コナンSS「ある殺人者の記録」 (20)

「......平成○○年×月△日。これよりレコーダーへの録音を開始する」

「これから私は、とある殺人犯が収監されている刑務所へ向かう」

「あの狂気とも思われる連続殺人を引き起こした犯人......。毛利蘭への面会に行く」

「若干20歳にも満たない女性が引き起こした......。史上稀に見る素手による連続殺人。その詳細は毛利蘭の発言が要領を得ない事もあり、未だ不明な点が多い」

「この度、私は心理学者として彼女に接し少しでも情報を引き出して欲しいとの依頼を受け、特別に接見を許された」

「その内容を記録する為、このレコーダーに音声を残す事も許された」

「正直、どんな事が待ち受けているか不安だが......。依頼を承った以上は全力で全うする所存だ」

「......間もなく敷地内に入る。荷物チェックの為、1度電源を切る。毛利蘭との会談を開始する際、また電源を入れる。以上」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458318559

「......再度録音を開始する。今私は身体検査を受け、刑務所の中に入った。会談を始める前に録音を開始する事が出来た」

「今彼女......。毛利蘭が連れて来られる部屋の側で待っている」

「辺りは非常に物々しい雰囲気だ。刑務官も皆不安を......。いや、恐怖を感じている様にも見える」

「無理もない。あの事件を知る者なら、彼女に恐怖を感じてしまうのは仕方無い事だ」

「正直、私も恐れを禁じ得ない。これだけ厳重な警戒の中ではあるが、果たして自分が無事に帰れるのかが不安で仕方無い」

『先生、時間です』

「分かりました」

「......準備が整ったようだ。これよりアプローチを開始する。再度会話が始まり次第録音を仕切り直す。以上」

「......平成○○年×月△日。午後2時丁度。これより、毛利蘭との面会を開始する」

「......済まないね、業務的な始まり方で」

【......構いませんよ】

「では改めまして、私は心理学者の佐々木と申します。この度、君と話をさせてもらう為に来ました。宜しく」

【......話って、何ですか?】

「察しはついていると思うけど、君が引き起こした例の事件について、聞きたい事があるんだ」

【......何故聞きたいの?】

「何故?」

【先生みたいな人、今までも何人も来たけど。話したいと思えなかったの。ねぇ、聞かせて?先生は何で私の話を聞きたいの?】

「......」

【私が納得行く理由だったら、話しても良い。それ以外なら話さない。帰って貰う】

「......妙な話だね、わざわざ人を試す様な事をするなんて。そんな事をする位なら、面会を断る事も出来たと思うけど」

【......別に私は話をしたくない訳じゃないの。でも、それが誰でも良い訳じゃない。信じられる人にしか話したくない。だからみんなに理由を聞くの】

「......成る程。分かった。君が聞いて納得するかは分からないが。私が君に話を聞きたい理由は、失礼を承知で言うと自分の探求心の為にだ」

【探求心?】

「......君の傷口を抉る様で悪いが、君の起こした事件は余りにも異例ずくめだった。その内容。規模。凄惨さ。余りの事件の異様さ故、当時未成年だった君の実名を特例で警察は公表する事になった。それ程の大事を引き起こした理由は何だったのか。それを知りたいんだ」

【......】

「気を悪くした事と思う。しかし、君の内面を抉る以上、おためごかしはしたく無い。これが偽らざる私の本音だ」

「......再度録音を開始する。今私は身体検査を受け、刑務所の中に入った。会談を始める前に録音を開始する事が出来た」

「今彼女......。毛利蘭が連れて来られる部屋の側で待っている」

「辺りは非常に物々しい雰囲気だ。刑務官も皆不安を......。いや、恐怖を感じている様にも見える」

「無理もない。あの事件を知る者なら、彼女に恐怖を感じてしまうのは仕方無い事だ」

「正直、私も恐れを禁じ得ない。これだけ厳重な警戒の中ではあるが、果たして自分が無事に帰れるのかが不安で仕方無い」

『先生、時間です』

「分かりました」

「......準備が整ったようだ。これよりアプローチを開始する。再度会話が始まり次第録音を仕切り直す。以上」

>>6はミスです。

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