電「愛しくて愛しくて、焦がれてしまうのです!」 (92)


・台本書き、書き溜です
・オチ無しヤマ無し
・砂糖大盛り

電「以上注意せよ、なのです!」



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司令官「ん、なんて……?」

電「お芋が、お芋が!焦げてしまうのです!」

司令官「……え?あ、あぁーっ!総員、起きろ!芋が焦げるぞぉ!」

響「はっ、私としたことが……!」

瑞鳳「う、何か微妙に焦げ臭いような……」

熊野「火ばさみ、火ばさみはどこですの!?」

雷「こういうのは要領よくやれば手でもいけるわ!ホイルの端をつまんだら一気に引いてお皿へ移すのよ!」

卯月「うーちゃんに任せるぴょん!……!?!?!?あづぁー!」ポーイ

朝潮「お、お芋が宙を飛んで多摩さんの方に……!」

多摩「Zzz」

司令官「多摩ーっ!!」

【焼き芋】


熊野「まさか、みんなして寝落ちてしまうなんて……」

雷「きっとみんな普段の疲れが出たのよ。それに、ここは暖かいから。仕方ないわ」

暁「電が気付いてくれなかったら、今頃お芋はストーブの上で黒こげになっていたわね」

響「そうだね、こうして美味しく焼き芋を食べれるのは電のおかげ……と」チラ


電「司令官さん、この氷水に手を入れてください」

司令官「ありがとう、電。痛てて……」

卯月「うぅ……ごめんなさい……」

司令官「気にするな、それより卯月は手、大丈夫か?」

卯月「うん……火傷はしなかったみたいぴょん」

司令官「それは良かった」ナデナデ

朝潮「司令官……司令官が居る場で気を抜いてしまうなんて、本当に申しわけありません」

司令官「なに、みんな同じだしそもそも今は気を張るような時じゃないんだから。朝潮は何も悪くないよ?」

朝潮「ですが……」

司令官「あんま深く考えないこと、これ命令ね」ナデ

朝潮「ん……。はい、分かりました!司令官に感謝します!」


伊19「司令官のおかげ、なのね」

多摩「Zzz」

暁「ふー、ふー……。はむ、はふはふ……」

暁「ふぁ……おいしい~!」キラキラ

朝潮「うん、丁度良い焼き加減ね。美味しいわ」ハムハム

熊野「んむ、しょにぃんおあい(庶民の味)……んぐ、ふぅ……。ですがやはり、焼き芋は格別ですわね。緑茶が非常に合いますわ」

暁「あっ、暁も!暁も緑茶を飲むわ!」ガタッ

朝潮「暁、この急須にまだ残っているから、よければどうぞ?」スッ

暁「本当?ありがとう、朝潮」

伊19「暁は何かと熊野の真似をするの」

瑞鳳「暁ちゃんにとって熊野は、理想のレディ像の1人らしいから……」

伊19(……暁が大人のレディになれる日は遠そうなのね)

響「……」ペリペリ

司令官「あれ、響皮を剥いてるのか」

響「司令官は剥かないのかい?」

司令官「ああ。皮が付いていた方が旨いからね」

暁「えーっ、皮を剥いた方が甘くて美味しいじゃない!」

司令官「いや暁。この皮の微妙な苦みと食感がだな、大人の嗜みなんだよ」

熊野「ありえませんわ」

暁「ほら、熊野さんだってこう言っているわ。司令官はレディの何たるかが分かっていないんだから」フフン

司令官「む、むぅ……熊野なら寧ろ皮付きで頬張ってると思ったんだがなぁ……」

卯月「ごちそうさまでした、ぴょん!」

電「ごちそうさまなのです」

瑞鳳「美味しかったわね」

雷「ねー」

卯月「でもぉ~、何となくまだ物足りない感じがするぴょん……」

瑞鳳「もう一本。焼いちゃう?」

司令官「焼くううううううぅぅぅぅぅぅ!……じゃなくて」

司令官「あんまり食べ過ぎると、昼が食べれないぞ?それに、お前達一体いつまでここにいるつもりなんだ」

伊19「いつまでって……点検が終わるまで?」

司令官「それほぼ終日じゃないか!言っておくが執務室は執務をするための場所であってたまり場じゃないんだぞ!」

熊野「提督、お言葉ですが」

熊野「今日は鎮守府指定公休日ですわ。執務だってお休みの筈ですし、この場を使う事も自由ではなくて?」

司令官「いやしかし、休みだろうが執務室であることに代わりはない……」

響「その執務室に砂引いてスイカ割りしたのはどこの誰だったかな」

司令官「うぐ」

卯月「しかもぉ、司令官がガス管点検と室外機点検と水道管点検と電気工事を同時に組んだおかげで、全館夕方くらいまでろくに暖房器具が使えないぴょん」

瑞鳳「石油ストーブだって数が限られてるし。だとしたら石油ストーブをいくつか運んで一部屋に集まった方が暖かいわよね?」

司令官「うぐぐ」

伊19「他の子達も何部屋かに固まって過ごしてるの。集まるなら、比較的広い執務室を使わない手はないのね。なのね?」

司令官「……まいった、降参だ」

伊19「よーし、じゃあもう一本ずつお芋を焼くのー!」

全員「オォー!」

司令官「それはほどほどにしとけよー、ホントに」

雷「みんな、焼けたわよ」

多摩「待ちわびたにゃあ!」

瑞鳳「多摩はずっと寝ていたからでしょ」クスクス

響「ハラショー」パシッ

暁「あ!響、何さりげなく一番大きいの取ってるのよ!」

卯月「そーだそーだぁ!」

響「卯月。暁に便乗してうやむやにしようとしても、2本取っていった事実は消えないからね?」

卯月「ぎくぅ!ばれてるぴょん?」

朝潮「卯月、2本も取っていったら数が合わなくなるわ。それに――」クドクド

卯月「まじめな説教パターンは一番堪えるぴょ~ん!」ダッ

熊野「逃げましたわ!」

暁「追えー!」

司令官(あいつら……焼き芋だけでこんな盛り上がるなんて、やっぱ普段ストレス溜ってるのかなぁ……)

電「司令官さん、司令官さん」

司令官「ん?」

電「一本は多いので、その……良ければ半分こしませんか?」

司令官「お、いいね。そうしようか」

電「じゃあ……ん、えいっ。あ……」

司令官「おー、割ってみると見事な黄金色でもっと旨そうに見えるね」

電「……、司令官さん、どうぞなのです」ニコ

司令官「おう、さんきゅ」

司令官「電」

電「はい?」

司令官「よ……っと」パカ

司令官「うん、良いサイズ。ほれ、口開けな?」

電「ふぇ?」

司令官「当たり前のように大きい方を渡してくれるもんな、電は。まぁその優しさに甘えようかとも思ったけれど……これでおあいこだ」

電「司令官……あ、でも……」チラ

司令官「今は誰も見ちゃいないさ。ほら、あーん」

電「……」コクン

電「あ、あーん……はむ」カアァ

電(は、恥ずかしい……)ポポポ

司令官(ああくそ可愛いなぁ)

伊19(私にばっちり見られてるのね)

伊19(全くこの2人は、本当に……)

伊19(……)

伊19「ねぇみんな!イク、良いこと思いついたの!」

瑞鳳「うん?」

朝潮「?」

熊野「なんですの?」

卯月「ばたんきゅー……」

伊19「折角のお休みだし、みんなが集まってるから。今夜は、ここにいるメンバーでお鍋にするの!」

伊19「寒い日につつくお鍋は、とっても美味しいのね~!」

響「ほぉ……それはいいな」

熊野「鍋……それは今時のレディの嗜みの一つでもありますわ」

暁「そうなの!?」

多摩「さすがにそれはないにゃ」

司令官「鍋か、確かに良い案だけど……イク、闇鍋とか考えちゃいないだろうな?」ジト

伊19「それはそれでおもしろそうだけれど、イクだって美味しいお鍋が食べたいのね」

雷「お鍋かぁ。良いわね!下ごしらえは私に任せて欲しいわ!」ウズウズ

瑞鳳「卵焼きなら任せてね!」

朝潮「鍋に卵焼き……合うのかしら」

熊野「味見なら得意でしてよ」

卯月「はーい、はいはい!うーちゃんも味見は得意っぴょん♪」

伊19「みんな乗り気みたい。というわけで……」

伊19「提督、電。買い出しは宜しくなのね!」

司令官「え?」

【買い物】
一〇三〇 街中 

司令官「なんか、すごい自然な流れで役割が振られた気がするんだけど」



伊19『提督は、可愛い部下達を寒空の下お使いになんか行かせないのね?ねっ?』

伊19『鍋の種類は任せるから!こっちはこっちで鎮守府にある食材を見てリストを参考に送るのね』

伊19『ついでに欲しい物リストも添付するからそっちも宜しくなの!』

伊19『じゃあ、お気を付けていってらっしゃいなの~♪』



司令官「普通上司を寒空の下お使いに行かせるかな?」

電「あはは……イクちゃんらしいのです。でも、イクちゃんが言わなくても司令官なら買い出しに名乗りを上げていたんじゃないですか?」

司令官「どうだろうなぁ。ま、誰も居なければそうだったかもしれないけれど……」ピロリン

司令官「お、イクからか。リストが届いたかな?」

【From 伊19

提督。折角2人きりになれたんだから、ゆっくりしてくると良いの。どうせお鍋は夜なんだから、デートする時間はた~っぷりあるのね♪

PS だからって昼から夜戦はしちゃダメ!なの】

司令官(……はめられた)

電「司令官?イクちゃんは何て?」

司令官「ああ……気が効く子だよ本当……」スッ

電「?」ジッ

電「!!!」ボンッ

【買い物改めデート】
司令官「さて。折角だし、色々見て回ろうか」

電「は、はいなのです!」

司令官(とは言え……いざデートだなんて言われても、どこに行けばいいのか全く見当が付かない)

司令官(着任するまで恋愛沙汰どころか女性とのつきあいなんて皆無に等しかったし、着任してからもほとんど鎮守府にいるからな)

司令官(まさかこんなところで人生経験の拙さが露呈するとは……!)

電「」オロオロ

司令官(こ、こういうときは)

司令官「電は、どこか行きたいところとかあるかな?」

電「えっ?えっと……」

電「その……えっと……」オロオロ

司令官(ま、まずい。この流れは非常にまずい)

司令官(考えろ、自分!喫茶店?芋がまだ腹にある!遊園地?水族館?近場にないし無計画でいくとこじゃない!ホテrうおおおおおぉぉ男ってやつは!男ってやつは!!)

司令官(くっそぉそもそも買い物に来たはずなのになぜこんな事に……買い物?)

司令官「あ」

一一〇〇 ショッピングモール

電「ほわぁ……人がいっぱいなのです!」

司令官「でっかいモールが新装開店したとは聞いていたけど……すごいな、これは」

司令官(しかしこれだけ広いと、結構時間も潰せそうだな。買い物に時間使うのもデートとして間違っていない……よね?)

電「アイス……帽子……お洋服……」ジーッ

司令官(いつの間にか案内板の前にいる……)

司令官「うーん、店舗が多くてどこから見て回れば良いやら……」ジー

電「し、司令官……あの……」

司令官「ん?」

電「行きたいところがあるのですが、い、良いでしょうか?」

司令官「もちろん。じゃあ、電の行きたいところに行こう。場所は分かる?」

電「はいなのです!こっちに……」タタッ

電「あ……こ、こっち、なのです……」

司令官(んー……?なんかぎこちないなぁ)

一一〇五 ペット天国

電「わぁ……!」キラキラ

司令官「ほー、ペットショップまで入っているのか」

司令官(犬に猫に……お、ウサギなんかもいるじゃん。でもペット天国って名前の割には数は少ないな。あくまでモールの中だからか……)

司令官「電はさ……あれ?」

司令官(いない、どこ行った?)キョロ

電「……」ジー

司令官(またいつの間にか、子猫の入ったショーケースに張り付いてる……)

電「」ジーッ

店員「抱いてみますか?」

電「えっ?あ、良いのですか……?」

店員「ええ、この子は抱っこに馴れていますから。両手で抱えるように、しっかり持ってあげてください」カチャカチャ

電「は、はいなのです!そうだ、手袋外さなきゃ……」ゴソゴソ

店員「良いですか?はい……どうぞ」

電「は、はい……わぁ」ギュ

猫「?」コテン

電「はわ……はわわ、はわわわわ」ホワワ

猫「」ニャー

電「えへ……猫ちゃん、にゃーにゃー♪」

司令官「良かったじゃないか、電」

電「あっ!えへへ、司令官」クルッ

猫「」ニャー

電「見て見て!猫ちゃん、にゃーって、可愛いよ!もふもふで、暖かいの!」キラキラ

司令官「」

電「司令官も撫でて……あ」

電「え……えっと、あの……」カアァ

電「あ、あ……う……ご、ごめんなさい、今のは、その……その」プシュー

司令官(モールに来てからずっと、何かぎこちないなぁと思ってた正体はこれか……つまるところウズウズしてたわけだ)

司令官(それが猫を抱いて爆発しちゃったんだなぁ)

電「あぅ……」ギュ

司令官(普段しっかりしてるから忘れがちだったけれど。やっぱり電も末っ子なんだよね)クスクス

電「わ、笑わないで欲しいのですっ」

司令官(まぁ取り敢えず目の前に天使がいるからここは間違いなく天国だな)ピロリン

電「な、ナチュラルに写真を撮るのもダメなのです!」プルプル

店員「じゃあ、猫ちゃん預かりますね」

電「はい、なのです。ばいばい」

猫「」ニャー

店員「妹さんは猫がお好きなんですか?」

電「ふぇ……?わ、私ですか?」

司令官「あー、その子は妹じゃないですよ」

店員「あっ、これは失礼致しました……えっと……娘さん?」

司令官「いや、そんなに歳が離れてるようには見えないでしょう?……見えない、ですよね?」

店員「ええ、まぁ……」

司令官「ですよねー」ホッ

店員「うーん……じゃあ従兄弟とか……」

司令官「あー、いやその……」チラ

司令官「か、……彼女です」

電「……」カァ

店員「は?」

司令官「彼女、です。ほら、指輪も……」ポリポリ

店員「」



司令官「いやぁ、さっきは参ったな」

電「は、恥ずかしいかったのです……」

司令官「まぁ、ねぇ。なんか僕もしどろもどろになっちゃったよ。まぁ妹でも娘でもないし、仮にもケッコンしてるしな」

電「うぅ……」

電(でも……嬉し恥ずかし、なのです)

司令官(店員さんもいつの間にか居なくなってたし。惚気に見えたかなぁ)

司令官「ま、いいか。さて、次はどこに」

憲兵「君、ちょっと良いかね」

司令官「はい?」

憲兵「先程、女児を彼女と呼ぶ怪しい男がいるとの通報を受けてね。少し……話を聞かせて貰おうか」

司令官「」

電「」

一三〇〇 喫茶店

司令官「本当に参った参った……こんな事になるとは」

電「でも、誤解が解けて良かったのです」

司令官「まぁなぁ……」


憲兵『なんだ、提督殿と艦娘なのか。それならば問題はない』


電「理解のある人で良かったのです……本当に」

司令官「しかし緊張からか少しばかり疲れたな」ノビー

電「しばらくここで、コーヒーでも飲みながらゆっくりするのです」

司令官「そうだね、そうしよう。よし、ついでにケーキでも頼むか」

電「なのです!」

一四〇〇 喫茶店

司令官「さぁ、このあとはどうするかな。結局モールはあまり見ずに出てきちゃったわけだけど、戻るかい?」

電「でも少し離れてしまいましたし、この辺りをぶらぶらするのも良いかもしれないのです」

司令官「そうだなぁ」

電「イクちゃんからリストも送られてきましたから、買い物もしないとですね」

司令官「まぁ買い物は1時間もあれば充分だろう。帰路も1時間程度で済むわけだし、あと2時間はゆっくりできるよ」

司令官(まぁ2時間なら、ぶらついてたらすぐだろうな……)

電「あ……」

司令官「ん、どうした?」

電「司令官、お外見てください」

司令官「外?……ああ」

【雪】

カランカラン

司令官(おお、寒っ。午前中より冷えてないか、これ)

司令官「まぁでも、ずっと暖かい中にいたから気持ちいいな」

電「雪……」スッ

電「……」ジッ

司令官(掌に雪を乗せて溶けるまでじっと見てる……)

司令官(小さい頃は僕もよくやったっけ)スッ

電「きれい……」

司令官「雪の結晶って何でこんな形をしてるんだろうね」

電「とっても、幻想的なのです」

電「もっと大きい形で、溶けずに残ってくれたらお部屋に飾るのにな……」

司令官「暁辺りが喜びそうだ」

司令官(いや、第六駆逐隊全員のはしゃぐ姿が目に見えるな)

電「……きやこんこ」ポソ

司令官「?」

電「……ぁられやこんこ」ポソポソ

司令官「……、……」

司令官「降っても降ってもまだ降りやまぬ」チラッ

電「!」

司令官「」ニコ

電「……いーぬは喜び」

司令官「庭駆け回り」

司電「多ー摩はこたつで丸くなるー♪」

司令官「……はは」

電「ふふっ」クス

司電「あははははっ」

――――――――

多摩「くしゅん!猫じゃ……ないにゃ……」Zz

熊野「こたつで寝ていたら風邪を引きますわよ?」

司令官(しかし……)

電「ゆーきやこんこ♪あられやこんこ♪」

司令官(恋人と居るときの雪が特別な気分に浸れる、って昔誰かが言った言葉はまさに心理だな)ジッ

電「?」クル

司令官(雪の中に電と2人。それだけで、なぜだかすごく胸が焦がれる)

電「司令官?」

司令官(たまらない)ギュッ

電「ふぁ……っ、し、しれいか……んっ!」

司令官「――」

電「――」

司令官「……」

電「……不意打ち、なのです……」

【手袋】

一四一五

司令官「さて、外でずっと留まってると冷えるし。歩こうか」

電「は、はい……」

電(電のお顔は熱くてたまらないのですが……)

電「……?」ゴソゴソ

電「あ、あれ……」ゴソッ

司令官「どうした?」

電「あ、いえ……あれ……」

電「手袋が……無いのです……」

司令官「え。喫茶店の中に置いてきたとかかな」

電「ちょ、ちょっと見てくるのです!」タタタッ

カランカラン

電「無かったのです……」

司令官「マジか……最後に外した場所は?」

電「それが、あのペットショップで外してコートのポケットに入れたのが一番新しい記憶で……」

司令官「あー、あれから結構移動してるしなぁ……」

電「手袋……無くしちゃったのです……」ジワァ

電「うぅ……」グスッ

司令官「……」

司令官(初期艦としてずっと一諸に戦ってきた電は、いまや当時に比べて本当に強くなったと思う)

司令官(勿論練度もだし、精神的にも)ナデ

電「あ……司令官……」グス

司令官(けれど。見た目相応に幼い部分があるんだってことを、忘れちゃいけないよな)ナデナデ

司令官(いくら戦場に出ていようが、いくら艦の生まれ変わりと言おうが。彼女達が一人の「娘」であることは、まぎれもない事実なんだから)


司令官「手袋も消耗品だからさ。無くしてしまったものは、仕方がないよ」ナデナデ

司令官(こんな言葉しか掛けられなくて、ごめんな)

司令官「丁度いい機会じゃないか。新しい物、買いに行こう。な?」

司令官(そういうことじゃ、無いんだもんな)

電「……」

司令官(電は優しい子だから。きっと手袋に対しても喪失感を覚えているだろう)

電「……はい。ありがとう、司令官」ニコ…

司令官(それでも、僕の最善を受け入れて笑ってくれるから。全く……)

司令官「どっちが気遣ってるのか、分からないな……」ボソッ

電「」ハァー

司令官「……手袋無いと、手、冷たいだろ。取り敢えずほら……僕の使いなよ」

電「えっ、でも……」

司令官「サイズは大きいけどさ。少しの間ぶかぶかなのは我慢してくれ」クスクス

電「……。……じゃあ、半分こ」

司令官「……」

電「半分こ、するのです。電が右手、司令官が左手」

司令官「……断っても、聞かないんだろうな」

電「それはもう、お互い様なのです」クスクス

司令官「でもそれぞれ片方ずつ付けてたら変に見えるぞ、きっと」

電「それなら……えっと、その……」

電「」スゥハァ

電「こっ、こうすれば……!」ギュッ

司令官(手袋を嵌めていない手同士を……!)

電「こうすれば……少しは、その……」

司令官「……、……」ギュ

電(こ、恋人つなぎ……!)カァ

司令官「まぁ……これなら暖かくも、あるか」ポリポリ

電「はっ、はいぃ……」ポポポ

一四三〇 衣服店

司令官「おー、結構あるもんだ」

電「そ、そうですね」

司令官「これなんか可愛いんじゃないか?どう?」

電「か、可愛いと思うのです!」

司令官「後はこれなんかも――」

電「はわわっ……」

電(お店に入ってからも、ずっと手をつなぎっぱなしなのです~!)><

店員「仲の良いご兄妹ですね」ニコ

司令官「えっ?」

電(あっ、この流れは……)

店員「妹さんへのプレゼントですか?宜しければ、見繕いますよ」

司令官「あいや、妹じゃなくて……」

電「し、司令官……」

司令官(待て。さっきの敗因は何だ?妙に照れながらというか、しどろもどろに成りながら彼女だと宣言したからだ)

司令官(要は、堂々と自信を持って自然体に応えれば変に思われないはず)

司令官(うん、そうだよ。そうだそうだ)

店員「?」





司令官「妻です」

店員「は?」

司令官「僕の妻です」ドヤァ

店員「」

電「」

一八〇〇 鎮守府 廊下

司令官「やっと……着いた……」グッタリ

電「司令官……大丈夫、ですか?」

司令官「ああ、うん……大丈夫、大丈夫……」

電「一日で2回も憲兵さんのお世話になるとは思わなかったのです」

司令官「成るべくして成った感は否めないけれどね」

司令官(割と自業自得みたいなもんだし……)

司令官「電も疲れたろ。みんなに食材渡したら、少しゆっくりしようぜ……」

電「そう、ですね」

司令官「みんな執務室にいるか……な?」

電「あれ……なんでしょう?……煙?」

電「執務室の扉から、うっすらと煙のような物が――」

司令官(煙って……鍋か?いや、その程度で部屋から漏れるくらいに煙が出るはず無い……)

司令官(執務室にある物で煙が出そうな物と言ったら、……石油ストーブ!?)

司令官「あいつら――まさか!」ダッ

司令官(戸は少しだけ開いている……これならもう少し開けても一気に火は燃え上がらないはず――)キィ

司令官「!?」

司令官(メガネが曇って、前が――!)

伊19「え、てーとく……?」

司令官(む、横から声!?)

伊19「提督、ダメ!今は開けちゃダメなのね!」

司令官「その声、イクか……!?お前達部屋の中にいた訳じゃなかったのか!」

伊19「今執務室の中にいるのは瑞鳳だけなの。それより提督、中には入っちゃダメなのね!」

司令官「何、瑞鳳が中に!?くっ!待ってろ瑞鳳、今行くからな!」ダッ

伊19「ちょっ、待、提督!だから中には――」

司令官「うおおおおぉぉ……お?」

司令官(あれ、何だこの煙何か変、と言うかこれ煙じゃなくて湯気……)

瑞鳳「え、あ、て……ていと、く?」

司令官「瑞鳳の声!くそっ、辺りは一体どうなって……」キュッキュ

司令官「これで見え……は?」カチャ

瑞鳳「う、うぅ、あ……」

司令官(瑞鳳、何で裸――)

瑞鳳「へ――」

司令官「へ?」

瑞鳳「変態ー!!」バチーン

司令官「ぐふぅ!?」

伊19「あちゃー……」

一八二〇 第六駆逐隊の部屋

卯月「司令官、ほっぺたに付けた紅葉のワンポイントすっごく似合ってるぴょん!」ゲラゲラ

朝潮「こ、こら卯月!司令官に対して失礼でしょう!司令官、この朝潮、少し卯月にお説教をして参ります!」

卯月「ゲェーッ!?朝潮ちゃんは真面目すぎるぴょーん!」スタコラ

朝潮「あっ、待ちなさい!」ダッ

伊19「提督、ごめんなさいなの……。そろそろ帰ってくる頃かなーと思って執務室に向かったんだけど、ちょっと遅かったみたいなのね」

司令官「別に好きに模様替えしても良いけれどさ……せめて温泉岩風呂にするときは一言報告をくれ報告を……」ヒリヒリ

電「はわわ……痛いの痛いの、飛んでけ!なのです!」ハワハワ

司令官(ぐぅ天使)

熊野「まぁ、今回ばかりは完全な不可抗力ですわね。提督に非はありませんわ」

瑞鳳「私の裸を見たことに変わりはないけれどね……」ガララッ

響「瑞鳳さん。おかえりなさい、もうあがったんだね」

瑞鳳「ええ、元々身体を拭いていたところだったから」

司令官「いや、本当すまなかった瑞鳳」

瑞鳳「ま、まぁいいけど……私も咄嗟にひっぱたいちゃったし……ごめんね?」

司令官「構わないさ。艦載機爆撃よりずっとマシだ」

瑞鳳「そ、そんなことはさすがにしないわよ!」

瑞鳳「それより提督も入ってきたら?折角の岩風呂だし。私達はもうみんな入ったから」

司令官「けど、今から鍋の仕込みだろ?手伝うよ」

雷「いいのよ司令官、仕込みは私がするわ!というか、私に任せて、ねっ?」

司令官「むぅ、そうか。風呂から上がったらまたここに来ればいいかな?」

雷「ええっ。執務室はお風呂にしちゃったから、ここでお鍋にするわ」

電「じゃあ、司令官さんが入っている間電はお手伝いをしているのです」

司令官「あ、そっか。すまない電、良ければ先に入るか?」

電「ううん、大丈夫なのです。司令官さんがお先にどうぞ!電は交代で入るのです」

司令官「そっか。じゃあお言葉に甘えるかなぁ。行ってくるよ」

全員「いってらっしゃーい/なのです!」

暁「さて、と。電が買ってきた具材は何かし……ら」

雷「暁?どうしたの?」

多摩「……あー、なるほどにゃあ」

熊野「この材料だと……今夜は言うまでもなくキムチ鍋ですわね」

暁「キムチ……鍋……」

電「大丈夫なのです、暁ちゃん。今日のキムチ鍋は辛さ控えめタイプなのです」

暁「ふぇっ……そ、そうなの?」

電「はいっ」

暁「な、なーんだ。そうだったのね!」ホッ

暁「もちろん辛いキムチ鍋も好きだけど!今日はワイルドな気分だったから丁度よかったわ!」

響「それを言うならマイルドだね」

雷「野性的なキムチ鍋って何かしら……」

多摩「具材は多摩と雷と瑞鳳で手分けして切るにゃ」

伊19「イクも具材関係で盛りつけとかするの!」

響「味の調節は私と熊野さんと……卯月が戻ってきたら卯月とでしよう」

暁「朝潮と一諸に配膳とかそのほかの準備をって言っていたんだけれど……いつ帰ってくるのかしら」

電「もう役割分担も出来ているのですね。じゃあ電は……」

伊19「電はイクと一諸にお手伝いして欲しいのね!」

電「分かったのです!」

熊野「腕が鳴りますわ!」グウゥ

多摩「鳴ってるのはお腹だにゃ」

伊19「さて、と。電、こっちに来てほしいのね」

電「あ、はいなのです!」

電「イクちゃん、電は何をすればいいですか?」

伊19「んー、取り敢えず付いてきて欲しいの」

電「?このままだとお部屋から出ちゃうような……」

伊19「~♪」

電「あ、あの。イクちゃん……?」

伊19「電」

電「は、はいっ」ビク

伊19「電も、提督と一諸にお風呂に入ってくると良いのね」

電「……へっ?」

電「はわわわ!い、イクちゃん何を」

伊19「みんなには電のこと、お手伝いの一環として部屋から出ているとか適当に応えておくの。だから、折角だし今のうちにお風呂へごー!なのね」

電「で、でも……」

伊19「こっちの人数は充分足りているの。それにほら、提督が艦娘の誰かと一諸にお風呂に入る事なんて割とあるわけだし」

伊19(まぁそのほとんどが艦娘達による襲撃なんだケド……)

電「う、うぅ……」モジモジ

伊19「ほらほら、早くしないと提督、お風呂から出ちゃうのね」

電「……な」

電「内緒、に……してくださいね……?」

伊19「……いひひ♪もちろん!」


伊19(私が内緒にしなくても、電と提督がよく一諸にお風呂に入ってるのは結構知れ渡っているのね)ハフ

【温泉】

司令官「はぁ……」

司令官(後片付けが大変だから普段は使わずにいた家具だけど……実際、すごく極楽だなぁ)

司令官(窓から見える月がすごく綺麗だ。まるで執務室とは思えない)

司令官「ばばんばばんばんばん♪あびばびばびば♪」

司令官(思いっきり歌っても誰が聞いているわけでもないし。良いなこれ、たまには使うかなぁ)

司令官「ばばんばばんばんばん♪」

司令官(気分が乗ってくると……なんか色々叫びたくなるな。よーし、誰も居ないしここはいっちょ)スゥ


司令官「ふうおおぉぉ!!電の甲板に顔を埋めてギュッてされたいよおおおおおぉ!!」

風呂桶<がらんがらーん!

司令官「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?」

司令官「だっ……誰だ……!」メガネスチャ

電「ひっ……!」

司令官「」

司令官「そ、そうか……イクに言われて来たのか……」

電「は、はい……なのです……」

司令官「……」

電「……」

司令官「な、なぁ……さっきの……聞いてたのか……」

電「……」

電「……」カオマッカ

司令官(タヒにたい)

電「ぁ……の、その……」

電「お背中……お流し、しましょうか……?」

司令官「う、うん……頼もう、かな」

司令官(話題の変え方が無理矢理だ……すごい気を遣わせてしまってるな……)

司令官(けど)

電「よいしょ、よいしょ」ゴシゴシ

司令官(洗い始めてから、ちょっとお互い落ち着いた気がする)

電「泡、流しますね」シャワー

司令官「ふぅ……ありがとう、電」

電「どう致しまして、なのです」

司令官「次は僕が背中を洗ってあげよう」

電「良いのですか?お願いするのです!」

司令官「……痛くないか?」ゴシゴシ

電「あ、はい!大丈夫なのです」

司令官「……」ゴシゴシ

電「……♪」

司令官(華奢な体つき……小さい背中だなぁ)

司令官(こんな小さいのに、毎日海に出て、深海棲艦と戦って……)

司令官(守ってあげたいと、そう思うのに。守られてるのは僕ら人類の方なんだよな)

司令官(彼女たちのために、僕らが出来る事は何なのだろうか……)

司令官(電のために、僕が出来る事――)

司令官「……」ギュ

電「ふぁ……っ!司令官……?」

司令官「好きだよ」

電「っ……」

司令官「……大好きだ。電、君のことを」

司令官「――愛している」ギュウ

電「ぁ――――」

司令官(――)


司令官(愛することが、僕にできることだってか?)

司令官(こんなの。ただ僕の好意を、押し付けているだけだ)

司令官(彼女のためと言っておきながら。これは僕自身のため、僕のエゴだ。所詮は偽善に過ぎない)


電「――嬉しい」ツゥ

司令官(それでも)

電「電も……愛しています、愛しているのです」ポロッ

司令官(それでも、君は喜んでくれるから。幸せを感じてくれるから)

電「あなたを……ずっと、あなたと一諸に……」ポロポロ

司令官「ああ。ずっと、ずっと一諸だ」

司令官(偽善だとしても。本物の想いだけは、伝え続けたい)

司令官(愛することを――君のためとしたい)

電「わぁ……まん丸お月様なのです!」

司令官「な。丁度、こうして岩にもたれ掛かってると月が綺麗に見えるんだ」

司令官「これで燗の一本でもあれば最高なんだけど……」

電「ダメですよ?お酒はお鍋まで我慢なのです」

司令官「分かってるさ、お風呂だとすぐ回っちゃうだろうし。ああでも折角この家具にお酒もセットで付いてるのになぁ」

電「ふふっ、我慢した分後で美味しいのです、きっと」

司令官「それもそうだな。それじゃ、僕はそろそろ出るよ」

電「はいなのです。電は遅れて向かいますね」

司令官「おぅ。交代してから少し鎮守府内をぶらついていたって言っておくから、そんなに長く浸かって無くても良いからね」

電「了解、なのです!」ピシッ

一九〇〇 第六駆逐隊の部屋

暁「あっ、電おかえり!」

電「ただいまなのです!お風呂は温かかったけれど、廊下はひんやりとして少し肌寒かったのです」

多摩「冷えたら風邪引いちゃうにゃ。こたつの中でぬくぬく暖まるといいのにゃあ」

電「あっ、でもお手伝いを……」

伊19「電は買い出しに行ってくれたから、これ以上は大丈夫なのね」

司令官「そうそう。僕と一諸にぬくぬくしようぜ」

電「司令官……さん。もうおこたに入っていたのですね」クスクス

電「それじゃあ、お言葉に甘えてしまうのです」

熊野「よろしくてよ」

電「暖かいのです」

司令官「だなー。しかし、4人で囲むなら丁度良いサイズだが11人で囲むとなるともう一つくらい机をくっつけないと」

電「そうですね。あとでどこかに取りに行きましょうか」

司令官「そうしようそうしよう……ん~っ」ノビー

電「あ……」

司令官「あっ、ごめん」サッ

電「いえ、大丈夫なのです。対面だと、足、当たっちゃいますよね」クスクス

司令官「そう、だね。気をつけないと……」

司令官「……」

司令官(……お互い素足、か……)

司令官「」ゴソゴソ

電「……?」

電(司令官、脚伸ばしてる……ちょっと引いた方が良いでしょうか)スッ

司令官「」ススッ

電(え、えっ?またくっついてきたのです!)

電「し、司令官さん?」

司令官「ん~?」スッス

電「ふにゃ……っ」ビクッ

電(脚……脚で撫でられて……っ。これはもうか、確信犯なのです!)

司令官「」サスサス

電「はっ……ぁ……」ゾクッ

電(声……漏れちゃ……っ、こんな、素足同士なんて……)

電「ん……っふ……」ビクビク

電(周りにみんな居るのに、こんなの……はうぅ……)

電(へ、平静を装わないと……。司令官は)

司令官「」ゴソゴソ

電(ま、真顔……!こんな事、無心で出来るのですか!?)

司令官(ふうううぅぅぅ電の脚はなんてすっべすべなんだぁ!)マガオ

電「!?」

電(やっ……太もも、内股……それ以上は、もうっ)ゾクッ

伊19「ふんっ!」ガタン

司令官「おわっ!」

電「ふにゃ!?」

司令官「い、イク。机をくっつけるにしてももう少し静かに……」

伊19「あ、ごめんびっくりしちゃった?でも、ぼーっとしてる方も悪いのね」ニコニコ

司令官「あ、はい、ゴメンナサイ」

電(助かったけどイクちゃんには完全にばれているのです……)

【お鍋】

雷「じゃーん!お鍋が完成したわ!」

響「ガスコンロ、置くね」

司令官「おー。ここまで運べるか?手伝おうか?」

雷「大丈夫大丈夫、五月雨じゃないんだから。司令官はそのままおこたに入っていて?」

卯月「雷ちゃんもああ言ってるしぃ、ゆっくりするぴょん」ピトー

司令官「卯月……いつの間に隣に」

朝潮「卯月、あなた……また司令官になにかするつもりじゃないでしょうね?」

卯月「も、もうなにもしないぴょん!朝潮ちゃんにあれだけこってり紋られたんだから……」

朝潮「……念のため、私は卯月の近くに座るわね」スッ

卯月「そ、そんなぁ!」

多摩「電、隣失礼するにゃ」

電「あ、はいなのです」

瑞鳳「あれ、もうこっちのこたつは埋まっちゃったの?じゃあ、ここにしようかしら」スッ

電「あ、瑞鳳さん、よろしくなのです」

瑞鳳「ええ、よろしくね」

響「司令官、隣失礼するよ」

司令官「おう、どうぞ」

暁「最後のお野菜持ってきたわよー……って、ほとんどみんなもう入ってるし……。暁は……」

伊19「暁は、イクと一諸に並ぶのね!」

暁「え、えぇー……良いけれど、変なことしないでよねっ」

熊野「もう後はほとんど消去法ですわね」スッ

雷「ふふん、お鍋の取り分けなら私に任せてね!」

参考

  雷 瑞   電 多
 ○○○○○|○○○○○
暁○○○○○|○○○○○
 ○こたつ○|○こたつ○朝
19○○○○○|○○○○○
 ○○○○○|○○○○○
  熊 響   司 卯

>>53
参考とか言いつつ盛大に歪んだけれど、くっつけた二つのこたつのそれぞれどこにいるか、大体の位置って感じで許してください。



瑞鳳「よぉーし。それじゃあみんな、手を合わせてー?」

全員「いただきまーす!」

多摩「ふー、ふー……ああ、白菜にキムチの汁が染みて美味しいにゃあ」

暁「あっ……本当に美味しい!これなら暁も……」

響「うん、実にハラショーだ」

雷「響、豚肉ばかり取らないの。ほら、水菜も美味しいわよ?」

卯月「にんじんがいっぱいー!うーちゃん、感激ぃ」パクパク

朝潮「うん、いいわ」

瑞鳳「ん~!キムチ鍋にも卵焼きはやっぱり合うわね、新発見だわ!」

熊野「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

伊19(ohレディ……)

司令官「くはぁ、うまうま!鍋って何でこんなにうまいのかなぁ!」パクパク

電(ふふっ、司令官……すごく美味しそうに食べるのです)

電(幸せそうに食べてる姿……なぜでしょうか。とっても、良いなぁ)

伊19(……)モグモグ

電(っと、そうそう)スッ

司令官「ふぅ……」

電「司令官さん、こちらを」

司令官「お。ありがとう、電」

電(みんなは締めの雑炊だけだけれど、司令官は先にご飯を食べる人だから……)

卯月「司令官は相変わらずお米とお酒を一諸に入れちゃうんだねぇ」

司令官「ま、酒飲みじゃあないからな。これくらいは許してくれ」

卯月「那智さん辺りに怒られそうだぴょん」

電「よいしょ……」ゴソゴソ

多摩「電、食べてるかにゃ?適当によそって置いたにゃ」

電「はわ、ありがとうなのです多摩ちゃん。じゃあ、いただきます」

多摩「どういたしまして、にゃあ」

司令官「……」

司令官(わざわざ米を盛ってくれたり、お酒を用意してくれて。電は本当、気を利かせてくれるよな)

司令官(うーん、せめて電の好きな物を電側に寄せておこう)スッスッ

司令官(しかし……)

電「はふ……ん。ほわ……おいしい」ニコニコ

司令官(笑顔はもちろん何だけど、電が食事してる姿って……改めて見てみるとこう、なんか、良いな)

司令官(飽きないというか、ずっと眺めていたくなると言うか)

伊19(……)モグモグ



伊19(この2人は、本当に……お鍋食べている時までお互いに意識し合って、惚気てるの?)

伊19(とんだバカップルっぷりなのね)ゴクゴクッ

伊19(……次は本当に闇鍋にしようかな?)プハァ

司令官「っはー!食べた食べた!」

熊野「お腹もいっぱいですわ……大満足です」

瑞鳳「締めの雑炊が特に良かったわよね」

雷「ふふん、でしょでしょ?何せ雷様主導で作ったんだから、美味しくないわけがないわ!」

朝潮「雷は多才よね。今度、私達にも色々教えてくれないかしら?」

雷「もちろん、喜んで!」

電「あとは、お片付けですね」

卯月「え~……ちょっとゆっくりしたいぴょーん」ゴロン

響「賛成だね。お腹も重いし……」ゴロン

暁「ちょっと、だからってすぐ横になったら馬になっちゃうのよ!?」アセアセ

伊19(信じ込んでる暁もかーぁいいのねぇ)ヒック

多摩「馬じゃなくて牛にゃあ……」ゴロン

瑞鳳「多摩の場合は猫じゃない?」クスクス

多摩「猫じゃないにゃ」フアァ

司令官「で、なんだかんだほぼ全滅か」カチャカチャ

電「お風呂にも入って、ご飯も食べて……眠くなるのも仕方がないのです」カチャカチャ

朝潮「でも、このままでは風邪を引いてしまうわ」キュッキュ

司令官「皿を洗い終えたら、一度みんな叩き起こして解散、だね」

電「なのです」

司令官「ガチ寝してて厄介そうなのも何人かいるけれど……」チラ

多摩「Zzz」

伊19「ふぇへへへ~……」スピー

卯月「ぴょーん……ぴひょーん……」スヤスヤ

熊野「とおおぉおぉぉぉ……う」グゥグゥ

司令官「……頼むぞ、2人とも」

電「はい、なのです!」

朝潮「お任せください!」

二二三〇 鎮守府 司令官の部屋

司令官「ふぅ……戻ってきたね、我が部屋に」

電「艦隊がお戻りみたいです」クスクス

司令官「しかしまぁ、イクがあんなことになるとはなぁ」

電「イクちゃん、普段に比べていっぱい飲んでいたみたいですから……」



朝潮『イクさん、起きてください。イクさん!』ユサ

伊19『んひゅー……?あさしおぉ?えへ……かーわいいのね……』ムギュウ

朝潮『っ!?い、イクさん!これじゃあ身動きが……イクさん、イクさん!』

伊19『Zzz』



司令官「結局イクは起きず、最終的には朝潮が一晩抱き枕になる宣言をしたんだよな……」

電「朝潮ちゃん、ゆっくり眠れると良いのですが……」

司令官「……明日は非番にしてやるかな」

司令官「さて、歯を磨いて寝る準備整えるかね」

電「なのです。お布団も敷かなくちゃ」

司令官「……」ジ

電「?司令官?」

司令官「いや、ナチュラルに任務報酬の煎餅布団取り出す辺り、ね」クスクス

電「!あ、ぅ……これはその、あの」

司令官「まぁ、電の布団はイクに使われちゃってるわけだし、この部屋には僕の布団の他は煎餅布団しかないけど」

電「そ、そうなのです!」

司令官「代わりにイクの布団で寝るという手もあるけど……」

電「!」

司令官「思い浮かばなかったみたいだな」

司令官「しかも、煎餅布団に枕2つ置いてるし」

電「!!」ボン

司令官「無意識なのが怖いよなぁ」クスクス

電(うぅ……電は大分司令官に毒されているのです……)

司令官(さて、着替えたし歯も磨いたし、後はもう寝るだけかな)

電「うーん……」

司令官「電、どうした?」

電「司令官、1つお伺いしても良いですか?」

司令官「1つでも2つでも」

電「あの……、耳かきは、どこにあるのでしょうか。少しだけ、かゆくて」

司令官「あー、耳かきなら……ほら、この引き出しに移動したんだよ」

電「そこだったのですね。ありがとうなのです」

司令官「……」

電「司令官?」

電(司令官がまた何か企んでいる顔つきなのです……)ドキドキ

司令官「……電」

電「は、はい!」

司令官「耳かき。させてくれ」

電「……ふぇ?」

【耳かき2】

電(ま、まさかこんな事になるなんて……)

電(司令官のお膝、暖かいのです……でも)ドキドキ

電「司令官……ほ、本当にするのですか……?」

司令官「何だ、遠慮ならしなくても良いぞ?しっかり綺麗にしてあげるからね」

電「う、うぅ……」

電(覚悟を決めるしか、ないみたいなのです……)

司令官「よ……っと」ゴソゴソ

電「司令官……それって」

司令官「耳かき用探照灯だよ。……いや、ただのヘッドライトだけどさ。便利だろ?」カチッ

電「は、はい……」

司令官「じゃあ、今から耳かき始めるから。痛かったり何かあればすぐ言うんだぞ」

電「はいっ、なのです」

司令官「……」スッ

電「っ……」ピクッ

司令官「んー、よく見えるよく見える。いいな、これ」

電「う、ぅ……」

司令官「奥の方までしっかり見えるよ。んー……」

電「は、恥ずかしいのです」

司令官「電の穴、まる見えだ。ほぅら、こうして広げてみると、小さな穴が――」

電「し、司令官っ!絶対、わざとやっているのです!」フルフル

司令官「あ、ばれた?」

電「も、もうっ!いい加減にしないと、怒りますよ!?電が本気で怒ったら怖いのです!効果バツグンなのです!」

司令官「えー、どんな風にだい?」

電「ふぇ?え、えーと、えーと……」

電「……めっ!なのです!」

司令官(……確かに別の意味で効果バツグンだわ、これは)

司令官「じゃあ、気を取り直して……」スッ

電(い、いよいよなのです……!)ギュッ

司令官「よ……っと」スルル

電「っふ……」ピク

電(はう、はうぅ……)ギュウゥ

司令官「……電?」

電「は、はわっ!な、なな何ですか?」

司令官「いや……もしかしてなんだけどさ。怖い?」

電「!こ、怖くはないのです。怖くは、ないのですが、そのぅ……」

司令官「?」

電「……あ、あの……。電のことは気にせず、み、耳かきに集中していただけると……嬉しいのです……」

司令官「???……まぁ、やるからには勿論集中するけれどさ。そうしないと危ないし」

電「な、なのです……」

司令官「ほれ、掻くぞー」ピト

電「っ!」ビク

司令官「んー……電は普段ちゃんと自分で耳掻きしてるみたいだな、綺麗だよ」コリコリ

電「ん……、っ……」

司令官「まずは周りの細かいのをしっかり取って……」コリリ

電「ぁ、う……」ゴソッ

司令官(ハンカチ?)

司令官「淵から中の方……」コスコス

電「は、……ぁ」キュ

司令官(徐にハンカチを取り出したかと思えば握りしめて……やっぱり怖いのかな)

司令官「お……奥に大きいのがあるな、どれどれ……」ゴソ

電「っ、しれいか……」

司令官「これは……厄介なやつだな」ゴリゴリ

電「!」ハムッ

電「っ……!ふ……!」ビク

司令官(……ああ。そういうことか。耳が弱いんだなぁ)コリ、コリ

電「ふー……っ、ふ……!」ビクビク

司令官(そんな必死に耐えられたら加虐心が沸いちゃうじゃないか……いや、耳掻きはデリケートだから悪戯は出来ないけれど)

司令官(でもまぁ。普通に耳掻きする分には、仕方ないよね?)ニヤ

司令官「張り付いて乾燥している物は無理矢理剥がすと痛める可能性があるからな。それはよけつつ、回りから削るように……」カリカリ

電「ふ、ゥん……」

司令官「お、でもこれは取れそうだぞ」ゴリッ

電「づ、ッ!?」ビクン

司令官「よしよし、この調子」ゴリ、ゴリ

電「っ……!っ!」フルフル

司令官「よし……っと、一度引き上げて」スゥ

電「ふ、ぅ……はぁ」ホッ

司令官「……ふーっ」

電「ひぁあっ!?」ゾクゥ

司令官「ハンカチは没収」ヒョイ

電「っあ、しれ」

司令官「すかさず再開」スッ、カリカリ

電「はにゃ、あっ!」ビクンッ

司令官「どうしたー電、声が出てるぞー」ゴリッ

電「ひぃ……っ、ぢ……わるぅ!」グスグス

司令官「心外だな、僕の耳かきは善意の塊なのに。ほら、もっと掻き回してやろう」ゴリ、カリッ

電「ぁ、あっ!あ、や……ぁ!」ビクビク

司令官「さぁ梵天の時間だぞ?こんな大きいのがすっぽり入って……」ス、ポッ

電「あ、っん!も、ちょ、しれいか……少し待ぁ……」ジワァ

司令官「ほれほれぇ、こいつがいいんだろう?なぁ」クリクリコショコショ

電「あ、あぁー!あっ、あー!あ~!!」ポロポロ

ふぅ……

電「」ムスッ

司令官「……電?電ちゃーん?」

電「電は、とってもとっても怒っているのです。ぷんぷんなのです」フイッ

司令官「ごめんよ電。調子に乗ってやり過ぎたよ」

電「待ってって言っても待ってくれないし……まともに喋れなくなっても止めないし……脚をピンと張りすぎて吊って痛かったし、それが片方の耳で終わらなかったのです!」!カスンプ

司令官「あはは……電の表情見てたら止まらなくて」

電「それが一番ひどいのです!うぅ、涙が出てる所なんてまじまじと見られたくなかったのに……」

司令官「途中ちょっと涎も出てたよね」

電「……なのですっ!」ギュウ

司令官「わ、わ……(お、おなか周りに抱き着いて顔埋めて……)」

電「……好きな人にこんな顔、見られるのは嫌なのです……」ギュウゥ

司令官「……。……顔上げて、電」ナデナデ

電「……、……」スッ

司令官「ごめんな、こんな司令官で……」頬ナデナデ

電「ん……それはもう、知ってるのです。……司令官だから、見せるのです」

司令官「電……。……よ、いしょ」ヒョイ

電「はわわっ」

電(し、司令官のかいたあぐらの中にすっぽり収まってしまったのです……うぅ、身体が、顔が近くて……)

電(でも……密着していると、温かくて……落ち着く……)スリ

司令官「……」ナデナデ

電「司令官……」スリスリ

電(ああ――この何もない、平和な時間が)

電(2人きりの、この空間が)

電「とっても……心地よくて、幸せなのです。司令官……」

司令官「僕も、幸せだよ。ずっと、ずっとこうしていたい」ギュゥ

電「……司令官」

司令官「……、……」

電「ぁ……、ん――」

【夜戦2】

電(あなたと2人きりでいる時間は、ふわふわして、心地よくて)

電(何もかも忘れてしまえるくらいに、幸せ)

電(でも。でもね――)

電「ん、ん……」

電(矛盾しているかも知れないけれど。こうしていればこうしているほど、満たされなくて)

電「っ……ぁ、は……司令官」

電(胸が、ひどく苦しくなる――)

電「好き……好き、なのです……」

電(幸せなのに、心地良いのに)

電「大好き……司令官、大好き……っ」キュッ

電(愛しくて、愛しくて、)

電「電の胸は……焦がれてしまうのですっ」

司令官「……そんな泣きそうな、切な気な顔見せられたらさ。もう、堪らないじゃないか」

電「司令官……」

司令官「僕の胸も、焦がれてるよ。すごくすごく……。電の胸も……」ピトッ

電「んっ……」ピク

司令官「服の上からでも、しっかり鼓動が聞こえる」

電「っ……恥ずかしい……」フイ

司令官「……、電、脱がすよ」スッ

電「あ……」

電(……)

電「司令官、少し……待ってください」

司令官「ん……?」

電「その、あの……どうせなら……」

電「さっき、お風呂で言っていたこと……」プチ、プチ

司令官(う、電のパジャマがはだけて……胸までは見えないけれど、縦に肌色のラインが――)

電「い、電の甲板で良ければ……どうぞっ、顔を埋めてください……っ」カアァ

司令官「」

司令官「い、良いのか……?そんなこと言うと、本当にするぞ?」

電「は、はいぃ……い、いっそ一思いに、なのです!」

司令官「……、じゃ、じゃあ……」スッ

電「っ……」

司令官「むぐっ……」

電「ふぁ……っ」

電(ううぅ、司令官の顔が、私のお胸に……お、思った以上に恥ずかしいし、息が少しくすぐったい……)

電(で、でもっ)スゥハァ

電「ぎゅ、ぎゅーっ!」ギュウ

司令官「んっ!?」

電「し、司令官はぎゅってされたいって言っていたから……電の本気を見るのですっ」ギュウゥ

電(司令官の頭を胸元で抱えて……し、司令官はこれで満足なのでしょうか……?)

電(……そういえば、思えば電が司令官の胸に顔を埋めたことはあっても、逆は初めてなのです)

電(……)

電「司令官……」ナデナデ

司令官「ん~……」

電(あ、あれ?何か、これ……)

電(ちょっと……良いかも……)ナデナデ

電(電が顔を埋めて頭を撫でてもらうときも……司令官はこんな感じなのでしょうか)

司令官「……」

電「どう、ですか……?司令官」

司令官「」スンスン

電「ひゃんっ!す、すんすん、ダメなのです!」

司令官「んっ、電だって良く僕の匂い嗅いでるくせにな」クスクス

電「それは、うぅ、その……」

司令官「電は甘い匂いがするよ。女の子の匂い」

電「そ、そうやってまた司令官は電を困らせるような事を言うのです!」

司令官「いや。困ってるのは僕の方だし困らせてるのは電だよ?」

電「ふぇ……?ど、どういう――っ!」ボン

司令官「さーぁ、待ちに待った夜戦の時間だ」ギシッ

電「はわ、はわわわ、はわわわわ……っ」





\サァ、ワタシトヤセンシヨッ/

【鎮守府の朝2】

チュン、チュンチュン

電「んぅ……、あさ……?」ムク

電(身体がだるい……ぼんやりする)ボー

電「ぅ……」

電(腰が痛い……。司令官は……)

司令官「……」スヤァ

電「……今日は、少しお寝坊さんしちゃおっかな……」モゾモゾ

電(このまま、もう一度眠れてしまいそう。二度寝する前のお布団、凄く気持ちいいのです)ノビー

電(何より……愛しい人のそばで微睡むことが出来るって……本当に、幸せ)ギュ

電「ふふっ……」ニヘ

司令官「いなづま……?」

電「あ、司令官……おはよう、なのです」

司令官「ん。おはよう」ノビー

司令官「あはは……身体、だるいや」

電「電もなのです。だから、今日はもう少しこのままでいたいな、って」

司令官「賛成だ。このまま布団の中でいちゃいちゃするのも悪くない……」

電「いちゃいちゃ……。え、えっちなのはダメですよ?」

司令官「……ダメなのか?」

電「う……。司令官が望む、なら……その」モジ

司令官「……冗談だよ。今はただこうしていたい」ギュ

電「ぁ……。えへ、しれーかん……」スリスリ

司令官「よしよし」ナデナデ

電「んー……」スンスン

司令官「ほら……やっぱり電もすんすんしてるじゃないか」クス

電「電は、寝ぼけているから仕方ないのです」ギュー

司令官「そうか、寝ぼけてるなら仕方ないな」クスクス

電「ほぁ……。司令官」

司令官「うん?」ナデ

電「だいすき……」

司令官「……僕もだよ。いつだって君に、胸を恋い焦がしているから」

司令官「大好きだよ。電」スッ

電「ん――」

電(ああ……電も、いつもあなたが愛しくて、愛しくて)

電(この胸は、焦がれてしまうのです)

電(願わくば、これから先もずっと。電の胸を、焦がし続けてください)

電(そして……。貴方の胸を、焦がし続けられますように)ギュ

電(この、平和な時を。いつまでも、あなたと共に――)スゥ




愛しくて愛しくて、焦がれてしまうのです




【おまけ】
ムカついたけど壁を殴る筋肉が無い、壁を殴りたいけど殴る壁が無い、そんなときに!
出撃で鍛えた艦娘たちが一生懸命あなたの代わりに壁を殴ってくれます!
モチロン壁を用意する必要もありません!艦娘があなたの鎮守府の近くの鎮守府の壁を無差別に殴りまくります!1時間2400家具コイン~  24時間営業 年中無休!


       /フフ         ム`ヽ
      / ノ)  ∧_∧    ) ヽ
     ゙/ |  ( ●ワ● )ノ⌒(ゝ._,ノ

     / ノ⌒7⌒ヽーく  \ /
     丶_ ノ 。   ノ、  。|/
        `ヽ `ー-'_人`ーノ   壁殴り代行では同時にスタッフも募集しています
         丶  ̄ _人'彡ノ    筋肉に自信のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
         ノ  r'十ヽ/     壁を殴るだけの簡単なお仕事です!

       /`ヽ _/ 十∨

【続・おまけ】

司令官「いなづま……ぁ」グゥグゥ

電「しれー……かん」スヤスヤ

伊19「……はぁ」

伊19「総員起こしも朝礼もなかったからまさかとは思っていたけれど……せめて寝坊するのは執務のない日にして欲しいのね」

伊19「布団を引っぺがしてもいいけれど……」

伊19(それはそれで、肌色が見えそうで怖いのね)

伊19「まったく、トコトン世話が焼ける二人なの……」パタン

比叡「あ、イク。司令は居ましたか?」

伊19「んーん。どうやらお出かけ中みたいなのね」

比叡「そっかぁ。今日秘書官なのになぁ、どうしよう」

伊19「あ、でもでも書置きが残してあって。昼には帰るみたいだから、比叡には昼食を用意してもらいたいそうなの」ニパ

伊19「提督、朝食べずに出たみたいだからたーっくさん。作ってあげてほしいのね」

比叡「なんだ、それならお安いご用ですよ!よーっし、適当にデイリー任務をこなしつつ。気合!入れて!昼食作りね!」パシン

伊19「きっとひとりじゃ大変だと思うから、磯風辺りも助っ人に呼んでおくのね」クスクス

比叡「おぉーっ、それは捗るわ!なーにを作ろっかなぁ」

伊19「……比叡と磯風には悪いけど」ボソ

伊19(アレだけ甘いものを見せられたんだから。焦げ焦げの苦みを味わうといいのね)

伊19(……これくらいのささやかなやつあたりは。許してほしいの……提督)

伊19「……さー。イクもフォロー用に、胃薬入りチョコでも作ろーっと。なのね♪」





艦!

終わり。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
いつか電との夜戦描写のみの濃厚なSSも書いてみたいと思いつつ……。

依頼出してきます。じゃあの

乙!
過去作一覧とかも載せてくださるとありがたいです!

>>88
ありがとうございます、僭越ながら過去作をば……。
一覧というかひとつひとつ載せてしまいましたが、ご容赦ください。

暁「とある司令官と電のケッコン」
暁「とある司令官と電のケッコン」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430911602/)

響「とある司令官と電の改二」
響「とある司令官と電の改二」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432983242/)

雷「とある司令官と電の勲章」
雷「とある司令官と電の勲章」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449628330/)

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