【ミリマス】美也と藍子のお散歩日和【モバマス】 (92)

ミリマスの宮尾美也とモバマスの高森藍子の話です

お互いの呼び方は雰囲気
どちらもアイドルになりたて設定
二人がどんな会話をするか予想もついてません

ご了承ください


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457016230

「出会い編」

紫陽花の季節。

雨と雲の合間を縫って顔を出した太陽に誘われて高森藍子は歩き出した。

ついさっきまで降っていた雨は上がり、道行く人が傘をたたみ太陽を見上げている。

カメラにお弁当、今日はお散歩日和!

濡れた葉の色、湿った土の匂い、それがより鮮やかに感じられる公園。

ふと切った写真にしゃがみ込んだ少女が写りこんでいる。

「ふむふむ、なんと~。今日は雨は降らないんですね~」

ウェーブした長い髪、特徴的な眉、手にはカエル。

宮尾美也はカエルを逃がしてシャッターの音がする方に顔を向けた。

「あ、ごめんなさい、撮った写真は消しますね」

咄嗟に頭を下げる藍子に対して美也は笑顔のままピースを作る。

「……?」

「いつでもどうぞ~」

「えっ?あ、はい、チーズ」

わけもわからずシャッターを切る藍子。

「おお~きれいに撮れてますね~」

「あ、ありがとうございます…?」

そこに一人の男性が駆け寄ってくる。

「美也、こんなところにいたのか。っと知り合いか?」

「先ほどお会いしたばかりですよ~?」

「相変わらずマイペースだな……あ、自分は765プロのミリPです。この子、宮尾美也のプロデューサーをやっています」

「はじめまして、宮尾美也です~」

「はじめまして、私は高森藍子です。えっと、美也さんはアイドルなんですか?」

「はい~、藍子ちゃんもアイドルですか?」

「は、はい。346プロで……でもなんで…?」

「プロデューサーって聞いてアイドルが真っ先に出てきたこと、アイドルが目の前にいて驚かないこと、あとは凄く可愛い…っとと美也?」

「む~、プロデューサーさん行きますよ~」

「わかったわかった、急に引っ張るなって。高森さん、これから一緒に仕事することもあるだろうしその時は仲良くしてやってください」

「こちらこそよろしくお願いします!

そう言って二人は歩いて行きました。

ゆっくりお話してみたいし、今度は写真を持って会いに行こうかな。

宮尾美也さん、ほんわかしてるけどドキッとするところを突いてくる人。

それが私の美也さんに対する第一印象でした。

「出会い編」終わり

二人で買い物したり料理したりと、のんびりとした雰囲気で書いていけたらと思います。

追加で注意点
基本的に短い話がほとんどです。
藍子に対する勉強が浅いので時間かかります。

信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


「再会編」

side藍子

「良かった、きれいに撮れてる」

この前撮った写真を現像しました。美也さんにも見せてあげないと、って……

「私、美也さんの連絡先知らない……」

やってしまいました。また晴れた日に公園に行ったら会えるかな?

朝起きると一番にカーテンを開けて天気を確認します。今日の天気は……

「晴れてる!」

髪も服も良し。カメラも持って行ってきます!

side美也

藍子ちゃんの撮った写真はどうなったのでしょう。

「連絡先を聞いておくべきでしたね~」

困りました……う~ん、そうだ次晴れた日に、あの公園にいってみましょう。

きっと会える気がします。

「おお~、晴れてますね~」

絶好のお散歩日和です。

サンドイッチを持って、公園でランチタイムにしましょう。

タマゴにハムにレタス、いっぱいつめて行ってきます。

晴れた日の公園。

梅雨の時期とは思えぬほど晴れた日、たくさんの人が思い思いに過ごしている。

「うーん、やっぱりあそこかな……」

藍子は以前美也と出会った場所へ足を向けた。

すると遠くにウェーブの髪、藍子は足取り軽く駆け寄っていく。

「美也さん!」

「こんにちは、藍子ちゃん。ここに来れば会えると思ってましたよ~」

「ふふっ、私もです。あ、写真出来ましたよ。あっちのベンチで見ませんか?」

「そうしましょ~」

ベンチに腰掛け二人でアルバムを眺める。その周辺だけ時間の流れが違う、そんな風にも思える光景である。

山、川、草木に花。どれもが撮りたいもの、きれいだと思ったものを素直に切り取った藍子らしい写真だ。

「これはあそこの紫陽花ですか~?」

「そうですよ、紫陽花は生えてる場所によって色が変わるらしいです。」

「なんと~、そうなのですか、藍子ちゃんは物知りですね~」

「事務所の仲間に教えてもらったんです!とっても詳しいんですよ。あ、これが美也さんの写真ですね」

「おお~、よく撮れてますね」

「この写真、プレゼントします!あんまり上手ではないですけど……」

「いえいえ、そんなことないです~。宝物にしちゃいますよ~」

二人が談笑を始めて数時間……

「美也さん!もうこんな時間です!」

「お腹がすいたと思ったらこんな時間でしたか~」

時間はすでに2時を越えている。

「藍子ちゃん、これを食べましょ~」

大きなバスケットを開けると色とりどりのサンドイッチが並んでいる。

「良いんですか?」

「はい~、二人で食べようと思ってたんですよ~」

「うわぁ、美味しそうです。じゃあタマゴから……」

「いっぱいありますから、たくさん食べて下さいね~」

「美味しい!そうだ、今度作り方教えてくれませんか?」

「いいですよ~、藍子ちゃんとのお料理は楽しそうですね~」

話を交えながら食事、楽しい時間は早いもので気付いたころには日が傾き始めていた。

「それじゃあ今度は一緒にお料理ですね~」

「私も楽しみです。でもなんか忘れて……っていけない!」

「どうしたんですか、藍子ちゃん?」

「連絡先を交換しましょう!」

「そうでした、すっかり忘れてました~」

最後までゆるふわな二人は無事連絡先を交換してそれぞれの家路についたのだった。

「再会編」終わり

相変わらず短いです。次回はそのうち。
多分サンドイッチとか作るかなと。

「二人でお料理」

季節は梅雨を抜けてすっかり初夏。

美也と藍子が公園で再会してから少したった頃、ようやく二人のオフがあったのだ。

「美也さーん!」

「こんにちは、藍子ちゃん」

軽く挨拶を交わして二人は歩き出す。

今日は美也の家でお料理会。その食材を買いに店へ向かう。

「今日は何をつくりますか?」

「そうですね……何か冷たいものが良いですね~」

「はい、オリーブオイルです~。使いますよね?」

「ありがとうございます!あとはパスタを……」

「なんだか藍子ちゃん、主婦みたいみたいですね~」

「もう美也さんからかわないで下さいっ!うふふっ」

終始和やかに買い物は続く。

「パスタの材料はこれで大丈夫そうですね。でもこれだけだとちょっと少ないかも……」

「うふふ~、大丈夫ですよ~」

「そうですか?」

「はい~、それでは出発です~」

支払いを済ませ、二人は店を後にした。

「うーん、冷麺……は可愛くないし……あっ」

「お~?パスタですか~」

「はい!冷製パスタなんてどうでしょう?」

「決まりですね~」

「私が決めちゃって良いんですか?」

「はい~、二人だったら何でも美味しいですよ~」

そうして二人は買い物を始めた。

「やっぱり定番はトマトですね」

「トマトはヘタがしっかり緑色がいいんですよ~」

「勉強になります!あ、美也さん、家にめんつゆはありますか?」

「ありますよ、素麺の季節ですから~」

「はーい。じゃあ大葉も買って……黒胡椒、ニンニク……」>>37ひとつ飛ばしてる……

>>37は無視してください。


「はい、オリーブオイルです~。使いますよね?」

「ありがとうございます!あとはパスタを……」

「なんだか藍子ちゃん、主婦みたいみたいですね~」

「もう美也さんからかわないで下さいっ!うふふっ」

終始和やかに買い物は続く。

「パスタの材料はこれで大丈夫そうですね。でもこれだけだとちょっと少ないかも……」

「うふふ~、大丈夫ですよ~」

「そうですか?」

「はい~、それでは出発です~」

支払いを済ませ、二人は店を後にした。

グダグダ……ちょいと休憩します。

※注意
二人とも女子寮住みです。

灼熱少女とかでも書いてみたいけど動かせる気がしない……

書き次第少しずつ投下していきます。

「到着です~」

「女子寮……私が入ってもいいんでしょうか……?」

「はい、女の子で寮生が一緒なら大丈夫なんですよ~」

門をくぐり中へ入っていく。

読書をする娘や台本を読み込む娘、何故か物を積み上げている娘もいる。

「なんだか色々な人がいるんですね」

「みんなシアターの仲間ですよ~」

「あの人、大人っぽくて綺麗だなぁ」

「なんと、あの人は藍子ちゃんと同い年なんですよ~」

「えぇっ!?」

そんな会話をしながらあっという間に美也の部屋へ到着した。

可愛らしいリボンで装飾されたボードに宮尾美也、と書かれている。

「さあどうぞ~」

「あ、お邪魔します」

「材料はそっちへ、手を洗ってお料理スタートですよ~。えいえいお~」

「おー、と言ってもすぐにできちゃう気が……」

「うふふ~。そんなこともあろうかと~。藍子ちゃん、冷蔵庫をあけて下さい」

藍子を促す美也。藍子はおもむろに冷蔵庫を開けた。

「タッパーがいっぱい……?たまご、チーズ、ハムやサラミも……下には野菜……あっ!サンドイッチ!」

「正解ですよ~。私が藍子ちゃんに、藍子ちゃんが私に作るんです~」

「楽しそう!じゃあパスタ作りながら具材考えます。それにしてもこんなに……いつも置いてるんですか?」

「いいえ~、今日は藍子ちゃんが来るから張り切っちゃいました~」

「ありがとう美也さん。私、絶対に美味しいの作ります!」

「楽しみですね~。あ、お湯沸かしますよ~。ボウルは後ろの棚です、藍子ちゃん」

「これですね。美也さんは濃い味、薄い味どっちがいいですか?」

「藍子ちゃんにお任せします~」

「じゃあ少し薄めにしますね。オリーブオイルとめんつゆ……美也さん、トマト切って……速い!」

「包丁使いは得意ですよ~、はいどうぞ。細かく切った方がソース用ですね~」

「それじゃあこれを混ぜて……あ、お湯沸きましたね」

「パスタ投入~。茹で上がるまでのんびりまちましょ~」

そうして茹で上がり。

「氷水へ、えいっ!しっかり水を切って……」

「あわせたら完成ですね~。あとはしっかり冷やしましょ~」

「はい!次はサンドイッチですね。何にしようかな……」

「私は決めました~」

「レタスと、トマトと……フライパンかりますね」

「はい~。私は鳥ハムを使いましょ~」

「レタスは冷水に通すとシャッキリするんですよね」

「そうですよ~。あ、挟む前にキッチンペーパーで水分を取りましょう。じゃないとパンがぺちゃぺちゃになっちゃいます~」

そうして冷製パスタ、サンドイッチ、サラダがテーブルに並べられた。

「わぁ~綺麗ですね美也さん!写真撮らなきゃ……」

「美味しそうですね~。ではいただきましょ~」

「はいっ、いただきます!」

「まずはパスタから……ひんやりです~やっぱり夏場はこういうのがいいですよね」

「そうですね~。めんつゆを使うとこんなに和風になるんですね~」

「大葉も効いててさっぱり食べられます!」

「では藍子ちゃんのサンドイッチもいただきます。やっぱりBLTは王道ですね~」

「せっかく美味しそうなトマトもあったから使っちゃいました。じゃあ美也さんのもいただきます。……シーザーサラダ?」

「そうですよ~。レタスに鳥ハム、チーズにドレッシングです~」

「これ初めて食べます!美味しい野菜はしゃきしゃきでハムにもしっかり味がついてて……美味しいです!」

「お粗末様です~。」

「あ、食べきっちゃう前に……美也さん!」

「おお~写真ですね~」

「はい、チーズ!また現像したらもってきますね」

「ありがとうございます~」

「ふふっ、今度は私の部屋に来てくださいね。さあ、残りも食べましょう」

「はい~」

料理の出来、満腹感で二人とも幸せそうな表情だ。

「ごちそうさまです」

「ごちそうさまです~」

「また一緒に……そうだ!今度はお泊まりしませんか?」

「なんと~、それは楽しそうですね~」

「あ、でも泊まっても大丈夫なのかな……」

「ここなら大丈夫ですよ~?申請すれば問題なしです~」

「本当ですか!?うふふ、私も楽しみです」

二人は次の予定を立てながら片付けを済ましていく。

「美也さん、今日はありがとうございました」

「いえいえ~私も楽しかったですよ~。次はお泊まりですね、あ、前まで送りますよ~」

「はい!次はいつ休みだろ……」

「すぐだといいですね~」

「あ、ここまででいいですよ。美也さん、また今度です」

「はい~お泊まり楽しみにしてますね~」

そうして二人はお互いに見えなくなるまで手を振り合うのだった。

「二人でお料理」終わり

次はお泊まり編になるかと思います。
お泊まりしたら何するだ……?

今さらアイマスSPにはまって書けずにいました。

「二人でお泊まり」少しずつ投下していきます。

残暑もすっかり和らいで所々に秋が顔を出す土曜日の午後。

女子寮Vi棟ラウンジの一角、美也がなにやら楽しげに歌を口ずさんでいる。

「今日はて~ん~き~がいい~から~♪」

「お、美也!ご機嫌だね~何歌ってんの?」

美也に声をかけたのは所恵美。肩を惜し気もなくさらした服装が印象的だ。

後に「灼熱少女」として共に活動することになるが、それはまだ先の話である。

「高森藍子ちゃんのお散歩カメラですよ~」

「あ、この前新しく出たCDじゃん!」

「そうですよ~。思わず歩き出したくなる曲です~」

「お散歩……美也には相性ばっちりだね」

「はい~。おお、もうすぐ到着するそうです~」

美也のスマホ藍子からのメールが届く。

「ん?その娘今日来るの?」

「なんと、お泊まりですよ~。あ、私お迎えに行って来ますね~」

「行ってきな行ってきな!……あんなパタパタ走っちゃって、嬉しそうだな~」

アタシも二人を呼ぶかな、と恵美も立ち上がりスマホをいじりながら歩いていった。

「こんにちは、美也さん」

美也が玄関を出ると声をかけられる。

「いらっしゃいませ藍子ちゃん。さあ行きましょ~」

美也が笑顔で出迎える。

玄関をくぐると相変わらずの活気だ。

「あ、あの美也さん。あ、あれは……?」

以前見た時は物が積まれただけだったそれは明らかに成長していた。

一部分には着色もされている。

「あれはアートなんですよ~」

「ア、アート……」

結局それがなんなのか理解出来ないまま美也の部屋へとたどり着いた。

「藍子ちゃん、大荷物ですね~」

「ふふっ、今日は張り切っちゃいます」

そう言って藍子は袋から色々と取り出していく。

「じゃがいも、人参、玉ねぎ、豚肉……今晩はカレーにしますか~?」

「ルーはないので……今日は肉じゃがを作りましょう!」

「おぉ~」

「前は洋食でしたからね、今日は和食です」

そうして二人は調理に取りかかった。

会話の花を咲かせながら危なげなく料理は進んでいく。

「もうすぐ秋ですね。あ、今度は紅葉を見に行きましょう!」

藍子が次の予定を立てたり、

「こうやって……できました~。人参のお花です~」

美也が飾り切りを披露したり、

「秋と言えばキノコですね~」

「キノコと言えば私の事務所に……」

仲間の話で盛り上がったり。

そうしてあっという間に夕飯は完成した。

今日はここまで、続きます。

生存報告
最近全然書けない……

今晩再開します。
書きながらになるのでのんびりご覧下さい。

「美味しそうですね~」

「はいっ!」

肉じゃがをメインに味噌汁や白和え、おひたし、漬物が並ぶ。10代のアイドルの食卓にしてはやや地味とも思えるが、二人の素朴な魅力と妙にマッチしている。

声を揃えていただきます。食事はあっという間に済んでしまった。

「ごちそうさま。お腹いっぱいですね~」

「ごちそうさまです」

二人はお皿の片付けを始める。

「私が洗っておきますから、藍子ちゃんはのんびりしてて下さい~」

「そんな、悪いですよ。それくらい手伝いますっ」

「いえいえ~。いいんですよ~?」

「いえいえそんな悪いですっ」

「うふふっ」

「ふふっ」

いえいえ、いえいえ、とお互い譲らない。ちょっと頑固なところも似ている二人が顔を合わせて笑い出す。

「じゃあお願いしますね~」

「はいっ!」

のんびりとした二人だが手際は良い。食事の感想を交わしながら食器はすぐに片付いてしまった。

「お茶ですよ~」

「ありがとうございます」

日が落ちると随分涼しくなった。温かいお茶が美味しい季節だ。

「あ、美也さん。CD買って下さったんですね!」

「はい、とってもいい歌ですね~。もうばっちり歌えますよ~」

「わあっ、そんなに聴いてくれたんですか!?」

「お散歩にカメラにネコさんに……藍子ちゃんの好きなものがぎゅっと詰まってて、なんだかお得ですね~」

「ふふっ、なんか恥ずかしいな……でもありがとうございます!」

照れた顔を隠すようにお茶をすする藍子だった。

「ネコさんと言えば、私もネコさんになったんですよ~」

そう言って美也はファイルから写真を取り出す。

「皆で色々なモンスターの格好をしたんですよ~。私はワーキャットの役でした~」

「猫耳の美也さん可愛いです!衣装も白くてふわふわで……あれ?」

藍子は1枚目と2枚目の写真を思わず見比べてしまった。

1枚目。白い衣装に黒い猫耳と手袋を着けて眠っている写真だ。柔らかな髪をベッドに広げて可愛らしい寝顔を見せている。

「思わず寝ちゃいそうでしたね~」

美也は微笑みながら写真を眺めている。

そして2枚目。胸元や太ももを大きくさらした衣装で四つん這いの美也が妖艶な表情を浮かべている。同性の藍子から見てもドキリとするものだ。

「この格好は恥ずかしかったです~」

「美也さん、すごい演技力なんですね。引き込まれると言うか……」

自分の見せ方、見られ方を理解している。美也がViたる所以なのだろう。

「なんだか美也さんの意外な一面が見れた気がします」

「うふふ~そうですか?」

「はいっ。そうだ!これ、この前の写真です」

以前二人で料理をしたときの写真を藍子が持ってきたようだ。

「綺麗に撮れてますね~」

「これは美也さんの分です。どうぞ!」

「おお~。サンドイッチファイルに追加しますよ~」

「サンドイッチファイルですか?」

「これですよ~」

ファイルにはこれまでに美也が作ったであろうサンドイッチの写真がレシピと感想と一緒に納められている。

「いっぱいあるんですね!」

よく見るようなものから、パンに海老が生えてるようなよくわからないものまで様々だ。

「藍子ちゃんが撮っていてくれて助かりました~。こうして……○月○日藍子ちゃんとお料理っと。藍子ちゃんもどうぞ~」

藍子のくれた写真をファイルに納め、感想を添える。

「いいんですか!?じゃあ……初の美也さん宅!高森藍子っと」

藍子はコメントとサインを添える。

そうしているうちにアラームが鳴った。お風呂が沸いたようだ。

「お風呂が沸きましたね~。藍子ちゃんどうぞ~」

「ここは美也さんが先にっ」

皿洗いの時と同じである。

「それでは一緒に入りましょ~」

「ええっ!?そ、そんな……」

「結構広いので大丈夫ですよ?さあ行きましょ~」

「わかりました……わ、私は準備してから行きますから美也さんは先に入ってて下さい!」

「はい~」

そうして美也はバスルームに入っていった。

少し休憩。
続きが思い付けば書いていきます。

「お邪魔しまーす……」

藍子がタオルを体にしっかり巻き付け、浴室へ入ると美也は既に湯船につかっていた。

「いらっしゃいませ~。さあさあ藍子ちゃん、座って下さい~」

入って来た藍子を見ると美也は湯船から上がりイスを勧める。

「うふふ~お背中流しましょ~」

「ええっ!?」

あっという間に座らされてタオルを奪われてしまう藍子。

「あわあわですね~。かゆいところありませんか?」

「そ、それは大丈夫ですけど……うぅ、やっぱり恥ずかしいです」

「女の子同士ですから大丈夫ですよ~」

「あの、私……その小さくて……美也さんはスタイル良くて羨ましいです……」

「そうですか~?」

「……サンドイッチ……サンドイッチを食べればいいんですか!?」

「んんん?」

「あ、ごめんなさい……」

「いいんですよ~。はい、お湯かけますね~。あ、髪も洗いましょ~」

「は、はいっ」

髪をまとめるタオルをはずす。

「おお~藍子ちゃんは髪をおろすと大人っぽいですね~」

「そうですか……?」

「はい~。それに私よりしっかりしてて、お姉さんって感じです~」

「誉めすぎです美也さん!」

「そんなことないんですよ~?はい、流しますね~」

「わっ!」

藍子が咄嗟に目を閉じると、美也が丁寧に泡を流していく。

「私と藍子ちゃん、二人とも違うから一緒にいて楽しいんだと思います。藍子ちゃんの素敵なところは私がいーっぱい、見つけてあげますよ~」

しゅんとしかけた気持ちを泡と一緒に流して浴室を出た。

時計を見るともういい時間になっていたが、まだまだ話題は尽きそうもない。

二人の時間はのんびり流れていく。

ひとまずここまで。
まだ読んで下さる方がいると幸いです。
次も近いうちに書きたいと思います。

「夜になると涼しいですね~。お茶をいれますね、藍子ちゃん」

「ありがとうございますっ」

「事務所の人に貰ったんですけど、美味しいんですよ~。あっ、見てください!茶柱です~」

「わぁっ、初めて見ました!」

「縁起がいいですね~」

「明日もいい日になりそうですっ」

お茶を飲んで一息。いよいよ日も替わりそうな時間だ。

「藍子ちゃんはベッドを使って下さい~」

「そんな、美也さんが使って下さい!」

「藍子ちゃんが~」

「美也さんがっ」

「……」

「……」

「うふふっ」

「あはっ」

顔をあわせて笑いあう。二人とも譲らないことはわかりきっていた。

「一緒に寝ましょ~」

「そうですね」

二人で並んでベッドに潜る。

「電気消しますね~」

「お願いします」

電気が消される。真っ暗な部屋を静寂が包み込む。

ふと、美也が口を開いた。いつもの優しい声とは違う、沈んだ声。

「……藍子ちゃん、寝ちゃいましたか?」

返事はなかったが、美也の手を藍子がぎゅっと握った。

「私、今度出す曲の歌詞を書いてるんです。本を読んだり、色んな人の話を聞いたり、歌を聞いたり……」

藍子の手を美也が握り返す。

「何が良いものなのか解らなくて……失敗ばっかりで…。頑張らなきゃって思っても出来なくて……」

握る力が強くなる。

「こんなんじゃみんなを幸せにできないって…!」

一層強く握られた手を藍子の両手が優しく解きほぐす。

「そのままで良いと思います」

優しくも力強い藍子の一言。

「自然体でも周りの人を優しい気持ちにしてくれる美也さんの素敵なところ、私は知ってます」

「藍子ちゃん……」

「それは作った言葉じゃ伝わらないと思います!美也さんが思ったそのままを……あ、ごめんなさい……大きな声で……」

「……いいんですよ~。それにありがとうございます、藍子ちゃん」

「そんな、私は思ったことそのまま言っちゃっただけで……」

二人はまた譲りあいになることを察して微笑みあう。

そうしてもう一度手を握ると、おやすみの挨拶を交わして目を閉じた。

明日も絶対に幸せな日になると信じて。

「美也と藍子のお散歩日和」終わり

読んでくださった方、ありがとうございます。

4月24日の美也の誕生日にも何か書くつもりなので、その時はまたお付き合い頂ければと思います。

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