男「つらいって、そう思えることも、幸せだと思うぜ…」(6)

とあるビルの屋上…

女「もう…夢も希望もない…天涯孤独で金もなし…」

女「愛する人にも先立たれ…私は26ですでに…生きる意味を見失った…死のう」

そして女の足は地面を失った…
数分後…

男「…なんですかこれ…俺の…車が…」

男「大破してる…!その上、誰だこの女の人!?」

男「だ、大丈夫ですか!生きてますか!」

女「う、うーん…あれ…ここは…?」

男「おお、気が付いた!えっと、あの大丈夫ですか?お名前は…」

女「名前…あれ…名前…思い出せない…」

男「そうですか!ってえええっ!?」

書き溜めしてません

へー

ビルの一室…

男「…どうぞ、水です…」

女「…すいません」

男「落ち着きましたか…?あの、あなたはなぜ、あんなところに…」

女「…それも…思い出せません…」

男「…記憶が飛んでるのかな」

男「あたりを見たところ、あなたはこのビルの屋上から落ちてきたみたいです…」

男「窓にかかった布の雨避けが何枚もクッションになったおかげで…」

男「死なずにはすんだみたいですが…」

女「あのお車は…」

男「…はい、僕のです…」

女「す、すいませんっ…!本当に…あの、絶対に弁償しますので…!」

男「いや、いいよホント…死ななかっただけで」

女「え、あの……はい…すいません…」

男「それより、本当に何も思い出せないんですか…?」

女「…はい」

男「…はぁ…う~ん…じゃあ…いや…う~んとねぇ…」

女「…?」

男「…よし!決めた。車を…弁償してもらいます」

女「えぇ!…あ、いや…そう、ですよね…ハイ…」

男「でも払ってもらうのはお金じゃなくて…」

女(まさか…)ゴクリ

男「時間だ!俺はヒマだから、あなたに付き合ってもらいたい!」

女「…え…」

男「そうだな…あなたの記憶を…戻そうかな」

女「…えぇ!?」

男「え?あなた今…記憶喪失なんでしょう?」

女「…はい」

男「うん、だったら…戻そう」

男「あなたが何であそこにいたのか、とかちょっと興味あるし…」

男(何より車大破をスルーはできないし…)

女「…それぐらいで済むなら…!いえ、済まそうとは思ってないですけど」

女「はい…なんでもするつもりでしたし…」

女「分かりました…!」

男「よしきた!じゃあまずは…」

大破した車のそば…

男「…」

女「…あの…改めてすいません…」

男「いやいや、気にしてないよ(ウソだけど)」

男「それよりもう一度ここに来たのは…」

男「…うん、普通に現場検証だね」

男「この惨状を見る限り…」

女「うっ…」

男「あなたはこのビルあたりから落ちてきて」

男「さっき言った通り、いくつかのクッションを挟みつつ…」

男「俺の車の上に落ちてきた、と」

女「…」

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