765P「346に負けちゃあいられねえ! 俺達は『仮名手本忠臣蔵』をやるぞ!」 (19)

すぐ終わります。


 初めに『仮名手本忠臣蔵』とは、江戸城松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつけ、本人は切腹、赤穂藩は断絶となる発端から、
大石内蔵助ら赤穂浪士四十七人が、苦難の末吉良邸に討ち入って主君の仇を討つまでのドラマ、所謂『忠臣蔵』を脚色したものです。

 最初は人形浄瑠璃として上演されましたが、後に歌舞伎でも上演されるようになり、
『義経千本桜』『菅原伝授手習鑑』と合わせて歌舞伎義太夫狂言の三大名作とされています。

 江戸時代は武家社会の事件をそのまま上演することが禁じられていたので、時代設定や人物は『太平記』の世界に置き換えられています。
吉良上野介は高師直(こうのもろのう)。浅野内匠頭は塩冶判官(えんやはんがん)。大石内蔵助は大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)という役名で登場します。

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P「346プロが特番で新選組をやったそうだな。俺達も負けちゃあいられねえ!
 あっちが新選組ならこっちは忠臣蔵だ! 765プロ総出で『仮名手本忠臣蔵』をやろうじゃないか!」


春香「勿論、メインヒロインであるこのわた春香さんが大星由良之助に決まってまs」


P「春香は高師直な」


春香「待て待て待てーイッ!!」


P「なんだ不満か?」


春香「不満も不満、大不満!!」


P「じゃあ鷺坂伴内(さぎさかばんない)なんてどうだ?」

春香「そっちの方がもっと嫌!!
   何で765プロの象徴的存在であるこの天海春香さんが高師直なんですか!?
   寧ろ律子さんの方が師直でしょ!」


P「いやいや、律子こそ由良之助だろ」


春香「でたよ、でたでた!
   すーぐ律子さんに良い役をつけたがる悪い癖が!」


P「馬鹿野郎! どう見ても律子が由良之助だろうが!!」


春香「でもですよ? ここ最近の風潮からしても、私が主役をやった方が良いと思いませんか?
   この前の『 THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』での活躍を加味しても!」


P「でもあれだと、春香より伊織の方g」


春香「はいはいこの話は終わり!! 次行こう次!!」

P「あ、因みに塩冶判官は千早に演じてもらうから」


春香「私に親友である千早ちゃんを虐めろ言うんですか!? 酷い! まさにゲスの極み!!」


P「本当にそう思ってるの?」


春香「実はめちゃくちゃ千早ちゃんを虐めたいと思ってる」


P「お前の方がゲスの極みだよ……」

~後日 稽古場~



P「よし、早速稽古だ稽古! 先ずは……」


春香「鮒武士(ふなざむらい)のところ! 三段目の松の間刃傷の場やりたい!」


P「もうノリノリじゃねえか……それじゃあ千早、いけるか?」


千早「えぇ、勿論です。この企画の為に歌舞伎、文楽の映像を見まくって研究してきました。」


P「おお、気合十分だな! それじゃあ……はい始め!」

春香「あなたのように、内にばかりへばりついている人の事を、なんだっけなあ……
   井戸の……井戸の中の鮒っていう譬があるんだよねえ。後学の為によっく聞いてなさい!」


千早「……」


春香「その鮒は三尺か四尺しかない井戸の中に居たんだけどね、井戸替えの時に、釣瓶にかかって地上に上がりました。
   それをとっても優しくて、とってもかわいい! あの有名アイドルの天海春香さんのような慈悲ぶか~い人が可哀想に思って、川に放ってやりました。
   そしたらその鮒、急に広い場所に出たもんだから喜んで、あっちへこっちへうろうろするうちに、
   橋杭に鼻っ柱をぶっつけてえ! ぴりぴりぴり~♪ ぴりぴりぴり~♪と、死んじゃいましたとさ~。」


千早「……それが、どうしたっていうの?」


春香「ふふふ……あなたもその鮒と一緒だねえ」


千早「は?」

春香「あんなちっさい屋敷から、急にこんなひろ~い屋敷に来たもんだから、あっちへうろうろ、こっちへうろうろしてる内に、
   大臣柱へ鼻っ柱をぶっつけてえ! ぴりぴりぴり~♪ ぴりぴりぴり~♪と、死んじゃいましたとさ~!」


千早「馬鹿な事を……」


春香「あれれ~? 良く見たら、あなた鮒にそっくり!」


千早「なっ!?」


春香「その力んだ顔、その小さくてかわいらしいお胸も鮒にそっくり!
   鮒が裃を着てるなんて初めて見た! あははははははっ!!」


千早「くっ……」

春香「みんな~! ここに鮒が居るよ~! 世にも珍しい裃を着た鮒が居るよ~! あはははははっ!
   田舎もンが調子こいてんじゃねえぞバーカwww ひひひひひっwww」


千早「……」


春香「ひひひひ……鮒よ~、鮒よ~……鮒だ鮒だあ!! 鮒ざむれえだあっ!!」


春香「だーはっはっはっはっはっ!!」


千早「!!」


春香「その手はなに? ここは殿中だ! 刀なんて抜けば首が飛んじゃうよ~?」


千早「……」


春香「抜いてみろ~、斬ってみろお!!」

千早「うあぁあああああっ!!!」


春香「ひゃあああっ!? た、助けてえ!!」


P「や、やめやめ!!」


千早「殺してやる……殺してやる!!」


P「やばい、本気でキレてる……千早を止めろお!!」


春香「お、お助けえ~!」


P「千早やめろ! 殿中でござる! 殿中でござるー!!」

~数時間後~



P「な、何とかなだめた……」


春香「し、死ぬかと思った……」


P「だが、あの迫真の演技は春香にしかできない。やはり俺の目に狂いは無かった!」


春香「喜んでいいのか良くわかりませんよ……」


P「千早と春香の出る場の稽古は後にして、
 次は『道行旅路の花聟(みちゆきたびじのはなむこ)』の稽古をしよう」


春香「落人ですか。勘平はやっぱり真ですか?」


P「その通り。お軽は勿論雪歩だ」

春香「それじゃあ私は、端で見学でもしてますねえ~」


P「なに言ってんだ。春香も出るんだよ」


春香「は?」


P「鷺坂伴内もやるんだよ。早く用意しろよ」


春香「絶対いやだあ!!」



『その後、鷺坂伴内もノリノリで演じた春香さんでしたとさ。チャンチャン♪』



春香「チャンチャン♪ じゃねえよバーカ!!」




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