【ミリマス×銀英伝】可奈「スパルタニアン…?」 (155)

立ったら書く。初投稿。
文章力無しなうえに失踪するかも。
一部の方を不快にする可能性あり。

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立っちゃったよ…

矢吹可奈は机に突っ伏してまどろんでいた。
昨日、七尾百合子に勧められた本が予想以上に面白く、つい夜遅くまで起きていたのだ。
退屈な社会という授業、さらに前の時間が体育だったこともあり、教師の声はまるで、眠りを促す魔法の呪文のようだった。
そして夢の中で矢吹可奈は夜遅くまで読んだ小説の夢を見ていた。
特に小説のあるところは彼女の興味を惹いた。
そこを読んでいたため夜遅くまで起きていたのだ。


まどろみながら、誰かが彼女の机に近づいてきているのに彼女は気付いた。そして、その誰かは怒気をはらんだ声でこう叫んだ。

「ヤブキ!なにを寝ているか!」

怒声が響いた。普段の教師の声ではなく、野太い。そしてまるで地を揺らすかのような声だった。

可奈「はひ!?すみません!」

声の主は見覚えのない、恰幅のよい壮年の男だった。顔を赤くし、目を大きく見開いてこう叫ぶ。

「気を付けろ!気を抜いていたら戦場で死ぬんだぞ!」

可奈「うう…すみません…。…?戦場?」

可奈はキョトンとした顔になった。
それを反省の意思無しと思ったのか、怒声の主の目が更に大きく見開かれ、顔が更に赤くなる。

「何をまだ寝ぼけているか!罰として、放課後校内を5周!それまで寮に戻るな!」

可奈「は…はい!」

何故かは分からないが、反射的に矢吹可奈は敬礼をしていた。
周りの数人が押し殺した笑い声を漏らしていた。

教官らしきその男は前に戻り、再び''講義''は再開された。
この時彼女は少し違和感を感じた。
自分のいる部屋や周りの生徒に見覚えがなかったこと、自分が普段着ている制服とは違う服を着ていたことである。
そして部屋の中では見たことのない機械から三次元の映像が映し出されていた。
その映像にはにはバッタのような形をした機械があり
機械の下にはこう記してあった。単座式戦闘艇…
可奈「スパルタニアン…?」

宇宙歴794年4月、第6次イゼルローン攻防戦の年だった。

時間になったのか、チャイムが鳴った。教官と思われる男性は教室を出ていった。
「よう!ヤブキ!また怒られたな」

前の男子学生に声をかけられた。
彼は明らかに日本人ではなかった。
歳のころは自分と同じくらいだろうか。

可奈「ヨーロッパ人…?」

男子学生は怪訝な顔をした。

「何言ってんだお前…」

可奈「ご…ごめん。と、ところでここは?」

「なんだ、まだ寝ぼけてるのか?ここは第6講義室だろ?」

可奈「そ、そうじゃなくて、この建物というか場所というか…?」

彼は呆れたようだった。そしてこういった。

「…お前何か悪いもん食ったな…。寝惚けてここまでなるとは…」

可奈は赤面した。

「ここはハイネセン空戦科学校だろ?」

ハイネセン、その単語にも彼女には見覚えがあった、が何かは思い出せない。
彼女は混乱しつつ、自分の置かれた状況を把握するためにこう言った。

可奈「ちょっ…ちょっとごめん。ちょっと用があるから…」

そう言って可奈は講義室を出た。
廊下、窓の外の景色、建物、全てが見たことのないものだった。
それらに困惑しつつ彼女はこう考えた。

可奈(わかりました!これはきっと映画の仕事ですね!そういえばスペースウォーズ2の撮影もあったしきっとまた仕事が来たんだ!きっとどこかの部屋にプロデューサーさんとカメラとかセットが…)

混乱していたのもあったのだろう。彼女は見つけた部屋の扉を開けて中を見たが期待していたものはなかった。
むしろ見たことのない機械や装置が置いてあり、それらは彼女を更に混乱させた。

可奈「うぅ…どこなんですか…ここは…。矢吹可奈ー♪知らないところで迷子可奈~♪…グスン」

彼女は半分泣きかけていた。

??「何してるの?矢吹さん」

聞き覚えのある声だった。
いつも事務所で聞いている声、いつも自分の側にいてくれるあの声。

可奈「志保ちゃん!」

可奈は北沢志保に抱きついた。

志保「ちょ…矢吹さん?」

可奈「志保ちゃん!志保ちゃん!よかった…皆居なくて…何かおかしくて…」

可奈の目からは堰を切ったかのように大量の涙が流れていた。
見覚えのない場所で知る者が居ない不安は14歳の彼女にとっては大きなものであり、そのような場所で親友に会えたことはどれだけ彼女を安心させたか

志保「わかったから…もう…ほら、鼻水が出てるわよ」

可奈の顔は涙と鼻水でぐしょぐしょに濡れていた。

可奈「ヂーン…えへへ…ところで志保ちゃんここはどこ?」

志保「何を言ってるの矢吹さん。ここはハイネセン空戦科学校よ。ほら、そらそろ次の講義が始まるから一緒に行きましょう」

可奈「…え?」

志保「どうしたの?早くいかないとまた大目玉よ。」

可奈「う…うん!」

見知った者に会えたことによって、可奈の不安は些か和らいだ。
しかし、一体ここはどこなのか?自分はどうしてここにいるのか、疑問が全て解消されたわけではなかった。

昼休みになり、可奈は志保と一緒に食堂で食事をとっていた。
可奈は自分の置かれた状況を把握するために志保に対し多くのことを尋ねた。
何となく解ったのはここは自分のいた時代より遥かに未来であること、自由惑星同盟のこと、銀河帝国のこと、そして戦争のこと、そしてここ空戦科学校のこと。

志保「どうしてそんなこと聞くのかしら?この時代にいるのだったら全て常識よ?」

急に

可奈「だ、だっておかしいもん!皆知らないし、ここも見たことないもん!」

可奈の声が大きかったのか、可奈と志保は周りから注目を集めていた。

志保「や、矢吹さん…ちょっと落ち着いて。」

可奈は明らかに混乱、興奮していた。
解らないことだらけだった。
可奈は自分のおかれている状況が明らかにおかしいこと、話から察するに自分は過去の人間であること、そして自分のこと、居眠りをする前のこと、自分も志保もアイドルだということ、他のアイドルのこと、765プロのこと、どうして自分がここにいるのか。
その全てを志保にふつけた。

志保「矢吹さん!」

可奈はこのとき、周りから明らかに浮いてしまっていた。
周りの学生が明らかにこちらのことを噂していることを察し、可奈は赤面した。

可奈「うぅ…」

志保「もう…」

志保も赤面しているようだった。
隣の学生がからかうように声をかけた。

「よう、ヤブキ!居眠りで罰食らったと思ったら今度は夢と現実が混ざったか?」
可奈にとってはこちらの方が夢の世界である。

志保はその学生を睨み付けた。

志保「''可奈''、行くわよ」

可奈「え…うん!」

志保は可奈の手を引っ張り、彼女らは食堂を後にした。

空戦科学校。
ここには義務教育の過程を終えた者が入り、二年間戦闘の基本知識から空戦の戦術について学ぶ。
1年次、最初の数ヵ月は座学であり、ここで戦闘の基本知識、''スパルタニアン''と銀河帝国の''ワルキューレ''について、空戦戦術についてを徹底的に叩き込まれる。
その後、シミュレーターによるスパルタニアンの模擬操縦、射撃訓練、白兵戦の訓練を行う。
2年次には実際に宇宙でスパルタニアンを操縦し、最初は発艦着艦の訓練、目標物への射撃訓練、模擬戦闘を行う。
毎学期末に試験があり、これらの知識の定着度合いやスパルタニアンの操縦技術や機関知識、白兵戦、射撃についてをみる。
卒業時には自由惑星同盟軍伍長待遇となる。

可奈「これでいいのかな?志保ちゃん」

志保「そうね。細かいところもあるけど大筋は正しいわ。」

あの食堂での小騒ぎのあと、共に講義を受け、罰の校内5周を付き合ったりしているうちに可奈と志保は仲良くなっていた。因みに校内は一周約6kmである。敷地内5周にしなかったのは恐らく教官の僅かばかりの情けだろう。
あれから数ヶ月、校外に買い物に行ったり、談話室で一緒に話したり、カラオケにも一緒に行ったりした。アイドルだった可奈や志保の話には志保も大いに興味があった。
もしも平和であればこの時代の志保にもそのような夢を抱くこともあっただろう。

世間ではイゼルローン攻防戦の是非、帝国軍巡航艦による同盟領への侵入の発覚等が話題になっていた。

可奈「ところで志保ちゃんって部活に入ってたっけ?」

志保「ええ、読書部に。可奈は?」

空戦科学校にも部活動というものがある。部によっては同盟軍士官学校や軍戦科学校と対抗試合を行っている。

可奈「女子フライングボール部なんだけど、メンバーが足りてなくて…。できれば歌唱部とかそういうのがよかったな~。」

同盟軍には帝国軍とは異なり、女性も所属している。とは言え、男女比は10対1以下、更に空戦部隊となると男女比は更に低下する。男女比については事情はやや異なるが後のイゼルローン共和政府も苦心した問題である。

志保「それよりも試験、大丈夫なの?」

可奈「う"っ…………助けて~志保ちゃん~!」

志保「やっぱりね。一つでも落第すると退学だからね。ほら、どこがわからないの?」

可奈「ここと、ここと…ここと……」

志保「ここはこう、そこはエレメント。そこは銀河標準平面に対してα7°β30°γ20°よ。…あなたしっかりとニコライ教官の話聞いてるの?」

可奈「あの人の話わかりづらくて…まるで宇宙語~♪パピプペポ~♪…」

志保「はいはい、続けるわよ。」

しばらくの間、可奈と志保は勉強をした。
勉強も一段落し、可奈が空腹になったのか。

可奈「うぅ~お腹が~…お腹と背中がペッタンコ~♪…」

志保「そうね、そろそろ昼食にしましょう。いつもの場所でいいかしら?」

いつもの場所とはMarch Rabbitのことである。
安くてちょっとおしゃれで美味しい学生に優しいレストランである。

可奈「わーいわーい!おっひる~♪おっひる~♪おっひるごは~ん♪」

志保「じゃあ行きましょう」

可奈と志保がMarch rabbitに入店したところ、いつもより混んでいた。

志保「どうしたのかしら?いつも混んでるけどここまてではないのに。」

可奈「うぅ…志保ちゃん…まだ空かなそう?」

志保「もう少しかかるわね。しばらく待ちましょう。」

可奈の空腹は限界に達しようとしていた。

いつもは中年のウェイターがフロアを切り盛りしているのだが、今日はウェイトレスがいた。

志保「あの子ウェイトレスかしら?ちっちゃ…」

可奈「どうしたの?志保ちゃん?」

志保「いや、なんでも…」

よく見たら可奈と同じくらいの身長だったので志保は言葉を引っ込めた。
暫く待って漸く席が空いたようだ。
ウェイターが注文を訊きに来た。
「何になさいますか?」

志保「日替わりランチでお願いします。」

可奈「私もそれで~♪」

「かしこまりました。」

可奈「ねぇねぇ志保ちゃん?いつもより混んでない?」

志保「そうね。そういえば可愛いウェイトレスを新しく雇ったって男子が言ってたわね。」

可奈「ウェイトレスか~。」

そのウェイトレスを見て、可奈は驚くことになる。

??「お待たせ…しました…」

志保「可奈、来たわよ。」

可奈「わーい!今日のランチは~♪って、えぇ?!」

ウェイトレスは可奈のよく知る人物だった。

可奈「杏奈ちゃん!何でここに?!」

アンナ「!?…アンナ…アンナだけど…誰?」

可奈「可奈だよ!杏奈ちゃん!久しぶり~♪」

アンナ「んっ…あの、ちょっと…」

志保「可奈、困ってるからやめてあげなさい。」

可奈「あっ…す、すみません…」

アンナは少し恥ずかしそうに会釈して下がっていった。

志保「知り合い?そういえばあなたの話に杏奈って名前が出てた気がするけど。」

可奈「知り合いもなにも、同じ765プロのアイドルの杏奈ちゃんだよ!年齢も私と志保ちゃんと同じで…」

志保「あっちは知らなかったようだけど。」

可奈「はれ!?そうだね…。何でだろう?」

可奈は首をかしげる。

可奈「あとで一緒に話してみる!」

志保「そうね。門限までにここは閉まるし話を聞く機会くらいはあるわね。」

昼食が終わり、勉強を、と言いたいところだったが可奈は心ここに在らず、といった感じで午後の勉強は全く集中できなかったようだ。

よく考えたら原作での設定がはっきりしてない第3次か第2次イゼルローン攻防戦にすりゃよかった…

夜8時、三月兎ことマーチラビットのラストオーダーの時間である。可奈と志保は待っていた。
望月杏奈、らしき女の子を。

可奈「杏奈ちゃんいるかなぁ…?」

志保「分からないわ。ところで、」

志保は可奈に尋ねる。

志保「杏奈ってどんな子だったの?」

可奈「杏奈ちゃんはねえ、えっと…」

可奈は懐かしむかのように杏奈のことを話始めた。
可奈や志保たちと同じ765プロのアイドルだということ、普段はあまり喋らないけど、ステージに立てば別人のようなパフォーマンスをしていたこと、ゲームが大好きで暇さえあればいつもゲームをしていたこと、そして、

可奈「そして、私と志保ちゃん、杏奈ちゃんに百合子ちゃんに美奈子さんに奈緒さんと一緒に初めて大きなステージに立ったんだよ!」

志保「へぇ…とても楽しい思い出だったでしょうね。」

可奈「えへへ…実はその時私、アイドルになるのを諦めかけたり色々あったんだけどね…。」

まだまだ話したいことはあったが閉店の時間になったのか、従業員用の入り口から杏奈らしき女の子が出てきた。

アンナ「お疲れ…さまでした…。」

「はーいお疲れ。また明日頼むね。」

杏奈らしき女の子が出てきたのを見て、二人は彼女に声をかけた。

可奈「杏奈ちゃん!」

アンナ「!…………」

志保「ちょっと話があるんですけど、いいですか?」

アンナ「………!」

杏奈らしき女の子は逃げ出した。

可奈「あ!逃げた!」

志保「追うわよ!」

可奈「待ってくださ~い!」

可奈と志保は杏奈らしき女の子を必死に追いかけた。
途中、志保が鬼ごっこから脱落しかけたが、その前に女の子の方の体力が尽きた。

可奈「杏奈ちゃん!」

アンナ「いや!…苛めないで…。」

可奈「大丈夫!苛めない!絶対に苛めたりしないから!だから話を聞いて!」

志保が少し遅れて追い付いた。

志保「ハァ…ハァ…。と、とにかく…ハァ…ハァ…可奈の話を…聞いてあげて…お願い…。」

杏奈らしき女の子はきつく目を瞑っていた。
何かとんでもないことをされるのではないか、痛い思いをしたりしないか、恐怖で一杯だった。
きつく瞑った目からは涙が流れていた。

可奈「大丈夫、大丈夫だから…。」

可奈は杏奈を抱いて頭を撫でてあげた。
そしていつもとは少し違った感じで、

可奈「いい子~♪いい子だから~♪…」

杏奈らしき女の子はこの人たちは無害だとわかったのだろう。
恐怖から解放された彼女は小さな体を小さく震わせながら小さな声ですすり泣いた。

あぎゃあああああああああああああああああ星梨花のこと忘れてたあああああああああああ

ごめん…

見てる人いるかいないかわからないけどアンケートです…
永遠の別れがあった方がいい方、若しくはそれに反対の方はレスお願いします。
どちらでもよければ基本的には永遠の別れは無いです。

道の先を少し行ったところに公園があったのでそこでゆっくり話をすることにした。

可奈「えぇ!?じゃあ本当に苛めに来たって思ったんですか!?」

アンナ(コクッ)

可奈「そんなに怖かったのかぁ…ごめんね…。でもどうして?」

志保「よく考えたら空戦科学校の制服を着てる知らない人が名前を知っていた上に、夜中に待ち伏せして追いかけてきたらそれはとても怖いわね。」

可奈「あっ…。そっかぁ…。」

可奈はばつがわるそうな気分になったのかに頭をかいた。

可奈「ごめんね。でもちょっとお話がしたくて。いいかな?」

アンナ「いいよ…?」

まずは杏奈かこの時代の杏奈は''アンナ・ハーゼ''という名前だということ。
可奈は自分のこと、自分がいた時代の''志保''そして''杏奈''のことを話した。
こちらの時代の志保に話したことも含めて。

志保「相変わらず、とてもじゃないけど信じられる内容じゃないわね。」

可奈「そうかなぁ?」

アンナ「わかった…。」

可奈「え?」

アンナ「信じるよ…。アンナ、カナの言うこと、信じるよ…。」

ミスったミスった
めんごめんご

道の先を少し行ったところに公園があったのでそこでゆっくり話をすることにした。街灯の電球が切れかけていたが、満月の月明かりが公園を照らしていた。

可奈「えぇ!?じゃあ本当に苛めに来たって思ったんですか!?」

アンナ(コクッ)

可奈「そんなに怖かったのかぁ…ごめんね…。でもどうして?」

志保「よく考えたら空戦科学校の制服を着てる知らない人が名前を知っていた上に、夜中に待ち伏せして追いかけてきたらそれはとても怖いわね。」

可奈「あっ…。そっかぁ…。」

可奈はばつがわるそうな気分になったのかに頭をかいた。

可奈「ごめんね。でもちょっとお話がしたくて。いいかな?」

アンナ「いいよ…?」

まずは可奈は自分のこと、自分がいた時代の''志保''そして''杏奈''のことを話した。
こちらの時代の志保に話したことも含めて。
そして杏奈の話を聞いた。この時代の杏奈は''アンナ・ハーゼ''という名前だということ。
歌が大好きで、専門の学校で音楽の勉強をしていること、マーチ・ラビットはバイト先だということ。

可奈「うーん、やっぱりもとの時代の杏奈ちゃんとは違うなぁ…。それに元に戻るヒントは無しかぁ…。」

志保「相変わらず、とてもじゃないけど信じられる内容じゃないわね。」

可奈「そうかなぁ?」

アンナ「わかった…。」

可奈「え?」

アンナは笑顔になって、
アンナ「信じるよ…。アンナ、カナの言うこと、信じるよ…。」

可奈「アンナちゃん…。ありがとー!」

可奈はアンナに抱きついた。

アンナ「ん…カナ…ちょっと苦しい…。」

アンナはそう言ってる割には満更でもない表情だった。

アンナ「ところで…あれ。」

アンナは公園の時計を指差した。
時計の針はとっくに門限を過ぎていた。

可奈「しまったぁ…門限…どうしよおおおおおおおおおおお」

可奈はパニックに陥った。

志保「お、落ち着くのよ可奈!うぅ…でもどうしたら…。」

アンナ「任せて…。」

可奈&志保「え…?」

アンナは微笑みながら
アンナ「遅刻するなら、ウサギに…お任せ…。」
と言って手招きした。
満月も相まってか、彼女は不思議な雰囲気を帯びていた。

志保「着いてきて、ってことかしら?」

可奈「行ってみようよ!志保ちゃん!」

三人は空戦科学校の寮へと向かった。

アンナは空戦科学校の寮の秘密の抜け道を教えてくれた。
それは可奈も志保も知らないものだった。
恐らく、空戦科学校のだれも知らないだろう。

アンナ「ここの壁…崩れてて、女の子なら通ること…できる。監視カメラも…死角になって見えない。」

可奈「アンナちゃん…ありがとおおおおおおお」

志保「本当によく知ってたわね…」

アンナ「昔…ペットのウサギが寮の中に逃げていって…見つけた。ここからこっそり、中に入って…捕まえた。」

志保「大丈夫なのかしらうちの寮…。」

アンナ「じゃあ、早く…。」

志保「そうね、ありがとうアンナ。」

可奈「アンナちゃんありがとう!」

アンナはバイバイと言って小さく手を降って帰っていった。

志保「それにしても、三月兎の兎に時計に遅刻、まるで…。」

可奈「どうしたの?志保ちゃん」

志保「何でもないわ。行きましょう。」

まるで彼女が好きな本の一つ、不思議の国のアリスみたい、と志保は思った。

アンケートの永遠の別れがある方がいいか、ない方がいいかは明日のこの時間までとりあえず様子を見ます。


明日までには宇宙に行けますかね…これ…

第6次イゼルローン攻防戦って薔薇の騎士が暴れてた印象しかないな

>>20
この会戦がヤンの准将への昇進を決定付けたから物語としては意義のある会戦だったよ
ここで昇進しなかったらレグニッツァ遭遇戦でパエッタ死んでるし

志保です。
物語から外れますが、空戦科学校の日常を紹介しようと思います。
まず、0530時、ラッパの音と共に起床。10分以内に寝床の整理と体操着へ着替えを行います。
私と可奈は隣同士とはいえ、違う相部屋なんですけど…

パッパラパー
可奈「ん…あと…あと5分…」

志保「可奈!可奈!起きなさい!」

可奈「あ…志保ちゃん…おはよう…。えへへ…zzz…。」

志保「ちょ…可奈!また遅刻するわよ?!」

可奈「zzz…」

志保「仕方ないわね。」

いつも通り遅れそうなので可奈をベッドから引っ張り出し、無理やり起こす。

志保「はい、体操着、早く着替えなさい。」

可奈「うぅ…はい…。」

可奈の代わりに私がベッドの整理をする。

可奈「志保ちゃん…。」

志保「何?」

可奈「なんかこの体操着、頭が通らない…。」

可奈はその時、腕を通すべきところに頭を通そうとしていた。

志保「はぁ…可奈、一度上脱いで。着るの手伝うから…。」

毎朝こういった感じです。
次の学期には部屋換えを申請しようか迷っています…。

「シホ…毎朝ごめんね…。私たちじゃカナを起こすのはちょっと…。」

志保「いいわよ。もう慣れたわ。それより早くしないと部屋の前の点呼に遅れるわよ。」

自分の相部屋では、

「いや~シホは毎朝大変だねえ。」

志保「もう…慣れたから…。」

0545時、部屋の前で点呼。
ここで一人でもいなかったり、気の抜けた返事をすると、その部屋の朝の運動が15分追加される。

志保(今日は流石に大丈夫よね…?)

「3194054!キタザワシホ!」

志保「はい!」

私はとりあえず安心して息をはいた。

志保(可奈は…)

可奈は半分寝ているような起きているような、そんな顔だった。

「3194136!ヤブキカナ!」

可奈「!はい!」

どうやら今日はうまく返事ができたようです。

0600時、清掃。
20分かけて部屋の清掃を行う。

志保「とは言っても、いつも片付けてるから掃除機をかけて、寝具の整理とシーツをリネン室に持っていくだけだけど。」

「キャー!!!!」

志保「な、何!?」

可奈の部屋の方からだった。
急いで駆けつける。

可奈「志保ちゃん!」

志保「可奈!どうしたの?!」

可奈「うぅ~…。ゴキゴキゴキゴキゴキちゃんが~♪…黒光りするゴキちゃんが~♪…」

志保「え…?」

可奈の指差している方には黒光りするアレがいた。

志保「ちょ…ちょっと!?アレは私にも無理よ!?」

可奈「助けて~!誰かヘルプミ~♪!!!!」

暫くして、誰かが殺虫剤をかけたため、ゴキブリを退治することはできた。
但し、一つ問題が残った。

志保「嫌よ!?私が捨てるのは!」

可奈「志保ちゃん~…お願いします!」

「そうよ!きっとシホならできるわ!」

「シホは私たちにもできなかった可奈の起床の手伝いもできたしできるよ!」

志保「うぅ…。」

ここまで言われたら断ることは出来ない。
私は、息も絶え絶えになりながらもまだ少し足を動かしているそれにティッシュをのせ…

志保「ひっ…」

裏返したビニール袋に手を入れてそれをつかみ、潰した。
柔らかかった。泣きたかった。

0630時、朝食。
今日ばかりは流石に食欲がなかった。

志保「はぁ…。」

可奈「うぅ…大丈夫?志保ちゃん?」

志保「ええ…でも…」

可奈達の部屋を掃除していたら大量のお菓子の袋が出てきた。
そのうちの半分以上は可奈が部屋に持ち込んだようだった。

志保「可奈…流石にお菓子を買うのは少し控えなさい。」

可奈「ええ!そんな!」

志保「そんな!も何もないわよ。すごい量だったじゃない。あれだけあればゴキブリが部屋に出るのも当たり前よ!」

「シホ、そこまでにしといてあげなよ…。」

「私たちもカナのお菓子一緒に食べてたし、それを片付けなかったんだし…。ね?…」

志保「いいえ、ここで甘やかしたら可奈は立派な大人になれないわ。いい?可奈、今日からお菓子を買うのは1日に1つまでよ!わかった!?」

可奈「うぅ…はい~…。」

周り(1つは許すんだ…。)

0700時、朝礼。
国旗の掲揚と国歌を斉唱をする。

「Liberty stands for freedom.Oh heil! the flag that sets us free…」

志保「Standing righteous symbolic of strength our hopes for freedom to be…」

可奈「ま、まいふれんずのっとそーふぁーあうぇいえっと…あっりゆないとはんど…え?」

後ろの方から外れた感じの歌声が聞こえてきた。
声とそのボリュームから察するに恐らく可奈だろう。
周りは笑いを堪えるのに必死なようだ。

志保(はぁ…本当に大丈夫なのかしら…。)

私は可奈がアイドルだったということが未だに信じられなかった。

0730時、行進訓練及び朝の運動。
可奈は運動は得意なのか、ここだけはきっちりしています。
私はあまり運動が得意ではなく、行進はとにかく基礎訓練でしょっちゅう罰を食らっています。

「はい!1~!2~!3~!4~!」

志保「くっ…っ…。」

「おいキタザワ!遅れてるぞ!罰として後で補習!」

志保「うっ…。」

「返事は!」

志保「は、はい!」

補習は基本的には、腕立て伏せ100回、腹筋100回、バニージャンプ100回というものです。
これに教官の気分次第でメニューが追加されたり逆に減らされたりします。
教官が付きっきりで補習を見ます。

「キタザワ!早くしないと一限目が始まるぞ!」

志保「ハァ…ハァ…はい!」

補習が終わるといつも動けません。そこに…

可奈「志保ちゃん…大丈夫?」

可奈は、いつも私の補習が終わるのを待っていてくれています。

志保「だ…大丈夫…よ…。ハァ…ハァ…それより可奈…早くいかないと…遅刻、するわよ…。」

可奈「そうだね…。じゃあ一緒にいこ?ね?」

可奈は肩を貸してくれて、私が立つのを手伝ってくれた。

志保「いつもありがとうね…。」

可奈「うん!じゃあ志保ちゃんが元気になるように歌を歌うよ!ランララ~ン♪」

志保「クスッ…何よその歌…。」

前言撤回。やっぱり、可奈は本当にアイドルだったのかも。

夜にまた投稿します。
書き溜めてないしテキトー展開だしもしシヴァ星域会戦まで書いたらやたら長くなりそう…
あとバーミリオンとかどうしよ…

>>21
珍しく作戦立案しまくったんだっけ?
ほぼ採用されなかったけど

OVA1回見ただけだから記憶が曖昧だ

>>31
そうそう
そのなかで昇進の決め手になったのが撤退作戦
結局ラインハルトにめちゃくちゃにされて失敗したけど
ちゃっちゃとラインハルトの分艦隊潰しておけばよかったのにあの無能が出し惜しみしやがって

私と可奈は水だけのシャワーを浴びた。
急がないと一限目の講義が始まってしまうので、惜しかったが髪を乾かす手間は省略した。
志保「可奈!急ぐわよ!」
可奈「ちょっとまって!ちべたい!」
どうにか間に合い、私と可奈はひと安心する。

0900時、一限目の講義が始まる。
学期末が近く、教官達は試験で重要なところを重視して教えている。
座学は得意な方だ。一方、可奈はというと…

可奈「???…??」

一生懸命板書はしているのだが、よくわかっていないようだ。
可奈は応用数学、機関はまだ辛うじて理解できているのだが、戦術理論、戦史に関しては赤点を取るのではないかとさえ言われていた。
勿論、そうさせないためにも一緒に勉強しているのだが。

1010時、一限目が終わると…

可奈「うぅ~…髪はボサボサ~♪講義はボロボロ~♪…」

志保「しっかりしなさい。それに髪がボサボサなのは私もよ。」

可奈「あ、本当だね~♪仲良しお揃いボサボサヘア~♪」

志保「もう…。」

「カナもシホもよく一限目間に合ったね!あ~髪ボサボサでおもしろ~い」

可奈「えへへ…。」

可奈はすっかり空戦科学校に馴染んでいたようだった。
年よりも少し幼い言動を周りも受け入れていた。
時々それがトラブルの種になっていたが、可奈の笑顔を見るとなんだかどうでもいいように思えるのだった。

「よう、ヤブキ、学期末の試験は大丈夫か?」

男子学生はからかうように可奈に声をかけた。
私は少しだけ彼を睨んだ。

可奈「うぅ~…でも!」

可奈は私の腕に抱きついて、

可奈「志保ちゃんがいるから、きっと大丈夫だよ!」

「アハハなんだそりゃ。」

「責任重大ね、シホ!」

私は少し赤面した。

1020時、二限目が始まる。
この講義も学期末の試験の要点を押さえる内容になっていた。
空戦科学校側としても赤点による退学者を出したくないのだろう。
その思いとは裏腹に隣の可奈は船を漕いでいた。

志保(ちょっと可奈!起きなさい!また校内5周させられるわよ!)

教官が言葉を止め、こちらを見た。
志保(可奈!)

彼は最早諦めたかのように肩を落とし、講義は続いた。
可奈に罰はあまり通用しないというのを察したのだった。
私は彼に対し、可奈に代わり申し訳ないとさえ思った。

1130時、二限目が終わると昼休みだ。
講義が終わるベルが鳴ると、可奈は目を覚まして、

可奈「志保ちゃん!お昼だよ!おっひる~♪どこに食べに行く?学食?外?」

志保「もう、運動とご飯の時だけは元気なんだから。」

可奈「えへへ…で、どうする?」

志保「そうね、今日は学食にしましよう。」

可奈「おっひる~♪」

昼休み。
学生たちは、めいめいの時間を過ごす。
学食に昼食を食べに行く者、学外に食べに行く者。
昼食のあと、勉学に勤しむ者もいれば、部活動に勤しむ者、昼寝をする者、どこかへ遊びに行く者もいる。
私たちといえば、昼食のあと、

可奈「志保ちゃん…」

志保「ほら、さっきの講義寝てたでしょ。一限目もよくわかってなかったみたいだし、しっかり教えてあげるから。ほら、ノート見せて。」

可奈「うぅ…。」

可奈はノートを出したがらないようだった。

志保「どうしたの?早く出しなさい。」

そう言うと可奈は渋々ノートを出した。
ノートを開けると、

志保「クスッ…なにこれ。」

可奈「うぅ…見ないで…。」

ノートには走り書きで書かれた板書と、女の子の落書きが描かれていた。
彼女がアイドルだった頃の絵だろうか。
他にも、私やアンナ、他にも色々なアイドルが描かれていた。

志保「もう…こんな落書き描いて…。」

私は最近夢に思うことがあった。
もしも可奈の言うように私がアイドルだったら。
可奈と杏奈と、他のみんなと楽しく踊って、歌って、笑って、時には泣いて。
そんなこともきっとあっただろう。
でも…

志保「じゃあ始めるわよ。ここはこうで…」

それは今の時代ではない。

1300時、三限目が始まる。
昼の陽気とお腹が満たされたこともあり、皆眠そうだ

今日の講義は次の学期から始まる射撃訓練に備えたものなのか、ブラスターについてだった。
昔は火薬に化学反応を起こし、その爆発により弾丸を撃っていたようだ。
可奈のいた時代だろうか。
珍しく、可奈は起きていた。
プロジェクターに映されていた画像や映像を見て、どう思ったのだろうか。
可奈は1500年も経っていても機械とかは変わったけど暮らしとか服とかに関してはあまり変わっていないと言っていた。
大昔、私なんてまだ生まれてすらいない大昔…、そんなことを考えてたら目蓋を閉じていた。



△△「志保!出番よ!」

志保「!?ここは!?」

周りから歓声が聞こえる。誰かが話しかけてくるけど黒いもやがかかって顔がわからない。

□□「もう、志保ちゃんったら、きっとお気に入りの靴下が見つからなくてボケちゃったのね?」

○○「□□ちゃん…それはないから!絶対ないから!」

××「志保さん!行きましょう!」

''私達''はステージに上がる。なにかを歌って踊っている。体が熱い。ステージの熱気、観客席からの熱気。''私''は興奮していた。必死に歌って踊っている。辛いはずなのに''皆''笑顔だ。''私''も自然に笑顔になってる?
ステージが終わる。
誰かが''私達''に話しかける。

★★「おつかれ!いいステー…ジ………??……?…志…」

音が歪む。視界が歪む。暑い。暑い!。暑い!!。



可奈「志保ちゃん!志保ちゃん!」

志保「ん…可奈…」

どうやら居眠りをしてしまっていたようだ。
かなり汗をかいていた。

可奈「志保ちゃん、すごい汗。大丈夫?」

志保「大丈夫よ…。大丈夫……。」

その言葉の半分は自分に言い聞かせていた。
1415時、三限目の終了を告げる1410時のベルが鳴ってから5分が過ぎていた。

1420時、四限目の講義が始まった。
四限目は三限目から察するにやはり、次の学期から始まる白兵戦訓練についてだった。
装甲服の着方、武器の使用方法、帝国軍の装甲服について、などを教わった。
可奈が小声で私に話しかけた。

可奈(あの服、どっちもダサいね!)

可奈、恐らくあれはあれで考えられたデザインなのよ、きっと。
私達の理解の及ばないものなのよ、多分。

1530時、四限目が終了した。
これからの時間は門限まで完全に自由時間となる。
私達はアンナと遊ぶ約束をしていたので外出許可をもらい、街に向かった。

可奈「おまたせ!アンナちゃん」

待ち合わせの場所で少女は待っていた。

志保「おまたせ、アンナ。待たせちゃったかしら?」

彼女は首を振って

アンナ「ううん…アンナも、今来たとこ…。」

アンナこと''アンナ・ハーゼ''。
可奈曰く、もといた時代では望月杏奈という名前でアイドルをやっていたらしい。
ピンクのうさぎ耳のパーカーとスカートが彼女のアイデンティティーだとか。
そしてそのアイデンティティーに関してはこちらのアンナも同じらしく、こちらのアンナもうさぎ耳のパーカーにスカートだった。
地味だが奇抜な格好なので、周りの注目を集めていた。

志保「目立つわね、その格好。」

アンナはパーカーのフードを顔を隠すかのように更に深く被った。

志保「そういえば気になってたんだけど。」

アンナ「…なに?」

志保「アンナってうさぎが好きなの?」

アンナ「…うん…大好き、だよ。カワイイし…」

志保「そう」

可奈「志保ちゃん!アンナちゃん!今日はどこに行く~♪何をする~♪」

志保「そうね…私は、」

アンナ「カラオケ」

可奈&志保「え」

アンナ「カラオケ…行きたい…な?」

可奈「うんうんカラオケ!行こう!カラオケ、カラオケ~♪らんら、らんら」

志保「カラオケね。いいわよ。」

私達はカラオケ店に向かった。

可奈とアンナは歌うことが大好きです。
私も、少しは好き…かな。

カラオケ店についた。

可奈「じゃあ~♪私から!」

と言って可奈が最初に歌った。
アンナに会う前、可奈は今のアイドルについて調べたようで、最近の流行りの曲で気に入ったものをよく歌っていた。
可奈は元気よく、大きな声で歌った。
元気が貰えるような歌声だった。


アンナ「それじゃあ…次はアンナが…」
アンナは少しマイナーな、よくはわからないけどゲームのテーマソングや電波?なアイドルソングを歌っていた。
歌っているときに少し興奮するのか、腕を大きくあげたり、

アンナ「いぇーい!」

と叫んだりしていた。


志保「じゃあ、次は私ね。」
私はバラードが好きで、家でよく聞いていた曲を歌っていた。
上手いか下手かはわからないけど、自分なりに頑張って歌った、と思う。

可奈「志保ちゃん!上手いよ!声もきれいだし。」

アンナ「アンナも…シホの歌…好き、だよ。」


かなりの曲数を歌い、皆声がガラガラになっていた。

可奈「皆、変な声~♪」

志保「クスッ…可奈、あなたも十分変な声よ。」

アンナは何も言わなかったが、笑みを浮かべていた。
彼女はなにかを思い出したかのように、

アンナ「そういえばね…」

アンナ「今、曲作ってるよ…カナが言ってたような、アイドルの曲。」

可奈「えー!すごい!!すごいよアンナちゃん!!!」

志保「本当にすごいわ、アンナ。で、どんな曲なの?」

アンナ「秘密…。でも、3人の…アンナとシホとカナのアイドルの曲。」

私の…私達の…アイドルの曲…。

カラオケで心行くまで歌い、気がついたら日は地平線の下に沈んでいた。

志保「晩御飯にしましょうか。」

可奈「わーい!ば!ん!ご!は!ん~♪」

志保「アンナも行くかしら?」

アンナ「ん…」

アンナは小さく頷いた。

志保「いつもの、マーチ・ラビットにしましょう。」

可奈「うん!」

私達はマーチ・ラビットに入店した。
運が良かったのか、意外に空いていて、すぐテーブルにつくことができた。
いつもの中年のウェイターが来て、

「ご注文はどうなさいますか?」

と尋ねてきた。

私達はディナーのメニューで一番安いものを注文した。
夕食の間、私達は色々な話をした。
可奈の大昔の話、私が今日見た奇妙な夢の話、そして一番面白かったのが、

アンナ「昨日ね…隣に変な人が、引っ越してきた。」

アンナ曰く、大量のキャンバスと絵の具とガラクタともに引っ越してきたと思えば、奇妙な言葉遣いで挨拶してきたり、隣から金槌で釘をうつ音がしたり、ごみ捨て場から大量の空き缶を集めたりしていたようだ。

アンナ「でね、変な人がね、
??「あなたの名前は?ふんふん、アンナですね!今日から隣に住みます!現在、部屋をアトリエにリフォーム中です!お近づきの印にグレートなアーティストのアートをどうぞ!」
って言って…よくわからないもの渡された…。」

志保「なにそれ。作り話じゃないわよね。」

私は笑ってしまった。

可奈「おもし~い。変な人だね!まるでロコちゃんみたい!」

志保「まさか帝国軍のスパイだったりして。」

可奈「まさか~そんなことあるわけないよ~。」

話は大いに盛り上がった。

夕食を終えて、マーチ・ラビットの前でアンナと別れた。

アンナ「また…遊ぼう、ね?」

アンナは別れ際にこう言った。
このとき2030時、門限までまだ時間があった。
可奈と話しながら寮まで帰ることにした。

可奈「今日も大変だったね~」

志保「そうね、可奈が自分で起きられたらもう少し大変じゃなくなるんだけど。」

可奈「うぅ…志保ちゃん…怒ってる?」

志保「怒ってないわよ。むしろ、可奈と話すようになってから毎日が楽しいわよ。」

可奈「よかった~♪らんらんらん~♪」

可奈は小躍りしながら歩いていた。
このとき、可奈はしっかりと前を見てなかったせいで酔っぱらいの男とぶつかってしまった。

「どこ見てやがる?!」

可奈「ひっ…す、すみません…。」

「あーあー嬢ちゃんにぶつかったせいで制服が汚れちまったよ!どうしてくれやろうか!」

可奈「うぅ…」

可奈は泣きそうになってた。

志保「ちゃんと謝ったじゃないですか!もう行ってもいいですよね?それに、その汚れは私達のせいでついたものではないですよね!」

私はその男を睨みながら言った。

「あぁ?俺はトリューニヒト派の軍人だぞ!俺に逆らったらどうなるか知ってんだよなぁ!?」

志保「知りませんよそんなこと!だいいち、軍人の、しかも男の癖に、誰かの名前を出したら誰でも言うことを聞いてくれるって思うの、みっともないと思わないんですか!?」

私は震えていた。

可奈「うぅ…志保ちゃん…」

男は私を殴ろうとした。
「何をぉ、こん…」

??「ハハハハハ!嬢ちゃんたち言うこと言うねえ!確かにそいつはみっともねえ糞野郎だ!」

「あ!?」

男が声の聞こえた方向に顔を向けたとき、男の顔に向かって酒瓶が飛んできた。

「ぐぁっ…誰だ!」

酒瓶が男の顔に当たり、地面に落ちて割れる。

志保「可奈!行くわよ!」

可奈「うん!」

私達は寮に向かって走り出した。

「待ちやがれ!こんにゃ…」

男は殴られたのか、その言葉を最後まで聞くことはなかった。





??「空戦科学校の生徒ってえことは将来は俺たちの後輩か。」
??「ポプラン!俺たちも逃げるぞ!」
ポプラン「おう!行くぞコーネフ!」

私達は全力で走った。
胸が苦しかった、でも逃げなきゃひどい目にあうと思った。
しばらく走って寮が見えても中に入るまで安心できなかった。
寮の中に逃げこみ、

志保「ハァ…ハァ…可奈!大丈夫?!」

可奈「うん…志保ちゃんは…?」

志保「私は…平気よ…。さぁ…可奈、部屋に戻り…」

と言いかけ振り向いたとき、可奈は腰が抜けてしまったのか、その場に座り込んでしまっていた。

志保「可奈…」

可奈「あ…あれ…?うまく…立てない…。」

志保「可奈…私の手を掴んで…」

その時、私は足がすくんでしまっていて、可奈と同じく、その場に座り込んでしまった。

可奈「うぅ…恐かった…恐かったよぉぉぉぉぉ…」

可奈は大声で泣き始めた。

志保「可奈…泣かないでよ…可奈に泣かれたら…私も…」

私も泣いてしまった。
今までに男子たちとはけんかや対立したことはある。
でも、今回は自分より大きな大人の、軍人に向かったのだ。
その恐怖はとても大きかった。
本当に恐かった。

ひとしきり泣いて泣いて泣ききったあと、私達はどうにか立ち直った。

可奈「志保ちゃん…もう、グスン、大丈夫?」

志保「ええ…もう…大丈夫よ…。」

私達は部屋に向かっていた。

途中、寮の売店があり、

可奈「志保ちゃん…お菓子、買ってきていいかな…?」

可奈がそう言ったので、

志保「いいわよ。でも1つだけよ。」

可奈は売店に入り、お菓子を買った、が可奈はお菓子を2つ買っていた。

志保「可奈、ダメじゃない。今朝お菓子は1日1つだけって約束したでしょ。」

可奈「だからね、はい!」

可奈は2つのお菓子のうち、1つを渡してくれた。

可奈「これで、1日1個、ね?」

可奈は笑顔でそう言った。

志保「もう…。目、真っ赤よ…。」

この笑顔のお陰で、嫌なことなど全てどこかに飛んでいってしまった。

可奈「えへへ…。」

そして私達はそれぞれの部屋に入った。
可奈「おやすみ…。」
志保「おやすみなさい。」

2130時、消灯。
今日は本当に色々なことがあった。
嬉しいこと、不思議なこと、恐かったこと、そして最後に嬉しいこと。
私は可奈から貰ったお菓子袋を開け、1つ口に運んだ。
どうやら、ミルクキャンディのようだった。

志保「…甘いわ。」

それは果たしてキャンディのことだったのか、自分の可奈に対する態度だったのか…。
とにかく、今日は疲れた。
ゆっくり眠れそうだ…。





□□「いえーい、ぷっぷかプリンの肺活量の大きいほう、□□□□です♪」

○○「ジャジャーン!ぷっぷかプリンのウザカワイイほう、○○ちゃんだよ!」

□□&○○「○×△□のみんなーっ、おはぷり~!」

○○「ねえねえ□□ちゃん!今日アイスを買ったんだけどね、」

□□「なんでやね~ん」

○○「そこツッコミいれるとこ?!違うよね!

□□「なんでやね~ん」

○○「うぅ…気を取り直して、最近□□ちゃんいいことあった?」

□□「えーっとね~♪あっ今日事務所の冷蔵庫を覗いたらね!プリンがあってね!」

○○「ちょちょちょ、ちょっと待って□□ちゃん。ひょっとして、冷蔵庫には○○ちゃんの!って書いてなかった?」

□□「うんっ書いてたよ!」

○○「で、ひょっとしてお味は…」

□□「とっても美味しかったよ!」

○○「いやぁぁぁぁぁぁ○○ちゃんのプリンがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

志保「いい加減にしてください!」

そう叫んだとき私は目を覚ました。
時計は0520時だった。

「どうしたの…シホ…なんかうなされてたけど…。」

志保「何でもない…何でもないわ…。」

これもはやssじゃねえ気がしてきた…

学期末、遂に試験の日になった。
可奈と志保はこの日のために長い間、試験の対策をしてきた。

可奈「志保ちゃん!遂にテストの日だよ!」

志保「そうね。今までに教えたことを出しきりさえすれば、必ず通るわ。頑張りましょう!」

可奈「おーっ!」

1日目、空戦戦術概論・応用数学。
戦術概論は志保が可奈に重点的に教えていたところが、見事に出てきた。もっとも、その範囲は講義で教官が特に大事だと教えていたところだったが。
志保は解答欄をほとんど埋め、可奈もわかる範囲で出来る限りのところを埋めた。
応用数学も普段の講義を聞いてさえいればわかる問題ばかりで、志保はもとより、可奈も平均以上の点数が見込まれた。

志保「予想以上に簡単だったわね。肩透かしを食らったというか。」

可奈「うぅ…埋められなかったところがけっこう…。」

志保「大丈夫よ、可奈。私が教えたところはとりあえず全部埋めたんでしょ?気にすることはないわ。それじゃあ明日の対策をするわよ。」

可奈「うぅ…。」

2日目、戦史・機関工学知識
戦史も1日目と同じく、志保が可奈に重点的に教えていたところを中心に出てきた。
基本的に暗記科目だったので、長い間志保が可奈に何度も何度も教えたことが効を奏した。
機関工学知識はスパルタニアンに関する基本的な知識から回路の構造まで、多くのことを問われたが、可奈が解りづらいところを志保が解りやすく解説したお陰でどうにかパスできたように思われた。

志保「終わったわね。」

可奈「大丈夫かな…。」

志保「大丈夫よ。来週には結果が帰ってきて来るし、どこかに遊びにいくなりしてゆっくり待ちましょう。」

可奈と志保は試験結果が帰ってくるまで短い間、買い物に行ったり、遊びに行ったりし、試験のことを忘れようと努めたが、可奈はやはり不安だったのか心ここにあらず、という状況だった。

翌週、試験の結果が帰ってきた。
志保の結果は全ての科目において、優れた結果であった。
可奈の結果は

志保「戦術概論65点、応用数学80点、戦史69点、機関78点。苦手だった戦術も戦史も平均並みにとれてるじゃない。よかったわね。」

可奈「えへへ…。可奈は~♪やればできる子~♪」

何はともあれ彼女たちにとって初めての試験は終了した。
学生たちは1学期が終わり、2学期が始まるまでの間の長い休みをどう過ごすかの計画をたてていた。

宇宙歴794年帝国歴485年、8月。
評議会は委員長の多数決により、第6次イゼルローン攻略戦の計画を承認した。

試験結果が発表され、空戦科学校は長期の休みに入った。
学校では休みの間に外泊許可をとってどこへ行くか、何をするかの話題で皆盛り上がっていた。

志保「で、可奈。休みの間どうするの?」

可奈「うーん、一度こっちの家に帰ってみようかなって思うんだけど。」

志保「そういえば、あなたってどこ出身なの?」

可奈「えっとね…部屋を探したらこんなのがあったよ。」

可奈は入学時に本人確認のために持ってきた書類を取り出した。

志保「どれどれ…エル・ファシル…?エル・ファシルって確か…」

そう言って、志保は学校から支給されている小型端末でエル・ファシルについて調べた。

志保「ああ、やっぱり。ここね、エル・ファシルっていうのは。」

小型端末からは立体映像で自由惑星同盟の航路図が映し出された。

志保「可奈、いい?ここが今、私たちがいる惑星ハイネセン。そしてエル・ファシルっていうのはここよ。」

航路図ではハイネセン、エル・ファシルの間にはかなりの距離があるようだった。

可奈「遠いね…。」

志保「定期便を乗り継いでだいたい2週間っていったところかしら。そういえばエル・ファシルっていったら確か、こんなニュースがあったわね」

可奈「どんなニュース?」

志保「えっとね…」

志保は端末を操作して、エル・ファシルについての古いニュース記事を立体映像に映し出した。

可奈「エル・ファシルの英雄?」

志保「読むわね。同盟軍に新たな英雄が現る!。宇宙歴789年9月…」

その記事にはこうあった。
エル・ファシル星系において、当該宙域の守備隊(司令官リンチ少将)とその数倍の艦数の帝国軍との間で戦闘が発生した。
同盟軍守備隊は敗退し、リンチ少将の率いる守備隊はエル・ファシルに撤退。
勝利した帝国軍は勢いのままエル・ファシル星系の首都星エル・ファシルに向かってきており、占領されるのは秒読みとなった。
混乱するエル・ファシルの住民たちは軍に対して安全を保障するように要求、直ちに民間人の撤退案が求められた。

志保「そしてその民間人の撤退案を担当したのが当時中尉だったヤン・ウェンリー少佐ね。」

可奈「ヤン・ウェンリー少佐…。でも、数倍もの艦の数からどうやって逃げたの?民間の宇宙船って軍の艦よりも遅いよね?」

志保「それが、リンチ少将の守備隊が自ら囮になって、帝国軍が囮を追いかけている間にヤン少佐たちと民間人たちは守備隊が出ていった方向とは逆の方向へ撤退したみたい。まぁ、このリンチ少将が記事にある通り本当に囮になったっていうのは怪しいけどね。」

可奈「ふーん…。」

志保「本当に何も知らないのね。私たちが小さかった頃とはいえこっちでは結構有名な話よ?それにその時あなたはきっとエル・ファシルにいたはずよ。何か覚えてないの?」

可奈「うーん…?ところで、ヤン少佐ってどんな人なの?」

志保「記事に写真があるわ。」

志保は端末を操作して写真を拡大した。
写真には軍人というより学者と言ったほうがいい、黒髪の優男が写っていた。

可奈「エル・ファシルの英雄、ヤン少佐、こっちの私が空戦科学校に入ったのと関係あるのかな?」

志保「わからないわ。でも、調べてみる価値はあると思う。そうだ、あなたの両親に聞いてみるのはどう?」

可奈「両親?」

可奈は確認書類をもう一度見直した。
そこにはエル・ファシルでの住所と両親の名前が自分の字で書いてあった。
両親の名前はどうやら自分のいた自分の両親のものと変わらないらしい。

志保「手紙を書いてみるのは?」

可奈「そうだね。でもどう書こう?」

志保「当たり障りのない話を書いたらいいのよ。いつか帰りたいとか、いつも作ってくれた料理が食べたいとか。」

そう勧められたように可奈はエル・ファシルにいるという両親に手紙を書いた。

志保「いいんじゃない?あ、そうだ。可奈、ちょっと、いいかしら?」

志保は少し恥ずかしそうな顔をしながら可奈に声をかけた。

可奈「なに?」

志保「写真があったら、もっと安心すると思うわ。だから…その…。」

可奈は首をかしげた。

志保「その!私と…そうだ!あ、アンナと3人の写真を入れたら…って思うんだけど…どう、かしら?」

可奈「うん…。うん!そうだね!今度遊びに行ったとき、皆で写真を撮ろうよ!」

こうして、長期休みの間の予定が一つ決まった。
皆で遊びに行く。
可奈はいつに遊びにいこうか、どこにいこうかとわくわくしていた。
志保は少し残念そうな顔をしていた。

今日はここまでです。

可奈の件はどうにかにげたけど長期休み何させよう
銀英伝では8月が夏という訳じゃないしなぁ…(OVAでは宇宙歴799年7月が秋扱いになっている)
最悪外伝のキルヒアイスの休暇みたいにどこか近い別の星に行くのもありだけど
もしよければ意見お願いします

可奈「ところで志保ちゃん。志保ちゃんは家に戻らなくてもいいの?」

志保「私はいいわよ。たまに連絡とってるし、この学校から近いし。」

可奈「へ~。」

ちょうど昼時となり、可奈と志保はアンナと会うべく、彼女が働いているマーチ・ラビットへ昼食へ向かった。
長期休みが始まったとはいえ、店は相変わらず盛況だった。

アンナ「ご注文は…いかがなさいますか?」

志保「今日のランチで。可奈、あなたは?」

可奈「私も同じので!あっそうだ!アンナちゃん、ちょっといいかな?」

アンナ「何…?」

可奈「実はね、長期休みの間に3人でどこかに遊びに行こうかなって思ってるんだけど。アンナちゃんはどうかな?」

アンナ「ん…今はちょっと、待って。ランチタイムが終わったらいつものとこで…。」

そう言ってアンナは厨房へ注文を伝えにいった。

午後2時、可奈と志保はいつもの待ち合わせの場所の公園で待っていた。

可奈「ところで、遊びに行くってどこに行こう?」

志保「そうね…。恒星間宇宙船に乗るには私たちのお金じゃ足りないだろうし、飛行機でハイネセンのどこか、かしら?」

そんなことを話しているうちにアンナがやってきた。

アンナ「お待たせ…。待った…かな?」

可奈「ううん!今どこに行くか話してたところ!」

志保「じゃあ3人揃ったところで、どこに行くか決めましょう。」

こうして、話し合いは始まった。
三人
の懐具合を考慮したところ、恒星間宇宙船による移動はそれだけで予算がかかりすぎるので無しとなった。

志保「この時期ではハイネセンでも主要な旅行先は混んでそうね。」

志保は端末を操作しながら言った。

可奈「ところで、志保ちゃんはどこか行きたいとかはあるの?」

志保「そうね、遊びにいくのだったら楽しいところがいいかしら。アンナは?」

アンナ「うーん…。海は、どうかな?」

志保「海?」

可奈「海!いいと思うよアンナちゃん!ねえねえ志保ちゃん、どうかな?」

志保「調べてみるわね。でもこの時期に海なら赤道上のどこかかしら…。」

惑星ハイネセンの公転周期は地球と異なり、4月が春、8月が夏、10月が秋、12月が冬とは限らない。
さらに星によっては自転周期も異なり、日によっては1日に2回日が上る星もあれば、1日中夜の星もある。

志保「ここなら近いしいいんじゃないかしら。」

そう言って志保は1つの旅行先を提案した。
志保の提案した旅行先は赤道上の都市、マリーナベイというところだった。

可奈「マリーナベイ…うん、いいと思うよ!で、お金の方は…?」

志保「そうね、予算は…。5泊7日で…一番安いところで800ディナールってところかしら。」

アンナ「アンナは…お金の方は、それで大丈夫だよ。ところで…どんなホテル…?」

志保「こんなホテルよ。」

端末に映されたホテルは、可奈の時代で言うと、いわゆる旅館に近いものだった。
アンナはホテルの設備の方を気にしていたようだが、

アンナ「うん…大丈夫だよ。」

どうやらそちらの方は問題ないようであった。

可奈「じゃあ決まりだね!」

志保「じゃあここで決まりね。あとはいつ行くか決めましょう。」

三人はしばらく話し合って旅行の予定が決まった。

可奈「じゃあ、今から水着とか買いにいこうよ!」

アンナ「…ごめん。アンナ、また夜からバイトだから…。次の日曜日とかどう、かな?」

志保「いいわよ。」

可奈「私もいいよ!」

三人は日曜日に買い物に行くことに決めた。

なんか勢いでマーチ・ラビット出しちゃったけどハイネセンポリスに軍の学校あるのってどうなんだよ(困惑)
原作の設定無視し始めてるような気がして怖いっすね…

日曜日、三人は旅行に必要なものを買いに、ハイネセンポリスのショッピングセンターへ買い物に出掛けた。

可奈「まずはここからだね!」

そう言って可奈は水着を売っている店を指差した。
テンションが上がりっぱなしの可奈をよそに、店内を見て志保は

志保「流石に夏じゃないから売り場はそこまで大きくはないわね。」

と言ったが、ハイネセンポリス随一のショッピングセンターということもあり、かなりの数の水着が並んでいた。
三人は色々な水着を見に店内を回った。

志保(うーん…これは子供っぽすぎるかしら…?あれは少し派手すぎるし…。)

可奈「志保ちゃん!志保ちゃん!」

志保「何?」

可奈「この水着、凄くない!?」

可奈が興奮した面持ちで持っていたのは、生地が少ない、ほとんど紐の水着だった。
志保は顔を赤らめながら

志保「ちょ?!可奈!元の場所に戻してきなさい!」

他にも色々なことがあった。


ある水着を手にとって、
可奈「志保ちゃん…コノミズギニハドンナムネノモチヌシガ…?」

志保「可奈!戻してきなさい!」

ある水着を指差して、
可奈「志保ちゃん!あれ見て!凄いよ!」

志保「可奈!落ち着きなさい!」


可奈「志保ちゃん!志保ちゃん!」

志保「今度は何…?」

可奈「あのね…アンナちゃんはどこ…?」

見たところアンナは店内にいなかった。

志保「嘘!どこに行ったの!?」

店内を回ったが、やはりアンナはいなかった。

志保(どこにもいない…ひょっとして、まさか!)

可奈「志保ちゃーん!いたよ!アンナちゃん、いた!」

アンナは 店の前にあるベンチでゲームをしていた。
既に水着を買ったのか、足元には店の紙袋を置いていた。

志保「もう…心配して損した…。」

二人はどの水着を買うか絞れてきたようで、幾つかの水着を試着することに決めた。

可奈「志保ちゃん…どう、かな?」

可奈は試着室のカーテンを開けて、恥ずかしそうに聞いた。

志保「いいんじゃない?」

可奈「え~。でもちょっと子供っぽくないかな?」

可奈が着ていたのは水色の紐と白い生地の水着だった。
胸のところには水色で単語が書いてあった。

可奈「うーん…ごめん!他のも試してみる!」

次に可奈が試着した水着はトップスが黒、ボトムには短パンがついているものだった。

志保「可奈にしてはちょっと大人っぽ過ぎない?」

可奈「そうかな?いいと思ったんだけど。」

そう言って、可奈はもう一着の水着に着替えるべく、カーテンを閉めた。

可奈「今度はどうかな?」

志保「あら、さっきのよりいいじゃない。」

可奈が着ていたのは、黄色い、トップスとボトムにフリルがあしらわれているものだった。

可奈「じゃあこれで決まりかな!ところで志保ちゃんのはどうなのかな?」

志保「今から試着するわ。」

志保(可奈の水着に偉そうに言ったものの…私のは笑われないかしら…?)

などと思いながら、志保は一着目の水着を試着した。

志保「ど、どうかしら?」

志保が着ていたのは、紺色の、オレンジ色のワンポイントがついた、いかにも''大人っぽい''水着だった。

可奈「うわぁ…。志保ちゃん…すごい…。」

可奈は感動したようだった。

志保「そ、そうかしら…。でも…」

可奈「ううん!本当に似合ってるよ!それにしようよ!」

志保「え、でも…ま、まだ試着の水着があるから…。ね?」

そう言って、志保はカーテンを閉めた。

志保(そ、そんなに似合ってたかしら…?でも、この水着、あまり可愛くないのよね…。)

志保「こ、これはどう…かしら?」

次に志保が試着したのは黒い紐と白い生地、トップスには猫の肉球がプリントされ、ボトムには

途中送信しっちゃった。
許して。


志保(可奈の水着に偉そうに言ったものの…私のは笑われないかしら…?)

などと思いながら、志保は一着目の水着を試着した。

志保「ど、どうかしら?」

志保が着ていたのは、紺色の、オレンジ色のワンポイントがついた、いかにも''大人っぽい''水着だった。

可奈「うわぁ…。志保ちゃん…すごい…。」

可奈は感動したようだった。

志保「そ、そうかしら…。でも…」

可奈「ううん!本当に似合ってるよ!それにしようよ!」

志保「え、でも…ま、まだ試着の水着があるから…。ね?」

そう言って、志保はカーテンを閉めた。

志保(そ、そんなに似合ってたかしら…?でも、この水着、あまり可愛くないのよね…。)

志保「こ、これはどう…かしら?」

次に志保が試着したのは黒い紐と白い生地、トップスとボトムにはさりげなく猫の肉球がプリントされ、パレオもついているものだった。
アクセサリーも黒猫のブローチもついていた。

可奈「きれいだよ!志保ちゃん。それにかわいい。」

可奈が笑いながら言った。

志保「あ、ありがとう…。じゃあ、これにしようかしら。」(よかった…。)

そういった調子で水着を選び終わり、二人は会計を済ました。

店を出ると、人だかりができていた。

志保「何?この人だかりは?」

可奈「あれは…アンナちゃん?」

人だかりはアンナの周りで出来ていた。

「この女の子のプレイ、すごいぞ。」

「マジで!?そこそうやる!?って、スコアやべえ!」

アンナは周りにお構い無しでゲームをしていた。
アンナはゲームが得意なのだが、それはどうやら二人考えが及ばないような次元らしい。

志保「アンナ!」

可奈「アンナちゃん!」

二人は声をかけたが、アンナの耳には入っていないようだ。

志保「仕方ないわね…。すみません、ちょっとどいてもらえますか!」

そう言って、アンナの周りにいた人にどいてもらい、

志保「アンナ!アンナ!…ちょっとごめんね。」

志保はアンナの耳からイヤホンを外した。

アンナ「あっ…カナ、シホ、買い物は終わった、の?」

志保「ええ、二人とも買い物は終わったわ。さぁ、行くわよ。」

アンナ「ちょっと待って。もうちょっとでこのステージが…。」

志保「ダメよ。それにこの人だかりじゃ他のお客さんに迷惑よ。だから、」

志保がそう言うと、アンナは渋々、ゲームの電源を切った。

周りの人だかりはがっかりしたのか、散っていった。

志保「それじゃ、二人とも行くわよ。次は…」

三人は次の店へ向かった。

今日はここまで。

思ったんだけど、1レスあたりの文やら行数多くない?
思い付いたことを止めどなくキリのいいとこまで書いてるけど見辛いなら分割したりでできる限り頑張ります。

志保「次は…鞄かしら。」

可奈「志保ちゃん志保ちゃん。私たちは入寮の時のキャリーバッグがあるから大丈夫じゃない?」

志保「可奈と私はいいんだけど…。」

アンナ「アンナ…キャリーバッグ、持ってないから…」

可奈「あっ、そっか~。じゃあ、アンナちゃん!かわいいキャリーバッグ買おうね!」

アンナ「うん。」

三人は旅行用品を取り扱っている店に入った。

志保「ついでだから、二人とも、バッグとか旅行に必要そうなもの買いましょう。」

可奈「まずはアンナちゃんの鞄選びからやろうよ!」

可奈の提案で、最初はアンナの鞄選びをすることになった。
世間も長期休みと言うことで、旅行用品店は色とりどり、大小さまざまなキャリーバッグを並べていた。

志保「一週間近い旅行だし、サイズはこのくらいかしら。」

アンナ「うーん…。ごめん、ちょっと店員さん呼んできて…。」

可奈「うん。でもどうしたのアンナちゃん?店員さん呼ぶって。」

アンナ「ん、ちょっとね…。」

アンナと店員は何かを話し合い、店員は奥に下がっていった。
しばらくして、

「ありましたよ。お客様の希望の品が。」

店員が持ってきたのは紫色のキャリーバッグだった。

アンナ「じゃあ、これにします。」

志保「アンナのキャリーバッグはこれで決まりね。あとは、小さいバッグと、洗面道具と、あと日焼け止めかしらね。」

アンナのキャリーバッグも決まり、一行は他の必要なものを買うことにした。


可奈「志保ちゃん!アンナちゃん!見てよこのバッグ!」

志保「あら、いいんじゃない?」

アンナ「アンナも…いいと思う、な。」

可奈「うん!色もいっぱいあってね、それでね…」

可奈は、志保に白いバッグ、アンナに紫色のバッグ、可奈自身はオレンジ色のバッグを取り、

可奈「三人ともこれでお揃いだよ~♪」


可奈「ねぇねえ、このアイマスクどうかな?」

志保「ぷっ…何よそれ?変なの。」

アンナ「アンナ…ちょっと、それは嫌かな…。」

可奈「え~?かわいいと思ったんだけどなぁ…。」


志保「洗面具は…トラベル用のこれでいいかしら。あとシャンプーとボディーソープに、洗剤とかもあったほうが…」

可奈「アンナちゃん、日焼け止めってどう選べばいいの?」

アンナ「えっとね…」


そんなこともあったが、買うべき物を一通り揃ったので、

志保「こんなものかしら。それじゃあ会計にいきましょう。」

可奈「ねぇ、志保ちゃん。何か下でステージがあるんだって。後で見に行こ?」

志保「いいわよ。でも買い物が一通り終わってからね。次は服ね。」

今日はここまで。

ある映画のパロディ思い付いたから近いうちに気晴らしに何か別の書くかも。

次は服を買うということで、三人は服屋に入った。

可奈「あっ、新しいコーデ出たんだ!う~ん、どうかな!?志保ちゃん!アンナちゃん!」

可奈はハンガーに掛かっている服を自分の体に重ねてみせて聞いたが、

志保「可奈、今日は夏服を買いに来たのよ?服を買うのはまた今度ね。」

可奈「は~い…。」

そして、三人は服を選び始めた。


志保(えっと、これにこれを上に着て…下は…。)

可奈「う~ん…?」

アンナ(あっ…このパーカー、フードにうさぎ耳ついてる…。ノースリーブだしいいかも…。)


アンナ「どう…かな?」

可奈「アンナちゃん!可愛いよ~♪」

志保「いいんじゃないかしら。」


可奈「どう?どう?」

志保「ちょっと派手じゃないかしら?」

アンナ「そう、かな…?アンナはいいと思うけど。」

志保「まぁ、何着かあるといいし、南国だしこれでいいのかしら?」


志保「…」

可奈「志保ちゃん!格好いいよ!」

アンナ(いいなぁ…背、高いし…。)


「ご会計は257ディナールとなります。ありがとうございました。」

志保「これで、旅行に必要なものは揃ったわね。何か見たいものがあったら、見に行きましょう。」

可奈「じゃあ、下でやってるステージ見ようよ!」

志保「アンナはいいかしら?」

アンナ「ん…アンナはちょっと荷物多いから、帰りたい、かな?」

志保「そうね…。可奈、今日は帰りましょう?流石にアンナ一人を帰らせるわけにもいかないし、可奈も一人でうろうろするのはあまりよくないわ、だから。」

可奈「うぅ~…。なら仕方ないよね…。でも、また今度行こうね?」

そういうわけで、三人は帰ることにした。

長期休みが始まり、二週間ほどが過ぎた。
この日は三人が旅行へ出発する日である。

志保「可奈、準備はいいかしら?」

可奈「いいよ~♪昨日、一緒に準備したから忘れ物は無いよ!」

志保「じゃあ行きましょう。」

二人は先週のうちに外泊許可をとり、昨日は二人で旅行の準備をしていた。

可奈「旅行だよ~♪志保ちゃん!楽しみだね~♪」

志保「もう、はしゃぎすぎないの。」

可奈「だって。あっ!アンナちゃん!おーい!」

アンナ「あっ…カナちゃん、シホちゃん。おはよう…。」

志保「おはよう、アンナ。じゃあ三人とも揃ったし、行きましょう。」

三人が揃ったところで、彼女達はハイネセン郊外にある空港へ向かった。
目指すのは赤道上のリゾート都市、マリーナベイである。

可奈「えっとね、私がアイドルになる前にこの三人と、百合子ちゃんと星梨花ちゃんと奈緒さんと美奈子さんとね…」

可奈は行く途中そんな話を止めどなく続けていた。

可奈「そういえば、この三人で一緒って仙台のライブ以来だよ~。」

そんな話をしているうちに、三人は空港についた。

可奈「ここが…空港…?」

この時代の空港は、可奈の予想よりはるかに大きなものだった。

人とその営みは、時代が変わってもさほど変わるものではない。
しかし、制度や技術は1500年もの時間がたち、大きく変わっていた。

可奈「これが空港!?すごいよ志保ちゃん!アンナちゃん!」

志保「可奈、落ち着きなさい。」

可奈「わっ、あれが飛行機!?すっごい大きい!」

志保「可奈…もう…。」

志保は興奮しっぱなしの可奈の手を引き、三人は搭乗手続きを済ませ、キャリーバッグを預けた。

可奈「アンナちゃん、キャリーバッグにうさぎのステッカー貼ってる!」

アンナ「ん…////」

志保「私たちの乗る飛行機は11時ね。手荷物検査も済ませましょう。」

三人は手荷物検査も済ませ、ラウンジへ向かう。

可奈「空港に電車が通ってるんだね!」

志保「大きな空港だからね。確か歩いて一周すると半日かかるらしいわ。」

三人はラウンジに着いた。
そこには手荷物検査を済ませ、あとは飛行機に乗るのを待つ人々が大勢いた。
三人は飛行機に乗るまでの間、めいめいの時間を過ごした。

可奈「アンナちゃん、はい、あーん。」

アンナはゲームをしながら、

アンナ「あーん…美味しい…。」

可奈「志保ちゃん、何読んでるの?」

志保「オズの魔法使いよ。」

可奈「どんな話?」

志保「えっとね…。」

「11時発、マリーナベイ行きハイネセンエア15743便、31番搭乗口から…」

志保「そろそろ時間よ。行くわよ二人とも!」

志保はそう言った。
二人は気づかなかったが、これからの旅に対しての楽しみからか、志保は少し笑っていた。

今日はここまで。

ハイネセンポリスに空港がどこにあるかの記載は原作、OVAともに無し
宇宙港にあるんじゃないかとも思ったけど同じ敷地内でシャトル発射してるの考えたら危ないしそれは無いかな、と
飛行機に関してはOVAの第10話を見てくれたら
かなりデカイ
12話のヘリコプターは軍港から?

あと螺鈿迷宮でヤンの父親の写真の後ろに同盟軍の戦艦みたいな宇宙船あってちょっと笑う。

三人は機内に入った。
機内もまた、可奈がいた時代のものよりもはるかに広いものだった。

志保「私たちは二階のエコノミークラスの…ここね。」

三人の席は、窓側の三列シートだった。

可奈「私!窓側がいい!」

アンナ「アンナは…どれでもいい、よ?」

志保「じゃあ、窓側から可奈、アンナ、私、でいいかしら?」

ということで三人の席は決まった。

可奈「席にテレビがついてるんだね~。どうやって見るんだろ?」

アンナ「えっとね…このリモコンのね…」

志保「これが机になるのね…。」

「ご搭乗の皆様、当機はただ今より離陸します。テーブルをもとに戻し、シートベルトをしっかり締めてください。」

可奈「離陸するよ!わっ浮いたよ!志保ちゃん!アンナちゃん!」

可奈とアンナは離陸する飛行機の外の景色に釘付けになった。

志保「可奈、アンナ、落ち着いて…。もう…。」

飛行機はしばらく上昇し、やがて水平になった。
ポーンという音とともにシートベルトサインも消えた。
中年か、それより年をとった感じの男性の声が機内にアナウンスをした。

「お客様、シートベルトサインが消えましたが揺れることもありますので、座っている間はシートベルトを締めてください。当機の機長はC・ミシェランと副操縦士のウェーバーです。」

アンナはバッグからゲーム機を取りだし、ゲームを始めた。
志保はさっき読んでいた本を取りだし、付箋を挟んだところから読み始めた。
可奈は座席のテレビで映画を見始めた。

離陸してからしばらくして、機内食が配られ始めた。

志保「そろそろ昼食の時間ね。可奈、アンナそろそろ昼食が来ると思うわよ。」

可奈「わーい!おひるだよ~♪」

そして、三人の番になった。

「お客様、お待たせいたしました。チキンとポークとビーフのなかからひとつ、お選びください。」

志保「私はチキンで、可奈、アンナは?」

アンナ「アンナも…。」

可奈「私はポークで!」

「かしこまりました。どうぞ。食べ終わりましたら声をかけてください。空の旅をごゆっくりとお楽しみください。」

可奈「このご飯、美味しいよ!あっ、アンナちゃん!チキン一口食べさせて!」

アンナ「あーん…。」

可奈「美味しい!じゃあこっちからもポークはい、あーん。」

アンナ「あーん…。美味しい、よ。」

志保「もう、可奈ったら。」

可奈「ほら志保ちゃんも、一口あげる!」

可奈は志保に自分の機内食を差し出した。
志保は可奈の機内食を一口貰い、

志保「ふふっ…美味しい…。」

と言って、微笑んだ。

昼食を終え、お腹が満たされたのか可奈は小さな寝息をたてていた。
アンナもゲームをしているが、眠そうに目を擦っている。
志保は可奈に毛布を掛けて、言った。

志保「アンナ、あなたも寝たら?」

アンナ「ん…もうちょっと…せめて…このステージ…いや、この戦闘だけは…。」

志保「ダメよ。はい、ゲームは没収。」

アンナ「あっ…返して…」

アンナは手を伸ばしてゲームを取り返そうとする。
志保もまたゲームを取られないようにゲームを持った手を伸ばす。

志保「だめ。眠いときにはしっかり寝ないと。」

アンナ「うぅ…。お願い…。」

アンナは目に少し涙を浮かべた。

志保「…仕方ないわね。この戦闘だけよ、約束。いい?」

アンナ「うん…アンナ、約束は守り、ます。」

志保はアンナにゲームを返してあげた。
しばらくして戦闘が終わったのか、アンナはゲームの電源を切った。

アンナ「ん…」

志保「お休み。」

アンナ「ムニャ…おや…すみ…。」

数分すると志保の隣からすぅすぅというかわいい寝息が聞こえてきた。

志保「ふふっ、二人とも小さな子供みたい。」

志保は読書を再開した。

窓から日が射してきて眩しくなったのか、可奈は目を覚ました。

可奈「うぅ…。毛布…?」

志保「起きたわね、可奈。」

可奈「あっ…志保ちゃん、おはよ…。」

志保「外は夕方ね。眩しいならシェードを閉めましょう?」

可奈「そうだね。」

可奈は窓のシェードを閉めた。

可奈「うーん…。ねぇ、志保ちゃん。」

志保「何?」

可奈「暇だねえ~…。」

志保「そうかしら?」

可奈「だって~…ずっと座ってたら~♪お尻が~♪固くなっちゃう~♪…。」

志保「さっき見てた映画の続きを見ればいいじゃない。」

可奈「だって…なんかこの映画よくわからないもん…。」

志保「どんな映画なの…?ブルース・アッシュビー…ああ、ローザス元帥の本を原作にした映画ね。」

可奈「誰なの?ブルース・アッシュビーって?」

志保「そうね…ブルース・アッシュビーはね…」

志保はブルース・アッシュビーについて可奈に説明を始めた。

一旦ここまで


730年マフィアについて少し志保による説明を書こうかなと思ってます
内容は原作の外伝のまんまです

志保「ブルース・アッシュビーはね、リン・パオ、ユースフ・トパロウルに並ぶ同盟軍の伝説的な軍人の一人よ。」

可奈「何をした人なの?」

志保「彼はあらゆる会戦で勝ったの。そして30代で同盟軍最年少元帥になったわ。」

可奈「それってすごいの?」

志保「すごいなんてものじゃないわ。元帥っていう称号は多大な実績を残した人、例えば第五次イゼルローン攻防戦で功績を残したシトレ元帥、百戦錬磨で宇宙艦隊指令長官になったロボス元帥がいるけど、彼らが元帥になったのは50代になってからよ。」

可奈「へぇ…すごいんだね…。」

志保「話を戻すわね。彼が最初に功績を残したのはファイアザード星域会戦。当時、分艦隊指令だった彼と彼の友人たち、730年マフィアは同盟軍を勝利に導いたの。」

可奈「730年マフィア?」

志保「ブルース・アッシュビーとその友人たちよ。この映画の原作者のアルフレッド・ローザス、ヴットリオ・ディ・ヴェルディーニ、ウォリス・ウォーリック、ジョン・ドリンカー・コープ、ファン・チューリン、フレデリック・ジャスパーの7人。彼らは皆優れた軍人だったようね。」

可奈「へぇ~。」

志保「本当に知らないのね、教科書にも載っているくらい有名な話よ。他にもドラゴニア会戦、そして…」

可奈「そして…?」

志保「第二次ティアマト会戦、この会戦で彼は文字通り''伝説''になったわ。」

宇宙歴745年帝国歴436年12月4日、ティアマト星域にて同盟軍と帝国軍は艦隊を展開した。
同盟軍5個艦隊48000隻に対し、帝国軍7個艦隊56000隻。
数においては帝国軍が有利な状況であった。
この会戦において、同盟軍はブルース・アッシュビー宇宙艦隊司令長官が、帝国軍はツィーテン宇宙艦隊司令長官が指揮していた。
この時、司令長官ブルース・アッシュビーは高圧的であり、同盟軍の司令の間には不和が生じていたと言われている。

宇宙歴745年帝国歴436年12月5日9時50分、同星域にて、両軍は最初の砲火を交えた。
第二次ティアマト会戦の始まりである。

同盟軍は敵軍の中央と右翼の間を分断すべく、ヴットリオ・ディ・ベルティーニとジョン・ドリンカー・コープが指揮する第9・第11艦隊を前進させる。

帝国軍は同盟軍本隊を牽制しつつ対応し、第9艦隊の前進を止める。
その間に第11艦隊は当初の目的を果たすべく、右翼と中央の分断を図るが、右翼シュタイエルマルク艦隊に割り込まれる。

それを見て左翼ミュッケンベルガー艦隊が第9、第11艦隊の間に割り込み、第11艦隊に砲火を集中させる。

同盟軍はウォリス・ウォーリックが指揮する第5艦隊を第11艦隊の救援に向かわせる。
その間、ブルース・アッシュビーはどういうわ根拠かは不明だが、敵が繞回進撃を仕掛けてくることを看破し、フレデリック・ジャスパー指揮の第4艦隊に恒星と小惑星帯の僅かな間で足止めを仕掛ける。

第5艦隊、ミュッケンベルガー艦隊に左後背より急襲。
ミュッケンベルガー艦隊はそれに対し、第11艦隊を突破し右翼との合流を図るが、第11艦隊が回頭したため、第5艦隊との二正面状態となる。
そして、僚艦が旗艦についてこれず、旗艦が突出。
敵艦前で回頭した際に攻撃され撃沈。ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガー中将戦死。

第11艦隊、旗艦が撃沈され混乱状態にあるミュッケンベルガー艦隊を撃破し、味方と合流。

第5艦隊、半円を描き敵右翼の一角を攻撃しつつ中央本隊と右翼の間に入り込み、敵艦列の分断を図る。
第5艦隊、突出。
シュタイエルマルク艦隊、それに反応し、第5艦隊8時の方向から側背攻撃。
第5艦隊は正面と側背から攻撃される。

第5艦隊、側面のシュタイエルマルク艦隊を包囲しようと試みる。

シュタイエルマルク艦隊、同盟軍本隊の動きから何かを察したのか、第5艦隊を中央突破し左翼と合流。

第5艦隊、再結集。第9・第11艦隊のラインまで後退、艦列を整える。

帝国軍、当初の繞回進撃を断念し再結集。

同盟軍、第5・第9・第11艦隊を5光秒ほど後退させ、戦列再編。

きっつい…

すみません、明日投下します。

夜投下します。

他作品書き始めましたのでもしよろしければ。
【ミリマス】冬の終わり
【ミリマス】冬の終わり - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458225818/)

12月7日、帝国軍は繞回進撃をしていた別動隊と合流した。
その頃、同盟軍の司令官の間には完全に亀裂が生じ、分裂寸前の状態に陥った。

12月8日、補給を済ませた両軍は再び対立した。
まずフレデリック・ジャスパー率いる第4艦隊が突出し、たった15分間で帝国軍の密集隊形を、まるでチーズをナイフで切るかの如く、切り開いた。

帝国軍は第4艦隊を包囲すべく、カイト艦隊が回頭。
そこに第5艦隊が突撃しカイト艦隊旗艦エムブラが被弾、カイト中将は一命をとりとめたものの、意識不明の重体となり、カイト艦隊は崩壊し、撤退した。

同盟軍はカイト艦隊に更なる攻撃を加えようとしたが、第5艦隊の疲労の蓄積のため、断念し一時後退。

同盟軍は第4・第5艦隊の連携により、局地戦には勝利を得たものの、全体の戦局は一進一退であった。

12月8日から9日にかけて、戦線は膠着し、どちらが有利であるか判断できない状況となった。
その頃、ブルース・アッシュビーはどういうわけか、帝国軍が繞回進撃に固執していることを看破し、ファン・チューリン率いる第8艦隊からの3000隻と各艦隊から抽出した艦により、自らが率いる別動隊を編成し帝国軍本隊を襲撃する戦術をとった。
どういうわけか、アッシュビーの判断は正しく、帝国軍はこの膠着状態の打破を繞回運動によって解決しようとしていた。
これを予想していた同盟軍は、その動きに即応し帝国軍を追尾する態勢をとった。

この状態のまま戦闘は12月10日に突入し、さらに戦闘は膠着した。

その状況にしびれを切らしたのは、帝国軍カルテンボルン艦隊であった。
カルテンボルン艦隊は、驚くべきスピードと火力で同盟軍を蹴散らしにかかった。
しかし、その結果は戦力の無駄な浪費であった。
カルテンボルン艦隊はF4宙域を占拠したものの、そこで行動の限界点に達した。
そこに、秒単位の空白を見逃さなかった第4艦隊が鮮やかな手際で反転し、攻撃を加えた。
カルテンボルン艦隊は混乱状態に陥り、その間に旗艦ダグダに砲火が直撃。カルテンボルン中将は戦死した。

そこに救援に現れたシュタイエルマルク艦隊は、見事な援護と反転後退の組み合わせで、同盟軍の攻撃に対して、無傷に近い状態でカルテンボルン艦隊を救出するかに思われたが、第8艦隊がそこに側面攻撃を加えた。
さらに、高速巡航による突撃も組合わさり、2000隻ほどの損害を被った。

だが、16時40分、戦局は逆転する。
不完全ながら繞回運動に成功した帝国軍が第5・第8艦隊に背後から同盟軍に苛烈な攻撃を加えた。
この時の同盟軍と帝国軍の戦力比は1:2。
そこに第4艦隊が側面から攻撃を加えたが、たちまち10倍もの火力で反撃された。
そんな状態になっても、ブルース・アッシュビーは来なかった。
そして、第9艦隊旗艦トラウィスカルパンテクートリは、護衛艦の撃沈に巻き込まれ、撃沈。ヴィットリオ・ディ・ベルティーニ中将戦死。以降コッパーフィールド提督が指揮を引き継ぐ。
同盟軍の戦線は崩壊寸前になった。

そして、18時10分、別動隊のブルース・アッシュビーの直属艦隊が到着し、戦局は再び逆転した。
帝国軍は前後から攻撃を加えられる形になった。
アッシュビーは帝国軍の左側面から削ぎとるように急進し、途中で方向を変え、敵軍中央を斜め様に突破し一気に帝国軍を壊乱の淵においやった。
もはや、帝国軍の戦列は完全に崩壊し、隊形も秩序も、もはや無くなっていた。

完全に勝敗が決したのは18時50分。
帝国軍は60名の将官を失い、この損失を回復するのに後に帝国は10年もの歳月を費やした。
''軍務省にとって涙すべき40分''と後に言われるようになる。
友軍の退却のため、最後まで抵抗していたのはシュタイエルマルク艦隊だったが、18時52分には抗戦を諦め、敗走を始めた。

その直後、アッシュビーの乗艦ハードラックは3隻の巡航艦と6隻の駆逐艦を連れて主戦場を前進した。
孤立した敵艦の散発的な抵抗に護衛の巡航艦が少し離れた瞬間、流れ弾が艦体中央部右下に飛び込んだ。

艦橋が二度爆発したあと、セラミック片がブルース・アッシュビーの腹部に直撃した。
すぐに軍医が駆けつけたが彼らにできたのは、アッシュビーの死亡時刻の確認だけであった。
12月11日19時9分、ブルース・アッシュビー戦死。
死因は腹部裂傷による出血性ショックであった。

もはや外伝OVAのナレーターの打ち直しですありがとうございました。
もっと詳しく見たい方は螺旋迷宮第5話と第6話を見てください。


もうちょっとだけ今日は続くんじゃ

志保「彼の活躍と死に方は正に伝説的で、同盟軍随一の英雄って言う人も多いわ。」

可奈「へえ…。」

可奈は神妙な面持ちだった。
この時の可奈の心情はどうだったのだろうか。

可奈「ところでね、志保ちゃん…。」

志保「何?」

可奈「死んでも、尊敬されるってどんな感じなんだろ…?」

志保「…わからないわ。」

可奈の質問は決して誰にもわかるものではないだろう。
死んでしまえばわからないし、死ななければわからないのだから。
外は既に真っ暗になっていた。

アンナ「ん…。おはよう…。」

可奈「アンナちゃん、おはよう。」

志保「そろそろ夕食ね。」

アンナ「?何か、あったの?」

志保「別に…。」

機内では、客室乗務員が機内食を配り始めていた。

夕食を食べ終えて、可奈は手持ち無沙汰だったが、

アンナ「カナも…やる?」

と、アンナはもう一台ゲーム機を出した。

可奈「え、いいの?」

アンナ「ゲーム機…三人分持ってきてるから。」

志保「私はいいわ。」

可奈「え~、やろうよ志保ちゃん。」

志保は可奈に誘われたが、やはり断った。

可奈「どんなゲームなの?」

アンナ「えっとね…モンスターを、狩るゲーム。操作の仕方、教えるね…。」

アンナは可奈にゲームの操作の仕方を教えた。

アンナ「まずは…習うより、慣れろ。一緒にやってみよ…?」

可奈「うん!」

こうして、可奈とアンナはゲームを始めた。
最初、可奈は戸惑ったり操作の仕方を忘れたりするなどしたが、次第に慣れてきたのか、ある程度はできるようになっていた。

アンナ「カナ、回復お願い。」

可奈「うん。回復したら遠くから攻撃するね。」

志保(すっかりゲームの虜になっちゃってる。)

気がつけば、志保もゲームが気になってきたのか、アンナと可奈がプレイしているところをじっと見ていた。

可奈「アンナちゃん、あとはお願い。」

アンナ「ん。まかせて。」

志保(なるほど、そうやるのね…。)

アンナ「シホ…やっぱり、やる?」

志保「い、いいわよ…。」

アンナ「でも、ずっと気になってるよね…?」

志保「うっ…仕方ないわね。」

そう言って、志保もゲーム機を受け取った。

今日はここまで

なんか今まで書いたこと見直すと志保がチョロすぎない?
これじゃみんなダメになる気がする(適当)

三人がゲームを始めてから数時間、機内アナウンスが流れた。

「ご搭乗の皆さん、まもなく客室の照明を切らせていただきます。毛布は客室乗務員がお配りいたします。ゆっくりとお休みください。」

志保「そろそろ休みましょう。可奈、アンナ。」

可奈「うん。」

アンナ「…。」

志保「ほら、アンナ、ゲームを止めて寝ましょう。」

そう言う志保に対し、アンナはこう言った。

アンナ「…二人は寝てて、いいよ?」

志保「ダメよ。朝にはつくんだから早く寝なきゃ。」

アンナ「む…。」

可奈「まぁまぁ…二人とも。」

志保「可奈、ここはしっかりとアンナに言わないと。」

二人はしばらく言い争った。
そして、どうしてもゲームを続けたがるアンナに志保は呆れたのか、ついには

志保「もう、知らない。可奈、私たちは先に寝ましょう。」

可奈「う、うん…。お、おやすみ、アンナちゃん…。」

アンナ「…。」

三人の間にやや気まずい空気が漂った。

アンナは既に眠ってしまった二人を横目に、ゲームを続けた。
しかし、だんだん飽きてきたのか、それともつまらなくなってきたのか、ゲームを止めた。
友人と些細なことで言い争い、仲違いをしてしまったのをアンナは後悔していた。
アンナは、座席のリクライニングを倒し、目蓋を閉じてこう思った。

アンナ(明日の朝には、シホに謝ろう…。)

きっと謝ったら志保も許してくれるだろう、そんな願いにも似た思いだった。

翌朝

志保(早く…起きないと…ベッドを整えて、体操着に着替えて…可奈を起こして着替えさせて…)

志保はいつも自分が起きている時間に目を覚ました。

志保「体内時計かしら…まだ起きなくてもいい時間なのに。」

彼女は喉の乾きを潤すのと、目を覚ますために客室乗務員にコーヒーを頼んだ。
しばらくして、客室乗務員が温かいコーヒーを持ってきて彼女に渡し、彼女はコーヒーを一口飲んだ。

志保「はぁ…」

志保は隣のアンナをみて、こう思った。

志保(昨日は少し厳しすぎたかしら…ひょっとしたら他にも言い方があったかも知れないのに…。でも、やっぱり早く寝なきゃ。でも…)

そんな考えが志保の頭のなかで巡っていた。
可奈とアンナが起きるまで小説でも読もうとしてみたりしたが、やはり集中出来ないようだった。
何もすることのないまま、二時間ほど過ぎた頃二人は目を覚ました。

可奈「…志保ちゃん…おはよう…。」

可奈は眠そうな声でそう言った。

アンナ「…おはよう…。」

志保「おはよう、ふたりとも。あと何時間かしたら着くはずよ。」

可奈とアンナが起きてからしばらくして、朝食が配られ始めた。
志保とアンナは朝食の間無口であった。
可奈はその空気をどうにかするために、色々なことを二人に話したりしたが、二人からは適当な返事しか返ってこなかった。

朝食が終わり数十分して、機内アナウンスが流れた。

「ご搭乗の皆さん。当機はあと三十分ほどでマリーナベイ空港に着陸します。着陸の十五分前には客室乗務員による機内サービスを終了いたしますので、予めご了承ください。」

可奈「あと少しだね!」

志保「そうね。」

アンナ「…うん…。」

可奈「もう、二人ともまだ喧嘩してるの?仲直りしようよ。」

そう可奈は言ったが、二人からの返事はなかった。

可奈「はぁ…。」

可奈は溜め息をついた。
楽しい思いで作りに三人で来たはずの旅行の、しかもまだ往路で非常に気まずい雰囲気になっていたことに、彼女はとても不安な気持ちになっていた。
そもそもこの旅行に来なければこのようなことにはならなかったのではないか、とすら思い始めていた。
そんな雰囲気のまま、飛行機はマリーナベイ空港に着陸しようと高度を下げ始め、しばらくするとシートベルトサインが点灯した。
可奈が外を見ると、ビルや色々な建物、そして綺麗な海が見えた。

可奈「志保ちゃん!アンナちゃん!見てみて!」

志保「これが、海…。」

アンナ「綺麗…。」

可奈「?二人は海は初めてなの?」

志保「ええ、プールで泳いだことはあるけど…。」

アンナ「アンナも…。」

志保とアンナは互いを見合った。
そして直ぐに、互いの目を逸らした。

飛行機は無事マリーナベイ空港に着陸した。
三人は飛行機から降り、荷物を受け取り、空港のロビーに出た。
ロビーでは、変な覆面を着けた男がメガホンを持って何かを演説していた。

可奈「志保ちゃん、あれは何?」

志保「憂国騎士団よ。見ない方がいいわ。」

可奈「へー…ところで志保ちゃん…ちょっとトイレに行ってきていいかな…?」

志保「ええ、いいわよ。」

可奈はトイレに向かい、志保はアンナと二人きりになった。

志保「…アンナ…聞いてる…?」

アンナ「…うん…。」

志保「…実は、アンナに言いたいことがあるの…。」

アンナ「…アンナも…。」

二人は顔を見合わせた。

アンナ「えっと…あのね、シホとカナが寝たあとゲームを続けたけど、面白くなくて…だから、その…また三人でやりたい!…だから、えっと…」

志保「…私も、少し厳しすぎたと思ってて、だから…」

アンナ「…ごめんね…?」

志保「私こそごめんなさい…。」

アンナ「…また三人でゲームやろうね…?」

志保「ええ、でも夜遅くまでやるのははダメよ。いい?」

アンナ「…うん!」

二人は仲直りをした。
そして、可奈が戻ってきた。

可奈「お待たせ!」

志保「じゃあ行きましょう。可奈、アンナ。」

アンナ「…うん!」

可奈「??」

志保「どうしたの?可奈。行きましょう。」

アンナ「カナ、行こ…?」

可奈「うん!」

可奈は二人が仲直りしたことを察して、笑顔で答えた。

可奈「うわぁ…暑…。」

志保「赤道上で暑いとは知ってたけど、まさかここまでなんて…。」

可奈「…ところで、ホテルへはどうやって行くの?」

志保「確か、送迎の車が…」

アンナ「…カナ、シホ、あれじゃない?」

可奈「はれ!?」

アンナが指差し先には、がっしりとした体の中年の男とホテル名が書かれた車があった。
そのホテル名は、

可奈「佐竹飯店!?」
(※飯店は中国語でホテル、その中でも宿泊と食事をするところです。レストランは酒家と書きます。)

志保「どうしたの?」

可奈「な、なにも…いや、まさかね…。」

志保「すみません。予約を入れていた北沢ですけど。」

「ああ!えっと…北沢さんと矢吹さんと、ハーゼさんでしたよね。佐竹飯店です!長旅お疲れでしょう!ささ、お乗りください。」

可奈は驚いていた。
佐竹飯店、可奈のいた時代では同僚の佐竹美奈子の一家が経営していた食堂である。
それが、この時代ではホテルになっていた。
三人は車に乗り、佐竹飯店へと向かった。

「マリーナベイは初めてでしたっけ?」

志保「はい。」

「いやぁ、暑いでしょう!これじゃあ外にいるだけでサウナにいるようでダイエットになってしまいますよ!はっはっはっは。」

可奈「いやぁ…はは…あはははは…。」

志保(可奈はどうしたのかしら…?)

送迎に来た男は、三人にマリーナベイについて語った。
マリーナベイの名所や軌跡、ハイネセンに入植者が初めて来たときに行ったテラフォーミングによってか、海産物が採れることなどを話した。
志保は少し興味を持ってその話を聞いていた。
その志保に対して、アンナはゲームをしていて、可奈はやや混乱していた。

そして一行は、ホテル佐竹飯店に着いた。

「はい、着きましたよ!家族でやってる小さいところですが、どうぞごゆっくりおくつろぎください!」

志保「はい、ありがとうございました。可奈、アンナ、チェックインするわよ。」

三人は車を降りた。
ホテルの前で女の人が出迎えてくれた。

「よくおいでなさいました、ご予約の方ですね。部屋までご案内します。」

志保(いい雰囲気のホテルね。この落ち着いた感じ…。)

アンナ(無線回線、しっかり通ってる…。)

「こちらがお部屋でございます。一階に食堂がありますので、朝食と夕食の時間にお越しください。」

可奈「わぁ…この感じ、久しぶり…。」

志保「床のこれは…草…?変わってるわね。あとベッドは…?」

可奈「畳だよ。寝るのは布団じゃないかな?」

アンナ「…えっと、椅子は…あった…。」

志保「ところで可奈、さっき様子が変だったけど、どうしたの?」

可奈「うん、あのね…。」

可奈は志保に事情を説明した。

志保「それが確かなら、その美奈子って子がどこかにいるんじゃないかしら。」

可奈「うん。私、ちょっと探そうと思う。」

アンナ「…アンナは…待ってるね。」

可奈「え~、アンナちゃんも探してみようよ。それに、探検みたいで楽しそうだし!」

志保「可奈…。アンナはゆっくりゲームをしたいようだし、二人で回ってみましょう。」

そして、アンナは部屋で留守番をし、可奈と志保はホテルの中を回ってみた。
もっとも家族経営のホテルなので、それほど大きくはなかったが。


可奈「ここは?」

志保「浴場ね。こっちが女の人で、あっちが男の人みたい。」


可奈「ここは洗濯場だね。」

志保「コインランドリーね。一回1ディナール…。乾燥もできるわね。」


可奈「玄関にもいないし、もう残りは食堂だけだよ!」

志保「でも、まだ朝食の時間が終わったばかりのようね。昼食までまだあるし、部屋に戻りましょう?」

可奈「そうだね…。」


可奈「ただいま~。」

アンナ「…おかえり…。どう、だった?」

志保「いなかったみたい。…昼まで時間があるしどうしましょう?二人ともどこか行きたいところはない?」

可奈「うーん…そういうのはお昼ごはん食べてからにしたいかな。」

アンナ「アンナも…。」

志保「じゃあ、それまで部屋でゆっくりしましょう。」

三人は昼食まで部屋で待つことにした。
可奈とアンナはゲームを、志保は本を読んで時間を潰した。

昼食の時間になり、三人は食堂に入った。
厨房では送迎に来ていた男の人が料理をしていた。
男がこちらに気づいた。

「いらっし~い!って、三人とも昼食はこちらでとるんですね!昼食のメニューはテーブルにあるんで、そこから選んでください。会計は食堂の入り口にあるんで!」

三人はテーブルについた。
玄関で迎えてくれた女の人が注文を聞いたり、料理をテーブルに持っていったりしていた。
可奈は辺りを見回したり、厨房を覗いてみたが、やはり美奈子はいなかった。

可奈「うーん、やっぱりいないのかな…?」

そう思った時、壁にかけられた写真が可奈の目に入った。
写真には、送迎に来た男性と玄関で迎えてくれた女性、そして二人の子供と見られる女の子と男の子が写っていた。
そして、女の子のほうは可奈の見覚えのある人物であった。

可奈「いた!」

志保「どうしたの可奈?急に大声を出して。」

可奈「志保ちゃん!やっぱりいたよ!美奈子さん!」

「おや、あんたたち、美奈子の知り合いかい!?」

志保「えっと、その…。」

可奈「美奈子さんはどこにいるんですか!?」

「美奈子なら、士官学校にいるよ。」

可奈「士官学校…。」

今日はこんなところで

ホテルの名前は考えてたときに偶然読んでた漫画雑誌に飯店と酒店はホテルって書いてあったんで
そこから美奈子のフラグ立てられんじゃんって思って佐竹飯店にしました。

(参考 月刊コミック@バンチ2015年1月号の最後のレストラン)
創刊号から読んでますけど、軍靴のバルツァーは面白いし、うどんの国の金色毛毬はアニメ化するし、パパと親父のウチご飯はドラマCD化するしで最近来ているお勧めの雑誌です(ステマ)

志保「可奈、よかったわね。その美奈子さんって人が見つかって。」

可奈「うん。でも士官学校って確か…。」

志保「テルヌーゼンね。やっぱりハイネセンポリスからは飛行機がないと行けないわね…。」

そんな話をしているうちに食事が来た。

「へい、お待ち!うちのメニューは全部大盛りだよ!」

可奈「相変わらずすごい…。」

志保「これは…食べきれるかしら…?」

アンナ「…一つで三人分の間違いじゃ…?」

三人に来た食事の量は、大盛りという言葉では足りない、超大盛りだった。

可奈「とりあえず…いただきます。」

志保&アンナ「…いただきます…。」

アンナ「…ところで、これはどうやって使うの…?」

志保「えっと、ここが割れるようになってるから、そう、そうやって割って、こう持って使うの。」

アンナ「…む…ん…?…難しい…。」

可奈「すみませーん!スプーンとフォークありますかー?」

「ああ、ごめんごめん!出すの忘れてたよ!」

そう言って、主人は厨房からレンゲとフォークを持ってきた。
三人は黙々と食べた。
ものすごい量だったので、途中アンナが涙目になって食べるのを止めてしまったりしたが、可奈が食べるのを手伝ってどうにか三人とも完食できた。

可奈「ごちそう…さまでした…。」

志保「動けない…。」

アンナ「…グスッ…。」

三人とも満腹で暫くは動くことができなかった。
ようやく動けるようになって、会計を済ませたとき、主人がこう言った。

「まいどあり!夕食もこれに負けないくらいなんで、楽しみにしててください!」

志保「…えっ…。」

志保とアンナの顔から血の気が引いた。
三人は部屋に戻り、暫くは休むことにした。

しばらく休んだあと、三人はマリーナベイの街に出かけることにした。
観光地ということもあって、街はとても賑わっていた。

可奈「ねえ!最初はどこ行く?」

志保「そうね、まずは海に行ってみたいわね。」

可奈「海かぁ…アンナちゃんはどう?」

アンナ「海…うん、アンナも行きたい!」

可奈「じゃあ決まりだね!」

三人は海に向かうことにした。
道中、土産屋の店員に声をかけられた。

「そこの嬢ちゃん達!」

可奈「私たち?」

「そうそう!そんな格好じゃ日焼けしちゃうよ!だからここで帽子でも買っていったらどうかね?」

可奈「どうする?」

志保「そうね…日焼け止めは一応塗っておいたけど、やっぱり必要かしら?」

アンナ「アンナはいい…だってこうすれば…。」

そう言うと、アンナはパーカーのフードを被った。

志保「…それ、暑くない?」

アンナ「…大丈夫、です…。」

可奈「アンナちゃん、やっぱりちょっと見てみよ?どんなのがあるか私、気になるし。それにきっとアンナちゃんにも似合うのがあるよ!」

アンナは可奈に押しきられる形で土産屋で帽子をみてみることになった。

志保「へえ、案外色々あるのね。」

可奈「アンナちゃんにはこれが似合うと思うよ!」

三人はそれぞれ土産物屋にあった帽子を選んだ。

「会計はそれぞれ20ディナールとなっています。」

可奈「志保ちゃんもアンナちゃんも似合ってるよ!」

志保「そ、そうかしら?」

アンナ「…////」

再び三人は海へと向かった。

可奈「ここは?」

志保「市場ね。また今あとで来てみましょう。」

可奈「あ!アイス売ってるよ!」

志保「可奈!?ちょっと待って!」


アンナ「…冷たくて、美味しい…。」

志保「もう、可奈ったら…。」

可奈「えへへ…。あっ、でもほら、もうすぐで海だよ!」

志保「これが、海…。」

アンナ「きれい…。」

三人は海に着いた。
志保とアンナの二人にとっては初めての海で、その海はとても綺麗な澄んだ海であった。

可奈「しまった!」

志保「どうしたの?可奈。」

可奈「水着持ってくるの忘れてた!」

志保「ふふっ、さすがに今日は泳がないわよ。」

三人はしばらく海を眺めていた。

志保「そろそろ行きましょう。今度は可奈、どこに行きたい?」

可奈「うーん…じゃあ、何か甘いもの…デザート食べに行こうよ!」

志保「…可奈、あんなに食べたのにまだ食べられるの?」

アンナ「アンナも…ちょっと…。」

可奈「大丈夫だよ!甘いものは別腹って言うし♪さっきの市場のところに何かないかな?」

一向は市場に向かった。

その頃、イゼルローン回廊に近いとある辺境星域にて、いつも通りの小競り合いが行われようとしていた。

「敵の数、およそ100!5分以内に我々と接触すると思われます!」

「よし、全艦戦闘準備!スパルタニアンをいつでも出せるようにしておけ!」

「は!」

「何、大丈夫だ!敵の数100に対し我々は200、負けるはずがない!……ところで、幕僚が一人いないようだが…?」

「お、恐らく、昼寝をしているかと…。」

「直ぐに呼んでこい!」

「は!」

「やれやれ…、女性士官だがそれなりに使えると聞いていたのに、暇さえあれば昼寝昼寝…。統合作戦本部は一体どんな人事をしているというのだ!戦艦は昼寝のためのハンモックではないのだぞ!」

戦艦の中ではけたたましい電子音が鳴り響いていたが、ある女性士官はそれが聞こえていないのか、呑気にソファーで昼寝をしていた。

「いた!中尉!中尉!起きてください!」

??「…うん…、なんですか~…?」

「敵襲です!あと数分で敵と接触します!」

??「む~、それは大変ですね~。敵艦はどれくらいですか?」

「およそ100です。」

??「ふむふむ。おそらく負けないでしょうけど、一応ブリッジにいった方がいいですね~。」

そう言って、その呑気な女性士官はソファーから起き上がり眠い目を擦りながらブリッジに向かった。
敵艦隊が射程に入るまであとわずか、司令官は攻撃のタイミングを測っていた。

「敵、我々の射程圏内に入りました!」

「よし、ファイアー!」

こうして、戦闘が始まった。
司令官の攻撃の合図とともに何百もの光が敵艦隊を襲い、数隻を撃沈した。
それに負けじと敵も反撃してくる。

「なに、こちらの方が圧倒的に有利なんだ!この程度の反撃、どうってことはない!」

「遅れてすいません~。おや、もう始まってるみたいですね~。」

「何を呑気なことを言っている!ミャオ中尉!戦闘が始まっているのに!」

美也「むむ~、だからミャオじゃなくて、み・や・おですよ~。敵の動きはどうなっていますか~?」

「見れば分かるだろう。こちらが圧倒的に有利だ。」

美也「なら大丈夫ですね~。いつも通り敵がイゼルローン回廊に引き返したらこちらも撤退ですね~。」

「そうだ。こちらからわざわざ藪をつつく必要は無い。」

一時間ほどの撃ち合いのあと、敵はイゼルローン回廊方面へ引き返していった。

「よし、こちらも撤退。ミャオ中尉、貴官はあとで私の部屋に来ること。」

美也「だから、宮尾ですよ~。」

美也は司令官室に呼ばれた。
司令官のトム艦長が美也の勤務態度に耐えかねたのである。

トム「ミャオ中尉、我々は軍人だ。軍人ということは社会のルールもそうだし、軍隊でのルールも守らなければならない。君は勤務態度があまりよろしくはない上に、今日のように戦闘直前まで寝ていたとくればもはや…」

美也「司令官、怒りっぽい人はあまり長生きできませんよ~。もっともっと、リラックスして…」

トム「貴官は私の言うことを聞いているのか!どうなんだ!」

美也「…」

トム「まったく、最近の者は礼儀も、常識も、なっておらん!いいか!ここでは…」

トム艦長が何かを言いかけたそのとき、敵襲を告げる電子音が艦内に鳴り響いた。
トム艦長の端末にブリッジからの連絡が来た。

トム「一体何事だ!」

「艦長!敵です!数、我が方の倍!12時と9時方向からです!」

トム「倍だと!?直ぐに行く。ミャオ中尉、この続きはまたあとでだ。直ぐにブリッジに向かうぞ!」

美也「は、はい~!」

トム「敵の状況はどうなっている?」

「はっ!9時と12時方向に展開。我々を包囲しようとしている模様です!」

トム「本隊に連絡!コチラ警備分艦隊旗艦戦艦ティルドラム、我敵ト遭遇セリ、至急救援ヲ乞ウ。!」

「あと少しで敵の射程です!」

トム「こちらから攻撃したのちすぐにアステロイドベルトまで後退!敵が展開しにくい小惑星の影に隠れて時間を稼ぐんだ!」

「あと数秒で射程圏内です!」

トム「よし!ファイアー!」

こちらの攻撃と同時に敵からも攻撃され、何隻かが撃沈された。

「巡航艦ホレイショ撃沈!駆逐艦レムノス応答なし!」

美也「艦長、スパルタニアンはどうしますか~?」

トム「そうだな、少しでも時間を稼がなければ。スパルタニアン出撃せよ!」

スパルタニアン出撃後、少しの時間差をおいて敵艦からワルキューレが出撃した。

「敵艦、ワルキューレを出撃しました!」

トム「頼む、持ちこたえてくれよ…。」

「敵の追撃を振りきれません!」

トム「アステロイドベルトまであとどれだけかかる!?」

「およそ2時間!」

美也「艦長、隊形を凹形に広げて敵の一点を集中的に狙うのはどうでしょう~?その方が効率的ですし、ひょっとしたら敵の追撃速度を遅くできるかもしれませんよ~。」

トム「ふむ…それはいい案だが敵は今2手に別れている状態だ。片方を狙えばもう片方が突出してきて我々に攻撃を加えるだろう。アステロイドベルトに入る直前ならいい案だが…。」

美也「む~…そうですか…。」

トム「本隊と連絡は取れたか?」

「はい、しかし救援にはもう6時間はかかるとのことです!」

トム「む…。それまで耐えるしか無い、か…。」

2時間後、分艦隊はどうにかアステロイドベルトに到達した。
200あった艦数は130隻ほどにまで撃ち減らされていた。

トム「よし、凹形陣をとれ!先行している方の敵の出鼻を挫いてやるぞ!」

艦隊は凹形陣をとった。
先行していた9時方向の敵に砲火が集中する。

「9時方向の敵、速度が落ちました!12時方向の敵突出してきます!」

トム「よし、12時方向の敵にありったけのミサイルをお見舞いしてやれ!それとスパルタニアンの回収だ、急げよ!」

分艦隊はアステロイドベルトに身を隠すことに成功した。
救援が来るまであと4時間、敵に対してはゲリラ戦で対応することとなった。

トム「敵が入って来たことも考えて機雷を敷設しておけ。ふう…。」

美也「あの…さっきの続きはいいんですか~?」

トム「今はそのような時ではない。貴官も暫くは休むといい…。しばらくの間は機雷が敵の足を止めてくれるだろう…。」

美也「では、」

トム「但し、タンクベッド睡眠で、だ。わかったな!」

美也「はい~…。」

トム「こちらの損害は?」

「200ありました艦数は現在126隻です。74隻は撃沈、もしくは敵に拿捕されたものと思われます。」

美也「出撃したスパルタニアン32隻のうち帰還19です~。敵のワルキューレは50隻のうち撃墜10で、制空権はあちらにあるものと考えていいかと~…。」

トム「ふむ…。」

トム率いる警備分艦隊の目標としてはこうである。
まずアステロイドベルトに身を隠し、本隊が来るまで侵入してきた敵を機雷とゲリラ戦法で対応する。
そして、本隊の到着のタイミングとともにアステロイドベルトから出てきて敵を撤退させる、もしくは二方向から包囲殲滅することである。
しかし、トム艦長と美也にはある疑問があった。

美也「…どうしてあの100隻の艦隊が撤退して直ぐに私たちの倍の艦隊が攻めてきたんでしょう~?」

トム「それは私も考えたが、恐らく近くに帝国軍が数千隻、あるいは一個艦隊いるのかもしれないな。」

「…」

美也「…可能性は高いですね~…。」

トム「…いずれにせよ、我々にできることは救援が来るまで持ちこたえることだ。スパルタニアンを二隻一組にして偵察させる。敵が侵入してきたらすぐ連絡させろ。」

「は!」

美也「艦長。」

トム「貴官の言いたいことはわかっている。恐らく敵も今頃は援軍を呼んでいるだろう。…そうなったらこれはもはや小競り合いなどではなく、大なり小なり艦隊と艦隊の戦いになるだろう。それまで我々が生きているかどうか…。」

その二時間後、トム艦長と美也の予感は的中することになる。
2000隻からなる帝国軍の援軍が警備分艦隊をアステロイドベルトから炙り出すべく合流、侵入しようとしていた。

「偵察機のスパルタニアンより連絡来ました!敵の数およそ2000!」

「2000だと!?」

「援軍はまだなのか!?」

悲痛な叫びが艦橋内に響く。
戦力差16倍は先のエル・ファシルをめぐる戦いの戦力差を遥かに越えるものであり、援軍が間に合わなければ126隻はこのまま鏖殺されるか捕虜として帝国の辺境惑星で一生を終えるかしか道はなかった。

美也「艦長、どうしますか~?」

トム「どうするもこうするもないな。我々にできることは、援軍が間に合うのを信じて徹底抗戦するのみだ。幸い、援軍が来るまでにあの数の艦がすべてこのアステロイドベルトに侵入するのは、まず不可能だ。そこに勝機がある。」

「敵軍、前進を始めました!」

「艦長、攻撃を!」

トム「まだだ!敵は侵入するときに足が止まる。そこを小惑星の影から効率的に攻撃するんだ!」

この時、2000隻の帝国軍は自らの戦果をあげるため我先にとアステロイドベルトに侵入しようとしていた。
その事が同盟軍にとっては幸いであった。
後のマル・アデッタ星域会戦とは異なり、帝国軍が大挙してアステロイドベルトに侵入するための回廊がなかったためである。
そして、敷設しておいた機雷群がここで効果を発揮した。

勇み足でアステロイドベルトに侵入してきた帝国軍であったが、一つの機雷が帝国軍の艦に反応し爆発すると、爆発は連鎖し、少なくない数の艦が撃沈した。
その時、帝国軍の足が止まったのをトム艦長は見逃さなかった。

トム「全艦、攻撃!」

帝国軍は同盟軍の攻撃を受け、混乱に陥った。
小惑星にぶつかる艦、味方の誘爆に巻き込まれる艦、挙げ句には味方同士でぶつかったり同士討ちする艦もあった。
ものの数十分で帝国軍は同盟軍の分艦隊と同数、もしくはそれ以上の損害を被った。
しかし、指揮系統をどうにか回復させた帝国軍は、艦列を整えアステロイドベルトから脱し、逆撃体勢をとった。

トム「突出するなよ。我々はこの小惑星帯にいるからこそ、ここまで戦えるのだからな。次はどうくると思う、ミャオ中尉?」

美也「だから~、み・や・おですよ~。」

トム「御託はいい。答えてみろ。」

美也「そうですね~。もっとも怖いのは敵が二手に別れて一方が私たちの後ろに回って来て、挟み撃ちにすることですけど~、時間を考えたらそれはあり得ませんし、む~ん…。」

トム「もっと単純に考えるんだ。敵にできることは予想以上に少ないぞ。」

美也「?…あっ。」

トム「そう、また再び突入、だ。今考えられる手としてこれ以上我々にとって痛い手は無いだろうな…。ここから援軍が来るまでの残り一時間はさっきのように上手くはいかんぞ。」

トム艦長の予言は正しかった。
帝国軍の第一陣がアステロイドベルトを脱してからわずか十分足らずで、第二陣がアステロイドベルトに侵入を試みようとしていた。

そこからは数の暴力と言ってもよいくらいであろう。
アステロイドベルトに侵入してきた帝国軍に対し、同盟軍トム分艦隊は敵軍の先鋒に先制攻撃を仕掛け、十数隻を撃沈させた。
それでも帝国軍の足は止まらず、数倍もの砲火によって応酬された。

「戦艦コアトリクエ撃沈!駆逐艦4隻と連絡がつきません!」

トム「打ち負かされるな!敵をしっかり狙って攻撃しろ!」

美也「艦長!エネルギーが尽きかけの艦が出始めましたー!ここままでは…。」

トム「耐えるんだ!今はただ耐えるしか我々に手はないのだ…。」

凄惨な戦いであった。
数で圧倒的に劣るトム分艦隊はよく戦ったが、そこまでであった。
たった数十分で126隻残っていた艦数は2桁になり、50を切ろうとした時に事件は起こった。

トム「…何をしているのだ?」

「艦長…わ、我々はこれ以上あなたに従うことは出来ません。」

数十人もの兵たちが自らの命を守るべく反乱を起こしたのだ。
艦長と美也に銃口が向けられていた。

美也「艦長!」

「動かないでいただけるかな?ミヤオ中尉!」

美也「!っ…。」

「い、今からでも帝国軍に降伏するには遅くない。今すぐに降伏しましょう!」

トム「ふっ、愚かな…。いいか!あと二十分ほど耐えれば援軍が来るのだぞ?敵は多数であるがゆえに狭い小惑星帯での行動に限界が生じるのだ!」

「机上の空論だ!それに時間通り援軍が来る確証など無いじゃありませんか!」

トム「いや、来る。カールセン提督、あの方なら必ず時間通りに来るはずだ。」

「なっ…この!」

数人がトム艦長に殴りかかった。

美也「艦長!」

「邪魔だ!」

トム艦長を庇おうとした美也であったが、力及ばず、突き飛ばされた。
トム艦長は兵たちに拘束された。

「この艦は我々が制圧した!直ちに機関を停止し、降伏の意思を、」

「直撃、来ます!」

「何!?」

次の瞬間、敵の砲火が戦艦ティルドラムに直撃した。

敵の攻撃の直撃によって戦艦ティルドラムの艦橋はほぼ、壊滅状態となった。
僅かに生き残っているも、例外なく重傷を負っていた。
美也もまた、その一人であった。

美也「うぅ…痛い…です~…。か、艦長…?」

美也はふらふらと立ち上がり、トム艦長のところに向かった。
トム艦長は爆発によって非常に重い傷を負い、もはや虫の息であった。

美也「艦…長…。」

トム「ミャオ中尉か…。他の…者は…?」

美也は辺りを見回したあと、首を振った。

トム「そうか…。主だった幕僚のうち…、生き、残っているのは…貴官だけのようだな…。ならば、最期の命令だ…。」

美也は目に涙を浮かべながら言った。

美也「最期…なんて…グスッ…そんな…。」

トム「…指揮権を…貴官に委譲、する。」

美也「…私が…指揮、ですか…?」

トム「そうだ…。貴官なら、できるはずだ…。」

美也「む、無理ですよ~…。」

トム「…命令、だ…。」

そう言うとトム艦長は何も話さなくなった。
美也は涙を拭いながら、艦橋から命令を出した。

美也「指揮権を…引き継ぎました…宮尾、中尉です…。総員…。総員、退艦せよ…。総員退艦せよ…。」

そう告げると、美也はトム艦長に敬礼し、戦艦ティルドラムを後にした。

(なんと呼べばよかったかな…ミャオではなく…そう、ミヤオだったな…。)

トム艦長は激しく燃え盛る艦橋で、最期にそのようなことを考えていた。

(彼女なら…彼女なら、まぁ、壊滅に追いやられるということはあるまい…。ただ、これからは勤務態度を改めなければならないな…。)

美也たちが退艦したあと、ティルドラムは轟沈した。
美也は戦艦オネイロスに移乗し、重傷ながらも残った艦の指揮をした。

戦艦ティルドラムを後にした ×
艦橋を後にした ○

ですね。
わかってたけど我ながら文章力ないなー…

戦況が完全にひっくり返ったのは美也が指揮をとり始めてから、二十分もかからなかった。
その間、美也は痛みに耐えながら、必死に指揮をとった。
帝国軍は狭いアステロイドベルト内での展開に難渋し、美也たちに止めを刺しきることはついにできなかった。

「こちら同盟軍警備艦隊、救援に来ました。」

「救援が、救援が来たぞ!」

「助かったぞ!」

オネイロスの艦橋は歓喜の声でいっぱいになった。
しかし、美也はまだ油断はできないという表情であった。
帝国軍は同盟軍の救援に対応すべく180°回頭し、アステロイドベルトから脱出しようとしていた。
美也はそこを逃さず背後から執拗に攻撃を加え、僅かではあるが敵に損害を与えた。
警備艦隊を率いるラルフ・カールセン准将の用兵術は見事であった。
敵が180°回頭しきる前に総攻撃を加え多大な損害を与えたのち凸形陣で突撃し、敵軍をアステロイドベルトとの間で圧迫した。
そして、帝国軍が身動きのとれなくなったタイミングを見計らって、凹形陣をとり敵艦を効率的に撃沈させていった。
また、美也たちとも謀らずとも連携したかたちになり、帝国軍はアステロイドベルトの内と外から攻撃されることになった。
四十分後、帝国軍は抵抗するのを諦め、イゼルローン回廊方面へと撤退していった。
美也はそれを見て安心したのか一言

美也「勝ったん、ですね…。」

と言って気絶した。

数時間後、美也はオネイロス艦内にある病室のベッドで目を覚ました。
目を覚ました際に軍医には重傷なのに無理のし過ぎだと叱られ、しばらく休養が必要だという診断が下された。
それでも、美也にとってはまだ一つ、やらなければならないことがあった。
美也はどうにか軍医を説得し、戦艦ディオメデスへと報告に向かった。

美也「左手での敬礼、失礼します~…。」

カールセン「うん。」

美也はカールセンにこの戦いに至った経緯と経過、そしてトム艦長の最期について報告した。

美也「…以上が報告です…。」

カールセン「ご苦労じゃったな。そうか、やはり奴は死んでしまったのか…。」

カールセン「奴は有能じゃった。戦術が優れていただけでなく、戦略眼もまた優れていた。過去形で語らねばならぬことは、真に残念じゃ。」

カールセンは死者を惜しむようにそう言った。

美也「…はい…。」

カールセン「…ところで、ミャオ中尉。貴官についてだが、あの戦いで戦果を残したことにより昇進するじゃろう。」

美也「そのことなんですけど…。」

カールセン「どうしたんじゃ?不満かね?」

美也「私が…その…昇進なんて…私は…ただ…。」

美也はティルドラムの艦橋で起こったことを思い出して泣きそうになっていた。

カールセン「ふむ、では貴官はトムの奴が指揮権を委譲したのは、彼にとっては間違いであったと?」

美也「そうではありませんが…その…。」

カールセン「なら、素直に喜びなされ。それが奴にとって、せいぜい手向けになるのじゃからな…。」

読み返していたらストーリーに説得力がなかったので>>113から部分的に修正していきます。

今晩辺りに

可奈「楽しかったね~。」

志保「そうね。ハイネセンポリスでは見られなかった物も多かったわ。…ところで可奈、あんなに食べてたけど、夕食は大丈夫なの?」

可奈「うっ…。た、多分大丈夫じゃないかな~♪って…。」

志保「太るわよ。」

可奈「…」

アンナ「…そろそろ…晩ごはんの時間、だよ…。」

志保「夕食もあの量なのかしら…?」

アンナ「…多分…そうなんじゃないかな…。また、アンナだけじゃ…食べきれないかも…。」

可奈「アンナちゃん…。大丈夫だよ!食べきれなかったら私も手伝うから!」

アンナ「カナ…。…アンナも…できるだけ、頑張ってみる…ね…。」

そんなやり取りの後、三人は食堂へと向かった。

「いらっしゃい!たくさん用意したから、腹一杯になるまで食べてってくれよ!」

そう言ってテーブルに出された料理は、昼食の量に負けず劣らずどころか、それよりも多かった。

志保「こ、この量は…ちょっと…。」

可奈「すごい…。」

アンナ「…見てるだけで、お腹いっぱいになりそう…。」

三人はその量に気圧された。
しかし、いつまでも出された料理を口につけない訳にもいかず、三人は食べ始めた。

可奈「い、いただきます。」

二人「いただきます…。」

いくら食べても減っていくように見えない料理に三人は悪戦苦闘した。
漸く半分ほど無くなったころに、可奈の手が遅くなり始めた。

可奈「う…。」

志保「?…可奈、大丈夫?」

可奈「ま、まだ大丈夫…。」

そう言いつつも、可奈の顔から尋常でないほどの冷や汗が吹き出ていた。
そして、アンナにも異常が起こり始めていた。

志保「アンナ、さっきから箸が進んでないけど…やっぱりきつい?」

アンナ「…大丈夫…大丈夫…。」

アンナの目はまるで焦点を失ったかのようで、おおよそ大丈夫とは言えそうではなかった。
そして遂に二人は限界を迎えた。

可奈&アンナ「も、もう限界…。」

志保「え?ちょっと、二人とも!?」

可奈「ごめん…志保ちゃん…。も、もう入らない…。」

志保「そんな…。私も大変なのに…。二人分も…うう、どうしたら…。」

可奈「ちょっとだけ…ちょっとだけ休んだら、また食べられるから…。」

こうして志保は一人で食べ始めた。

志保「うっ…」

二人が休んでから暫くして、志保の手が止まった。
あと数口、たったの数口で自分の分は食べきれると頭では解っていても、体はこれ以上食べるのを拒絶していた。
志保は思ってもみなかっただろう。
まさか自分を苦しめるのが帝国軍や、嫌味な教官や上司などではなく、山のような食べ物の残りたった数口だとは。

志保「あと少し…あと少し…」

志保はゆっくりだが確実に、食べ物を一口、口に入れては飲み物で流し込むことを繰り返し、どうにか食べきった。
食べきって疲れたのかお腹が苦しいのかわからないが、少しの間は動きたくはなかった。
そして、可奈は休んで楽になったのか、また食べ始めた。
しかし、可奈も自分の分を完食した頃には再び限界に達し、アンナの分は食べてあげることはできなかった。

「うーん、ちょっと女の子には多すぎたかな?」

食堂を去る三人に対して、佐竹飯店の主人は言った。

志保(ちょっとどころじゃ…)

そう言おうとしたが、最早言い返す気力すら残っていなかった。

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