【安価】魔王「第六天魔王ってかっこいいなぁ」【オリジナル】 (96)


・オリジナル

・魔王様にカッコいい通り名をつけてあげる話

・細かいことは気にしない

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魔王「私にもなんかいい呼び名ない?」

側近(また面倒な話を……)

魔王「いやぁ信長って向こうの世界の人間だよね? 自ら魔王って名乗っちゃうあたりマジかっけぇよねぇ」

側近「魔王様は名乗らずともすでに真の魔王たる御方ではありませんか」

魔王「いや、それは何十代も前の先祖が魔王を名乗って魔界を制圧しちゃったからでしょ?
   だからなんかもう『魔王』って一つの種族みたいな意味合いになっちゃってるていうか」

側近「まぁそれは確かに」

魔王「私も第六天とか欲しいわけよ。そうでなくてもチョーカッコいい通り名みたいなの」

側近「はぁ」

魔王「考えて」


側近「え?」

魔王「だから考えて。私の超絶カッコいい通り名」

側近「いや、そんないきなり」

魔王「気に入らなかったら魔法でちょっとずついたぶっていくから」

側近「え!? いやそれはあまりに……」

魔王「じゅーう、きゅーう、はーち、なーな……」

側近「10秒ですか!? 私に残された時間10秒!?」

魔王「65432」

側近「はやいはやいはやい!」

側近(くっ……冗談じゃない! なんでもいいから言わないと……!)

魔王「1」

側近(とにかく思いついた言葉を……!)

魔王「ぜ……」

側近「【↓1】!!! ……なんてどうでしょうか?」


魔王「側近……もう一度申してみよ」

側近「えー……Marshall Bruce Mathers IIIです」

魔王「…………」

側近(あぁ……! 年に数回も見せないようなマジ顔になっちゃってる!)

側近(そりゃそうですよねー。だって急に思いつきませんし! 通り名どころかもろ本名ですし!)

側近(こっちの世界に来るまでよく聞いてたんです。つい口から出ちゃったんですごめんなさい!)

魔王「側近……」

側近「は、はい……」

魔王「滅茶苦茶カッコいいじゃん!」

側近「え?」

魔王「なんかどこかで聞いた気がしなくもないけどスゲーいいよ! うん!」


側近(やったぁぁぁぁ!)

側近(まえに魔王様にはあっちの音楽について話したことがあるけど忘れてらっしゃる!
   アニソンの方に喰いついてたもんなぁ……)

側近(ともかくこれで押し通せる)

側近「では新しくMarshall Bruce Mathers IIIという通り名にすることを魔界中に発表しましょう」

魔王「いや、それは待て」

側近「なぜですか?」

魔王「こういうのは手柄を立てるとともに行うべきだ。
   比叡山を焼いた信長様のようにな」

側近(リスペクトしすぎだろ……)

魔王「というわけでちょっと勇者倒しに行ってくるー!」

側近「え? 魔王様? どこにいくんです? ってうわぁ! 動き速っ!?」

魔王「留守番任せたー!」

側近「魔王様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


………………


魔王「ククク……よくぞここまで来たな。勇者よ」

勇者「魔王! え!? ホントに魔王!?」

魔王「我が力の前に屈するがよい……このMarshall Bruce Mathers IIIの前にな」

勇者「マザー? お前女なのか?」

魔王「えっ……いや……」

勇者「お母さん好きなのか?」

魔王「ち、違うし! いや……まぁ……ちょっとは感謝してなくもないかな……」

勇者「なんだよ面倒くせぇな! 日本語で話せ!」

魔王「…………」


………………


魔王「やめだ、やめだぁ! ごの名ヴァえはなじぃ!」

側近「メンタルよわっ! 泣きながら言わないで下さいよ」

魔王「ぐすん……次は日本語の通り名にするぅ……」

側近「はぁ……まぁいいですけど」

魔王「日本の通り名ってどんなのがあるんだ?」

側近「一概には言えないですけど『○○の○○』みたいな通り名は多いですね」

魔王「よし! じゃあそこら辺適当に任せた!」

側近(切り替えも早いんだ……)

側近「……【↓1】とか?」


魔王「どんな漢字?」

側近「こんな感じです」 サラサラ…【幽冥の鯨鯢】

魔王「おぉ! かっこいいな!」

側近「それはもう! 魔王様にピッタリかと」

魔王「で? これはどういう意味なんだ?」

側近(しまったぁぁぁ適当に言ったからわかんねぇぇぇぇぇ!)

側近(よし、でっち上げよう)

側近「これは古い日本の故事です」

魔王「ほう、故事」

側近「昔、大悪党がクジラの背に乗って竜宮城という場所に行きましてね」

魔王「待て長い話になるならいい。意味だけ教えてくれ」

側近「えー、つまりですね。【↓1】という意味なんですよ」


魔王「なぜ日本の故事にルネッサンスの女神が?」

側近「ほら時代はワールドワイドですから」

魔王「ん~……んっ? うーん……」

側近(そのまま騙されて下さい魔王様! 言いたかないけどアナタ馬鹿なんだから!)

魔王「そういうもの……なのか……?」

側近「そうです! その通りです! 全世界ルネサンスです!!」

魔王「そうか……うん、そうだな」

側近(馬鹿でよかった)

魔王「でもいくら私が全世界ルネサンス級の魔王だからって強姦とかはちょっと……
   やっぱりお互いの同意って大事だし……、てかそんな名前を魔王につけようとする
   部下ってどうなの?」

側近「至極ごもっとも! 実はこの名前は前に魔王様の手足である四天王が
   魔王様に付けてやろうと話していたのを聞きましてね! いやぁ実にけしからん!
   私だったらもっと良い名を考えます!」

魔王「あいつらそんなこと話してたのか……」

側近「どうか泣かないでください魔王様! 私が責任を持って名前を考えますゆえ!」

魔王「そうか。側近、お前は良い奴だな」

側近(若干後ろめたいが仕方ない。私の保身のため四天王には犠牲になってもらおう)

側近「では張り切っていきましょう! そうですね……【↓1】なんて名などはいかがでしょうか!」

ちなみに安価は絶対に【↓1】で進めます


側近(ん? 待てよ?)

側近「とりあえずこの魔王のスペックとかも分かれば更に呼び名、色々思い付きそうだな」

魔王「なんだその名は。新しいラノベのタイトルか?」

側近「あ、いえ。通り名というのはその人物の特徴を端的に示すことですよね?」

魔王「その通りだ。信長様もその時代の人間にはあり得ないことをしてきたから第六天魔王と名乗れたわけだしな」

側近「私はまだ魔王様の側近になって日が浅いので、魔王様がどんなことをしてきたとか
   どんな戦い方をするとかわからないのですよ」

魔王「なるほど……そういう事なら話は早い。私の力をお前に見せてやろうではないか」

側近「本当ですか!」

魔王「その方が考えやすいというのなら仕方ないしな」

側近「ありがとうございます!」

魔王「てか、さっき私の事呼び捨てにしてなかったか?」

側近「さぁ魔王様! 早く! 技をお見せください!」

魔王「……まぁいいか。まずは私の一番の特技から教えてやろう。これが【↓1】だ!!」


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォン!

側近「…………」

魔王「あまりの凄さに声も出ないようだな」

側近「……城を壊さなくてもいいのに」

魔王「少し張り切り過ぎた」

側近「えー、魔王様は氷系と火炎系の呪文が得意と?」

魔王「造作もない。だがそれはあくまで得意というだけであって
   これを上回るものは他にもある」

側近「これを上回るですって!?」

魔王「例えばこれだ! 【↓1】!」


ドガァァァァァァァァァァン! 

魔王「これが最速の技ケラノウスだ。詠唱も省略した雷魔法だから二倍ではやくてつよい」

側近「だからなんで城を壊すんですか!」

魔王「最近戦っていなかったから力が有り余っていてな」

側近「雷系の呪文も得意……と」

魔王「よし、次はだな……」

側近「まだあるんですか? 城を壊さないで下さいよ?」

魔王「これが我が魔王道最強最大の技!」

側近「アンタ話聞いてないだろ!?」

魔王「【↓1】!!!!!!!!」


チュドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!

側近「…………」

魔王「……今のはメラゾーマでは無い……メラだ……」

側近「…………」

魔王「いや、ま、まぁ、そうだな」

側近「…………」

魔王「城、壊れちゃったけど……でもほら私の凄さを見せられたっていうか……」

側近「は?」

魔王「……スミマセンデシタ」


………………


いきなり宿なしになった魔王と側近
この期に及んでカッコいい名前をつけるための旅を始める魔王
無理難題のわがままに振り回され続ける側近
しかし力関係という名の天秤はゆっくりと側近の方に傾き始めていた!

二人の明日はどっちだ!?
【続く】


………………


魔王「いやー、さっぱりしたなー」

側近「魔王城はほぼ全壊、崩落による軽傷重傷の者は無数、
   アンデッドはもう死んでいるので数えませんが死者が出なかったことが奇跡です」

魔王「日頃の行いが良かったかな」

側近「魔王としてどうなんですかそれは」

魔王「しかし住むところが無くなってしまった」

側近「魔王様の力で城を復元できないんですか?」

魔王「魔王城は代々、ある建築一家によって建てられていてな。
   建築段階で一度崩れたらもう二度と復元できない特殊な呪術が組み込まれている。
   よって私ですらどうしようもない」

側近「またどうしてそんな呪術を?」


魔王「『復元するならそれもまた俺たちの仕事だ』だそうだ。
   仕事の斡旋でもあるが、それ以上に自分たちの建てるものを誇りとしているらしい」

側近「まさに職人ですね。それならば早いところその彼らに頼んで修理してもらいましょう」

魔王「それが……今、魔界にいないのだ」

側近「え」

魔王「奴らを引く手はあまたでな。人間界にも天界にも顔を出しては仕事をしているようだ。
   奴らに最後に会ったときは『魔界の住人は金払いが悪い』とぼやいていたよ」

側近「そんな! じゃあどうするんですか!」

魔王「ローンも残ってるのになぁ……」

側近「魔王城、ローン払いだったんですか!?」


魔王「土下座でここ数十年分は踏み倒してやったがな」

側近「悪い顔して自慢できる話じゃないですよ!」

魔王「まぁそう慌てるな、城に関しては心機一転して他の建築家に頼んでもいいのだ。
   今、重要なのは……」

側近「重要なのは?」


魔王「私にふさわしいカッコいい通り名を考えることだ」

側近「…………」

魔王「というわけで私はしばらく旅に出る! お前もついてくるがいい」

側近 ←魔王を理解しようとする脳がキャパシティの限界を超えて、なにもかもがどうでもよくなってしまったという顔

側近「はい! お供します!」


………………

魔王「さぁ、あてのない旅の始まりだ」

側近「あの、私たち本当に無一文なんですが……」

魔王「魔王的に野宿だけは避けたいところだ」

側近「そこら辺の矜持はあるんですね」

魔王「当然だ。さて、どこへ行こうか。側近、意見を許す」

側近「特には」

魔王「では適当に【↓1】でも目指してみるか」


側近「本当に近所ですね……」

魔王「魔界のご近所、魔界村だ」

側近「魔界のどんな場所からでも近所になる不思議な場所でしたっけ?」

魔王「うむ、この村に行きたいと思えば自然に着いてしまう不自然な場所だ。
   その手軽さから子供から魔界の重鎮までよくこの村を訪れる」

側近「どうしてそんな便利な場所が村のままなんでしょうか?」

魔王「さぁ? 村長の方針じゃないか?」

村長「そんなところです」

側近「うわぁ!」

魔王「村長、相変わらず気配を消すのが上手いな」

村長「それだけが取り柄ですから」


村長「それはそうと、ここに魔王様が訪れるとは珍しいですな」

魔王「実は城が壊れてな」

村長「ほう」

側近「ま、魔王様! それ言っていいんですか?」

魔王「どうせいつか知れ渡ることだから問題ない。
   村長、私たちは今から旅にでるぞ」

村長「旅、ですか。なるほどここは魔界のあらゆる場所、
   さらには人間界まで繋がっていますからな」

魔王「そういうことだ。少し遠出しようと思ってな」

村長「しかし、長い間城を開けて大丈夫ですかな?」

魔王「そんなに心配することではない」

村長「……これは失礼いたしました。
   おしゃべりで時間を潰すのも野暮でございますね。
   いってらっしゃいませ。旅のご無事を」

魔王「うむ、行くぞ、側近」

側近「あ、お待ちください魔王様!」

村長「…………」

村長「……いってらっしゃいませ」


魔王「しかし……あてがないというのは案外困りものだな」

側近「風の吹くまま気の向くままとは魔王様そのものではないですか」

魔王「それは褒め言葉だな?」

側近「もちろん」

魔王「ふむ、では古典的であるがこれにしよう」

側近「木の棒ですか? あぁ、倒した方向に進むという奴ですね」

魔王「それは人間界の話か?」

側近「え? え!? 木の棒が勝手に動いてますけど!? なんか伸びてますけど!?」

魔王「魔界産だからな。これを誰かに巻き付けて」

側近「ちょっ! やめてください! おい! やめろ馬鹿! いーだだだだだだだぁぁぁ!?」

ドシーン!

魔王「そいつが倒れた方向に進むのだ。む、あっちだな、では行くぞ側近!」

側近「…………」

側近(いつかあいつをシバいてやる……!)


………………

魔王「ここは……」

側近「また凄い場所に来ましたね……」

魔王「あぁ、ここは【↓1】だな」


魔王「くっ、風が強いな。魔界でもこれほどの風が吹き付ける場所は多くあるまい
   魔境グンマー、試練の旅にはピッタリの場所だな」

側近(いつから試練の旅になったのだろうか? まぁ無一文はそれなりに試練だけど)

魔王「この世界では群馬県と呼ぶのだったか?」

側近「えぇ、そうですね」

魔王「この風と生糸を操る女たちが社会を支配する高度な母系社会だとも聞いた」

側近(そういえばそんなことも教えましたね。群馬のみなさんごめんなさい)

魔王「では早速探索と行こうではないか!」

【↓1】「ちょいとあんたたち」


側近「あ」

機織「あぁ、やっぱり」

魔王「知り合いか?」

側近「はい、私の従兄弟の叔父の奥さんの妹の彼氏のお姉さんです」

魔王「つまり?」

側近「他人です」

機織「お姉さんなんて照れるね。あたしゃもう80超えてるのに。
   どうも機織です」

魔王「?」

側近「はたおりって名字なんですよ」

魔王「ほう、名は体を表すのだな」


機織「この子の名前はアタシが付けたんですよ」

魔王「ほう」

側近「え!?」

機織「アンタのお父さんが名前に困ったって言ってアタシを訪ねてきてねぇ
   それでアタシがちょちょいと」

側近「従兄弟の叔父の奥さんの妹の彼氏のお姉さんに名前決められたんですか僕!?」

魔王「側近の一人称は『僕』だったのか」

側近「あ、それは。いやそれよりも! なにこの地味に衝撃的な事実!?」

魔王「側近の本名はなんというのだ?」

側近「それは……ちょっと」

魔王「機織さん、この者の本名を教えることを許す」

機織「なんだって? あぁ、この子の本名ね。【↓1】ってんだよ」

レイラ(女)


魔王「レ、レイラ……?」

側近「わ、笑いましたか? 今笑いましたか?」

魔王「い、いや。ソンナコトナイゾ?」

側近「ぜ、絶対笑ってますよね?」

魔王「老婆よ、ついでにレ、レイラの名字はなんというのだ?」

機織「あぁそれはね」

側近「やめてぇ!」

機織「【↓1】だよ」


魔王「田中レイラ……プフッ」

側近「あー! 今笑った! 絶対笑ったよ! ぷふっって言ったもん! ぷふって!」

魔王「いや、すまん。意外でな。ずいぶん可愛らしい名前ではないか
   こちらの世界では田中という性は珍しくないのだろう?
   レイラもあっちの人間界では割とメジャーどころだ。良い名前だと思うぞ」

側近「もう!」

側近(人の気も知らないで! 漢字ならともかくカタカナでレイラなんて
   こっちの世界じゃ恥ずかしいだけだったんだから!)

魔王「レイラ」

側近「名前で呼ばないでください!」

魔王「すまぬ、田中」

側近「名字でも呼ぶなぁ!」

実は零羅というオチにしていい?
本当にごめん。


機織「レイラちゃん」

側近「だから名前で……! あ、はい。何でしょう」

機織「久しぶりだから、家に泊まって行きなさい」

側近「ほとんど初対面ですけど!?」

機織「いいからいいから。あらレイラちゃんちょっと細すぎないかい?
   ダイエットしてるんでしょ?」

側近「いや、別に……」

機織「最近の若い子はすぐダイエットダイエットって……
   ちゃんと食べなきゃダメじゃない」

側近「いや、だから」

機織「鈴木さんにもらった焼きまんじゅうもあるから
   ゆっくりしていきな」

側近「魔王様ぁ~」

魔王「老婆よ、私も今晩泊めていただけないだろうか」

機織「あら、そういえばレイラちゃん。この人はカレシかい?」

側近「断じて違う!」


機織「困ったときはお互い様だよ、泊まって行きなさい」

魔王「うむ。老婆よ、大義である」

機織「はっは、変な人だねぇ」

魔王「とりあえず今晩の宿は大丈夫そうだな」

側近(なんか、田舎に泊まろう見たいになってきたな……)

魔王「ところで側近、焼きまんじゅうとは美味いのか?」

側近「よそ者が食べると死にます」

魔王「死ぬのか!?」

側近「冗談です。そういうネタですから」

魔王「そ、そうか」


………………


機織のおばあちゃんの家に泊まることになった魔王と側近!
どんどんずれていく目的
あてにならない予告
おそすぎる執筆
こんなことで魔王と側近は旅を終えられるのか!?

二人の明日はどっちだ!?
【続く】


>>62 レイラは零羅でもいいですよ。魔王より先に名前がつくとは……

>>57 あと(女)というのは側近が女の子という設定にするということでいいですか?

>>69
そう言う意味だったけど、無理なら無視の方向でも
名前も女でも男でも使えるし


>>70

ありがとうございました。
では今日はこれで終了です。
安価に協力ありがとうございました。

………………

機織家

魔王「焼きまんじゅう、超ウマい」

側近(なんか……こういう味久しぶりだな)

魔王「側近? 側近!」

側近「は、はい!」

魔王「どうした? やはり田中か零羅と呼んだ方が……」

側近「側近で! 今までのままでお願いします!」

魔王「そうか」


側近「それより魔王様、さっき途中で機織さんの呼び方を変えましたよね?」

魔王「うむ。機織さんと呼んでから気づいたのだが人間をさん付けって魔王的にどうなの?
   ってことだ。どんな世界であろうと魔王は魔王、人間は人間としての立場があるからな」

側近「私も一応、人間なんですけど」

魔王「まぁ、なんか側近は側近って感じじゃん?」

側近「意味が解りません」

機織「はい、ご飯できたよ」


側近「あ、運ぶの手伝います」

機織「いいよぉ、座ってなさい」

側近「泊めさせてもらうんですから、これくらい手伝わせてください」

機織「そうかい? 悪いねぇ」

魔王「頼むぞ側近」

機織「アンタも手伝いなさい」

魔王「何故だ老婆よ!?」


機織「彼女がやるなら彼氏もやるのが道理ってもんだろう。
   昔と違って今は女も会社で働き、男も家事をするんだからねぇ」

魔王「いや、彼女じゃなくて側近であって。それに魔王は魔王、人間は人間としての……」

機織「わけわからないことばっか言って人を誤魔化すんじゃないよ
働かなければ飯も宿も抜きだからね! 返事は?」

魔王「はい……。……くっ、流石母系社会グンマー……」

側近(いい気味です。くくく、向こうでの話のタネが一つ増えました)


………………

~食事後~

側近「魔王様、考えたんですが出会った者たちに名前を考えてもらうのはどうでしょう」

魔王「ナイスアイディア! 採用!」

側近(また適当なノリだなぁ……)

魔王「早速、機織さんに考えてもらおう」

側近「あ、呼び方戻したんですね」

………………


機織「あら、彼氏彼女じゃなかったのかい?」

側近「えぇそうなんです」

機織「その割には息がぴったり合ってたけどねぇ」

側近「そ、それは、ともかくですね。実はこの人記憶を失っていまして」

機織「あら、記憶を」

側近「だからおかしな格好にわけのわからない言動を繰り返していてですね」

魔王(!?)

機織「かわいそうにねぇ」

側近「もう見るも哀れで……」

魔王(!!?)


側近「私は今この人を魔王と呼んでいるんですが
   記憶が戻るまでの間、いい呼び名がないかと思いまして」

機織「それをアタシにかい?」

側近「はい、考えてもらいたいんです。なるべくカッコいい名前を。かわいそうな人ですから」

魔王(よし、側近よ。お前は後でシメる)

機織「そうだねぇ……じゃああれで決めるかね」

魔王&側近「「?」」

………………


魔王「これは占いか」

機織「そうさ。昔から凝っててねぇ、レイラちゃんの名前もこれで決めたんだよ」

側近(限りなくダメな予感がする……)

機織「少し大仰に見えるけどすぐに終わるからねぇ。……はぁ~っ」

魔王(え、唐突に始まったぞ?)

側近(大丈夫かな……)

機織「かぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ……でたよ」

魔王「おぉ……私の新たな名前が」

機織「アンタの名前は……【↓1】だね」


魔王「や、山田太郎?」

機織「そうでたねぇ」

側近「あはははははははははっげほっげほっ!」

機織「とりあえず記憶が戻るまではそれにしておくのがいいよ」

側近「あ、改めてよろしくお願いします。その……た、太郎様。ぷふっ」

魔王(絶対後でシメよう)

機織「ふぅ、久々にやると疲れるねぇ。さ、アンタたちもお風呂に入ってゆっくり寝なさいな」

側近「はい、ありがとうございました。ほら太郎様もお礼」

魔王「か、感謝する」

機織「はいよ。それじゃあたしは寝るからね」


………………


~寝室~

魔王(納得いかん……!)

魔王(名前の件は良い。名前が決まったわけではないし、名乗る義務だってないのだから)

魔王(問題は今日のあの側近の態度……上司に仕える者としてあるまじきものである!)

魔王(ついでに老婆よ。なぜ側近と相部屋なのだ! 男と女の関係ではないとあれほど言ってあるのに!)

魔王(側近には少しお灸をすえねばな)

魔王(よし、【↓1】をしてやろう)

素っ裸にする


一応、確認だけど魔王って側近の性別知らないよね?

>>87

そ れ だ


魔王(よし、側近をひん剥いてやろう)

魔王(む、丁度良く側近らしき足音!)

魔王(くく、今に見てろ)

側近「あ~いいお湯だった。魔王様ー本当に入らなくていいんですか……ってあれ?」

魔王(フッ、まさか魔王が天井にへばりついているとは夢にも思うまい)

魔王(そして魔王の力を持ってすれば貴様を裸にして外へ放り出すことも容易いことよ!)

魔王(さぁ側近よ! 十分反省するがよい!)


側近「トイレかな? うーん、お布団入りたいけど側近として先に寝るのもあれだしなぁ……」

パサァ…

側近「それにしても……なんで魔王様と同じ部屋に……。うぅ、機織さんめ。わかってやってるなぁ……」

ハラリ…

側近「え?」

ヌギヌギ…

側近「え? え? 何で僕……服を」

側近「か、体が勝手に……!」

魔王(よし! 脱が……せ? あれ? あれはどう見ても女物の下着……ん? つまり側近にはそういう趣味が? え?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

側近&魔王「「え?」」

グラグラグラグラグラグラ……!


魔王(地震か……! くっ、こんなときに)

側近「きゃっ!」

ドサッ!



魔王(……落ち着いてきたか。ってマズい、側近が仰向けに倒れていたら!)

側近「…………」

魔王「あ」

側近「なに……してるんですか……?」

魔王()

側近「なんで……そこにいるんですか……」ジワァ…

魔王(な、何故そこで泣くのだ!? ええい、ままよ!)

魔王「これはな、【↓1】だ」


かなり中途半端ですが今日はここで終わりです。すみません。
次回、魔王様の言い訳から始まります。

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