京子「えっ、結衣を助けることが出来るの!?」神様「まあね」【ゆるゆりss】 (31)

※鬱展開あるかもです


ある日。

結衣が事故にあったって聞いた。で、病院に駆けつけたんだけどさ。

京子「結衣!結衣!」

あかり「結衣ちゃん死んじゃだめだよぉ…」グスン

ちなつ「結衣先輩!うあああぁぁぁ…」ポロポロ

医師「…一命は取り留めましたが…意識はまだ…」

結衣母「…そんな…なんでうちの子が…」

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…完全な相手側の不手際だったらしい。

居眠り運転で信号無視、そして横断歩道を渡っていた結衣を…



正直泣きたい気持ちはやまやまだった。

けれど泣いてるあかりやちなつちゃん、取り乱している結衣のお母さんと必死に落ち着かせるお医者さんと看護師さん。

そんなのみてたらあかりとちなつちゃんを慰める側にならざるを得なかった。






結衣のために涙を流すことは出来なかった。

帰り道。

とりあえずあかりとちなつちゃんは送って行った。

これから自分の家への帰り道だ。

けれど足は違う方向へ向かう。





神社だ。

普段神様を蔑ろにしてる割に大事な時には神様頼みの理不尽ではあるが。

願って減るもんじゃないし。

京子「…結衣の意識が戻りますように」

願ってみた。


流石に神様がバーンと出てくれて願い事を叶えてくれるなんて都合の良い話…

神「やあ」

都合の良い話…

神「ねえねえ叶えてあげようか?」

京子「えっ」


ありました。

京子「…本物?」

神「酷いなぁ、まあいいや」

神「じゃあ空飛びまーす」フワッ

京子「おおー」

神「次に雨降らせまーす」ザーザー

京子「おおー」

神「…どや?」

京子「じゃあ早速願いを…」


神「そういう訳にはいかないんだよ」

京子「え?」

神「まずね、願いにはね代償がいるんだよ。それと引き換えなの、わかる?」

京子「…うん」

神「…で、結衣ちゃん?だっけ、その子を助けるにはかなり代償が大きいんだよ。それでもいいのかい?」

京子「…いいよ」

神「はい、じゃあこれ持ってー」

京子「…いいこすかうたぁ?」

神「そ、君にはいい子になってもらいます!」

京子「…つまりいい子になれば結衣を助けるの?」

神「そ、いやぁ四月になってさ今年度の仕事がスタートした訳よ」

神「で、ノルマさえ達成すれば今年度は遊びまくって言い訳よ」

神「そしたら丁度いいカモがいたんで声をかけました・今ココ」

京子「…神様よ、私はカモなのかい?」イラッ

神「まあね、で、もう一つ代償があるのよ」

京子「なに?」










神「結衣ちゃんは君の記憶を失くす」

京子「えー」

神「おや、意外と動揺しないね」

京子「まあ助かるだけでもありがたいんで多少はね?」

神「いいこポイント=仕事量なんでね、それだけじゃ人間がいいこにしてれば的な考え持っちゃうからね、キツいやつつけないとって上の神が言ってた」

京子「…何ポイントまで貯めればいいの?」

神「1000ポイント」

京子「なんだもう溜まってるじゃん」

神「…よく見てみ?」

京子「…ん?」



スカウター《-1000P》

京子「」

京子「マイナス!?」

神「…そりゃラムレーズン買いに行かせたり、別の子にスリスリして嫌がられたり、宿題やらなかったり、影薄い子を無視したり…まああれは仕方ない気がするけど…」

神「まあ1000+1000で2000P、今年度のノルマが2016Pだから…」

神「…いいカモなんですよねー」ニヤッ

京子「うわ…私のいいこポイント低すぎ…?」

京子「…よーし、頑張るぞー!」

神「心が折れないといいがな」

京子「結衣のためだし余裕余裕!」






神(…あの子の性格的に心が傷つくかもなぁ…)

京子「…じゃ早く帰って宿題しなきゃ!」ハッ

京子「バイバイ神様!」ダッ

神「…まあ頑張れよ」ボソッ

神(耐えられるか、それとも…)

京子「………」カリカリ

京子「…こんなのちょっと頑張れば出来るんだよなぁ」

京子「…出来たし寝よう」

ーーーーー

医師「…信じられん」

結衣「…あれ?」

結衣母「結衣!」



《-999P》

学校。

ちなつ「結衣先輩!」

あかり「結衣ちゃん!」

結衣「なんか分からないけどとりあえず無傷だったよ」アハハ





京子「………」グッ



京子「ゆーいー!心配したぞー!」ダキッ

あかり「あ、京子ちゃん!」

結衣「離せよ」

京子「いーやーでーすー」ギュー

ちなつ「ズルいです京子先輩!」





結衣「…離せって言ってるだろ!」ドンッ

京子「……いったいなぁ」

結衣「誰か知らないけど気持ち悪いんだよ!」

あかり「ゆ、結衣ちゃん?」オロオロ

ちなつ「…結衣先輩少しやり過ぎじゃ…」オロオロ

結衣「はぁ?知らない奴に馴れ馴れしく抱きつかれたんだぞ!?」

京子「…まあまあそう怒らずにお茶でも…」ドカッ

結衣「…お前のせいだぞ?本当に分かってんのかよ!」ガッ

京子「ちょっ、痛いからギブギブ!」ジタバタ

結衣「二度とするなよ」スタスタ



あかり「…大丈夫?」

京子「…まあね」ケロッ

ちなつ「…でも結衣先輩の様子おかしくなかったですか?」

あかり「…確かにいつもならあんなに怒らないし…」

あかり「そして京子ちゃんを知らないって…」

京子「………」

京子「ま、結衣のことだしじきに元に戻るでしょ」

京子「さて授業授業…」テクテク

あかり「怪しいなぁ京子ちゃん…」
ちなつ「怪しいです京子先輩…」

教室。

京子「…よし、ノートとるぞ!」カリカリ


ーーーーー

キーンコーンカーンコーン

京子「…しんどかったぁ…」グデー

京子「ねーねー結衣ー」

結衣「………」

京子「そろそろ機嫌直そうよー」

結衣「…」ブチッ




結衣「二度とするなって言ったよな?」ドカッ

京子「いやいや別に認めてませんしぃ?」

結衣「一回死ねよ」ガッ

京子「人間一回しか死ねないからね?って髪引っ張らないで!」

綾乃「ふ、船見さん!?」

結衣「ああ、綾乃、気にしないでよ」



結衣「もう終わらせるから」ガンッ

ーーーーー

ーーー

京子(あれ、保健室だ)

京子「いたた、結衣もやんちゃだねぇ」

京子(…結衣にも好かれるいい子にならないと)

京子「…もうこんな時間かー、部活…」

京子(もし部活に行ったら結衣が悲しむのか…)

京子(もし部活にいかなかったら…)

京子(結衣は二人と楽しめるしちなつちゃんは私がいなくて楽になるしあかりは私のスルーがないから幸せ、か)

京子(私迷惑しかかけてないじゃん…)



京子「…悪い子にはなっちゃいけないから、部活にはいけないなぁ…」ポロポロ

京子「…結衣ぃ」ポロポロ

ごらく部。

結衣「…あいつはなんなんだよ…」

あかり「まあ悪気はないし許してあげたらどうかな?」

結衣「…許したところで明日も続くだろ」

ちなつ「そりゃ毎日このやりとりですからね」

ちなつ「きっと明日も…」

結衣「…ちょっと待ってくれ」

結衣「昨日も一昨日もこのやりとりしてたのか?」

あかり「…昨日は入院してたけど一昨日はこのやりとりしてたよぉ」

結衣「嘘だろ?そんな覚え全くないんだけど…」

あかり「えっ?」
ちなつ「えっ?」

結衣「そもそもあいつとは今日初対面だよな?」

あかり「幼馴染だよぉ」

結衣「はぁ?いや全然知らないし」

結衣「そもそもあんなやつと幼馴染とか無理だろ」

ちなつ「えぇ…」

あかり「…とりあえず明日謝ろうよぉ」

結衣「いや私は悪くないだろ」

結衣「…まあ丸く収めるか」

神社。

京子「…結構精神にくるね」

神「やっぱり?」

京子「いやぁ休んだからポイントが増えてるんですよ」

神「意外だな、嫌われ者の君なら減ると思ったんだが」

京子「あの三人以外は普通に接してますしー、なんだかんだで心配してくれてるんでしょ」

京子「…ところでもう一回願い事出来る?」

神「…一年経ったら権利はあるが今すぐは無理だね」

京子「…そっか」

京子「じゃあまた明日」

神「…お供え物とか欲しい」

京子「分かった分かった」テクテク

京子(…決めた、いい子になろう)

京子(…神様との約束だし…)

京子(………)

京子(…みんなが楽しかったらいいや)

京子(…ちょっと待てよ、このままいい子になったら…)



京子(…あかりと被る)

京子(つまりキャラや立ち位置はこのままで発言や態度を改めろという訳か)

京子(…がんばろ)

翌日。

京子「…あ、結衣ハンカチ落としたよ」ヒロイ

結衣「あ、ありがと」

千歳「…なんか気まずいなぁお二人さん」

京子「…ちょっと廊下走ってきます!」
ダッ

千歳「…おやぁ?」






綾乃「罰金バッキンガムよ…って」

綾乃「ちゃんと歩いてるじゃない!」

京子「あはは…」

綾乃「ところで歳納京子、元気ないんじゃないかしら?」

京子「そんなことないよー」

綾乃「…そうかしら」

京子「…少し外の空気吸ってくる」テクテク

綾乃(…大丈夫かしら)

ーーー

結衣「…なあ、あいつどんなやつなんだ?」

千歳「…言わせますかそれぇ」ニヤニヤ

結衣「…いいから」

千歳「そりゃ彼女に決まってますやん?」

結衣「…はぁ?」

千歳「…普段あんなにイチャイチャしてるのに否定すんの?」

結衣「…はぁ?」

千歳「…熱でもあるん?」

結衣「…いや、あいつのこと忘れちゃったみたいでさ、あかりやちなつが話してくれるんだけどさっぱりで…」

結衣「…って何してんだ」

千歳「…とりあえずみんなにメールで回しただけやん?」

結衣「…まあそっちの方が話合わせやすくていいか」

ーーー

綾乃「…なるほど」

綾乃(だから歳納京子は…)




京子「そろそろ授業なんで戻ってまいりました!」

綾乃「…!」ビクッ

綾乃「…つ、辛かったらいつでも来なさいよ!」

京子「…ははーん、ついに告白ですか?」

綾乃「ち、違うわよバカぁ!」カァァ

綾乃「じゃ、じゃあまた!」ダッ










京子「…気持ちだけ受け取っておくよ、ありがと綾乃」

放課後。

京子(…どうしよ、ごらく部に行ってもいいのか?)

京子(…今結衣は私を嫌ってて。ちなつちゃんは結衣のことが好き、つまり私は不要。あかりはイジられなくて済む。)

京子(やっぱり…)




あかり「京子ちゃん一緒に部活行こうよぉ」

京子「うおっ、あかり影がーーー」



京子(そっか、いい子になるから言っちゃいけないのか)




京子「…あかり、今日は用事があるんだ」

あかり「…本当に?」

あかり「結衣ちゃんと会うのが怖いだけじゃないかなぁ」

京子「………」

あかり「…もうみんなしってるんだよ」

京子「…今日だけ。今日だけ時間をちょうだい」

あかり「…伝えとくよぉ、明日は来てね」

京子「…ああ」

神社。

京子「…神様。」

神「なんだい?」

京子「…いい子ポイントが貯まったらどうなるの?」



神「まず私が見えなくなる。次に君が世界を選べる」

京子「…どういうこと?」

神「…結衣ちゃんの記憶が戻る世界か、戻らずに新しい関係を作る世界かとかいっぱい」

京子「ふーん」

神「…でも君の場合到底貯まりそうになうけどね」

京子「…それは大丈夫かな」

神「…期待してるよ」

翌日。

あかり「…今日、来るよね?」

京子「…行くに決まってんじゃん?」

あかり「…うん」










ーーー

綾乃(歳納京子は変わってしまった)

綾乃(前よりも真面目になったしより可愛くなった)

綾乃(でも時々辛そうな笑顔を見せる)

綾乃(やっぱり船見さんのことで…)

ごらく部。

京子「ちなちゅー!」

ちなつ「…気持ち悪いですよ京子先輩」

京子「…ぁ」ドクン

京子「…ごめん、迷惑だよね…」

ちなつ「ええっ!?いやそんなことないですよ、むしろ恒例ですしこれがないと楽しくないですよ!?」アセアセ

ちなつ(…京子先輩精神病んでますよ…)

結衣「…ちなつは嫌なんだろ?無理に気をつかう必要なんてない」

京子「…さてお茶でも注いできますかなー!」スタッ

結衣「…なんだよあいつ…」

あかり「…結衣ちゃん落ち着こうよぉ」オロオロ

結衣「…ごめんあかり」




京子「…お茶注いできた!」

ちなつ「京子先輩ありがとうございます


あかり「…いやぁお茶は最高だねぇ」ホッコリ








結衣「…なあ歳納」

京子「…なに?」

結衣「…しばらく近づかないで欲しい」

あかり「結衣ちゃん!」

ちなつ「…少し酷すぎませんか?」

結衣「…やっぱり幼馴染と言われても仲良くなれる気がしない」

結衣「…それにこれ以上お前を傷つけたくない」

京子「…さっすが結衣。ちゃんと私のこと考えてくれてるんだ」

京子「…いいよ、それじゃごらく部の諸君、また明日!」ダッ




あかり「…結衣ちゃん、最低だよ」

結衣「…分かってるさ、でもこれ以外にいい方法がなかったんだよ」

ちなつ「…もう一度やり直せばよかったじゃないですか!」

結衣「…分かるか?」




結衣「…あいつは私に好意を持って接してくれてた。でもな全然私は好意を持てない」

結衣「…それにふと出るあいつに辛そうな顔はみたくない」





あかり「意気地なし」

あかり「あかりの好きだった結衣ちゃんはそんな人じゃなかったよ」

あかり「…明日謝ってよ」

結衣「…帰る」ダッ

ちなつ「結衣先輩!」






逃げだって分かってた。それがどれだけみんなを悲しませるかなんて分かってた

でももうあいつの辛そうな笑顔はみたくないんだよ

なんで記憶がなくなったのか、そのことを恨んだ。ひたすらに恨んだ

京子「………」スパッ

京子「………」ポタポタ

京子「…まだ生きてるんだ」ポタポタ

京子「…いい子ポイント貯めれば解決だし頑張ろ」ポタポタ

京子「おはよー!」

あかり「朝から元気過ぎだよぉ」

ちなつ「…京子先輩」

京子「なーに?」

ちなつ「…結衣先輩のこと…」



京子「…もういいんだ」

京子「…私がいても迷惑だからさ、ちなつちゃんがそばにいてあげてよ」

ちなつ「…そんな」

あかり「………」

ーーー

京子「…ふぅ」

京子(全然ポイントが減らない)

京子「…駄目だなぁ私は」

京子(…よくよく考えたらもっと結衣のそばにいてあげてたらこんなことにはならなかった)

京子(…私のせいだ)









綾乃「…歳納京子」

京子「…綾乃」

綾乃「…最近おかしいわよ」

京子「…そう」

綾乃「…いつもの笑顔がないじゃない」

京子「…そうだね、もっと笑顔がないとね!」ニコッ

綾乃(違う、私の好きな歳納京子はーーー)

京子「…楽しいねぇ毎日」ニコッ

綾乃(もっと楽しそうに笑うのに)

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