悪魔「納得がいかん」(38)

男「……」ジーッ

悪魔「なんだ」

男「いえ、綺麗だなって」

悪魔「ふふん、私が化けたのだ、当たり前であろう」

男「正直驚くくらい美人です」

悪魔「ふふん」

男「ここまで美人を見たのは初めてですね」

悪魔「う、うむ」

男「まるで現世に舞い降りた」

悪魔「あー!もういい!わかった!」

寝落ちたやつリベンジ

テレビ「ワガナハルシファー…ルシファーよ去れ!」

男「ルシファーwwwwww」

悪魔「なんだこれは…」

男「えっあれっえっ」

悪魔「人間、ルシファーはあんな姑息な真似はせんぞ」

男「は、はぁ…」

悪魔「大体人間風情が私を追い出せるわけないだろうカスが」

男「…」

悪魔「なんだ人間、私直々に来てやったのにその態度は、茶くらい出さんか」

男「え、あの…お茶はないけどカルピスなら…」

悪魔「なんだこの精液みたいなのは…」グビッ

悪魔「えなにこれおいしい」

男「アンタなんなんだよ一体…」

悪魔「なんだ貴様私のことも知らないのか…クズめ」

男「初めて会った何かにクズ呼ばわりされた」

悪魔「我が名はルシファー!貴様ら七つの大罪と崇める傲慢の悪魔だ!」

男「そりゃすごい」

悪魔「なんだその目は」

男「いや別に」

悪魔「信じてないな貴様ルシファーだぞ強いんだぞ凄いんだぞ」

男「まぁ2メートル近くあって下半身が獣で角と羽が生えてる時点でそれはわかります」

悪魔「フンッ」

男「ルシファーかどうかは別として」

悪魔「ほら私肌青いだろ強そうだろ凄そうだろ」

男「肌は青いですがそれ以外は特に」

悪魔「ぐぬぬ」

男「ほら拗ねてないで機嫌直してくださいよ」

悪魔「…」ツーン

男「カルピスあげますから」

悪魔「しょ、しょうがないな…私は寛大だからな」

男(とんだチョロ助さんや)

悪魔「カルピス!カルピス!」

男「はいはい」

悪魔「…」グビッ

悪魔「おいしいなカルピス」

男「そうですね」

男「でもなんかルシファーって男のイメージあったんですけど」

悪魔「こんな感じか」ボフン

男「うわぁ」

悪魔「そういう反応が傷付くからやめた」ボフン

男(繊細や…)

悪魔「それにルシファーになってまだ300年くらいだし」

男「え?なる…?」

悪魔「ルシファーは役職名みたいなものだ、今期は全員基本女型だしな」

男「知りたくなかった悪魔の社会情勢」

テレビ「ルシファーは去りました…手強かったよマジパネェ」

悪魔「だから憑かれたフリと追い払ったフリするのやめろ!」

男「わかってましたけどフリなんですね」

悪魔「当たり前だろう、悪魔憑きはバレることはない、ジワジワと内側から侵食して自殺に追い込むさ」

男「とんでもないことさらっといいますね」

悪魔「悪魔だからな」

男「そうでしたね」

悪魔「よし、人間この街を案内しろ」

男「いやもう夜ですし」

悪魔「このルシファーが直々に頭を下げているのだぞ」

男(ふんぞりかえっとるやないけ)

悪魔「さぁ行くぞ」

男「…いやー流石ルシファー様だ、こんな矮小な人間を気遣って明日でいいと行ってくれるなんて」

悪魔「え?」

男「さすが!悪魔の中の悪魔!」

悪魔「フンッさっさと明日に備えて寝るぞ人間」

男(この子チョロい…)

男「おはようございます」

悪魔「あと24時間…あと24時間だけでいいから惰眠を貪らせて…」

男「おのれはベルフェゴールか!!」

悪魔「いいえルシファーです」

男「おはようございます」

悪魔「ハッ…」

男(こいつ絶対下級悪魔とかそんなんだろ)

男「朝ごはんできてますよ」

悪魔「ふん…私は食にはうるさいぞ…魔界ではエリートで」

男「うるさいです静かに食べてください」

悪魔「……」

悪魔「おい、ナイフとフォークはどこだ」

男「箸が置いてあるでしょう」

悪魔「ハシ…?この棒切れ二本でどうやって」

男「こうやって」ニギニギ

悪魔「……」グーパー

男「あー鳥の腕なんですね…ナイフとフォーク用意します」

悪魔「むぅ…」グーパー

悪魔「人間これおいしいなにこれ」

男「何って焼き鮭と味噌汁白ご飯に漬け物ですよ」

悪魔「お前まさか金持ちか」

男「貧乏学生です」

悪魔「だろうな、不幸の臭いに釣られたわけだし」

男「ぶち殺すぞ」

悪魔「えっ」

男「いえなにも」

男「大体その魔界とやらで何を食べてたんです」

悪魔「羊、山羊、牛、ダゴン、蛇、こないだレヴィアタンかじったら本気でぶたれた」

男「なんかとんでもないもん混じってるぞ、どんな調理されるんだよそれ…」

悪魔「…?」

男「生肉?」

悪魔「生肉」

男「この食卓にならんでるのは元からこの姿じゃないですよ」

悪魔「!?」

男(アホの子や)

男「街にでも行きますか」

悪魔「よかろう」スッ

男「いやその姿はマズイです」

悪魔「なぜだ、この姿は我が力の象徴、下等な生物の姿を真似するなど」

男「すぐに人間界に適応できる悪魔かっこいいなー憧れちゃうなー」

悪魔「もっと褒めろ」ボフン

男「……」ジーッ

悪魔「なんだ」

男「いえ、綺麗だなって」

悪魔「ふふん、私が化けたのだ、当たり前であろう」

男「正直驚くくらい美人です」

悪魔「ふふん」

男「ここまで美人を見たのは初めてですね」

悪魔「う、うむ」

男「まるで現世に舞い降りた」

悪魔「あー!もういい!わかった!」

ここから新しく

男「鉄の馬とか言わないんですね」

悪魔「馬鹿にしてるのか…人間との関わりを切った日本の引きこもり妖怪とは違うのだよ」

男「妖怪っていたんだ」

悪魔「姿を隠すから人間がそうやって忘れていく、そして力が弱まっていく悪循環さ」

男「おぉ、それっぽいことを」

悪魔「ふふ……ん?」

悪魔「おい!あの鉄の鳥なんだ!すごいでかいぞ!」

男「飛行機です」

悪魔「ヒコーキかー鳥すげー」

男(段々かわいく見えてきた…)

悪魔「なんだこれ…」

男「?」

悪魔「いくらなんでも人間多すぎるだろ…祭事でもあるのか」

男「いえ、通常運転です」

悪魔「悪魔足りんだろうこれ」

男「みんな悪魔呼び出したりするわけじゃなし」

悪魔「1日1000柱は呼び出されてるぞ」

男「えっ」

悪魔「低級ばかりだがな」

男「えっ」

男「俺は悪魔を呼び出した覚えはないのですが」

悪魔「こじつけこじつけ」

悪魔「財布の中の小銭の位置やら家具の位置を無理矢理儀式に見立てて召喚環境を整えた」

男「」

悪魔「あとはお前が私の名前を呼べば儀式完了」


男『ルシファーwwwwwwwww』


男「あれか…」

チャラ男「ねーちゃん美人ジャーン?俺らと遊ばない?」

チャラ男2「一緒に気持ちいことしようヨーw」

チャラ男「こんな野暮ったいやつなんかほっといてサァw」

男「オイお前ら」

悪魔「そうですね、それじゃああの路地裏でなんて…どうですか?」

チャラ男「wwwwww」

チャラ男2「そういうわけだからwwwwwwお前は帰ってママのおっぱいでも吸ってろwww」

チャラ男「行こうかwwwwww」

悪魔「えぇ、そうですね」



男「…なんなんだよ……」

男「はぁ…なんだったんだアイツは」

男「急に出てきて急にどっかいって」

男「まぁいいや…犬にでも噛まれたと思って忘れるか…」

?「フンフン…君からは僕と同族の臭いがするナ」

男「…?」

?「まぁそんナことハいいんダ、お兄さん僕ときもちいいことでもシない?」

男「いやそういうの間に合ってるんで」

?「大丈夫大丈夫、僕もきみも気持ちよくナれるだけだカラ」ジッ

男「いえ、間に合ってます」

?「エ?アレ?なんデチャームガ……」

男「それじゃあ帰りますんで」

?「チョ…まっテー!」

男「なんで家までついてきてるんですか」

?「袖ふれ合うモ多少ノ縁といいマスシ♪」

男「強引に触れた人に言われたくはないです」

?「ツれまセンね」ジッ

男「んがっ」ピシッ

?「アラ、チャームは効かなくてモこっちは効くんでスね♪」

男「か、からだが……あなたまさか…」

?「お察シの通り♪人間が言うところノ七つノ大罪『色欲』アスモデウスでス♪」

男「やっぱりですか…」

アス「まぁチャームガ効かなイあなたに少シ興味がでまして」

アス「セックスしてくだサい♪」

男「断る」

アス「無理なら無理矢理、ト」

男「やめてください」

アス「やめまセン」

アス「それじゃア…ごかいちょ…」

ガチャン

悪魔「牝犬の臭いがする!」

男「悪魔さん!?」

アス「チッ」

悪魔「何しに来た貧乳」

アス「ナニっテ、貴方が捨てタ男を貰っタだけでスよ」

悪魔「捨ててなどいない」

アス「他の男ノヲくわエに行ったのデしょう?」

悪魔「フンッ」ポチッ

テレビ「夕方ごろ、男性二名の死体が発見されました。互いの手に持った包丁で殺しあったものと」

男「あれ…この二人…」

悪魔「…悪魔の仕事をしてきただけだ」

男「え」

悪魔「契約者を貶されて黙っているほど私は優しくはない」

アス「えーなにソれアっま…うえぇ…人間にほレルとか…いいワかえる帰りマすよ」

男「ほ、ほれ…?」

悪魔「ちっげーし惚れてねーし!」

アス「はいはい、マタね」

ガチャン

男「なんだったんだ…」

悪魔「……」

男「……」

悪魔「…おい」

男「…なんでしょうか」

悪魔「なんで勝手にどっかいった」

男「貴女があの二人についていっただけでしょう」

悪魔「まっててくれてもいいだろう」

男「あれで待つ人はいません」

悪魔「ほんとにあの二人の言うこと聞いたと思ったのか」

男「…まあ」

悪魔「…………」

悪魔「もういい」

悪魔「かえる」

男「…そうですか」

悪魔「さっさと契約を解除しろグズ」

男「あなたが勝手に来たんでしょう、勝手にお帰りください」

悪魔「…ああそうさせてもらうよ」

悪魔「……あれ」ゴソゴソ

男「なんなんですか」

悪魔「儀式に使った硬貨がない」

男「は?」

悪魔「同じ硬貨でないと解除できないんだよ!」

男「いやいやいやいや普通に使ったわこのお馬鹿!」

悪魔「おいおいこいつが死ぬまで一生一緒かよ」

男「こちらから願い下げだ!」

悪魔「えっ」

悪魔「やっぱり嫌われてたのか迷惑だったのか…」

男「あ、いや」

悪魔「そりゃあそうだよな人間からしてみれば七つの大罪、しかも傲慢なんで畏怖の対象でしかなあもんな」

男「……」

悪魔「貴様はここでまっていろ、なんとしてでも解除する方法を…」

ガシッ

男「待て」

悪魔「なんだ私はルシファーだぞ、任せておけばいいのだ」

男「こっちを向け馬鹿悪魔」

悪魔「誰がばんむっ」

男「……言葉のあやだ」

悪魔「え、あ、おま…キ、キス…」

男「まぁ…お前と一生一緒ってのも悪くはない…と思います」

悪魔「ふ…ふふ……」

悪魔「フゥーハハハ!まったく貴様と言うやつは我がいないと駄目なのだな!仕方のないやつめ」

男「そうですね、あなたがそばにいないと駄目です」

悪魔「ふぇあ!?ふ、ふんそうだろうそうだろう…」ニヘラ

男「顔にしまりがないですよ」

悪魔「う、うるせー!余裕ぶりやがって!」

男「ははは」

悪魔「ぐぬぬ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom