モバP「彼岸、霞、八重、智絵里」 (21)



―――


智絵里「…………」

P「…………」ジーッ


智絵里「…………あの」

P「…………」ジーッ


智絵里「あ、あの……Pさん……?」

P「ん? なんだ智絵里」

智絵里「ど、どうしてそんなにわたしを見てるんですか……?」

P「ああ、春の名物『智絵里見』だよ」

智絵里「え――ち、ちえ……?」

P「『智絵里見』。ちえりみだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459941776


智絵里「…………」

P「…………」


智絵里「その……よく分からない、です……」

P「智絵里」

智絵里「は、はい」

P「春は桜が咲くよな。そしたらなにがしたくなる?」

智絵里「桜……えと、お花見……?」

P「うん、正解だ」ナデナデ

智絵里「あぅ……え、えへへ……♪」ポワポワ

P「しかし、だ」パッ

智絵里「あっ、は、はいっ」

P「俺も智絵里も多忙の身。おいそれとお花見に出かけるなんてできない」

智絵里「あ……そう、ですよね……。時間、そんなに取れませんし……」

P「そう、そこで俺は考えた」

智絵里「……?」


P「お花見できないなら、桜の樹が見れないなら……」

P「すぐそばにいる智絵里を見ればいい、と」

智絵里「へっ……?」

P「それが『智絵里見』だ」

智絵里「…………」

P「…………」


智絵里「……わたし?」

P「そう、わたし」

智絵里「…………」


P「…………」ジーッ

智絵里「楽しい、ですか……?」

P「うん。すごく楽しい」ジーッ

智絵里「……そうですか……」


P「…………」

智絵里「…………」


P「楽しいだけじゃないぞ」

智絵里「はい……?」

P「とてもかわいい」


智絵里「…………」ポッ

P「あ、桃色の花が咲いた」

智絵里「……あの」

P「うん?」

智絵里「そんなに見られたら……恥ずかしい、です……」

P「いつもライブじゃ大勢の人に見られてるじゃないか」

智絵里「そ、そうなんですけど、そうじゃなくて……!」カァ…

P「おお、満開の照れ顔」

智絵里「うぅぅ……!」


P「…………」ジーッ

智絵里「…………」モジモジ…


P「…………」

智絵里「…………」チラッ

P「…………」

智絵里「っ……」プイッ


P「…………」ナデナデ

智絵里「…………」


智絵里「……♪」


P「…………」ジーッ

智絵里「……。…………」ジーッ

P「!」


智絵里「……えへへ。『Pさん見』です」

P「…………」

智絵里「お顔、赤いですよ? ふふふっ」


P「……こやつめ」ワシャ

智絵里「きゃ……えへっ♪」


P「…………」ジーッ

智絵里「…………」ジーッ


P「立ってるのつらくないか?」

智絵里「いえ、平気です……」

P「座るか、膝。智絵里のための特等席だぞ」ポンポン

智絵里「……はぇっ? あ、は、へっ……!?」



智絵里「………………はぃ」チョコン

P「ようこそ」


智絵里「…………」

P「…………」


P「……思ったより近いな」

智絵里「近い、です……けど」

P「けど?」

智絵里「今だけは、わたしがPさんを独り占めしてるって思うと……えへ、えへへ……♪」ニヘラ

P「かわいすぎか」

智絵里「これからは、いつでも『智絵里見』してくださいね……。お代はお膝でいいですから」

P「ん、そんなんでいいのか」

智絵里「はい、充分すぎます……♪ わたしのこといっぱい見てくださいね、Pさんっ」

P「……今のはなかなか大胆な発言だな」

智絵里「え……え、やっ、そんなつもりは……!」アタフタ

P「また桃色だぞ智絵里。あはは」

智絵里「むぅ……。Pさんは意地悪です……」

P「そんな顔しないで笑った笑った。笑顔の方がかわいいぞ、智絵里」

智絵里「……もうお花は散っちゃいました。来年まで咲きませんっ」

P「じゃあ来年まで膝に座るの無しな」

智絵里「えっそんな……!」

P「ウソだよ」

智絵里「エイプリルフールはもう過ぎてます……」プクゥ

P「膨れたほっぺの蕾からの~?」

智絵里「……ふふ、えへっ。もう……♪」

P「やっぱり笑顔満開が一番だな、智絵里は」

智絵里「えへへ……。小さな芽から、大切に大切に育ててくれた……Pさんのおかげです」


智絵里「これからも……笑顔の花、一緒に育ててくれますか?」

P「ああ、もちろん。世界中のどんな花より、綺麗でかわいい花にしてあげるよ」

智絵里「はい。約束……です♪」


―――

――


P「…………」ジーッ

智絵里「…………」ジーッ


智絵里「ふふ。Pさんの瞳にわたしが映ってます……」

P「智絵里の方が恥ずかしいこと言い始めたな……どうしよう」

智絵里「ふふふっ……♪」

P「……まぁいいか。ところで気づいたんだけど」

智絵里「なんでしょう……?」



P「仕事しないでこんなことしてる暇あったら、普通にお花見行けたなーって」

智絵里「……あっ」



おわり

というお話だったのさ
春は智絵里の季節だと思うんだってもう毎年言ってる気がする

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom