提督「とりあえず視界に入った艦娘のスカートめくる」 (85)


大淀「……帰ってきて早々なんなんですか」

提督「面白そうだから、かな?」

大淀「いやいや、会話してください提督」

提督「つい。……多摩はどう思う?」

多摩「知らんにゃ。多摩はまだ休暇中に無理矢理引っ張りだされたことを根に持ってるにゃ」

大淀「その割に膝の上からは降りないんですね」

多摩「ここは多摩の指定席にゃ」

提督「知らなかった。俺の膝の所有権を俺が有していなかったのか」

多摩「罰と思うにゃ」

提督「全然罰じゃないんだよなぁ……」

多摩「ねー?」
提督「ねー?」

大淀「仲良いですね。とりあえず蹴っ飛ばしていいですか?」

提督「やめろよ。多摩が転がり落ちるぞ」

多摩「それは勘弁にゃ」

大淀「とりあえず視界に入った提督を蹴っ飛ばしてみる」

提督「ヤメロ」


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大淀「……はぁ。で? 改めてなんでしたっけ?」

提督「スカート捲りをな、しようかなと」

多摩「なぜ?」

提督「初心に帰って」

大淀「どちらかと言えば童心ですね。しかも悪い帰り方です」

多摩「土に還れにゃ」

提督「君ら最近俺に当たり強くない? ってかあれか?
   当時にもそういう風潮と言うかあったのか? スカート捲りっての」

大淀「んーそうですね。あったにはあったみたいですよ? といっても我々も船ですから。
   陸での子供達がどう生活していたかなんて伝聞程度にしか知りませんけど」

提督「ふぅん……」

多摩「ちなみに多摩はいま普通の支給品の下着をつけてるから捲っても面白くないにゃ」

提督「どれどれ?」

多摩「おい」

提督「本当だ。色気ねぇパンツだな」

多摩「……うっせぇにゃ」

提督「大淀は……」

大淀「……な、なんですか?」

提督「捲らなくても……こう、腰の所の穴を広げれば見えるしな」

大淀「あわわわっ!」

多摩「うわぁ、いかがわしさが尋常じゃないにゃ」

大淀「恥ずかしいです! なんかすっごく恥ずかしいんですけど!」

提督「んー、暗くてよく見えない」

多摩「人に見られたら即座に終わる絵面にゃ」

提督「じゃ、とりあえず行ってくるわ」

多摩「仕事は終わってるにゃ?」

提督「例によって終わらしてる!」

大淀「はいはい。留守は任せてくださいな」

提督「さんきゅー!」


―――

利根「ふんふんふふーん♪」

提督「……さってどうしようかなぁ」

利根「んに?」

提督「誰にしようかなぁ……」

利根「おぉ! こんな所で暇そうじゃな、なにか困りごとならこの利根が力になるぞ!」

提督(……わざわざ無視してやったのになんで自分から攻めてくるかなぁこの子は)

利根「む? おい提督よ。無視か? 無視なのか? 泣くぞ?」

提督「おっと! 利根じゃないか! 全然気づかなかったよ、あーびっくり!」

利根「なんじゃ気づかなかっただけか、ほっ」

提督(ほっ。とか口頭で言うなよ……)

提督「どうしたんだ利根こんな所で」

利根「うむ。カタパルトの整備をしていたのじゃ! 改二になってからすこぶる調子が良くてのう」

提督「と言うか以前がおかしかったんだ。なんで大事な場面で必ず不調になるんだよ」

利根「吾輩に言うな!」

提督「あ、はい。……じゃ、俺はこっちだから」



利根「まぁ待て! 吾輩も整備が終わって暇なのじゃ、構え」

提督「構えってお前……多摩でももう少し低空飛行で来るぞ。上から過ぎてもう見えねえよ」

利根「暇じゃ暇じゃ暇なのじゃー。筑摩の奴も今は哨戒にでてしまっておるし」

提督「他に絡む奴いねぇのかお前」

利根「普段は初春とか鳳翔とか神通とかと遊んだりするのじゃが二人もいまは忙しそうでな」

提督「その面子でなにして遊ぶんだ?」

利根「麻雀とか、ポーカーとか」

提督「やべぇ強そうだ。今度混ぜろよ」

利根「構わんぞ!」

提督「じゃ、俺はこれで」

利根「なんでじゃ!?」 ぐいぐい

提督「お前……なんで俺がわざわざ避けてやろうとしてんのに今日に限ってぐいぐい来るんだよ……見られたいのか?」

利根「どうせお主も仕事がないからぶらついているのであろう? なら吾輩に構ってくれてもいいではないか!」

提督「あー引っ張るな引っ張るな。一張羅が伸びる……ったくしょうがねえなぁ」

利根「おっ! 観念したか?」

提督「よしっこい!」


―――

提督「ぉぉぉ……」

利根「す、すまぬ……」

提督「ちげぇから……こいって、かかってこい的な意味で言ったわけじゃねぇから……」

利根「だ、大丈夫か?」

提督「流石に改二になったお前に全力で気の抜けた腹筋ぶち抜かれて大丈夫な訳ねぇだろ……おふっ」

利根「悪気はないのじゃ……許してください」

提督「いいや許さん。俺の『流石にお前にやったらシャレにならない』という色々なアレを不意にした挙句この仕打ち……もう躊躇わん」

利根「どうすれば許してくれるのじゃ?」

提督「万歳しなさい」

利根「? うむ、これでよいか?」

提督「うんうんオーケー。せぇの、よいしょー!」

 (利根の服が盛大に捲れる音)

利根「……?」

提督「……」

利根「……終わりか?」

提督「お前、なんで無反応なん?」

利根「なんでと言われても……なんじゃ見たかったのか?」めくり

提督「うわー!? お前なにやってんだ!」

利根「お主がいまやったことではないか! なにを焦っているのだ!?」

提督「自分で捲るとか……やらしさ当社比五倍じゃねぇか!」

利根「?」

提督「案の定穿いてねぇし! くっそ覚えてろよ!」

利根「あっ! こら、どこへ行く!?」


―――

提督「ふーあぶねぇあぶねぇ。これはただの悪戯の筈なのに危うくCEROがD判定受ける所だった……」

提督「まぁでも雷と電と違ってただノーパンなだけだからまだマシか……」

愛宕「なにがマシなんですかぁ?」

提督「……チェンジで」

愛宕「張っ倒されたいのかしら?」

提督「だっておかしいだろ。なんで今日に限って絡んでくるんだよ」

愛宕「私は最初からここに居たもの。提督が来たんでしょ?」

提督「居るなよここに!」

愛宕「今日の提督はなんでそんなに好戦的なのかしら? 受けて立つわよ」

提督「しょうがねぇだろ! 今日の俺は健全に反応を見て終わろうと思ってるのに不健全な奴とばっかりエンカウントするんだから!」

愛宕「……せいっ!」

提督「ぶべらっ!」

愛宕「誰のタンクが不健全ですって?」

提督「お、……おっぱいビンタとか初めてされた! いてぇ! なんつー質量のもんぶら下げてんだテメー!」


愛宕「肩が凝るのもわかるでしょう?」

提督「文字通り痛感したわ爆弾おっぱい!」

愛宕「もう一発いく?」

提督「やめろ。俺の首がもたない」

愛宕「で? 今日はどんなお馬鹿な事をしてるのかしら?」

提督「んん、なんのことかな?」

愛宕「誤魔化すの下手ねぇ。というかもう鎮守府全体で噂になってるわよ?」

提督「噂?」

愛宕「提督が何かにつけて悪戯をしてくるって」

提督「まったく誰がそんな根も葉もない噂を」

愛宕「根も葉もないって……実際にされたって娘も結構居るわよ?」

提督「……」

愛宕「……」

提督「とりゃ!」

 (スカートが捲れる音)

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「愛宕、いっきまーす!」

提督「助走やめろ! 首が折れるから!」


―――

提督「なぁ多摩。ブイでの射撃訓練ってどう思う?」

多摩「は?」

提督「ブイを狙った射撃訓練」

多摩「……静止した目標を撃っての訓練が必要な艦は今の所いないにゃ。新入りの初月やらザラとかもそのレベルはもう通り過ぎたにゃ」

提督「だが、銃の練習は定期的に静止目標を対象に行うぞ?」

多摩「どちらにしろわざわざ低い位置のブイを狙わないでちゃんとした的を用意するにゃ。あと一つ言うと愛宕のアレはブイじゃないにゃ」

提督「嘘をつくな。めっちゃ痛かったぞ。硬かったぞ、あれはおっぱいじゃなくてブイだ」

大淀「一般的に成長中の胸は張って硬く、成長が終わって成熟すると柔らかくなるようですよ」

提督「おい、それってつまり愛宕の胸は今尚成長中って事か? 恐怖以外の何物でもないぞ」

多摩「っていうかなにをしたらそこまで愛宕を怒らせるにゃ? スカート捲りだけじゃキャラ的に怒らなそうにゃ」

提督「えーっと確か……」


 提督『なにがぱんぱかぱーんだ。ぱっぱらぱーなのはお前の頭だしぱかぱかなのはお前の股――』


提督「みたいなことを言ったら連続乳ビンタよ」

大淀「自業自得というか、むしろよくそこまでの言葉を口にしようと思いました」

多摩「そりゃそんなこぶとり爺さんの悪い方の爺さんみたいな顔になるにゃ」

提督「あの時は少し荒ぶっていた、反省してる」

大淀「大量のブイの中で沈んでる提督を発見した時は『あれ? 死んだふりに戻った?』 と思いましたよ」

提督「今までで一番死に近づいた気がする」


多摩「ちなみに提督は胸は小さい方が好きなんだったかにゃ?」

提督「んー難しい。大きいのも嫌いではないが、手の平に収まるくらいが好きだ。やっぱり柔らかいのが一番」

多摩「じゃあ龍驤は?」

提督「薄いけどちゃんと柔らかいぞ? あいつ」

大淀「つまりさっきの話に戻ると龍驤さんの胸は成長中じゃ――」

提督「ない」

大淀「未来の可能性は――」

提督「ない」

多摩「振りむか――」

提督「ないぞ絶対。俺は決して扉の方を見ないぞ」

多摩「……ま、流石にいないけどにゃ」

提督「なぁーんだ――」

龍驤「  」

提督「いるじゃねぇか!!!!」


―――

龍驤「ちゃうねん。うちはな? 別に胸の事を言ったからめぇ三角にしておこてるわけちゃうねん」

提督「はい」

龍驤「実際いままでうち貧乳ネタで弄られてごっつ怒ったりしたことあった? ないやろ? 美味しいからな」

提督「はい」

龍驤「でもな? あかんやん、本人いーひん場面でやったら、そら弄りやのぅてただの蔭口やろ?」

提督「そうですね」

龍驤「そーいうのがアカンゆーてんねん、わかるか?」

提督「すみませんでした」


―――

龍驤「じゃ、うちはこれで行くけども。あんま陰でこそこそゆぅたらあかんで?」

提督「はいすみませんでした」

龍驤「ほなな」

提督「はいお疲れさまです」

龍驤「……」

提督「……?」

龍驤「……あれなん?」

提督「ん?」

龍驤「今回はうちはえぇの?」

提督「へ?」

龍驤「や、なんでもないわ。ま……あれや、気ぃ向いたら顔出してや」

提督「お、おう」

龍驤「ほな」

 バタン

提督「……ふぅ」

大淀「あ、終わりました?」

多摩「結構長かったにゃ」

提督「お前らさっさと他所行きやがって」

大淀「だって関係ないですもん」

提督「お前らが誘導したんだろが」

多摩「「なーんも知らんにゃ」

提督「ちくしょうめ……。もういい、この憤りは次の奴にぶつける」

多摩「流れ弾が尋常じゃないにゃ」

大淀「ご愁傷さまですね」


―――

提督「……また破廉恥な奴が来たよ」

青葉「誰の所為だと思ってるんですか!」

提督「お前が余計な法螺をふかなければよかっただけだ」

青葉「元を正せば提督が変に手の込んだ悪戯するからですよ!」

提督「お前なぁ……じゃあ言おうか? いまお前がどうしてそう元気にしていられるのは誰のおかげだと思ってるんだ?」

青葉「……どういう意味ですか」

提督「あの後龍田が出鱈目吹き込んできた青葉を自慢の獲物の錆にしようとしたのをフォローしたのは誰だと思う?」

青葉「え」

提督「大変だったんだからなフォロー。今頃いつぞやの秋刀魚よろしく三枚に下ろされて
    パリッパリに干物にされた挙句深海棲艦に美味しく頂かれててもおかしくないんだからな」

青葉「……どうもすみませんでした」

提督「それを思えばお前、そんな恰好する程度で済んでよかっただろ?」

青葉「いや、これもかなりキッツイですけどね」

提督「……」

青葉「な、なんですかじろじろ見て」

提督「雪風ならともかくそれなりに成熟した身体の奴がその恰好してると誘ってる感が半端ないな」

青葉「隼鷹さんにも言われました」

提督「つか裾引っ張って前を少しでも隠そうとするのやめろ。エロさが上がる」

青葉「丸出しで居ろって言うんですか!?」

提督「丸出し……あぁそういえばその格好だとスカート捲りのしようがないな」

青葉「……今度はなにをしてるんですか……」

提督「仮にそれでも青葉になにかしようとするなら……パンツを脱がすくらいか」

青葉「ちょっ!?」


―――

青葉「いやぁぁぁ! た、助けてぇぇぇ!!!」

提督「暴れるな、暴れるなよ」


古鷹「……」


青葉「司令官に犯されるぅぅ!!!」

提督「おい! 静かに……大人しくしろ!」



古鷹「……」


青葉「ちょっ! やめ、本当に脱がす気ですか!?」

提督「じっとしてればすぐ終わるから! つか雪風パンツ穿けよ! なんで自前なんだよ!? 余計に絵面がまずいわ!」

青葉「いや……お尻がちょっと」

提督「お前お尻大きいキャラだっけ?」

青葉「最近少し……」

提督「……」

青葉「……」

提督「……おら! お前の青葉をみせんだよ!」

青葉「いやぁぁ! 服装の所為でただでさえ寒いのに余計に寒くなりますぅぅ!!!」


古鷹「……えぇぇ?」

青葉「あっ! 古鷹さん! 重巡みんなのお姉さん古鷹さん! 助けてください!」

提督「良い所にきた古鷹! 青葉抑えつけろ!」

古鷹「えと、えと……」

 どちらにしたがう?

      ていとく
  ニア
      あおば

古鷹「じゃ、じゃあ間を取って青葉が自分で脱ぐというのは」

 ふるたか は こんらんしている !


青葉「ちょっと古鷹さん一体何をぉぉ!?」

提督「それはダメだ! 流石に不健全だ!」

青葉「この状況が健全だとでも言うんですか!?」

提督「……不健全だ!?」

青葉「えぇぇぇ!? マジですか!?」

鈴谷「なにしてん――」

 すずや が あらわれた !

提督「ん?」

青葉「あ、鈴谷さん!」

鈴谷「そ、そういう事は部屋でやった方がいいし!」

 すずや は にげだした !

青葉「待って! 逃げないでください!」

古鷹「あわわ」

青葉「誰か、誰か頼りになる重巡仲間は……」

加古「ん?」

 かこ が あらわれた !

提督「これは俺が青葉の立場でも手を伸ばすのを躊躇う藁が来たな」

青葉「そ、それでも加古さん! お願いします」

加古「なにやってんの?」

 かこ は ねぼけている !

提督「青葉のパンツを脱がそうとしてんの」

加古「……パンツ」ぺろ

 かこ は じぶん の スカート を めくった !

加古「あ、今日は穿いてるか」

青葉「え、なにしてるんですか?」

加古「寝起きだとたまに穿いてない時あるからさー」

提督「お前黒い悪魔ンかよ」

古鷹「? エーリヒ・ハルトマンですか」

提督「あ、そうか。お前らにこのネタ振っても元ネタがでてくるのか」

足柄「……なんか面白そうなことやってるわね」

青葉「あっ! 重巡最高練度の足柄さん! 助けてください!」

足柄「……んー、眠い」

 あしがら は でいすい している!

青葉「……」

提督「あれ、ウチの重巡ってこんなにポンコツばっかだったっけ?」

青葉「もう、青葉にはわかりません」

提督「ノーパンとおっぱい爆弾と破廉恥とポンコツしかいねぇとかマジか」

愛宕「おっぱい爆弾って誰の事かしら?」

提督「あ」


―――

提督「すぅー……はぁー……」

提督「……あー。いい天気だなぁ」

曙「……」

提督「あ、ぼのやんだ。曙ー」

曙「……」

提督「あれ? ……曙ー! ぼのやーん!」

曙「……」ちら

提督「おうおう、こっちおいでー」

曙「……」ぷい

提督「あっれー? あけぼのー、ぼのぼのー!」

曙「……」

提督「……俺の曙ー」

曙「もう、その呼び方やめてって言ってるじゃない」てこてこ

提督「……お前、本当可愛いな」

曙「は、はぁ? なによ急に!」

提督「当たり前のように隣に座るしな」

曙「……なによ。都合悪い?」

提督「いいや?」


提督「……すぅー」

曙「……」

提督「はぁー……」

曙「で、どうしたのよ」

提督「んあ? なにが?」

曙「なんかあったんでしょ?」

提督「どうしてそう思うんだ?」

曙「わかるわよ。どんだけ付き合いが長いと思ってるのよ。あんた、なにか凹んだ時にはキツい煙草吸うじゃない」

提督「……そうか?」

曙「そうよ。珈琲飲むときはキャスター、こってりしたもの食べた時はメンソール系
   辛いもの食べた後はアークロイヤル。で、凹んだ時はechoかマイルドセブンのオリジナル」

提督「よく見てるな」

曙「ま、ね」

提督「……すぅ」

曙「別に話したくないなら別にいいけど」

提督「はぁ……」

曙「……いい天気ね」

提督「あぁ、雲一つない。春が近いんだな」

曙「……」

提督「……実はな」

曙「うん」

提督「困ってる事があってな」

曙「……私になにかできることある?」

提督「あるといえばある、けど……」

曙「言いなさいよ。なんでもやってあげるわよ」

提督「……どうしてもな、不健全になるんだ。俺は健全に悪戯して笑いたいだけだったのに」

曙「……は?」

提督「スカート捲りしててさ、めちゃ痛い思いもするしさ」

曙「……はぁぁぁ!?」

提督「と言うわけで、困ってたんだ」

曙「心配して損したわ! このクソ提督!」

提督「そんな」


曙「……」

提督「……すぅー」

曙「……っ」

提督「はぁー……」

曙「……~~!!! もうっ!」

提督「うおっ! どした」

曙「で、私はどうすればいいのよ!?」

提督「え、してくれるの?」

曙「なんでもやってあげるって言ったでしょうが!」

提督「……じゃあスカートめくっていい?」

曙「……ん」


 グラウンド前。夏場は木々が生い茂り葉鳴りの音が心地よいここも、
今は春に向けて力を蓄えてる途中の寂しい木々が立つばかりの庭。
そんな開けた日の当たる場所にあるベンチに俺は腰かけたまま正面に立つ曙を見つめる。

「ほら、好きにしたらいいじゃない」

 口調はどこまでもぶっきらぼうで、ともすれば蓮っ葉ですらあるけれど。
鬼灯のように紅潮した頬と、少しツンと尖らせた唇が曙の羞恥を現している。

「じゃあ遠慮なく」

 そっぽを向いた曙の横顔に声をかける。
それを聞いて曙はぎゅうと強く目を瞑ってその時を待っている。
ふるふると震えているのは恐怖からではなくて、やはり強い羞恥心で。

 前髪と共に日光に透かされる長い睫毛まで揺れているのをみつめながら
俺はそって彼女に手を伸ばす。

「……っ!」

 指先がスカートに触れる。
触れただけで、けれど曙はびくりと身体を大きく震わせる。
恐らくすぐにでも俺の手首を掴んで止めさせたいのだろう両手は、
腰のあたりで強く拳を握って動かない。

「ゃぁ……」

 悪戯心で敢えてスカートを捲らずそのまま手を進めて
肉付きの薄い曙の太ももに指先を滑らせると彼女の唇から
吐息のような声が僅かに漏れる。

「ちょぉ……ばか、なにしてんのよ……」

 それに調子をよくして、ゆっくりと触れる面積を
指先から手の平へと大きくしていけば、曙は普段よりずっと甘い声で
微かに身体を捩りながら抵抗の言葉を紡ぐ。

「ダメか?」
「……ダメじゃ、ないけど」

 許しの言葉を得て、手はさらに縦横無尽に柔肌の上を滑る。
滑って、統べる。

「んぅ……」

 風にも殺されそうな小さな小さな喘ぎ。
けれどその声は俺の耳朶に確かに届いて、俺をさらに興奮させる。
上へ、上へ。指先でなぞる様に、手の平全体で揉むように。
やがて手首から先が全てスカートの中に隠れる。


 しっとりとした肌が手の平張り付く。

 すっかり手元に行っていた視線をふと気が付いてあげると、
少し潤んだ瞳でこちらを見ていた曙と目が合う。

「……なによ」

 ついとすぐに顔を逸らされて弱くなった語調で問われるも、
俺はなにも言葉を返さず手を再び動かす。
後ろ髪を引かれる思いで曙の太ももから手を離してスカートの裾をつまむ。

「んっ」

 息を詰まらせたような、そんな声を聞きながら
ゆっくりとスカートをまくり上げる。
先程まで隠れて見えなかった太ももの際どい所が、
手が上がるにつれ段々と日に照らされていく。

「おぉ……」

 真っ白な、世の女性が喉から手が出るほど欲しがるであろう。
傷もシミも一つたりとてない美しい肌が日光の中僅かに表面に浮いた汗で光っていて、
思わず感嘆の声が漏れる。それが余計に恥ずかしいのか、
曙は振り返るかのようにさらにそっぽを向いて、真っ赤になった耳たぶだけが髪に見え隠れしている。

「ごくり」と唾を飲んだのは俺か、それとも曙か。
わからないままにスカートはどんどん上がっていき、
遂にその本来の意味を失いただただ曙の羞恥と俺の興奮を煽るだけの物となり果てた。


 イメージカラーと言うものがある。
曙が属する第七駆逐隊のイメージカラーを考えるなら、
朧は黄色で潮は水色だろうか? 漣は髪の色からピンクで、
となると曙はリーダー的立ち位置や性格から赤か、あるいは漣と同様の理由で薄紫か。

「……」

 けれど長い時間をかけてめくられたスカートの内側から
顔を見せたその下着は淡いパステルの黄色。
あるいはレモン色と表現すれば妥当か? 兎角曙の表面のイメージとは違う、
可愛らしく少女らしい色の下着だった。

「……っ」

 小柄な曙の事。仮に腰かけていても俺の頭より
彼女の腰の方が位置は低く、俺の位置からスカートを捲って下着を見ようと思えば
スカートをかなり、それこそ曙の胸に届くように正反対の方向まで捲らなければならず。
結果下着どころかその上、下腹部あたりまでが見えている現状。
俺は先程の評価を早々に覆すことになる。

 そう、可愛らしく少女らしいのはあくまでも色だけで。
こうして腹部から足先までを俯瞰すればその布地が一般的な少女向けの下着よりも
幾分以上少ない事がわかる。かなりのローライズで恥丘の半分は覆われておらず、
また角度も実に際どい。鮮やかな色合いと艶やかなデザインとでも表現しようか。

 上部に小さく飾り付けられた刺繍の蝶も含め逆に全体としては
むしろ大人びた印象を覚える。それでいて曙自身は恥じらい、
もはや全身を紅く染めているというのがまたそそる。

 そんなものを至近距離で見て、空いている手を伸ばしてしまうのは仕方がない事だろう?


「捲るだけじゃ、なかったの……?」

 非難するような声。
けれどそのどこかに期待が見え隠れしていると思うのは、
俺の希望的観測か。あるいは……。

「……」

 ダメか? とはもう問わない。
俺は黙ってこちらの様子をうかがう曙の瞳をじいと見つめるだけ。

 一秒、二秒。周囲を伺うように忙しなく動く瞳。
そして「好きに、……すればいいじゃない」と掠れた声。
俺は空いていた手で腰をつかも曙を抱き寄せ――

「なにしてるのかしらぁ?」

 龍田が来た。

あ、言い忘れてたけど実はこのスレは

提督「金庫って十回言わせてから」
提督「金庫って十回言わせてから」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452085609/)
提督「とりあえず視界に入った艦娘に抱きしめる」
提督「とりあえず視界に入った艦娘に抱きしめる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452189089/)
提督「死んだふりをしてみたらどうかな?」
提督「死んだふりをしてみたらどうかな?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452844224/)

番外
提督「ウチの雷と電がおかしい」
提督「ウチの雷と電がおかしい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452448021/)

の続きなんですって


曙「!?」

提督「うおっ!?」

龍田「……そんなに驚いて、どうしたのぉ?」

提督「い、いやいやなんでもない!」

提督(大丈夫大丈夫……龍田は曙の後方に居る……つまり曙の前面、俺の行いは見えてない誤魔化しは、効く)

龍田「ふぅ、うん?」

提督「急に声をかけられるから驚いただけだ」

龍田「……あらあらぁ。それはそうですよねぇ? こんな誰が見てるかわからないお庭であんなことをしてたら、ねぇ?」

提督「な、なんのことだよ」

龍田「覚えてないんですかぁ~? 私、提督が質問して回ってた時も、抱き着いて回ってた時も
    ずっと、ずぅ~っと貴方を見てたのよ? 覚えてない筈ないですよねぇ? ううん、そもそも
    一瞬でも忘れる筈がないわよねぇ~? だってそうでしょ? 私は提督の事を片時も忘れたりしないもの。
    なら相思相愛で将来を約束し合って何度も何度も愛を確かめ合った提督が私の事を
    同じように思ってくれてるのは当然の事で、なら忘れたりする筈ないものねぇ?
    あらあらぁ~? だとするとおかしいわねぇ、提督は私が見ているのをわかっていて
    あんな色んな女の子にいかがわしい事をしていた事になっちゃいますねぇ~?
    それってどういう事かしらぁ? ……あっ! わかったぁ! 提督は私に嫉妬して欲しかったんですよねぇ?
    もぅ、そんなことしなくても私の愛は変わらないのに、提督ったら心配屋さんなんですからぁ。
    でも、そういう事なら許しちゃいますよぉ。私は心が広いので、ただちょぉっと私を不安にさせたり
    した分だけ仕返ししちゃいますけど。それはほら、提督もわかってくれるわよねぇ?
    あっ! むしろ提督ったらそういう事をされたくてわざとやってるのかしらぁ~?
    うふふっ、最初から言ってくれればどんなことでもしてあげますよぉ~? だからそんな所から
    離れて早くこっちに来てくださぁい。『私の提督』」

提督(――相変わらずスイッチがオンになったときは別人の――)

曙「うっさい」

龍田「……なにか言ったかしら?」

曙「うっさいって言ったのよ。ぐちぐち鬱陶しい、しかも言うに事欠いて『私の提督』だぁ?」



曙「こいつは私の提督よ!!」



龍田「駆逐艦の癖に、言ってくれるじゃない――艤装展開――」

曙「はっ! やるっての? ――艤装展開――」

龍田「提督、待っていてくださいねぇ、いまこの子を黙らせちゃいますからぁ」

曙「最近随分と練度上げしたみたいだけど、それでも私に敵うと思ってんの?」

龍田「お子様にはわからないでしょうけど、愛の力って凄いのよ?」


提督(……なんかめんどくさい事になってるぅ)

曙「アァン?」

龍田「うふふ……」

提督「えーっと……とりあえず龍田を止めるか……」

龍田「じゃあ、行くわよ?」

曙「さっさと来なさいドン亀」

龍田「このっ……!」

提督「はいだめー」 ぎゅう

龍田「ぴぃっ!?」

曙「ちょっとなにしてんのよクソ提督!」

提督「馬鹿たれ! 俺が着任してからちまちま作り上げたこの庭を焼け野原にするつもりかスカタン!」

曙「あう……それは」

龍田「はわわ……て、提督、だ、ダメですよぉ!」

提督「おっ、気絶しない。耐性ついたか……なら!」

 (スカートが勢いよく捲れる音)

提督「白の紐か、良い趣味してるな」

龍田「あ……あ……いやぁぁぁぁ!」

 パァン

提督「いてぇ!?」

龍田「て、提督のおたんこなすー!」

 (龍田がダッシュしていく足音)

曙「……どんな仲裁のしかたよ」

提督「他にやりようなかったんだよ……」

曙「……なんかあんた凹んでる?」

提督「龍田に痛みを伴うなにかをされたのは……初めてだ」

曙「あっそ。悪かったわね粗暴で」

提督「そんなこと言ってないだろぉ。拗ねんなよー」

曙「うっさい!」


―――

提督「という事で、初めて愛宕におっぱいボンバーされたり龍驤に怒られたり
    愛宕におっぱいビンタされたり龍田に叩かれたり愛宕にバスとアタックされたり散々でした」

多摩「それはそれは、ビッグニュースでびっくりニュースにゃ」

大淀「安易な気持ちで変態行為に勤しむからですよ」

多摩「勤しむという単語をここで使って欲しくなかったにゃ」

提督「まったくだ」

大淀「せいっ」

提督「いたい! なにしやがる!」

多摩「ざまぁ」

提督「今日から執務は体育座りでやろう」

多摩「体育座りした程度で多摩の侵攻を防げると思ったら大間違いにゃ」

提督「なにぃ?」

大淀「で、今回は終わりですか?」

提督「そうだな、那珂ちゃんも泣かせてしまったし、古鷹を混乱させてしまったし。
    曙に拗ねられてしまったし、愛宕に切れられてしまったしな」

多摩「あとに響きそうにゃ」

提督「ってかやっぱり愛宕はおかしい。あいつ実は重巡愛宕じゃなくて
    アフロダイAの転生体なんじゃね?」

大淀「?」
多摩「?」

提督「あー! ジェネレーションギャップが鬱陶しいなぁ!」

大淀「……んと」かたかたったーん

大淀「なるほどアニメにでてくる女性型ロボットですか」

提督「必殺技はおっぱいミサイルだ」

多摩「あー、かもしれんにゃ」

提督「だろ?」

愛宕「そんなわけないじゃない」

提督「……俺、死ぬ?」

愛宕「ふふっ」

終わり

死んだふりは長々とやってぐだったから勢いでやった
勢いでやったら川内を夜戦で味方につけて那珂ちゃんいじめるシーンを入れ損ねた
仕方ないね

次は素直にさせる薬かチュウかこっそり痴漢かもしくはなにか少し性的な悪戯系を書くよ


【おまけ】


天龍「ただいま……ってうぇぇぇぇ!? な、なにしようとしてんだよお前!」

龍田「あ、天龍ちゃん。おかえりなさい……」

天龍「おかえりなさいって、なに普通に挨拶してんだ!? とりあえず台から降りてロープを手放せ!」

龍田「ダメ、ダメよ……私は取り返しのつかない事をしてしまったの……」

天龍「わわわ、わかったから! とりあえず話を聞かせろ! なっ!」

龍田「……わかったわよぉ」 スッ

天龍「よしよし……そのまま、そぉっと降りてくるんだ……いいぞ、その調子だ」

龍田「飛び降り自殺じゃないんだからそんな慎重さはいらないんじゃないかしら……」

天龍「自殺とか縁起でもないこというな! な、なにがあったんだ!?」

龍田「天龍ちゃん。わたし、私ね……提督をひっぱたいちゃったの……」

天龍「あ?」

龍田「もう、提督に申し訳なくて……死ぬしかないのよ……」

天龍「いやいやいやいや! そんなことで死のうとするなよ!?
   確かにお前があいつを叩くとか考えらんねーけど……またどうして?」

龍田「提督に抱きしめられてね」

天龍「おう」

龍田「スカートを捲られたの……」

天龍「おう…………、それ、あいつが悪くね?」

龍田「違うのよ! 今日、見られてもいい下着をつけてなかった私が悪いのよぉ……」

天龍「いやいやいやいやいやいや。どう考えてもアイツがわりぃだろ……っつかどっちにしろ
    一回や二回たたいた位で死んでたら俺なんかアイツの事なんかいも蹴ったりしてんぞ」

龍田「……ふぅん? 天龍ちゃん、提督にそんな事してたんだぁ……?」

天龍「へ?」

龍田「これは、お仕置きよねぇ~?」

天龍「なんでだぁぁぁぁ!?」


【おまけ2】

雷「おかしいわ」

電「なにがなのです?」

雷「最近司令官が私達の事を避けてる気がするのよ」

電「それは気のせいじゃないのです。間違いなく司令官さんは電達の事を避けてるのです」

雷「そうよね!? 今回だって司令官がスカート捲りに精を出してるって聞いて張り切って待ってたのに!」

電「スカートめくりに精を出すってとってもやらしい響(姉ではない)きなのです雷ちゃん」

雷「そうね! でもいまはそこは重要じゃないわ!」

電「重要じゃないのですか!?」

雷「……うーん。少しは大事かもね!」

電「なのです!」

雷「じゃ、なくて! どうすれば司令官の気持ちをこっちに向けられるか、よ!」

電「ちなみに雷ちゃんは具体的にどんな風に今回張り切っていたのです?」

雷「前張り」

電「よかった。被ってないのです、電は絆創膏を選択したのです」

雷「やるわね電!」

電「当然なのです!」ふんす

雷「でも! 司令官に見てもらえなければ意味がないわ!」

電「そこなのです! 今から司令官さんのお部屋に行きますか?」

雷「それもいいんだけど……できれば私は司令官の方から求めて欲しいの!」

電「難しいのです……」

雷「だからこそ成功した暁(姉ではない)にはきっと素敵な未来があるのよ!」

電「電! 頑張るのです!」

雷「えぇ! 二人で頑張りましょう! 司令官のゲットするのよ!」

電「えいえいおー! なのです!」






―――部屋の外

響「……あの二人はまた」

暁「とりあえず二人の作戦を盗み聞きして司令官にまた二人の居る場所を教えておくわよ」

響「そうだね。悪い妹の面倒は姉である私達が見ないと」

暁「まったく困っちゃうわ」

あ、愛宕は大好きです

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