河童「トイレ貸してください」男「は?」(72)

河童「トイレ貸してください」

男「はぁ……」

河童「ガチで漏れそうなんです!」

男「こ、こちらです」

河童「ありがとうございますっ」

数分後

河童「ふぅ。いやー、ありがとうございました、はっはっは」

男「河童もうんことかするんですね」

河童「そりゃあうんこぐらいしますよーw」

男「………」

河童「いやでも、やっぱりウォシュレットっていいですね。僕最近痔なんで紙だとキツいんスよw」

男(痔とかなるんだ……)

河童「ウォシュレット付きトイレがある部屋にすれよかったなー」

男「借家なんですか」

河童「中央公園ってわかります?僕、あそこの池の一角に部屋借りてるんですよ。よかったら遊びに来て下さいよ~」

男「……考えておきます」

河童「じゃ、そろそろ失礼しますね。突然すいませんでした」

男「あ、いえいえ……」

河童「どうもありがとうございました~」

男「………リアルに河童だったな。河童っているんだ……写真撮っとけばよかった」

妹「ただいまー!お兄ちゃんお腹すいt……生臭さッ!」

男「……とりあえずファブリーズしとくか」

夜・夕飯

男「………」

妹「今日もお兄ちゃんの料理美味しいね!あ、お姉ちゃん、醤油とって」

姉「ほら。ん?男、全然食べてないじゃないか……。具合でも悪いのか?」

男「姉さん」

姉「なんだ?」

男「今日河童が家に来たんだ」

姉「……はあ?」

妹「お兄ちゃん……?」

男「トイレを借りていったんだ」

妹「お兄ちゃん、頭大丈夫?またおかしくなっちゃったの?」

男「本当なんだよ!つーか、『また』ってなんだよ!『また』って!」

姉「中学の時に邪気眼がどうとか言っていたからじゃないのか?」

男「ナ、ナンノコトダカサッパリデース!」

姉「あの時は本気で心配したぞ」

妹「毎日家族会議だったね」

姉「父さんも母さんも死んで、さらに男までおかしくなってしまったら私はどうすれば……」

妹「お姉ちゃん泣かないで」

姉「まあ、私が本気でひっぱたいたら治ったけどな」

妹「お兄ちゃん、殴られた直後に『す、すみましぇん……』ってwww恥ずかしーwww」

男「俺の中二病時代のことは蒸し返さないでくれよ!今は河童だよ、河童!」

姉「その話も蒸し返さないでほしいな……」

男「本当に河童が来たんだって。トイレ借りてったんだって。『やっぱウォシュレットがいいッスねw』みたいなこと言ってたんだって」

姉「河童はいいとしてもトイレを借りていったってのがなんとも……」

妹「そもそも河童っておしっことかするの?」

男「するらしいよ。痔とかにもなるらしい」

姉「そういえば、男。痔は治ったのか?」

男「まだダメ」

妹「やっぱり病院で見てもらおうよ」

男「絶対やだ!他人に肛門みせるなんて死んでもするもんか!」

妹「でも美人を相手にだったら?」

男「すっげー見せたい!不思議!」

姉「くたばれ」

翌日

男「結局、姉さんも妹も全然信じてくれなかった……」

幼馴染「おっはよー男!ああん?なんだよ湿気たツラしやがってー」

男「お前か…」

幼馴染「『お前か』ってなんだよ。あたしじゃ文句があるってのか?」

男「別にぃー?」

幼馴染「なんなんだよ腹立つなあ…。ほら、さっさと学校行くぞ」

男「手ぇ引っ張らなくても一人で歩けるよ」

幼馴染「お前がちんたらしてるからだろー。ちゃっちゃと歩けっ」

男「へいへい」

男「なあ幼馴染」

幼馴染「あん?」

男「……昨日、河童を見たんだ」

幼馴染「へえ」

男「………」

幼馴染「………」

男「え?感想それだけ?」

幼馴染「うん」

男「驚いたりとかしないわけ?」

幼馴染「どうせまたくだらない発作かなんかだろ?」

男「中二病は既に完治いたしました!」
幼馴染「痔は?」

男「まだ痛い……切れ痔っぽいわ」

幼馴染「お尻にナスなんか突っ込むから……」

男「反省してます……」

幼馴染「で、河童がなんだって?」

男「河童を見たんだって。俺ん家のトイレを借りてった」

幼馴染「そりゃあ大スクープだな。写真とかないわけ?」

男「いきなりすぎて撮り損ねたわ」

幼馴染「トイレ借りに着たってことはこの辺に生息してるのかな」

男「公園の池に住んでるらしいぜ。賃貸で」

幼馴染「今日の帰りに寄ってみようぜ」

男「もとよりそのつもりよ!」

放課後・公園

男「この池にいるはず……」

幼馴染「ふーん」

男「絶対いるはず!」

幼馴染「いなさそー」

男「絶対いるもん!」

幼馴染「なあ、男。もしいなかったらあたしに嘘をついた罰としてジュース奢れよな」

男「なあ!?お前、信じてなかったのか!?」

幼馴染「信じるなんて一言も言ってないですよ~だ」

男「なんだよなんだよ!じゃあ本当にいたら俺とセックスしろよな」

幼馴染「考えが童貞臭いわ」

男「うっせー!」

幼馴染「ま、どーでもいーぜ。お前がアホ面で河童探ししてるとこ見られりゃ満足よ」

男「くそッ」

?「うわあああああああああああああ」

男&幼馴染「!!?」

男「あ、あっちのほうからだ!」

幼馴染「おい、行ってみよう!……歩いてないで走れよ」

男「痔が痛くて走れないんだよ!」

幼馴染「じゃあ競歩でこい!」

河童「うわあああああああああああああ」

幼馴染「わっ!?なんだあれ!?」

男「あ、アイツだよ!河童だ!」

幼馴染「マジでいやがった……」

河童「助けてえええええ」

男「カラスに襲われてる……助けるか」

カラス「カァ!カァ!」ズボッズボッ

河童「痛い痛い痛い!やめて!肛門をつつかないで!痔が悪化する!」

男「ほら、しっしっ!あっちいけ」

カラス「チッ、誰だよ。はぁ……マジしらけたわ。帰る」バサバサ

男「大丈夫ですか?」

河童「おお!あなたは昨日のお方!また助けていただきましたな」

幼馴染(さっきカラス喋ってなかった?)

河童「いやー、来てくれたんですね。嬉しいです。ささ、立ち話もなんですし僕の家に行きましょう」

男「河童さんの家ってどんな感じですか?」

河童「普通の1kですよ。六畳です」

河童「じゃあちょっと目を瞑っていてくださいね」

男「はい」

河童「むむ~……それっ!ホイ!」

男(おわっ!なんか浮遊感が……)

幼馴染(エレベーターに乗ってるみたいだ)

河童の家

河童「さあ、目を開けてください」

男「うわ!六畳一間!」

幼馴染「生臭えええええええ!!!」

男「こら、失礼だぞ」

幼馴染「いや、生臭さがやばい!ちょっともう……やばい」ウップ

男「バカ!トイレいけ!」

幼馴染「おぼろろろろろろ」

河童「ぎゃあ!何してるn…おぼろろろろろろ」

男「すっげー!初めてもらいゲロ見た!」

男「すいません、ちゃんと掃除しますんで」

河童「あ、大丈夫ですよ。おーい、垢舐めー」

垢舐め「………はい」

河童「これ舐めとれ」

垢舐め「うっ………はい」

垢舐め「ペロ……うぅ……苦いよぅ」グスン

河童「便利でしょ?」

幼馴染「垢舐めちゃん涙ぐんでますけど」

男「ムラムラします」

河童「何か飲みます?コーラと尻子玉汁しかないですけど」

男「コーラで」

幼馴染「尻子玉って本当にあるんだ……」

河童「ええ、甘いですよ」

男「甘いの!?」

河童「ガムシロップみたいな味がします」

男「考えただけで胃がもたれるわ」

幼馴染「さっきの……垢舐め?ってのはなんなんですか?」

河童「僕の性奴隷です。妖怪界は上下の差が激しいんですよ」

男(性奴隷いーなー)

幼馴染「嫌な社会だな」

河童「力がものをいう世界ですから」

男「弱肉強食か……」

河童「僕らの世界では妖怪たちが強さに応じてランク分けされてるんです」

河童「弱いのから順に幽、妖、鬼って感じですね」

男「河童さんのランクは?」

河童「僕は妖です」

幼馴染「じゃあ垢舐めちゃんは幽か?」

垢舐め「……はい」ビクビク

幼馴染「そんなにビビんないでくれよ」

河童「基本的に人間に害をなさない妖怪は幽と考えていいですね」

幼馴染「じゃあ人間にメチャクチャ害をなす妖怪は鬼ってことか?」

河童「はい」

男「うわぁ……鬼の妖怪に会ったらヤバいな」

河童「大丈夫ですよ~。鬼の妖怪はほとんど陰陽師に封印されちゃいましたからw」

男「陰陽師……かっけー!」

幼馴染「あっ!中二病が再発しかけてる」

河童「ま、そういうことなんで鬼に関しては大丈夫ッスね。問題は妖で、これはほとんど封印されてないです」

男「河童さんも妖なんですよね?」

幼馴染「じゃあアンタも危険なのか?」

河童「いやいや、恩人に手を挙げたりしないですよw」

男「はあ」

河童「まあ妖怪には良い奴と悪い奴がいるってことです。妖怪を扱うコツとしては、基本的には悪い奴だと思って関わることですね」

幼馴染「ふーん」

河童「ちょっとすいません、トイレ行ってきますね」

男「ああ、はい」

幼馴染「………」

男「生臭いけど落ち着く部屋だなー。生臭いけど」

幼馴染「……なあ」

男「ん?」

幼馴染「どう思うよ?」

男「何が?」

幼馴染「河童のことだよ。怪しすぎるだろ。油断させておいて喰うつもりかもしれねーぞ」

男「河童って肉食べるの?」

幼馴染「えっ………どうなの?」

垢舐め「えっ、あの、その、河童さんはコーラとキュウリとフリスクしか食べないです……」

男(フリスク食べるんだ………)

これ誰か見てんの?

河童「ふぅー、すっきり。あれ?もう帰るんですか?」

男「はい、そろそろ夕飯の買い出しに行かないと」

河童「じゃあ、また目を瞑っていてください」

幼馴染「はいよ」

河童「じゃ、いきまーす」

公園・池の前

河童「はい、いいですよ」

男「どもッス」

河童「今日は楽しかったです。また来てくださいね」

幼馴染(絶対行きたくない)

幼馴染「いやー、しかし驚いたな。マジで妖怪見ちゃったよ」

男「あっ!写真撮り損ねた……」

幼馴染「まあ、いいじゃん。いつだって撮れんだろ」

男「……それもそうか」

幼馴染「あたしもそろそろ帰るわ。じゃなー」

男「おーう、じゃあなー」

男「………」

男「……あっ!セックスの約束忘れてた!」

翌日・学校

男「幼馴染が休み!?あの生まれてこのかた一度も学校を休んだことのない幼馴染が!?」

男友「な、ビックリだよなー」

男(河童にあたったのか?)

男友「お前何か聞いてないの?」

男「いやなにも……。確かに登校中は会わなかったな」

男(どうしたんだろ……帰りにアイツの家に寄ってみるかな)

放課後・幼馴染の家

男「帰ってきてない?」

幼馴染父「そうなのよ……。男くん何か知らない?」

男「いえ……」

幼馴染父「事件とかに巻き込まれてなければいいんだけど……。んもうっ、どこ行ったのかしら、あの不良娘」

男(まあ、自分の父親がオネエ系だったら家に帰りたくはないわな)

男(しかしどこに行ったんだろう)

男(妖怪にさらわれてたりして)

男(なんてな)

男「………」

一週間後・放課後

男(あれから一週間経った)

男(本人からはもちろん、警察からもなんの連絡なし)

男「一体なんだってんだ……!」

男「……行ってみるか、河童の所に」

公園・池の前

男(確かこの辺に……)

男「あっ!垢舐め!」

垢舐め「ペロペロ……蛇口の水垢おいしいよぅ」

垢舐め「あっ、男さん……」

男「久しぶり垢舐めちゃん。河童さんいる?」

垢舐め「河童さんはコンビニに行ってくるって……」

男「コンビニ……くそっ、どれくらいで戻ってくるんだ……」

垢舐め「……何かあったんですか?」

男「……この前、俺と一緒にいた幼馴染って奴がいなくなったんだ」

垢舐め「え、あの美人なお姉さんですか?」

男「もう一週間も帰ってきてない」

垢舐め「大変……!」

河童「あれー?男さんじゃないですかwwwどうしたんすか?www」

男「ちょうど良いところに!」

河童「え?なんですか?あ、男さん!まんま肉まん食べます?」

男「いただきます!」

垢舐め(食べるんだ……)

数分後

河童「はあ、そんなことが」

男「なんか手がかりとかないですか?」

河童「さっぱりですね」

男「……そうですか」

河童「ただ、そういう神隠し的なことをする妖怪なら知ってますよ」

男「え?」

河童「いろいろいますよ~。天狗に山姥、鬼、狐。隠し神なんてのもいますね」
男「隠し神?」

河童「隠し神は神隠しをする妖怪の総称です。隠しん坊とか隠れ婆とか。油取りなんて奴もいたな~」

男「油取り?なんすかそいつ?」

河童「明治くらいに現れた妖怪です。子供を誘拐して、その子供の体を絞って油を取る妖怪でね~」

男「うわ怖い!」

河童「そういえばこの間見かけたなぁ……」

男「えっ、どこで見たんですか!?」

河童「駅前のゲーセンで」

男「お前らアグレッシブすぎだろ!」

ゲーセン

男(とりあえずゲーセンに来てみたけど……)

男(油取りってどんな格好してんだよ)

垢舐め「安心してください」

男「おわっ!垢舐めちゃん、着いてきたの!?」

垢舐め「河童さんに言われて来ました」

垢舐め「妖怪は妖怪を察知する能力に長けています」

垢舐め「妖怪同士は引かれ合うッ!」

男(こんなキャラだったっけ)

いいやッ!もう寝るねッ

男「で、どうなんだ?油取りの気配は」

垢舐め「油取りかどうかは分かりませんが、確かに妖怪がいるみたいです」

男「本当か!?ど、どいつ……」

垢舐め「あそこで戦国対戦やってるのがそうです」

男「声かけてみるか……」

?「ドゥフフwww謙信ちゃん可愛いでござるwwwフォカヌポゥwww」

男「ちょっとアンタ」

?「な、何でござるか?」

男「もしかして油取りか?」

油取り「ちょwww何でバレたしwwwwwwテラ名探偵wwwバーローwwwwww」

男(どうみてもただのオタクにしか見えない……)

油取り「で、何用でござるか?www」

男「ちょっと人捜しをしててな。俺の友人が行方不明なんだ。アンタ、人を攫う妖怪なんだってな……。最近、人を攫ったりしたか?」

油取り「ちょうど一週間前くらいに1人攫ったでござるよwwwwww」

男「女?」

油取り「女以外に興味はないwww」

男「口悪い?」

油取り「罵られるのがたまらないwwwwww」

男「貧乳?」

油取り「貧乳はwwwステータスwww」

男「俺の探している奴とピッタリ合うんだが……!」

男「そいつは今どこにいるんだ!無事なんだろうな……?」グイッ

油取り「ぐぎぎ!胸ぐら掴まないで!悪霊退散悪霊退散!」シュビッシュビッ

垢舐め「教えないと目玉を重点的に舐めますよ」

油取り「ひぃッ!?僕に阿良々木くんみたいな趣味はないです!!」

油取り「その女の子だったらあそこでブレイブルーやってるでござるよ……」

男「………」

幼馴染「くそッ!テイガー強すぎだろ……」

男「幼馴染っ!」

幼馴染「ん?ああ、男。久しぶり」

男「久しぶりじゃねーよ!一週間も行方不明になりやがって!心配したんだぞ……」

幼馴染「悪い悪い。油取りって変な妖怪に攫われちゃってよー」

男「大丈夫なのか?」

幼馴染「なんか脂とられたわ。ほら、手がカサカサ」

垢舐め「そんなレベルなんですか……」

垢舐め「逃げ出せたりとかしなかったんですか?」

男「お前のだったら簡単に逃げれそうだけどな」

幼馴染「いや、アイツ以外と素速くてよ。しかもなかなか隙を見せないし。暴力ふるわれるわけでもないし、メシも食わせてくれるし、機会をみて抜け出せればいいなー、って思ってた」

男「お気楽すぎんだろ……」

男「ま、いいや。帰ろう」

油取り「別にwwwいいっすよwww他の女の子を攫えばいいだけなんでwww」

男「うぇ……そうか、幼馴染を救出しても他の女の子が被害にあうのか」

幼馴染「……他の女のことなんか考えんなよ」ボソッ

男「あ?なんだって?」

幼馴染「なんでもねー」

垢舐め「どうしても油は必要なんですか?」

油取り「人間の処女の油が拙者の食事www油がないと死んでまうわwwwwww」

男「えっ、じゃあお前処女なの?」

幼馴染「う、うっせー!悪いかよ……///」

垢舐め「かわりに食用油とかじゃダメなんですか?」

油取り「あれは食えたものではないwwwwww」

幼馴染「面倒くせー奴だな……」

男「妖怪の油とかは?」

油取り「その発想はなかったwww」

男「じゃあ垢舐めちゃんの油をとってみろよ」

垢舐め「えっ」

油取り「おkwww」

垢舐め「えっ」

油取り「それそれそれwww」

男「うわ……垢舐めちゃんの手からどんどん油がにじみ出てきてる……」

油取り「あぶらとり紙で油を吸い取って……いただきますwwwwww」

幼馴染「どうだ?」

油取り「これは……うまいっ!」テッテレー

垢舐め「うぅ……手がカサカサだよぅ」

油取り「正直人間のよりもうまいwww」

男「じゃあ、定期的に垢舐めちゃんの油を提供する代わりに人間を攫ったりしないってことでどう?」

油取り「おkwww」

垢舐め「」

男「これで事件は解決だなー」

幼馴染「あー、やっと帰れる…」

垢舐め「」

幼馴染「垢舐めちゃんはまだ放心状態か……」

男「しかしまあ、幼馴染が無事で良かった」

幼馴染「心配したか?」

男「心配したさ」

幼馴染「どれくらい?」

男「もの凄く心配した」

幼馴染「ふーん……へへへっ///」ギュッ

男「なんだよ。引っ付くな、歩きにくいだろ」

幼馴染「いーだろー、別にー!」

垢舐め「リア充爆発しろ」ボソッ

数日後・男の家

妹「ふぁぁ…おはようお兄ちゃん」

男「やっと起きたか……。日曜日だからってだらしないぞ」

妹「お腹すいたー」

男「はいはい。ほらよ」

妹「いただきまーす」

男「姉さんはまだ寝てるのか?」

妹「最近、忙しくしてるみたいだからねー」

男「忙しくって……何してんの?」

妹「さあ?」

男「仕方ない、起こしにいくか」

妹「部屋に入るときはノックを忘れずにね?」

男「分かってるよ」


姉の部屋

男「ノックしてもしもォ~し」コンコン

男「…応答なし」

男「姉さん、入るよ~」ガチャ

姉「………」

男(思いっきり睡眠中だな。……パジャマの胸のあたりからぷくっと突起物が……)

男「エロいな…」ゴクリ

男「姉さん、起きて。朝だよ」

姉「ん……うぅん……」チュパチュパ

男「はぁ……また親指しゃぶりながら寝てるよ……」

男「ほら、いい加減起きろって」

姉「うぅ……ん、ふぁぁ……」

男「おはよう」

姉「ん……男…おはよう。今何時だ…?」

男「もうお昼だよ。姉さん、また親指しゃぶりながら寝てたよ。赤ちゃんじゃないんだから止めなよ、それ」

姉「なッ!?しゃぶってなんかない!!///」

男「しゃぶってたよ……ほら、親指真っ赤になってるし」

姉「な……こ、これは、その…///」

男「姉さん、もう高二だろ?修学旅行の時とかどうすんのさ。絶対友達に笑われるよ」

姉「う、うるさい!着替えるから出ていけ!」

男「なんだよ、もう…」

妹「あ、お兄ちゃん。お姉ちゃん起きた?」

男「ああ、着替えてからくるってさ」

妹「今日もお兄ちゃんのご飯おいしいよ!」

男「そうかそうか、嬉しいなぁ」

妹「でも頻繁にきゅうりとなすが出てくるのは嫌だなー。飽きちゃうよぅ」

妹「ねえ、なんできゅうりとなすばっかり出てくるの?なんでなんで?」

男「世の中には知らない方がいいこともあるんダヨ」

妹「ふーん、難しいね、世の中って」

姉「おはよう、妹」

妹「おはよう、お姉ちゃん」

姉「きゅうりの漬け物になすの味噌汁、鮭の塩焼きか……。またきゅうりとなすだな」

妹「ほら~、お姉ちゃんもうんざりだってよ」

男「なんだよ、文句があるんだったら食うなよな」

姉「お前、最近アナニーしてるだろう」

男「な、なんだよ突然……」

姉「夜中に声が聞こえるんだ。野菜を使ったプレイがお好きなようだが、このきゅうりとなすは安全なんだろうな?」

男「モ、モチロンダヨー!」

姉「痔も野菜アナニーのせいなんだろう?幼馴染に教えてもらって知ってるんだからな」

男「あの貧乳野郎!」

妹「貧乳を馬鹿にするなッ!」

男「すっ、すいましぇん……」

姉「切れ痔なんだろう?本当に取り返しのつかないことになるぞ…」

男「アナル依存症になんだよ……痛いのもまたたまらない!」

姉「病院に連れて行こう」

妹「脳外科だね」

姉「で、結局この野菜は肛門に入れたのか?」

男「入れるわけないだろー。アナニーに仕様した野菜はすべてスタッフが美味しくいただきました」

姉「つまり自分で食べたと」

男「俺ちょっとスカトロの気もあるみたいなんだわ」

姉「やっぱり病院に連れて行こう」

妹「精神科だね」

男「人の性癖を否定するのはイクない!」

男「ま、この野菜は安全な野菜だから食べなさいよ」

姉「……いただきます」

妹「お兄ちゃんは野菜じゃないとイケないの?」

男「いや~、野菜以外試したことないんだよ。でっかいバイブ買ってみようかな~」

姉「そういう話はよそでやってくれないか」

姉「ムグムグ……ふぅ。ごちそうさま、美味かったぞ」

男「お粗末様」

姉「さて、今日はちょっと用事があってな。もう出かけなければ」

妹「最近忙しいみたいだけどどうしたの?」

姉「ちょっとな……野暮用だ。気にするな」

男「デート?」

姉「デートをする相手なんかいないさ」

妹「お姉ちゃん、美人だから彼氏とかすぐ出来そうなのにね」

姉「興味がないな」

男「もしかして百合なの?」

姉「………」ゲシッ

男「痛い!無言でローキックしないで!」

姉「じゃあ、行ってくる。戸締まりをしっかりとな。妹は宿題を終わらせておくように」

妹「はーい」

男「気をつけて~」

姉「じゃあな」ガチャ

妹「…さて、宿題やろうかな」

男「俺はボラギノール買ってくるわ」

妹「自分で塗ってね?」

男「はいはい」

商店街・薬局前

男「ボラギノール売り切れてた……」

男「とりあえず消毒すればいいかなと思って消毒液を買ってみたけど……」

男「染みそうだな……」ゴクリ

幼馴染「あれっ、男?」

男「ん、幼馴染。奇遇だな」

幼馴染「薬局なんかになんの用だよ」

男「痔の薬を買いにきたんだがな、売り切れてたわ。お前は?生理用品買いにきたの?」

幼馴染「ッ!?///」ドスッ

男「ぎゃあ痛い!鳩尾はガチでヤバい!」

幼馴染「女子にデリカシーないこと聞くんじゃねー!!!///」

男「うぅ……いいパンチ持ってんな」

幼馴染「ふんっ。……ちょっと待ってろ、すぐ買ってくるから」

男「あいあい」


数分後

幼馴染「ただいま」

男「お帰り」

幼馴染「なあ、今からお前ん家行ってもいい?久しぶりに妹ちゃんに会いたくってよォー」

男「別にいいけど……」

幼馴染「うっしゃ!」

男「久しぶりにって言っても、お前しょっちゅう俺ん家来てるじゃん」

幼馴染「油取りに誘拐されてたから一週間以上行ってないぜ。行きたくてウズウズしてたんだ」

男「お前どんだけ俺ん家が好きなんだよ……」

幼馴染「お前じゃなくてお前ん家が好きなのがミソな。めっちゃ落ち着く。妹ちゃんは可愛いし、姉さんは美人だし」

男「お前もしかして百合なの?」

幼馴染「………」ゲシッ

男「痛い!あれこれデジャヴ!」

男の家

男「ただいまー」

幼馴染「お邪魔しまーす」

妹「お兄ちゃんお帰りー。あ、幼馴染さんいらっしゃーい」

幼馴染「おおおおお、妹ちゃん!会いたかった。頭撫で撫でさせろー!」ナデナデ

妹「きゃーん」

男「あの…」

幼馴染「もう可愛い可愛い可愛いっ!ほっぺぷにぷに!」プニプニ

妹「ひ、ひはいれふよ~」

男「おーい…」

幼馴染「さ、さ、この前のゲームの続きやろうぜ!今日こそは負けねえからな」

妹「うふふ、私だって負けませんよ~!」

男「べ、別に置いてけぼりだからって寂しくなんかないんだからねっ!」

妹「じゃあ早速スマブラやりましょうか」

幼馴染「あたしピカチュウな!」

男「可愛いのつかうのな

妹「私はガノンドロフね」

男「お前は渋すぎだろ……」

幼馴染「じゃあスタート」

男「お、俺も入れてくれよっ」

妹「ごめんね。このゲーム、二人用なんだ」

男「嘘つけ!四人までできるよ!お前はスネ夫かよ!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom