女「冬だし怖い話でもするか!」(28)

ズ

男「おかしいだろ・・・一般的には夏のイメージじゃないか?」

女「馬鹿野郎!怖い話に季節なんて関係ないのよ!」

男「誰だよ『冬だし怖い話でもするか!』とか言った奴」

女「エーダレソレコワーイ」

男「ふざけるな」

女「まぁ鍋でも食いながらしましょうや」

男「しゃーねぇな」

ズズ

男「まだ鍋煮えないな」

女「んじゃ一丁怖い話でもしますか」

男「じゃあお前からな」

女「待ってました!!」

男「テンションやばいな」

女「じゃあ冬の怖い話をするね」

男「おー」

女「むかーしむかしおじいさんとおばあさんが・・・」

ズズズ

男「えっと、それはおとぎ話の気がしてならないんだけど」

女「大丈夫!安心して聞いて!」

男「おう・・・」

女「昔、北の方の話。その村は雪がよく降る地域だったの」

男「ここみたいな地域か」

女「そ、そ。んで、ある農家のおじいさんは困っていたの。冬は作物が作れないからね」

ズズズズ

男「農家は大変だよな」

女「ねー。だからそのおじいさんは狩をすることにしたの」

男「ほうほう」

女「狩のために山に入ると白鳥が罠にはまってもがいていたの」

男「・・・うん」

女「その白鳥をおじいさんは逃がしてやったの。そしたらその晩、おじいさんの家に若い娘が・・・」

男「まて、それは鶴もとい白鳥の恩返しでは無かろうか」

女「ちがうよ!オリジナルだよ!」

ズズズズズ

男「嘘つけ!自分で言っておいて真面目に話さないのか!」

女「冗談だよー・・・あ、鍋煮えた」

男「まったく・・・じゃあ鍋食いながら話せよ」

女「はぁーい。わお!美味しそう!」

男「タラ鍋は美味しいよな。いただきます」

女「いっただっきまーす!わお!でっかい鱈!」

男「うまい」

女「あぁー!その鱈私のよりでっかいよ!」

ズズズズズズ

男「知らんがな」

女「うぅー・・・男なんか怖い話でビビってろ!」

男「んじゃビビるような怖い話してみろよ」

女「いいわよ・・・漏らさないでよね?」

男「誰が漏らすか」

女「ごほん・・・これはあるビルの話よ」

男「おう」モシャモシャ

女「・・・そのビルの六階にはある噂があるの」

ズズズズズズズ

男「六階ってよく怖い話に使われるよな」モシャモシャ

女「そうね・・・で、その噂なんだけど・・・」

男「うん」ズズー

女「・・・冬なのに蝉がなく」

男「はぁ?」

女「そのビルには二つの階段があるの」

男「ほう」

女「西階段と東階段。で、その西階段の方から蝉の声がするーって噂されていたのよ」

ズズズズズズズズ

男「西階段の方か・・・東階段からはしないのか?」

女「そう。蝉がなくのはいつも西階段からなの。で、六階にはある女の人と男の子の家族と老夫婦、若い男の人が住んでいたの」

男「・・・うん」

女「男の人が会社から帰って西階段を上ると、蝉の声が聞こえたの」

男「ほう」

女「六階に上がるための踊り場付近からジーッジーッジーッって」

ズズズズズズズズズ

男「何だっけ・・・ジージー鳴く蝉って」

女「多分アブラゼミかな・・・踊り場をあがるとだんだん声が大きく鳴るの」

男「ほう」

女「その蝉の声はどうやら女の人の部屋から聞こえるの。ノックをしても蝉の声がするだけ」

男「おう・・・」

女「ドアノブをひねると・・・ガチャリ。ドアが開いたの。そのドアの裏には・・・」

男「・・・」

女「ドアいっぱいの大きさの蝉が張り付いていたの」

男「きめえええぇええぇえぇえ!!!」

女「・・・男の人はその部屋に入ったの」

ズズズズズズズズズズ

男「逃げろよ!でっかい蝉いたんだろ!?」

女「・・・だってその蝉は死んでいたんだもの。どうやら奥の部屋から声がするから声をかけてみたの『すみません』すると『はーい』と女の人の声」

男「・・・」

女「みると女の人は奥の部屋にいたの・・・たくさんの蝉と一緒に」

男「おぇええ・・・」

女「でも、その蝉はすべて死んでいるの。じゃあその蝉の声はどこから・・・すると女の人が声を出し始めたの」

男「・・・」

女「ジーッジーッジーッって」

ズズズズズズズズズズズ

男「身体中に鳥肌が・・・怖いんじゃなくてキモイからだぞ!なんだその話!」

女「漏らした?」

男「漏らさねーよ!・・・鍋食いたく無くなったじゃん」

女「心配しなくてもすべて食べてあげる」

男「やめろ!」

女「さっ次は男の番!」

男「えぇー・・・」

女「ほら早く!」

男「しゃーねぇな・・・」

ズズズズズズズズズズズズ

男「今からほんの少し前・・・ちょうど二、三年前に聞いた話をする」

女「ほうほう」

男「これは携帯電話にまつわる話だ。ある中年の男には二人の娘がいた。いつも携帯を買って欲しいとせがんできた」

女「ふむ」

男「でも男は買い与えなかった。無駄だと思っていたからだ」

女「ほう」

男「ある日、長女が三泊四日の旅行に行くことになった。さすがに連絡を取らねばと思い男は長女に携帯を買ってあげた」

女「ふむふむ」

ズズズズズズズズズズズズズ

男「留守番を男と次女がしていると電話がなった。どうやら長女のようだ」

女「ほう」

男「次女が電話を取ると・・・『に』と長女のではない声がしてすぐにきれた」

女「おう・・・」

男「リダイアルすると長女がでた。電話などかけてないという。疲れているようだったので次女は電話をきった」

女「いい子ね」

男「次の日は『いち』という電話がきた。長女は旅を楽しんでいるようだった」

女「・・・ねぇ、その電話って」

ズズズズズズズズズズズズズズ

男「早とちりすんなって。次の日の朝早くに電話が来た。長女が旅行先で倒れたという電話だ。そこで男は旅行先へと向かった」

女「・・・うん」

男「次女が一人で留守番していると電話がかかる。『ぜろ』という電話だ」

女「・・・」

男「それからしばらくしてまた電話がきた。病院からだ。旅行先へ向かう途中、男が事故で亡くなったというものだ」

女「・・・」

男「時間は『ぜろ』という電話がかかってきた時だった」

女「・・・その電話、お姉さんへのものかと思ったわ」

ズズズズズズズズズズズズズズズ

男「やっぱりな」

女「もう・・・でもあまり怖くないわね」

男「うるせー!」

女「ねぇ、鍋食べちゃいましょ?」

男「そうだな・・」

女「うーん・・・冷めてる」

ズズズズズズズズズズズズズズズズ

男「くそー・・・話が長かったか」

女「んじゃ温めますか」

男「おー・・・」

女「でもこれ美味しいわね・・・おばさんが煮たの?」

男「ぶぶー」

女「えぇー・・・お姉さん?」

男「ぶぶー」

女「おばあちゃん!」

男「ぶぶー」

女「えーっと・・・お父さん?」

男「ぶぶー」

女「じゃあ・・・まさか」

ズズズズズズズズズズズズズズズズズ

男「煮たのは俺です」

女「えぇー嘘だよー」

男「嘘じゃねーよ」

女「くそー負けたー」

男「お前は料理下手だからな」

女「失礼な!」

男「プリンサラダはやばかった・・・」

女「何をー!!美味しいじゃないの!」

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

男「げぇー・・・舌おかしいと思うぜ」

女「ひどーい!!」

バチン

男「!?暗くなったぞ」

女「て、停電!?」

男「ちょっとブレーカー見てくる」

女「うん、よろしく・・・」

いいね!

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

男「ロックがかかっている!?」

女「な、なんで・・・」

男「くそ・・・誰だよ」

女「怖い・・・」

男「・・・」

女「・・・ねぇ、変な話、していい?」

男「・・・あぁ」

女「さっきからさ、変な音しない?」

男「・・・」

女「ズズズズっていってない?」

ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ

男「よく気付かないな・・・」

女「え?」

男「俺はずっと注意してやってたんだぜ?毎回毎回、最初に」

女「え?男?」

男「・・・なぁ、女」

女「な、なに」


男「まだ気付かないのか?」


おわり

すげぇ!

解説頼む

毎回最初に注意してやった

理解した


怖い話は自作なんでちょっとあれだと思う
気にしないで欲しい

自分でちょっと書いててアレだけど
解説は無しでオナシャス!!
ではここまで


ズズズズってなんだよと思ってた

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