先生「のび君、切るの英語を言いなさい」のび太「え、ええと、KILL」 (133)

クラスメイト「プーwwwwwクスクスwwwwwwwww」

先生「……ハァ」

のび太「??????」

のび太(何だ!?何か僕が間違っているの?)

先生「のび君、KILLは殺すの英語だよ。切るの英語はCUT。そんなんだからテストが百点を取らせないんだぞ?」

クラスメイト「wwwwwwwwwwww」

のび太(どうしよう、何とかこの場を取り繕わなければ……)

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スネ夫「やいのび太wwwwお前切るでKILLするのが好きなのかい?wwww」

ジャイアン「ばぁーかばぁーかwwwwwwこの割れ厨wwwwwww課金ぐらいしやがれwwww」

しずか「のび太さん……基本的な英語は覚えましょうよ」

出来杉「これは僕も擁護できないわ┐(´~`)┌」

安雄「のび太!おまry」

ハルオ「やっぱのびたはry」

ガリベン(いつか出来杉を殺す)

高夫「カッスwwwwwwwwww」

小路「授業が停滞しているな。今のうちにさらに先の予習をせねば」



のび太(なんという惨劇……ッ!!クラス全員が僕を笑いモノにしている)

のび太(何か……取り繕わないと……)

のび太「そう……たかが英語ごとき、僕が間違えるとでも思っていたのか?」

クラスメイト「嘘つけ!現に今間違えたじゃないか!」

のび太「はあ?切るの英語はCUTでしょ?余裕に分かってたし」

クラスメイト「うわぁ~~~wwwwww後から余裕マンだわこれwwwwwww」

ジャイアン「見苦しいぞのび太wwwwww」

スネ夫「さっさと何も知りませんでしたって言えば楽になるのによwwwwwww」


のび太「……」

のび太「君達はバカだね……」

クラスメイト「!!!!!!???????」

ジャイアン「何おう!?のび太の分際でこの俺を見下すきか!?」

スネ夫「ジャイアン!やっちまいなよ!」


のび太「じゃあ質問しよう」

ジャイアン「何だよ」

スネ夫「のび太のクセに」

クラスメイト「もったいぶるんじゃねえよ!」


のび太「先程、先生が切るの英語を聞いたよね?」

クラス「ああ」

のび太「それに僕はKILLと答えた」

クラス「だからなんだよ……」

のび太「僕にとって、先生の質問はどうやって切るか?という意味だと思えたんだ」

のび太「つまり、僕は切るでKILLするのさ、スネ夫の言ったように」

ジャイアン「……」

スネ夫「……」

しずか「……」

出来杉「……」


・・・

クラス全員「ブーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

のび太「!!!!!!!!????????」

のび太「ふふふ、嘘だと思って余裕なのは今のうちだよwwwwww」

のび太「これはタケコプターだ」

のび太「これをクラスメイト君に使います」

クラスメイト「は……?」

ブイィイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
グチャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

クラスメイト「目がぁああああああああああああああ!目がぁあああああああああああああああああああ!」

クラスメイト「目が見えないよ……誰か助け……」

のび太「そこですかさず、頭にイスを叩き込む」

バガァアアアアアアアアン!ドガァアアアアアアアアアアアン!

グチャ!

クラスメイト「……」

クラス全員「……」

クラス全員「…」

クラス全員「きゃああああああああああああ!逃げろぉおおおおおおおおお!」

のび太「逃がさないよ……」

こんなこといいな できたらいいな
あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど

ジャイアン「カあちゃぁ~~~~~~~ん!!!!!!!」

みんなみんなみんな かなえてくれる
ふしぎなポッケで かなえてくれる
そらをじゆうに とびたいな
「ハイ!タケコプター」

スネ夫「ママぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

アンアンアン とってもだいすき ドラえもん

しゅくだいとうばん しけんにおつかい
あんなこと こんなこと たいへんだけど
みんなみんなみんな たすけてくれる
べんりなどうぐで たすけてくれる

しずか「きゃあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ嗚呼!!!!!!!!」

おもちゃの へいたいだ
「ソレ!とつげき」
アンアンアン とってもだいすき ドラえもん

あんなとこいいな いけたらいいな
このくに あのしま たくさんあるけど

出来杉「笑ってごめんよ……。許してくれ……」

みんなみんなみんな いかせてくれる

のび太「ほざけ」

みらいのきかいで かなえてくれる
せかいりょこうに いきたいな
「ウフフフ!どこでもドアー」

出来杉「あぁああ嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

アンアンアン とってもだいすき ドラえもん

ドラえもん「クラスメイト三十数名を歌を歌いながら殺していった」

ドラえもん「末恐ろしい殺人兵器がうまれたもんだな」

ドラえもん「とりあえず僕が行ってとめてこよう」

ドラえもん「恐怖心のない者は困るな……」

ドラえもん「あー、のび太君?」

のび太「やあ……、ドラえもんじゃないか」

ドラえもん「全部見ていたよ」

のび太「そうかい?僕はここの悪魔どもをぶちのめしてやったよ。聖戦は、神でもなく悪魔でもなく、この僕、真の人間が勝ち取ったってわけさ」

ドラえもん「そうやってクラスメイトを卑下するのはいけないよ?君にとっちゃいじめをする悪魔に見えたんだろうけどね、でも、人間なんだ」

のび太「よく言うよ、グラウンドで石ころ帽子を被って傍観してたくせにね」

ドラえもん「!!!!!!!?????????」

ドラえもん「気付いていたのか?」

のび太「もうとっくに」

ドラえもん「うふふふふ……」

ドラえもん「まさか、人間殺しが使役者を出し抜くとは」

のび太「殺意が膨れ上がったね。それで、どうする?そのまま意味の分からないことをほざくか、僕を殺すか」

ドラえもん「機械の殺意すら見抜く。うふふふふ、これはもう、君は人間じゃあない」

ドラえもん「覚悟はいいね?」

のび太「どこからでも来いよ」

のび太:損傷箇所
両腕粉砕骨折
肋骨六本骨折
頭蓋骨に亀裂
右足切断
左足複雑骨折

ドラえもん
表面装甲に小さいヒビ


のび太「化物め……ゴハッ!」ブシャア

ドラえもん「馬力129.3の僕を相手に粘るとは、人間としてはすごいよ」

ドラえもん「それに、特殊コーティングされた僕の装甲にヒビを入れるなんてね」

ドラえもん「それほどの傷を負ってたら、普通はもう死んでるよ?そうじゃなくても意識は不明のはず」

のび太「いらないよ……しょうさ……んなんて」

のび太「どうせ……こ、殺す……んだろ?」

ドラえもん「いや、それはしない」

のび太「な……んだと……?」

ドラえもん「いろいろ事情があるのさ」

ドラえもん「さてと、僕にはこんな世界を正す力がある」

ドラえもん「といっても、こうなる前に戻すだけだけどね」

ドラえもん「振り出しに戻る~」

のび太「それで、終わりか?君には野望が見えたぞ……?」

ドラえもん「まあ、それらは次の時間で明らかにするよ」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


のび太「はっ!!??」

のび太「今のは夢だったのか?」

ドラえもん「どうしたの?のび太君」

のび太「……ドラえもん?」

ドラえもん「僕の顔に何かついてる?」

のび太「……いや、なんでもないよ……」

のびまま「のびちゃーん、どらちゃーん!ご飯よー!」

ドラえもん「あ、はーい!」

のび太「……」

ドラえもん「のび太君何してるの?早く行こうよ」

のび太(今のは夢だよね?だったら気にすることもないか……)

ドラえもん「それじゃあのび太君の分も僕が食べるからね?」

のび太「あ、待ってよドラえも~ん!」

アナウンサー「続きまして、次のニュースをお伝えします」

「教育専門家が打ち出した教師絶対論が世間を驚かせています。というのもこの教育論は今まで前例のない教育論であり
子供の人権迫害にもつながりかねず…」

のびぱぱ「物騒だなぁ……」

のびまま「絶対反対されますよこんなの」

のびぱぱ「む、そうだな」

のび太「チャンネル変えるねー」

のびぱぱ「おう」

のび太「アクション仮面が始まるんだー!」

ドラえもん「バカ!萌えPを見るんだよ!」

ボコボコ!

のびまま「もう!ご飯中に行儀悪い!」

のびまま「そんなならご飯抜きにしますからね?」

どらのび「はぁーい」

のび太「……」

のび太「ドラえもん、萌えP見ていいよ」

ドラえもん「いいの?ありがとう」

ドラえもん「少し顔が悪いよ?どうしたの?」

のびまま「ほんとう、大丈夫?」

のびぱぱ「気分でも悪いのか?」

のび太「いや、そんなんじゃないんだ。ちょっと寝すぎちゃったかな?あはははは!」

のびぱぱ「それならいいんだが」

のびまま「はやくご飯を食べちゃいなさい」

ドラえもん「……?」

・・・・・・・・・

のび太「ふぃーすっきりした!後は寝るだけだ」

のび太(そういえば……。……勉強でもしようかな……)


ドラえもん「のび太君が勉強なんて珍しいね!」

のび太「なんか気分が向いてねー」

ドラえもん「それはいいことだ!僕も襖から監視するよ!」

のび太「うわ、気が散るからやめてよ!その温かい目も気持ち悪い!早く寝てよ」

ドラえもん「ごめんごめんww」

・・・・・・・・・

先生「のび太、切るの英語を言いなさい」

のび太「ええと、KIL……じゃないか、CUTです」

先生「うむ、素晴らしい」

のび太(勉強しておいて良かったな)

クラス全員「へぇー!のびたが正解するなんて珍しいな!」

昼休み

のび太「グー、グー」

ジャイアン「のび太の野郎、また寝てやがるwwwwwww」

スネ夫「まるでナマケモノみたいだねwwwwwww」

ジャイアン「おう!それいえてるなwwwwww」


スネ夫「ジャイアン何する気なの?」

ジャイアン「ちょいとイタズラでしてやるんだよ」

スネ夫「いいねそれwwwww」

しずか「ちょっとやめなさいよ、のび太さんがかわいそうよ」

ジャイアン「いいじゃねえか、寝てるのび太が悪いんだから」

スネ夫「そうだよ、しずかちゃんは気にする必要ないってw」

ジャイアン「そぉおおおおおおれっと!」


のび太「うわぁああああ!」


スネ夫「いいねいいね!相変わらず期待を裏切らないリアクションwww」

ジャイアン「やっぱのび太だなwwwwwww」

しずか「もう!」

職員室

校長「今日、教師絶対論という法案が通った。明日から本格的に施行されるらしい」

教師一同「ええ!?」

校長「ああ、無理も無いだろう。あの専門家がごり押したんだ。誰も反対なんて出来まい」

教師1「そうなったら、我々は?」

校長「いや、我々は実行者でもあり被害者でもあるだろう。特に問題は無い」

教師2「PTAが黙ってないんじゃ……」

校長「国家権力に逆らえるほどの権力はPTAにはない」

教師1「ですが、やはり道徳的に――」

「――いいじゃありませんか」

校長「先生君!」

先生「私達は教育者です。これは子供の学力を向上させるいい機会じゃありませんか?」

教師一同「……っ」

校長「おお!分かってくれるか!私は国家に波風たてるようなことはしたくないんだ」

校長「他の皆さんも、分かってくれるね?」

教師一同「………………………………はい」

先生「昨今の子供の学力低下は目に余る」

先生「私たちならば、きっといい教育方針を作れましょう」

校長「うむうむ。さすがだ、スペシャリスト」

先生「いえいえ」

校長「そうであれば、今日はもう午後の授業は無しです」

校長「皆さん!子供たちにそう伝えておいてください!」

教師一同「……はい」

教室

先生「午後の授業はなくなりました。寄り道などせず、まっすぐ帰るように」

クラス全員「うぉおおおおおおおおおおおwwwwwwwwwwwww」

ジャイアン「やったぜ!」

スネ夫「いぇーーーーい!ちょっとジャイアン、首絞めないでよ!」

ジャイアン「すまんすまんwwww」


出来杉「先生、どうしてですか?何かあったんですか?」

先生「え?あ、うむ。ええと、そうそう!出張だよ!突然、用件ができてね」

出来杉「本当ですね?」

先生(出来杉君……。彼は非常に鋭いな)

先生「ああ、本当だとも。さあ、HRも済んだし挨拶をして帰ろう」



日直「きりぃーつ!礼!」

クラス全員「さようなら!」

ジャイアン「ようし、帰ってどうする?」

スネ夫「隣町との試合もあるし、ジャイアンズの野球練習はどう?」

ジャイアン「おう!そうするか!時間もあるし、いい練習ができそうだ!」


のび太「しずかちゃん!今日はうちに来ない?新しい綾取りの技を思いついたんだ」

しずか「いいわよ。クッキーも作って持っていくわね」

のび太「やったぁーーー……」

ジャイアン「お前何バカな事言ってんだ?お前も来るんだよ」

のび太「いや、やめとくよ」

ジャイアン「なあああんだとぉおおおおお!?」

スネ夫「メンバーが足りないから言ってるんだぞ!ありがたく思え!」

しずか「そう、それじゃあ遊べないわね」

のび太「えええ!?しずかちゃん!?」

ジャイアン「そんじゃあ決まりだなw」

のび太「うう……」

翌日

のび太「全身が痛いな」

しずか「あれからどれくらい練習したの?」

のび太「もう六時までずっと。五時間休憩無しでキャッチボールにノックだよ」

しずか「それは大変ね……」

のび太「あれには参ったよ」



ジャイアン「おうのび太!お前全然進歩しないな!昨日の練習は五時間もやって上手くもならねーし!」

スネ夫「のび太は才能がないんだよ、無能!」

のび太「ひぇえええええ」

出来杉「待ってよ、それはないんじゃないかな?」

ジャイアン「出来杉」

スネ夫「出来杉君」

出来杉「誰でも努力すれば出来ないことなんてないんだよ?それに、休憩も無く練習なんて能率も下がるし」

ジャイアン「くぅうううううう!出来杉に言われたらそう思うしかないじゃないか!」

スネ夫「のび太!出来杉にありがたく思えよ!」


のび太「あ、学校が見えてきた」

ジャイアン「!?」

スネ夫「!?」

出来杉「……フ」

しずか「学校の様子が……」

ジャイアン「何だあの大きな門と、警備員みたいなのは」

スネ夫「知ってるよあれ。SATの格好と同じだ。でも何で警察が?」

しずか「まるで検問みたいね」

のび太「?」


警備員「学生証を」

のび太「はい名札」

警備員「確認」

警備員「学生証を」

しずか「はい」

警備員「確認」

警備員「学生証を」

ジャイアン「おうよ!」

警備員「確認」

警備員「学生証を」

スネ夫「ああ、おフランス製の高級名札だけど」

警備員「確認」

スネ夫「あれ、ノーリアクション?」

警備員「後がつかえている。さっさと行け」ギロッ

スネ夫「ひゃいいいいいいい!すいません!」スタタッ

警備員「学生証を」

出来杉「どうぞ」

警備員「……確認」

出来杉「……」

出来杉(今、一瞬思考をめぐらせたな。僕に関係がありそうだ)

ジャイアン「しっかしすげえな!初めてSATなんて見たよ」

スネ夫「格好が同じなだけで本当にSATかどうかなんて分からないってば」

しずか「でも、少し怖かったわ」

のび太「うんうん、なんだったんだろうねあれ」

のび太「出来杉君はどう思う」

出来杉「……」

しずか「出来杉さん、どうしたの?」

出来杉「いや、なんでもないよ」

先生「ああ、君達!」

のび太一行「あ、先生」

先生「校門では驚かせてしまったな。校長先生から伝えたいことがあるそうだ。すぐに朝礼の場所へ行きなさい」



のび太「やっぱりあの人達のことかな?」

しずか「多分……」

スネ夫「最近殺人とか多いからね。物騒だから警察が引っ張り出てきたのかな?」

ジャイアン「そんな奴がいても俺がぶっとばすのによぉ!」

出来杉「いや、それはおかしい」

ジャイアン「何か言ったか?」

出来杉「ううん、なんでもないよ」

運動場

のび太「着いた着いた!もう結構着てるね」

ジャイアン「俺等、ビリっけつか?」

スネ夫「さあ」


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


校長(大方来たようだな。遅刻した生徒には後で説明すればいいか)

校長「えー、マイクテスト、マイクテスト」


ザワザワ

体育教師「静まれぇええええ!」

ピタッ

しずか「そろそろね」

のび太「うん」

校長「えー、それでは朝礼を始めます」

ダダダダダダダダダダダッ!

のび太(さっきの警察みたいなのが運動場を囲むように出てきたっ!)

校長「今日は大変驚かせてしまいましたね」

校長「安心してください。彼らは君達に危害を加えるわけではありません」

校長「君達が“何も”しなければね」

のび太「?」

校長「ニュースでもちょこっとだけ挙がったことがある教育論があります」

校長「『教師絶対論』という名前ですが、聞いたことありますか?」

出来杉(きたか!)

生徒「うう」ふるふる

校長「そうですか。いやあ、ニュースってあまり関心のある人がいませんのでね。大人も見ない人が多いんですよ」

校長「小学生の君達に言って分かるかな?うーん、噛み砕いて説明したいところだけど」ぶつぶつ

校長「ええー、皆さんはテストでいい点取りたいですか?」

ジャイアン「ったりめーよ!」

スネ夫「点数悪いとママにしかられるからなー」

生徒達「たしかに」

校長「そうですかそうですか。皆さん、上昇欲があっていいですね」



校長「教師絶対論でどうなるのかを、この学校で調べさせてもらいます」

校長「内容は、教師への服従」

校長「要するに、教師が学校の支配者になるので、どんな事でも絶対に従えって事ですよ」

校長「教師は教育が得意ですから、教師の命令に従えば絶対に勉強が上手になります」

ジャイアン「はああ!?何だそりゃ!」

校長「従わなければ、そこの特別警備員さん達がお仕置きをするのでそこら辺はよく考えて置いてください」

しずか「ええ……?」


出来杉(やはりこれか)

校長「ちょーっと小学生には難しかったですかね?まあ、このまま学校生活を送っていればいずれ分かりますよ」

校長「それでは、生徒の皆さん!学業を疎かにせぬよう!」




ジャイアン「ありえねー」

スネ夫「うん、ありえない」

のび太「今の話は何?」

ジャイアン「ちゃんと話を聞いとけよ!これだからのび太はノロマって言われるんだよ」

のび太「ええええ!?」

ジャイアン「スネ夫!説明してやれ」

スネ夫「うん」

スネ夫「まあ、教師の言われたとおりにしないと痛い目にあわせますよってね」

のび太「……うん?それで?……?………………」

のび太「えええええええええええええええええええええええええ!?」

ジャイアン「リアクション遅いわ」

出来杉(教師が全員、すでに状況に慣れていて、俺様支配者になる事はありえない)

出来杉(しかし、空気に慣れていけばおのずと……。それまでに手を打つ必要があるな)


のび太「でもそれなら、先生の言うことさえ従ってればいいわけでしょ?」

しずか「ちょっと話が違ってくるわね」

スネ夫「そうそう。例えば、のび太だけ廊下に立てって命令されたら絶対に従わなくちゃいけないんだぞ?」

のび太「それ勉強と関係ないじゃん」

出来杉「うん、関係ないよ。教師の命令権は多分、何でもありってことになってるんだと思う」

ジャイアン「くそう。ありえねーぜ」

出来杉「とりあえず、授業に遅れるから急ごう。遅れたら何されるか」

のび太「うん、分かった」

しずか「そうね」

スネ夫「ああ~、気分悪いな」

ジャイアン「……くっそう」

授業

先生「えー、この問題分かる人」

出来杉「はい」

先生「出来杉君」

出来杉「答えはAです」

先生「うむ、正解だ」

先生「……ん!?」

のび太「グー、グー」

ジャイアン(あのバカ)

先生「こら!のびぃーー!」

のび太「はっ、はい!」

先生「居眠りをするなといったら何度分かる?次からは気をつけなさい」

のび太「すいませんっ!」

しずか「……ほっ」

スネ夫「焦った……」

音楽

音楽教師「いいですよー、はい!半音下げてー」

のび太(あ、しまった……)

音楽教師「こら!そこ!間違えてる!やり直しいくわよ!」

先生「待ってください、音楽教師さん」

音楽教師「はい?」

先生「次からは失敗した生徒は罰を下すようにさせてください」

音楽教師「ええ?」

先生「いいですね?」ジロッ

先生「……そうしないとどうなるか分かりますよね?首飛ぶどころの話じゃあないですよ?国家プロジェクトに実施者がやる気なしなんて話にならない。国家のためにも頑張ってください」ボソボソ

音楽教師「はっ、はいっ!」

クラス全員「???」

先生「さてと、のび君。君は二度の失敗をした。そこで、警備員から罰を与える」

クラス全員「!!!!!!」

のび太「!?」

ジャイアン「お、おい」

スネ夫「大丈夫かよ」

しずか「のび太さん・・・」

のび太「いやあ、いくらなんでも、そんなに酷い事は……」


警備員「電極の準備、完了いたしました」

先生「うむ、いいぞ」


のび太(何アレ)

スネ夫(電気!?これはまずいぞ……っ!?)

先生「取り押さえなさい」

警備員四名「はっ」

のび太「うわっ、なにするんだ!」

先生「では、個室に連れて行こう」

先生「音楽教師さんも着いてきてください」

音楽教師「ええ!?」

先生「あなたの授業で問題がおきたので当然ですよ」

のび太「誰かぁああああああ!」



クラス全員「……」

ジャイアン「やばいな」

それから

先生「すまないね、少し待たせてしまった」

音楽教師「……」

のび太「」

ジャイアン「のび太!」

スネ夫「意識が無いよ!」

しずか「のび太さんは一体どうなったの!?」

先生「言っただろう?罰を与えると。死んではない、気を失ってるだけだ」

音楽教師「……」

出来杉(……あの音楽教師、少し様子がおかしいな。惨劇でも目の当たりにしたような、一線でも超えたんだろうか?)

先生「では、授業を続けてください」

音楽教師「……はい」

先生「私は少し他の教室も見回ってきます」

学校が終わり

ジャイアン「何だったんだよあれ」

スネ夫「全くありえないよね」

しずか「これからずっとあんなことを続けるのかしら」

のび太「後頭部が……イテテ」

ジャイアン「のび太、本当に大丈夫か?」

のび太「うん、何とか」

出来杉(事は始まった、か。僕の成すべきをやるときがきたな)

のび太「ただいまー」


のび太「ドラえも~~~ん!ねえ聞いてよ!」

ドラえもん「どうしたんだい!のび太君」

のび太「それがね、かくかくしかじかで」

ドラえもん「そうか……。それは大変だね」

ドラえもん「でもね、その実験は必ずあったんだ」

のび太「?」

ドラえもん「僕は未来から来てるから分かる。その実験は過去に必ず起きていたことで変えようが無い事実なんだ」

ドラえもん「未来の君だってこの実験には遭遇している」

のび太「そんな!なんとかできないの?」

ドラえもん「駄目だよ、そんなことはできない。もし、僕の力で実験を止めてしまったら、僕は時空犯罪者になってタイムパトロールに捕まる」

のび太「じゃあどうすればいいんだよ!」

ドラえもん「どうにもできない。諦めるんだ」

のび太「そんな」

ドラえもん「僕も酷いとは思うけどね、でも、人間の歴史ってのはそうやって間違いを繰り返しながら進んでいくものなんだ」

ドラえもん「あと一ヶ月もしたら、他から圧力がかかって実験は中止となる。それまでの辛抱さ」

のび太「うん……」

先生「いいですか?皆さん。私達は国家プロジェクトに関わっているのです」

教師達「……」

先生「それなのに、消極的では意味が無いんです。……政府から、生徒を見逃した教師にも罰を与えると言うお達しが来ました」

先生「私達もそうならないように頑張りましょう」

先生「罰と言っても、内容は自由なんです。ただ」

先生「ふざけた(優しい)罰は罰とはいえないので、そこは了承してください」

翌日

しずか「のび太さん、傷の方は大丈夫?」

のび太「うん、大丈夫だよ」

ジャイアン「ったく!許せないぜ!」

スネ夫「ホントだよ!こんなことがまかり通るなんておかしい!」



ジャイアン「あの腐った学校が見えてきやがったぜ」

教師「ろ、廊下は走るんじゃない!罰を与える!」

生徒「そ、そんな。なんとかなりませんか?」

教師「駄目だ!」


教師(くっ、これでいいのか?本当に罰を下さなければならないのか?)チラリ

先生「上々だ」ニヤリ



先生「やはり人間は自分の身が可愛い」

先生「しかし、だからこそ守られる秩序というものがある」

先生「秩序は、生命の危機によって初めて求め、生れ落ちるものなのだろう」

先生「そして秩序は、人を成長させていく。この上ない素晴らしい実験が始まったじゃないか」

先生「規律を守らせ、目上の人を敬い、不平も不満も漏らさなくなってゆく。そんな生徒を量産していくようなシステムが完成するのだろうな」

しずか「ねえ、何だか今日の教師達、あたりが強くなってないかしら」

スネ夫「本当だ、言われてみれば確かに」

ジャイアン「なにかあったにちがいない!」

スネ夫「あの子、連れて行かれるよ!」


教師「来なさい!」

生徒「放してください!」

教師(せめて、ヤツの目の届かないところへ連れて行けば)


ジャイアン「追うぞ!」

スネ夫「ああ!」

しずか「ええ!」

のび太「……うん!」

教師(とりあえず、罰を受けた、ってことにしとくか……)

警備員「それで、どうしますか?」

教師「うぉお!」

警備員「……」

教師(いたのか、気付かなかった)

教師「とりあえず、今日はこの子には私の仕事の手伝いをしてもらうから、それが罰ってとこで」

警備員「具体的には?」

教師「資料運びから、日誌の整理など、いろいろです」

警備員「それでは対価に相当しない。もっと重い罪にする必要があります」

教師「そんなこと言われたって」

生徒「わ、私は一体どうなるんですか?」

教師「……」

警備員「それじゃあ、電極でも用意……」

教師「待ってください!」

警備員「……はあ」

教師(しかしどうすれば?電撃に相当しながらそれでも楽な罰なんてあるのか?考えろ……)

警備員「一分以内に決めてください。それまで私は電極の用意をするので」

バチバチッ!バチバチッ!

生徒「ひっ!」




ジャイアン「なんてことだ!」

スネ夫「なんだかすごく危険そうな雰囲気だ!」

のび太「死ぬなんてことはないけど痛かったからなぁ」

しずか「どうするの?」

ジャイアン「決まってんだろ!すぐにこんなことやめさせ……」

小路「待つんだ」

のび太一行「っ!」

ジャイアン「こ、小路。いるなら言えよ!」

小路「いや特に言う必要はないだろ、とまあおいといて」

小路「今は大人に手を出さない方が良い」

スネ夫「なんでだい?」

小路「となりのクラスのとある女の子がやられた時に、その子の彼氏が教師を殴ってね」

しずか「それで、どうなったの?」

小路「行方不明」

のび太一行「行方不明!?」

小路「うん、そう。どうなってるかは、おおよそ予想はきちゃうけどね」

小路「どう?それでも手を出すつもり?」

ジャイアン「それでも困ったやつはほっとけ……」

スネ夫「待ってよジャイアン!そんなことしたらジャイアンは……」


教師「外がうるさいな……」

のび太一行「あ……」

教師「……」


のび太一行「~~~~~~~!!!!!!」


教師(逃げていったな。でも、これでいい。これ以上、大勢に無意味な罰を追わせるよりこっちのほうが)



警備員「それでは、電流を流します」

生徒「んん~~~~!!!!」

ゼエハアゼエハア

のび太「焦ったー」

スネ夫「心臓にやばいよ」

しずか「怖かったわ」

ジャイアン「……」

スネ夫「ジャイアンどうしたの?」

ジャイアン「許せねえ」

スネ夫「あの生徒と教師のこと?」

ジャイアン「違う、俺の事が!許せねえんだよ!」

ジャイアン「助けたいって思いながら、その実、危機に直面したら保身に走っちまった俺がな!」

スネ夫「でもそれは……」

ジャイアン「仕方ないってか?違うんだ。俺は決めた意志は曲げないって決めたのに」

のび太「……」

しずか「……」

スネ夫「……」

しずか「そ、そろそろ授業が始まっちゃうわ!急がないと」チラッ

のび太「う、うん、そうだね!」チラッ

スネ夫「遅れたらたいへんだー」チラッ

ジャイアン「ああ、そうだな」



ジャイアン(そもそもおかしい)

ジャイアン(何で俺はずっと受け手になってるんだ?)

ジャイアン(嫌な事に耐えるなんて俺の性には合わねえ)

ジャイアン(嫌な事はぶっとばしてぶっ潰して、ぎったぎたにするのが一番だ)

ジャイアン(政府が敵?知るかよ。敵が大きかろうがどれほどの力を持ってようが関係ねえ)

ジャイアン(ジャイアントな俺に勝てるやつなんて、この世に存在しねえんだからな)

ドラえもん「うふふふふ」

ドラえもん「役者がいなければ舞台は始まらない」

ドラえもん「舞台が無ければ役者は動かない」

ドラえもん「そして、ようやく、一人の役者が動き出したわけだ」

ドラえもん「これで未来は変わる、のかな?」

ドラえもん「それとも、変える、とでも言えばいいのかな」

ドラえもん「どちらにせよ、何かが変わってきた事は確かか」

数日後

安雄「ジャイアン、聞いたぞ!」

ハルオ「ジャイアン!」

ジャイアン「何だよお前ら」

安雄「学校に謀反を起こすらしいな」

ジャイアン「ど、どこでそれを?」

ハルオ「何言ってるんだ、手紙が届いたんだよ!ジャイアンから!」

ジャイアン「はあ?俺から手紙が?そんな覚えねえぞ?」

安雄「でも、否定はしてないな?つまり本当ってことだ」

ジャイアン「面倒くせえな、それでなんだよ?チクるのか?」

安雄「俺らがそんなことをすると思うのか?違うだろ!」

ハルオ「そうだ!僕らは、ジャイアント一緒に、腐りきった学校を潰したい!」

ジャイアン「お前ら……」

ジャイアン「駄目だ!そんな危険な目には、お前らを遭わせられない!」

安雄「お前らって、俺とハルオの事を言ってるのか?」

ハルオ「もっといるんだよ!ジャイアンに協力したいって人たちが!」

三郎「ジャイアン、俺、お前の事ただ嫌なヤツだと思ってたよ。でも違うんだな」

山口「そんな大変なことをしようとしているジャイアンを、指を咥えてみてるだけなんて、僕にはできない」

ハヤオ「どうかな?僕らも、君の手伝いができないかな?」

ジャイアン「……どうしたんだよ、そんなに大勢」

ハルオ「もっと大勢、連れて来たかったんだけど目立つからな」

安雄「ジャイアン!頼む!どうか、僕らも!」



ジャイアン「……」

ジャイアン「悪い、お前らを危険に晒す事なんて、やっぱり出来ねえ」

安雄「そうか……。でも手伝えることがあるなら言ってくれよな?」

ハルオ「……」

ジャイアン「ああ」

ハヤオ「じゃあせめて、いつ大々的な行動をするか、教えてくれないかな?邪魔にならないようにするから」

ジャイアン「○月△日だ。それまでには……」

ハヤオ「なるほど。腐った実験が始まってから丁度一ヶ月後……」

安雄「キリのいい数字、ってんのかな」

ハヤオ「……頑張ってくれよ、ジャイアン」

ジャイアン「……。おう!任せとけ!ぜってえ、ぶっ潰してやるからな!」



のび太「……グ!」

ドラえもん「どうしたんだい!のび太君!」

のび太「いや、なんでもないよ……」

ドラえもん「で、でも、そんなに汗が」

のび太「本当に、大丈夫だから」



のび太(何だこのムカツクような衝動は……!)

のび太(これはきっと……殺意……っ!)

のび太(あの前に見た、凄惨な夢で抱いた気分と同じもの……)


ドラえもん「の、のび太君!」

のび太(く……、少しずつ、治まってきた……)

のび太「もう大丈夫だよドラえもん」

ドラえもん「本当に大丈夫?」

のび太「うん、もちろんだよ」

ドラえもん「……念のためお医者さんカバンでも」

のび太「必要ないってばw」

ドラえもん「うーん。……そうか、でもマジでつらかったら言ってね?」

のび太「ありがとう、ドラえもん」

出来杉「ゲームってつまらないものだよね」

出来杉「やってたら三十分もしないうちに敵であるコンピュータの行動AI、思考パターンが全て読めてしまう」

出来杉「マジシャンが手の平を見せながらマジックを行うように、そんな風でつまらない」

出来杉「それなら、常に合理的な行動しか下せないコンピュータよりも、どんな行動をしでかすか分からない人間の方がずっと素晴らしい」

出来杉「僕はそう思うんだ」

小路「それは、天才の凡人に対する嫌味かい?w」

出来杉「ごめんごめんwそんなつもりはなかったんだ」

小路「出来杉の言ってる事は理解できたよ。多少ニュアンスに納得はいかないけど」

出来杉「ちょっと話を戻すけど、つまり、事が起きたら僕も目的に応じてそれに便乗したいと思う」

小路「出来杉の思う正しい世界にするためか?」

出来杉「そんなおお反れたものじゃないけどさ」

警備員「御所望の暴動鎮圧用の銃を大量に入荷しておきました」

先生「ああ、ご苦労様」

校長「しかし、これだけの武器を何故?」

先生「私の読みでは、これから暴動が起きる可能性が高くなるんです」

校長「ほう?」

先生「流石に、いくら小学生でも束になられたら怖いでしょう?」

校長「確かに」

先生「だから、念には念を入れて用意をさせたんですよ」

警備員2「横から失礼します」

警備員2「これらの武器はどこに置きましょうか?」

先生「そうだな、旧校舎と新校舎に半分ずつ」

警備員2「了解しました」

>>1「ちょっとここらでおやすみ」

実験開始から30日後

のび太「あれが始まって明日で一ヶ月だね」

しずか「そうね」

スネ夫「いや~、よく耐えたられたよ。でもこれからも続くのか~」

ジャイアン「……」



のび太(ドラえもんが言っていた。明日で実験は終わるって。どこかから圧力が加わって、それで終了らしい)


ジャイアン(明日、全力で暴れてやる。そうして終わらせてやる)

のび太「あ、あれ安雄とハルオじゃない?」

ジャイアン「!?」

しずか「本当だわ」

スネ夫「どうしたんだろうね」

しずか「学校の周りを探るように歩き回ってる」

のび太「声でもかける?」

ジャイアン「いや、別にいいだろ」

のび太「そうかい?」

昼休み

のび太「うわぁあああああああ!昼寝したかったのにー!」

のび太(プリントって結構重いんだよ。それなのに、よりによってゴミ置き場まで持ってけなんて!)

のび太「あれは安雄とハルオ。また何か探してるみたいだ」



安雄「……」

ハルオ「……」


のび太「なんか声かけ辛いな」

のび太「それにしても、何で旧校舎のほうを見てるんだろう」

のび太「さてと、プリントも置いたし、これでいいかな」

のび太「よし!あとは教室で昼寝するだけだ」


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


のび太「ん?あれは、ジャイアンとしずかちゃんとスネ夫だ」

のび太「おぉーい!皆……」



体育教師「そこの君。えー、源君だったかな?」

しずか「はい、何ですか?」

体育教師「君、少しスカートが短すぎやしないか?」

しずか「え、そうですか?」

体育教師「ああ、それは短すぎる。だから罰を与える。ちょっと来い」

ジャイアン「おいお前!待てよ!今まで口ださなかったくせに今頃なに言ってんだよ!?」

体育教師「はあ、教師に対する口のきき方がなってないな」

ジャイアン「お前みてえなのに敬意なんて払う必要があるかよ!」

スネ夫「あわわわわ。そんなに反抗してたら……」

ジャイアン「うるせえ!」

スネ夫「はいぃい!」

体育教師「君にも罰を与えたいところだが、あいにく一人で手一杯になるはずだ」

体育教師「仕方が無いから教室に強制送還で手を打ってやる。おい」

警備員1・2「はっ」

ジャイアン「何だてめえ!おい放せよ」

ジャイアン「おらぁああああああ!」

警備員1「ぐはぁっ!」ドサッ

警備員2「うっ!」バタリ

体育教師「大の大人を、二人もぶん投げた!?」

ジャイアン「次はお前の番だぜ」

体育教師「くっ。いいのか?そんなことをしたら、君もただではすまんぞ?」

ジャイアン「望むところだ。覚悟がねえヤツが、端から戦いなんてしようとするか!?ああ!?」

しずか「やめて!!!!」

ジャイアン・スネ夫「!?」

しずか「分かりました。それに従います」

体育教師「ふ」ニヤッ

ジャイアン「何でだよ!?」

スネ夫「そうだよ!」

しずか「私のために、剛さんとスネ夫さんがつらい目に遭うのは見たくないもの。だから、もういいの」

スネ夫「……」

ジャイアン「……」

体育教師「もういいか?警備員、やってやれ」

警備員3「はっ」

ビスッ、パシュッ

ジャイアン「」パタッ

スネ夫「」パタッ

しずか「!?」

体育教師「もういいだろ、運べ」

警備員3・4・5・6「了解」

しずか「剛さん達に何したの!?」

体育教師「死ではいないよ。それより早くこい」



のび太「ああ、ジャイアン達、銃みたいなので撃たれたぞ!?一体……」

教室

のび太「ジャイアン!スネ夫!大丈夫か!?」

のび太「意識はある。死んではいないか」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


のび太「久々に一人で帰るなぁ」

ハヤオ「やあ、のび太君」

のび太「ああ、ハヤオ君」

ハヤオ「今日は大変だったね」

のび太「うん、っていうか、もう一ヶ月前位からずっと大事続きだけど」

ハヤオ「た、確かにね。もしもこの実験が終わるなら、嬉しい?」

のび太「それはもちろんだよ」

のび太(もう明日で終わるんだけど)

ハヤオ「ちょっと頼みがあるんだけど、いいかな?お願いっていうべきかもだけど」

のび太「なに?」

ハヤオ「明日の昼休み前に、学校を中退してほしい」

のび太「え!?何で!?」

ハヤオ「いや、詳しい理由は聞かないで欲しい。でもお願いだ!変かもしれないけど、そうしてほしいんだ!」

のび太「……うん、まあ、分かった」

ハヤオ「ああ、ありがとう」

のび太(何で、明日?明日実験が終わる事と関係あるのか?)

のび太「ただいまー」



ドラえもん「のび太君お帰り」

のび太「ドラえもん、とうとう明日で終わるんだよね?」

ドラえもん「学校の実験を言ってるならモチロンだよ」

のび太「ありがとうドラえもん!」


のび太(よし、もう終わりなんだ)

のび太(ドラえもんにももう一回確認を取ったし)

のび太(でも、それなら、学校の大きな門の撤去とかしてる頃合なんじゃないかと思うんだけど……)

校門

保護者「ちょっとなんなんですか!?これは」

保護者2「学校が変だって言うからきてみれば」

警備員「……」

保護者3「ちょっと何とか言ったらどうなんだ?」

警備員「……」

先生「どうしたんですか?」

保護者「先生、どういうことなんですか!?」

先生「何がですか?」

保護者3「決まっているでしょう!教師絶対論なんてよくわからないものを」

先生「その点ならご心配なさらず」

保護者2「え?」

先生「近いうちに、皆さんの不満も解消されるでしょうから」

保護者3「あ!逃げるなよ!」

先生「それでは、ふっふっふ」

校長「いやー、あんなに大勢来るとは」

先生「ありゃ、そろそろPTAの大集団が来るでしょうなぁ」

校長「国家権力には勝てないでしょうから、そこは心配ないとして」

校長「追い払うのに手間取るかも」

先生「適当にあしらってればすぐ諦めるでしょう」

校長「そうですかね」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


のび太「あれ?ジャイアンは?」

スネ夫「ジャイアンは先に行くってさ」

スネ夫「それよりもしずかちゃんは?」

のび太「いや、呼んだんだけど体調不良らしくて」

スネ夫「そうなのか」

のび太「いつも登校してるより少し人数が足りない」

スネ夫「そろそろ、皆おかしいと思い出して仮病でも使い出したのかな」

のび太「うーん」

教室

スネ夫「あ、ジャイアン見っけ」

のび太「うわ!ジャイアンが予習してる!」

ジャイアン「うるっせえ!」

スネ夫「何ノートに書いてるの?」

ジャイアン「見せらんねえよ」

のび太「えー、ケチ」

ジャイアン「見せられねえもんは見せられねえ」

スネ夫「しゃあないなー」

昼休み

ジャイアン(ん……あれか!?)



専門家「ほほう、ここが例の学校か」

警備員「こちらへ」

専門家「ああ、案内よろしく頼むよ」



ジャイアン(よし、行動を起こすか!)

専門家「それで、今はどこに向かってるのかね?」

警備員「校長室です」

専門家「まあまずは挨拶からだしね」



専門家「……?」

ジャイアン「……」

専門家「何だね?君は」

ジャイアン「俺は……」

警備員2「止まれ!」

警備員3「静止しろ!」

ジャイアン「!!??」

警備員「一歩も動くなよ」

ジャイアン(囲まれた!?こいつら、人数は5人、しかも銃を持ってやがる)

専門家「……ククク。ハーッハッハッハ!ハァアアアアアッハッハッハ!こりゃあ笑いが止まらんよ!wwww」

ジャイアン「何だよ!何が可笑しい!?」

専門家「校長から連絡があってね、学校を漁りまくる輩がいると」

専門家「私の命令でそいつを泳がせるように言っといたんだが、こんな子供とはね」

専門家「当たり前か。あんな門から進入できる人間なんてそうそういまいしな」

ジャイアン「くっ。俺は泳がされていたわけか」

専門家「まあそう嘆くな。君が危険因子だとは分かった」

専門家「後は、君を永久教育に掛けるだけだ」

ジャイアン「永久教育だと?」

専門家「今説明してやる必要も無いだろ。後で身をもって知るだろうからな」

警備員1「それでは、発砲許可を」

専門家「ああ、撃ってやれ」

ジャイアン「くそっ!」

バァアアアアアアアン!

教室

バアアアアアアアン!

クラスメイト「うわぁあ!なんだ!?」

クラスメイト2「これがハヤオ達が言ってた帰れってことか!?」

クラスメイト3「逃げろぉおおおおおお!」

のび太(これは銃声!!)

のび太(下の階から聞こえたぞ)



生徒「早く早く!」

生徒2「ちょっと進めないよ!」

のび太(駄目だ、大勢の動きで前に進めない!)

のび太(早く進みたいのに!)

生徒「外だぁあ!早く出させろぉおお!」

のび太「ん!?あれは!?」





警備員「多数の生徒が脱走しようとしている、か」

警備員「発砲せよ」

ダダダダダダダダダ

「きゃあああああああああああああああ!」




のび太「外では警備員が生徒を撃ちまくっている。やばい」

のび太「ととと、とりあえず、今は前に進んでみよう」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

ジャイアン「……」

ジャイアン「お、お前ら」

安雄「……」

ハルオ「……」

安雄「なに、ジャイアンばかりに任せちゃおけないんだよ」

ハルオ「僕らが、仲間を見捨てるほど薄情だとでも思ったのか?」

警備員1・2・3・4・5「」

専門家「まさかこちらの読みの裏をかくなんて」



ハヤオ「みんな、旧校舎は制圧した!はやくそっちへ!」

専門家「しまった!」

安雄「ジャイアンもはやく!一旦態勢を整えるんだ」

ハルオ「おっさん、おっさんもついて来い」

専門家「やられちまった……」

のび太「あ、あれはジャイアンたち!」

のび太「たいへんだよ!みんな!」


ジャイアン「ありゃあのび太じゃねえか!」

のび太「校門が警備員によって封鎖されたんだよ!生徒がたくさん撃たれてた!」

ジャイアン「何だと!?」

ハヤオ「もう逃げ出す事は出来ない、ってことだね」

安雄「せめて関係のない人達は逃がそうと思っていたんだが」

ハルオ「それよりも早く旧校舎へ行かないと!」

ジャイアン「ちくしょう!」

安雄「警備員がまだこっちに気付いてないうちに!」

ジャイアン「おう!」

のび太「……」

のび太(駄目だ、少し頭痛がする)



生徒1「ん?あれは……ジャイアン達だ!鍵を開けよう!」

生徒2「OK!周りに警備員は?」

生徒1「大丈夫だ、問題ない」


ジャイアン「開けてくれ!」

ガチャリ

生徒2「OK!早く入ってくれ!」

旧校舎

安雄「ふう」

ハルオ「危なかったぜ」

ハヤオ「冷や汗かいたよ」

のび太(頭痛がだんだん激しく)

ジャイアン「……」


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

旧校舎会議室

安雄「旧校舎に集まったのはジャイアンに賛同した者や偶然助けられた者」

ハヤオ「ええと、約100人くらいだね」


三郎「とりあえず、資料室においてあった武器の一部を持ってきた」

のび太「こんなに!?」

ハルオ「校舎を調べていたらちょうど見つけたのさ」

ジャイアン「とりあえずこれで身は守れるってわけか」

のび太「ええと、僕も持っていっていいの?」

安雄「ああ。っていうか、お前の取り柄は射撃くらいだからな。こういう時に役にたてってもんだw」

のび太「ひどいな~君は」


ハヤオ「それで、まずはさっき捕まえた専門家からこの実験を止めさせるように頼む」

ジャイアン「断られたらどうすんだよ?……まさか」

安雄「非人道的やり口で止めさせる他ないな。例えば、拷問とか、人質とかな」

のび太「え!?それって」

安雄「これ以外に方法がないんだよな。俺等にはそういう力もないし」

のび太「……」

ジャイアン「それじゃあ俺は専門家を捕まえてるって伝えにいくわ」

ハヤオ「僕もついていくよ」







安雄「俺等は頼みじゃなく、命令をしてるんだ。分かる?」

ハルオ「このまま黙っててどうなると思うんだよ」

専門家「ぜ、絶対にいえないぞ!」

安雄「……チッ」

ハルオ「ここまで強情張られたら、やる事はこれしかないよね」

カチャッ……

専門家「な、なんだね?そ、その、その鋏は?」

安雄「聞くまでもなく分かってるでしょ、お偉いさん」

ハルオ「それじゃ、三つ数えるよ」

ハルオ「サン」

専門家「お、おい」

ハルオ「ニイ」

専門家「よさないか!」

ハルオ「イチ……」

専門家「待て、待てぇええええええ!言うよ、言うから許してくれ!」

ハルオ「へえ」

安雄「それで?」

専門家「この実験の中心は、……私じゃあないんだ」

安雄・ハルオ「!?」

安雄「つまり、何だ?」

専門家「私には、実験を中止する権力も、警備員の撤退をさえる力なんてものも、……ない」

のび太「え!?じゃあ、今までやってた事にあなたは何の関与もないとでも!?」

安雄「そんな冗談が今さら通用すると思ってるのか?」

専門家「……本当の事を言っているだけだ」

専門家「だから、価値のない私を殺そうと痛めつけようと、政府には何の痛手もない」


専門家「今まで、私はただある人物の命令に従って動いていた」

安雄「それじゃあ、そのある人物が誰なのかについて聞こうか?」

専門家「私はその人の命令どおりに、表舞台で動いていただけ。本当の実行犯はあいつだ」

ハルオ「だから、その人ってのが誰なのか言ってくれよ」

専門家「あいつは、全てを偽造し、自分だけ安全な場所にいて、私に命令をしていた」

安雄「焦らすな、言え……」


ジャイアン「おいーっす!こっちは取り敢えず上手くいったぜ!」

のび太「……ジ、ジャイアン、か」

ハヤオ「警備員は学校から出ないようにするらしい」

安雄「……そうか」

ハルオ「……」

ジャイアン「どうしたんだ?喜ばないのか?」



安雄「まあな、少しこいつの話を聞け」

ハルオ「さあ、言うんだ」

専門家「実験の実行者は……」

のび太(い……意識が……)フラッ

バタンッ!!

ハルオ「大丈夫か、のび太」

のび太「……」

ジャイアン「ちょっと待ておい。こいつ、なんだか……」

のび太「……」カチャリ

ジャイアン「じゅ……銃」

ジャイアン「ハルオ!下がれ……」

ハルオ「えっ!?」

バァアン!

ジャイアン・安雄・ハヤオ「……」

武装生徒全員「……」

安雄「の、のび太ァア!よくもぉおおお!」

のび太「……」ニヤリ

ダダダダダダダダダダダダダダダダンッ!

専門家(な、仲間割れか?それなら、今が逃げるチャンスか!!)

三郎「おい、待て……」

ダンッ!



武装生徒半数「」

ハヤオ「ど、どうしてだい!?のび太君ッ!!」

のび太「君達の事情は察しているさ。でもね、それが僕の行動の妨げとなることはないんだよ」

安雄「のび太、お前っ!」

のび太「……ふっ」カチャリ――

ガシッ!

のび太「あ、少し油断し……」

ジャイアン「じゃあな、のび太!!」ブンッ!

安雄「三階から落としたか!どうだ、死んだか!?」

>>1「おやすみー」

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