【ゆるゆり】京子・ザ・ギャンブラー2 (165)

前回からの続きです。
前回を読まなくても大丈夫ですが、読んだほうがわかりやすいと思います

前回↓ 京子・ザ・ギャンブラー
【ゆるゆり】京子・ザ・ギャンブラー - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456608901/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458652274



京子「ゲーム大会?」

千歳「せや」



千歳「ウチな、けっこうギャンブル好きなんはこの前でわかったやろ?」

千歳「この前の勝負、見事やったわ。歳納さんは、賭け事の才能あるで?」

京子「そ、そうかなぁ・・・照れるなぁ」



千歳「そこで、ウチがたまに参加してるゲーム大会に招待したいんや」

京子「へぇ・・・?」



千歳「色んな所から、ギャンブルの好きな人たちが集まるよって」

千歳「歳納さんなら、楽しんでもらえるんちゃうんかなぁ思てな」

京子「ぎゃ、ギャンブル好きの人達の集まり?ちょっと、怖いな・・・」



千歳「あ、ギャンブルいうても、直接現金のやり取りなしの、ただのゲーム大会みたいなモンやで?」

京子「・・・ふぅん。トランプとか、みんなで楽しむ感じ?」

千歳「せや。今度の日曜や。ぜひ、参加してな?」

京子「わかった。ちょーどヒマだしいーよー」










(当日)

京子「ここが・・・会場?」(ビルの一室)

千歳「ああ歳納さん。待っとったで。さぁ入って」ガチャ



京子「へぇ、結構広いね。もうあっちこっちのテーブルで勝負が・・・」




顔キズ男「オラァ!どうやこの手ぇ!」

怖顔男「クッ・・・ナメんなボケがァ!」


京子「・・・」




イレズミ男「オラッ!勝負や。全財産、賭けたるぁ!」

グラサン男「ぐぐ・・・ここで負けたら借金が・・・-やってやるぁ!」


京子「・・・」



京子「な、なぁ本当に現金賭けてない『ゲーム大会』なの・・・?」

千歳「当たり前や」

京子「それにしては、どーにも周りの様子が・・・」

千歳「みんな、雰囲気出して楽しんどるだけやで?」

京子「そ、そうなんだ・・・」



男「イヤだぁー!マグロ漁船は勘弁してくれぇー!」ズルズル

黒服「オラ!大人しくしろ!」


京子「・・・」



京子「い、今マグロ漁船って・・・?」

千歳「うふふ、みんなノリノリで楽しんどるなぁ」



男「どうや、200万上乗せや!」

男「よっしゃ、乗ったる!」


京子「・・・」



京子「に、にひゃくまん・・・?」

千歳「『チップ』や。オモチャのチップをやり取りして楽しんどるんや」

千歳「『直接』現金のやり取りはしとらん言ったやろ?」

千歳「ホラ、これや」ジャラ

京子「これを・・・?」

千歳「せや。これ1枚で100万『チップ』や」

前作もだが恐ろしくつまらないな
どうにかならんか?



京子「な、なんだぁー」ホッ

千歳「歳納さん、初めてやから持ってないやろ?貸し出しもしとるんやけど・・・」

千歳「特別や。ウチの『チップ』、50枚ほどやるわ」ジャラジャラ

京子「あ、ありがとう」

千歳「ええのよ。目一杯、楽しんでってな?」

>>15さんのオススメ教えてくれませんか
今後の参考にしますので



(周り)

ヒソヒソ
おい、えらい気前ええな・・・

中学生くらいか?5000万分、ポンと・・・

あのメガネの娘、胴元の・・・ああそれで・・・


京子「・・・」


京子「・・・」タラー



京子「ち、千歳。今は何かゲームって気分じゃないからさ」

京子「今日の所は帰るよ。チップ、返すね。じゃあ・・・」ソソクサ


千歳「・・・ああ、歳納さん」



千歳「友達に、挨拶して行かんの・・・?」

京子「友達?」


結衣「お、よぉ京子」

ちなつ「京子センパイも来てたんですか」

あかり「一緒に来れば良かったね」



京子「ばっ・・・お前ら!?」

結衣「千歳に、ゲーム大会があるからって招待されたんだ」

ちなつ「何か、こういう所ワクワクしますよね」

あかり「お兄さんにトランプで遊んでもらっちゃった」



京子「ばっ・・・お前ら!?」

結衣「千歳に、ゲーム大会があるからって招待されたんだ」

ちなつ「何か、こういう所ワクワクしますよね」

あかり「お兄さんにトランプで遊んでもらっちゃった」



京子「あ、遊んだって!?『チップ』は!?」

結衣「千歳が貸してくれたよ」

ちなつ「もう、スッカラカンだけどね。結衣センパイが熱くなっちゃって」

あかり「お兄さん、強かったよねぇ」

>>22重複です



京子「何枚!?何枚『チップ』使った!?」

結衣「えーと、みんなで30枚だから・・・3000万チップ?」

ちなつ「相手、狂喜してましたよね。たかがオモチャなのに」

あかり「変わった人だったねぇ」



千歳「あらあ、もう『チップ』無くなってもうたの?」

千歳「しょうがないなぁ。じゃあ、追加で・・・」ジャラ

京子「ちょ、ちょっと!ちょっとストップ!」



京子(・・・お前らなぁ、わかってないだろ?これ1枚で100万・・・)ヒソ

結衣「『チップ』、だろ?」

ちなつ「オモチャじゃないですか」

あかり「あかり、もっとトランプしたい!」



京子「ダメだって!」

結衣「別にいいじゃないか。トランプで遊ぶぐらい」

ちなつ「そうですよ。いつも京子センパイが1番やりたがるじゃないですか」

あかり「今度は、負けないよ!」



結衣「そういうワケで、チップ追加お願い千歳」

千歳「ええよ。何枚欲しいん?」ジャラジャラ

京子「ま、待った!待ったーっ!」



京子「やめろって!お前らの『チップ』、稼いでやるから!」

京子「これ以上、千歳からの借金増やさないでくれ!」

結衣「借金って・・・オモチャのチップだろ?」

ちなつ「変な京子センパイ」



千歳「ウフフ・・・。面白なってきたわぁ」

千歳「3000万・・・。これが、現金やったら返すのどれだけ大変やろなぁ・・・」

千歳「・・・あ。もしもの話やで?気にせんといて」

京子「ぐ・・・」



男「うわぁぁーっ、嫌だ、『地下』に連れてくのはやめてくれぇぇーーっ!」

黒服「黙ってこっちへ来い!」

京子「!?」ビク



結衣「今の人は?」

ちなつ「なんか、随分暴れてましたけど」

千歳「ああ、アレな」



千歳「借りた『チップ』がのうなってもうて、ゲームができんと『お帰り』になるんや」

結衣「へー、そうなんだ」

ちなつ「あの様子だと、よっぽど悔しかったんですね」

あかり「みんなでトランプで遊べないなんて、ちょっとかわいそうだよ」

京子(どー考えても違うだろ!?)



結衣「あの人、『地下』って言ってたけど?」

千歳「ああ、それな」



千歳「借りたチップの分、罰として地下の掃除させられるんや」

結衣「なんだー。随分かわいらしい罰じゃないかー」アハハ

ちなつ「じゃ、私達もあとで掃除ですね」アハハ

あかり「あ、あかりも手伝う!」

京子(絶対、そんなモンじゃない!!)



千歳「まぁ、あんたらは特別やから」

千歳「ウチの『チップ』、いくらでも貸し出したるで?」ジャラ

結衣「お、千歳太っ腹!」

ちなつ「わぁ!いくら借りようかな?」

あかり「100枚ぐらい借りようよ!」

京子「やめろー!」



京子「みんな、もうこれ以上借りるのはダメ!」

京子「千歳、借りた分は返すからさっきのチップ借して!あと、ゲームは何がある?」

千歳「せやねぇ、ブラックジャックにバカラに花札に・・・」

千歳「歳納さんお得意のポーカーも、何でもあるで」



京子「・・・じゃあ、ポーカーだ。案内してくれ」

結衣「私たちはダメで京子はやるのか?」

ちなつ「京子センパイ、ずるーい」

あかり「あかりもトランプやりたーい」


京子「お前らなぁ・・・」










(ポーカーのテーブル)

ディーラー「へっへっへ。嬢ちゃん、ルールはわかるんかい・・・?」

京子「いいから。早く配れ」

結衣「おいおいカリカリするなよ京子・・・?」

ちなつ「楽しくやりましょうよ、ね?」

あかり「京子ちゃん、怖い・・・」



ディーラー「チッ、かわいくねぇアマだ・・・」シャッシャッ

男「まぁ、元気があっていいではないですか」

京子「・・・」



京子(勝負は、この男とサシ勝負・・・)

京子(・・・見たところ、普通のリーマン)

京子(けど、テーブルに詰まれたチップはざっと見て6000万はある・・・)


京子(コイツは、かなり『やる』タイプだな・・・)









京子(・・・)
(ス3 ハ3 ダ5 ク9 クK)


京子(手は、まぁまぁ・・・)

京子(ここは、手堅くペア狙いで行くか)

京子(相手は・・・)チラ



男「・・・」

京子(無表情、か。一番厄介なタイプだな・・・)



京子「2枚、チェンジで」
(ス3 ハ3 クK)

京子(おっ、しめしめ・・・)
(ス3 ハ3 クK スK ハ10)



京子「・・・うーん、どうすっかなぁ~・・・困った」ポリポリ

結衣(わ、わざとらしい・・・)

ちなつ(バレバレですってば・・・)

あかり(え?けっこういい手じゃないの?)



京子「・・・まぁ、ここは様子見で200ぐらいにしとくかなぁ~」チャラ

京子「オッサンは、どうするの?」

男「・・・」


男「降ります」スッ

京子「えー?度胸ないなぁー」



京子(・・・まぁ、このブラフにはかからんか)

結衣「京子、いくらなんでも今のはない」

ちなつ「私でもわかっちゃいましたよ」

あかり「京子ちゃん、がんばって!」



京子(・・・だけど、これは布石)

京子(わざとらしいブラフをバラまいて、こういうタイプだと思わせる)

京子(そうやって、勝負どころで一気に持っていく!)


京子「さぁ、次だ!」













京子(・・・)
(ク3 ハ5 ス8 ス10 スK)

京子(今度は、バラバラ・・・)

京子(せめてフラッシュ狙いか)



京子「2枚チェンジで」
(ス8 ス10 スK)

京子(・・・)
(ス8 ス10 スK ク4 ダJ)

京子(結局、ダメ・・・。この手はブラフに利用するか)



京子「うーん、イマイチだなぁー」ポリポリ

結衣(これはダメだな)

ちなつ(降りでしょうね)

あかり(手、そろわなかったね・・・・)



京子「・・・けど、女は度胸!ドーンと1000万行っちゃおう!」チャラ

結衣(はぁ!?)

ちなつ(本気ですか!?)

あかり(きょ、京子ちゃん?)



男「・・・」

男「・・・受けましょう」チャラ

京子(げっ・・・。相手もしかしていい手!?)



京子(・・・まぁ、仕方ないな。ここは潔く負けで)


男「それと」

男「あと1000万レイズです」チャラ

京子「!?」



結衣「きょ、京子!」

ちなつ「京子センパイ!」

あかり「京子ちゃん!」

京子「く、く・・・」



京子「・・・降りる」パサ

男「・・・」


男(ニヤリ)
(ス2 ク2 ク5 ダ8 ダ9)



千歳(おやおや、歳納さん・・・)

千歳(このままじゃ、勝たれへんでぇ・・・?)


京子(今の勝負で、1000万いかれた・・・)

京子(・・・おかしい。まるで、こっちの手がブタと見越したような強気さ)

京子(まさか、イカサマ・・・?)


ディーラー「おい、カード配ったぞ」

京子「あ、ああうん」



京子(・・・)
(ク4 ハ6 スJ ハJ ダJ)


京子(・・・悪くない。ここは)

京子「2枚、チェンジで」
(スJ ハJ ダJ)



京子(・・・)
(スJ ハJ ダJ ス5 ハ5)

結衣(おお?いい手だ)

ちなつ(これは、勝ちましたね!)

あかり(やったぁ、スゴイよ京子ちゃん!)



京子(・・・さっき、男はなぜレイズした・・・?)

京子(こっちがブタと見越したなら、普通に勝負しても結果は同じじゃないか)

京子(・・・もしかして、男の手は実は弱くて、隠したかった・・・?)



結衣「京子・・・?」

ちなつ「勝負しないんですか?」

あかり(早く、京子ちゃんの勝つとこ見たいよ・・・)ワクワク

京子「ちょっと、静かにして」



京子(・・・辻褄は合う。私が降りれば、手は見せなくていい)

京子(弱い手に、平気で2000万も賭けたという証拠は消せる・・・)

京子(確実に、こっちの手を見越していた。どうやって・・・?)



男「おやおや。随分とお悩みですね」

京子「・・・うるさい」



京子(ディーラーがグル?・・・いやそれはない)

京子(そうなら、最初の勝負の降りは不自然。いくらでも勝つ方法はある)

京子(・・・ダメだ。どうやって?どうやって私の手を・・・?)チラ・・・



あかり(京子ちゃん、絶対勝ちだよね?)キラキラ

京子「・・・」


あかり「ん?京子ちゃん、早く勝負しないの?」キラキラ

京子「・・・」



京子「・・・」


京子「・・・あ・か・りぃー」

あかり「え?なに?」



京子「お前ら、勝負のジャマだぁー!あっちに行ってろ!」

結衣「な、何だ?」

ちなつ「急に怒らないでくださいよ?」

あかり「京子ちゃん、怖いよぉー」



京子「ハァ、全く・・・」

京子「・・・待たせたな。勝負だ!1000万!」


男「・・・」

男「降ります」


京子「やっぱりぃぃーっ!」














京子「ふー、あかりの奴本当に・・・」
(ス2 ダ3 ハ3 クJ ダK)


京子(さっきまでは、あかりの表情を読まれてた)

京子(どうりで、こっちの手が見透かされてたわけだ・・・)

京子(けれど、これでハンデはなし。これからは対等の勝負だ)



京子「2枚、チェンジ」
(ダ3 ハ3 ダK)

京子(・・・)
(ダ3 ハ3 ダK スK ク4)



京子(・・・けれど、対等じゃダメなんだ)

京子(何とか、勝負を有利に運ばないと・・・)

京子(・・・)

京子(・・・ここは一つ、賭けに出よう)



京子「・・・さぁ、勝負だ。もう私の手はは読めないよね?」

京子「まあ、あんまり自身ないけど勝てるかな?500万だ!」

男「・・・」


男「乗りましょう」チャラ



京子「レイズはなし?それじゃあ、カード・オープンだ!」
(ダ3 ハ3 ダK スK ク4)

男「・・・私の負けですね」
(ク2 ハ2 ダ8 ダJ スQ)



京子「おおー?ラッキーラッキー。あんたの手が弱くて助かったよ」

男「・・・」

京子「よっし、500万取りかえしたぞ!」



京子(・・・)
(ス4 ダ6 ハ10 スJ ダA)

京子「2枚、チェンジで」
(ハ10 スJ ダA)


京子(・・・)
(ハ10 スJ ダK ク10 ハ3)



京子「これは勝ったな。500万だ!」

男「・・・乗りましょう」



京子「どうだ?」
(ハ10 スJ ダK ク10 ハ3)

男「おや、また私の負けですね」
(ス5 ハ5 ク8 ハJ スK)


京子「どうだ!2連勝だ!」

男(・・・)


京子「ふっふーん。あんたもう勝てないんじゃないの?」



千歳(歳納さん、ええ調子やけど・・・)

千歳(あまり調子に乗ってると、思わぬ落とし穴にはまるで・・・?)



男(・・・)

男(今の2勝負は、くれてやった)

男(観察してわかった。このガキは、自分でも気がついてないクセがある・・・)

男(手がいい時は、わずかに口元が上に上がって・・・)

男(悪い時はその逆に下がる)



男(無意識に体に出でしまうサインは、誤魔化しが利かないのさ・・・)

男(オレは、この観察眼で今まで勝ちつづけてきた)

男(相手が悪かったな、お嬢ちゃん。ククク・・・)



京子(・・・)
(ス3 ハ5 ス7 スJ クK)

京子「2枚、チェンジ」

京子「・・・」


男「・・・」



男(口元が、下がった・・・)

男(ブタか、良くてもせいぜい1ペアか?)

男(楽勝だな、ククク・・・)

(ハ3 ク4 ク5 ハ6 ダ7)



京子「よーっし、3連勝、頂いた!500万でどうだ!」

男「・・・うーん・・・。・・・まぁ、受けましょう」

京子「お?ちょっと悩んだね。もしかして自信ないの?」

男「・・・そんな事ありません」



京子「ニシシ・・・それじゃあ、レイズだ!さらにプラス500万で、合計1000万!」

男「ま、参りましたねこれは・・・」

京子「どう?受ける?降りた方がいいんじゃない?」

男「・・・」



男(コイツはもう一つ、気づいてないクセがある)

男(ブラフの積もりだろうが・・・)

男(今までの勝負全てにおいて、いい手の時は困ったフリをする)

男(逆に、悪い手の時はわざとらしいくらいに強気だ)


男(戦術が、単調なんだよ・・・)



男「・・・うーん、よし、受けましょう」

京子「お?い、いい度胸じゃん」

京子「・・・じゃあ、もしかしてさらに1000万とかでも受けちゃう?」

男「・・・」



男(こっちを降ろさせるための、強気のハッタリ・・・)

男(もう1000万賭かってる。いまさら、引くに引けないってワケだ)

男(それはギャンブルにおいて致命的な考え)

男(ギャンブルの怖さを、たっぷり教えてやる・・・。ククク・・・)



男「いいでしょう。受けます」

京子「えっ・・・」

京子「合計2000万、受けちゃうの?本当に?」

男「ええ。構いませんよ」

京子「う・・・」



男(合計2000万・・・。これで、コイツはもう後には引けなくなった)

男(そうなると、次にとるだろう行動は一つ・・・)



京子「よ、よーっし、じゃあさらに3000万プラスで、合計5000万!」

京子「私の、全財産だ!これを受ける度胸あるぅー?」

男「・・・」



男(降ろさせようと必死になって、限界まで掛け金を吊り上げる)

男(典型的な破滅パターンだ)



男「いいでしょう。受けて立ちます」

京子「うぇ?ほ、本当に?」

男「構いませんよ?」

京子「・・・」ゴクリ



男(ククク・・・。びびってるな)

男(ギャンブルを、甘く見た罰さ・・・)

男(しかし、ただ金を毟り取るだけじゃ面白くないな・・・そうだ)



男「では、私も全財産の6000万賭けましょう」

京子「はぁ?」

男「本来なら対等の金額でないと賭けは成立しないんですが、ある条件があります」

京子「条件?」



男「この勝負に僕が勝ったのなら、僕とデートして下さいよ」

京子「え・・・」



男「ここまで来たら、降りれないでしょう?あなたが勝てばさらに1000万プラスです」

男「悪くない条件だと思いますが?」

京子「で、でもなぁ・・・」



男(ここは、もう一押し・・・)

男「では、さらに」

男「この条件を飲むなら、あなたの負け分はチャラにしてあげますよ・・・?」

京子「え・・・?」



男(ククク・・・。これで、飲まざるを得ないだろう)

男(ぬふふ・・・。僕はロリコンなんだ)

男(こんなチャンス、逃がしてたまるか!)



京子「私が負けたら、負け分チャラの代わりにあんたとデート・・・か」

男「女性のエスコートには、結構自信がありますよ?」

京子「・・・いいよ。その条件飲んだ」

男(クックック・・・。そりゃあ飲むしかないさ。チョロイもんよ・・・)



男(グフフ・・・ピッチピチの美少女とデート)

男(想像しただけで、たまらねぇぜ・・・)

京子「早く勝負しようよ」



男「おっと、これは失礼しました」

男「では、カードオープン」

男「ストレートです」

(ハ3 ク4 ク5 ハ6 ダ7)



京子「・・・」

男「おや?どうしました?」ニヤニヤ



京子「悪いね、おっちゃん」

(ス3 ス4 ス7 スJ スQ)


京子「フラッシュ。私の勝ちだ」



男「・・・」



男「・・・は?」



男「ハァァァー!?」



京子「ほんじゃあ6000万頂きーっと」ジャラジャラ

男「ちょ、ちょっと待てぇーっ!」



男「イカサマだァ!オマエ、イカサマしただろ!」

京子「は?何の話?」

男「だ、だってカード見たときに口元が・・・ぐ、ぐぅぅ・・・」



千歳「あらあら、歳納さんにまんまと一杯食わされたみたいやねぇ」

男「何で、どうして・・・」

京子「・・・おっちゃん。あんた周りから情報を得て勝負するタイプだろ?」

男「・・・は?」



京子「あかりの表情から私の手を読んでたから、ピンと来たのさ」

京子「手が読めるようなサインをわざと出せば、それに引っかかるだろうってね」

男「な・・・」



男「・・・じゃあ、手を見たときに口元が上がったり下がったりしてたのとか」

男「いつも、弱い手の時に強気だったりしたのは・・・」

男「・・・わざと?」

京子「そういうこと」



男「ぐ、くく・・・いっ、インチキだ!イカサマだぁ!」

京子「おっちゃんの方が、よっぽどイカサマに近い事してたじゃんか。なぁ千歳?」

千歳「そうやねぇ」

男「・・・認めん。こんなの絶対認めんぞ!」



千歳「・・・お客さん。あまり騒ぐと、他のお客様に迷惑やで・・・?」

黒服「・・・」ズラ・・・

男「ぐ・・・」



千歳「それに、ここから借りた借金はないんやからええやないの」

千歳「借金あったら、マグロ漁船か『地下』行きやで・・・?」

千歳「スッテンテンになるぐらいで済んで、良かったと思えへん?」

男「うう・・・」



男「・・・うわぁーっ、今まで、コツコツ貯めてきた6000万がぁーっ!」オーイオイ

京子「スケベ心丸出しにするアンタが悪いのさ」


京子「・・・そういうわけで。6000万もーらいっと。ありがとねー」



男「チクショーッ!」



















千歳「歳納さん、さすがやったわ。焦ってる演技も完璧やったで?」

京子「いや、あれはほとんど演技じゃなかっんだ・・・」

京子「こっちの手を悪く見せる事に成功したと思ってたから、
相手は少々弱い手でも押してくると考えてたけど」

京子「相手が単純に、フラッシュより強い手の可能性もあったんだし。
実際、危なかったよ。・・・ま、それは置いといて」



京子「借りた5000万と、アイツらの分3000万・・・」

京子「確かに、返すからね」

千歳「そんな、ホンマに気にせんでええのに」

京子(千歳には、絶対借りを作りたくないからね・・・)



千歳「ところで。3000万ほど浮いたようやけど、それどないする?」

京子「ん?ああ。みんなのゲーム代に、1000万づつ配って使い切るよ」

千歳「勿体無いなぁ。貯めといたらええのに。また遊びに来た時使えるで?」

京子「いやー、アハハ・・・。(もう、2度と来るのはゴメンだ・・・)」



京子「・・・ところで、みんなは?」

千歳「ああ、せやった」



千歳「皆さん、どうしても遊びたいから言うて」

千歳「さっき、カウンターでチップ借りとったで・・・?」





京子「えっ・・・」




京子「ええーっ!?」



京子「いくら!?いくら借りてた!?」

千歳「そうやねぇ、チラっと見たら・・・」

千歳「ざっと、8000万分ほど」

京子「あ、あいつらぁーっ!」



赤座「止めろよ、千歳ー!」

千歳「だって」

千歳「そっちのが、おもろいやん?」

京子「お、おもろいって・・・」



京子「それで、みんなは!?」

千歳「さっき、ポーカーのテーブルで見かけたで?」

千歳「ちょうど、赤座さんが楽しそうに勝負しとったなぁ」

京子「よりにもよってー!?」



京子「どこ?どこに居る?」

千歳「あっちのテーブルやで?」

京子「こ、こんな事してる場合じゃない!」ダッシュ



京子(あかり・・・。あかりが勝負してる!?)

京子(ババ抜きでも、表情にすぐ出て負けるあのあかりが?)

京子(頼む、ちょっとでもチップ残っててくれ・・・。それに)

京子(さっき勝負した男みたいな奴に、変な条件持ちかけられてるかも・・・急げ!)ダダダ・・・



京子「お前らーっ!」




結衣「おお、京子」

ちなつ「遅かったから、チップ借りちゃいましたよ」

あかり「いっぱい貸りちゃったよね」



京子「いくらだ?今のとこ、いくら負けてる?」

結衣「ど、どうしたんだ京子?」

ちなつ「京子センパイ、顔真っ青ですよ?」

あかり「京子ちゃんは、どうだった?勝った?」



京子「今すぐ、私に代われ・・・って・・・」


男1「うう・・・も、もう勘弁してくれ・・・」

男2「もう・・・イヤだ・・・」

男3「ありえねぇ・・・ありえねぇよ・・・」



ちなつ「あかりちゃん、めちゃめちゃ勝ってて」

ちなつ「もう、8連勝ですよ」

あかり「えへへー」



京子「・・・」


京子「・・・はへ?」



男1「とんでもない、ハッタリ使いだ・・・」

男2「なんで、5000万とか平気で賭けれるんだ・・・」

男3「弱い手でも平気で・・・恐ろしい女の子だ・・・」



千歳「赤座さん、大したモンやわ」

千歳「チップも、200枚ほどになったんちゃう?」

あかり「うん。いっぱい貰っちゃった」ジャラジャラ

京子「に、200ぅ~!?」



京子(・・・えーと、1枚100万だから・・・)

京子(に、2億・・・)ゴクリ



黒服達「・・・お前達。わかってるな・・・?」

男達「「「ヒィッ!」」」



黒服達「さぁ、来るんだ!」

男1「ヤメてくれ!『地下』は!『地下』だけは嫌だぁ~!」

男2「頼む!もうひと勝負、もうひと勝負だけさせてくれぇー!」

男3「ごめんなさい!ごめんなさいぃ~!」


あかり「あ、おじさんたち、帰っちゃうんだ」

京子(・・・;)



千歳「せや。『お帰り』やで」

あかり「そうなんですか。それじゃあ」



あかり「おじさんたち、バイバーイ!」


男1「この悪魔!」

男2「恨んでやる!呪ってやる!」

男3「よく、そんな明るい笑顔で手振れるなお前!?」




あかり「あかり、とっても楽しかったよぉ」


男1「人の破滅する様をニコニコしながら見ているっ・・・!」

男2「恐ろしいっ・・・!」

男3「悪魔っ・・・!人の形をした悪魔っ・・・!」ざわ・・・



あかり「あ、ちょっと待ってね」

あかり「楽しく遊んでもらったし・・・」

あかり「チップは、返すね?」

男達「「「えっ」」」


千歳「・・・ほー」



千歳「ホンマにええの?赤座さん」

あかり「はい。ゲームできなくなっちゃったら、おじさん達かわいそうですし・・・」

あかり「もらった分は、ぜんぶ返すね?」


男1「う、う・・・」ボロ・・・ボロ・・・

男2「もうダメかと思った・・・」ボロ・・・ボロ・・・

男3「俺・・・もう・・・ギャンブルやめる・・・」ボロ・・・ボロ・・・



黒服「ええんですかい・・・?」

千歳「赤座さんが言っとるし、ええやろ」

黒服「チッ・・・運のいい野郎どもだ。行っちまえ」

男達「「「助かったぁ~!」」」ドタバタ



京子「あ、あかり。お前、すごいよ・・・」

あかり「えー?そうかなぁ?」

結衣「あはは・・・ババ抜きは弱いのにな」

ちなつ「すぐに顔に出ちゃいますからね」



京子「それはそうと、お前らが勝手に借りたチップ、返しに行くぞ?」

あかり「えー?もうちょっと遊びたいよぉー」

京子「だーめ。ほら、私の稼いだチップだったら使っていいから」

あかり「えー・・・」



結衣「なーんだ。たったの3000万ぽっちかー」

ちなつ「すぐになくなっちゃいますよねー」

あかり「6000万くらい欲しいよー」

京子(何も知らないってのは、幸せだ・・・)



京子「とにかく、借りたものはきちんと返してから!」

京子「わかった?」

結衣「・・・まぁ、京子がそこまで言うのなら」

ちなつ「仕方ありませんねー」

あかり「もう。京子ちゃんのケチー」









(1時間後)

結衣「あーあ。もう終わりかー。途中まで調子良かったったんだけどなー」

ちなつ「やっぱり、小額をチビチビ賭けてちゃ勝てませんよねー。
勝負所でドンと行けないですし」

あかり「あかりも負けちゃったよぉ」

京子「もう十分だろ?さあ帰るぞ」



千歳「あら、もう帰るん?」

京子「あ、ああ。もう十分遊んだからさ。チップも無くなっちゃったし」

千歳「そうなん」

京子「やー、チップが勿体無かったなぁ(これで、貸し借りは一切なし!)」



千歳「また、遊びに来てな?」

京子「あ、ああ・・・。気が向いたらね・・・(もう、絶対来ないぞ!)」
















(数日後、ごらく部)



結衣「さーあかり。勝負する?降りる?」

あかり「う、う・・・」

あかり「・・・降りる」



結衣「はーい残念。私の手はブタでした」

ちなつ「あかりちゃん、勝負してたら勝ってたのにー」

あかり「ええー?結衣ちゃんブタだったのぉー?」



結衣「アハハ・・・。それじゃ、あかりの驕りでみんなにジュースだね」

ちなつ「あかりちゃん、ごちそうさまー」

あかり「わーんっ、あかりのお小遣いがー!」

京子「・・・」



ちなつ「あかりちゃん。思い切って勝負に出れば良かったのに」

あかり「だ、だって・・・。負けたらジュース代払わなきゃって思うと・・・」

あかり「そんなの、無理だよぉ!」

京子「アハハ・・・」



京子(この前、実は数千万円賭けてたなんて知ったら・・・)

京子(きっと気ー失っちゃうなこりゃ)

京子(まー、トランプはこーやって、みんなでワイワイ遊びでやるのが一番!)



京子(ともかく、この前は何事も無く済んでよかっ・・・)


綾乃「としのーきょーこー!」

千歳「お邪魔します~」



京子「お、おお綾乃。それと千歳」

京子「どったの?」

綾乃「どったの?じゃないわよ」



綾乃「千歳に聞いたわ。この前、千歳とみんなでゲーム大会に参加したんですってね・・・」

京子「う、まぁ・・・」

綾乃「どうして、私も誘ってくれなかったのよーっ!」

京子「・・・は?」



千歳「綾乃ちゃん、ごめんなぁ。綾乃ちゃんあんまりトランプとか好きじゃない思ててな」

綾乃「そんな事ないわよ。・・・とにかく」

綾乃「みんなで遊びに行くなら、一言くらい声かけてくれたっていいじゃないの歳納京子ーっ!」

京子「い、いやあのさ・・・」



あかり「あ、池田先輩。今度またゲーム大会があったら、遊びに行きたいです!」

結衣「そうだね。この前、楽しかったよ千歳」

ちなつ「杉浦先輩も、今度は一緒に行きましょうよ!」

綾乃「え、ええまぁ・・・歳納京子も一緒なら・・・」

千歳「・・・綾乃ちゃん、かわええわぁ~」ハナジ


京子「ちょっ・・・お前ら・・・」



千歳「せやなぁ。それじゃあ今度また、みんな招待するよって」

千歳「ぜひ、遊びに来てな?」


あかり「わぁい、池田先輩ありがとう!」

ちなつ「次は勝ちまくっちゃうんだから!」

綾乃「そ、その・・・。歳納京子・・・今度は私も一緒に・・・」

結衣「今から楽しみだなぁ、京子」


京子「だ、駄目だって!」



ちなつ「えー?別にいいじゃありませんか」

あかり「また遊びに行こうよ京子ちゃん?」

結衣「チップ稼いでくれな、京子」

綾乃「そんな・・・私と遊びに行くのが嫌なの・・・?」

千歳「歳納さん、ぜひまた来てな?待ってるで」


京子「あ、あのなぁ・・・」



京子「・・・もー」





京子「2度といくか、あんなとこーーーーっ!」






終わり

ギリギリ、誕生日内に終わった・・・。
歳納京子お誕生日おめでとう。
あまり誕生日にふさわしい内容じゃなくてごめんなさい。

読んでくれた方、ありがとうございました

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