島村卯月「シンデレラも魔法使いもいない日」 (16)

卒業証書を受け取り私は生徒は誰もいない学校を歩く

クラスメイトも、同級生も、下級生も誰もいない静かな学校

この学校にもう通うことはない、この制服を着ることもない

「ちょっと寂しいな…」

高校生の島村卯月は今日で終わる

この日が来ることはわかりきっていたのだけれど

素直に受け入れられないものだと私は思った

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457009557

友達と歩いた廊下を、だれかとすれ違った廊下を、今は誰もいない廊下を

一人きりで歩いた、この学校の、普通の女の子だった私に別れを告げながら

学校を出ると見覚えのある車が停まっていた

「プロデューサーさん!?なんでいるんですか!?」

「卯月のお母さんから電話があってね」

『私が迎えに行くよりあなたが行ったほうがきっとあの子も喜ぶわ』

「アイドルのサポートも仕事のうちだからね」

「もう…ママったら…」

「もしかして何か予定とかあった?」

「い、いえ!大丈夫ですよ!」

「それに…迎えに来てくれてうれしいです」

「それならよかった」

私は車の助手席に乗りしっかりとシートベルトを付けた

普段は凛ちゃんや年下の子が座りなかなか座れない助手席

そこに座れると思うとついつい顔がにやけちゃう

「卯月」

「な、なんですか?」

もしかしたらにやけてたの…見られちゃった?

「卒業おめでとう」

「へっ?」

予想外の言葉に一瞬何も考えられなくなる

黙っているうちにプロデューサーさんの顔がどんどん赤くなって

この人もこんな顔するんだなあって思ったら目が離せなくなって

「…そんなにみられると恥ずかしいんだけど…」

「あっと、えーと……ありがとうございます」

「…顔が真っ赤だよ」

「プロデューサーさんこそ真っ赤ですよ」

「ははっ」

「えへへっ」

信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)



「卯月はさ、…後悔とか残ってたりする?」

「後悔…ですか?」

「アイドルとして活動する以上、普通の生活は送ろうと思っても送れないものだからさ」

「そうですね…、『普通』の生活は確かに送れませんでした」

「でも、私は普通の女の子には送ることができない生活を送れました」

「普通の女の子には見ることができない景色を見て」

「普通の女の子には体験できない日々を過ごしてきました」

「だから、後悔なんてこれっぽっちもありませんよ」

「なら、安心だ」

「あ、でも心残りは一個あります」

「心残り?」

「とっても普通で、ありきたりで、ごく一般的なイベントです」

私は制服のボタンを一つ取り外しました

特別な意味を持つ上から二つ目のボタン

「イベントって、第二ボタンのこと?」

「はい!、本当はプロデューサーさんのボタンがほしいところですけど…」

「スーツにボタンがないのは、社会人として失格ですからね」

平常心を心がけても、それと反比例するように鼓動が早くなる

「これが……」



「これが、私の気持ちです」

私はプロデューサーさんにボタンを差し出した

「今日、お返事をもらえなくてもいいです」

「明日でも、一か月でも、一年でも、私は待ちます」

「だから、どうか受け取ってください」

これがアイドルじゃない普通の女の子にできる精一杯の告白

「…アイドルとは、やっぱり付き合うことはできない」

「そう…ですよね…」

その言葉を聞いて私は手を戻そうと―――

「でも」

プロデューサーさんが私の手からそっとボタンを取り

「でも、今日は高校生アイドルの島村卯月じゃない」

「どこにでもいる、普通のかわいい女の子だ」

「だから、今日だけだけど、今日だけしかできないけど」

「魔法使いじゃなく王子様をやらせてほしい」

プロデューサーさんは私の目をしっかりとみて、そう告げました

「その言葉は…普通の女の子にはもったいないですよ…」

流れる涙はシンデレラの靴と同じ透き通った硝子色

涙で滲む世界はボタンと同じ鈍い金色に輝いていた

おわりです 

普通の女の子だからこそ普通はできないことをしたいのかなあと思いながら書きました

最後まで読んでいただきありがとうございました


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