朋「DJ智絵里の」ほたる「お悩み相談ラジオ?」 (39)



前作

白菊ほたる「今日のゲストは藤居朋さんと緒方智絵里さんです!」




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―――――事務所―――――


緒方智絵里「この前、DJのお仕事をさせていただいたんですけど」

藤居朋「あ、見たわよ!いつもとは違ったイメージでよかったね~」

白菊ほたる「はい!かっこよかったです!」

智絵里「えへへ……。ありがとうございます」

智絵里「その時に、持ち前のセンスとフィーリングを駆使して前衛的なリリックとライムを紡いでフロアをアゲ↑アゲ↑にしてたらスタッフさんに声を掛けられまして……」

朋「ごめん、発言者と内容のギャップに脳が追い付かない」

ほたる「よ、YO!」

朋「下手か!」


智絵里「何でも、もうすぐラジオ番組の改編期らしくて、1か月間、空きが出る時間帯があるらしいんです」

ほたる「なるほど……」

朋「そこで番組をやらないか……ってこと?」

智絵里「はい。お悩み相談系の特別番組ということだけは決まっていて、お便りも集めているそうなんですが、MCだけ決まってないみたいなんです」

朋「へぇ~……」

ほたる「よかったですね!」

朋「あの……もしかして、このパターンは……」

智絵里「そこで、2人にはゲストとして一緒に出演してほしいんです!」

朋「やっぱり!!!」



智絵里「そのスタッフさんが、前に3人で出演したほたるちゃんのコーナーも見ていたらしくて」

ほたる「次回はどこに行くんでしょうね」

朋「それも気になるけど一旦置いといてほたるちゃん」

智絵里「『あの不幸な娘とツッコミ上手も一緒にどう?』と……」

朋「認識に悪意がないかなぁ!?」

ほたる「不幸な娘なんて……そんな……照れます……」テレテレ

朋「脳のどこでエラーが起きたらその反応になるの?」


智絵里「ダメ……でしょうか……?」

朋「う、ううん!そんなことない!」

ほたる「私も、この3人でまたお仕事ができて幸せですよ?」

智絵里「ほたるちゃん……」

朋「ほら、ほたるちゃんが『幸せ』って言ってるんだよ?一緒に頑張ろ?」

智絵里「……はいっ!」

朋(……でも後で胃薬買っておこうかな)


智絵里「まあ収録なので、最悪の場合は[ピーーーーー]とか[バキューーーン]とかで誤魔化してもらいましょう」

朋「アイドルのラジオよね!?」



―――――収録日・ラジオ局―――――


朋「いやぁ~、でもテレビと違ってカメラがないから、ちょっとは気が楽ね」

ほたる「そうですね」

智絵里「あと、お客さんがいないのもわたしにとっては安心です……」

ほたる「智絵里さん、緊張しい(っていう設定)ですもんね」

朋「行間」



智絵里「あまり長い番組でもないので、落ち着いて、1つ1つお悩みを殲滅していきましょう!」

朋「そのワード本番なら規制だからね」

ほたる「駆逐してあげます……1つ残らず!」

朋「ほたるちゃんはどうしたの!?」

智絵里「どうせ大した悩みなんて送られてきませんし」

朋「智絵里ちゃん!!」

スタッフ「本番2秒前でーす!」

朋「あなたこの前の撮影にもいませんでした!?」


智絵里「こんばんはっ。DJ智絵里のお悩み相談ラジオの時間です!」

智絵里「この番組では、皆さんのお悩みをDJ智絵里がズバッと一刀両断しちゃいます!」

朋(なんで切り捨てる前提なの)

智絵里「そして、今回はゲストにもお越し頂いているんです!」

智絵里「朋さん、ほたるちゃん、よろしくお願いしますね」

藤居朋「こんばんは!藤居朋です!短い間だけどよろしくね!」

白菊ほたる「こんばんは。白菊ほたるです。皆さんが少しでも幸せに近づけるように頑張りますので、よろしくお願いしますね」

智絵里「それでは、CMを挟んですぐに1通目のお便り、行っちゃいます!YO!」

朋「とってつけたようなDJ要素」



~~CM明け~~


智絵里「では、早速1通目のお便りです」

智絵里「20代の男性の方からですね。『こんにちは。私は現在、一人暮らしをしているのですが、アパートの壁が薄く、隣人の生活音がどうしてもうるさく感じてしまいます。どうすればいいでしょうか?よろしくお願いします』……とのことです」

朋「あ~、最近多いわよね、こういう話。やっぱり、お隣さんと一度きちんと話し合った方がいいんじゃないかな?」

智絵里「引っ越しましょう。はい、では次のお便りに……」

朋「ちょ、ちょっと!!!そんな流れ作業みたいなスピードで!?」



智絵里「?」キョトン

朋「ラジオだから伝わらないけど、そんな純粋な目をしないで!」

智絵里「でも、“君子危うきに近寄らず”と言いますし……」

朋「危ういのは智絵里ちゃんの発想よ!?」

朋「ほ、ほたるちゃんも何か言ってあげて?」

ほたる「法的措置ですね」

朋「13歳なのに発想が一番シビア!?」



ほたる「迷惑防止条例などにうまく引っ掛けることができれば、裁判をチラつかせつつ優位な立場での交渉ができますよ」

朋「その経験者みたいな語り口やめてくれないかな!?」

智絵里「自分が出ていくか相手を追い出すか……」

ほたる「それはまさに」

智絵里&ほたる「「DEAD or ALIVE」」

朋「なんなのこれ!!!」



智絵里「では、続いてのお便りです」

朋「いいの?さっきので解決?ホントに?」

智絵里「40代の男性からですね。『こんにちは。私は妻と中学生の娘との3人暮らしをしているのですが、最近、娘がやれ“お父さんの服と一緒に洗わないで”とか、やれ“お父さんの後にお風呂に入りたくない”などと言い出して困ってしまっています。どうしよっか?』……だそうです」

朋「最後急に軽くない!?」

ほたる「これも、よく聞く話です」

智絵里「娘さん、思春期なんですね……」

朋「……まあ、誰しもが通る道とはわかっているんだろうけどね。お父さんから見ると辛いわよね」

智絵里「厳しい意見にはなってしまいますが、娘さんの気が変わるまで耐えるしかないですね」

朋「なんでその前置きをさっきの質問の時に使えなかったのかな」



ほたる「きっといつか、お父さんの凄さが伝わる日がきますから」

朋「うんうん、結局、1人では生きられないものね」

智絵里「日本語のラップって両親に産んでくれてマジ感謝!しがちですよね」

朋「なんで煽ったの」

ほたる「YO!」

朋「ほたるちゃんが思ってるほど『YO』は万能じゃないからね!?」



智絵里「次のお便りは、ほたるちゃんに読んでもらおっか」

ほたる「はい!」

ほたる「えっと……。10代の男性からですね。」

ほたる「『こんにちは。僕は家で犬を飼っていました。ですがこの前、その犬が死んでしまったのです。お医者さんが言うには、“寿命で亡くなったから大往生”らしいのですが、とても悲しいです。僕はこの先、どうすればいいのでしょうか』……とのお便りです」

朋(重いの引いたなぁ……)

智絵里「うーん、生き物の問題は難しいよね……」

ほたる「そうですね……。そもそも生き物はなぜ生きるのでしょうか……」

朋「さらに難しくしないで」

智絵里「人生は死ぬまでの暇つぶしに過ぎないんだよ」

朋「智絵里ちゃん!?」



ほたる「そのワンちゃんが忘れられないのなら、新しく飼っても仕方がないとは思います」

朋「そうね……心の整理がつくまでは、無理に忘れようとしなくてもいいと思う」

智絵里「はい、きっと、天国でそのワンちゃんもあなたのことを見ていますから。いつか、前を向けるようになればいいですね」

朋(……ようやくお悩み相談っぽく答えられた気がするわ)


智絵里「次の質問は20代の方からですね。『吉野家と松屋ってどっちのが美味い?』」

朋「落差!!!」



智絵里「まず、両店の大きな違いは“食券式か否か”だよね」

ほたる「はい、割と自分の声での注文を躊躇う方はいますから」

智絵里「そこを気にしないなら、次は料金だね。吉野家の牛丼並盛380円に対して」

ほたる「松屋のプレミアム牛めし並盛も380円。互角には見えますが」

智絵里「うん、松屋には」

智絵里&ほたる「味噌汁が付く」

朋「なんでどの質問よりも真剣に討論を始めるの!!!」

ほたる「まあ私が行くとなぜか味噌汁を入れる機械が故障するので、飲んだことないんですけど……」

朋「リアクションしにくいわよ」



智絵里「まあ、好みですね」

ほたる「すき家も含めて、です」

朋「あっさり終わるのね」


智絵里「続いてのお便りです。『なか卯もいいですよ!』」

朋「なにこれ!?リアルタイムなの!?!?」



智絵里「では、次です」

朋「今の人は何をしたかったの」

智絵里「10代の女性ですね。『こんにちは!私は先日、ノルウェーに旅行に行ってきました!長く日本を離れるということで、大好きな日本のパンが食べれなくなることは不安でしたが、本場ノルウェーのパンもとっても美味しかったです!よかった!』……とのことです」

朋「相談は!?」

ほたる「これ、感想……ですね……」

智絵里「じゃあ次いきまーす」ビリビリ

朋「今お便り破いたよね!?」



智絵里「続いても10代の女性ですね。ペンネーム:♰傷ついた悪姫♰さんから」

朋「……ノーコメントで」

智絵里「『拝啓 春なお浅く、朝夕の冷え込みもまだきびしい昨今ですが、お元気でいらっしゃいますか』」

朋「そのペンネームからこの書き出し!?」

智絵里「『さて、本日、お手紙をしたためました理由になりますが、私の人間関係に起因するものにございます。私は少々恥ずかしがりな性分であるもので、なかなか周囲との会話が円滑に進みません。何か、対人コミュニケーションについて新たな知見を得ることができればと考え、筆を取らせていただきました。よろしくお願いいたします。 草々』……とのことでございます」

朋「智絵里ちゃん、口調がうつってる」


智絵里「そっか……、蘭子ちゃ……傷ついた悪姫さんは、そんなに悩んでたんだ……」

ほたる「蘭子さ……傷ついた悪姫さん、きっと、あなたの想いはみなさんに伝わってますよ!」

朋「わざとでしょ?ねえ?2人とも?」

智絵里「次も10代の女性ですね。『拝啓の結びは草々ではなく敬具が適当なのでしてー』」

朋「だからなんでみんなお便りで会話するのよ!!!」



智絵里「続きまして、また10代の女性です。ペンネーム:宮本フレデリカさんから」

朋「実名じゃん!!!」

智絵里「『シキちゃん!ごめん!五分遅れる☆』」

朋「これ収録だから!!!伝言板に使わないで!!!」

ほたる「あ、志希さんがTwitterを更新しましたね……『りょうかい~♪』ですって」

朋「どこで聞いてるの!?もうわけわかんない!!!」



智絵里「あ、そろそろ、最後のお便りになりそうです……」

朋「ほとんど解決してないのに!」

ほたる「最後は朋さんに読んでもらいましょうよ」

智絵里「そうですね!」

朋「え!じゃ、じゃあ……」

朋「えっと、『“世界レベル”って結局なんなんですか』」

ほたる「……」

朋「……」

智絵里「……」

ほたる「……」

朋「……」

智絵里「……ちなみに、同じ内容のお便りが約800通届いてます」

朋「全アイドル数より多いの!?!?」



智絵里「というわけで、お悩み相談ラジオは以上になります。2人とも、どうでしたか?」

ほたる「はい、とっても楽しかったです!」

朋「いや、楽しかったけどね?ほとんど解決してない上に、DJ要素が途中から完全に消え去ってたわよね?」

智絵里「では、さYOなら~」

ほたる「さYOなら~」

朋「その挨拶初耳なんだけど!!??」

智絵里「届いたお便りはそのへんのコンビニに捨てておきますっ」

朋「智絵里ちゃん!!!」



~~収録後~~


智絵里「お疲れさまでした!」

ほたる「お疲れ様です」

朋「うん、お疲れ様!内容はともかく、楽しかったわよ!」

智絵里「じゃあ、スタッフさんに挨拶にいきましょうか」

朋「うん!」

ほたる「はい……あ」

朋「?」

智絵里「どうかしたの?」

ほたる「いえ、先ほどのスタジオに忘れ物をしてしまって。ちょっと取ってきますね」タタタ

朋「じゃあ、ここで待ってようか」

智絵里「はい」


スタッフA「聞いたか?さっきのスタジオ、照明が壊れて落ちてきそうなんだってさ」トコトコ

スタッフB「マジか!収録中に落ちなくてよかったな~」トコトコ


朋「」


ガシャァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!
キャァァァァァァァァァァァァァァ…………

朋「ほたるちゃん!!!!!!!!!」



おわり




過去作


藤居朋・本田未央・橘ありすの苦労人同盟

橘ありす「勇者フレデリカ?」

島村卯月「水曜日の346プロ!」


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