【モバマス】白菊ほたる「シンデレラパーティー」多田李衣菜「チャンネル会員募集中」 (22)

李衣菜「メインキャラとかズルい!! 未央ちゃんズルい! 私、ただの番宣だよ!? 全然ロックじゃない!」

未央「いやいや、むしろこれはチャンスだよリーナ」

李衣菜「チャンス?」

未央「CMでものすごい存在感を発揮し、本編で出番を望まれる……これって、すっごくロックスターっぽくない?」※偏見です

李衣菜「確かに! わかった、私がんばるよ!!」

未央(……将来、悪い男に引っ掛かりそうで心配……)

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裕美「ほたるちゃん、今度のゲームのCMに出るんだって?」

ほたる「あ、はい。PR担当の方直々のオファーだそうです………すごく、嬉しいです………!」

裕美「ふふっ、おめでとうほたるちゃん。どういう役なの?」

ほたる「色んなアイドルから斬られてボロボロになる役ですね」

裕美「………う、うん?」

ほたる「役が貰えるのって、やっぱり凄く嬉しいです……!」ニコニコ

裕美(………強がってるのか、本心なのか……)

裕美「そ、そっか。頑張ってね……?」

ほたる「はい!」

数日後

紗南「くぅーっ……作業疲れたー、レベル上げ一旦休憩ー! TVでも見よっと」チャンネルポチポチ

凛『蒼の剣を受けよ……!』ジャキッ

紗南「………ん? これ凛さん? なんのCMだろ」

凛『アイオライト・ブルーッ!』ギュワァァァアアアア

紗南「わお、凄いエフェクト」

ほたる『きゃあああぁぁぁっ!』ザシュザシュザシュドッパァ

紗南「血の量多すぎない?」

こずえ『ふわぁー……今日は、年に一度の………なんて読むのー? ……たわむれー……戯れの日ー……』

紗南「モノローグ入った。……リテイクしようよ」

美羽『巴ちゃん!』

巴『往生せいやぁ!』バキュンバキュン

ほたる『うぐっ、がふっ!』ズドンズドン

紗南「ほたるちゃん、大変な役だなぁ。てか流血やっぱり大袈裟だって」

こずえ『そこでひとつー……お……御伽話をいたしましょう……』

紗南「ちゃんと読めたね、偉い偉い」

愛海『今こそ………あたしの命を燃やすとき………! 師匠、あたしは死に場所を見つけましたッ!』ドドドドドドドドド

ほたる『ひっ…………!?』

こずえ『これは、いつも見るあのアイドルたちのー………けんらん……ごーか?な、舞踏会ー……ふわぁ』

紗南「これだと武闘会だね」

李衣菜『ほたるっ! だ、大丈夫!?』タタタタッ

ほたる『へ、平気です………李衣菜さん、退がってください……私、このくらいではへこたれませんから!』ググググ

李衣菜『無茶しないで……まだまだ舞踏会は続くんだから………!』

紗南「テーマ曲流れてきた。………Naked Romance………? 刃傷沙汰にはちょっと不似合いな気もするけど……」

こずえ『これより開演―……』

美穂『アイドルは、そんなものじゃない!』

紗南「ホントだよね』

紗南「……ふーん、美穂さんが主人公なんだ? 友紀さんに、乃々ちゃんに……ぷっ、友紀さん、学生服が全然違和感ない……!」

卯月『夢も、魔法も、ありますよ!』

未央『こんのぉーっ!』ズキュンズキュン

亜季『銃身が焼け付くまで撃ち続けるでありますーッ!』ズガガガガガガガ

雪美『ビッグペロ………ファイナルステージ………』ガゴーンギャバアアアアアアア


夏樹『ロックンロールにッ! ぶちかますぜェーッ!』ボカーンドゴーン

紗南「夢と魔法より銃火器と硝煙の成分のが濃いね」

ほたる『うっ………』ドサッ

李衣菜『そんな……ここで……こんなとこでっ!』

こずえ『シンデレラパーティー………ドリーム・ステアウェイ……ふわぁー』

紗南「4月1日発売かあ」

ほたる『あ、あははは……ごめんなさい、李衣菜さん……私……ちゃんと予習したのに………』

李衣菜『CINDERELLA PARTY……毎週水曜日、22:00-22:30……! 確かに、あれを見たから、私たちはここまで戦えた………!』

紗南「なんか茶番始まった」

ほたる『チャンネル会員にもなって……プログラムにメールも送って………』

紗南「ほたるちゃんの剣にメルアドが書いてる……いやカメラ引くの早いって、読めないって」

李衣菜『デレジには負けないって……そう思って! だけどっ! ほたるは………!』

紗南「相変わらずの対抗意識だなあ」

ほたる『………もう一度、公録に行くまで………私は、倒れたり……ガバッ!』

紗南「だから吐血の量多いって」

ほたる『………あなたたちの弱点は………わかっていますっ! CINDERELLA PARTYを聞いた私たちにはッ!』ジャキッ

紗南「あれそんな好戦的なラジオだったっけ」

ヘレン『………フッ。その闘志に敬意を表して、世界レベルの一撃で仕留めてあげる』

鈴帆『太陽神ビーム充填……』ギュイイイイイイ

紗南「その二人オチに使っとけば許されると思ってるのかなぁ。確かに凄い絶望感あるけど」

ほたる『……二次会もブロマガも……この瞬間のためにッ! ハァァァアアアーッ!』

紗南「あ、暗転した」

こずえ『ふわぁー……シンデレラパーティー~ドリーム・ステアウェイ~………発売記念ラジオ、ご覧の時間に放送中ー………』

ほたる『……幸せでした……李衣菜さん』シュウウウ

李衣菜『ほたるぅぅううっ!』

紗南「結局負けてるじゃん」

発売から一週間後

紗南「控えめに言って感動した!」

紗南「面白かったー、定価分の価値はあった」

紗南「何だ、普通に普通の大作じゃん。あんなウケに走ったCMじゃあなくって、中身で勝負しなよ、まったく」グチグチ

紗南「さ、せっかく事務所まで持ってきたんだし、仕事までにシナリオコンプするぞー」

ガチャ

ほたる「……凄かったですね……私、まだちょっと泣きそうです。この作品に関われてよかった……うぅっ」グスグス

李衣菜「ホントホント。美穂ちゃん、すっごいロックだった! ちひろさんが出てたのはびっくりしたけどねー。いやあよかったよかった」

紗南「あ、こんにちは李衣菜さん、ほたるちゃん」

ほたる「あ、紗南さん」

李衣菜「紗南ちゃんおはよう! ゲームしてたの?」

紗南「うん。二人がCM出てた奴」

李衣菜「おぉっ、ホントに!? へへー、嬉しいもんだね。私の溢れるロック魂が、紗南ちゃんの購買意欲に火をつけた、ってとこかな」

李衣菜「CMの影響で、私と未央ちゃんのラジオのこうさ……げふんげふん、チャンネル会員もわりと増えた。思ったより増えた。いやあ、あのゲーム素晴らしいね、ロックだね」

ほたる「お買い上げありがとうございました……よかった、私のせいで売り上げが酷いことにはなってなさそうで……」

紗南(CMの脚本はアレだったけどね……)

李衣菜「紗南ちゃんはどこまでクリアしたの? 私、やっと昨日なんとかキャラ図鑑コンプ出来たんだー」

紗南「えっ? あたし、No.39のキャラクターまだ見つけてないのに! 凄い!」

ほたる「……昆布……?」

紗南「あれ、ほたるちゃんはクリアしてないの?」

ほたる「その……私はゲームはあまり得意ではなくて……李衣菜さんがプレーしているのを、横から見させて貰って………」

紗南「なるほど……」

李衣菜「ADVは確率とか関係ないから、ほたるちゃんがやっても酷い結果にはならないと思うんだけどなー」

ほたる「すみません、ゲーム機を壊してはいけないので……」

李衣菜「こう言ってやってくれないんだよねー……ああいや、ほたるちゃんが悪いわけじゃあないんだけどさ」

李衣菜「自分が出たドラマや映画は研究のために見返すんだから、ゲームだってその延長でやればいいのに。ね、紗南ちゃん?」

紗南「そうは言われてもなー」

ほたる「あの……私は、李衣菜さんと同じ感動を共有出来ただけで、もう十分に幸せなんです」

紗南「……だってさ」

李衣菜「んー……」

ほたる「それに、私たちはCMに出ただけで、ゲームには出てませんし……」

李衣菜「それもそうだった」

紗南「……ね、ほたるちゃん。あたしお花摘みに行ってくるから、ちょっとセーブポイントまで進めてて」

ほたる「へっ? あっ、あの………紗南ちゃん……?」

紗南「よろしくねー。李衣菜さん、進め方教えてあげて」

李衣菜「あ、うん……」

バタン

ほたる「…………その………どのボタンを押せばいいんでしょうか?」

李衣菜「あ、Aって書いてるボタンだよ。未読だからスルー出来ないし、じっくり読み進めるしかないかー」

ほたる「……」ポチポチ

李衣菜「あはは、そんなにガチガチに緊張しなくったって、ゲーム機は爆発したりしないよ」そっ

ほたる(!? か、肩に、李衣菜さんの顎が……頭を乗っけて、ゲームの画面を覗き込んでる………うわぁ、顔が近い……。……改めて間近で見ると、“可愛い”って皆に言われてるのがわかるかも……)ボーッ

李衣菜「むむぅ、8日目かぁ。ここの分岐難しいんだよねー」

李衣菜「………ほたるちゃん、どうしたの? ぼーっとして」キョトン

ほたる「…………あっ、は、はい。Aのボタンで進むんですね、頑張ります」ポチポチ

紗南「…………風の噂で聞いたんだけど、CMの撮影中………」

紗南「ほたるちゃんに突然照明が落ちてきたんだって」

紗南「ほたるちゃん含めた周りがみんな気づいてなくって、あわや大惨事ってとこだったんだって」

紗南「その危機を颯爽と救ったのが、唯一照明に気がついてた李衣菜さん」

紗南「ほたるちゃんをタックルかます勢いで押し倒して、照明の落下地点から助け出したんだ」

紗南「幸い、李衣菜さんは膝を擦りむいた程度、ほたるさんはちょっと背中をぶつけたくらいですんだ……」

紗南「後に李衣菜さんは“あそこで動かないとかロックじゃあない”と力説したそうな」

紗南「………………まあほたるちゃんの不幸伝説はあたしも知ってるし、どうせ尾ひれがついてんだろーなー、って本気にしてなかったけど」

グシャ

紗南「あの目! あの雰囲気!! あの言葉!!! 明らかに堕ちてるッ! 噂は真実だったッ!」ポイッ

紗南「だからどーだこーだ言うつもりはないんだけどね」

こずえ「…………牛乳、美味しいー」チュウチュウ

紗南「ありがとうこずえちゃん、あたしの戯れ言に付き合ってもらって。……さて、ふたりの仲はどのくらい進展してるかなー」トテトテ

こずえ「………」チュウチュウ

こずえ「………ふわぁー………」

こずえ「みんな………難しく考え過ぎ……?」

こずえ「………」チュウチュウ

後日

紗南「あっ、このカフェ……あのゲームと同じ」

藍子「ゲーム会社とタイアップしてるらしいですよ」にゅっ

紗南「わっ。あ、藍子さん。こんにちは」

藍子「はい、こんにちは♪ このカフェ、期間限定でゲームに出てきた軽食や、キャラクター……アイドルのみんなをイメージした飲み物等を提供してるんです。ちょっと私と一緒に寄っていきませんか?」

紗南「ちひろさんみたいな流れるような宣伝はともかく、気になるのは事実。うん、あたしもちょっと喉かわいたから、寄る」

店内

凛「李衣菜、はいあーん」

夏樹「ハハハ、なかなかいい絵だぜ、二人とも」

みく「そんなことしてるから“ラブライカ2期”とか呼ばれんだにゃ」

未央「えっ、それどこで言われてるの? どこどこ?」

ほたる「………」オロオロ

李衣菜「まさかみんなオフが被るとはねー。びっくりだね」




紗南「…………ハーレム築いてやがる」

おしまい

おつ

心に瑠璃子

乙!

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