李衣菜「職業体験」泰葉「TBS」加蓮「デート」 (18)



―――事務所


李衣菜「…………」

泰葉「…………」

加蓮「…………」


李衣菜「……おかしくない?」

泰葉「うん、おかしいと思う」

加蓮「な、なっなにが? お、おかしいところなんてひとつもないと思うけど?」

李衣菜「……泰葉、まずはトークバトルショーお疲れさま!」

泰葉「ふふ、李衣菜も職業体験のお仕事お疲れさま。衣装も相まってかっこよかった……♪」

李衣菜「へへ、さんきゅ♪ ……で、そこの北条さんは?」

泰葉「そうね、北条さんはどんなお仕事してきたの? 教えてほしいな……ふふっ」

加蓮(あわわわわわわ……!)ガクブル

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李衣菜「なんだっけ、デート? ……あぁそっか、デート企画ってやつ?」

泰葉「映像がそのまま恋人の視点になって、アイドルとのデート気分を味わえるアレね」

李衣菜「なるほどー、撮影のお仕事だったんだね北条さん?」

加蓮「え、えと、そのぉ……」

泰葉「ロケーションは……遊園地だったかな?」

李衣菜「そうそう、遊園地。ジェットコースターとか、コーヒーカップとか……LINEでたくさん写真が送られてきたよ」

泰葉「北条さん、どれもとっても楽しそう。……あれ? どうして映像じゃなくて写真なの?」

李衣菜「なんでだろうね?」

加蓮「う、うぅぅぅ……!」

泰葉「それに、隣に写ってる男性……私、どこかで見たことがあるんだけど」

李衣菜「奇遇だね、私も見たことあるんだ。うーん、誰だっけ?」

泰葉「たしか……私たちのプロデューサーじゃなかった?」

李衣菜「あー、そういえばそうだね! よく見たらPさんだ」

泰葉「ふふっ、変なの。どうしてPさんがデート企画のお仕事で顔出ししてるのかな」

李衣菜「手まで繋いじゃって。これじゃまるで、ほんとのデートみたい。ねぇ泰葉?」

泰葉「そうね李衣菜、これじゃデートよね」


「「ねぇ加蓮?」」ニコー

加蓮「ひぃぃぃぃ……!」

李衣菜「いや別に、Pさんとデートするのは構わないよ? 私たちも了解してたから」

加蓮「はい……」

泰葉「でもね加蓮、実況したり5分置きにツーショット写真を送ってきたりするのは困っちゃうかな」

李衣菜「ちょっと目を離した隙に40、50も未読溜まってたときはさすがにイラッとしたね」

加蓮「すみませんでした……」

李衣菜「あはは……気持ちは分かるけどさ。初めてだったんでしょ? こういうふうに遊んだのって」

加蓮「う、うん……だから舞い上がっちゃって。……ごめんね、2人はお仕事だったのに私だけ……」

泰葉「ふふ、気にしないで。いっぱい楽しめたみたいでよかった」

李衣菜「うん、そだね。加蓮が楽しんだのならそれでよし!」

加蓮「え、あの……お、怒ってないの……?」

李衣菜「えへへ、そんなわけないでしょ。ちょっとからかってみただけっ」

泰葉「加蓮が本当に幸せそうだったから、意地悪したくなっちゃったの。ふふっ!」

加蓮「な、……なにそれぇ!? あんまりいじめると泣くよ私……!?」

李衣菜「へへ、泣いちゃったときは甘ーいカフェモカでも淹れて、慰めてあげるよ」

加蓮「……ふーんだ。泣かせる側がそんなこと言ったって説得力ないんだからっ」ツーン

泰葉「そんな顔しないで、加蓮。ほら、私の笑顔で元気になって♪」ニパッ

李衣菜「お、じゃあ私も! へへっ♪」ニカッ

加蓮「たかが笑顔で……もー、ふふ♪」


加蓮「まったくぅ、かわいいから許しちゃうー!」ムギューッ

李衣菜「うひょー♪ ってどこ触って、んにゃあっ!?」

泰葉「ふふっ、ぎゅー……♪」


―――

――

加蓮「――今度は一緒にお出かけしようね、2人ともっ」

李衣菜「うん! どこ行こっか? 泰葉は行きたいところある?」

泰葉「んー、水族館とかいいかな……イルカショーとかも面白そうだし。李衣菜は?」

李衣菜「おー、いいね。私は……あ、そうだ! ちょうどホワイトデーだしさ、スイーツ巡りとかどう?」

泰葉「あっ、私もそれがいいっ。Pさんに甘いもの、プレゼントしてもらいたいな……♪」

加蓮「……あっ」

泰葉「え?」

李衣菜「ん?」

加蓮「…………」

泰葉「…………」

李衣菜「…………」


泰葉「…………」

李衣菜「……加蓮?」

加蓮「は、はひ」


泰葉「……もしかして、遊園地で」

李衣菜「もうバレンタインのお返し、もらってた……とか?」

加蓮「……あ、あはっ♪」

李衣菜「おっかしーなぁ? LINEにもそんな写真上がってなかったけど?」グニー

泰葉「まさか、黙ってたの? そうなの加蓮? ねぇ加蓮?」ムニムニ

加蓮「うゅゅゅゅ! いひゃいいひゃいごめんにゃひゃい!」

李衣菜「そうだよねデートだもんね、プレゼントのひとつやふたつ、思い出に買ってもらえるよね」

泰葉「羨ましいな加蓮、どんな素敵な贈り物だったのかな? 私たちにも話せないくらい大切なものなのかな?」

加蓮「いう、いうからぁ! はなひてぇぇ!」

李衣菜「――なんだ、普通のココアか……つまんないの」

泰葉「もっと指輪とか、直接的なものかと思ったのに……残念」

加蓮「うぅぅ、ほっぺた千切れるかと思ったぁ……!」ヒリヒリ…

泰葉「それで? どうして内緒にしてたの?」

加蓮「だ、だって恥ずかしかったの! 不意打ち食らったから顔真っ赤になっちゃって、Pさんにも笑われたし……!」

李衣菜「よく言うよ、散々いちゃついてる写真送りつけてきたくせに……」

泰葉「そうだ、もらったときの写真はないの?」

加蓮「あ、あるわけないでしょ! 私とPさんだけの秘密――」


李衣菜「『Pさん、加蓮にプレゼントしたときのリアクション写真ありますか?』……っと」

泰葉「李衣菜、素敵!」

加蓮「ちょっ……!?」


ぴろんっ


プロデューサー
『あるぞ。こっそり撮ったから』


李衣菜「――ぶふっ! あは、あはははははは! と、トマトかなこれ? あっははははは!!」

泰葉「ふ、ふふふっ! 顔ってこんなに赤くなるんだ……デレデレしちゃって、ふふっ、うふふふふ♪♪」

加蓮「なんであるのPさんのばかぁぁぁぁあああああッ!!!」



加蓮「」


李衣菜「いやー、面白いの見れた♪」

泰葉「ホワイトデーのプレゼント、これでもう充分かも……♪」

加蓮「」

李衣菜「……おーい? 生きてるー?」

加蓮「…コロシテ。コロシナサイ」

泰葉「元気出して、加蓮。生きてればきっといいことあるから♪」

加蓮「もうやだぁ」グスン

李衣菜「あ、泣いた。じゃあ約束通り、カフェモカでも飲もっか!」

泰葉「ふふ。カフェの店長さん、よろしくね?」

加蓮「今のこの気持ちを忘れさせるくらい甘いのお願いぃ……」メソメソ…

李衣菜「えへへ、任せてよ! ちょっと待っててねっ」

泰葉「加蓮、泣かないの……よしよし」

加蓮「うぅ~……!」

加蓮「――もう、Pさんのばかぁ。隠し撮りなんて……!」

李衣菜「ずずっ……あはは、まだ言ってる――甘っ。チョコシロップ入れすぎたかな」

加蓮「あぁ、甘い……Pさんのくれたココアよりずっと美味しい……あんな人知らないっ」

泰葉「ふふ、独り占めするとこうなるのね。うん、いい香り……♪」



加蓮「だいたいさ、Pさんはいつもいつも――!」グチグチ…!

李衣菜「はいはい、そうだね――♪」ケラケラ

泰葉「ふふふ……楽しい♪」ニコニコ



おわり

というお話だったのさ
ガチャにイベントにデレステに、てんやわんやな日々

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