魔王「勇者いるー?」(28)

勇者「お、魔王じゃーん!いらっしゃーい」

魔王「やっほ!あ、これお土産」

勇者「てーんきゅ。うわ、すげぇ!ここのケーキ高いだろ」

魔王「ほら、一応魔王だし?」

勇者「カッケー!さすが魔王さま!」

魔王「それにこういうのケチると側近がうるさいんだよ」

勇者「あー、あの人はねぇ…」

勇者「じゃ、お茶煎れてくるからまったりしててくれ」

魔王「おーう」

勇者「おまた!ほい、お茶とさっきのケーキな」

魔王「おう。……んー。相変わらず勇者の煎れる紅茶は絶品やね」

勇者「ふひひ、照れる///」

魔王「もうお前勇者辞めて紅茶屋開けば?」

勇者「趣味は趣味だし?だいたい俺が勇者辞めたら誰がお前倒すんだよ?」

魔王「俺としては楽に世界征服出来て良いんだけどなw」

勇者「あははははw」

魔王「その暁には魔王軍全面バックアップで店開かせてやるぞ?」

勇者「………ふむ」

魔王「おいw」

勇者「んで、今日はどんな用件なんだ?ただだべりに来た訳じゃないんだろ」

魔王「あ、そうそう。忘れる所だったわ」


魔王「俺、来週から世界征服するから」

仲良いのか

勇者「え?来週?」

魔王「おう。徹底的に世界を混沌と絶望に落としてやんよ!」

勇者「えーー」

魔王「あれ?何か予定あった?」

勇者「いや、まぁ良いけどさー。国王は何て言ってんの?」

魔王「勇者が良いなら良いってさ」

勇者「ゆるいなー」

魔王「まあ、こないだあいつと呑んだ時にノリで言ったらマジになったんだけどな」

勇者「おいおいw」

魔王「て事でヨロシクな」

国王「よくぞ参られた勇者よ!知っての通り、魔王軍が不穏な動きをしておると情報が入った!そこで貴殿には魔王退治を頼みたい」

勇者「はっ!つつしんでお受け致します!この剣と国王の名にかけて、必ずや魔王を退治いたします!」

国王「うむ!頼んだぞ!勇者よ!」

勇者「で、国王。風の噂に聞いたのですが、今回のは飲み屋でノリだけで決まったとか…」

国王「な、なんの事だ?余は何の事やらさっぱり」

勇者「次からはもう少し時間の余裕を頂きたいですな」

国王「………あの野郎チクりやがったか」

勇者「では、行って参ります」

魔王「そっきーん!」

側近「はいはい。何ですか魔王さま」

魔王「勇者おっけーらしいから、各町とダンジョンにボス配置ヨロシク」

側近「了解です。あ、主だった町とか国にはちゃんと挨拶に行ってくださいね」

魔王「えー。だるいー!ボス達に任せりゃいいじゃーん」

側近「もちろん彼等にも行かせますが、しばらくは迷惑かけるんですから、張本人の魔王さまが顔を出すのが礼儀です」

魔王「うえぇ」

側近「ほら、私も付き合いますから。ちゃっちゃと正装に着替えて来てくださいな」

魔王「あーい」

魔王「ふはははは!我は魔王!世界を混沌に陥れる者なり!今よりこの世界は我が貰いうける!」

魔王「人間共よ!恐怖と絶望に脅えて暮らすが良いぞ!ふはははははは!」



魔王「これで良い?」

側近「はい。大丈夫です。じゃあ次の町行きますよ~」

魔王「おう」

村人1「おーう。聞いたべか~?」

村人2「おーう。なんだべ?」

村人1「魔王が復活したらしいべさ」

村人2「ほーう。久しぶりだべな~」

村人1「なんでも今回はうちの村も入ってるらしいべ」

村人2「じゃあ忙しくなるべな」

村人1「そうだべな~。オラうまく怯えられるか心配だべ~」

?「すいませんが…、村の方ですか?」

村人1「おーう。そうだべ~。お、あんたもしかして…」

?「はい。今回この村の支配を任されましたボスと申します」

村人2「おーう。わざわざこんな辺境までご苦労様だべな~」

ボス「いえいえ。あの、出来れば村長さまにお会いしたいのですが」

村人1「おーう。村長なら、ほれ。奥の家にがそうだべ。今なら居るはずだべよ」

ボス「有難うございます。行ってみますね」


村人1「いい人そうだべな~」

村人2「んだべな~」

どいつもこいつも緩すぎるだろwww



うむ

~酒場~

勇者「ちょりーっす」

女店主「あら、勇者じゃない。久し振りだね」

勇者「お久しぶりッス」

女店主「で、今日は何の用だい?」

勇者「いやね、魔王の奴がまた世界征服するらしいんスよ~」

女店主「あら!その話、ホントになったのかい?」

勇者「え?知ってるんですか?」

女店主「知ってるも何も。こないだウチに国王と魔王が呑みに来た時に話してたのさ。まさか本当になるとはねぇ」

勇者「あー…。なるほど」

勇者「ちなみに、あの二人ってよく来るんスか?」

女店主「そうさねぇ。週2のペースで来てるかしら」

勇者「多っ!王2人が週2て…。暇なんですかね」

女店主「話聞いてると暇らしいわよ?」

勇者「うわー」

女店主「まあ、あんたの事もその暇潰しの一つなんでしょうけどねぇ」

勇者「んな身も蓋も無い…」

女店主「あはははw」

勇者「もういいッスわ…」

勇者「それはそうと、あいつらって見ました?」

女店主「あいつら?……あぁ。いや、まだ見てないわよ?此処で待ち合わせかい?」

勇者「はい。まぁ、ゆっくり待ちますわー」

女店主「あいよ。何か飲むかい?」

勇者「じゃあダージリンを」

女店主「あんた…ここは酒場だよ?あると思うかい?」

勇者「ですよねー。ミルクで」

女店主「あいよー」

勇者「ミルクうまー」

カランコロン

勇者「お?」

?「………」

勇者「おーい!こっちこっち!」

?「おう!」

勇者「やほー。久しぶりだね戦士。相変わらず元気そうだし」

戦士「おう!勇者も相変わらずだな!」

勇者「突然ごめんねー。急に旅に出る事になっちゃってさー」

戦士「ガハハハハ!良いって事よ!俺も体なまりまくりで退屈してたしな!」

戦士「久しぶりに暴れまくれるからむしろ嬉しいぜ!」

勇者「戦士らしいね」

戦士「それに、試したいもんもあるしな」

勇者「?」

勇者「あとは…」

?「おまたせしました~」

勇者「おおう!」

?「遅れて申しわけございません~」

勇者「ああ、僧侶か。びっくりしたー」

僧侶「おまたせいたしまして~」

勇者「いや、大丈夫大丈夫。そんなに待ってないし」

戦士「おう!俺も今来たばかりだしな!」

僧侶「そうですか~。安心しました~」

勇者「それより突然呼び出しちゃったけど、教会の方は大丈夫?」

僧侶「はい~。神父さまに~泣きながらお見送りしていただきました~」

勇者「……それ良いの?」

僧侶「たまには良いお薬になりますので~」

勇者「戦士と僧侶と、あとは…」

僧侶「あとは魔法使いさんですね~」

勇者「だな。一応連絡はしたんだけど…」

僧侶「たぶん~、まだ寝てるかと~」

戦士「あいつはここで待ってるより行った方がいいんじゃねえか?」

勇者「だよねぇ。でもなー」

戦士「なんだ?」

勇者「あいつ寝起き悪いじゃん?」

戦士「なるほどな」

僧侶「そういえば~。そうですね~」

勇者「何度寝ぼけた魔法使いに殺されかけたことか」

戦士「じゃあ待つか?」

勇者「いや…うん、よし。行く」

勇者「やって来ました魔法使いの家!」

僧侶「勇者さま~」

勇者「なに?」

僧侶「なんで屋根が半分ないんでしょうか~?」

勇者「知らない!知りたくもない!」

僧侶「う~ん。謎ですね~」

戦士「おーい!魔法使い!いるかー?」

勇者「あ!ちょ、戦士!」

戦士「なんだ?」

勇者「いきなり大声出して魔法使いが起きたらどうすんだよ?」

戦士「あん?何言ってんだ?呼びに来たんだから起きなきゃ意味ねぇだろ?」

勇者「いや、そうだけど何の準備もしないでもし起きたら…」

?「あの屋根みたいになるって?」

勇者「そうそう!…って!!!」

?「相変わらず失礼な奴だな君は」

勇者「ま、まままままま!」

僧侶「あ、魔法使いさんです~」

魔法使い「久しぶりだね、みんな」

戦士「おう!」

勇者「ゴメンナサイ」

魔法使い「ふむ。まぁ起きぬけの悪さはボクも自覚しているしね」

魔法使い「あの屋根も実際その通りなワケだし」

僧侶「あの屋根の穴は魔法使いさんがやったんですか~?」

魔法使い「ああ。寝ぼけて最大業火呪文をね…」

勇者「いやいやいや!寝ぼけてってレベルじゃねえだろ!」

魔法使い「てへぺろ?」

勇者「なんで疑問形なんだよ!」

勇者「はぁ。まぁ、何はともあれ、これで全員集合、と」

僧侶「また皆さんと旅が出来るんですね~」

魔法使い「またしばらくは退屈しないですみそうだね」

戦士「おう!暴れまくってやるよ!」




勇者「……疲れるんだよな、このパーティ」

魔王「そっきーん!」

側近「はいはい。何ですか?魔王さま」

魔王「ひま」

側近「はあ…。まぁ、魔物配置しちゃったらあとは待ちですからね」

魔王「ひまひまひ」

側近「だからって勇者さんとか国王さんの所は駄目ですからね」

魔王「えーひまー」

側近「……」イラッ

頑張れ側近

側近はこの話で唯一胃に穴が開く可能性がありそう

だれが♂でだれが♀なんだ?
それによって見え方がちがってくるが・・・

>>27
一応

勇者:男、戦士:男、僧侶:女、魔法使い:女
魔王:男、側近:女

で考えてる

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