ゲンドウ「戦自から児童虐待で訴えられることになった」(68)

冬月「どう言うことだ?」

ゲンドウ「児童虐待で訴えられることになったのだ、私がな」

ゲンドウ「あぁ、先生は『まだ』大丈夫です」

冬月「その前だ。誰からだと?」

ゲンドウ「戦略自衛隊からです」

冬月「1から説明しろ」

ゲンドウ「少し長くなります。前提条件から入りますので」

冬月「構わん、話せ」

ゲンドウ「戦自が、前々からNERV攻略の演習を行っているのはご存知のはずです」

冬月「図上なら数えきれんほど。最近はキリングハウスまで作ったそうだな。機密費で」

ゲンドウ「話は半年ほど前です。総長以下、幕僚部の人間だけの御前会議ならぬ御前図上演習のときです」

冬月「確か、三ヶ月ほど前。前の参謀総長が辞任したな」

冬月「風俗嬢に、月にいくらもつぎ込んでいるのを、写真週刊紙にすっぱ抜かれたのが切っ掛けだったな」

ゲンドウ「その話も、今回と関係があります」

ゲンドウ「あれは、今の参謀本部が企てた。無血クーデターだったのです」

冬月「よし碇。すべて話せ。最後まで付き合うからな」

ゲンドウ「はい」

ゲンドウ「前の参謀総長は、かなりの急進派でした」

冬月「非公式の場なら、何度も脅されたよ。まぁ、NERV の立場を考えれば、戦自にそういう輩がいるのは分かるが」

ゲンドウ「その前の参謀総長が、まだその役職に就いていた時の図上演習で。チルドレンへの対応へ話が進んだのです」

冬月「あの男なら、撃ちそうだな」

ゲンドウ「はい。実際にそう言ったそうです。それに真っ向から噛みついたのが、今の参謀総長です」

ゲンドウ「彼にとっての有利な部分は、彼が常日頃から子煩悩を隠さなかったことです」

ゲンドウ「チルドレンへの発砲を躊躇しないどころか、推奨する言葉に。通俗的な言い方ですが、引いたのです。他の幹部達は」

ゲンドウ「そこに・・・子煩悩で有名な人間が、涙を流しながら真っ向から噛みついたのです」

冬月「場の流れは・・・完全に」

ゲンドウ「はい、今の参謀総長の物になりました」

ゲンドウ「結局その日の図上演習は、まったく進まずに終わったのですが。そこから無血クーデターが始まったのです」

ゲンドウ「演習ですので、映像記録はふんだんに取られていました。図上演習で部屋の中から動かないため、音声も綺麗に残っています」

ゲンドウ「それを元手に、今の参謀総長はその時部屋にいた人間以外で、信頼できる者たちを説き伏せて行きました」

ゲンドウ「子煩悩が信頼する人間ですから、同じような性格を持っていますでしょうから。説得は比較的容易だったようで」

ゲンドウ「そして諜報部まで協力者を広げたところで、前の参謀総長に対する身辺調査が開始され。風俗に大枚をはたく所を取られてしまった」

ゲンドウ「高級風俗ならば、まだ良かったのでしょうが。変態的な性欲を満たすため、かなり場末まで行っていたようです」

ゲンドウ「あの手合いの人間には、ありがちな事ですが」

冬月「貴様もな」

冬月「しかし・・・詳しいな」

ゲンドウ「何故なら昨日、本人の口から聞かされましたから」

冬月「待て、そんな話。なにも知らんぞ」

ゲンドウ「言っていませんから。私に同伴したのは、赤木博士だけです」

冬月「・・・・・・」

ゲンドウ「ちなみに、赤木博士も児童虐待で訴えられることになりました」

ゲンドウ「私と赤木博士とは、取引はしないと断言しました。恐らく、冬月先生を保留にしたのは、先生と取引するつもりなのでしょう」

冬月「・・・他には誰がなりそうかのだ?」

ゲンドウ「葛城は先生よりも訴えられやすいように感じました」

冬月「しかし、矛盾していないか?」

ゲンドウ「何がです?」

冬月「貴様が児童虐待で訴えられるのは、まぁ分かる」

冬月「だがその論理で行けば、霧島マナを使っている戦自も、同じ穴のムジナだろうに」

ゲンドウ「霧島マナは、今の参謀総長が着任した日に。即日付けで名誉除隊となりました」

冬月「なに・・・」

ゲンドウ「向こう十年以上、余裕で遊べる金を慰謝料として一緒に贈ったようです」

ゲンドウ「証拠もあります・・・預金額の変動を記した物のコピーなど。とにかく色々」

冬月「・・・なんと言う」

ゲンドウ「彼らは、戦自は本気です。本気で私を」

ゲンドウ「『社会的』に抹殺するようです。義憤混じりで動いているため、妥協点を探ることすらできません」

日付が変わる頃に戻ります

加持(どこだ・・・ミサト、どこにいる)

リツコ「加持くん」

加持「うお!?」

リツコ「ミサトを探しているんでしょう?」

加持「なんの事かな?」

リツコ「隠さなくて良いわ。私、児童虐待で訴えられることになったけど。それも知っているんでしょう?」

加持「・・・・・・」

リツコ「隠さなくて良いわ」

加持「すまない。新しい参謀総長を、説得出来なかった」

リツコ「謝る必要は無いわ。レイの事が全部ばれるよりまし」

リツコ「それに・・・実を言うと、今の状況にね、それほど危機感を抱いていないのよ」

加持「・・・言っている意味がよくわからないな」

リツコ「初めはね、一番危ない部分を戦自から隠すことだけを考えてたの」

加持「僕ですら知らない部分」

リツコ「その通り。お陰さまで、そこはなんとか隠せた」

リツコ「まぁ、代わりに私と碇司令は。児童虐待の主犯として訴えられることが決まったわ」

加持「可能な限り、裏工作は行う」

リツコ「その必要は無いわ」

加持「何故?」

リツコ「加持くんの裏工作が存在しても、私と碇司令は社会的に破滅するわ」

リツコ「もちろん、あなたの手腕を疑問視しているわけではないわ。むしろかなり有能な人間であることも理解している」

リツコ「だからこそよ。傷跡が私の思うより小さくなるかもしれない。それが今の私の懸念事項」

加持「ますます意味がわからない」

リツコ「加持くんって、プレイボーイて鳴らしてたはずだけど。案外常識があるのね。見直したけど、揺らがないわよ」

リツコ「このまま破滅しきれば、私と同じステージには、碇司令しかいなくなるのですもの」

加持「・・・・・・??」

リツコ「それが男女の仲の、奇妙な部分と言うことよ」

リツコ「加持くん。ミサトは助けてあげてね、私に使わない裏工作の分も含めて」

リツコ「もう一度言うけど、私は別に構わないから。このまま碇指令と、破滅しきる道を選びたいの」

加持「小説やドラマでしか見たことがない世界だ・・・りっちゃんは、そこまで碇指令の事を」

リツコ「そうよ」

リツコ「じゃあ、私は行くわね。いつでも夜逃げできるようにしておかないと、だからね」

PCに移動します

加持(…………)

加持「事実は小説より奇なりという事か…………りっちゃんは、もうだめかもしれないな」

加持「ならばせめて……ミサトだけでも」

加持「何とか、まだあり得ると言える着地点を探さないと」



ミサト「よー色男。私は今ね、貴重なランチタイムなんだから。あんまり邪魔しないでよね」

加持(どっちだ……?ミサトは知っていてなおかつ、この態度なのか?まだほんの一部しか知らないからな)

ミサト「残業手当を請求したい気分だわぁ…………ランチタイムでもノーパソとにらめっこなんだから」

「加持(……まて。嫌な予感がする。この弁当、明らかに既製品のそれではない。手作り感満載だ、もちろんほめ言葉で)

加持「美味しそうなお弁当だね…………手作り感満載で……」

ミサト「上げないからね。貴重な栄養補給であることはもちろんだけど」

ミサト「シンちゃんの作ったお弁当、本当に美味しいんだからぁ~」

加持(やっぱりアウトだったか…………)

加持(……分かってはいたさ、レトルトですら不味く作ってしまうミサトが、こんなきれいなお弁当。作れるはずがない)

加持(だが、それも近々……いや、今すぐにでも改めさせなければ)

加持「お弁当は……いつもシンジ君が?」

ミサト「当然!私が作るわけないじゃない!!」

加持「自慢して良い事ではないと思うよ?」

ミサト「うーん……でもぉ、私の料理の実力は知っているはずでしょう?」

加持「一応……保護者なんだから」

ミサト「いい勉強になってるはずよぉ。今日日、男だから過程では料理しないなんて。時代錯誤も甚だしいわ」

加持「うん、まぁ……至極もっともなご意見だ」

ミサト「加持くん。何を隠しているの?」

加持「…………」

加持(さて……どこまで話すか)

加持(何も知らないのは、シンジ君のお手製弁当を疑問を一切抱かずに食べているので。十分な証明だ)

ミサト「何も喋れないの?まぁ、貴方の立場は重々承知しているわ。でも、そうだとしたら今日はお引き取り願えるかしら?」

加持(切り出し方をまずったか……出直そう。でも、何も言わないわけにもいかない)

加持「ミサト、シンジ君を大切にな」

ミサト「わかり切ったことを。あの子は初号機のパイロット、貴重なパイロットなんですから」

加持「もっと深い部分だ。人が人でいるための……いや、これ以上は止めておこう」

ミサト「…………」

トウジ「センセー」

シンジ「・・・・・・」

トウジ「センセー!」

シンジ「・・・・・・」

ケンスケ「碇!」ズィ!

シンジ「うわ!?びっくりしたぁ・・・」

ケンスケ「碇ぃ、お前また冷蔵庫の中身を思いだしてただろ」

シンジ「だって・・・僕が作らないと何にもないから」

トウジ「たまには店屋物でもええんちゃうんか?」

シンジ「高い。下手したら倍額。考えるだけで怖くなるよ!」

ケンスケ「エヴァのパイロットよりも?」

シンジ「当然!」

トウジ「まったく迷わずに答えよったなぁ・・・」

ケンスケ「毒されていると言うかなんと言うか・・・」

トウジ「ミサトはん・・・あぁ、いや。無粋やった」

シンジ「あんなの毎日食べたら、三日もしないうちに倒れちゃうよ」

ケンスケ「惣流?」

シンジ「教えれば覚えれるけど。毎日やらせるのは可愛そうだよ」

トウジ「いや・・・わしら全員センセと同じトシやで」

シンジ「ところで、ふたりとも。なんなのかな?」

トウジ「いや。特に理由はないでを近場にセンセがいたから」

ケンスケ「なんだかんだで、碇とは仲良くやってるから

シンジ「あぁ・・・そうなの?だったら、うれしいなぁ」」

シンジ「まぁ良いや。明日の食事、ミサトさんがさ。糖質がどうのとか言いだして

シンジ「肉類をやってればいいよね?」

放課後

トウジ「センセ、帰ろうや」

ケンスケ「コンビニ寄って帰ろうぜ」

シンジ「あ、待って。コンビニじゃなくて、もう少し向こう側にある、スーパーに行きたい」

ケンスケ「う・・・うん」

トウジ「まさか、ミサトはんの酒でも買いにいくんか?」

シンジ「それは生協の宅配使ってるよ、もう。中学生だから、お酒は売ってもらえないから」

トウジ(まだ、タバコやらに憧れる不良の方が。なんぼか見れるやんけ・・・)

ケンスケ(不敏だ・・・)

シンジ「その代わり、ミサトさんのおつまみやらの材料は買えるから」

シンジ「アスカやペンペンの食事も・・・」

ケンスケ(ペットの分まで作らせてるのかよ!)

トウジ(くずやな)

シンジ「アスカは成長期だし、パイロットだし。ちゃんと食べないと。ミサトさんの作った物なんて・・・絶対だめだよ」

トウジ「センセも成長期やしパイロットやで」

シンジ「僕は良いんだよ。僕は、最悪自分で作って食べれるから」

シンジ「アスカは、ネルフの食堂で食べて帰るってよく言うけど。無料なのはいいけど、無料なりの味と栄養バランスだから」

トウジ(意外と気を使っとるんやな・・・)

ケンスケ(だから弁当の時間・・・惣流、微妙な顔してるのか)

トウジ「・・・買う量、多ないか?」

シンジ「明日のお弁当の分もあるし。お弁当は僕とアスカとミサトさんだけじゃなくて、綾波の分も作らなきゃだから」

トウジ「ネルフが食わせたったらええやろ・・・いや、義務やろ・・・!

シンジ「父さん・・・食事とかまったく興味ないから。綾波も毒されてるみたいで。食間も味も見た目も、栄養以外全部最悪な物しか食べてこなかったみたいだから」

ケンスケ(毒されてるのはシンジもだよ)

トウジ(親兄弟でもないのに、何でこんな献身的にやれるんや)

ケンスケ「持つよ」

トウジ「そやな・・・とりあえずそんぐらいはさせてくれや」

シンジ「良いの?」

トウジ「ええんや!」



シンジ「じゃあ、二人とも。手伝ってくれてありがとう」

トウジ「あぁ・・・ほな、また明日な」

ケンスケ「行っちゃったね、シンジ・・・」

トウジ「帰ってもまだやらなあかんことだらけなんやろ?」

ケンスケ「買った物の中に、洗剤とかもあったから。料理だけじゃないね、やることは」

トウジ「なんか申し訳なくなってきた・・・わしら、帰ったら漫画読んだりゲームしたりやのに」

ケンスケ「惣流やペンペン、あともう一人が好きなものは買ってたけど」

トウジ「せや・・・自分の好きなものは買ってなかったな」

トウジ「ケンスケ」

ケンスケ「なんだよ」

トウジ「何かしゃべってくれ」

ケンスケ「無理・・・」

トウジ「無理なりでええから。息がつまりそうや」

ケンスケ「コンビニ・・・よる?」

トウジ「ええわ・・・」

ケンスケ「そうなるよね・・・」

マナ「ねぇ、ねぇ!貴方たち!」

トウジ「なんや?」

ケンスケ「お!可愛い!!」

トウジ「ふんぬ!」ポカ

ケンスケ「ちょ!痛いよ!!」

トウジ「これでも加減はしたで」

マナ「あはは・・・でも良かった。あなた達は、信頼できそう」

トウジ「なんやねんや、あんたは・・・」

マナ「あなた達、シンジ君のお友達でしょう!?」

ケンスケ「だったらなんだよ。文句でもあるのかよ」

トウジ「そや!」

マナ「無いわ!むしろ、味方が増えた!!」

トウジ「はぁ?」

ケンスケ「話が見えてこないんだけど」

シンジ「ふん、ふん、ふん♪」

グツグツジュワジュワ

アスカ「・・・ただいまぁ」

シンジ「おかえり、アスカ!」

ペンペン「クエッ・・・」

アスカ「相変わらず・・・沢山の作業抱えてるわね」

シンジ「好きでやってるんだよ。みんな、残さず食べてくれるから」

アスカ「ミサト」

シンジ「ミサトさんは仕方がないよ。今、体重減らしたいとかで。糖質がどうのとか言ってるから」

アスカ「気にする必要はないと思うけどなぁ・・・」

ペンペン「クエッ!」

アスカ「何か手伝うわ。いや、手伝わせて」

アスカ「ペンペンの食事は?私が作るわ。冷蔵庫の、いつもの所でしょ?」

シンジ「あ、大丈夫だよアスカ。ペンペンの分なら、もう作って冷蔵庫に入れてるから」

アスカ「・・・そうみたいね。今、冷蔵庫に入れてるのを見たわ」

シンジ「こっちは大丈夫だから。アスカはテレビでも見てなよ」

アスカ「・・・・・・お風呂の掃除してくるわ。手持ちぶさたも、それはそれで・・・だから」

シンジ「そうなの?」

アスカ「そうなの!」

アスカ「タンカ切ったまでは良かったけど・・・」

アスカ「シンジって、普段からあちらこちら綺麗にして回ってるから・・・」

アスカ「汚れらしい汚れが無いのよね・・・トイレなんてお風呂より綺麗だし」

アスカ「情けないわね・・・アタシ。早く帰っても、結局これなんだから」

シンジ「」

シンジ「あ、アスカ。ありがとう。お風呂と、トイレの掃除もしてくれたんだ」

アスカ「シンジが普段から思いっきり綺麗にしてるから。アタシは、殆どなにもやってないわよ」

シンジ「でも、やっぱり。そう言うこと言ってくれたら、嬉しいよ」

アスカ「シンジ、今日はなに作ってるの?」

シンジ「チキン南蛮だよ」

アスカ「また、ハイカロリーね。私は好きだけど」

シンジ「と、思うでしょ?」

シンジ「実はマヨネーズの糖質って低いんだよ、百グラムのマヨネーズに糖質は1グラム未満だからね!」

アスカ「考えてるのね」

アスカ「お味噌汁も、えのき茸と・・・透明なのは寒天かしら?」

シンジ「そうだよ!根菜はダメだけど、キノコ類は糖質が低いし」

シンジ「寒天はダイエット食としても有名だからね」

シンジ「ミサトさん、最近糖質制限ダイエットにはまっちゃって・・・白米を目の敵にしてるけど」

シンジ「でも、無茶な糖質制限は絶対に良くないんはずなんだよ」

アスカ「脳の栄養源は、ブドウ糖だけで。そのブドウ糖は糖質からとるしかないからね。要するに糖質を分解したものだから」

シンジ「でも、ダイエット中って無性にイライラするものじゃない」

アスカ「ビールを止めりゃ良いのよ」

シンジ「あはは・・・まぉ、そうだよね」

シンジ「一応、焼酎ハイボールを勧めてみようかなと思ってるんだけど」

アスカ「あとはミサトの問題よ」

アスカ「ミサトは、分かってくれるかしらね。白米以外から、カロリーを、栄養を取らせようと苦心してる様子を」

シンジ「しょうがないよ」

アスカ(その言葉、使い方を間違っている気がするけど。どう間違ってるか指摘できないから、なにも言えないのよね)

アスカ(大体、家事の殆どをシンジに依存してる私も。程度の差があっても、根っ子はそれほどなのよね)

レイ「・・・・・・」扉ガチャ

レイ「・・・・・・」カバンバサリ

レイ「・・・シャワー」

ジャー・・・ジャー・・・・・・キュッ

レイ「お水・・・まだあるわね」

ゴクゴク

レイ「・・・錠剤とゼリー。もう飲んどきましょう」

ジュルジュル・・・ボリボリ・・・ゴク

レイ「・・・・・・」ゴクゴクゴクゴク

レイ「あ・・・お水、飲みすぎた」

レイ「・・・・・・別に構わないわね。もう今日は、やることないから」

ゲンドウ「私はネルフの中に籠ることにします。いつまでそうなるかは、分かりませんが」

冬月「その方が良いだろうな」

ゲンドウ「先生は、自宅に帰られるので?」

冬月「向こうの出方を探ってみようかとも思っとるからな」

ゲンドウ「まぁ、今の参謀総長なら闇討ちの心配はほぼありませんからね」

冬月「かといって、何も接触が無ければそれはそれでつまらんがな」

冬月「ではな。明日は定時に来るよ」

ゲンドウ「はい」

冬月「・・・・・・これで『あいこ』にしておいてやる」

黒服「副司令?今の言葉の意味は一体・・・」

冬月「私は今から、戦時の参謀総長に会ってくる」

黒服「は!?」

冬月「碇・・・司令への報告は無用だ。事後ではあるが、私からやる」

黒服「あぁ・・・『あいこ』とは・・・いえ、何でもありません」

冬月「うむ」

ミサト「た、だいまー!」

シンジ(・・・・・・)

アスカ「シンジ?」

シンジ「ミサトさん、おかえりなさい!」

シンジ(アスカ。ミサトさん、たぶん飲んでる。もう既に)

アスカ(え!?)

シンジ(アスカは大丈夫だけど、まぁ心には留めておいて)

アスカ(・・・・・・)

シンジ「ミサトさん、ちょうど良かったですよ!まだ出来立てだから、温かいままですよ!!」

アスカ(・・・・・・保安部の黒服さんに運転してもらったと思いましょう)

シンジ「ミサトさん、ジャケット預かりますね」

ミサト「はー、い。げふん」

アスカ(・・・・・・)

アスカ(少し息が荒いかしら・・・あと、単語の切り方。抑揚もおかしい?)

アスカ(言われてみれば気づけるけど・・・シンジは一発で気づいたのよね)

アスカ(空気がまったく読めない、読まないファーストも問題だけど。過剰に読めるシンジも問題ね、極端同士と言う仲間属性まで付けちゃって)

ミサト「うげ!?マヨネーズ!?」

シンジ「あぁ・・・やっぱりこの反応か」

アスカ「ーー!」

アスカ「ミサト!」

ミサト「ふぇ!?」

アスカ「マヨネーズって、糖質が低いそうよ」

ミサト「マジ?」

アスカ「百グラムで1グラム未満。それに、風味付けに薄くしかかけてないじゃない」

ミサト「あー、確かにぃ・・・言われてみれば。でも、揚げ物は衣のカロリー・・・衣は小麦粉、糖質ががが・・・」

アスカ「ミサト!!」

ミサト「ふぇ!!?」

アスカ「糖質制限が手っ取り早いのかもしれないけど!脳の栄養源は、ブドウ糖のみ!糖質からの分解が効率的なのよ!」

ミサト「あー・・・まぁ、でもなぁ・・・」

アスカ「作戦部長なら!頭動かす仕事じゃない!私、大ボケかますミサトなんて見たくないわよ!?」

ミサト「むむむ・・・」

シンジ「よかった・・・座ってくれた・・・アスカ」

アスカ「なに?」

シンジ「ありがとう・・・僕だったら、ここまで整然と説明できないから」

アスカ「こちらこそ・・・よ。私が言えることは」

連続で広告スクリプトで、ちょっと拗ねてしまった
申し訳ない


ミサト「・・・・・・」(箸で衣をいじいじ)

アスカ「・・・・・・」

アスカ「シンジ」

シンジ「あ、マヨネーズ?」

アスカ「・・・ありがと」

シンジ「ご飯のお代わり、どうする?」

アスカ「自分で入れれるわ」

シンジ「立っちゃったから、入れてくるよ。僕も、もう一杯食べたいから」

アスカ「・・・ありがと」

ミサト「あ、シンちゃん。ビールもう一本取ってきて!」

シンジ「はーい」

アスカ「・・・自分で取りに行けば良いじゃない」

ミサト「ついでよ、ついで」

アスカ(それ言って良いのは、シンジだけだと思う)

シンジ「はい、アスカ。ミサトさんも、ビールのお代わり」

ミサト「あんがとー」

ミサト(グラス差し出し)

アスカ「・・・・・・」

シンジ「はい、お注ぎしますね」

アスカ「そういうお店だったら、これだけで千円は取られるわよ。ミサト」

ミサト「そうよねー。シンちゃんって、可愛い系だから。そういうお店でもそこそこ指名もらえそうよねぇ」

ミサト「いやぁ、役得役得!」

アスカ(嫌味だっつーの!!)

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