アスカ「私は一人で生きていけるの!」(25)

アスカ「てことで朝よ!」

シンジ「おはよ。アスカ」

アスカ「ぐーでんもるげん! シンジ、お風呂は?」

シンジ「用意出来てるよ」

アスカ「お風呂あがったわ! シンジ、朝ご飯!」

シンジ「はい、どうぞ」

コト

アスカ「はむはむ」

シンジ「どう?」

アスカ「まあまあね!」

シンジ「そろそろ出ないと遅刻しちゃうよ」

アスカ「シンジ、ハンカチが無いわ。ハンカチどこ!?」

シンジ「はいこれ。昨日アイロンかけといたよ」

アスカ「よし、準備万端! ミサト、行ってくるから!」

ミサト「行ってらー」

アスカ「ヒカリおはよ!」

ヒカリ「おはよう、アスカ。プリント書いてきた?」

アスカ「プリント……??」

シンジ「昨日ケンスケが持ってきてくれたじゃないか。僕らがネルフ行ってる間に渡されたっていうアンケート」

アスカ「2バカのすることなんて知らないわっ」

シンジ「言うと思った。予備で渡されたやつ持ってきてるから、今書いちゃいなよ。はいこれ」ピラッ

アスカ「なにこれ。給食導入希望の有無!?」

アスカ「ふーん。シンジがお弁当作ってくるからいらないもーん」カキカキ

アスカ「というわけでお昼だから、お弁当よこしなさい!」

シンジ「どうぞ」

コト

アスカ「はむはむ」

シンジ「美味しい?」

アスカ「おいし……まあまあね!」

ケンスケ「お疲れさん」

トウジ「ほなさいなら」

シンジ「うん、またね」

アスカ「シンジ! 帰るわよ!」

シンジ「今日ネルフ行かなくていいから、スーパー寄ってくるよ。アスカ、先に帰ってて」

アスカ「……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「昨日、ホラー映画見た……」

シンジ「家にはペンペンもいるって」

アスカ「は? そんなの関係ないわよ。私はただ、映画見たって言ってみただけ」

シンジ「えっと。一緒に買物行く?」

アスカ「じゃあつき合ってあげるわ!」

シンジ「野菜、ちょっと高いな……」カラカラ

アスカ「大変シンジ! あそこ、ちょー可愛い子がいるわ!」

シンジ「え。どこ?」

アスカ「ほらあそこ。なにあれ、天使!?」

シンジ「鏡じゃないか」

アスカ「ちょーかわいー……ハァ」

シンジ「置いてくよー」カラカラ

アスカ「シンジシンジ!」

シンジ「今度は何?」

アスカ「カレーコーナーよ! 種類いっぱいよ!」

シンジ「ああ、レトルトの。最近のは味もいいし、ご当地カレーとかで種類多くて面白いよね。どれか買ってく?」

アスカ「じゃじゃーん! 『オホーツク流氷カレー』!!」

シンジ「なんだこれ。青い……!?」

アスカ「セカンドインパクト以前の景色をイメージしたんですって。エヴァを駆るエースパイロットたる私に、ピッタリだわ!」

シンジ「青い……ちょっと綾波みたいだ」

アスカ「赤いの探そーっと」ゴソゴソ

シンジ「ただいまー」

アスカ「ただいま!」

ペンペン「クエ」

アスカ「シンジが作った夕ご飯食べたし、シンジが沸かしたお風呂も入ったし! あとは遊ぶだけね!」

シンジ「僕、これから宿題しなきゃ」

アスカ「遅いっ。私はとっくに終わってるわよ! 今日は国語無かったから!」

シンジ「アスカが宿題してた時も、僕は家事してたんだよ……」

アスカ「そっか。じゃあ、宿題しないで遊ぶわけね?」

シンジ「違うしなにが『じゃあ』か分からないけど、しないと叱られるの僕だよね?」

アスカ「つまり私は叱られないわ!」

シンジ「僕が怒るよ。とにかく、勉強してくるから」テクテク

アスカ「あ、待ちなさいよシンジー」トコトコ

シンジ「……」カキカキ

アスカ「プククッ」

シンジ「……」カキカキ

アスカ「プークスクス」

シンジ「……」カキカキ

アスカ「あははははははっぷくくくく、ふひひー!」

シンジ「うう、覗くたびに笑わないでよ! どこが間違ってるの!?」

アスカ「え。別に間違えてないわよ。合ってるけど、笑えばシンジの気が散ると思って」

シンジ「散らしてどーするんだよっ、やめてよ」

アスカ「もう笑わないから、横で見てていい?」

シンジ「いいけど……ホントに邪魔しないでね」

アスカ「任せて! 大人しくしてるわ!」

シンジ「うん。じゃ、どうぞ」

アスカ「……」チョコン

シンジ「……」カキカキ

アスカ「……」ジーッ

シンジ「……」カキカキ

アスカ「……」ジーッ

アスカ「……」ジーッ

シンジ(これはこれでやりづらい……)

シンジ「よし、宿題おしまい」

アスカ「おしまったからゲームするわよ!」

シンジ「いいけど。どれやるの?」

アスカ「これ! コンピュータ相手に腕は磨いたけど、やっぱり対戦ゲーは対戦しなくっちゃ!」

シンジ「こないだ買ってたやつか。僕、ほとんどやったことないや。相手になるかな……」

アスカ「なんか問題?」

シンジ「問題っていうか、対戦相手が弱すぎてもつまんなくない?アスカ」

アスカ「私はシンジぼこぼこにするだけでも楽しいけど」

シンジ「そ、そっか。まあ、うん……ならいいんだ」

アスカ「するわよ!」

ピコピコ

シンジ「やっぱり、まるっきり勝てない……」

アスカ「シンジよわーい。ヨワシンジー」

シンジ「だからそう言ったじゃないか!」

アスカ「私、強い! ゆーあーなんばーわーん!」

シンジ「……楽しそうだね」

アスカ「…ニャム…」ウツラウツラ

シンジ「そろそろ寝たら?」

アスカ「むぅ……眠い……このままじゃシンジに負けちゃう……」

シンジ「だから、もう寝なよ。また明日対戦すればいいじゃないか」

アスカ「ぅん……ふぁ、おやすみぃ。シンジは?」

シンジ「まだ平気だから、せっかくだからちょっと練習しとくよ。いくらなんでも、圧勝だけじゃアスカも飽きちゃうだろ?」

アスカ「そーかな……そーかも……ニャム……」フラフラ

シンジ「おやすみ」

ピコピコ

シンジ「……」

ピコピコ

シンジ「……」

ガチャ…

アスカ「シンジ……」

シンジ「あれ? まだ寝てなかったの?」

アスカ「なんか、急に思い出しちゃった」

シンジ「なにを?」

アスカ「昨日、ホラー映画見た……」

シンジ「……一人で寝るの、怖いとか?」

アスカ「ちっ違うわよ変な誤解しないで! 私はただ、昨日見たってことと、さっきその内容思い出したっていう事実を告げただけなんだから!」

シンジ「えっと。じゃあ、僕が寂しいから、たまには居間に布団ならべて一緒に寝ようよアスカ。ほら、ユニゾンの時みたいに」

アスカ「私にキスしようとした時みたいに?」

シンジ「それはもう忘れてよっホントに!」

アスカ「シンジすけべー」

アスカ「んしょっと。シンジ、お布団準備万端よ!」

シンジ「じゃあ電気消すね。おやすみ」

アスカ「やすみー」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……アスカってさ」

アスカ「なによ」

シンジ「一人で生きていけるって言ってたけど、大丈夫なの?いろいろと」

アスカ「どーゆー意味?」

シンジ「いや、その。やたら手がかかるっていうか……」

アスカ「いいのよ、あんたの手がかかる分には。私とセットなんだから」

シンジ「そ、そうなの?」

アスカ「そうよ。私がそう決めたの」

シンジ「……そっか」

アスカ「シンジと一緒なら、一人で生きていけるわ」

シンジ「それってさ、一人って言わないような」

アスカ「うっさい。ファ……もう凄く眠いから、本気で寝ましょ」

シンジ「ファ……うん」

アスカ「おやすみなさいシンジ。また明日」

シンジ「明日もよろしくね、アスカ」



終わり

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