【安価】少年「奴隷のまま死にたくない」 (153)

少年「奴隷のまま死にたくない」

少年「何日か前に励まし合ってた仲間は元気してるのかな」

少年「生きてればまた会えるかな……」

少年「このまま……このままだとあの憎んでも憎しみが尽きない奴隷商人に飼い殺される」

少年「今は僕しか売れ残りがいないから……僕は食料を食い潰すだけの生き物だから……今日買い手がつかなかったら……そんな」

少年「死にたくないよ……」

少年「……あ、誰か来た……こっちに来た……次こそ僕を買ってくれるかな……?」

少年が見た誰かとは >>3
(例: 金髪ショタコン未亡人エルフとかそんな ホモ展開でも問題なし)

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大魔王

少年「……だっ、大魔王か……って」

少年「嘘だ、そんな……魔王を見事倒した勇者の前に現れて、一瞬で切り伏せたと言われるあの……」

少年「でででも、そんな人……人?に買い上げられたとしたら僕は……僕を変えられそうだ」

少年「とりあえず……自分を売り込むしかないか……」

少年「奴隷商人にもこれだけは褒められてたんだよね……>>5

巨乳

少年「巨乳」

少年「そうだよ、巨乳だ」

少年「生まれた頃から少し胸があって……奴隷商人が言うには、僕はそれを気味悪がられて捨てられたらしいんだけど……」

少年「これは僕にしかないものだと思う」

少年「……巨乳のせいで買い手がつかなかったとは考えたくない」

少年「とりあえずこの巨乳で >>12 してみよう」

(あと大魔王の性別安価お願いします 15までで多かったもの)

うわ再安価↓2

少年「えっと……誘惑、だよねやっぱり」

少年「ストリップショー……だっけ、そんなのみたいに順番に脱いでいこうにも……ボロボロの布一枚じゃできない」

少年「……隠してたのを見せるってやろうってなると恥ずかしい」

少年「でもきっと、色々と経験豊富な大魔王でも驚くと思うんだ……痩せこけた男が巨乳だったら」

少年「………………」

少年「………………!」

少年「こっち見てる」

少年「い、一気に距離詰めてきた……足長いなぁ」

少年「……ひっ!?」

少年「……ぁ、手が……冷た……いけどすべすべして…………な、んかすごい……すご……い」

大魔王「これはいくらするのだ?下賤な人間よ」

奴隷商人「げっ、下賤……私が……いえ」

奴隷商人「こちらの奴隷 >>17 となっております」

14万3000円

大魔王「14万3000だと!?……こんな上物で14万3000とは貴様は見る目がない……まあ良い」

奴隷商人「は、はぁ……お買い上げ頂きありがとうございました大魔王様……またなにかございましたら是非私めをごひいきに」

大魔王「もう良い、下がれ」

奴隷商人「わわわかりました………………おぉくわばらくわばら」

少年「……はぁ……胸がじんじんする」

少年「って!……たった今大魔王に買われたんだ僕は」

少年「ということは、これから連れて行かれるであろうどこか……たぶん魔王城から逃げ出せば自由の身……逃げ出せる気がしないんだけどね」

少年「なんとなく奴隷商人みたいな屑を嫌ってる感じがするし、案外上手くやっていけたり?……しないか」

少年「とりあえず命令には従っておかないと……」

大魔王「何を木偶のようにしている!早くこの腐ったような臭いの場所を発つぞ!」

少年「あっ、はい!」

少年「えっ!?うわっ、体が浮いて……あ」



少年「瞬間移動に耐えられる人間なんていないんだから奴隷でももう少し丁寧に扱ってって……いててて……どこだ……ここ……?」

少年「大魔王は普通にしてる……やっぱり伝説通り、勇者の何倍も強いんだ……」

ここってどこ? >>21

魔族占領下の王都


大魔王「魔族占領下の王都で何をだらしなくへたり込んでいる!面妖な身体をしていても男なのだろう?立て!」

少年「……あ、あの、足が……ですね」

大魔王「捻ったぐらいの怪我か。こんなものなら魔法でもすぐ治る、ほら」

少年「……うわっ、痛みが消えた……すごい」

大魔王「立てるようになったなら立て!行くぞ!……先程も言ったがここは魔族占領下の王都だ。人間が辺りを彷徨いているとすぐに地下の牢獄入りだ」

少年「わ、わかりました!い、行きます……でも、どこに?」

大魔王「お前の服を仕立てにだ。服を仕立てさせたら一番のドライアドの元へな。そんな布切れ一枚でいるのは私が許さないぞ」

少年「服……服……新しい服か……いつぶりだろう……」

大魔王「そうだ、私は……人間の文化にさほど精通していないのでな。どのような服が良いのだ?」

少年「わっ、えと……ありがとうございます!……じゃあ……僕は >>25 がいいです」

メイド服


大魔王「メイド服……?人間というものは不可解なものだな。だかそこが良いのかも知れぬ」

少年「うーん……大魔王って何者なんだろう。僕からしてみれば不可解なのはそっちなんだけどな」

大魔王「さあ着いたぞ。ここだ」

少年「……?今変な路地裏を歩いてたと思ったら……花畑にいる……なにがなんなんだか……さっぱり」

ドライアド「あら、大魔王様……今日も凛々しくおられて……素敵ですわ……あぁ、あなたときたら森の鳥に野の花、果てにはお天道様が頭を垂らすほどの美しき」

大魔王「分かった分かった、後でそんな戯言はいくらでも聞いてやろう……」

ドライアド「まぁ……ところで、そちらのお方はどなた?人間のお方ですわね?」

大魔王「いかにも人間だ……さあドライアド、質問攻めは後にして、これの服を仕立ててやってくれないか」

ドライアド「喜んで。あなたがそれで幸せなら」

少年「どういう関係なんだろうこのふたり……とりあえずドライアドさんが怖い」

大魔王「メイド服……という服を仕立てて欲しい」

ドライアド「メイド服……?……メイド服……メイド、服………………お茶のこさいさいですわ。それも魔法で一瞬」

少年「あ、ほんとにできちゃった。魔法って便利なんだなぁ……」

ドライアド「大きさの辺りは感覚でやりましたので少々……えぇと、アレ、かも知れません。……着付けも致しましょうか?」

少年「……どうしよう、自分で着られるかなぁこれ……」

1 ドライアドさんに任せる
2 大魔王に任せる
3 自分で頑張る >>31

少年「自分で着られる……自分で着られるよ!……ところで着付けも魔法じゃダメなのかな」

ドライアド「………………」

少年「あの、どこで着替えれば……?」

ドライアド「はい?あぁ、更衣室ならここに」

少年「わぁ、また魔法かぁ……」



少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「胸の辺りがっ……なんでこんなに、きついんだ!……うわ」

少年「よかった……ビリって言ったけど大丈夫か……あ、ボタンが」

少年「……やっぱりドライアドさん、僕の胸見てたよなぁ……妖精だから仕方ない、仕方ないよね、胸がなくたって」

少年「し、下着まで女物だし、これって確か……!」



大魔王「おお……これは……」

ドライアド「全く以てその通りですわ大魔王様!」

大魔王「素晴らしい……素晴らしいぞ!予想以上だ……やはり私の目に狂いはなかった……」

少年「ガーターベルトって変な感じするなぁ……」

大魔王「さて、私の部屋に場所を移そうか」

少年「えっ、わかりましたっ……て!またこれ、また瞬間移」

ドライアド「……大魔王様!私は」

ドライアド「………………」

少年「いたた……くない……天井?じゃない……もしかしてこれって天蓋つきのベッドとか」

大魔王「今度は着地位置を調整したからな。やれやれ、人間というものは手がかかる」

少年「……改めて、こうやって見上げると大魔王って大きいなぁ……勇者が勝てっこないのも当然だよ」

大魔王「……さて、ようやく落ち着いて話せるな」

少年「あ、はい……」

大魔王「私がお前を買い上げた訳は分かるか?」

少年「わ、わかりますよ……それくらい……だって」

大魔王「お前がこういう身体をしているからか?」

少年「あっ……んぅっ……ふ、服が……上半身のだけ消えて……これも」

大魔王「これは魔法じゃない」

少年「やめ……なんか出る!……乳首コリコリってしないで!出ちゃう!な、なんか……男なのに……」

大魔王「お前は自分の身体が嫌いか」

少年「……え……今、今よかったのに……やめ、ないでほしかったのに」

大魔王「お前は自分の身体が嫌いかと聞いているんだ。呆けた顔はこれから散々見飽きるほど見ることになるから一瞬で切り替える術を身に付けろ」

少年「……あ、えっと……僕は親に捨てられたらしいんです、こんな体のせいで」

大魔王「お前は捨てられた訳ではないぞ」

少年「大魔王が情けをかけるほど僕って惨めなのかな」

大魔王「奴隷商人は嘘をついていた」

少年「えっ……?」

大魔王「……その様子は私が話し忘れていたらしいな。私は生物の心が読める、故に勇者を一瞬で切り伏せることも可能だった訳だ」


少年「え、心が読めるって、そんなそれじゃ」

大魔王「心の声が口に出ているぞ……話の続きだ。お前は親に捨てられてなどいない。お前の親がお前を売っただけだ」

少年「捨てられてなくったって売られたんじゃ……同じことじゃないか!」

大魔王「そう急くな。お前の親は、母は若くしてお前を産み、売った当時は貧しく金が必要だったらしい」

少年「らしいって……らしいって何?」

大魔王「奴隷商人が全てを知っていると思うか?……ともかくお前は騙されていた、酷い話だな」

少年「お母さん……」

大魔王「話は終わっていないぞ。お前は自分の身体に疑問を持ったことがないか?」

少年「疑問を持ったことって……あるに決まってる」

大魔王「その……その胸はさておきだ。奴隷商人に来る日も来る日も鞭で叩かれ傷口に砂をすり込まれ、商売が上手く行かない日には千枚通しを通されていたそうではないか」

少年「……あ……ああ……やめて、ください……やめて」

大魔王「今までよく生きていたな?私は人間というのはここまで強靭なのだなと感心したよ」

少年「………………」

大魔王「聞いているのかいないのか………………長々と引きずったが私が聞きたいのはお前が何者かということだ。もしお前が私のような存在だとしたら、お前は私の物だ」

少年「………………僕は僕だよ」

大魔王「魔物と人間の子と、私の間に子が出来たら……素晴らしいぞ!お前は愛玩人形以上の存在だ!私の妃となるのだよ!」

おやすみつづきあしたかく

少年「あれ?えっと……ここは」

大魔王「忘れたのか?ここは魔王城で、私がお前の今の主だ」

少年「……そうだった。ちゃんと覚えてる……大魔王に買い上げられて……買い上げられて……慰みものにされるんだ……こんな服なんか着せられて」

大魔王「やれやれ……ちゃんと覚えてなどいないではないか。自分を買ってと言いたげに誘惑したのもお前……こんな服か、そんな服を着たがったのもお前だぞ……慰み者にするというのは私の判断次第だが」

少年「へ?何言って、って………………あ」

大魔王「……?顏が赤いな、これが発熱か?それとも人間にも発情期があるのか?いや、お前は魔物と人間の間の子の可能性もあるから……」

少年「うっ……そうだ!思い出した!そうだった……そうだったよ……こういう考えごとだって筒抜けなんだぁ……」

大魔王「………………やはり確かめるしかないな」

少年「なな何をです?大魔王……様?」

大魔王「決まっているだろう!お前が純粋な人間か、そうでいないかだ。」

少年「……どうやって?」

大魔王「性急だな、話を良く聞いてくれ。」

少年「なにそれ」

大魔王「まず……人間と魔物の魔力は似て非なる物なのだ。そして、魔物の魔力を用いた敵意の無い魔法は……人間には効果が無い」

少年「それ、僕が人間じゃないってことじゃ……そんな後づけ設定みたいなこと説明されても困るよ」

大魔王「常識的な事なのだが、お前は幼い頃より奴隷の身であったからな……知らないのも無理がない」

少年「……そんなことどうでもいいですよ。僕はただ自由になりたかっただけなのに!自分が何者かなんて自由の前じゃ意味がないですよ!……自由になれるのならなんだってするのになぁ」

大魔王「ほう、今、何でもすると言ったか?じゃあ今すぐ、今ここで >>38 してもらおうか」

少年「えっ!?なにこれ……体がっ……自由に動かない……」

魔法の訓練

大魔王「さあ、こっちだ……この美しく広い中庭で魔法の訓練をしようではないか」

少年「わぁ……頭が動かないけど体が……ふわってしてる……抱えられてるみたいだこれ……」

大魔王「降ろすぞ」

少年「うわっ!……はぁ……ドキドキしたよ」

大魔王「さて……訓練の前にお前が何者であるか、を確かめるんだったな。そんなのは簡単だ。これに触れてみてくれ」

少年「これ……色といい、形といい、手触りといいふっとい大きなお魚ソーセージにしか思えない……でもあれおいしかったなぁ……一回だけ盗みが上手くいって食べられたんだっけ。なんだろうこれ……」

大魔王「これは魔魚の棒だ。水の力を司る魔魚の力を凝縮させた魚肉ソ……いや、棒だな。」

少年「さっきから触ってるけど変化は見られないです……やっぱりただの食べ物なんじゃないですか?」

大魔王「そんなはずはない!……まさか。まさかとは思うが念の為だ……この棒で(棒を) >>42 してみせてくれないか」

料理

少年「料理……?あの……僕は確かに労働させられていましたけど、料理の経験なんて……」

大魔王「それはこれから学んで行けばいい。とりあえず料理だ。器具と材料ならここに揃っている」

少年「わ……また魔法か……でも流石に無から生み出すのは無理だから、倉庫のを移動させたのかな?いやいや……大魔王だから無からでもできるかぁ……うーん」

大魔王「………………この棒を調理器具として使うか材料として使うかはお前に任せたぞ。自分を知るのにも魔法の熟練の為にも、料理が一番安全で手っ取り早いのだ。人間はともかく魔物の間ではそういう常識だ」

少年「じゃあ……これ、やっぱり魚肉ソーセージだと思うし、材料かな……包丁包丁……」

大魔王「こんな準備段階で死なれてしまっては困るからな、怪我をしたらすぐ私に言うんだぞ」

少年「はい!……んー、野菜炒めでいいか」

大魔王「……一つ言い忘れていた。これは自分自身を知る為の……儀式だ。それだから、一種類、お前が材料にしたいと望む物……お前の意思を色濃く映した物を入れればならない……」

少年「そうなんですか!?……材料追加するにしても野菜炒めのままでいいかなぁ……これ以外作り方分からないし」

大魔王「……お前は、何を望むか?」

少年「僕は…… >>45 を……」

触手

大魔王「触手か……いいセンスだ……少年よ……触手はいいぞ……触手は」

少年「はやい!もうまな板の上に触手が乗ってる……切ったらなにか出てきそうだなぁ……」

大魔王「触手は魔物というか魔獣だな。ちなみに知能を持たず、本能のままに生きる者が魔獣と分類されている。この触手は絶命させてあるから暴れはしないが……」

少年「うわっ……やっぱりなにか出てきた……透明、っていうより白濁としててネバネバしてて……んっ……顔が気持ち悪い……」

大魔王「残念ながら私はその液体を拭う魔法を知らないのでどうにも出来ないな、残念ながら」

少年「液体なんかに負けたりしな……うん、大丈夫大丈夫。よし、触手切り終わったから野菜を……」

大魔王「切る順番が逆じゃないか、と口出ししたくなるが他人がどうこうすると正確な結果が知れないから仕方がないな」

少年「油……油は……よかった、緑色の液体とかが油として置かれていたらどうしようかと……」

大魔王「とりあえず壊滅的な料理にはならないだろうな、この調子なら」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「できた!」

大魔王「出来たか、では少し食べてみてくれ。少しだけ食べるんだぞ」

少年「あれ?てっきり大魔王、様、が食べるのかと」

大魔王「その必要はない。調理された魚肉ソーセージを近くで見てみればお前が何者か、分かるからな。だから魚肉ソーセージは残しておいてくれ」

少年「やっぱり魚肉ソーセージじゃないか」

大魔王「自分で調理した物を食べるという行為は真なる自分を受け入れるという事なのだ。経験、これまでに知った味、知識、意思……そういった形にはならない物が料理には詰まっている」

少年「なんとなくわかりました。なんとなくだけど……それじゃ、いただきます」

大魔王「私はいただきますがしっかり言える子は好きだぞ」

少年「……なんて言うか、油っこい。野菜と魚肉と肉の味しかしない……物足りないと言うかつまらないと言うか……」

大魔王「き、気を落とすな。お前はよくやったぞ……決して、決してお前のこれまでの人生が物足りなくつまらないという訳ではないからな……」

少年「大魔王様に同情されるなんて」

大魔王「……気を取り直して、魚肉ソーセージだ魚肉ソーセージ」

少年「もうどうでもいいや、なんかさ、なんか」

大魔王「……」

大魔王「……これは!?」

少年「んー?うーん……」

大魔王「……どういうことだ……お前の母親は何者だ!?」

少年「えっ!?……そ、そんなの僕が知ってるわけないじゃないか!」

大魔王「そ、そうだな。取り乱してすまなかった……だが……これは」

少年「引き伸ばしてもなんにもならないから早く言ってください大魔王様……」

大魔王「分かってる!だが……だがな……!」

少年「こ……怖いじゃないですか……早く言ってくださいよ!」

大魔王「……言うぞ。お前の父親は…… >>53 だ……」

スケソウダラ

少年「スケ……ソウダラ?……スケトウダラじゃなくて?」

大魔王「……スケソウダラは少しの別名だ。お前の父親はスケソウダラ……だがただのまな板に乗るような小物ではない……これだけは言える」

少年「父さんは……スケソウダラ……?はは、嘘だそんなの」

大魔王「……思えば魚肉ソーセージを儀式の媒体として使ったのも、運命だったのかも知れないな」

少年「いやだよ……そんな運命……」

大魔王「スケソウダラ。これだけではお前の父親を示すのに言葉が足りないな。お前の父親は……魔魚だ。いや……魔魚、だった」

少年「……だった?」

大魔王「真実とは……悪逆無道と謳われるこの私でさえ口に憚られる物だと言うのだな……いいか、心して聞け……お前の父親は……」

少年「僕の父さんは……?」

大魔王「……お前が不味い不味いと言いながらも一つ残らず食った魚肉ソーセージだ!」

少年「僕が……?父さんを?いくらスケソウダラがでも……親なのに……?僕が……僕の……」

大魔王「だが……しかし……お前が父親を食べることも運命の一つだったに違いない」

少年「なにそれ……こんな救いのない運命なんて……あるわけない。そうだ……これは夢なんだ……僕は今、夢を見ているんだ……目が覚めたとき、僕はまだ母さんの腕の中にいて……起きたらおいしい朝ごはんが待っていて、そのあとは外に出て、みんな自由で楽しくしてて……夕日が沈むまで遊ぶんだ……」

大魔王「正気に戻れ!心して聞けと言っただろう!」

少年「無理だよ……そんなの……魔物なんかに僕の気持ちがわかるわけないじゃないか!?」

大魔王「お前………………まあいい。今日はゆっくり眠れ。ほら、真っ暗だからな」

少年「人間の世界を真っ暗にしたのは魔物だろ!?魔物だ!魔物が全部……悪……いん……」

大魔王「やっと……眠ったか。やはりあの魔魚の血を引いているだけあって、なかなか魔法が回らない事があるな……」

大魔王「………………ふむ。こうして時々取り乱す所を見ると、扱い辛いな。取り乱したら眠らせての繰り返しでは牛の歩みだ」

大魔王「仕方がない……明日一日は躾の時間だな」

少年がかわいそうになってきた

>>59
しょうがないね
これが女の子だったらこんな展開にはならなかったよ(かと言って男の子が嫌いなのかと言うとそれは違う)

少年「ん……まぶしい……あと、あと5分だけ……」

大魔王「起床!起きろ!朝だぞ!」

少年「うわっ!……あれ、まぶしくない。嘘つき……夜じゃないかまだ……」

大魔王「今は午前5時なのだから朝なのだろう?さっさとこっちへ来い」

少年「さ、さぶっ、いたっ……なにも布団ひっぺがしてふかふかの枕で叩かなくっても……」

大魔王「今日は調教をするぞ」

少年「調教って、誰の?……今頭叩かれたせいなのかなんか記憶が飛んだような……」

大魔王「お前以外に誰がいる」

少年「僕を調教?またご冗談を大魔王様……」

大魔王「着いたな。……ここが何をする所か分かるか?」

少年「ここって……牢獄じゃないんですか?悪い人を閉じ込めておく……」

大魔王「そうだな。だが……ただの牢獄ではないぞ?」

少年「?……いった、痛い!?ひ、ひどい……なんでいきなり蹴ったりなんか………………あ、足が……」

大魔王「この牢獄は特別製。索敵魔法の遮断は当然として、防音、防弾の壁だ。また牢の格子も如何なる者にも破れない堅固な物となっている。つまりな、お前がお前の身体に走る痛みに叫ぼうとも、お前が瞳から血の涙を迸らせようとも、誰にも届かないぞ?」

少年「……狂ってる。狂ってる……!やっぱり魔物なんて信じない!大魔王は大魔王だ!信じようとした僕が馬鹿だった!もう誰も信じない!」

大魔王「またこれか……計画が壊れるな。だが今日は調教の日と決まってしまった物だからな。」

大魔王「さて……どうしようか?」
>>62

ひたすらおっぱい吸ったり揉んだりする

大魔王「そうだな……ひたすらおっぱい吸ったり揉んだりすれば反抗心も消えるだろうな。確かに最初触れた時も快楽に弱いような一面を見せていた」

少年「誰に向かって話してるんだ、って!?手が!?あ、足も……」

大魔王「魔法を使えば道具を使わずとも拘束出来るのだが、それでは視覚的にそそる物がない。やっぱり縄だろう」

少年「む、胸がぁっ……胸が垂れて変な感じする……や、やめてくださ……」

大魔王「今更懇願した所で私がやめるとでも思っているのか?小癪な奴め」

少年「こんな……胸が強調される格好させて……な、なにがしたいんだ……やっぱり、おかしい……」

大魔王「何がしたいんだろうな?」

少年「うぅ………………うわっ!?つ、冷たい……冷たい手がぁ……む、胸に……!ややや、やめてくださ……んっ……ふぁぁぁ……」

大魔王「お前が従順にしていればこのメイド服も乱暴に引き裂かれなかったと言うのに」

少年「やめ……て……やめてそんな!そんなところばっかりぐりぐりしなっ……あ、出ちゃう!なんか出ちゃう!やめてよ!?なっ、舐めるのは……乳首ぐりぐりしながら舐めるのはっ!………………あ……」

大魔王「はしたないな」

少年「男なのに……こんな体でも男なのに……胸だけで気持ちよくなって………………体が、あ、熱い……胸がじんじんする……お、おかしくなりそう……」

大魔王「威勢が良かったと思えば、もうこれか?まだ一時間も経っていないぞ?」

今日はここまで
明日(というかもう今日じゃん)は今日と同じ時間帯に安価からのスタート予定でございます

少年「もうしませんから……は、反抗的な態度とったりなんてもう……しませんからぁ……」

大魔王「私には信じられないな」

少年「んっ!?い、痛いのに、き、気持ち……い、いっ……手が……足がしびれちゃう……か、噛むのはダメっ……乳首噛むのは反則だ……って!」

大魔王「痛いくらいが感じるのか?とんだマゾヒストの変態だな、お前は」

少年「……いぎっ!?痛い!痛いよ!とっ、とれる!とれちゃう!そんなぁ……強く、強く噛まないでくださっ………………そそそれもダメっ!んっ……女の人じゃ、ないっ、のに!……胸から、出そうだって!やめ、やめてください!やめて!舌やめて!お願い、しますから!やめ……っ………………あ……出てる……上からも……下からも……ミルクが、ミルクが出、出ちゃってる………………」

大魔王「……気絶した?丈夫に出来ているはずだから、身体に多少の負荷がかかろうと耐えられるはずでは………………あっ………………なるほどな」

大魔王「胸だけで達してしまった自分が受け入れられなかったのだろうな……恐らく」

大魔王「………………冷たい床で寝かせるのは流石に可哀想だな……」

大魔王「乳首にクリップローターを着けて例のベッドに寝かせておこうか」

大魔王「……」

大魔王「…………」

大魔王「………………」

大魔王「ソムノフィリア……か」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「……あ、あの……おはよう、ございます」

大魔王「おはよう。――しかし目覚めが早いな?」

少年「……それ、は……えっ、と……こ、ここに………………が……」

大魔王「聞こえるように、明瞭に大きく話せ。それでは内容がまるで分からない」

少年「……っ……! む、胸に……胸にこんなものつけられてて……安眠できるわけ……ない、じゃないですか……」

大魔王「そうか」

少年「は、外してくださいよこれ! ……手でやっても外れなかったんですけど……これも魔法ですか?」

大魔王「どうだろうな。……外すかどうかは、今日の調教内容を決めてからだ」

少年「えっ………………夢じゃなかったんだ、あれ」

大魔王「夢である道理が無いだろう?」

少年「そんな……今日もなんて……」

大魔王「さて、どうしようか?」
↓2

大魔王「……そういえば、奴隷商人といた頃は満足に生活出来ていたのか?」

少年「……話したい気分じゃないです、し……満足に生活できてなかったことぐらいわかるじゃないですか……。第一、第一にあなたは心が読めるんですよね……? さっきもわざわざ僕に恥ずかしいこと言わせて……」

大魔王「話は不要か。ではこっちだ」

少年「えっ……いやだ……そんな……ま、また……」



少年「……な、なんですか……? この場所は……?」

大魔王「王宮内にある大浴場だ。もっとも人間の趣味は合わないようだったので内装は私が変えたがな。そしてこれだけ広い大浴場だが、ここには私とお前だけだぞ。」

少年「な、何をするんですか……?ここで?」

大魔王「大浴場で風呂に入らず何をするんだ。……それともそっちがお望みか?」

少年「そ、そんな……そっちって……い、いやですよ……」

大魔王「そうか。では服を脱げ。……私に脱がせて欲しいか?」

少年「じっ、自分で脱げます!」

少年「……っ」

少年「…………あ、っ」

少年「………………あ、あの」

大魔王「どうした?」

少年「……も、もうそんなに体洗う必要って、ないんじゃ……ないですか? く、くすぐったいです……」

大魔王「奴隷市にいた時はずっと身体を清めていなかっただろう。だからこうして念入りに洗っているんだ」

少年「……さっ、さいですか」

大魔王「そうだ。それに……気持ち良いだろう? 他人に身体を洗ってもらうというのは」

少年「き、気持ちいいですけど! ……でっ、ですけど……なんか……」

大魔王「顔が赤いな、まだ湯船に浸かってもいないのにのぼせたか?」

少年「……もういやだよぉ……」

大魔王(そろそろ洗う箇所を変えるか……。では…… ↓1 だ)

少年「……あ……っ……な、なんですか!?」

大魔王「こっちも洗わないとどうしようもないだろう。お前は私の伴侶になる人間なのだから、身体が汚れていてはどうしようもない」

少年「……は、伴侶って、言い方が……それに僕は……男だし……」

大魔王「何か言ったか?」

少年「い、いえ何も………………んうっ!? あ……ふ、あっ……」

大魔王「素っ頓狂な声を上げたり身じろぎしてみたり……余程私に洗われたくないと見えるな?」

少年「いやそんなっ……こと……。さ、さっき、だってさっき揉みましたよね……!?」

大魔王「自分で分からないのか」

少年「………………わからないですよぉ……そんなの……だって、だってずっとお尻、変な感じしてて……うぅ……」

大魔王「本当に難儀な身体だな、お前は」

少年「じ、自分じゃ洗っちゃダメですか!? ダメなんですか……?」

大魔王「背中だとか臀部は自分で洗いにくいだろう、そうだろう」

少年「言いくるめられてる気が……すごい………………なっ!? ゆっ、指が……! やだ、抜いてください! いたっ……入らない! 入らないです!」

大魔王「遅かれ早かれお前はここを使うのだから別に今、アレの為に慣らしてしまっても構わんのだろう?」

少年「……ぐっ……やっ、ぱり……こういうことするんですね……! ……ひっ…………いやだぁ……やっぱやだよ……ぐにゅって中で動いてる……! 広がっちゃう! 戻らなくなりそう……なに、これ……」

大魔王「そういえば潤滑を忘れていたな」

少年「……え? 何言って………………つ、冷たい……う、うぁぁ……! ……やだ、いやだ音が! ぐちゅぐちゅ言ってる……! 僕の中でぐちゅぐちゅ言ってて……やっ……んっ………………あ、ああっ……!」

大魔王「やれやれ。身体を洗っていただけだというのに」

少年「はぁ……はぁ……んっ、はぁ……はぁ……僕って、ほんとに、男、なのかな……」

大魔王「次はどうするかな……」
↓2

大魔王(思えばこの少年の運命は目まぐるしく動いていて……心が休まっていないかも知れないな……)

大魔王(調教をしたい一心であるが、多少の息抜きは必要だろう。そうだ、心の洗濯をさせよう……となると私が鬼みたいではないか)

大魔王「……なっ!? 椅子に腰かけたまま脱力したように頭を垂れている……だと? 本当に丈夫に出来ているのか……こいつは……」

少年「……そ、そこだけじゃなくてぇ……胸も、胸も洗ってくだ、さい……」

大魔王「クソ! 悩ましい声を出すな! 普通に洗って大浴場を出るぞ!」

少年「……はっ!? ………………変な夢を見ていた気がする……。うーん……さっぱりした………………あ」

少年「夢じゃないんだ………………あれ、なんだろうこのデジャヴュは」

少年「……」

少年「……あれ? 大魔王様、いない? ……よっこいしょ、っと」

少年「文机の上にメモ書きがある。」

メモ書き「身体はきれいになったことだし、今日残り一日はゆっくりと心の洗濯をするように。欲しい物を紙に書けばノームたちがすぐ運んできてくれます。もしも何かあれば私を呼べ。ドライアドや私のメイドを頼ろうとしてはいけないぞ」

少年「……何すればいいんだろう。そういえば、この部屋広いなー……天蓋つきのベッドが後何個置けるんだろう。……あ、追伸があった」

メモ書き「追伸 おやつは3時になったら食べるように。私は見ているぞ」

少年「や、やっぱりどこかから見てるんだ、趣味悪いなぁ……。こんなんじゃ心の洗濯になんないよー……」

少年「……うーん、どうしようかな。まだ正午にもなってないや」

1 欲しい物を紙に書く(当たり前だけど欲しい物も書いてくださいお願いします)
2 寝る
3 その他

>>81
あ、安価下です

少年「………………大魔王の心!心が欲しい!……なんちゃって」

少年「……入手が無理そうな物を書いたらどうなるの、っと」

少年「………………よし。すぐってどのくらいすぐなんだかね」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「あ、あれ!? 今、壁に穴できなかった!? もうふさがった……というか元に戻ってる……けど」

少年「あ、7人の小人もといノームたちだ」

ノームたち「「ちょっとちょっと!困るねぇお客さん!」」

少年「ご、ごめんなさい」

ノームたち「「いくらこのノーム様たちが仕事人と言えど、無理なもんは無理なんだね!」」

少年「そうですか……では、また……」

ノームたち「「……お嬢ちゃんさ、話を途中で切ろうとするの、よくないんじゃないの?え?」」

少年(お嬢ちゃん、って……)

ノームたち「「まぁええわ。あのだね、いくら私らがノーム様でもね、さすがに……大魔王様の心臓を取るってーのはねぇ……」」

少年(あー……なるほどなー……言葉通りに捉えてるのかな、あれ……いや、そうに違いない)

ノームたち「「難しいんだよねぇ………………ジャバウォックの噛む顎とか捕らえる爪をひょいひょいして倒したり、ドラゴンとかなら倒せたんだけどねぇ……大魔王様はねー、強すぎるよねー……」」

少年「はぁ………………と、ともかくありがとうございました!」

ノームたち「「おう! お嬢ちゃん可愛いからただでいいけんど、ぜひともご贔屓にしてくれやー」」

少年「さようならー……」

少年「……この壁、やっぱりただの壁だ……」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「大魔王の、心かぁ……」

少年「ちょっと手なづけられたフリをしてみればさ、案外コロっていったりして」

少年「まぁ、僕は奴隷なんだけど……」

少年「……あのノームたちがガヤガヤ話してたせいで割と時間たってるなぁ。でもまだまだ正午まであるか……」

1 欲しい物を紙に書く(当たり前だけど欲しい物も書いてくださいお願いします)
2 寝る
3 その他

少年「……? 買い上げられてから僕、食事してたっけ……? なのに生きてる………………? な、何か大切なことを忘れているような……まぁ、生きてるしいいや」

少年「お腹が空いたら美味しい食べ物が一番! それに今8時ぐらいだし、案外ちょうどいい時間だね」

少年「………………よし。……あ、美味しい食べ物って大ざっぱに書いたけど……大丈夫だよね? ノームたちだって、一応――人型なわけだしさ」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「もう壁はただの壁に過ぎないんだ」

ノームたち「「おっ、呼んでくれたのはさっきのお嬢ちゃんか! えっと……美味しい食べ物、美味しい食べ物ね」」

少年(小さくても力持ちなんだなぁ……)

ノームたち「「ほら、お待ちどお! ハダカデバネズミの胎児入りキノコシチューだよ! こんなの私らはなかなか食えねぇもんだ!」」

少年「はっ、ハダ……? 胎児? 胎児って」

ノームたち「「じゃあなお嬢ちゃん! また呼んどくれよ」」

少年「逃げ足……が速いというか、仕事人だからなのか……」

少年「とっ、とりあえず! とりあえず食べよう……」

少年「………………これって……このぶよぶよしてる肉、って……」

少年「ぼ、僕はハダカデバネズミ?が何なのか分からないけどさ、たぶんネズミでしょ? ネズミの仲間だよね? ……じゃあ大丈夫か」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「うん。変な野菜炒めよりは全然美味しいね。ほんとに」

少年「……それにしても変な肉の塊がちょっとだけでよかったのなんのって………………あれ、たぶん僕の食べたことのあるネズミじゃないよ……」

少年「……うーん」

少年「あ、図鑑なんてあるんだ! 字が読めるのがやっと役に立つかも。……植物図鑑、星座図鑑、男色大鑑、動物図鑑……動物図鑑あった!」

少年「……やっぱり気になるよね? 怖いけど気になるよね?」

少年「ハダカデバネズミ……ハダカデバネズミ………………え、えっ………………ネズミ? これ何? ほんとに生き物?」

http://i.imgur.com/hcern95 (ハダカデバネズミ参考画像 一応注意)

少年「気持ち悪いのに……気持ち悪くならない………………うぇぇ……」

少年「気を取り直して、どうしようかな。まだ9時かぁ……」

1 欲しい物を紙に書く
2 寝る
3 その他

少年「………………と、トイレ行ってこよ。体調じゃないけど気分が絶好調になるかもしれないし……」

少年「……あれ? この部屋から出られるの……? ドアノブ回したって開かないんじゃないのー……って」

少年「出られちゃった。……どうなってるんだろこの城? いくらお城でも人間が使う……使ってたんだからこんな変な造りにしないはずじゃないのかな……」

少年「うわぁ……迷いそう。誰かいないかな……? 帰り道は確保してあるけど、さ」

メイド「……僕くん、どうしたのかな?」

少年(うわっ!? 誰かいた! しかも今度は女の子に間違われなかった!)

メイド「……? 僕くん大丈夫? 変な物でも食べちゃった?」

少年「あ……いえ、大丈夫です……。そ、それより! トイレ……って、どこですか? あんまり僕、慣れてなくって……」

メイド「トイレ探してたのか! そっか、僕もトイレ行こうとしてたんだよね。案内してあげるよ」

少年(女の人で自分を僕って言う人、ほんとにいるんだな……)

メイド「ほら、ここがトイレだよ。もう道は覚えた?」

少年「んー……大体覚えました!」

メイド「そっか。よかったよかった」

少年「………………ここ、女の人用トイレってないんですか?」

メイド「あっ、あれ!? 君女の子だったの? ごめんね~……僕、君を男の子かと勘違いしてたね、あはは」

少年(逆じゃないの……それ)

メイド「……どうしようか。君、女の子か……。でもよかったなー、とか。だって大魔王様は……」

少年「ま、間違ってないです! 僕は男です!」

メイド「あれ? なーんだ………………でも、どうしてあんなこと聞いたのかな?」

少年「えっ………………だって、あなた女の人……じゃ」

メイド「あはは、やっぱりそう見える? 嬉しいなぁ……。僕、君と同じだよ。男の子だよ?」

少年「えっ」

すみません、今日は安価もうないです。
安価の前まで投下したらおやすみなさいします

メイド「ほら、ここがトイレだよ。もう道は覚えた?」

少年「んー……大体覚えました!」

メイド「そっか。よかったよかった」

少年「………………ここ、女の人用トイレってないんですか?」

メイド「あっ、あれ!? 君女の子だったの? ごめんね~……僕、君を男の子かと勘違いしてたね、あはは」

少年(逆じゃないの……それ)

メイド「……どうしようか。君、女の子か……。でもよかったなー、とか。だって大魔王様は……」

少年「ま、間違ってないです! 僕は男です!」

メイド「あれ? なーんだ………………でも、どうしてあんなこと聞いたのかな?」

少年「えっ………………だって、あなた女の人……じゃ」

メイド「あはは、やっぱりそう見える? 嬉しいなぁ……。僕、君と同じだよ。男の子だよ?」

少年「えっ」

メイド「だからさ、君が女の子だって勘違いしてたさっきに………………あれ? 言ったっけ? 言ってないよね。大魔王様がやっと女の子を連れてきたのかって思ったから安心できた……と思ったのね。まぁ、それが男の子だったわけだけど」

少年「大魔王様って何者なの……」

メイド「大魔王様は……素晴らしいお人だよ……。ってそんなことじゃないよね、君が知りたいのは。………………大魔王様は女の子みたいに可愛い男の子が大好きなんだけど、なぜか女の子には目もくれないんだよ? 不思議だねぇ、ほんとに。 ……噂ではドライアドって女の子のせいで女の子嫌いになったとかなんとか言われてるかな」

少年(ドライアドさん……ドライアドさん、やっぱり怖い人だったよ……)

少年「あの……1つ聞いていいですか?」

メイド「ん? なになに? なんでも聞いちゃってよ」

少年「メイドさんは……人間ですか? それとも魔物ですか?」

メイド「んー……僕か、僕ねぇ……。自分の身の上話をするって気恥ずかしいもんだね? えっと、ね、僕はサキュバスだよ」

少年「僕でもサキュバスは知ってますよ! ……でも確か、サキュバスって女の人しかいないんじゃあ……」

メイド「あはは、やっぱりそう思う? そう思うよねー……。………………暗い話になるんだけど、それでも聞きたい?」

少年「あ、メイドさん?サキュバスさん?が嫌な気持ちするなら……追求しませんけど」

メイド「メイドさん、って呼んでほしいかな、君には。……え? いやいや、僕の気持ちなんてどうでもいいの! それにさ、誰かに話してすっきりしたいって、思ってたんだよねぇ」

少年「それなら、お願い……します」

メイド「待って待って! ちょっとトイレ済ませてからでいいかな? 君も済ませて、ね? そしたらさ、ゆっくり来賓室の椅子にでも座って、お話ししようか。………………あ、先に言っておくけど、勝手に来賓室使ってもお咎めなしだから! 大魔王様超寛大だよ、超がつくの」

少年「あっ、はい……わかりました……」

メイド「………………では、話そうかね。話してしまおうかね……この私の……年来の秘密をー!」

少年(そういえば、魔物って人間に比べて遥かに長生きなんだっけ……。一体全体何歳なんだろう)

メイド「反応してほしかったな! そこは! ……気を取り直して、と……僕が男なのにサキュバスだってのは、さっきも話したよね」

少年「はい……。連れションした今でも女なんじゃないかって思いますけども……」

メイド「あはは。……僕はね、ある頃まで女の子として、サキュバスとして育てられてたんだ。体が男なんてのも親でさえしばらく分からなかったんだから、笑っちゃうよね?」

少年「……」

メイド「だけどねぇ……子供のサキュバスが大人のサキュバスになって、自由に男の夢に入り込むためには、試験に合格しなきゃいけなくて……」

メイド「……僕は合格できなかった。男だから合格できなかったわけではないと思うんだ。だってあの試験は……夢に入り込めるかを試してたわけだしさ……」

メイド「もちろん親に怒られたよ。怒られて勘当されちゃった。……い、今は復縁してちゃんと有給で帰省したりするよ? うん、まぁ、そこはいいとして……さ」

メイド「友達もいなくなっちゃった。僕としてはこっちの方が堪えたなぁ………………あー、なんか泣きそうだよ……あ、でも頑張って話すよ? 男に二言はないしね、うん」

メイド「サキュバスとインキュバスの社会では、試験に合格できない、つまり夢に入る能力のない者は最底辺なんだ。……だって夢の中で精を吸って生きる生き物だから……」

メイド「嫌だなぁ……僕くんは僕よりひどい顔しちゃダメだよ……ほら、笑って笑って!」

少年「………………お話はそこでおしまいなんですか?」

メイド「まさかまさか、まさかのさかだよ。終わりじゃないね。……ここから僕くんも知ってるあの人が出てくるよ! 誰だかわかる?」

少年「大魔王様ですか?」

メイド「大正解! 2000ガバスあげちゃうよ!」

少年(……たまに何言ってるかよくわからないなぁ)

メイド「あのね、えへへ……路上で身売りしてまで必死に精を集めてた僕をね、大魔王くん……あっ、大魔王様が助けてくれてさー!」

少年(……どっ、どういう関係なの2人は!? な、なんか悔しいような!)

メイド「その時の大魔王くんはまだちっちゃくて、僕くんぐらいの見た目だったんだけど………………す、すごかった♡」

少年(な、なんかすごく恥ずかしい……このまま消えちゃいたい……いやだ……いやだよぉ……)

メイド「助けてくれてからというものの……ずっと側に置いてくれててさ……もう、幸せだよぉ……毎日幸せ! 幸せすぎて死にそう!」

少年「そ、それはそれは……」

メイド「………………でもね? 僕、分かってるんだよ。大魔王様が優秀な子孫を求めていること……だから僕じゃダメなんだって……分かっ、てる……んだけど………………ご、ごめんね……なんか、君は悪くないのに……」

メイド「……だから……だから! 君に頼みたいの!」

少年「な、何をですか!?」

ここまでですお休みなさい
見てくださるあなた方に感謝!感謝です!

少し早めですが投下再開です

メイド「お願い! 大魔王くんとの間に優秀な子孫を残してほしいんだ! 君しかできない大役だよ! これって!」

少年「………………や、やっぱり、僕はそのためにここにいるのか……自分で考えるのもアレだけど、人から言われちゃうとさ……なんか」

メイド「うん! ………………あ、男同士でどう子供作るのって思うでしょ? あれ大丈夫だから、大丈夫大丈夫。魔法でどうにかやっちゃうんだって。……いやはや、魔法ってすごいねぇ。僕にはわかんないよ、あはは」

少年「魔法ってすごいなぁ」

メイド「………………あれ、もう12時か。……あっ、ご飯一緒に食べよっか? 大魔王様も来てくださるかもだからね」

少年(こ、こんな会話した後に一緒に昼食って! ……しかも今日一日は会わないものかと思ってたよ!)

メイド「もしかして僕くんはいやなのかな? ……それより恥ずかしいのかな? にひひ。……一緒がいやなら断ったっていいんだよ?」

少年(どうしようか……)
1 一緒に食事
2 独りで食事
3 その他の選択肢 ↓1

少年(……せっかく誘ってくれたんだし、断るのはアレだよね)

少年(ふたりには悪いけど、不都合が起きたら適当な理由つけて退室するって手もあるし……)

少年(とりあえず、とりあえず一緒してみよう)

メイド「うーん? そんな難しい顔して考えることかなぁ~? なんとなくでいいんだよ、なんとなくで。大魔王様はそれぐらいで君を嫌いになったりしないよ~」

少年(……なんか複雑な気持ち)

メイド「で、どうする? 答えは出たようだけど」

少年「僕もご一緒させていただきます……はい」

メイド「そう。嬉しいな。大魔王様も喜ぶよ」

少年(口を開けば大魔王様だなぁ、この人……)

大魔王「……久し振りだな」

少年「久しぶりって言うほど久しぶりかな……? なんていうか、大魔王なのに友だちっぽい。ううん、強めて言って俗物っぽいよ」

メイド「どうしたの大魔王くんったら~ そんな苦ワームでも噛み潰したような顔しちゃって~ ご飯冷めちゃうよ?」

少年「ついていけない……」

大魔王「――しばらくの間、心の洗濯をお前にさせていたが、どうだったか? 十分心身共に休まる結果となったか?」

少年「心の洗濯はそんなに……。ですけどこの世界についてなんとなくわかってきました」

大魔王「この世界、か? ほう、見識は高めておいて損がない物だぞ」

少年「なんて言えばいいのか……正直いろいろありすぎて何がなんだかわからなくて、忙しくて、入ってくる情報も多くて………………なんだか、記憶も混乱してるような気もしたり? でも、大変だけど、自由って楽しいです。自分で世界を広げられるって……!」

大魔王「……そうか。では、明日からは――この城内と庭園に限るが、自由行動を許可しよう。………………ただし夕方までには自室にいること。分かったか?」

少年「……は、はい!」

大魔王「……話は以上だ。メイドの料理を静かに味わってくれ。病みつきになること必至だぞ?」

メイド「そ、そんなに褒めないで欲しいな……!」

少年(メイドさんの料理、ほんとに美味しかったなぁ……三食同じメニューでも、メイドさんのなら飽きないと思うくらい)

少年(……あのあと、自室に戻れって言われちゃったけど……それで戻ってきたんだけど……)

少年(………………することがない)

少年(……)

少年(…………)

少年(………………)

少年(……! そういえばさっき、大魔王様が……夕方までには自室に戻っているように、って言ってたけど)

少年(あれって……アレだよね……アレ。口に出す――いやいや、考えるのもはばかれるぐらいのことされちゃう……)

少年(……よく考えたら、まだ午後の1時だ。)

少年(どうしようかな……)
1 城内/庭園を探検
2 欲しい物を紙に書く
3 寝る
4 その他 ↓1

少年(体でも動かすつもりで、探検しようっと)

少年(お城は……なんとなくわかったし、庭園? があるらしいし、そこ行ってみよう………………)



メイド「……ねぇ、大魔王くん? そういえばさ、さっきさ、少年くんにちょっとした外出許可出してたよね?」

大魔王「……今はいいのだが、その呼び方は二人の時以外は禁止だ。……サキュバス。」

メイド「そ、そんな声音で僕の名前呼ばないでよ……! 少年くんにもその名前呼ばせてないんだよ? それと質問に答えなさーい!」

大魔王「ああ、失敬。……そうだな、如何にも私は外出許可を出した。………………庭園への許可も含めた物をだ」

メイド「………………ほ、ほんとにいいの? 大丈夫? 僕、心配だよ……」

大魔王「何、そんなのは杞憂に過ぎない。あいつは半魔だ。殺しても死なないだろう」

メイド「……うーん。そうだといいんだけど……」

大魔王「……与太話は終わりだ。こっちに集中しろ。………………お前は最近吸精を疎かにしていただろう? わざわざ休みを出したと言うのに街にも行かず……何のつもりだ」

メイド「……バレてたか、てへ」

少年(なんでだか、迷わず真っ直ぐに庭園に出る扉まで来られた)

少年(だれかに呼ばれてる? まさかまさかだよ)

少年(きっとまた、魔法かなにかだ。旅のおともは便利な魔法と勇気とかしわもち。愛は置いてきた)

少年「……? 誰かいる?」

ニンフ「……誰?」

少年(耳が長い。奴隷市だと高値で取り引きされてるっていうエルフかな? ……それにしたって、目線がキッと鋭くて、岩でも砕いてしまいそう。ちょっとこわい)

ニンフ「何か用?」

少年「……あ、えっと……僕、少年って言って……このお城に、世話……になってて、僕はただ、ただ散歩してただけで……」

ニンフ「そうなんだ」

少年(これはこれで調子狂うなぁ……なんか、何もかもがどうでもよさそう)

ニンフ「………………ってことは君が大魔王様に選ばれたんだ」

少年「……えっ、と……ま、まぁ、そんな……ところです……かね、って」

ニンフ「俺じゃ役不足だと思った?」

少年(……どどどうしよう……僕、たまたま知ってたからすごい訂正したい……役不足って意味違くない? しかも俺、俺ときたか。この人も男なんだろうなぁ)

ニンフ「思ったんだよね?」

少年「な、何をですか……?」

ニンフ「……とぼけんなよ!? お前がたぶらかしたんだろ!? 俺の目はそんななおざりな嘘に騙されるほど濁ってない!」

少年(……!? は、鋏なんてどこから!? う、うわ……に、逃げなきゃいけないのに……足が、足がすくんで……っ……)

ニンフ「石女ババアのドライアドはともかく、古株気取りのメイドをバラせば大魔王様に近づけると思っていたら! お前か!? 泥棒猫! 淫売! 売女! 娼婦! 牝犬の子が!」

少年(……ひ、っ……この人おかしい……この人絶対おかしい……! そっちの手にも鋏持ってると思ったら……うわ……自分の手の甲に突き刺しながら近づいて来て……!?)

ニンフ「死んじまえ! くたばれ! それが嫌なら出てけ! 俺の庭に二度と足を踏み入れるな! 命が惜しけりゃさっさと消えな!」

少年「……あ……うわ、っ……あの、そ、その……ご、ごめ、申し訳ございませんでした……! 申し訳ございませんでした!!!」

ニンフ「………………どいつもこいつも」

少年(何あれ!? こんな人が庭園に!? ………………落ち着いて考えてみると、あの人って……庭師でもしてるのかな? あの凶悪な鋏は確かに園芸鋏だった……力を入れなきゃ茎を切り落とせないけど、凶悪な見た目の鋏……あれを……手に……)

少年(ど、動悸が止まらない……なんかもうなにもしたくない……)

少年(ふと……ふと、隣をチラリと見たらあの人が……血塗れた鋏を携えて……!?)

少年(……右を見るのも左を見るのも上を見るのもこわくて無理だ……。背中だけは壁で守られてる……)

少年(……か、壁を通り抜けて現れたりしないよね!?)

少年(………………もう忘れよう)

少年(さ、さて、次はどうしよう……)
1 城内/庭園を探検
2 欲しい物を紙に書く
3 寝る
4 庭園の者について大魔王様に聞きにいく
5 その他 ↓1

少年(今は午後2時か。夕方って言うのもよく分からないなぁ。4時? 5時? 一日中真っ暗だから目印とかそういうのがないよねって言いたくなる……)

少年(……気分転換のつもりで、またまた探検だー……。パンドラの箱さえ開けなきゃ大丈夫だと思うしさ……そんな、あの人以上に危険なのって、ないんじゃないの……)

少年(それに城内の構造も完璧に把握できてないからね。迷ったりして、だれかにそれが見つかったら恥ずかしい……)

少年(………………それにしても、全然生き物の気配がしないなぁ……。ネズミ一匹いないかも。メイドさんはひとりでこんな広いお城を掃除してるのかなぁ……)

少年(あ、ピクシーがいた……何か運んでるけど悪さでもするんだろうか)

少年(そんなこんなで、自室より更に更に広い書庫を発見。ボロボロの錠前は簡単に開いたよ……というか、サラサラの砂になって崩れたが正しい……)

少年(天井に蜘蛛の巣張っててきったないなぁ、ここ。ほこりとか本にすごいたまってそう)

少年(……とりあえず、書棚を調べてみよう)

1 黒くて仰々しい革か何かの表紙の本が並ぶ書棚
2 桃色の薄っぺらな紙の表紙の本が並ぶ書棚
3 普通そうな本が並ぶ書棚
4 ボロボロのノートが並ぶ書棚 ↓1

少年(……高すぎて上の方のはとれないなぁ……。まぁ、このへんのとれるしいいや)

少年(……えっと、タイトルは……)

桃色の本「少年快楽調教 ~Salacious Insanity~」

少年(なにこれ。桃色に題字だけの表紙ってこんなのだれが買うのかな……副題が読めない。……読んでみよ)

桃色の本「繰り返す鞭の応酬をその白磁のような体躯に浴びながら、少年は贈物でももらったように微笑んだ。そして細く立たせた先端から白濁の液体を断続的に吐き出す事も忘れないで、少年はとうとう達した。」

少年(………………? なんだかよくわからなかった……)

少年(……あ、こっちは漫画だ。こっちなら面白そう)

少年(………………う、うわぁ……あ、あんなところに……こんなに大きいのが、入るの……? ……そんなに気持ちいいのかな……?)

少年(誰の本だろう? 元からあった本かな?)

少年(まぁ、いっか。……まだ別の本棚も調べてみようかな?)

1 黒くて仰々しい革か何かの表紙の本が並ぶ書棚
2 赤黒い表紙の本が並ぶ書棚
3 普通そうな本が並ぶ書棚
4 ボロボロのノートが並ぶ書棚
5 もう帰る ↓1

少年(……やっぱり黒い本が気になっちゃうよね)

少年(………………とれた!)

少年(一番低いところのでも僕には高くて……とれなかったらどうしようかと思った。)

少年(なんか後ろめたいから助けを呼ぶわけにもいかないし)

少年(題名は、と)

黒い本「Le Grimoire de Magie Blanche」

少年(……れ? 表紙が黒いけど題字だけ白いなぁ……そういう装丁?)

少年(………………杖から光が出たり、汚い水がきれいになったり、傷を治したり、病気を治したり……不思議な絵と、その下に文章が書いてある……さっぱり読めないけど)

少年(……もしかして魔法の本とか? 全然絵しかわからないけどそんな感じする。………………? 最後のページだけちぎれてていやだなぁ……)

少年(わかんないからもういいや! 隣にも本あるしそれにしよう!)

少年(うーん……さっき黒い本しかないと思ってたのに、これ、表紙が白で題字が黒い本だ。さっきのと逆みたいな)

少年(これの題名は……)

黒い本「Le Grimoire de Magie Noir」

少年(やっぱり読めなかった。でもさっきのと題名が似てる。この、 noir って単語が違うだけだ……これも魔法の本かな?)

少年(……うわぁ……さっきと全然違うじゃん……。人の腕がなくなったり、血を流してたり、火だるまになってたり……ゾンビみたいな人の絵が描いてあったり……。あ、こっちも最後だけ破れてる……)

少年(……白で黒の本はいやだなぁ……でも、黒で白のは持って帰って読んでみたい)

少年(……1冊ぐらいなら持ってけるよね。また増えるかもしれないけど)

少年(……まだ読んでいこうかな?)

1 爽やかな緑の本が並ぶ書棚
2 赤黒い表紙の本が並ぶ書棚
3 普通そうな本が並ぶ書棚
4 ボロボロのノートが並ぶ書棚
5 今までに読んだ本を持ち帰る
6 もう帰る ↓1

今回の投下は早いですがここまでです
今日もお付き合いいただきありがとうございました

少年「……ふぅ。自室の安心感すごい……!」

少年「誰もいないからベッドではねちゃお!!!」

少年「……うわっ! すごい風で、ものが吹き飛んだ……観葉植物の枯れ葉がー……」

少年「あれ? 黒に白の本はやっぱりあるんだけど、白に黒の本なんて僕、持ってきたっけ? ……戻しにいくのも遠いし面倒だし、いいや。置いとこ」

少年「……もう午後5時になってた。あそこで書庫探索切り上げといてやっぱりよかったね」

少年「……時間かっきりに来るわけじゃないんだ、大魔王様も。そりゃ、17時に来るなんてはっきりとは言ってなかったけどさ」

少年「………………本の頁が、風で破れちゃってたのかな……?」

少年「あー、なにこれ、変な絵……人の頭の中に……杖を突っこんで……なにかの形をぐちゃぐちゃにしてる………………なのに、ぐちゃぐちゃにされた人は嬉しそうな顔……?」

少年「……ど、どっちから破けたんだろう。黒に白? 白に黒? 文章が読めないせいでどっちの頁かわかんないや……」

少年「………………えっ」

少年「……どっちの本にも、最後の1頁以外、破けた頁がない……? そんなまさか……」

少年「……あれ? やっぱりおかしい……おかしいけどこれが正しいみたいだ……」

少年「な、なーんか、いやな感じ……」

あらすじ
少年「奴隷というより僕は偉い人の細君になるみたい」
以上

今までに登場した場所
奴隷市場
花園
城→少年の部屋 食堂 来賓室 書庫 大浴場 トイレ 中庭 庭園

投下再開します

大魔王「何をしていた?」

少年「……うわっ!? ……ちょっと、ちょっとその、本棚の整理……してました」

大魔王「……本が好きなのか? その前に字は読めるのか……?」

少年「本は……あまり読んだことないんですけど、読んでみたいって思います。………………字ですか。字は……新聞を読もうとしてたら、なんとなく分かるようになってました。なんとなくですけど。」

大魔王「そうか。では……この城内に広い書庫があるから、暇ならそこに行くといい。鍵はかかっていなかったはずだ」

少年「………………あー……でも、黙っておこう」

大魔王「……」

少年「でもでも、明日からは堂々と書庫に行ける! そう思えば大丈夫だ!」

大魔王「……それでは、本題に入ろうか」

少年「はっ、はい……」

大魔王「まだ始まってもいないというのにこんなに顔を赤くさせて」

少年「だ、だって……その……」

大魔王「皆まで言うな。……さて、今日の調教はどうしようか?」
↓1

少年「ところで今日一日は心の洗濯じゃなかったかなって……」

大魔王「………………今日は学校のような勉強だな。私が思うに、お前は地頭が良いらしい。それにいずれ私の伴侶となる者……知性も問われることとなるだろう。だがな……」

少年「……だが?」

大魔王「……普通の勉強ではお前もつまらないだろう。それに夕方からは調教の時間だからな。道具を使わせてもらう」

少年「ど、道具って!? ……そんなの、は、恥ずかしい……」

大魔王「お前に拒否権はない。さあ、最初は文字の練習だ」

少年「文字……? こ、こんなの今だってわかってますけど!? やらなくても大丈夫ですよ……」

大魔王「弱々しい口振りだな。分かっていると言えど、完璧じゃないのだろう? 基礎が出来ないことには次には行けないのでな」

少年「……うぅ……文字の書き取りなんてつまらないよ……」

大魔王「だろう? だから道具を使うんだ」

少年「んひっ!? そんな、いきなり……! し、しかも、ちょっとずつ入って……あああぁっ……なにこれ……こんなの入れながら勉強なんて……」

大魔王「これなら文句も言えないだろう。観念したら手を進めろ」

少年「……集中できるわけなんか……ない……お、お尻がむずむずして、あ、足が……落ち着かない……鉛筆が、手から落ちそう……」

大魔王「筆が動いていないな。そんなに難しかったか? これは当分終わらないな」

少年「……んっ……すぐ側で監視なんかされてたらどうしようもできない……。なにか起こってどっか行ってくれないかな……ふ、ふぁぁ、変に動くと奥に当たって……」

大魔王「……しょうがない。少し休憩を入れよう。メイドに茶でも持ってこさせるか」

少年「……あ、力入れすぎて鉛筆の芯が……。もうやだ……文字なんて同じのでも5回書けば覚えるよ……」

メイド「大魔王くん! お茶持ってきたよ~ ふたり分ね~ ……あれ? 僕くんお勉強? えらいねぇー」

大魔王「ありがとう。……これはローズヒップか何かか?」

メイド「そうそう! 僕が諦めずに何度も言ってきた甲斐あって、さすがに覚えてきたか! すっぱいけどこの味好きだな~」

大魔王「ほら、お前の分も注いだぞ。……飲まないのか?」

少年「あ、ありがとうございます………………うわっ!? あつっ!」

メイド「ぼ、僕くん大丈夫!? 火傷してない!? うわぁ、お洋服に派手にかかっちゃったね……」

少年「だ、大丈夫です……なんとか」

大魔王「メイドはもう下がっていろ。ここは私がやる」

メイド「んー、じゃあよろしくね、大魔王様。……少年くん、顔赤いけど、調子悪いんなら無理しないで休みなよ? 心配だよー」

少年「あ、熱い、熱かったけど……なんか気持ちよかったかも……」

大魔王「とりあえず服を脱げ。話はそれからだ」

少年「……っあ、そ、そんなにまじまじ見られると……」

大魔王「火傷はしていないようだな。だが回復魔法をかけておこう」

少年「……大魔王様の回復魔法、優しくて好きかも……」

大魔王「……おや、何だこれは」

少年「な、なんだ、って……見ればわかるじゃないですか……生理現象なんだからぁ……」

大魔王「へえ、もう後ろで感じるようになったのか。慣らしもしていないのに。大した順応性だ」

少年「……やめてください……っ……」

大魔王「……代わりの衣服を取ってくる。さっき着ていた物より劣るが我慢してくれ」

少年(……あ、いなくなった……いなくなったよね?)

少年(紅茶を溢しちゃったのがたまたまとはいえ――たまたまというか手が滑っちゃって。……この状況を作れて運がよかった)

少年(……ぬ、抜かなきゃ)

少年(………………あれ、なんか自然な感じになっちゃって位置が……あ、ここだ……)

少年(……とっ、とれない!? どうしよう……こんなのとらなきゃおかしくなっちゃう、って……)

少年(………………っ……ん、う……)

少年(……あ、ああっ!? とれない!? やっぱとれないし……もしかして今ので……もっと奥に入っちゃっ、た?)

少年(まずい、これは非常によくない……自爆しただけだった……)

少年(抜こうだなんて変な気を起こさずに……い、唯々諾々と従ってたら……こんなことには……)

少年(もう命令に背かない方がいいってわかった……)

大魔王「……これでいいか?」

少年「あっ……。あっ、はい、それでいいです! っていうか、すっごい……きれいな服……」

大魔王「所謂あれだ、婚礼の衣装という奴だ」

少年「くっ、くろ? でしたっけ? でも」

大魔王「私は大魔王だからな」

少年「あっ、はい……」

少年「……」

少年「…………」

少年「………………」

少年「……せっ、背中のところが閉められなくて」

大魔王「……なるほどな、こんな構造であったか」

少年「……んぅ。……ひゃっ!? 肩甲骨のところなぞったり、なんで……!?」

大魔王「敏感な身体だな。つくづくそう思うよ」

少年「……こんな格好をするとも思わなかったし、こんな格好で勉強する日が来るとも思わなかった……」

大魔王「……さっきより筆が早いな。慣れてきたか」

少年「慣れてきたなんてそんなわけ! ……早く終わらせなきゃ……うぅ……」

大魔王「退屈だな」

少年「退屈だな! って……人にこんなことさせて自分はあくびって……! こっちは一生分の集中力総動員させてるのにぃ……っ」

大魔王「………………」

少年「!? んあっ、えっ!? なっ、なに、これ……中が……中がぁっ! 気持ちよくえぐられてるぅ……っ! な、なんで急に……嘘だ、おかし、おかしい……あ、今なんか、意識が……」

大魔王「……どうした? 調子でも悪いのか? 急にそんな息を切らし始めて……」

少年「……あ、あの……僕、もう、僕もう無理です……。ひどいですよぉ……わ、わかりきったこと、じゃない、ですかぁ……」

大魔王「だからどうした? どうして欲しい?」

少年「え、えっと、えっと……それは……」
↓2

少年「ぬ、抜いて欲しいんですけど……言わせないでくださいよ!?」

大魔王「そうか。………………言い忘れていたがそれは……その…… ↓1 しないと取り出すことは不可能だった」

少年「……じ、自分で射精!?」

大魔王「ああ、そうだ。そういうことだ」

少年「………………ぼ、僕、自分でそういうの、したことすらないんですけど……っ……」

大魔王「……幸か不幸か、取り出す為の条件は自分で射精することだ。だから、つまり……自涜によっての射精でなくても良い、ということだ」

少年「そうは、い、言われたってぇ……そんな意味わかんないれすよ……ふぁ……」

大魔王「………………このままでも自然に射精して抜けるんじゃないのか?」

少年「い、いーやー!です……な、なんかやだ? なんかやだ……」

大魔王「やれやれ、結局は私がやるしかないのか」

少年「誰がまいたんですか!? こんな種!?」

大魔王「種を蒔くのはこれからのお前だろう……」

少年「お、面白くないです!」

大魔王「と、言っているがどうしてやろうか」↓2

少年「た、助けてくださいぃ……はやく……」

大魔王「………………」

少年「はやく! もう無理、限界……あああああ……ほんとにおかしくなる……」

大魔王「……すまない、用事を思い出した」

少年「は、は? ……え? 嘘だ……えっ……?」

大魔王「人間が城に交渉しに来ているというのをすっかり忘れていてな。そこらの小屋に待ってもらっていたんだ」

少年「……あ、あっ……え、えっと……これ」

大魔王「……可及的速やかに戻ってくるからなんとか持ちこたえていてくれ。………………こ、これも言い忘れていたが……今、私も今思い出したことなんだが……さっきの私は自然に射精すれば抜けると言っていたが……」

少年「なんですか!? 早く言ってくださいよ!?」

大魔王「……それ単体では……快感をもたらすことはもたらすのだが、射精するまでに至れない、らしい……ぞ。……それでは、また」

少年「……あ……無理……無理だ……」

少年「……ほんとにおかしくなる……! ……あ、な、なにも待たなくったって、自分でやってみれば―案外いけちゃったりすると思う……っ……と、とりあえず……やってみない、ことには……」

少年「……あ、あれ!? なななにこれ、こういうもんなの……んっ……触っても全然気持ちよくない……じゃんっ……うわぁぁぁ……」

少年「ま、まだあるんじゃないの!? 大魔王様だって忘れてる、これの、ことが! あるんじゃ、ないの!?」

少年「………………しょ、しょうがないか。んっ、ふ……今度は……こっち……に指、を……」

少年「う、うわ……見えないけど……きっとかなり、広がって……あっ、中の壁がぁ……こすれて……っ……」

少年「だ、ダメだ!? これ以上指、指やると……もっと、もっと奥まで入っちゃ……う……」

少年「自分で射精すればいいってぇ……ダメじゃんこれじゃ……あ、頭がちらつく……気持ちよすぎて死んじゃうかも……な、なにこの……はっ……生殺し……」

大魔王「……すまない! 話が何時間にもなって随分と遅れてしまったが……分かったぞ! トリセツを見つけ出してな……忘れていた使い方も………………なっ」

少年「……は、はやく、はやくいれて……はやくいれてくらさいぃ……なんか、もう、んっ、あたま、まわらなくって……ふへへ……」

大魔王「うわぁ……何だこれは……何なんだこれは………………た、たまげなければセーフだ……」

少年「は、はやく? はやくはやく……らいまおーさまぁ……」

大魔王「自分からファーストキスを与えに行くのか……」

少年「あははっ……おどろいてる……」

大魔王「正気に戻さなければ……」

少年「………………んっ、は、はいっちゃっ……たぁ……♡」

大魔王「……う、うお……腸液でぬちゃぬちゃしてるけど……きっついな……」

少年「……はっ、すごい……♡ い、いっきにおくまで……くるっ……♡」

大魔王「……あー、スイッチが入ると別人の如く変わってしまうのか……この少年は……これは確かに逸材だ……」

少年「……はぁ、あれ……とまった? う、うごかない……?」

大魔王「な、何故初めてでキュっと絞めたりする技巧があるんだ……末恐ろしいな……」

少年「う、うごいて……うごいてって……おねがいだからっ……♡」

大魔王「二回目のキスで舌を絡ませてくるとはどんな少年だ……」

少年「ほらほら……! もっとしてって……!」

大魔王「………………な、き、昨日サキュバスとしたばかりなのに……私がもう?」

少年「……あっ……でてるっ……♡ なかにすっごいだされてる……♡ ふぁぁぁっ……」

大魔王「……これ、抜けて出てきて……元に戻るんじゃないか? もしや……いや……まさか……」

今回の投下ここまでです
おやすみをいただきます

少年「あれ?」

少年「……いたたた、頭ずきずきする」

少年(それにしても……すごい夢見ちゃった……うわぁ……恥ずかしいよこれは……)

少年(………………? 僕、いつの間にか服脱いでたっけ?)

少年(……もしかして夢じゃなかった?)

少年(……夢じゃないんじゃ。だ、だって、夢の中ではこのへんに……つけられて……この鎖骨の辺り……あっ)

少年(あ、うわ……いやだ……嘘だ……嘘だ……)

少年(どうしよう……どんな顔して会えばいいんだ……)

少年(ちょっと! 部屋から時計が消えてるじゃん……今何時なんだろ……外は真っ暗だからわかりっこないし……)

少年(………………子供できちゃうのかな?)

少年(……別に、別にいやじゃないけど……なんか、あんな形では不本意というか……できればちゃんとしたかったかな? 僕って案外ロマンチスト?)

少年(よくわかんないや)

少年(……ひとりで寝るのがこんなに淋しいことだったなんて、考えたこともなかった)

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