【禁書×銀魂SS】銀時「その幻想をぶち殺す!」 (184)

銀魂×禁書クロスオーバーSSです

銀時が禁書の9月30日事件に関与する物語です

美琴との罰ゲームを一旦終えた上条さんとインデックスにご飯を奢った一方通行の所にインデックスと打ち止めが戻った所にから始まります

銀さんと禁書のアニメさえ知っていれば問題なく読むことが出来ます

銀さんの戦闘力が禁書の世界に付いていくため多少上がっているかもしれません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459146005

禁書「とうま!私はお腹が空いたんだよ?」

上条「えー、再会して早々にそれかよ…」

禁書「具体的にはあそこに売ってるアイスを所望するんだよ」

上条「話聞けよ!」

禁書「ここに来る前に出会った白い髪の人は事情も聞かずにハンバーガーを食べさせてくれたのに」

上条「はぁ…分かったよ買ってやる、ちゃんとその人にお礼言ったか?」

禁書「む、私はちゃんとお礼は言える人だよ」

上条「ならいいけどさ、ほらお金渡すから買ってこい」チャリン

禁書「ありがとうとうーっ」

上条「お礼を最後まで聞きとれないくらい猛スピードで買いに行きやがった…」

禁書「ただいまなんだよ!」

上条「食べ物のことになると相変わらずすげえスピードだな」

禁書「それはちょっと失礼かも」

上条「つーかインデックス、お前は何しに外へ…」

禁書「あっ」ドン

銀時「っとすまねぇ…って」

禁書「ア、アイスが…不幸だ…」

上条「もう買わねえぞお前の不注意だ、すいません大丈夫ですか」

銀時「悪かったな、俺のズボンがアイス食っちまった。次はこれで5段アイスを買うと
いい」ピラッ

上条「スモーカーさんっ!?」

禁書「とうま!すごいよ!チャリンじゃなくてピラッだったよ!野口英世なんだよ!」

上条「あの、いいんですか?」

銀時「気にすんなパチンコ大勝ちして今日は景気も気分もいいんだよ」

上条「は、はぁ…」

銀時「おい今パチンコする大人を軽蔑した目で見ただろ」

上条「い、いやそんなことありませんのことよ!?ただ不幸な上条さんにはパチンコとか絶対当たらないんだろうなって!」

禁書「ありがとうなんだよ!あなたのお名前は?」

銀時「坂田銀時、銀さんとでも呼んでくれや」

上条「本当にすみませんでしたっ」

銀時「いいってことよ、じゃあな」ヒラヒラ

禁書「すごいいい人だったね、例によって白髪だし、とうまも明日から白髪に染めてみるといいかも、そしたらあの人みたいに優しく…」

上条「俺が白髪に染めたら土御門の金髪、青髪ピアスの青髪、俺の白で教室の一角がカオスと化するな…あっ、そう言えばスモーカーさんも白髪だ…」

禁書「あっ、そう言えば」

上条「何だよ」

禁書「銀さんじゃない方の白い人にこんなの借りてたから返さなきゃかも」

上条「何だただのポケットティッシュか」

禁書「あの人今頃この最新鋭日用品がなくて今頃困ってたらどうしよう!ちょっと返してくるんだよ!」タタッ

上条「あ、おいインデックス!そんなぐしゃぐしゃの返されても向こうも困るんじゃ…って聞いてねぇ!」

一方通行サイド


一方通行「さっさと帰るぞ」

打ち止め「うんってミサカはミサカは素直に…ん!?」

一方通行「あ?」

打ち止め「何かあなたと同じで凄く頭が真っ白な人がいるってミサカはミサカは報告してみる」

一方通行「は?何言って…っておいクソガキ!走ンじゃねェ!ったく面倒くせェ」

打ち止め「こんにちは!ってミサカはミサカは挨拶してみる!」

銀時「え?あ、あぁ、こんにちは…え!?何この娘!? 」

打ち止め「いい人そうで良かった、ってミサカはミサカは安心してみたり」

銀時「えーと、どうしたお嬢ちゃん、迷子か?」

打ち止め「失礼な!ってミサカはミサカは反論してみる」

銀時「じゃあ何よ」

打ち止め「あなたの髪って天然さん?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

銀時「はぁ…?」

銀時「名前より先にこの頭のこと尋ねられるとは思わなかったわ」

打ち止め「あぁ自己紹介がまだだったね!ってミサカはミサカは思い出してみたり」

銀時「まぁ別にいいよ、ミサカ…」

打ち止め「ラストオーダーって言うんだよ!ってミサカは…」

銀時「ミサカじゃねーのかよ!!」

打ち止め「ちょっとまだミサカのセリフ途中なんだけどってミサカはミサカは…」

銀時「お前の口癖が長いのが悪い」

打ち止め「今までこの口癖に言及した人は誰もいなかったのに!?ってミサカはミサカは驚愕してみる」

打ち止め「で、あなたの髪が天然さんかどうかを質問してるんだけどってミサカはミサカは最初の質問に戻ってみる」

銀時「オイオイお嬢ちゃんこの頭なめんじゃねーぞ、シャンプーめっちゃ泡立つんだからなコレ」

打ち止め「えっ!白髪って泡立ちいいんだ!今度あの人で試してみようってミサカはミサカは密かに決意してみたり」

銀時「パーマじゃなくて白髪の話かよ!別に白髪ってだけならシャンプーの泡立ちは普通だよ!」

打ち止め「じゃああなたの髪は…」

一方通行「ラストオーダー!」

銀時「あん?」

一方通行「ったく…チョロチョロすンじゃねェよ…って…」

銀時(…うわスゲェ!この人めっちゃ髪白い!完璧な白髪だよ!って坂田は坂田は…あいつの口癖が移った!)

一方通行(コイツ…何でまだ若いのにこンな真っ白な頭してやがンだ…まさか俺と同じで紫外線とかを反射してやがンのか?)

打ち止め「えっとこの人はね…ってそう言えばまだあなたの名前を聞いてなかったってミサカはミサカはうっかりさん」

銀時「あー坂田銀時、呼びづらいなら銀さんでいい」

打ち止め「そっか!じゃあ銀さんこの人はね…」

一方通行「アクセラレータだ、オラもォ行くぞ」

銀時「アクセロリータ…?」

一方通行「ぶっ殺されたいンですかァ!?」

銀時「え、何この人いきなり[ピーーー]とか言ってきたよ?超怖い」

打ち止め「ちょっと間違えただけじゃないってミサカはミサカは短気なあなたをどうどう」

一方通行「どうどうじゃねェ!間違え方に悪意を感じるっつってンだ!」

銀時「え、ていうかラストオーダーもそうだけどアクセラレータとかマジで言ってんの?」

一方通行「本名ねェ…そンなモン忘れちまったなァ…」

銀時「イタイイタイイタイイタイ何この人!」

一方通行「中二病じゃねェよ!」

銀時「はぁん、もしかして学園都市ってこんな名前の奴ばっかりだってのか?」

打ち止め「その口振り…もしかして最近外から来たの?ってミサカはミサカは名推理」

銀時「何か福引で学園都市見学券とか言うのが当たってよ、仕事もこねーし暇だからやってきたって訳だ」

打ち止め「どんな仕事してるの?ってミサカはミサカは質問してみる」

銀時「万事屋銀ちゃん。頼まれれば何でもやる、言わば何でも屋さんだ」

一方通行「自己紹介してる所悪いが俺達はもう帰る。じゃァな、坂田くン」

銀時「さかなクンみたいになってっけど、絶対名前間違えられたこと根に持ってるよこの人!」

銀時と別れた一方通行達

打ち止め「何だか面白い人だったねってミサカはミサカは感想を述べてみる」

一方通行「つーかもう面倒だからこれ以上チョロチョロすンじゃねェぞ」

打ち止め「ってうわぁ!ってミサカはミサカは躓いたぁ!痛い!」ステッ

一方通行「何なンだよこいつ、常に俺を困らすことしか出来ねェのか!」

打ち止め「消毒が必要かもってミサカはミサカは状況報告してみたり」

一方通行「…チッ…クソッたれが、勝手に動いたら叩き潰すぞ」

一方通行は薬局へ絆創膏を買いに行った 。

一方通行「ったく…馬鹿げてやがる…」

財布の中身は小銭しか残ってなかった。
インデックスと名乗る修道女の食費に消えたと思い出したのは少し経ってからだ。
まぁ絆創膏を買うくらいの金は残っているだろう。

一方通行「面倒くせェ」

薬局を出る。
打ち止めを待たせてある地点までは200mほどあるがそこまで行くのが面倒臭い。
が、彼がそこまで歩くことはなかった。
なぜならー

ゴン!!と猛スピードで走ってきた黒いワンボックスカーが一方通行の体に激突したからだ。

かなり展開早いです
これから禁書の方はドシリアスになりますが、ちょくちょく銀魂らしいノリも入れていくつもりです
御坂美琴ちゃんの出番カットしちゃってすみません
多分後で出てきます

背後からの一撃だった。
彼の立っている歩道と車道の間はガードレールに遮られていた。
しかし、そんなものはお構い無しにワンボックスは一方通行のいる歩道へ突っ込んで行った。
轟音が鳴り響く。
その中で
一方通行は、三秒前と同じ格好で平然と突っ立っていた。
彼は自分の首筋に手を当てている。
『反射』が起動しているのだ。

一方通行(なんだァ?)

車の中では黒ずくめの男がうずくまっていた。
心当たりはないが、

一方通行(まァ、あれか)

とりあえずー

一方通行(ブチ、[ピーーー])


そこから先は一方的だった。

一方通行「アハハぎゃはアハハハヒヒヒギャハハッ!!」

一方通行は爆発的な笑みと共に運転手を引きずり出す。
彼の赤い瞳が蠢く。

一方通行「ンンーう?楽しい。あはは。やべェよオイ最高にトンじまったぞ糞野郎ォ!!」

そこへ一方通行を囲むように3台のワンボックスが急停止した。
車から出てきた黒ずくめの男が銃を向けている。

一方通行「…ハァ…退屈だ」

一方通行は拳を真下に突っ込む。
車体が亀裂を生みその時に発生した火花がガソリンに引火し爆風が撒き散らされる。

一方通行「演出ご苦労ォ!華々しく散らせてやるから感謝しろ」

木原「だーから言ってんじゃねえかよお」

自分を取り囲んでる自動車の一台から男の声が聞こえた。

木原「あのガキ潰すにゃこんなもんじゃ駄目なんだよ。やっぱ俺じゃねえとなあ」

一方通行「……、ぶっ」

彼はその男の顔を知っていた。

一方通行「木ィィィィィィ原くんよォ、ンだァその思わせぶりな登場はァ!?人のツラァ見ンのにビビって目ェ背けてたインテリちゃんとは思えねェよなァ!!」

木原数多。
かつて学園都市最強のレベル5の能力開発を起こっなっていた男だった。

木原「いやぁ、俺としてもテメェと会うのはお断りだったんだけどな。何でも緊急事態とかで手段を選んでる余裕はねぇんだと。そんな訳でここで潰されてくんねーか」

一方通行「イカれンなら1人でやれや、眼中に無ェからさっさと消えてくンないかな?」

木原「本気でムカつくガキだよなぁ、テメェは。いやぁ殺したいわぁメチャクチャ殺したいわー」

木原数多は一方通行に近付いていく。
無謀にも。
研究者は唇の端を歪め、

木原「そんな訳で[ピーーー]わ、このクソガキィ!!」

拳が一方通行の顔面へ直撃せんと飛来してくる。
それでも一方通行は笑みを崩さなかった。
ガードなど、しなかった。

一方通行(何考えてンだこの馬鹿、さァてどう料理して…)

そこまで考えた所で

ゴン!!と。
木原数多の拳が一方通行の脳を揺さぶった。

一方通行「が……っーッ!?」

反射ははたらいていたはずだ。
今の一方通行は核爆弾でも傷一つつかない。
なのに、
何故か、ベクトル反射が全く通用しない

木原「っつかよぉ、テメェごとき眼中にねぇのはこっちも同じなんだよクソガキ」

木原の拳が飛んだ。

一方通行「ッ!」

またしても反射は意味を為さなかった。

木原「まぁ『アレ』はこっちで回収しといてやるからよ、テメェは壁のシミにでもなっててくれ」

『アレ』、つまり目的はそちら。
一方通行ではなく、打ち止め。

一方通行「…ナメてンじゃ…ねェぞ三下がァあああああああああああッ!!」

彼は風のベクトルを操り嵐を起こす。
殺せ、一方通行は絶叫した。
だが、

木原「駄目なんだよなぁ」

ピーッと。
乾いた音が響いた途端に一方通行が制御していた暴風の塊が吹き消された。

その後も一方通行は木原数多に圧倒された。
反射の壁を木原数多は直撃の寸前に拳を引き戻す事で反射を逆手に取り破っているらしい。

反射は使い物にならないと判断した彼は暴風を起こそうとする。
しかし、またもピーッという音が聞こえただけで吹き消される。
木原が言うには演算式を乱す音波を放たれているらしい。

木原「いつまで最強気取ってやがんだこのスクラップ野郎が!」

またも木原の拳が一方通行にまともに入る。
何発も殴られた彼はいつの間にか地面に這いつくばっていた。
そこで、
木原は言った。


木原「回収完了ってとこか」


100mほど離れた場所。
そこに
その先に

黒ずくめの男に二の腕を捕まれ、だらりと手足を揺らしている、打ち止めがいた。

木原「おいおいありゃ本当に生きてんのか。一応生け捕りだって話だったんだが」

一方通行(ふざけンな)

一方通行は地面に転がったまま歯を食いしばった。
彼女は生きている、打ち止めが死んだら一方通行のチョーカーにも影響が出るはずだからだ。

一方通行(やら、せるか…)

ボロボロになった体に、わずかに残された力を注ぎ込む。

一方通行「打ち止めァァあああああああああああッ!!」

一方通行は歯を食いしばり手をアスファルトに叩きつける。
飛び散った破片をかわすように木原が1歩下がる。
そのわずかな猶予の間に一方通行はベクトルを制御させた風を打ち止めに突っ込ませる。
打ち止めが宙を舞い風景の闇に消えていく。

木原「あーあーあーあーゴルフボールじゃねぇんだからよー、ヤード単位で人間飛ばすんじゃねぇよ。一体誰が回収すると思ってんだ。俺はやんねーけどな」

木原「班を3つに分けろ、本命を追うのは1班だ。2班3班は俺の元に残れ。水辺を探せ。あのガキも考えなしに吹き飛ばしたりしねぇだろ」

部下「そちらは回収ですか」

木原「いや、殺すよ。捕らえておく理由もねぇし」

部下「はっ」

部下は打ち止めの回収に向かう。

木原「せっかく不意をついたんなら俺を殺さなくちゃなぁ。アレは10分もしねー内にカゴの中だぜ?」

一方通行「…、黙れ…クソッタレが。」

木原「そーかい、じゃあ殺すけど、今のが遺言でいいんだよな?」

一方通行(くそ)

木原の言う通り打ち止めはこのままでは捕まってしまう。
一方通行自身も殺されてしまう。
状況は圧倒的に不利だ。
黄泉川は何をやっている?
芳川は拳銃を持ってやってこないのか。
もちろん来ない。
それでも一方通行は思う。

一方通行(誰か…起きろよラッキー…手柄ならくれてやる…俺を踏みにじって馬鹿笑いしても構わねェ)

どこまでも無様に。

一方通行(誰か、誰でも良いから、あのガキを……)

木原の魔手が迫る。
その直前で

銀時「何かでかい音がしたから来てみりゃ…何やってんですかテメーらは」

一方通行は思い出す。
自身と同じ真っ白な白髪。
腰にぶら下げた木刀。
死んだ様な魚の目
彼は。
彼の名前は。

銀さんが来るまではまんま12巻だったのでできる限り端折りました。
これからも原作と被っている所はできる限り要約して書いていきます。

とりあえずアニメさえ観てくれていれば大体分かると思います。

次は銀時VS猟犬部隊です

登場シーンを銀さんに横取りされたインストゥルメンタルさんの出番もちゃんとあるので

それでもこのペースだと結構長くなりそうだ…

死んだ様な魚の目ってなんだ!
それただの魚の目じゃねーか!
すみません
正しくは死んだ魚の様な目です
あと真っ白な白髪ってのも頭痛が痛いみたいな気持ち悪さを感じますね

上条「くっそー。インデックスの奴、またどっか消えちまいやがって」

上条当麻は地下街であちこちキョロキョロしながら呟いた。
携帯で連絡を取れば早いのだろうがどうせあのシスターは電源を付けちゃいない。
なかなか見つからないので階段を上がり、地下街から外に出た。

上条(…にしても、なんか警備員の数が多いような…?もう暗くなってきたしこんな時間に出歩いていたらインデックスの奴補導されちまうんじゃないのか)

面倒事になる前にさっさと連れ帰ろうと上条は警備員から目を戻そうとした。
その直前で

上条の目の前に立っていた警備員が何の前触れもなくいきなり地面に崩れ落ちたのだ。

上条「まさか…意識が?」

視線を周囲に走らせる。
学生はいないが警備員ならたくさんいる。
しかし、

上条「ちょ、なんだよこれ。おい!」

ほかの警備員も一斉に倒れだしたのだ。

上条(麻酔ガス…?いや、それならなぜ俺は無事なんだ?)

そこまで考えた所で

『ざ、ザザ…ゲートの破壊を確認!侵入者は市街地へー誰か聞いていないのか?こちらの部隊も正体不明の攻撃をごァ!?』

倒れていた警備員の無線から声が聞こえたと思ったら、再び通信が途絶えた。

上条(侵入者…?インデックスの方は大丈夫なんだろうな…)

そこへ、
ドン、と上条の原に衝撃がぶつかった。
誰かがぶつかったらしい。
その人物は

打ち止め「助けて…」

彼女の瞳は真っ赤に充血していて、透明な液体か頬を伝っていた。

彼女は叫ぶ。

打ち止め「お願いだからあの人を助けて…ッ!ってミサカはミサカは頼み込んでみる!!」

一方通行(アイツは…)

一方通行は崩れ落ちたまま、ぼんやりと思った。

部下「どうしますか」

木原「…どうするってお前」

突然現れた成人男性を見て
一言

木原「消すしかねぇだろ」

黒ずくめの1人が銃を構える。
いや構えうとした瞬間、

坂田銀時がそれよりも速く動いた。

銀時「おおおおおおッ!!」

彼は木刀を振り回し黒ずくめの男を鎮圧する。

銀時「人に銃を向けちゃいけませんって母ちゃんから習わなかったのかコノヤロー!!」

一方通行(馬鹿が…)

あそこまで敵対したら絶対に生きては帰れない。
彼は『外』から来たらしいが学園都市の暗部に関わって無事で済むとは思えない。
しかしそんなことはお構い無しに白髪の男は木刀を振り回す。

銀時「オラァ!」

銃を構えた黒ずくめがまた1人落とされる。

木原「あーあーあーあー何やってやがんだクズ共が、めんどくせぇ。ま、とりあえずこのガキを殺しとくか」

木原がそう決めた瞬間、

木原「ッ!?」

いきなり何かが飛来してきた。
それを木原は直前でかわす。
坂田銀時が投擲した木刀がカランカランと音を立て地面に落ちる。
そしてわずかに生まれた隙を一方通行は見逃さなかった。


一方通行「おおおおおおァああッ!!」

一方通行は絶叫すると、倒れたまま思い切り地面を蹴る。
ベクトルを制御し、ロケット並みの爆発利用を得た彼の体が恐るべきスピードで彼を囲っていた黒いワンボックスの後部のスライドへと突撃した。

一方通行(こいつらの殲滅ァ後回しだ。取り敢えずあの白髪野郎を捕まえて安全な場所まで逃げ切る!)

一方通行自身も白髪なのだが。
彼はドアに手を伸ばしスライド部分の金具をむしり取り、そのままそれを運転席の背もたれの真ん中に突き刺す。

運転手「ッ!」

一方通行「進め、あの白髪頭を回収する。そっちに車を寄せろ」

運転手の背中には金具が突き刺さっている。
下手に抵抗すれば殺される。

運転手「ヒッ」

決断は速かったり
ワンボックスは甲高いエンジン音と共に急発進する。

坂田銀時は黒ずくめの男達から逃げ回りながら考える。

銀時(ノリと勢いでやっちまったけど、後でこの街の警察とかに捕まったらどうしよう。つーか木刀投げちゃったけどどうすんだコレェェェェェェ!!)

そこへ、

一方通行の乗ったワンボックスがこちらへ向かってきた。

銀時「え、ちょっと何、何でこっち来るの?え、マジで!?」

何かごちゃごちゃ言っていたが一方通行は車内から身を乗り出し白髪の男を回収する。

銀時「アクセロリータ!」

一方通行「アクセラレータだっつってンだろォがァ!!」

遠ざかるワンボックスを眺めながら気の抜けた声を出した。

木原「あーあー、アレだアレェ!アレェ持ってこい!!」

ムチャクチャ過ぎる注文の出し方だが、彼が求めているのは携行型対戦車ミサイルだ。
しかし、

木原「あァ?」

しばらく待ったがモノが来ない。
少し周りを見渡してみたら、部下は軒並み戦闘不能になっていた。

木原「あの野郎がァ…」

ワンボックスカーの姿は完全に見えなくなっていた。
そして吐き捨てる様に言った。

木原「ったく…白髪頭にゃロクな奴がいやしねぇ」

打ち止めの回収には既に向かわせてある。
取り敢えず自分で移動するのは面倒なので伸びている部下を踏み潰して叩き起す所からはじめようと思う木原だった。

その十数分後インデックスは一方通行を探し、大通りまで来ていた。
彼女は知らないが先程まで一方通行が交戦していた場所だ。
既に木原達は去っていた。

インデックス(なんだか極端に人が少ない気がするんだよ)

そんな事を考えながら一方通行を探すインデックス。
そこで彼女はあるものを見つけた。

インデックス(…木刀?)

完全記憶能力を持つ彼女には確信があった。
「洞爺湖」という文字が刻まれてる木刀。
それは間違いなく坂田銀時が腰にぶら下げていた物だった。

インデックス(銀さん…落としちゃったのかな?)

だったらあの白い人にポケットティッシュを返すついでに、こっちの持ち主も探しておこうと、その木刀を拾い上げるのだった。
考えてみたら白い人ばかりなんだよ、と白い修道服を着たシスターは呑気に考えていた。

ここまで
同じく登場シーンを奪われた弁当さんももうすぐ出てきます

アニェーゼ「はぁー、今年ももう終わっちまいますねー」

アウレオルス「愕然、嫌になるな。歳を取る事に早くなっていくものだな、1年が過ぎるのは。このまま行くと老後はF1カーが通り過ぎ並の速さで1年が過ぎそうだ」

アニェーゼ「私はまだまだ大丈夫ですね」

アウレオルス「否。実際私はベン・ジョンソンが走り去るくらいの速さまで来ている。既にベンはそこに来ているのである。」

アニェーゼ「マジですか、ベンが来やがるんですか。私的にはベンよりカールの方がいいですね、カッケーです」 ミカンパクー

アウレオルス「必然。今年も充実した1年を送ったと言うことであるな」お茶ズズー

銀時「……送ってねーよ!!」

銀時「まだ3月!ここ俺んち!それ俺んちのミカン!それお茶じゃなくてただのお湯!つーか誰だてめーらはァァァ!!」

アニェーゼ「あ、お邪魔してます。アニェーゼ=サンクティスです」

アウレオルス「アウレオルス=イザードだ」

アニェーゼ「つーかなんであなたなんですか、アンタもうイザードとしての記憶ないんじゃないですか」

アウレオルス「妥協。阪口大助さん役の人がいないからだ」

アニェーゼ「あー、なるほど。じゃあなんであなたがいやがるんですか、さっさと新八さんに変わって下さいよ」

銀時「え!?俺ェ!?俺が悪いの!?俺がどっか消えなくちゃいけないの!?何度も言うけどここ俺んちだから!」

銀時「で、お前らはマジで何しに来たわけ」

アウレオルス「当然。思っていた以上に銀魂が禁書の雰囲気に飲み込まれている。それをフォローしにきた」

銀時「しゃーねーだろ、そもそも俺が参入ること自体かなり無理矢理だったんだから」

アニェーゼ「学園都市を訪れた理由とか意味不明ですよね。なんですか学園都市見学券って」

銀時「福引きで当たっちゃったんだから仕方ねーだろ!!新八と神楽連れてこようにも、1人分しか当たらなかったし!」

アニェーゼ「いいんですか、このまま飲まれて出番無くなっちまっても」

銀時「おめーらだって禁書3期あっても出番殆どねーんだろ?」

アニェーゼ「出番が完全に0のそちらさんよりはマシってモンです」

アウレオルス「必然。3期など来ないから関係のない話である」

銀時「悲しいこと言うなよ…きっとやるよ」

銀時「はぁー、もういいだろ頼むから帰ってくれよお前ら、300円あげるから。自分と同じ声の奴と話すって結構気持ちわりぃんだよ」

アウレオルス「それは出来ない相談なのである」

アニェーゼ「また本編が暗くなりすぎちまった時はまた現れますよ」

銀時「…新八ーツッコミ変わってくれーもうめんどくせぇんだけどこいつらの相手するの」

アニェーゼ「でもこれからあなたあの神の右席の相手しなきゃならねーんですよ。ここでへばってちゃ話になりませんよ」

銀時「知らねーよ誰だそいつはサラッとネタバレすんじゃねーよ」

アウレオルス「あと天使も出てくる様だぞ」

銀時「どんだけェェェェェェェ!!?」

茶番終わり
意外とアニェーゼがハマる
イザード難しい

アニメ銀魂は終わっちゃったけどこっちのSSはまだ終わりません
好きなアニメが終わるこの何とも言えない感覚だけは慣れないなぁ
俺達の戦いはこれからだ!

上条当麻と打ち止めは追われていた。
打ち止めによるとあの黒ずくめの男達に彼女や「あの人」は襲われたらしい。

上条「くそ…あんだけの銃をどこから手に入れてくるんだ」

黒ずくめの男達はどう見ても警備員には見えなかった。
有効的にも見えない。

上条「まずいな…」

上条の持つ右手はああいった異能の関わらない銃器には無力だった。

上条「裏口からどっかの建物の中に入りたい!打ち止めは電気の力は使えるか?」

打ち止め「うん、レベル3程度のものしか使えないけど、ってミサカはミサカは答えてみたり」

上条「じゃあ電子ロックを外してくれ!」

わかった、という返事があった。
彼らの逃亡は続く。

銀時「打ち止めが見当たらねぇ様だが、さっきの連中にでも連れ去られたか」

一方通行「チッ…」

妙にカンの冴える野郎だと思った。

一方通行「オイ」

一方通行はそう言って運転手に話しかける。

一方通行「お前らは何者だ、目的は?」

運転手「ヒッ…猟犬部隊…木原さんがまとめる学園都市の暗部部隊だ…打ち止めを攫えという任務だ…」

一方通行「だとすると目的はミサカネットワークか…」

一方通行(取り敢えず杖の代わりだな)

一方通行は後部座席に転がっていたデカイ鞄を漁る。
おそらく猟犬部隊の装備品の予備だろう。

銀時「何やってんだ」

一方通行「杖の代わりだ、さっきの戦闘ですっぽ抜けちまった。やっぱこのショットガンだなァ」

漁りながら一方通行はあるものを見つける。

一方通行「木刀があンぞ、何で銃器ばっかの中に木刀が入ってンだ」

銀時「お、マジでか」

銀時の木刀も先程の戦闘で投げてしまった。

銀時「学園都市製だから何か凄い機能が付いてたりすんじゃねーのか」

一方通行「待て、説明書がある。刀の柄を押してみろ」

銀時「こうか?」

押してみる。
すると、

一方通行「醤油が出る」

ピュウッと黒っぽい液体が宙を舞った。

銀魂「何でだァァァァァァァ!?」

部下「うわっ、なんだこれっ!」

銀時「あっ、すんません」

木刀から飛び出た醤油が運転席の方に飛んでいった様だ。

銀時「つーか何で醤油なんだよ意味わかんねぇよ」

一方通行「卵かけごはンでも食いたかったンじゃねェのか」

銀時「普通に醤油持参しろよ!何技術無駄に使ってんだよ!」

部下「む、無駄だ…」

後ろで醤油がどうとか騒いでいた男達に猟犬部隊の男は声をかける。

一方通行「あァン?」

部下「一方通行は勿論、そっちのアンタもさっき戦闘した時に嗅覚センサーで捉えられてるはずだ。」

一方通行「よォは警察犬の機械型か…洗浄剤とかこの車に積ンでねェのか」

部下「あればとっくに使ってる…くそっ、俺も木原さんに潰されるんだろうな…」

一方通行(それより問題は横の白髪野郎も嗅覚センサーに捕まってるってとこだ…チッ面倒なことになった)

銀時「オイオイ、やっぱ俺も命狙われんのか」

一方通行「…第三資源再生処理施設へ向かう」

銀時「何をしに」

一方通行「そこに行けば嗅覚センサーを振り切るための洗浄剤があるはずだ、まずは俺が猟犬部隊から追われる立場じゃなく追う立場にする」

銀時「その後は」

一方通行「木原は[ピーーー]、猟犬部隊も潰す。あのガキを無傷で助け出す」

銀時「出来んのか」

一方通行「知ったよォな口聞くんじゃねェよ、俺を誰だと思ってやがる」

銀時「…知らねーよお前がどんな奴かなんて。ただお前あいつらにボコボコにされてたじゃねーか」

一方通行「されてねェ、ちょっと昼寝してただけだ」

銀時「何でそこで意味のわからない嘘つくの!?どう見てもボコられてただろうが!!」

一方通行「チッ…」

一方通行は少し考える。
ここにいるのがこのふざけた男じゃなく、例えば昼に会ったあのシスターだったら彼は絶対に事件に関わらせなかっただろう。
しかし、

一方通行(…流石にここまで関わっちまったら中途半端に引かせる方が危険か…)

一方通行「オイ」

銀時「あん?」

一方通行「協力しろ」

銀時「てめーの人殺しに付き合えってのか」

一方通行「俺が頼みてェとはそンなことじゃねェ」

それは俺がやることだとは言わなかった。

一方通行「お前もさっき会った糞ガキ、打ち止めをさがして欲しい」

銀時「攫われたんじゃねーのか?」

一方通行「一旦はあの場から俺が逃がした。万事屋なンだろ、報酬は払う」

銀時「…そーかい、だったらその仕事、万事屋銀ちゃんが引き受けてやろうじゃねーの」

0930事件は色々入り組んでて結構大変だな…
銀さんを上条さんの方にも向かわせたいし
まず始まりと終わり方を決めてそこへどうやって収束させていくかってのを書きたかっけど
ちょっと時系列が原作と前後するかもしれませんが矛盾は起きない様にさせるんでお願いします

ちょっとホモSS書いててこっちのSS遅れた
今日の夜くらいに、遅くても明日には

御坂美琴はコンビニにいた。

美琴「うーん…小さい」

安物のビニール傘を眺めながらポツリと呟いた。

美琴「なんで雨が降ってくんのよ」

あの馬鹿との罰ゲームで入手したゲコ太とピョン子は濡らしたくなかった。

美琴「何だか不当に私の出番がカットされた気がする…」

上条当麻と打ち止めは柱の影に隠れていた。
打ち止めの力で電子ロックを解除したファミレスの中だ。

上条「くそ、ここもかよ…!どうなってる?」

ファミレスの店員や客が警備員と同じ様に倒れていたのだ。
傷一つないまま。
それが逆に不気味だった。

ドッ、という音がして、ウインドウが砕け散った。

上条(あいつらにここが気付かれた!周りに普通の人がいてもお構い無しか!)

打ち止め「こんなので…本当にあの人を助けることが出来るのかなってミサカはミサカは自分の力のなさを嘆いてみたり」

上条「さぁな、でも、ここを生き延びない限り絶対に助けられない」

打ち止め「うん…」

上条「よし、じゃあ生きるぞ!」

一方通行「これだな」

一方通行と銀時は第三資源再生処理施設のモニタールームに来ていた。
運転手はカエル医者の病院に放り込んでおいた。
彼らが求めているのは匂いの粒子そのものを化学反応で「別の物質」に変えてしまう洗浄剤だ。

銀時「これで奴らの嗅覚を振り切れるのか」

一方通行「あァ、打ち止めを探すにしても、今の時点で猟犬部隊の追撃は切っておくべきだ。寧ろあのガキを助け出した後の方が流れ弾の危険は高くなるからなァ」

銀時「っと、そう言ってる間に敵さんがやってきた様だぜ、いかにも悪役ですって感じの黒ずくめの服着やがって」

モニターに一瞬黒ずくめが映ったと思ったら、すぐに灰色のノイズにかき消されていく。

一方通行「チッ、思ったより早いじゃねェか」

一方通行は丈をつかなくては移動出来ない。
洗浄剤で嗅覚センサーから逃れられたとしても、施設に入ってくるこの一団は相手にしなければならない。

一方通行「あいつらだな…」

一方通行は施設に侵入する猟犬部隊に見つからない様に影に隠れながら言った。

一方通行「行くぞ」

一方通行は施設の照明を一気に落とす。

部下A「くそっ、一方通行か!?」

部下B「ガッ!?」

鈍い音と共に部下が倒れる。

部下A「どうした?!」

銀時「あんまり暗闇の戦場で敵に居場所を知らせる様な声は出すべきじゃねーよな御一行さん!」

部下A「…くそっ!…ぐわっ」

ガコン!という音がし、銀時の木刀が猟犬部隊を無力化していく。

部下B「……」

倒れていた部下の1人が銀時に銃を向けようとする。
しかし、

部下B「ぐっ」

別の方向から銃弾が飛んできた。

一方通行「ったく、油断してンじゃねェよ」

銀時「いやお前に助けられなくても何とかなった」

一方通行「嘘つけ、倒したと思って完全に意識から離してただろォが」

上条当麻と打ち止めが隠れている柱の近くを猟犬部隊は容赦なく銃で攻撃していく。
ふと上を見ると柱に風穴が空いていた。

上条「貫通!?盾になっていない…ッ!!」

取り敢えず武器になるものを確保しないと、
と思い、床に落ちているフォークを拾った上条だったが、銃器相手にはあまりにも心もとない。

上条(どうする…っ)

打ち止めが弱い力で上条の制服の裾を掴んでいた。
それが上条当麻の支えとなる。

上条(どうする…っ!)

その後も一方通行と銀時は順調に猟犬部隊を無力化していった。

一方通行(能力を使わずにここを切り抜けられそうなのはデカイな…)

そして彼らは洗浄剤のある部屋に辿り着く。

銀時「どれだ」

一方通行「これだ」

そう言って一方通行は洗浄剤の入ったボトルを頭から被る。

銀時「えぇ…マジで?そんな思いっきり被らなきゃいけないの?」

一方通行「死ぬのとどっちがいいンだ」

銀時「そりゃ死ぬのはごめんだけどよ」

一方通行「ごちゃごちゃ言ってねェでさっさと浴びろっつってンだ」

銀時「ちょ、待って、何か体に有害な物質とか…ぎゃあああああああ」

銀時を無視して一方通行は彼の頭に洗浄剤をぶっかけた。

弁当さん…
次こそはっ

上条「あん?」

いきなり男達の銃撃が止んだ。
上条と打ち止めはろくな武器も持ってないことも分かっているはずのになぜじっとしている?

上条(どういう状況だ?)

安易に動くのは危険か?
早く動かないとチャンスを失うか?

打ち止め「……、」

密着するほどに近くにいる打ち止めが、心細そうにこちらのシャツをぎゅっと握ってきた。
さらにそのまま30秒が経過した。

息を[ピーーー]。
目を瞑る。
時を待つ。
そして動きがあった。

ヴェント「ハッアァーイ♪びっくりしちゃったカナ。怖がってないで出ておいでー?」

聞こえてきたのは甲高い女の声だった。
その女の周りにさっきまで上条達が襲われていた黒ずくめが倒れている。

上条(似ている…あそこで見た倒れた警備員と同じ感じっ…)

分かっているのは彼女が味方ではないということだ。

上条「お前は…」

ヴェント「神の右席の一人、前方のヴェント。目標発見、そんなわけでさっさと潰れろ上条当麻」

女は舌を出した。
その先端にあったのは唾液に濡れた小さな十字架。

上条「ちくしょう。次から次へと…」

神の右席、その名前はイタリアで聞いたことがある。
魔術側の人間なら幻想殺しの出番となる。
上条は打ち止めに後ろに下がるよう促し、

上条「警備員や倒れている黒ずくめ達をやったのはお前か!?」

ヴェント「敵意丸出し…それでも効果はないか…流石はウワサの右手ね」

訳の分からないことの言うヴェント。

ヴェント「ならっ!」

彼女は笑いながらハンマーを縦に振り下ろした。
それに伴って破壊の風が巻き起こる。
上条はそれを幻想殺しで打ち消す。

ヴェント「へぇ…そうなってんのねぇ。使い勝手は悪そうだけど?」

上条の幻想殺しの効果範囲は右手首までだ。遠くの攻撃は打ち消せない。
つまり、

ヴェント「じゃ、こうしてやるわ!」

再びヴェントのハンマーから空気の鈍器が生み出される。
ただしそれが上条に向かうことはなかった。

それは、ファミレスで倒れている一般客へと向かっていった。

上条「テメェ!!」

上条は必死に食らいつく。

上条「くそっ!

上条の右手に触れた瞬間空気の塊は四散する。
その後も上条はヴェントの生み出す空気の鈍器から一般客を守ろうとするが、

ヴェント「他人の心配ばっかしてると、自分へ向かってくる攻撃に気付かないんじゃないかしらん?」

ヴェントは空気の塊を上条のわずか手前に落としてきた、床がめくり上がり木の破片が上条へ襲いかかる。

上条「ぎっ、ァァああああああッ!?」

全身を叩かれた上条は後ろへ飛ばされる。
いつの間にか打ち止めのすぐ後ろまで押しやられていた。

ハッ、と上条は床から顔を上げる。
打ち止めが弾き飛ばされた上条の元へ駆け寄ろうとしている。

上条「来るな!!」

ヴェント「んふ」

上条の絶叫にヴェントは楽しそうに笑った。
次は打ち止めを狙うつもりか

上条「打ち止め!!」

上条は床から走り出すと打ち止めを突き飛ばした。
上条が突き飛ばしたのとヴェントの攻撃が放たれるのは同時だった。
生み出された空気の鈍器は容赦なく柱をへし折り、そこで上条の右手に打ち消される。
ここはもう危険だ。

上条「行けっ!早く!」

打ち止めはフラフラと立ち上がったが、自身の携帯が床に落ちているのを確認して拾おうとする。
しかし、

上条「拾うなっ!」

上条の絶叫に彼女はビクッと肩を震わせて、小さな足で走っていった。
その背中は焦燥に駆られ、殆ど自失しているように見えた。

ヴェント「アンタって残酷ねぇ。あんな小さな子供を暗闇の中1人で逃げさせるなんて」

上条「俺が迎えに行けば何の問題もねぇ」

ヴェント「まぁこっちの標的はアンタなわけだし、取り敢えずアンタはぶっ殺す!!」

ヴェントが武器を構えた瞬間だった。

一方通行「二手に分かれるぞ」

一方通行と坂田銀時は施設から、外に出た。
もうここに用はない。

銀時「おいおい、俺らが中でドンパチやってる間に雨が降りはじめてら」

一方通行「無視すンじゃねェよ」

銀時「聞いてる聞いてる。二又かけりゃいいんだろ?」

一方通行「聞いてねェじゃねェか。二手に別れて打ち止めを探す。奴らの嗅覚センサーは振り切った。これでこっちが一方的に追う状況だ」

銀時「おいおい俺が居なくて大丈夫か?ボコボコにされてた癖に」

一方通行「次はぶっ殺す。学園都市第一位サマをなめンじゃねェ」

銀時「学園都市第一位のロリコンねぇ」

一方通行「さっさと黙らねェとオマエの口から裂く」

銀時「気の短さも学園都市第一位ってわけだ」

一方通行「…あのガキからもよく言われる」

銀時「死ぬなよ」

一方通行「互いにな」

二人は別れ、お互い逆方向に走り出した。

坂田銀時は第七学区を走っていた。

銀時「あれ、そういえば俺携帯持ってねぇけどどう連絡とればいいんだ」

気付いて振り返る。
当然だが一方通行はもういない。

銀時「…あの野郎、さてはわざとか?」

そういえばさっきの会話はやけに話を早く切り上げようとしていた節があった。

銀時「チッ、ま、なんとかなんだろ。学園都市第一位だか何だか知らねーがウンコのキレの悪さなら宇宙一の俺をなめんじゃねぇぞ」

彼は再び走り出した。

一方通行(気が変わった。やっぱあの白髪を巻き込むのは無しだ)

一方通行は第七学区を歩いていた。
連絡先を教えなかったのはやはりわざとだ。
あのお人好しは必ず打ち止めを探しているだろうが、もう時間はかなり立っている。
既に木原達の手に落ちている可能性の方が高いくらいだ。

一方通行「木原は俺一人でぶっ[ピーーー]。闇を見るのは俺一人で問題ねェ」

そこで、一方通行の携帯電話が鳴った。

更新遅れてスン↓マセーン↑(ヴェント)

ヴェント「ごぶはぁッ!」

上条「……!?」

ヴェントがいきなり吐血した。

上条(魔術の副作用とかか?コイツには悪いけどチャンスかもしれない)

上条が1歩踏み出した瞬間、

ヴェント「ぐ、ぁぁあああッ!!」

ヴェントがハンマーを振り回した。
壁を壊してそちらへ向かって飛び出して行った。

上条(な、なんだったんだ…?)

神の右席
前方のヴェント
そしてローマ正教

今にも崩れそうなファミレスで上条は意識を失っている人を表へ引きずり出した。
雨に濡れるが下敷きになるよりマシだろう。

上条「そうだ…打ち止めは…」

もちろん周りを見てもいるはずはない。
そこで上条ささっき打ち止めが落としていった携帯電話に目をつけた。

上条(あの黒ずくめとヴェントに両方狙わてるかもしれないならこれ以上モタモタしてられない)

打ち止めの携帯電話の電源を付ける。
彼女の知人に危機を知らせたほうがいい。
電話をかけていく。

一方通行(取り敢えず木原の居場所を突き止めねェとな)

情報を得るためにトマス=プラチナバーグ邸を襲撃しようとしていた時だった。
携帯がなった。

一方通行「…!」

番号は打ち止めのものだった。

一方通行「木原か…あのガキか…」

上条『良かった!ようやく繋がったな!』

一方通行(…、この声?)

上条「協力して欲しい、打ち止めが危ないんだ!」

一方通行「…どォいう状況だ?」

木原の罠かもしれない。
しかし一方通行に乗らない手はなかった。

電話の声はベラベラしゃべった。
事情を知った一方通行は、

一方通行「あのガキとはどこで別れた」

上条『えーと、オリャ・ポドリーダって名前のファミレスだ。わかるか?』

その場所には心当たりがあった。

一方通行「分かった。後はこっちで回収しておく。オマエはそのケータイを捨てて、さっさと一般人に戻れ」

上条『何言ってんだ、俺も手伝うに決まってんだろ!』

一方通行(チッ)

一方通行は少し考え、

一方通行「第七学区のでかい鉄橋に行け。そこが打ち止めとのいざって時の合流地点ってことになってる」

上条『わかった!』

やたら気合の入った返事が帰ってきた。

上条『悪いな。本当ならあの子は一人にすべきじゃなかった』

一方通行「…、お互い様だ。俺もあのガキを一人にしちまったからな」

通話を切った。
ここが正念場だ。

そして坂田銀時も鉄橋へ向かおうとしていた。

科学と魔術と一人の侍が交差する時、物語は変化する。

アウレオルス『そして坂田銀時も鉄橋へ向かおうとしていた。科学と魔術と一人の侍が交差する時、物語は変化する』

銀時「お前がナレーションしてたんかいィィィィィィ!!」

アウレオルス「否、お前じゃないナレーさんだ」

銀時「しかもそれ人のネタだし!」

アニェーゼ「やっと物語が動くんですか。正直ここまであなたがいた意味殆どありませんでしたよね」

木原「ボラギノールある?」

銀時「いや大変なんだよマジで。銀さんにしては頑張ったと思うようん」

アニェーゼ「ここからどう元の禁書から変化していくんで?」

銀時「取り敢えず俺がめっちゃハードスケジュールで動くらしい」

アニェーゼ「へぇ」

アウレオルス「上条当麻の方へ行ったり、一方通行の方へ行ったりするわけだな」

アウレオルス「必然、そんなことよりもうグダグダやり過ぎて誰も読んでないのではないか?」

木原「ふわっとした構想だけで長編SSなんてやるからこんなことになんだよ」

アニェーゼ「もうここまで来たら自己満足って感じですかね」

銀時「…ちょっと待って今新しい人出てきたんだけど」

木原「ったく、やーっと気付いたか、始めっからいたのによぉ」

銀時「ちょっと待てェェェ!!アンタ今回のボスキャラの1人だろ!?何で人んちのコタツでくつろいでんの!?」

木原「あー痔が痛む」

銀時「中の人が同じだったら何やってもいいと思ってんなら大間違いだぞテメェ!」

木原「おいミカン切れたぞ」

アニェーゼ「あ、すみませんもう私が食べてるので最後です」

木原「テメェ…よっぽど殺されてぇらしいな…!」

銀時「うるせェェェェェ!!てめえらもう帰れェェェ!!」

上条当麻は『電話の声』のアドバイス通り夜の鉄橋に走ってきた。
しかしそこにいたのは打ち止めではなかった。
『神の右席』
前方のヴェント。

上条「なっ…何でテメェがここにいる!打ち止めはどこにやった?」

ヴェント「ぐっ、げほっ、…わざわざ殺されに来たってコト?」

上条あの子はどうしたって聞いてんだ!!」

ヴェント「ラストオーダーだァ!?知らねぇんだよそんなモンは!!」

しかし、二人がぶつかり合うことはなかった。

坂田銀時も鉄橋の近くまで来ていた。
そこでは見覚えのある少年と、趣味の悪そうな黄色い服の女の叫びがぶつかり合っていた。
そして重要なのはその会話に出てきた単語だ。

銀時(あのツンツン頭は…あいつらも打ち止めと何か関わりがあるってのか?)

だったら今すぐにでも事情を聞きたいが、

銀時(どうにもそう簡単に割って入れそうな雰囲気じゃねーな)

さて、どうしたもんかね、と思案する銀時だったが、それは途中で途絶えた。
理由は…

坂田銀時も鉄橋の近くまで来ていた。
そこでは見覚えのある少年と、趣味の悪そうな黄色い女の叫びがぶつかり合っていた。
そして重要なのはその会話に出てきた単語だ。

銀時(あのツンツン頭は…あいつらも打ち止めと何か関わりがあるってのか?)

だったら今すぐにでも事情を聞きたいが、

銀時(どうにもそう簡単に割って入れそうな雰囲気じゃねーな)

さて、どうしたもんかね、と思案する銀時だったが、それが途中で途絶えた。
理由は…

ドッ!!と。
凄まじい閃光が襲いかかった。

視界が塗りつぶされる。
上条はこれもヴェントの策のひとつかと思ったが。
しかし、

ヴェント「あの野郎…アレイスターッ!!」

上条に向けられたものより、数十倍も色の強い明確な怒気だった。

上条「……?」

ヴェント「テメェみたいな小物は後回しだ。そうか、これが虚数学区、五行機関の全貌ってコトか!ナメやがって」

ヴェントはハンマーをつかむとそれを思いっきり足元へ叩きつけた。
アスファルトの破片が飛び散る。

上条「ッ!!」

上条が両手で顔を守った時にはすでにヴェントはどこにもいなかった。

上条「あいつは一体何を見て……ッ!?」

彼は見た。

上条「…嘘だろ…まさか…」

彼はそれを知っている。

上条「天使…!?」

銀時「っ…!ったく、一体何だってんだ…」

突然の閃光から銀時の視力が回復した後には黄色い女は消え、ツンツン頭の少年しかいなかった。
いや、それより、
あの閃光の原因となった、『アレ』は何だ?

銀時「オイオイ、学園都市ってのはここまで何でもアリだってのか?」

まさか『アレ』も打ち止めに関わっていたりスるのだろうか。

銀時「虚数学区?五行機関?何だそりゃ」

知るわけがなかった。

虚数学区・五行機関が部分的な展開を開始。

該当座標は学園都市、第七学区のほぼ中央地点。

理論モデル『風斬氷華』をベースに追加モジュールを上書き。

妹達を統御する上位個体、『最終信号』は追加命令文を認証。

ミサカネットワークを強制操作することにより学園都市の全AIM拡散力馬の方向性を人為的に誘導

これより、学園都市に『ヒューズ=カザキリ』が出現します。




アレイスター「さぁ、楽しい楽しい潰し合いの始まりだ」

銀時「オイ!」

上条「あんたは…銀さん…?」

銀時「打ち止めについて何か知ってるのか?」

上条「!?何で銀さんこそその名前を…」

銀時「そいつの保護者から人探しを依頼されてんだよ」

上条「保護者…?…あんた…一体何者なんだ?」

銀時「坂田銀時…万事屋さ」

上条「いやコナンくんみたいに言われても」

上条「…あの『天使』も何とかしなきゃいけないけど、取り敢えず打ち止めを…」

上条は携帯電話を取り出した。
発信履歴から電話をかける。
電話はすぐに繋がった。

上条「なぁ!鉄橋まで来たけど、打ち止めはどこにもいなかった!そっちはー…」

一方通行『馬鹿じゃねェのか!?本当に信じてンじゃねェよ!!』

いきなり怒鳴られた。

銀時(この声…)

面食らった上条に電話の男はさらに続ける。

一方通行『あのガキの居場所はもォすぐ突き止められそォだ。オマエはさっさ帰れ!』

これ以上協力出来ない事が胸にささる。
くそ、と呟く上条に

銀時「おい、その電話の相手、多分俺の依頼主だ、ちょっと変われ」

上条「えっ、あ、銀さん!」

銀時は半ば強引に携帯電話を取り上げる。

銀時「よォセロリくん」

一方通行『…チッ、何でお前がそこにいやがンだ』

銀時「これ以上俺を関わらせたくねぇみたいだが、そうはいかねぇよ。報酬はきっちり頂くからな」

一方通行『あーそォかよ。だがお前の隣にいるヤツにも言ったがもォ居場所は突き止められそォだ。お前は一般人に帰れ』

銀時「ったく、勝手な野郎だ。依頼してきたのはそっちだろうがよ。それにここまで関わっちまったんだ、今更後には引けねーさ」

一方通行『…何でそこまで俺に協力しよォとする?お前の隣のヤツと違って、俺がロクでもねェ人間だってのは短い間だが行動共にしたオマエはわかるハズだ』

トリップ取れてるところがありますが全部俺です
時間があればこの土日
なくても来週中には最後でいけそうです

銀時「俺は仕事柄色んな人間を見てきた。まぁそん中でも確かにお前はひとつ抜けてたよ」

一方通行『……、』

銀時「はっきり言やァ人殺しの目だな。あんな黒ずくめに追われてる時点でロクでもねェ人生を送ってきたんだろうよ」

一方通行『…、間違いとは言えねェなァ…』

銀時「けど、お前が打ち止めの話をする時は違った」

一方通行『……、』

銀時「父親みたいな目ェしてやがったよ、いや母親か?その辺はお前もまだちゃんと定まってねぇんだろう」

一方通行『…はァ?オマエ何言って…』

銀時「俺もお前ぐらいの頃は結構やんちゃしたもんだ。護りてぇモンがあったからな」

一方通行『……?』

銀時『…でも結局俺は何も護れなかった。でも、お前はまだ間に合うかもしれねぇ』

一方通行『…そォか』

銀時「助けるぞ、打ち止めを。余計なことは考えるな時間の無駄だ」

一方通行『……、』

返事はなかった。
一方通行はそのまま電話を切った。

銀時「ったく、素直じゃねぇ奴」

上条「いや俺まだあいつに言いたいことあったんだけど」

銀時「あ、ごめん」

一方通行は通話が切れた電話を持ったまましばらく立っていた。

一方通行(アイツもまた、あの『無能力者』様なヒーローなんだろォなァ。少年漫画で主人公でもやってそォな)

そして、『電話の男』が言っていたファミレスへ足を向けた。

一方通行(にしても…ありゃあ何だ?一体この街で何が起こってやがる?)

一方通行が見ていたのは、街の一角に凄まじい光とともに何十本も湧き出ている、翼。

一方通行(まァいい…俺は俺のやるべき事をやるだけだ)

銀時「これからどうすんだ?」

上条「俺は…あの天使を止めなくちゃならない」

銀時「止められるのか」

上条「わからない…でもとにかく魔術的なものならインデックスと合流する方がいいか」

銀時「インデックスってのは地下街でお前と一緒にいた白いガキか?」

上条「あぁ、多分あいつに聞けば何かわかるはずだ」

銀時「ところで、お前の名前まだ聞いてねえんだけど」

上条「え、そうだっけ?」

銀時「うん」

上条「上条当麻、どこにでもいる高校生だよ」

銀時「いや鵜野うずめみたいに言われても」

インデックスは雨の中第七学区を走っていた。

禁書(まったく、あの白い人2人も見つからないし、しかも学園都市にあんなのが出てくるなんて!)

天使。
何であんなものが学園都市に出現したのか、インデックスには全く理解出来なかった。その上、あの天使の情報は10万3000冊の中に存在しない。

禁書(止めないと…あれを止めないと大変なことになる)

少しでも情報を手に入れるためそちらへ注意を向けていたインデックスだったが、

禁書「…、え?」

ふと、インデックスはその天使に何か懐かしさを覚えていた。
それは…
その正体は、

禁書「…ひょうか?」

とある廃墟オフィス

部下「複数の班から連絡が途絶えました。おそらくは」

木原「逃げたか、死んだか…まぁどっちにしろ後で心臓を集めねーとなぁ」

先程白髪の侍にやられるヘマをした猟犬部隊の部下達も車を運転させてここまで来た後に殺した。
クズはいくらでも補充がきく。

部下「誰にやられたのでしょう」

木原「一方通行と…あの白髪の馬鹿侍か…」

木原(ちっ、見た目からしてありゃ学生じゃねぇ…かと言って警備員ってわけでもねぇだろう…じゃあ外から来たってのか?学園都市暗部の構成員を複数相手にしても余裕で生き残るか…)

部下「どうしますか」

木原「まぁいい、こっちはこっちのやることをやるだけだ。アレイスターの野郎もやかましいし」

アレイスターが何を目的として打ち止めを捕獲しようとしてるのかは知らない。
どうでもいいことだ。

木原「学習装置の用意は?」

部下「こちらに」

近くの事務机には打ち止めと呼ばれる少女が横たわっていた。

一方通行は電話の男が言っていたファミレスまで来ていた。
まるで内戦国の建物のように、鉄筋コンクリートが剥き出しになっていた。

一方通行「……、」

電話の男は罠ではなかったのかもしれない。
こんな惨状で打ち止めだけでも逃がしたという男は、本物だ。

一方通行(あのガキならここから逃がされてどう動く…)

そこまで考えて一方通行は目を見開いた。
あるものを見つけたからだ。

これは、
まさか、
そんな、

タイミングを計ったかの様に一方通行の携帯電話に非通知で着信があった。

木原『元気かなーん、一方通行』

携帯電話を強く握りすぎて軋んだ音を立てた。

一方通行「なァンの用かなァ、木原くゥゥン?」


木原『その辺にガキのシャツの切れ端とか落ちてねぇ?わーざわざ残しておいてやったんだがよぉ』

一方通行「ーっ!」

木原『「学習装置」ってのはすげーよな。人間の頭にウィルスぶち込むなんて普通じゃねぇよ。ハハッ!このガキ身体ガクガクに震わせてやがるぜ!』

その後も木原は散々煽ったが、一方通行は取り合わない。
今ここで自分が打てる最善は何か。
しばらく考えてからやがて口を開いた。

一方通行「で、俺はなンてリアクションすりゃいいンだ?」

木原『あ?』

一方通行「俺へ嫌がらせしたいたらさっさとそのガキを殺せよ。でもそれをしねェ。いや出来ねェンだろ?誰かに雇われてンですかァ?」

木原『[ピーーー]』

電話は切れた。
あそこまで煽れば木原は電話の前で目玉のひとつぐらい弾くはずだ。それがないということは、

一方通行「おやおや、コイツは本格的にパシリ確定かよ」

しかし、木原を思いとどまらせる程のバックとは誰か、

一方通行(まさか…学園都市か?)

しまった…>>112>>102の前に入れておいて下さい

一方通行は理不尽に怒っていた。
どうして打ち止めが学園都市の玩具にされなくちゃならないのか?

一方通行「ふざっけンじゃェぞ!!ナメやがってェえええええええッ!!」

絶叫した。
怒りのままにビルに手を突っ込みそのまま「窓のないビル」に投げつけてやろうかと思った。
が、

一方通行「……、」

ある馬鹿侍の言葉が頭によぎった。

一方通行(いや…今やるべきことはそォじゃねェだろ…こンなところでバッテリーを無駄にすンな…打ち止めを助け、木原をぶっ殺すことだけを考えろ!100回殺しても飽き足らねェあのクソ野郎を、この1回に凝縮してぶち殺す!)

普通の方法で木原の居場所がわからないなら統括理事会の隠れ家でも襲って情報を得ればいい。
彼はゆっくり裏路地を歩き始めた。

美琴「どうなってんのよ、あれ」

御坂美琴は呆然と呟いた。
コンビニで買った傘を差し、街の真ん中に立ち尽くしている。
上条当麻を探していたのだが、突然街の一角のビル群が粉塵を上げて崩れていき、鋭く尖った翼のようなものが数十本も飛び出したのだ。
超能力にしても、随分スケールの大きい。
とんでもないところに1人で置き去りにされた気分だった。
そこへ、

美琴「ちょ、ちょっと!アンタこんなトコで何やってんのよ!?危険だって分かんないの!」

いつも上条と一緒にいるシスターがずぶ濡れで美琴を追い抜いた。
美琴は思わずその腕を掴んだが、

禁書「離して!」

インデックスは振り返りもしないで叫んだ。

禁書「行かないと。あそこにいるのは私の友達なんだよ!」

殆ど説明になっていない、錯乱しているのかと美琴が思い始めた時、視界に新たな人影が現れた。

禁書「とうま!…と、銀さん…?」

彼らはこちらに気付いていないらしい。

禁書「ダメだよ、とうま!ひょうかを殺さないでッ!!」

上条当麻と坂田銀時は追われていた。
鉄橋でヴェントを見失ってから、最優先で天使を止めるために都市部へ戻ってきた矢先だった。
打ち止めを追っていたのと同じ黒ずくめの連中に鉢合わせしてしまったのだ。

銀時「おい、上条!ここは俺が先に行く!お前はオトリになれ!」

上条「ふざっけんな!そこは普通逆パターンのセリフを吐くところだろ!?」

銀時「心配すんな、お前のことは一生忘れねぇ!」

上条「心配すんなの意味がわからないんですがッ!?」

銀時「お願い300円あげるから!」

上条「300円は是非欲しいけども!」

そんな馬鹿らしい言い合いをしながら逃走していた時だった。

禁書「駄目だよ、とうま!ひょうかを殺さないでッ!!」

上条「インデックス!?と、御坂!?」

銀時「ほうけてる場合じゃねぇ!こっちだ!」

上条「あ、あぁ!」

上条はインデックスと御坂の腕を掴んで、銀時が逃げ込んだ別の路地へ飛び込んだ。

ひとまず身を隠した上条達だったが、いつ見つかるかわからない。しかしインデックスはそんなことは全く気にしていない様子で、

禁書「お願い、とうま。あそこには行かないで。どういう理屈かはわからないけどでもきっとあそこにいる『天使』はひょうかなんだよ!とうまだけは関わっちゃ駄目!」

上条(まさか…)

銀時「その『ひょうか』ってのは?」

禁書「私達の友達なんだよ!」

インデックスは間髪入れずに答えた。
銀時はそこでインデックスがなぜか自分の木刀を持っていることに気付く。
しかし銀時は別の獲物(醤油が出る)を持っていたし、インデックスはそれどころじゃなさそうなので黙っていた。

禁書「とうま、ひょうかは私がなんとかするから、だからひょうかに手を出さないで!」

あ、この土日中とか普通に無理でした

上条「駄目だ」

禁書「とうま!!」

上条「アイツは俺が止める」

禁書「でもとうまの右手を使ったら…」

上条「死なせねぇよッ!!」

驚きで硬直した彼女に上条は言う。

禁書「殺すためじゃねぇ!風斬を助けるために立ち上がるっつってんだ!」

口をぱくぱくと開閉させるインデックスに向かって

上条「行くぞインデックス。風斬を助けるために、お前の力を貸してくれ!!」

銀時「伏せろ!!」

1番最初に気付いたのは銀時だった。

部下「いたぞ!」

猟犬部隊の叫び声が終わる前に銃声が放たれる。
銀時は上条とインデックスを押し倒すように伏せた。

美琴「ったく、いきなり乱入してくんなっての!!」

美琴の雷撃の槍が猟犬部隊の1人を撃ち抜いた。
しかしもう居場所は割れてしまっただろう。

美琴「行きなさい」

上条「御坂!」

美琴「何だかわからないけど、アンタはまたデカい問題に巻き込まれてるんでしょ」

上条「ま、まぁそうだけど」

美琴「で、その中心点にはあんたの知り合いがいると」

禁書「知り合いじゃないよ。友達」

美琴は羽を生やしている『天使』を眺め、

美琴「あの友達、で合ってんのよね?」

上条「当たり前のこと確認させんじゃねぇよ」

銀時「うし、言いたいことはわかった」

美琴「罰ゲームよ、何でも言う事聞くってやつ」


銀時・美琴「「必ず友達を助けてこいっ!!」」


上条は叫び返そうとしたが、銀時は既に走り出し、美琴は電撃をバチバチと言わせていた。

上条「必ず戻る!だから死ぬんじゃねぇぞ!」

一方通行「トマス・プラチナバーグ…」

統括理事会の1人だ。
一方通行は猟犬部隊の情報を得るために彼の豪邸を襲った。
今はトマスのパソコンを調べている。
セキュリティは頑丈だったが、一方通行に破れない程ではない。

一方通行「…コイツか…」

現在、正体不明の驚異が学園都市を襲っていて、それを取り除くために、打ち止めを速やかに回収する、ということが記されている。

一方通行(ふざけやがって…あ?これは…)

一方通行の目に止まったのは作戦コード名

一方通行「ANGELだと?」

彼は何故か学園都市の一角に出現した巨大な羽を思い浮かべた。

一方通行(…ともあれ俺のやるべきことは変わらねェ…ハッ、ヒットォ!)

猟犬部隊の待機ポイントはすぐ見つかった。
一方通行は邸内を出る。

銀時「おおおっ!」

銀時が猟犬部隊の1人を木刀でなぎ倒す。

銀時「何でも言う事聞く、ねぇ。本当はどんなお願いをするつもりだったんだか」

美琴「ぶっ!?変な言い方しないでよ!っていうかアンタは一体あいつらの何なのよ!?」

美琴が電撃で吹っ飛ばす。

銀時「成り行きで一緒に行動してた」

美琴「成り行きって…」

銀時「つーか、てめぇのそれすげぇな。超能力か」

美琴「私を誰だと思ってんの?学園都市第3位の御坂美琴よ!」

銀時「ったく、どっかのロリコンみたいなこと言いやがって」

美琴「?」

負ける気はしなかった。

禁書「あ、銀さんに木刀返すの忘れてたんだよ」

上条「完全記憶能力はどうした…」

禁書「忘れないことと意識から抜けないことは同じじゃことではないかも」

上条とインデックスは土砂降りの街を走っていた。
背後の美琴と銀時が気になるが、おそらく上条では足手まといにしかならない。

上条(っつーか、銀さん意気揚々と駆け出して行ったけど、戦えるのか)

禁書「とうま、さっきから街が静かなんだけど、これって何なの?」

上条「あぁ、多分この街に入ってきた別の魔術師のせいだ」

上条は今まで起きたことを掻い摘んで説明する。

禁書「多分…それは天罰だよ」

それの発動には嫌悪感や悪意などがキーとなっていることをインデックスから聞いた。
そっちもどうにかしないといけないが、とりあえず風斬の方だ。

上条「風斬の…天使の仕組みはどうなっている!?」

上条「あいつは大丈夫なんだよな!助けられるんだよな!?」

禁書「それは…」

上条「くそ、何でこのタイミングであんなのが出てくるんだ」

禁書「わかんないよッ!」

10万3000冊もの魔道書を丸暗記してるインデックスだが、珍しくそう叫んだ。
あれは『天使』という魔術サイドの代物のはずなのに。

上条「インデックスでも、解けない、か」

風斬氷華はAIM拡散力場によって作られている。
だからそちらがメインではないインデックスに解けないということか。
それなら、

上条「そうだ!」

上条は電話を取り出した。

御坂美琴の携帯に着信があった。

美琴「うええ!?さっき別れたばかりなのに電話?この忙しい時に!」

銀時「とか言いながら嬉しそうに見えるのは気の所為か?」

美琴「きっ、気の所為よ!はいもしもし!?」

上条『天使を止めるためにお前の知識が必要だ!AIM拡散力場関連のアドバイザーが欲しい!!お前だけが頼りだ!任せられるか!?』

美琴「ぶっ!?」

銀時「おいおい危ねーな」

油断した美琴を狙った猟犬部隊を銀時が蹴散らす。

美琴「あ、ありがとう銀さん」

上条『あぁ銀さんもいるのか。大丈夫なのか?』

美琴「あぁ、何者なのよあれ。木刀一本で無双してるけど」

上条『そうか…じゃあ御坂、任せられるか』

美琴「やるしかないんでしょ!こっちは銀さんもいるし」

上条『よし、じゃあインデックス。俺の電話はお前に預けておく。分からないことがあったらこいつに聞け!』

美琴「ええっ!?」

上条『任せたぞ!』

上条はそのまま携帯をインデックスに渡してしまった。
絶句する美琴。

美琴「……、」

銀時「どんまい」

美琴「う、うるさい!」

銀時「どわっあぶねっ!?俺味方!何で電撃撃ってんの!?」

木原「ははっ、スゲーなオイ!なんだよありゃあ!?」

今は使われなくなってオフィスで木原数多は歓声をあげた。
街の一角に現れた『天使』を見ての歓声だ。
最終信号の頭にウィルスを流し込んだ瞬間あれが出現した。

木原「科学者の癖に科学を否定するたぁ、何たる科学者だよオイ、見ろよテメェら!聖書ってのはいつから飛び出す絵本に…」

しかし、猟犬部隊の部下達は誰もがその天使を見ていなかった。
見ていたのは。

木原「あ?」

今まさに空を飛んだ一方通行が窓を蹴り破ろうとしている様子だった。

ガッシャァァ!とガラスの悲鳴が炸裂した。
能力使用モードは既に解放されている。
一方通行は窓の1番近くにいた黒ずくめの男を反対側の壁まで吹き飛ばす。
いちいち生死など確認しない。

一方通行「木ィィィ原くゥゥゥゥゥン!!」

絶叫しながらショットガンの引き金に迷わず指をかける。
狙いは胸から腹にかけての全部。
完全確実に[ピーーー]気だ。

上条当麻は爆心地にいた。
見慣れた第七学区が、瓦礫の廃墟に変わり果てていた。
そして、1人の天使を見つけた。

上条「風斬ィいいいいいいいいいいッ!!」

上条は思わず叫んでいた。
酷い有様だった。

上条(くそ…ふざけんじゃねぇぞ!)

ヴェント「おやおや。大罪人同士、キズの舐め合いでもやってるトコだったかしら」

上条はゆっくりと振り返る。
そこにいたのは、前方のヴェント。

ヴェント「せっかく後回しにしてあげようと思ったのに、自分から殺されに来ちゃったの」

上条「風斬はやらせない」

ヴェント「へぇ。あんな化物にも情が湧くんだ」

上条「テメェ!!撤回しろ!!」

ヴェント「ナニを?私は『神の右席』の一員としてそれを見逃すわけにはいかない」

上条「…もう一度だけ、繰り返してもいいか」

ヴェント「ナニを?」

上条「撤回しろ、クソ野郎」

へぇ、とヴェントは楽しそうに笑う。

ヴェント「じゃあそこの怪物と一緒に、仲良く一緒に殺してアゲル」

上条「やらせるかよ…人の友達を何だと思ってやがる!」

美琴「あの天パ!一体どこに行った!」

美琴は猟犬部隊を蹴散らしながら叫んでいた。
さっきからかわれた時に牽制として放った電撃から逃走したまま、姿が見えなくなっていた。

美琴「ただでさえやること多いってのに」

美琴の所持している携帯は上条当麻、もといインデックスと繋がっている。
今のところ特に指示はない。
バシャバシャと水溜りを走る音だけが聞こえる。

美琴「どこに行ったのよ」

ヴェントはハンマーを振り回す。
空気の鈍器を上条に叩きつけようとする。
しかし上条はそれを右手で防ぐ。

ヴェント「げほっ、クソ、やっぱり出力が落ちてやがる」

口から血を吐き天使を睨みつける。

ヴェント「さっきから面倒くさいわねぇ!気持ち悪い右手ぶら下げて、吐き気がするような『天使』を庇ってどこまで私を笑わせりゃ気が済むのかしらぁ!?」

上条「ふざけんじゃねぇ!世の中にはテメェの持ってる視点しかねぇとでも思ってんのか!」

ヴェント「私は科学が嫌い!科学が憎い!」

ヴェントは歯の間から赤い血を漏らしながらハンマーを振り回す。
上条がそのハンマーを右手で叩き落とそうとした所で唐突にハンマーが虚空へ消える。
上条の拳が空を切ったところで、もう一度出現したハンマーを上条の無防備の腹へ叩きつける。

ヴェント「私をこんな風にした科学が憎い!」

上条はとっさに身をひねったが、それでも脇腹を鈍器が掠める。

上条「ガッ!?」

掠めただけで彼の身体が吹き飛ばされ、そのまま地面に叩きつけられた。

ヴェント「私の弟を見殺しにした科学が憎い!」

訳の分からない罵声を浴びなせながらさらにハンマーを振るう。
しかし、その対象は上条ではなく、倒れていた一般人だった。

上条「なっ」

しかし上条の幻想殺しは間に合わない。
一般人の近くの瓦礫が崩れる。
どう考えても巻きこまれた人が生きているはずがなかった。
一方では天使が放電にも似た攻撃を学園都市の外周へと放っていく。

上条「テ、メェェェェェェェェ!!」

銀時(いきなり電撃ぶちかましやがって、どんな教育受けてんだ)

坂田銀時は爆心地を目指し走っていた。
御坂美琴の方も心配だがもう殆ど蹴散らしたからあいつなら大丈夫だろう。

銀時「『天使』…だっけか。学園都市の外に何か放ってんのか?かぶき町の方にまで被害が出てねぇといいけど」

今日は観光のつもりでこの街に来たのになぜこんなことになってんだと思う。

銀時「あのツンツン頭があれを止めるとか言ってたな…」

『天使』は今も神々しい光を放っている。

銀時「…マジで?」

ビュオッと嵐に吹かれるように突如として粉塵が取り除かれる。
だが、
その奥にいたのは気を失ったまま、しかし傷一つ作っていない一般人だった。

上条「な…?」

ヴェント「あ……?」

上条とヴェントは攻撃は確実に直撃したはずの一般人を見る。

ヴェント(どういうコト…くそ。目の前で一般人を潰せば感情面から揺さぶりをかけられたはずなんだけど)

そこへふわり、と淡い光を放つ綿のようなものが、ゆっくり空から降ってきていた。
鱗粉のようなものが一般人の周囲に漂っていた。
あれがこの一般人をヴェントの攻撃から守ったのか。
上条は後ろを振り返る。
そこには無数の翼から鱗粉を振りまいている風斬氷華がいた。

上条「はは…」

上条はその光景を見て思わず笑ってしまった。

鱗粉は100人でも1000人でも包み込み、ひたすらに守り続けている。
彼らに傷は、ない。

上条「ははは」

誰だか知らないが風斬をあんな風にした人間が生存者の安否を気にしているとは思えない。
ならばこの鱗粉は風斬の意思によって引き起こされた現象だ。

ヴェント「この偽善者が!!何やってんのよ!?」

上条「はは、たまんねーな!日頃から不幸不幸って言ってるけど、これだけあれば十分に幸せじゃねぇか!」

ヴェント「な、ナニを…何のことを言ってんのよ、アンタ!!」

上条「待ってろよ風斬。今インデックスがお前を助けるために動いてくれてる。安心しろ。それまでの間ここは俺が絶対に食い止めてやる!」

一方通行(あのクソ天パと協力したおかげで処理施設でも出来るだけバッテリーの消費は控えた。こいつをぶち[ピーーー]時間はまだ残ってるハズだ)

木原「ちゃーんと狙って撃てよぉ!じゃねーとみんなの迷惑だぜぇ!」

一方通行の放ったショットガンは部下を盾にした木原には届かなかった。

一方通行(邪魔ッくせェ盾だな…)

脚力のベクトルを操作し、木原から『猟犬部隊』へ狙いを変更し、その内の1人の懐へと突っ込む。
そいつをベクトル操作で他の構成員にぶつけ、そのままショットガンをぶっぱなす。
これで木原を除く『猟犬部隊』は1人。

部下「ひっ!?」

一方通行にギロリと目を向けられた最後の男は机の上の打ち止めを盾にしようとした。

一方通行の目の色が変わった。

脚力のベクトルを操作して一瞬で猟犬部隊の真横まで距離を詰めた一方通行は、ショットガンを撃たなかった。
かわりに思いっきり銃身をフルスイングして『猟犬部隊』の顔面を叩き潰す。
あまりの衝撃にショットガンの方もバラバラに砕け散った。

手放され空中にあった打ち止めを抱き抱え、テーブルの上へ優しく置き直す。

木原「カッコイーッ!惚れちゃいそーだぜ一方通行!!」

一方通行「さァて、スクラップの時間だぜェ!クッソ野郎がァあああッ!!」

2人の悪党の叫びが空間を震わせる。

バチバチと放電に似た轟音を撒き散らす巨大な天使を背に、上条はヴェントの元へと突っ込む。

ヴェント「クソッ!」

ハンマーを振りましたがすでに上条は懐へと潜り込んでいる。
トバン!と一撃で空気の鈍器を吹き飛ばすと、さらにヴェントのハンマーを右手で触れようとする。

ヴェント「ッ!」

上条(俺の右手にハンマーを掴まれることを避けた!いける!)

ヴェント「やっぱり近付かれてこっちが得することはなさそうね」

上条「周りを気にしなくていいってんなら、こっちも存分にやりあえる」

ヴェント「ハッ。まるで後ろの化物に協力してもらってるみたいね」

上条「みたいじゃねぇ本当に協力してもらってんだよッ!」

ヴェント「言ってろ!」

上条(こっちは距離を取られちゃ何も出来ない、何とかして近付かねえと!)

上条は駆け出す。

ヴェント「がぁッ」

ヴェントがハンマーを振り回す。

上条が倒れるのが先か、ヴェントの懐へと入り込むのが先かの勝負かと思われた。
が、

ビュン!!とヴェントの頭目掛けて棒のようなものが飛んできた。
それを思わず避けたヴェントの隙を上条は見逃さない。
上条はヴェントの攻撃を打ち消すとそのままヴェントの懐へと突っ込み、そのまま拳を振るう。

ヴェント「ぐああああッ!」

顔面を殴られたヴェントが吹っ飛ばされる。

上条「銀さん!」

銀時「オイオイ、夜だってのに、随分眩しい空間になってんなここは」

銀時は木刀を拾い上げる。

上条「銀さん、御坂は!?」

銀時「押し付け…いやはぐれちまった。まぁ殆ど制圧したしあとはあいつでも大丈夫だろ」

上条「そうか…やっぱりすげぇんだなアンタ」

御坂との共闘とはいえ、明らかにただ者ではない黒ずくめ相手に渡り合うとは。

銀時「で、あいつがお前のいう友達か?どうやって止めるんだ」

上条「あぁ、それは今インデックスがやってくれてる」

銀時「マジでか、インデックスはどこにいるんだ」

上条「この天使を発動させる核の方に…って危ない!」

銀時「うおっ!」

立ち上がったヴェントの攻撃を上条が打ち消した。

ヴェントの攻撃を打ち消した上条の右手に驚きながらも銀時は上条に尋ねる。

銀時「何だ?あの趣味の悪い服の女は」

上条「多分風斬を…俺の友達を殺しに来たんだと思う。させねぇけどな」

ヴェント(チッ…さっき殴られた時十字架に触れられた!これで天罰術式が使えなくなった…)

上条「こいつはさっきの黒ずくめとはわけが違う」

銀時「でももう大分弱ってるみてーだけど」

上条がヴェントの方を向くと、ヴェントの口から地の塊が爆発した。

上条「ヴェント!」

明らかに上条が殴ったことで出る血の量ではなかった。
彼は思わず敵に叫んでいた。

ヴェント「ナニを、馬鹿な声を出しているんだか。アンタら科学サイドが仕掛けたことでしょう?あの『天使』の出現に合わせ、『界』全体へ強制的に術的圧迫を加える…」

詳しくは理解出来ないが、どうやらヴェントは魔術を使うと血を吐くような状況にあるらしい。

上条「馬鹿野郎!!そうまでして戦う理由なんかあるのか!?」

ヴェント「人を殴り殺そうとしているクソ野郎が!白々しいセリフ吐いてんじゃないわよ!」

とにかく木原を殺すしかない。
戦闘終了後に10秒でも残っていれば問題なかった。
廃棄オフィスの片隅には『学習装置』が転がっていた。
あの分なら打ち止めの頭を治療する環境は整っていると言える。

一方通行(だから殺せ。とにかく殺せ!!こいつを殺せば全てが終わる!)

一方通行は木原の元へと突っ込む。
生体電気を、血の流れを逆流させられる魔の手だ。
打ち止めがいるのであまり派手な技は使えないがこれで十分人間は殺せる。

木原「テメェの思考パターンは完全に理解してんだよ!」

当たらないから問題ないとも言いたげな顔で一方通行の手をかわすと、そのままクロスカウンターを放つ。
それは一方通行の反射をすり抜ける。

一方通行「ァ……ッ!!」

決してハンマーの様に重たい一撃ではないが、それを連発されるとどうなるか。

木原「ぎゃはは!!このクソ野郎が!どの面下げて俺の前に立ってんだぁ!?」

木原「どうした小僧ォ!あのガキ助けに来たんじゃねえのかよぉ!?」

一方通行(糞ったれが…!これじゃああのガキを助けるために『学習装置』を使う時間もなくなっちまーッ)

木原「余裕だなぁ、もう勝ったあとの算段かぁ!?」

ゴンという轟音が響く。

木原「テメェさぁ、もしかして自分のことをすげー格好いいとか思ってんのか?」

顔面を潰されるような一撃に一方通行の足がふらつく。

木原「ぎゃはは!ふざけんじゃねぇよ!テメェは一生泥ん中だ!」

一方通行の身体がついに床へ崩れた。

一方通行(…どいつもこいつもあのガキを狙いやがって。地獄へ行くのは、俺とお前だけでいい。そこにあのガキを巻き込むンじゃねェよ)

これ銀魂でやる必要あったのか?
とか考えない

もう少し待ってください

大変遅くなってすみません
続きやります!

ヴェント「ところで」

ヴェントは銀時の方を一瞥した。

ヴェント「アンタはここへ何しに来たわけ?そこの幻想殺しの知り合いかしら?」

銀時「い、いまじ…何だって?」

ヴェント「そう、そんな段階なの」

勝手に納得するヴェント。

ヴェント「見た所この街の警備員とかいうのとは違うみたいだけど」

銀時「そりゃあな、俺外の人間だし」

ヴェント「外ねぇ…不用意に首突っ込むと、死ぬわよ」

銀時「心配してくれてありがとさん」

適当な調子で言う銀時。

ヴェント「そう…引く気は無いってことね…それじゃ」

上条(来る!)

ヴェント「二人一緒に[ピーーー]!この偽善者共!」

ヴェントがハンマーを大きく振りかぶった。

ズォ!という轟音と共に、銀時に空気の鈍器が物凄いスピードで襲いかかる。

銀時「うおお!?ったく、さっきからこりゃどういう原理の攻撃なんだか」

銀時は間一髪の所でかわす。

上条「[たぬき]の空気泡みてぇなもんだ!」

魔術についていちいち説明しても仕方ないし、上条自身も完全に理解しているわけではない。

上条(やっぱり最初に戦った時よりキレが落ちてる…これなら!)

駆け出した上条に向かってヴェントは血まみれの歯を食いしばりハンマーを上から下へ振るう。

ヴェント「神の右席を…ナメてんじゃないわよ!!」

上条「がッ!?」

空気の鈍器はかわせてもそれが撒き散らす瓦礫の破片まではかわせない。
瓦礫が上条の全身を叩きつける。

上条「げほっ、くそ…!」

銀時「おい上条」

上条「?」

銀時「俺が特攻しかけるからテメーはあとからついてこい」

上条「でもっ」

銀時「あんま大人に恥じかかすもんじゃねぇよ。心配すんなこういうのは慣れっこなんだよ」

銀時「おおおおおおおお!!!」

雄叫びと共に銀時がヴェントに木刀を打ち付ける。

ヴェント「おおっ!」

迎え撃つハンマーと拮抗する。
本来であれば銀時の様な普通の人間では神の右席として特別な調整を受けているヴェントには上条の様な例外を除けば歯が立たないだろう。
しかし彼女は今弱体化している。

銀時「流石学園都市製の木刀ってとこか、頑丈さが違うなやっぱ!」

ヴェント「クソッ!」

ガキン、と銀時木刀がヴェントのハンマーを一瞬浮かす。
その隙を上条は見逃さない。
一気に距離を詰める。

上条「終わりだ!ヴェント!!」

ヴェント「っ…!」

上条の拳がヴェントの顔面に突き刺さる数センチ前だった。

ヴェント「がああああああああ!!!」

血を吐きながらもヴェントは力を振り絞りハンマーを振り回した。

暴風に上条と銀時の身体が吹っ飛ばされる。

銀時「ぐああああああああっ!!」

上条「くそっ、大丈夫か銀さん!」

銀時「…げほっ、げほっ、チッ、野郎化物か」

全身を激しく地面に叩きつけられ頭から血を流しながらも銀時は立ち上がる。
立ち上がり、ヴェントに再度向き合う。

ヴェント「ぐっぷ…こぼっ!!」

攻撃は受けていない筈のヴェントも血まみれの歯を食いしばっていた。
今の学園都市では魔術を使うと使用者もダメージを受ける。

ヴェント「アレイスターの野郎…!」

上条はそんなヴェントを見て。

上条「ハッ、レスキューが必要なんじゃねぇのか」

ヴェント「ふざけんじゃ、ないわよ…」

上条「悪いがこっちも立て込んでんだ。さっさと病院送りにしてやるよ!」

ヴェント「黙れ!!私はもう二度と、科学なんぞに身を預けない」

銀時「もう二度と…?」

銀時が眉をひそめたのを見てヴェントの顔により一層深い怒りが刻まれる。

ヴェント「……私の弟は、科学によって殺された」

上条「なに?」

ヴェント「遊園地のアトラクションで誤作動を起こしたおかげでね。科学的には絶対に問題ないって言われてたのよ!」

上条「お前…」

ヴェント「何重もの安全装置、全自動の速度管理プログラム、そんな頼もしい言葉も全く意味がなかった!」

銀時「……」

ヴェント「だから私は科学が人を救うなんて信じない。そこの天使だって同じよ。何が人を守るだ。その陰でしっかり破壊しているじゃない!」

上条は言葉もなかった。
そんな彼にヴェントは舌を出して言う。

ヴェント「驚いたぁ?世界を統べる神の右席の1人がこんな理由で戦ってるなんて。でもね、私はそれほど科学を潰したいほど憎んでるのよ!」

激昂はしてもすぐさま攻撃はこない。
ヴェント自身、体力の限界を肌で感じているのだろう。
その後もヴェントの独白は続いた。

ヴェント達姉弟の血液型は珍しいB型のRh-だったこと。
それゆえに病院にストックが少量しかなく姉弟のどちらか1人しか助かりそうになかったこと。
それを聞いた弟が姉を助ける為に自分から犠牲になったこと。

ヴェント「科学は私達の道を奪い、救いの道だと思っていた聖書さえこうして冒涜で塗りつぶそうとしてる!科学なんて人の邪魔しかしない!」

肩で息を吐き、自らの力を倍加させるように、ビリビリと空気を震わせて、叫ぶ。

ヴェント「だから私は科学が嫌いで科学が憎い!科学ってのがそんなに冷たいものなら、全部ぶち壊して、もっと暖かい法則で世界を満たしてやる。それが弟の未来を食いつぶした私の義務だ!」

上条「―――――、」

何ということだろう、と上条は思った。

結局ヴェントは自分のせいで弟を死なせてしまった事を、ずっと悔いているのだろう。
彼女にとって一番の敵は、おそらく科学ではなく自分自身だ。
その手で守ろうとした者を死なせて今を生きている、ヴェント自身のはずだ。

『神の右席』前方のヴェント。
天罰術式を扱い、全世界から恨まれる人生を選んだ、死んだ弟のためだけに、破壊に走る彼女。

とても、上条では真似出来ないと考えた。
その上で、彼は言う。

上条「ふざけん」
銀時「ふざけんじゃねぇよ」

なに?とヴェントは眉をひそめる。
上条も言葉を遮られて若干驚いていた。
銀時は続ける。

銀時「つーかよ、さっきから黙って聞いてりゃ勝手なことばっか言いやがって。そのアトラクションや医者だってお前達を傷つけたくなかったに決まってんだろ」

ヴェント「黙れ…」

銀時「俺には血のつながった家族はいねぇ。けどわかる」

銀時は今は学園都市の外にいる仲間達を思い浮かべながら。

銀時「お前の死にかけてた弟はお姉ちゃんを助けてくださいって、どんな気持ちで言ったんだ?テメーがどんな状況にいるのか全部知った上で、それでもそいつはお前を助けたいって願ったんじゃねぇのかよ!」

ヴェント「説教がなげえんだよおおおおおお!!!」

激昂のあまりヴェントはがむしゃらにハンマーを振り回した。
これまでのような計算はない単純な攻撃。
銀時を狙った空気の鈍器は彼を庇うように立ち塞がった上条の右手によって打ち消される。

銀時「おー、あぶね、相変わらず訳のわからねぇ右手だぜ」

上条「ったく、俺のセリフ取りやがって」

銀時「ま、要するにだ。お前の弟は何を願ってお前を助けたかってことだ」

ヴェント「……」

上条「あぁ、少なくとも、科学に対して復讐をして欲しいだなんて絶対に願ってなかったはずだ」

ヴェント「…笑わせる…その程度の言葉で私の道が変わると思うワケ?この道は私が決めた。たった今、ココで話を聞いただけのテメェらにそうそうねじ曲げられるわけがないのよ!」

一歩だけ後ろに下がると、体に残ったわずかな力を振り絞って、重たいハンマーを持ち上げるて、構える。

銀時「そうかい。だったらもうこれしかねぇな。テメーが弟の願いを無視して、科学を憎み続けこれ以上被害を増やすってんなら」

応じるように上条は右拳を、銀時は木刀を握りしめ正面からヴェントを見据える

銀時「まずは、その幻想をぶち殺す!」

互いの距離はわずか5メートル。
あれだけ弱っているヴェントなら一撃入ればそれで意識を奪えるだろう。
しかしその間にヴェントも一撃を放てるはずだ。
正面からの小細工なしの勝負。

周囲の瓦礫がガラリと崩れる音と共に、火蓋は切って落とされた。

上条の体が前に突き進む。
ヴェントはハンマーを連続で振り回し、血を吐きながら1度に七つもの風の鈍器を生み出す。
それらは互いに食い合い、一本の巨大な杭と化した。

「おおおおおおおおおおおおおッ」

上条とヴェントは叫ぶ。
拳と杭はほぼ同時に飛んだ。
ゴオッ!!という轟音と共にヴェントと上条の間を杭が突き抜け、雨粒が砕け散り、粒子状に吹き飛ばされた。
細かい霧状になって爆発した雨粒が、瞬間的に視界を塞ぐ。
音が消えた。

間に合わない、と上条は思った。
このままでは自分の拳が届く前に杭が頭を貫く。
しかし、上条は足を止めない。

ガコン!と何かと何かがぶつかる音がした。

ヴェント「このっ…野郎!」

坂田銀時の木刀がヴェントのハンマーをかちあげた音だった。
銀時は上条を見て、一言。


銀時「行け、この馬鹿野郎の幻想をぶち殺してやれ」

ヴェント「……ッ!!」

上条(ありがとう…銀さん)

ヴェントは再度体制を立て直そうとするが、間に合わない。

上条「お前の弟に比べりゃ全然大したことないが…少しだけお前を救ってやる。もう1度やり直して来い、この大馬鹿野郎!」

ゴン!と上条の拳がヴェントの鼻っ柱に突き刺さった。
彼女の体が数メートルも飛んで、雨に濡れたアスファルトの上を転がった。

もう身体はボロボロだった。
それでも立ち上がる。
一方通行には立ち上がる理由がある。

一方通行(時間は、あと何分残ってやがる…)

木原「随分と頑丈になったもんだなぁ一方通行、あんなヒョロっちかったガキがよォ。似合わねぇことしやがって」

一方通行「オマエにゃ一生わかンねェよ」

一方通行はクソ野郎を潰すために一歩踏み出す。
木原のパンチが自分に何故か有効であろうとこちらから攻撃を加える方法はいくらでもある。
『あの時』レベル0との戦闘では頭が滅茶苦茶になってまともな判断が出来なかったが、今なら出来る。
しかし思考がまとまる前に木原が怒鳴る。

木原「だからさぁ、テメェの考えてることは全部お見通しなんだっつの!」

一瞬で一方通行の懐に潜り込んだ木原は今度こそ確実に潰すために拳を振りかざす。

土砂降りの雨の中上条は道路に座り込んでいた。
ヴェントは意識を失ったがこれで問題が解決したわけじゃない。
天使。
風斬氷華を何とかしなければ何も解決しない。
しかしその手の知識に疎い上条には何も出来ない。
今はインデックスを信じて待つしかない。

上条「それに…」

打ち止め。彼女の問題も解決していない。

上条(あの電話の野郎、ちゃんと助けてるといいんだけど)

ヴェントは無力化したが、未だ天罰術式で昏倒した人達は目を覚まさない。
悪いと思いつつも打ち止めの携帯で救急車を呼ぶ。
上条自身の携帯はインデックスに預けしまっている。
風斬にもまだ何が起こるか分からない以上ここから離れるわけにはいかない。

上条(にしても)

上条にはもうひとつ引っかかることがあった。
近くで昏倒している人達の様子を見て回ってる間にある人物が上条の視界からいつの間にか消えていた。

上条「銀さん…どこに行ったんだ?」

美琴「あとっひと、りっ!!」

部下「ひ、」

御坂美琴は学園都市の裏路地で黒ずくめの舞台の無力化を図っていた。
坂田銀時がいきなり消えた時はびっくりしたが、よく考えたらこんな連中1人で十分だった。
美琴が最後の電撃を放とうとしたその時だった。

銀時「どっせーい!!!!」

部下「ぐえぇ!」

銀時が猟犬部隊の最後の1人へ飛び蹴りをかました。

銀時「ふうっ」

美琴「あ!アンタ!一体今までどこ行って…えええええええええええ!?」

美琴は銀時の姿を見て驚愕を顕にする。
銀時の姿が前に見た時と違い血まみれだったからだ。

銀時「ったく、全員気絶させちまったら情報聞き出せねぇだろうが」

美琴「っていうかあんたその傷どうしたのよ!?」

銀時「ん?あぁいつものことだ気にすんな」

美琴「いつものことって…」

美琴はいつも気付いたら病院に入院してるツンツン頭を何となく思い浮かべてから聞いた。

美琴「って、情報?」

銀時「あぁ、こいつらの親玉の居場所だ」

部下「うぅ…」

倒れていた猟犬部隊の1人が呻き声を出した。

銀時「あ?」

部下「はァ…お前…あの時俺達の邪魔をした奴か」

あの時。
大通りで一方通行をあと一歩まで追い詰めた時に、この白髪頭が乱入してきたのだ。

銀時「え?違いますけど」

部下「何でそこで意味の無い嘘付くの!?」

思わず素でツッコミを入れてしまった猟犬部隊はそのまま続ける。

部下「あのガキ、打ち止めなら今はもう木原さんに捕られてるよ…ははっ、残念だったな、テメェは一足…ぶごろっ!」

彼がいきなり間抜けな声を出した理由は銀時が倒れていた部下に追い討ちをかけたからだ。

美琴「ちょ」

銀時「モブの癖にセリフがなげぇよ。さっさとその木原とやらの居場所を吐きやがれ」

部下「で、出来ない…そんなことしたら木原さんに殺される…!」

ったく…と何を言ってるんだこいつはと言わんばかりの顔で。

銀時「心配いらねーよ、今からそいつもテメーらの組織もまとめてぶっ潰してくるんだからな」

ここまで
銀さん行ったり来たり大変だなぁ

いやどれだけかかるかわからないけど頑張って終わらせます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月20日 (日) 21:42:13   ID: WcwcbhXZ

ここで終わらすのは勿体ない

2 :  SS好きの774さん   2017年01月30日 (月) 20:49:23   ID: 6C7HMeGF

続き期待

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