橘ありす「宮本ノノデリカ?」 (36)




前作
橘ありす「勇者フレデリカ?」





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―――――事務所―――――

ガチャ
橘ありす「おはようございま……ってあれ、誰もいませんね……」

ありす(タブレットでもいじって……)

ありす(いや、たまには雑誌でも読んでみましょうか)

ありす(いろいろな雑誌がこの部屋にはありますし)キョロキョロ

ありす(えっと……ファッション誌……これはきらりさんの好きなブランドですね、私には合いません……。“月刊メガネ”……、“キグルミの世界”……、“今、この植木鉢が熱い!”……、“BBQの全て”……)

ありす(なんですかこのピーキーな品揃え)



ありす(やっぱりタブレットでも……)

「あーりすちゃーん!!!!」

ありす「うぇえ!?」ビクゥ!

「かわいい反応ー♪」

ありす「ふ、フレデリカさん!いきなり大きな声を出すのはやめてくださ……って、え?ど、どこにいるんですか?」キョロキョロ

「ここだよー!!!」ムーリィー……

ありす「え?机から声……。下!?」バッ

宮本フレデリカ「やっほー♪」

ありす「なにしてるんですか!?あなた本当に19歳ですか!?」

森久保乃々「ううぅ……」ギュウギュウ

ありす「の、乃々さん!?」



フレデリカ「ノノちゃんかーわいー!」ナデナデ

乃々「ううぅ……」

ありす「ちょ、嫌がってるじゃないですか!」

フレデリカ「そんなことないよねー?」ナデナデ

乃々「ううぅ……」

ありす「さっきからうめき声以外を発してませんけど!?」



ありす「とにかく出てください!」

フレデリカ「しょーがないなー……よいしょ……っと!」

フレデリカ「はい!ノノちゃんも!」

乃々「え、い、いや、もりくぼはこのままでいいんですけど……」

フレデリカ「だーめ♪」ヒョイ

乃々「うううぅ……」ズルズル

ありす(抵抗弱っ!)



フレデリカ「さて!」ポフッ

ありす「いや……あの……」

乃々「……」

ありす「なんで乃々さんを膝の上に……」

乃々「どうしてこんなことにぃ……」

ありす(でも常識人が増えてちょっと嬉しいとは言えませんね)



フレデリカ「あれは、フレちゃんがまだお布団の中にいたころ……」

ありす「今朝じゃないですか」

フレデリカ「フレちゃんは考えていたのです……!なぜこの世界に生まれたのか……。そして、なぜアイスを食べると頭がキーン!ってするのか……」

ありす「あれはアイスクリーム頭痛といって、急に下がった口内の体温を上げようと血液をたくさん流すから起きるらしいです」

乃々「そこは2つの落差についてツッコミを入れるところじゃないんですか?」



フレデリカ「さて問題です!」ジャジャン

ありす「はい?」

フレデリカ「シューコちゃんやシキちゃんは、アタシのことをなんと呼ぶでしょう!」

フレデリカ「はいノノちゃん早かった!」

乃々「なんにも言ってないんですけど……」

フレデリカ「ヒント?探したきゃ探せ!荷物の全てを家に置いてきた☆」ドン!

ありす「いきなり海賊王みたいな煽り方するのやめてください」

乃々「単なる忘れ物宣言ですし……」



ありす「いつも『フレちゃん』って呼ばれてますよね」

フレデリカ「あー!ボタン押さずに答えるのはルール違反だよ!はいこれ!」

ありす「ルールなんて初耳ですけど!?最初っから出してくださいよ!まったく……」ポチ

へぇ~

ありす「懐かしっ!!!」



フレデリカ「ちなみにこの金のぴにゃこら太は」スッ

乃々「ど、どこからでてきたんですか」

パカッ

フレデリカ「はいメロンパン入れになってまーす」

ありす「読めてましたけども!!!」



乃々「会話が進んでないんですけど……」

ありす「いつものことです……」フッ……

乃々(遠い目をしてる……)

フレデリカ「でね!でね!いつも“フレデリカ”の“フレ”を使われることが多いの!」

ありす「ああ、確かに、略すとそうなりますね」

フレデリカ「そしたら、それに怒った“デリカ”が反乱を始めちゃったのだ!ピンチ!」

乃々「……???」チラッ

ありす「こっち見ないでください。私にも意味不明です」



フレデリカ「怒った“デリカ”が“フレ”を追い出しちゃったの!だから、事務所に来るまでは“宮本デリカ”だったんだよ!」

ありす「使用言語が同じなのにここまで置いてきぼりになることがあるんですね」

乃々「というかさっきから普通に自分を『フレちゃん』って呼んでますけど」

フレデリカ「細かいことはテムズ川に流しちゃえ☆」

ありす「一応言っておきますけどテムズ川はフランスじゃなくてイギリスです」



フレデリカ「そこで宮本は考えました!“○○デリカ”じゃないと語呂が悪い!よし!事務所内の2文字の名前のアイドルをもらっちゃえ!ってね!」

ありす「起点から終点までひどい論理で動いてますね」

乃々「あの……それでどうしてもりくぼに……?」

フレデリカ「厳正なる審査の結果!ノノデリカが勝ったんだよ!」

ありす「なんの勝負ですか……」

フレデリカ「いやぁ、ニナデリカ、ソラデリカ、ユカデリカ、ヘレン・デ・リカは強敵でしたねぇ……」

ありす「最後なんか美容院の名前みたいな無理矢理具合でしたけど」



フレデリカ「と、いうことで!今日は宮本ノノデリカなのだ~♪」ダキッ

乃々「う、ううぅ……」

ありす「乃々さんは撫でられたり抱き着かれたりすると弱いんですね」

乃々「なんで冷静に分析してるんですか……!」



フレデリカ「あ、トモデリカもよかったんだけどね!」

ありす「朋さんをあまり巻き込まないであげてください!」


~別の部屋~

藤居朋「はっくしょん!!!」

白菊ほたる「風邪……ですか?」

朋「うーん?体調は悪くないんだけど……」

ほたる「えっと、風邪の時のための民間療法があったような……。確かネギで……」

緒方智絵里「殴りかかる?」

朋「智絵里ちゃん!!!」



フレデリカ「あ!その顔!ノノちゃんの可愛さがわかってないでしょ!」

ありす「え?いや、乃々さんが可愛いのはわかりますけど」

乃々(恥ずかしいぃ……)テレテレ

ありす(かわいいですね)

フレデリカ「ほんまやな」

ありす「キャラのぶれ方が見過ごせないレベルですよ!?」



フレデリカ「でも、ありすちゃんはノノちゃんとあんまりおしゃべりしてないでしょ?」

ありす「まあ……そうですね……。フレデリカさんは、確かバレンタインの時に一緒だったんでしたっけ」

フレデリカ「うん!こねこねするノノちゃん、かわいかったよ~♪」

ありす「それは見たかったですね」

フレデリカ「しかも、ノノちゃんったら、『バラのチョコは気をつけないとバラバラになる』なーんてギャグまで言って!盛り上がったな~」

乃々「いっそ殺して……」

ありす「恥ずかしいのはわかりますけど元気出しましょう?」

フレデリカ「バwwラwwwバwwラwwww」

ありす「やめましょう!!??」



フレデリカ「まあそれは置いといて、消えゆく自然に対して我々は何が可能なのだろうか」

ありす「話題と口調の落差でこっちは眩暈がしそうですよ」

乃々「いつもこんな感じなんですね……」

ありす「ヒトとかイヌみたいなカテゴリで“フレデリカ”って独立してると思ってください。それくらい読めません」

フレデリカ「今夜~の~おかずはハンバーグかな~♪」

フレデリカ「フンフンフンフンフンフンフンフン♪ フンフンフンフンフンフンフンフン♪」

フレデリカ「フー♪」

フレデリカ「レー♪」

フレデリカ「デー♪」

フレデリカ「リー♪」

フレデリカ「かっぱ寿司」


乃々「……」チラッ

ありす「だからこっち見ないでください」



フレデリカ「どうしたの?」

ありす「こっちの台詞ですよ」

乃々(反応が慣れてる……)

フレデリカ「だいじょーぶ!ノノちゃんもすぐについてこれるよ!」

乃々「なにも大丈夫じゃないんですけど……」

ありす「これからよろしくお願いしますね」

乃々「えええ……!?」



フレデリカ「あ、今何時かな?」

ありす「今は……、ちょうど15時ですね」

フレデリカ「そっか!じゃあ宮本ノノデリカのお時間は終わりだね!」

乃々「時間で決まってたんですか」

フレデリカ「うん!ノノちゃん!無理矢理ごめんね!でも、ホントに可愛いから自信もって!」

乃々「……」テレテレ

ありす(やっぱこの人かわいいですね)



ありす「じゃあ、宮本フレデリカに戻ったんですか?」

フレデリカ「違うよ!」

乃々「?」

ありす「?」

フレデリカ「今度は、“デリカ”が追い出されちゃった!宮本フレだ!」

乃々「えぇ……」

フレデリカ「早く“フレ○○○”に入る3文字のアイドルを……あっ!」チラッ

ありす「!?」

乃々「こ、この流れは……」



フレデリカ「というわけで、宮本フレアリス参上☆」ダキッ

ありす「えっ!ちょ……!なんですかいきなり!」

フレデリカ「ありすちゃんもかわいい~♪」ナデナデ

ありす「ちょっと!」

フレデリカ「大丈夫……怖くないよ……」

ありす「それ噛まれる流れですからね!?」



フレデリカ「閃いた☆ 宮本ノノアリスっていうユニットを組んじゃおう♪」

乃々「むーりぃー……」

ありす「し、収拾がつかない!!!」



おわり




過去作


朋「DJ智絵里の」ほたる「お悩み相談ラジオ?」

渋谷凛「花屋をもっと」本田未央「繁盛させたい?」

若林智香「野球好きと熱血乙女と」

小日向美穂「好きを想う」 (シリアス系)



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