャン「いただきます」



エマ「ジャンさん、ほっぺに玉葱が……」フキフキ…



ジャン「あ……どうもすみません」



エマ「いえ、いいんですよ」



スメラギ「ふふ、可愛いジャンさん♪」



ポツ……ポツ……



ジャン「おや」



ザァーーーーーーーーーー…



わぁーーーー!?雨だーーー!!ご飯がーーーー!!雨きもちーーーーー!!



ジャン「……これじゃあ、今日はもう飛べませんね」



ピュイア「あぁ。一人なら雨ぐらいどうってことないんだけどね。ジャンを抱きながらとなると別さ。どうする、今日はもう早めに休むかい?」



ジャン「いえ、良い機会です。後片付けが終わったら、皆さんとのふれあいの時間にしましょう」



ピュイア「長旅だしね、いいんじゃないかい。ストレスを溜め込まないように、均等に相手してやるんだよ」



ジャン「約一ヶ月で一回りですね」



ピュイア「でさ……最初はもちろんあたいだろ?なんたって、あたいが一番最初の契約者だからね」



ジャン「>>114




1 もちろんですとも。



2 いえ…(好きなモン娘を選択)



※以後、選択したモン娘には「☆」がつきます。マークが増えるほど親密になれます。



ハーピィチーム


リオ


メイス



スパイダーチーム


アラネ


薫子(かおるこ)


ラクネ



トリケラチーム


ケラット


ケーラ


モンスリー



ステゴチーム


ステラ


慧梨(えり)


サーシャ



レックスチーム


ティノ


ラル


瑠那(るな)


プラントチーム


プラム


マーム


陽子(ようこ)



メデューサチーム


メリッサ


エマ


スメラギ



フォックスチーム



天狐(てんこ)


蔵舞(くらま)


山吹(やまぶき)



フェアリーチーム


シャルロット


メイ


エミリー



魔女っ子チーム


アニー


べス


セレネ

踏み台

ksk

ksk

アラネちゃん



ジャン「いえ…ピュイアさんとは、また別の機会にお話がしたいです」



ピュイア「そうかい。じゃあ、その別の機会に期待しとくよ。なぁ…ジャン」



ジャン「はい?」



ピュイア「もしかして……しょっちゅう ど突く から、あたいのこと嫌いになったのかい?」



ジャン「何言ってるんですか!?僕がピュイアさんのことを嫌いになるわけないでしょう!僕達の仲でしょう?信頼していますよ」



ジャン「それに、たいていの原因は僕の悪癖にありますからね。反省すべきは僕の方です」



ピュイア「そうかそうか、それを聞いて安心したよ。じゃ、あたいはもう帰るから。お休み、ジャン」



ジャン「お休みなさい」



雨が少し強くなってきました。こういうときは、彼女にテントを作ってもらうのが一番。



彼女の糸は、とにかく万能です。水もはじきますし、熱にも耐性を持っています。



伸縮性や粘着性の操作も可能で、体外に出た糸が自然に消滅するまでの時間も、ある程度制御できるようです。



勿論、無尽蔵ではないので沢山出すと疲れるそうですが、テントを造るくらいならへっちゃらとの事。



木から吊るしているテントなので、濡れた地面に触れることもありません。



アラネ「動くな…」



ジャン「アラネちゃんの息がくすぐったくて…」



アラネ「動くと……坊主頭にする」



ジャン「耐えます」



アラネ「ん……」



チョキチョキ……




彼女は髪の毛を自在に動かせます。毛先を束ねて鋭くすることもでき、鉄を貫く程の破壊力を持っています。



なので、戦闘の際に威力を発揮しますが、このように散髪のような緻密な作業もこなせる精密性をも兼ね備えているのです。



髪の毛で散髪するってちょっと面白いですね。



アラネ「終わった……」



ジャン「ありがとうございます。鏡がないから確認できないけど、どんな感じです?」



アラネ「髪……綺麗だったから、少し長めに整えた。イケてる」ぐっ…b



ジャン「イケメン?」



アラネ「メンは無い…」



ジャン「そうですか…」



アラネ「仕上げのお掃除……するね」



サッサ……



アラネ「……終わった」



ジャン「どうも、おかげさまでサッパリできましたよ」



アラネ「はい」ズイッ…



ジャン「くし…?」



アラネ「今度は、ジャンの番……すいて」



ジャン「あぁ、はいはい♪」



ちょこん…



アラネ「優しくね…」



ジャン「わかりました」



ジャン『何も言わずに膝の上に座ってくれるなんて、感激だ。昔は、触れることも嫌がってたのに』



アラネ「…」



シャッシャ…



ジャン「さらさらですね」



アラネ「ありがと…」



ジャン「おまけにアラネちゃんのいいにおいが…」くんかくんか…



アラネ「…」



ジャン「…怒らないんですか?」



アラネ「もう慣れた。誰も見てないし……好きなだけ嗅げば?」



ジャン「お言葉に甘えて…」すぅ~…くんくん…



アラネ「馬鹿みたい……馬鹿だった」


シャッシャ……



ジャン「よし、綺麗にできました」



アラネ「うん」



ジャン「…」



アラネ「…」



ジャン「あの…」



アラネ「お話……する?」



ジャン「はい!」



それから話がどんどん膨らんでいって、一晩中会話を楽しみました。



アラネちゃんと仲良くなれたような気がした。



ジャン「…zzz」



スッ…



ジャン「ふわぁ……朝か」



雨も上がったようで、今朝は良い天気です。



帰り際にアラネちゃんが作ってくれた寝袋のおかげで、冬の空の下でも快適に眠ることができました。



粘着性を無くし、糸を柔らかくすることによって寝心地が良くなるんだとか。



彼女達の能力おかげで、旅の荷物が少なく済むので大助かりです。感謝感謝。



ジャン「皆さん、おはようございます。起きてます?朝ごはんにしましょうか」



アニー『いくいくー!ちょっと待っててねー!!』


メイ『ありがとう、今ので起きたわ。すぐ行く』


マーム『寒いからむり~…ごめんね~』


ケラット『同じく~…日が強くなってきたら呼んでよ~』


蔵舞『ゆ~き~はコンコン…く~らま~はネムネム……』



ジャン「蔵舞さんもコンコンでしょうが。雪まだ降ってませんよ」



蔵舞『コ~ン……寒いの嫌じゃ。ワシはキタキツネじゃないのじゃ……お休み』



等々……各自事情があるので、朝に全員揃うということは滅多にありません。




ジャン「今朝は、野菜スープにビスケットでいいか」



邸では、いつも揃ってくれていたのですが……やはり旅ともなると、そうなりますよね。また色々と思い出してきました。



ちなみに、僕がいちいち声を出さなくとも彼女たちとは交信ができますが、ついつい声を出して会話してしまいます。



普段彼女たちが元の世界で何をしているのか、どうやって過ごしているのか、僕はほとんど知りません。



しかし、呼び出しにはほとんど応えてくれる上に、食事や睡眠もこちらでとることが多いので、



こちらの世界を中心に生活してくれているようです。本人達いわく、こっちが故郷だ。と…契約者として、これほど嬉しいことは無いですね。



ジャン「お、来たかな」



ぽぽぽぽぽぽぽんっ!!



ジャン「今日も、元気に行きましょう!」


バッサバッサ…



メイス「ほんとこの辺は田舎だよなぁ」



ジャン「そうですねぇ」



メイス「ここいらで一つ、ドンパチやりたいもんだね」



ジャン「やめてくださいよ。このまま穏やかな旅がしたいのに」



メイス「でも、最後は穏やかにはならんだろ。沼地の魔女とやらが、そこまで話のわかるやつとは思えないね」



メイス「キュート返して。はい、わかりました。ってわけにはいかないだろうさ」



ジャン「そりゃあそうですけど……」



メイス「お、見ろよジャン。下、下。面白そうなことやってるぜ。鬼ごっこかな?」



ジャン「……穏やかではないですね。大勢で一人を…ん?」



メイス「お、気付いたか。逃走者はたぶん女だね。走り方とかでわかる」



ジャン「何かわかりませんが、大勢の男性が、一人の女性を追い回すなど言語道断…!」



メイス「けけけ!おもしろくなってきたねぇ」



ジャン「メイスさん!」



メイス「あいよ」パッ…



ジャン「え…?」



メイス「これが一番早いだろ。さっ行ってらっしゃい!ナイト様♡」



ジャン「びゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



回復できるとはいえ、空中でいきなりほっぽり出されるのはさすがに心臓に悪いです。

回復できるからと言って許容していいのかそれ
キュートが見たら泣くんじゃないか



地上に激突したらどれくらい痛いだろう。痛いで済めば良いのですが、おそらく常人なら即死の高さですね。



身体能力には自信がないので、体力的には僕も常人と言うことになります。



しかし、メイスさんにこういうことをやられるのも初めてではありません。



とりあえず痛みを緩和しつつ、全身を回復し続ければどうにかなるでしょう。




ジャン「でもやっぱり怖いぃぃぃぃ!」



ぽんっ!



エミリー「冗談が過ぎるわ!ジャン、掴まって!!」



ジャン「エミリーさん!」



きゅ…!ふわふわ~



エミリー「ちょっと様子を聞こうと思ったら、とんでもないことになってるんだもの。驚いたわ」



ジャン「ほっ……助かりました」



エミリー「りんぷんの効果は短時間しか効かないから、早く降りましょう」



ぽんっ!



ケーラ「ジャン!ボクが来たからにはもう安心だぜ!!」



ジャン「あ…」


エミリー「ケーラ、何故今…」



ケーラ「あっ……そっかぁ。まだ空にいたんだ。ごめん、先に降りてるね」



ぴゅ~~~~~~~~~~~~~……



ジャン「大丈夫かな…」



エミリ「大丈夫でしょ。ケーラの頑丈さは私達の中でもピカイチなんだから」



ケーラ「わ~~~~~~~~~~!?」



ジャン「ケーラさん!?」



ビヨンビヨン…



ケーラ「下に、蜘蛛の糸が…!」



ボワァ…



ラクネ「トカゲ……何故、お前がかかるんだ……ジャンの為に、先に降りて張り巡らせておいたのに…」



ケーラ「う、うるさぁい!ジャンの悲鳴が聞こえたんで、飛び出してきたらこうなっちゃったんだよ!いいから、コレ解けよぅ!!」ジタバタ!



ラクネ「馬鹿が……その糸は、抵抗すればするほど粘りが増す……」



ジャン「解くには、こうすればいいんでしたよね?」スッ…



ラクネ「あ…」



ギュ……クルクル…ブチッ!



ケーラ「取れた!ありがとー!ジャーン!!」ギューッ!



ジャン「あはは、以前薫子ちゃんに教えてもらったので」



柔らか……くない?また筋肉がついたのかな……あぁ…でも、この感触も結構……



ラクネ「どさくさに紛れて抱きつくな……トカゲ」



ケーラ「べー!」



エミリー「ジャン、こんなことしてる場合じゃないでしょ。無事降りれたんだから、暴漢達をやっつけなきゃ」



ジャン「そうでした!ちょうどいい。このメンバーで行きませんか?一人だと心細いので」



ケーラ「コイツと?まぁ……ジャンの命令なら、仕方ないか」



ラクネ「ごめんねジャン……戦闘はやめておく。さっき……糸でパラシュートを作って先に降りたの……クッションの糸もいっぱい出したから…糸がもう……」



ジャン「わかりました。ゆっくり休んでいてくださいね」



ラクネ「ありがとう……そうだ」ギロ…



ラクネ「トリ……よくもジャンを怖い目に遭わせたな……覚えておけよ」ゴゴゴゴゴゴ……!



バサッ…バサッ……



メイス「あ、あはは…冗談だって!ちゃんと空中で捕まえるつもりだったよ。途中で皆来るもんだからタイミングわかんなくってさぁ!」



ジャン「イタズラも程ほどに頼みますよ。じゃ、行きましょう!遅れをとったので、急ぎますよ!」



メイス「おうさ!いやぁ、流石は主人だね。寛容寛大!」



エミリー「見損なったわ。メイス」



ケーラ「ボクが空を飛べたら、君にジャンを任せないのにな」


巫女「はっはっは…!」



ゴロツキA「お~い!巫女さんよぉ!!そろそろあきらめてつかまってくんね~かぁ!」


ゴロツキB「じゃねぇと、俺達のギャラもでねぇからよ」


ゴロツキC「悪いようにはするだろうが、五体満足で調教師サマのとこに届けてやるぜぇ?へっへっへ!」


ゴロツキD「いいかげんにしろよ、このアマぁ!」



巫女「い、いや…」



ダダッ…!



巫女「!?」



ジャン「こんな可憐な少女相手に、大の男が四人がかりとは、関心しませんね」



ゴロツキA「あぁ!?なんだぁ、てめぇらは!」


ゴロツキB「傭兵でも騎士でもねぇな。カタギか?」


ゴロツキC「かまうこたぁねぇよ。こんな田舎、人なんざ十人殺そうがわかりゃあしねぇ!!」


ゴロツキD「ひっひっひ……ぶっ殺してやる」



ケーラ「…」ポキ…ポキ…



メイス「私がやると、こいつらたぶん毒で死ぬよ?」



エミリー「私がやったら木っ端微塵になるかも」



ジャン「この方達相手に治療は無用ですからね……では、ここはケーラさんと僕が」



ケーラ「ボクはね、こいつらみたいなチカラ任せにすき放題するならず者が大嫌いなんだよ」



ジャン「ケーラさん。死なない程度に」



ケーラ「手足飛ぶかも」



ジャン「もげない程度に…」



ケーラ「わかった。ジャンが言うならそうする」



ゴロツキA「こっちの筋肉おばけは安っぽそうだが……そっちの派手なのとちびっこいのはマニアに高く売れそうだぜ!」



ケーラ「誰が筋肉おばけだぁ!!」



バキッ!



ゴロツキA「うげぇっ!?」



ゴロツキB「こいつ!調子にのるなぁ!!」バシュッ!



カキン…



ゴロツキB「矢が通らねぇ!?」



ケーラ「相手が悪かったな!」



ドゴォ!



ゴロツキB「うげゃあああああああああああああああああ!?う、腕が…」



ゴロツキC「よくも仲間を!」



ドスッ!



ジャン「うっ………」



ケーラ「ジャン!?」



エミリー「嘘でしょ!?」



巫女「きゃあああ!!」



メイス「平気平気、あいつ不死身だから」


ゴロツキC「へへ……たまんねぇぜ。この感触!心臓を一突きだぁ……」



ズポッ…



ジャン「うわぁ……こんなにおっきな穴が空いてる。ひどいなぁ。鎧着ておけばよかった…」



ゴロツキC「でえぇ!?そんな馬鹿な……手ごたえは確かに…」



ゴツン!



ゴロツキC「うげ…」



バタン…



ジャン「これぞ、ヒーラーゲンコツ」



ドゴッドゴッドゴッ……



ケーラ「ほら、ごめんなさいは?」



ゴロツキD「ご、ごふぇんふぁふぁい…!」



ケーラ「ごふぇんふぁふぁいってなんだよ」



バキィッ!!



ゴロツキD「ご、ごめんなさぁあああいいいい!?」



ケーラ「許さないけど」



ゴロツキD「な…なんてひどいやつ……」



ケーラ「乙女に筋肉おばけなんて言った罰だい!とりゃああああ!!」



ゲシィッ!!



ゴロツキD「俺は言ってな……ぶっぎゃああああああああああああああああ!!」



メイス「よっと、これで全部かい?しけてやがるねぇ。はいよ、ジャン」



ジャン「どうも。でも、これだけあれば十分でしょう」



巫女「あ、あの……助けていただいて、ありがとうございました」ペコペコ…!



ジャン「いえ、紳士として当然のことをしたまでです」キリッ!



巫女「先ほど、刺されていましたが、お怪我などは…」



ジャン「あー……トリックですよ。刺されたように見せただけです。ご心配なく」



巫女「そうでしたか……わたくし追われている身で、お礼に何も……」



ジャン「お礼などいりません。所で、その服装、そのおじぎ……懐かしいなぁ。もしかして貴女はトモエさんの御知り合い?」



巫女「と、トモエ様をご存知なのですか!?」



ジャン「えぇ、旅を共にしたこともありました。貴族 キュート様の従者 ジャン と申します」



巫女「実は……わたくし……」

ジャン、君はもう少し自分の体を大事にだな……


メイス「けっ…胸糞悪い話だね」



エミリー「酷い…」



ケーラ「なんて奴らだ!許せない!!」



ジャン「奴隷!?」



巫女「はい……わたくしは、運よく逃げることができたのですが……お金もなく、土地も知らず……闇雲にここまで逃げてまいりました」



巫女「仲間を見捨て、一人……逃げたのです。うっう……」グスッ…



ぎゅー!



ジャン『ムハー!』



ジャン「辛かったでしょう……これを」



巫女「これは……先ほど暴漢たちの……いけません!」



ジャン「受け取って下さい。一人分の旅費にはなるはずです。港まで送りますから、これでヒノモトまでお帰りなさい。そして、助けを呼ぶんです」



巫女「うっうぅぅぅ……も…もうダメかと思った……何も知らない場所で…死ぬんじゃないかって……ジャン様、このご恩は忘れません…一生っ!」



むぎゅーーー!!



ジャン『うっおおおおおおおお!!これが東洋の神秘!!!』



メイス「…」


エミリー「…」


ケーラ「…」



ジャン「今まで、挫けずによくがんばりましたね。今は、思う存分泣いていいんですよ……」そっ…



巫女「は…はい……うぅ…ぅぁああああああん……」ぼろぼろ…!

ヴァンキッシュドクイーンズ軸なのか…

ノワがひどいことになってる世界か……興奮してきた

プラトニックな関係を装っておいて、30人のうちの半分くらいとは既に肉体関係持ってそう

今の時系列はどのくらいなんだ?

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