男「まぁ、そうだよね」

男「アニメが好きで」

男「顔もブサイク」

男「お前の同級生が良く俺の悪口をお前に吹き込んでたよな」

男「お前にとって俺は迷惑な存在」

男「いらなくて当然だ」

妹「だから違うってば！」

男「ん？なんだ？」

男「俺にいて欲しいってのか？」

妹「それはっ...ちがっ...」

男「やっぱりいらないよな」

妹「いて欲しいってば！」

男「え？」

妹「あっ、違くて...その///」

男（可愛いな、もっといじってやろう）

男「そっか、俺にいて欲しいんだぁ」

妹「だから違うってば！！」

妹「そんなんじゃない！」

男「じゃあどんなんだよ」

妹「知らない！」

男「はぁ...妹に嫌われた...いや、嫌われていたの間違いか...」

妹「別に嫌いじゃないってば」

男「え？」

妹「あっ、違う...」

男「俺のこと好きでいてくれたのか」

妹「好きじゃない！」

男「そういえば昔『お兄ちゃんと結婚するー！！』って公言してたもんなぁ」

妹「うるさいうるさい！」

妹「バカ！！」

ﾊﾞﾀﾝ!!

男「...」

男「あーあ、部屋に逃げちゃった」

男「──さて、俺も自分の部屋に戻って」

男「壁に耳をあてるか」

男「隣の部屋が妹の部屋だからな」

男「ばっちり聞こえる」

ｶﾞﾁｬﾝ

男「さて、どうかなあ」

妹「もうバカバカバカ！！」

妹「お兄ちゃんのバカ！！」

男「俺と面と向かって話すときは『アンタ』って言ってくるのに」

男「独り言の時は『お兄ちゃん』って呼んでくれる」

男「可愛いな」

妹「もうっ！///」

妹「...昔のこと、覚えててくれたんだ...」

男「...」

男「覚えてるとも」

男「妹との大事な思い出、忘れねぇよ」

男「いつ事故とかで死ぬかわからねぇんだ」

男「今会えてても、一秒後に死んでもう永遠に会えないかも知れないんだ」

男「大切な人と過ごした時間は」

男「絶対に忘れたりなんかしねぇよ」

妹「...はぁ」

妹「なんでお兄ちゃんは自信無いんだろうな...」

妹「アニメ視聴だって悪い趣味でもないし」

妹「顔だって結構いい...」

妹「...」

妹「何言ってるの...私///」

男「妹からの評価、結構高いんだな」

男「うれしいな」

男「うれしいな」

男「うれしいうれしい」


男「へへ」


男「次は名に話してくれるかな」

妹「...はぁ、昔のお兄ちゃんみたいに自信満々だったら」

妹「私の周りの友達とかも」

妹「あんまり悪く言わないと思うんだけど...」

男「悪く言われても別に構わない」

男「お前の友達になに言われようが傷付かねぇよ」

男「でもな」

男「妹」


男「お前は悪口言うなよ」


男「普段からの罵倒」

男「結構ムカつくんだよね」

男「次言ったらさ...」

男「殴っても良いよね？」

男「...」

男「いつもはあんなに上から目線で偉そうなのに」

男「殴ったらきっと」

男「怯えた目でこっちを見て来るのだろう」

男「...なにそれ」

男「妹の怯えた目」

男「最高じゃん」

男「見てぇ」

男「見てぇよ」

ﾊｧﾊｧ

男「今すぐ見たい...」

ｶﾞﾁｬﾝ

───
──
─

妹「...さて、今日はもう寝るかな」

妹（歯を磨きに行かなきゃ...）

妹（その前に着替え...）

ﾊﾞﾝ!!

妹「ぇっ」

男「妹」

妹「って、なに勝手に入ってきてん──」

ｶﾞｽｯ!

妹「うっ───ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

妹「え、なに...なに...？」

男「...で...そ...だ？」

妹「え...え？」

男「なんでそんなに偉そうなんだ！？」

ｶﾞｯ!!

妹「きゃっ──やめて！髪の毛引っ張らないで！」

男「おらっ！答えろよ！」

ﾌﾞﾁﾌﾞﾁﾌﾞﾁ

妹「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

ﾌﾞﾁﾌﾞﾁﾌﾞﾁ

男「なんでそんなに偉そうなんだ！？あ！？」

妹「やめてよぉ！！痛い痛いっ」

男「っ」

ﾌﾞﾁｯ!!

妹「あうっ...う...ｸﾞｽｯ」

妹「なんで...なんで、こんなこと」

男「知るか」

ｶﾞｯ!!ｺﾞｯ!!

妹「かはっ...ぐっ...ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

妹「はぁはぁ...」ｶﾞｸｶﾞｸ

男「震えてるよ」

妹「...さい」

男「あ？」

妹「ごめんなさい...ごめんなさい...ｸﾞｽｯ」

男「聞こえねぇよ」

ｶﾞｯ!!

妹「やっ───髪の毛はっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

ﾌﾞﾁﾌﾞﾁﾌﾞﾁ

妹「痛い痛い痛い痛い」

妹「やぁっ、やだぁ！」

ﾌﾞﾁｯ!!

男「...はあ」

男「俺は眠いから」

男「今日はここまでにしておいてやるよ」

妹「」ｶﾞｸｶﾞｸ

男「おやすみ」

END