お嬢様「今日は何を聴かせてくれるの?」(27)

メイド「お嬢様・・・男様、という方がお見えになっておりますが・・・」

お嬢様「!?」

お嬢様「い、急いでお通ししなさい!早く早くっ!」

メイド「は、はいっ」

お嬢様「うふふ・・」

メイド長「ご学友ですか?」

お嬢様「ええ、最近お友達になったの。いろんな音楽を教えてくれるのよ」

メイド長「それは素晴らしいですね。どのような音楽を?」

お嬢様「いろいろ教えてくれるけど、主にロック?・・・というやつよ」

メイド長「・・・お嬢様、ロックははしたない音楽です。そのようなものを好む方とは・・・」

お嬢様「・・・あなたもお父様と同じことを言うのね」

コンコン

メイド「お嬢様、お連れいたしました」

男「おじゃまします」

お嬢様「!・・・いらしゃい、男君!」

男「やあ、お嬢様、お招きありがとう」

お嬢様「男君、こちらが例のメイド長よ」

メイド長「・・・はじめまして」

男「はじめまして。あなたが例のメイド長さんですか」

メイド長「お嬢様、私のことをなんと・・・?」

お嬢様「いつもガミガミ五月蝿いくせにお部屋は可愛いお人形だらけだって」

メイド長「んなっ!?///・・・・お嬢様!///」

男「いいじゃないですか、僕も人形好きですよ」

お嬢様「どんなお人形?」

男「お嬢様の身長くらいある女の子の人形だよ。毎日抱いて寝てるんだ」

お嬢様「まあ、大きいのね!是非見てみたいわ」

メイド長「多分お嬢様が想像しているようなモノではないと思いますよ」

お嬢様「そうだ、聞いて頂戴男君!メイド長ったらロックなんてはしたないから聴いちゃダメだって」

男「ありゃ」

メイド長「あ、いえ・・・そのう、ですね・・・」

お嬢様「お父様も同じことを言うの。○○グループ会長の娘として相応しい教養を身につけなさいって」

男「じゃあロックはまた今度にしようか。ジャズやクラッシックなんかだったらいいんですよね?」

メイド長「え・・・ええ、まあ・・・」

男「じゃあクラッシックで」

男「iannis xenakis 『dammerschein』」
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=l2kjsrofdbs


メイド長「これは・・・ホラーですか?」

お嬢様「確かに怖い感じがするわね・・・」

男「ヤニスは数学を使った作曲方法する人なんだ。面白いだろ?」

お嬢様「ええ、面白い!」

メイド長「・・・」

男「じゃあ次はジャズ」

男「dizzy gillespie『and then she stopped』」
http://www.youtube.com/watch?v=zjza7lyyglw&feature=player_detailpage


お嬢様「素敵ね・・・こういう音楽ならいいんでしょう?」

メイド長「はい!こういうのなら大歓迎ですよ」

男「彼は得意体質でほっぺがリスみたいに膨らむんだ」

お嬢様「リス?可愛い!」

男「モダンジャズの原型となるビバップを築いた一人さ」

メイド長「おお・・・」

男「若いころは結構やんちゃだったみたいだね。あと結構悪ノリもひどかったとか」

メイド長「えっ・・・」

男「まあ普通ですよ」

男「次はまたクラッシック」

男「john cage 『4'33』」
http://www.youtube.com/watch?v=3fyvfemujl8&feature=player_detailpage


メイド長「な、なんですかこれ・・・?」

男「知りませんか?」

メイド長「ええ・・・」

男「この無音の中の音を楽しむんですよ」

お嬢様「うふふ、おもしろーい!」

メイド長「あの、こういう音楽は・・・」

男「あれ?クラッシックやジャズならいいんじゃないんですか?」

メイド長「そうなんですけど・・・」

お嬢様「あっ、いけない!お茶をお出ししてなかったわ!メイド長急いでお出しして」

メイド長「すっ、すみません、ただいま!」ダダダッ

お嬢様「・・・行きましたね。さあ、メイド長のいないうちにロックを聴きましょ」

男「よろこんで」

男「じゃあビートルズなんかどうかな」

お嬢様「知ってる!有名ね」

男「the beatles『help』」
http://www.youtube.com/watch?v=tu7jjjjzi1q&feature=player_detailpage


お嬢様「やっぱりロックがいいわ。心が震える感じがするもの」

男「この曲の入ったアルバム「help」は邦題で『四人はアイドル』って言うんだ」

お嬢様「え?全然違うじゃない」

男「当時、ビートルズはロックバンドというよりはアイドルという認識をされてたんだ。そんな状況から皮肉を込めて四人はアイドルと名づけたのさ」

男「村八分『夢うつつ』」
http://www.youtube.com/watch?v=omkqlfes8ns&feature=player_detailpage

お嬢様「あら?日本のロック?」

男「村八分ってバンドっていう伝説的なバンドさ」

お嬢様「すごい名前ね・・・」

男「ほとんどの曲が放送禁止。毎回薬をキメてライブしていたらしい」

お嬢様「わあ」

男「僕の大好きなバンド」

お嬢様「ホント・・・カッコいいです」


飽きた

男「じゃあ次はもっと五月蝿いのを」

お嬢様「五月蝿い?」

男「jesusu&mary chain『never understand』」
http://www.youtube.com/watch?v=noetcf8pluc&feature=player_detailpage


お嬢様「うわあ・・・」

男「このバンドはシューゲイザーってジャンルを築いたうちの一つなんだ」

お嬢様「工事現場みたいね」

男「こういうのは嫌い?」

お嬢様「痺れちゃうワ」

男「たま『方向音痴』」
http://www.youtube.com/watch?v=rsgqgzepnp8&feature=player_detailpage

お嬢様「可愛い曲!」

男「可愛い?・・・珍しい感覚だね」

お嬢様「歌詞が変ね」

男「現代詩っぽくて僕は好きだよ」


メイド長「おまたせいたしました!」

お嬢様「あら、もう来たの」

メイド長「あっ!なにか聴いてますね?・・・なんですかこの曲?」

男「たまです」

お嬢様「可愛いでしょう?」

メイド長「いやぁ・・・」

お嬢様「あれ~?」

男「じゃあジャズっぽいのに戻しますか」

お嬢様「えええ・・・」

メイド長「ぜひともそうしてください」

男「frank zappa『king kong』」
http://www.youtube.com/watch?v=7p6yuvqbxsy&feature=player_detailpage


メイド長「いい曲ですね」

男「次はこの人の別の曲を・・・」

メイド長「どうぞどうぞ!」

男「frank zappa『bobby brown』」
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=w8y0jlpql94


お嬢様「////」

メイド長「な、なんて歌詞ですか・・・///」

男「いいって言ったじゃないですか」

男「ちなみにザッパはライブ中にウンコを食べたという伝説があります」

メイド長「こういう曲は聴かないでください!」

お嬢様「ええ~!?」

メイド長「ダメです」

お嬢様「じゃあ最後に一曲だけ聴かせて!」

メイド長「ええぇ・・・」

お嬢様「ピアノのお稽古もちゃんとやるから!ね?お願い!」

メイド長「・・・一曲だけですよ」

お嬢様「やった!」

男「じゃあとっておきを。フリージャズなんで安心してください」

メイド長「・・・」

男「naked city『osaka bondage』」
http://www.youtube.com/watch?v=pynbhqrlsbc&feature=player_detailpage


メイド長「」

お嬢様「カッコいい!」

男「じゃあ僕は帰りますね」

お嬢様「さようなら。明日、学校でも面白い曲聴かせてね」

おわり

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