佐城雪美「……新番組」橘ありす「リトル・マーチング・ファンド・ガールズ!」 (47)


橘ありす「さて、始まりました、新番組『リトル・マーチング・ファンド・ガールズ』。司会は橘ありすと」

佐城雪美「佐城雪美……です」ペコリ

ありす「続いて、ゲストの紹介になります。龍崎薫さん」

龍崎薫「はい!よろしくお願いしまー!」

ありす「福山舞さん」

福山舞「よろしくお願いしますっ」

雪美「古賀小春……さん」

古賀小春「よろしくお願いします~」

雪美「日下部若葉……さん(20)」

ありす「年齢は言わなくてもいいです」

日下部若葉「はいっ!!!」

ありす「うわぁ元気」




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雪美「以上の……4人が……ゲスト……」

ありす「では、この番組の説明をさせていただきます」

ありす「みなさん、そもそも、ファンドという言葉をご存じですか?」

舞「わからないです……」

薫「かおるもー!」

ありす「まあ、そうですよね。では若葉さんは?」

若葉「もちろん知ってますよ~!あの川相の」

ありす「ここボケるとこじゃないんですけど」

若葉「じゃあイギリスの通貨……」

ありす「ポンドでもなくて!」

若葉「木工用……」

ありす「ボンドでもなくて!!!」



ありす「最年長がふざけると進まないんですから」

雪美「小春は……わかる……?」

小春「ファンドとは、複数の投資家から集めた資金を用いて投資を行いそのリターンを分配する仕組みをいう。投資信託として組成されることがあるが、一方で、いわゆる投資事業組合として組成されることもあり、文脈によってはいずれか一方のみを指すことも多い」

ありす「小春さん!?!?」

小春「(出典:hyoupedia)」

ありす「ヒョウさん!?」

薫「ヒョウくんすごーい!!!」

雪美「流石……ヒョウさん……」

ありす「いやいやいやいや」

若葉「負けてられないですね……!」

舞「なんで対抗心を燃やしてるんですか……?」



ありす「ま、まあいいです。ファンドというのは、みんなのお金を誰かに集めて、受け取った人がそのお金で手に入れたものを、お金を出した皆さんで分ける。というシステムです」

薫「……?」

舞「うーん……」

ありす「あまり腑に落ちてないみたいですね……」

雪美「まかせて……」

舞「何かいい例えがあるの?」

雪美「みんなが……ガチャを回せば……そのお金で……ゲームがアップデートされる……」

ありす「ちょっと生々しくないですか!?」

若葉「なるほど~」ガチャガチャ

ありす「この場で回さない!!!」



ありす「まったく、どこまで説明したのか忘れてしまいましたよ」

舞「ファンドの説明が終わったとこだよ!がんばって!」

ありす「なんで開始5分で励まされているんでしょうか……」

雪美「今回は……この4人がお金を出す人……」

小春「私たちですか~?」

ありす「はい。そして、様々なアイドルがやってきて『自分にお金を出せば、こんなことをしてあげるよ!』というプレゼンをします」

雪美「それに……いくら出せるのかを……1人1人が決める番組……」

舞「なるほど……」

薫「でも、かおる、ものの値段とかよくわかんないよー?」

ありす「大丈夫です。なるべく、“普通に買ったら○○円くらい”という情報はお教えしますから」

小春「『レイナサマバズーカ(50円程度)』みたいな感じですか~?」

ありす「そこまで悪意のある値段設定ではないですけどね?」



ありす「なお、我々LMBGは司会の2人を抜いて12人です。1回につき4人がゲストなので、3回で皆さんが来ることになりますね」

雪美「つまんなかったら……打ち切り……」

ありす「いや流石に3回くらいはやらせてくれますよね!?」

若葉「最初に出れてラッキーですね!」

舞「初回で打ち切られる前提で進めるのはちょっと……」

薫「かおる、つまらないからクビなの!?」

ありす「ほらあらぬ誤解を招いてるじゃないですか!!!」



ありす「ちなみに、上限は1万円ですのでご注意を」

雪美「では……最初のプレゼンター……お願い……」

柳清良「こんにちは~」

ありす「最初のプレゼンターは、柳清良さんです!」

清良「よろしくお願いしますね」

雪美「じゃあ、早速……お願い……」

清良「はい♪私のプレゼンはこちらです」


『私に投資してくれれば、身長を伸ばします!』


若葉「30万!!!」

ありす「上限は1万円って言ったじゃないですか!!!」



若葉「た、足りませんか!!??」

舞「足りすぎてるんです……」

ありす「き、清良さん、あの人は放っておいて、説明を……」

清良「はい。身長を伸ばすと言っても、何か手術をするわけではありません」

小春「激痛を伴うイリザロフ法じゃないんですか~?」

ありす「小春さんの知識の偏りはなんなんですか!?」



清良「私が施すのは、『整体』です」

舞「なるほど……」

薫「声帯?」

ありす「勘違いのベクトルおかしくないですか」

若葉「わたしは成体なのにこの身長ですけどね」

ありす「急な自虐ネタ」



清良「整体というのは、マッサージみたいなものです。歪んだ背骨や骨盤をもとに戻すことで、身長が伸びたり、成長を促したりできるんですよ」

薫「へぇー!」

ありす「ちなみに、相場を調べたところ、1時間の整体で5000円が平均みたいですね」

舞「けっこう高いんですね」

雪美「みんなは……身長……伸ばしたい……?」

若葉「はい!!!とっても!!!」

ありす「もう若葉さんはいいですから!!!」



ありす「ちなみにですが、同年齢の平均身長と比べて、薫さんはマイナス3cm、舞さんはマイナス8cm、小春さんはマイナス12cm、若葉さんがマイナス10cmくらいらしいです」

小春「へぇ~、確かに、学校では前の方です~」

ありす「私も小春さんより少し大きいくらいですから、身長は欲しいですね」

舞「私はそこまで欲しくないかな……」

若葉「なぜ!!!???」

ありす「ちょっとうるさいですよ」

舞「これからもう少し伸びるかもしれませんし」

若葉「舞ちゃんがいじめてきます~!!!」

舞「ええっ!?」

ありす「最年長!!!」



薫「かおるはねー!もっと大きくなって、あいおねーちゃんみたいになりたいな!」

清良「ふふふ、あいさんも喜びますよ」

雪美「でも……大きくなったら……膝とかに乗れない……」

薫「あー!そっか……!じゃあいいや!」

小春「でも、大きくなったら大人の人たちとももっと仲良くなれそうです~」

薫「あー!そっか……!じゃあ大きくなりたい!」

若葉「でも、大きくなったらかくれんぼがしにくいですよ!」

薫「あー!そっか!」

ありす「薫さんで遊ばないでください!!!」



舞「あの……すみません」

ありす「はい、どうしたんですか?」

舞「これって、整体を受けるか受けないかであって、投資とはちょっと違うんじゃないのかな……?」

雪美「清良……どう……?」

清良「いえいえ、お金が多くあれば、ベッド、枕、クッション、タオルなどの道具が充実するので、十分、投資ですよ」

舞「あ、そうだったんですか」

小春「例えば、お金がぜんぜん集まらなかったらどうなるんですか~?」

清良「まず、事務所の床に寝転んでもらいます」

若葉「直でですか!?」



清良「タオルも買えませんから♪」

ありす「それにしても……」

清良「あ、廊下です」

若葉「部屋にすら入れてくれないんですか!?」

清良「ショバ代もタダではないんです」

薫「庶馬題?」

ありす「さっきから聞き間違いがおかしいですって!」



若葉「ちょ、みなさん!お金出しましょう!?」

舞「いや……そこまでは……」

薫「かおるもいいかなー」

小春「でも、若葉さんが1万円を払えば、まあそれなりにはなるんじゃないですか~?」

清良「ちなみに、場所代はちひろさんに支払います」

若葉「絶対足りないじゃないですか~!!!」



ありす「では、最終決定に入ります」

若葉「うう……」

ありす「あの……これ、もしもの話ですから。そんなに気落ちしないでください」

若葉「そうですけど~」『1万円』ドン

ありす「あ、このタイミングで出すんですね」

舞「まあ、一応……」『2000円』ドン

薫「かおるはいいや!」『0円』ドン

小春「……」『0円』

ありす「血も涙もないですね!?」



雪美「というわけで、清良は……12000円」

ありす「半分が投資に参加してないですけどね」

清良「ふふふ、楽しかったわ」

ありす「ありがとうございました、清良さん」

薫「じゃーね!」

若葉「また……また来てくださいっ!!!絶対にっ!!!」

ありす「必死じゃないですか」



ありす「続いてのプレゼンターはこの方です」

上条春菜「こんにちは!」

薫「……」『0円』ドン
小春「……」『0円』ドン
若葉「……」『0円』ドン

舞「ええっ」

春菜「ちょっとみなさん!!!」

ありす「はいお疲れ様でしたー」

雪美「次の……プレゼンターは……」

春菜「司会まで!?」



春菜「いくらなんでも酷いですって!」

ありす「どうせ『払ったお金で最高に似合う眼鏡を買ってあげます』とか言うんでしょう?」

春菜「……」

ありす「……」

雪美「……」

春菜「……」


『私に投資してくれれば、最高に似合う眼鏡を買ってあげます!』


春菜「……」

ありす「ご、ごめんなさい」



雪美「ありす……ひどい……」

薫「あんまりだよー!」

舞「2人も加害者なんじゃ……?」

ヒョウさん「この外道が」

ありす「!?」



ありす「……というか、もうこれただのお使いじゃないですか!投資の番組なんですってば!!」

春菜「ちっちっち……」

ありす「なんなんですか……」

春菜「まとめて発注した方がお得ですし、メガネケースやメガネ拭きなどの付属品も融通が利くんです!」

ありす「完全に業者サイドの思考回路じゃないですか」



若葉「私、目はけっこういいので、メガネの必要性はないですかね~」

春菜「いえいえ!若葉さん!メガネをかけるだけで、何倍にも大人っぽくなるんですよ!」

若葉「!」『1万円』ドン

ありす「いくらなんでもちょろすぎるでしょう!?」

春菜「背が伸びる可能性もあります!!」

若葉「!!!」『30万円』ドン

ありす「背が絡むと上限突破するのやめてください!!!」

薫「え!?メガネで背が伸びるの!?」

舞「薫ちゃん、流石に疑った方が……」



春菜「それにみなさん、アイドルなんですから、変装だって必要でしょう?」

雪美「確かに……」

ありす「あー、まあ、それは言えるかもしれません」

薫「かおるはね!もっとみんなに「かおるちゃんだ!」って言ってほしいから、変装はいらない!」

春菜「う……!純粋……!」

小春「春菜さんは、大好きなメガネで薫さんの笑顔を隠していいんですか~?」

春菜「ううっ……!!!」

ヒョウさん「帰れ!」

ありす「さっきから何で誰もヒョウ君にツッコまないんですか!?」



春菜「確かに、子供たちの純粋な笑顔を隠すためにメガネを使うなど言語道断……!」

ありす「ちょっとみなさんバラエティに全力投球すぎじゃないですか?」

春菜「また、修行のやり直しです」

春菜「大切なことを気づかせてくれてありがとうございました……!」

春菜「では……!」トコトコ

ありす「え!?帰るんですか!?最終決定は……え?いらない!?」



ありす「えっと……」

雪美「では……次のプレゼンター……」

小春「わ~」

薫「だれだろー?」

若葉「楽しみですねー」

ありす「切り替えの早さエグイですね!?」



二宮飛鳥「やあ」

ありす「二宮飛鳥さんです」

雪美「あすあす……」

飛鳥「その呼び名、初耳なのだけど」

小春「にのあす~」

飛鳥「これはニックネームをつけるコーナーだったのかい?」

ありす「ごめんなさい、無視して大丈夫です」



飛鳥「皆の信託が得られた時、ボクにできることはこれさ」


『私に投資してくれれば、ヘアアレンジをして雑誌のコーナーに登場させます』


ありす「では、説明をお願いします」

飛鳥「ああ。まず前提だけど、ボクの趣味はヘアアレンジなんだ」

薫「部屋アレンジ?」

飛鳥「リフォームは専門外だね」

雪美「ヘラアレンジ……?」

飛鳥「ヘラにそこまでの可能性を見出すことはまだできていないね」

若葉「オレンジレンジ?」

ありす「尺が足りなくなりますから自重してください」



飛鳥「そして、ある雑誌で、不定期にヘアアレンジの紹介を、読者モデルさんを使ってしているんだけど」

飛鳥「ほら、読者モデルさんが普段、どんな髪型かは知らないだろう?だから、ヘアアレンジの及ぼす印象への影響は伝わり難いことがあってね」

ありす「なるほど。アイドルなら、普段からの違いがわかる上に、仕事にもなって、新しい髪型も試せる……と」

飛鳥「ご明察さ」

小春「ZZZ……」

飛鳥「そんなに退屈だったかい?」

ありす「小春さん!!!」



飛鳥「もちろん、金額が多いほど、装飾品、例えばこのエクステとか、髪飾りとか、も豪華になる。悪くないだろう?」

舞「すごいですっ!」

ありす「正直、感心しました」

薫「あすかちゃん、いつも何言ってるかわからないけど、わかりやすかった!」

飛鳥「……そうか、なによりだ」

ありす「ダメージ受けてる場合じゃないですよ」



飛鳥「ちなみにこの話は実際に検討していることなんだ。もちろん、お金は取らないけどね。新たな“可能性”を、これも運命と考えて、受け入れてみないかい?」

薫「?」

小春「?」

飛鳥「……せっかくだから、やってみたら楽しいかもねってことだよ」

薫「なるほど!」

小春「ふむふむ~」

ありす「薫さんは素ですが、小春さんはわかってやってませんか?」

若葉「もう少しわかりやすく……」

ありす「最年長!!!」



ありす「それでは、最終決定に入りますね」

飛鳥「ああ、頼むよ」

雪美「どうぞ……!」

舞「いいと思いますっ」『1万円』ドン

薫「うーん、新しい髪型かー」『1万円』ドン

小春「この髪型、気に入ってるんですよね~」『1万円』ドン

若葉「そんな、ヘアスタイルくらいで……」『1万円』ドン

ありす「セリフと金額が一部矛盾してますけど!?」

飛鳥「……」グッ

雪美(……喜んでる)



ありす「では、満額の4万円です!」

飛鳥「ありがとう……正直、歓迎されてる感覚が乏しく感じたんだけどね。これも運命……いや、“掴み取った”と形容しておこうか」

ありす「饒舌になりましたね」

飛鳥「それでは、実際にキミたちの髪に変化を起こす時を待つとするよ」トコトコ

舞「上機嫌でしたね……」

ありす「ちょっと鼻歌が聴こえますね」

小春「今、飛鳥さんが歌っていた『共鳴世界の存在論(オントロジー)』は、全国のCDショップで大好評発売中ですよ~」

ありす「どこからお金をもらってるんですか?」



雪美「次が……ラスト……」

薫「ええーっ!」

若葉「早いですね~」

ありす「私はけっこう長く感じてますけど」

雪美「では、どうぞ……」

輿水幸子「フフーン!カワイイボクの登場ですよ!」

ありす「最終決定に入ります」

幸子「ちょっと!!!」

薫「おつかれさまー!」『0円』ドン

小春「眠くなってきちゃいました~」『0円』ドン

若葉「幸子ちゃんグッズはちょっと……」『0円』ドン

幸子「なんで集めたお金でボクのグッズを作るところまでバレてるんですか!?」

舞「ごめんなさい……」『0円』ドン

幸子「舞さん!!!」



ありす「プレゼンのタイトルに『カワイイボクの』が入ってたら、即刻終わりになります」

幸子「……」

ありす「……」

雪美「……」

薫「……」

舞「……」

小春「……」

若葉「……」

幸子「……」


『私に投資してくれれば、カワイイボクのグッズを作ってプレゼント&売り上げを一部還元します』


ありす「……」

幸子「ごめんなさい」



おわり




幸子ごめんね
第二回はネタが浮かんだら



過去作


橘ありす「宮本ノノデリカ?」

池袋晶葉「世のため人のため雪美のため」

高垣楓「勘違いっをっ♪しただっ♪けなのっ♪お・さ・け♪」橘ありす「は?」

智絵里「朋さんと」ほたる「少しのお出かけ」


などもよろしくお願いします


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