【ゆるゆり】ぼむゆり (188)


西垣「ついに始まった『第1回ぼむゆり』!

今大会の企画&実況&解説はこの私
西垣が努める

ふふふ、私得な大会…
若干テンションを上げていくぞ

まず私が何故この大会を開いたかと言うとだな…」

松本「……」

西垣「なに?
それはいいからまずはルール説明?

ふむ、最もだ

ではルールを説明する
実際やれば単純なんだが、言葉にすると長くなるからしっかり聞くんだぞ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456824036

西垣「参加者は16人!
予選A~Dブロックで4人ずつ戦い、それぞれ2人が勝ち抜く

勝ち抜いた2人はペアを組み決勝で8人で戦う
最後に残ったペアの優勝と言うことだ

優勝者は誰にでもなんでも命令ができる
みんな下心丸出しで頑張るんだぞ!

予選はシングル戦
決勝はダブルス戦と考えてくれ

ちなみにペアは2人やられなければ負けとならない
相方が負けても1人で頑張ってくれ

ここまでで質問はないか?」

りせ「……」

西垣「その通りだ
ペアはそのブロックで組むこと
予選Aブロックで勝った2人がペアだ

『昨日の敵は今日の友』だな
なぜそんなことするかと言うと、ブロックごとにお互い気の知れたもの同士が多いから…
まあこれは実際始まればわかる」

西垣「さて遅くなったが
試合ルールの説明だ

格子状の柱にランダムに壁の設置された戦場が舞台

爆弾を使って壁を壊し道を作り、その爆弾で相手を爆破して倒していく!

どうだ?シンプルだろ?

柱も壁も選手の背の高さ以上はある

爆弾について説明しよう
爆弾は各自無限に持てるが、一度に置けるのには制限がある
初めは一回爆発するまでの間に一個しか置けん

爆風は十字に広がり、初めは火力が少ない
まぁ3マス分だな

爆弾は地面に置いて3~4秒で爆発する

そして自分が置いたとしても、爆弾をまたぐことはできない

あと、爆風は柱も壁も貫通しない

自分の爆弾でも爆風にあたればミスになる
うっかり爆弾置いたら壁に挟まれて自爆したなんて笑い物だ

言わずもがな、基本的に爆弾でしか相手を倒せない
それ以外の直接攻撃は禁止だ

壊せる壁のことはブロックとも呼ぶが、それだと予選ブロックという言葉と混ざるので使わないでおく

『壁』壊せる
『外壁』戦場を囲む壁で壊せない
と覚えておこう」

西垣「次はアイテムについて説明しよう

壁の中にはアイテムが隠されている場合がある

『火力+1』
『爆弾置ける数+1』
『足の速さ+1』
この3つだ

試合を有利に進めるために、序盤や余裕のあるときにコツコツ集めるんだぞ

ちなみにアイテム効果は決勝にも引き継ぐ

ここまでで質問は?
ないみたいだな」

西垣「制限時間は1試合30分
ラスト5分になったら戦場の端から壁が落ちてきて、フィールドが9分の1程になる

もちろん落ちてきた壁に潰されればアウト

それでも勝負がつかなかったらその試合は再戦だが、まぁそうなるとグダグダなので試合はキッチリ1回で終わらせてくれ」

西垣「選手は試合中、外の声は聞こえない、もちろん私の声もだ

外からの余計な情報はいらないからな

しかし誰かがやられたら、その情報はブザーと天井スクリーンで知らせるから安心してくれ」

ザワザワ…
ガヤガヤ…

西垣「ん?観客が暇そうだな…

やはり説明が長くなってしまったか…

こればかりはしょうがない…


ようは『ボンバーマン』だ!」
りせ「…」

西垣「ん?それ一言で足りるだって?

ふっ、最もだな」

西垣「まぁここからはちょっと違う趣向があるから聞いてくれ

選手にはそれぞれ『特殊能力』があるので、それを有効に使って欲しい

もちろん自分の能力は自分しか知らない

実は実況を盛り上げるために、私も誰がなんの『特殊能力』を持ってるのか知らないんだ

みんなと一緒にドキドキハラハラしようじゃないか

どうだ!普通のボンバーマンではないことが理解できたかな?」

りせ「…」

西垣「なに?ボンバーマンもシリーズによっては『特殊能力』がある?

ははっ」

りせ「…」

西垣「では私もルール説明に飽きて早く爆発が見たいので

選手入場とともに各予選ブロックの発表といこう!」

予選


Aブロック
赤座あかり
吉川ちなつ
歳納京子
船見結衣


Bブロック
大室櫻子
古谷向日葵
杉浦綾乃
池田千歳


Cブロック
赤座あかね
吉川ともこ
大室撫子
池田千鶴


Dブロック
松本りせ
大室花子
くらげ
ミラクるん

あかり「ふわぁ、こうやって見ると選手っていっぱいいるねぇ」キョロキョロ

京子「なんで予選でごらく部戦わせるのかなって不思議だったけど
決勝でペア組むとしたら仲良い同士がいいもんね」

結衣「そうだな、でも決勝に行くには誰かを爆弾で…」

ちなつ「ひぃ…!
ま、負けませんからね!」

西垣「あ~、爆発と言ってもギャグっぽく真っ黒コゲになるだけなんで安心してくれ」

結衣「いやそれもどうかと…」

綾乃(歳納京子…負けないんだから!)

櫻子「ま~予選は勝ったも当然かな~」

向日葵「むっ、聞き捨てなりませんわね」

櫻子「だって向日葵、そのおっぱいが邪魔して動きづらそうだし」ニシシ

向日葵「言いましたわねこのまな板~~!」キシャー

櫻子「んだとコラー!」キシャー

あかね「あかり」

あかり「あ、お姉ちゃん!」

あかね「うふふ、頑張るのよ」ナデナデ

あかり「うんっ!」

京子(あかねさんは間違いなく決勝に行くな…)

結衣(……いいけどさ…
誰もDブロックには突っ込まないのか!?)

花子「…」チラッ

りせ「…」

花子「…」チラッ

くらげ「…」フヨフヨ

花子「…」チラッ

ミラクるん「きゃるるん☆
負けないゾ♪」

花子「な、なんだしこの人たち…!!

もしかしてイロモノグループ?
イロモノグループなのかし?!」

撫子(…頑張れ花子…)

千鶴(私のブロック年上ばかり…
姉妹の片割れ集めただけなんじゃ…)チラッ

ともこ「?」ニコッ

千鶴「…」ペコッ

撫子(このブロックに私の知り合いはいないか
その方が気楽かな)

ともこ「あかねちゃ~ん」

あかね「あらどうしたの?」

ともこ「あかねちゃんは優勝したらなにをお願いするの?」

あかね「うふ、内緒
ともこは?」
(あかりに…うふふふ)

ともこ「うふふ、内緒」
(あかねちゃんに…うふふふ)

千鶴(優しそうなお姉さんたちだな…)

西垣「ではそろそろAブロックの選手は試合場に行ってもらう

他のブロックの選手は控え室で待機、試合の様子は見せないからな」

櫻子「え~っ、それじゃつまんない~っ!
試合見るくらいいいじゃん!」

西垣「『特殊能力』がある以上そうもいかん

予選の時点でみんながみんな特殊能力を知ってしまったら、本番の決勝が盛り上がらないだろ?」

櫻子「…そうなの?」ポカーン

向日葵「当然でしょう」

撫子「馬鹿櫻子」

花子「ばか櫻子」

櫻子「ムキーー!」

結衣「…」

京子「結衣?どうしたの?早く行くよ」

結衣「思った通りだ…この大会

『特殊能力』が左右するな…」

京子「ふ~ん、ちなみに結衣の能力ってなに?」

結衣「馬鹿、教えるわけないだろ」

結衣(それに恐らく私の能力から察すると…

厄介な大会になりそうだ…)

あかり「えへへ、ちなつちゃん、頑張ろうね!」

ちなつ「うん!あかりちゃんは私が吹き飛ばしてあげる」

あかり「こ、怖いよ!」

ちなつ「優勝者はなんでも命令できるか~

ニヒヒ、結衣先輩にあんなことやこんなこと…」ズオオオオ

あかり(ちなつちゃんから黒いオーラが!)


西垣「それではAブロックの試合を始める!
選手はそれぞれ戦場の4すみからスタートだ!

思う存分爆発してくれ!」

Aブロック試合開始


カーンッ

京子「おっと…始まったか…
ここは戦場の隅っこだな
隅っことその両側1マスずつの計3マス

おそらく全員は初めはこんな感じかな」キョロキョロ

京子「とりあえずは壁を壊しつつアイテムを集めるか
さて、爆弾…と」

ドン

ドゴーン!

京子「うわ!爆発音大きいな!
でもルールにあった通り、3秒過ぎた辺りで爆発か…

爆発の時間は置いた本人が数えてる以外に知りようがないか…」

西垣『『ドン』が置いた音
『ドゴーン』が爆発の音だぞ』

京子「1試合30分、おそらく戦場はだいぶ広いとみた

…よし、アイテム集めつつ、他の人たちの場所を探そう」

ドン

ドゴーン!

京子「お、ラッキー、火力+1と爆弾+1ゲット!」

――――――――――

結衣「よし、とりあえずは私の『特殊能力』で…と」ゴソゴソ

結衣「…ふーん
まだみんな端付近にいるな…

まずはアイテム集めと様子見ってところか

京子は結構ペース早めだな
アイツの『特殊能力』と関係あるのか?」フムフム

結衣の『特殊能力』

【位置把握】

結衣にだけ渡されたタブレットには、戦場の地図と対戦相手の場所がリアルタイムで表示される

見れるのはあくまで相手のみ
よって壁、アイテム、爆弾は見えない

結衣「それでも人の動きだけで大体の流れは見えちゃうんだよね」

結衣「もう少しであかりとちなつちゃんがぶつかるかな

うまく2人が共倒れしてくれれば、このまま私と京子が決勝か…

ふぅ…この能力、便利過ぎるよ…」

結衣「私がこんなに強い能力なら、他にもしかしたらもっとさらに異常に強い能力者が現れるかも…
って不安だったけど、杞憂かな

これさえあれば相手の後ろをとれるし、いくらでも逃げ切れるし…

っと、あかりとちなつちゃんがそろそろ…


ってなんだこれ!!?」ガバッ

結衣「これは…!
そうか、これがあかりの『特殊能力』か…!

…チート過ぎる…!」


――――――――――

ーン…

京子「ん?」

ドゴーン

京子「…!

遠くから爆発の音が…
確かにこれだけ大きな音なら聞こえて当然…

どうする?爆弾置いて壁を破壊して近づくのは相手にばれる…」

ドゴーン

京子「また聞こえた
でもこれじゃあどのくらいの距離かも方向もわからないな…

よし、条件は向こうも同じ

今は動ける場所を広めるためにも恐れず進もう」


――――――――――

ちなつ「結構進んだかな?」フゥ

ちなつ「うーん、集めたアイテムは火力が3つの爆弾が2つのスピードが2つ…

もう少し爆弾が欲しいわね…」キョロキョロ

ちなつ「あ、あそこの通路奥に爆弾置けば一気に壁が3つも壊せるじゃない

通路奥に行くのは怖いけど、さっきから近くで爆発の音が聞こえないし、人の気配もないから大丈夫よね」ソソクサ

ちなつ「よし、早く爆弾置いて離れなきゃ…」

ドン

ちなつ「!!?」

あかり「えへへ、ちなつちゃん、油断大敵だよぉ」

西垣『なんと吉川選手!自ら通路に入って、その唯一の出入り口を赤座選手に爆弾で塞がれてしまうという典型的な詰み!

あまりにも浅はかな動きだ!』

ちなつ「しまった…!

あかりちゃんいつのまに私の後ろに…!


存在感薄すぎ!」

あかり「ちなつちゃん酷い!

でもこれでちなつちゃん逃げられないよぉ」

ちなつ「………甘いよあかりちゃん…」スッ

あかり「…え?」

ちなつ「…必殺!チーナアッパー!!」

ボカッ!

あかり「!!?爆弾を殴り飛ばした!!!?」

ちなつ「今のうちに脱出!」ダダッ

あかり「ああっ!」ガーン

西垣『なんと吉川選手!赤座選手の置いた爆弾を殴り飛ばし脱出!

爆弾は放物線を描き赤座選手を飛び越えた!

これは…この『特殊能力』は一目瞭然!

『あれ』しかない!』

ちなつの『特殊能力』

【グローブ】(またはパンチとも呼ぶが、ここではグローブとする)

隣接した爆弾を3マス先に飛ばすことができる

3マス先に人や壁があった場合、3マス以降空いてる空間に落ちる
そのまま場外へ飛んで行ってしまった場合、その爆弾は無効となる

ちなみに飛んでる間は爆弾は爆発しない

ちなつ「これさえあれば私には爆弾に挟まれて詰むことはないのよ!」

あかり「そ、そんなぁ~!」

ちなつ「仕返しよあかりちゃん!」

あかり「ひょえ~~~!
お助けぇ~~~!」


ドゴーン!
ドゴーン!


――――――――――

ドゴーン!
ドゴーン!

京子「…ちなつちゃん、派手にやってるなぁ…」ヒョコッ

マチナサーイ!

ウワーン!ゴメンナサーイ!

ドゴーン!

京子「っ!
危なっ!

巻き込まれないように退散するか

しかし『グローブ』とはね…」

アカリチャーン!ドコイッター!

京子「あかりの能力がわからなかったけど
私には私のやるべきことがある

さて、結衣を探すか」タタタッ

京子「…ん?この辺り…

やけに壁が残ってる
……結衣がわざと残したな」タタタッ

京子「!」ピタッ

京子「壁で通路が作ってある
奥は深そうだぞ

どうしよ、明らかに結衣の罠だけど…
…いや、私の予想が正しいなら、この奥に結衣がいるのは間違いない

進もう!」タタタッ

京子「なんだこの道、まるで螺旋状に奥へ進むぞ?」


結衣「とまれ京子」

京子「…!

結衣?どこ?」ピタッ

結衣「…」スッ

京子(…奥から出てきた、あの先にも曲がり角がありそうだ)

結衣「京子が来るのはわかってたよ

まぁ、こんなに堂々と入ってくるのは予想外だった

もう少し慎重に行動したらどうだ?」フフッ

京子「…」ゴクリ

結衣「京子、さっきちなつちゃんたちに近づいてたよな

2人の『特殊能力』はわかったか?」

京子「…その言い方…
結衣は…」

結衣「ああ、隠すつもりはない

私はみんながどこにいるのか把握できる能力なんだ」

結衣「しばらくここに隠れて様子を見ててわかった

あかりの『特殊能力』はすぐにわかったし
そのあかりの攻撃から逃れた上に、迷いなくあかりを追いかけたちなつちゃんは『攻守共に強力な能力』
そしていかにも怪しげなここに躊躇なく入ってきた京子も『何かしら対策できる能力』だとね」

京子「…!」

結衣「それがわかった以上、みんなの場所がわかっても不意打ちは得策じゃない

だからここに隠れて、他のみんながつぶし合うのを待ってたんだ

私の後ろには曲がり角がたくさんあるように作ったし、時間稼ぎは充分できる

今京子が私の目の前に爆弾を置いても、私は爆発が収まるまでちょっと後ろに隠れればいい」

京子「…」

結衣「おそらくちなつちゃんとあかりは勝負がつかないと思う

けど」

京子「?」

結衣「どうかな…ここまで話したんだし…

私と京子、今から組まないか?2人で決勝に行こう」

京子「…」

結衣「…どうした?なんでさっきから黙ってるんだ?」


京子「…わかったよ」

結衣「ほんと?良かった!
実は1人だと少し心細かったんだ!

私と京子が組めば無敵だよ!」

京子「え、あ、ごめん結衣

そういう『わかった』じゃないんだ」

結衣「…なに?」

京子「こゆこと」

ドン

結衣(!?爆弾を置いた!?

私の話を聞いてたのか?
私は後ろに下がれば安全だ

爆弾を置いた京子が後ろに下がれば、爆発がおさまってからまたもとの位置に戻るだけ

そしてもし前に来たら、私は奥へ奥へと下がればいい

一番奥へ追いやられても、その頃には爆発で壁がほとんど壊されていて脱出できる

隠れることは出来なくなったが、私の能力ならみんなから逃げ続けることは可能だ!)

京子「…」ダダダッ

結衣(こっちに来た!

いや慌てるな
私は下がるだけでいいんだ!)

ドゴーン!

京子「ふぅ、危なかった

よっ、結衣、やっと近づけた」

結衣「京子、お前なぁ、だから私は延々と逃げることができるんだよ

時間稼ぎのつもりか?
あかりとちなつちゃんの共倒れでも狙ってるのか?」

京子「そんなこと考えてないよーん」

結衣「じゃあ一体…」

京子「へへっ、結~衣っ
捕まえた!」ギュッ

結衣「お、おい…!

なんなんだ…?」

京子「結衣~」スリスリ

結衣「…はぁ…」

京子「…結衣


ごめんね」

ドン

結衣「は!?

おま!馬鹿!離れろ!離せ!」グイグイ

京子「や~だ~!」ギュウウ

結衣「自爆なら1人でやれ!
こんなの反則だろ!」

京子「反則なのは直接攻撃だから、抱きつくのは反則じゃありませ~ん」

結衣「ふざけ…!!!」ハッ

結衣「京子…

お前、あかりたちを勝たせようと、私を道連れに…?」

京子「ん~…

違うかな」

結衣「ならなんで…!ああもうわからない!!」

ドゴーン!

西垣『観客は騒然としている!

まさかまさかの歳納選手が道連れ自爆!

こんなのなんの得にもならな


…え?』

京子「ケホケホ」

結衣「…」真っ黒コゲ

ザワザワ
ザワザワ

西垣『歳納選手が無事だと…?

船見選手は真っ黒コゲだが…』


京子「いや~ごめんね結衣
こんな卑怯な手を使っちゃってさ」

結衣「…コホッ

…そうか…

…そうか
京子、お前の『特殊能力』って…」

京子「おっとと結衣」

結衣「…?」

京子「『敗者は黙して語らず』だよ!」

結衣「…コホッ

…ふぅ…負けたよ…」フフッ


――――――――――

ビーーーーッ!

ちなつ「!」ハッ


船見結衣、アウト


ちなつ「結衣先輩が!?
私はあかりちゃんを追いかけてたから、京子先輩がやったのかな

よし、後1人いなくなれば決勝に行ける!」

ちなつ「…」キョロキョロ

ちなつ「…でもあかりちゃんを見失ったのよね…

あかりちゃーん

どこー?

観念して出てきなさーい」


京子「ふふ…

ちなつちゃん見っけ!!」

ドン

ちなつ「!」

ドゴーン!

ちなつ「危なっ!京子先輩!」

京子「結衣は私が倒した…

次はちなつちゃんの番だ!」

ちなつ「望むところ!結衣先輩の仇をとってあげます!」

ドン

ちなつ「チーナアッパー!」

ボカッ!

京子「うお!?」サッ

ちなつ「チーナアッパー!
チーナアッパー!」

ボカッ!
ボカッ!

京子「飛ばした爆弾に挟まれるところだった…!

予想以上に厄介な能力だな…」
タタタッ

ちなつ「あっ!ちょっと!

逃げるとは!さっきまでの威勢はどうしたんですか!」タタタッ

京子「せ、戦略的撤退と呼んで欲しいね!」

ちなつ「逃がしません!
チーナアッパー!」

ボカッ!

京子「!?

爆弾が目の前に落ちてきた!

そうか!
逃げる私を越すように爆弾を飛ばせば、後からくるちなつちゃんの爆弾で挟まれる…!

かと言って距離を置くために爆弾を置けば、それもグローブで飛ばされ退路を断たれる…

このまま逃げるのは得策じゃない!」ザッ

ちなつ「おや…?

逃げるのはやめたんですか?」

京子(まずい…あのグローブ、結衣が言ったように攻守共に便利過ぎる…
正面から馬鹿正直に戦うべきじゃなかった

結衣を倒して気が大きくなってたのかな…)

ちなつ「あかりちゃんが見つからない以上、戦うしかないですよね…」ジリ…

京子(…よし!
プランBだ!)ダダダッ

ちなつ「あっ!

まだ逃げるんですか!!
コラーーー!」ダダダッ

京子(足の速さは私の方がちょっと速い…

これは賭けだけど、やってやる!)

京子「捕まえてご覧なさいな~」タタタタッ

ちなつ「ムキィーーーー!」ダダダッ

京子「くらえっ!」

ドン
ドン
ドン
ドン
ドン

ちなつ「!?

そんなに爆弾持ってたんですか!!?

でもグローブがある限り無駄ですよ!」

ボカボカボカボカボカッ!

京子「あぶっ!うわっ!」ヒョイヒョイ

ちなつ「さあ観念して…」ハッ

ドゴォーン!

ちなつ「!?」サッ

ちなつ(意識してなかったけど、京子先輩の爆弾、火力が凄い!

爆弾を殴り飛ばす方向も少し考えないと…

でも、私の有利は変わらない!)

ちなつ(おそらく京子先輩の『特殊能力』は戦闘向きではないと見た!

これだけピンチになっても能力の鱗片も見せないのがその証拠!)

京子「くっ!」

ドン
ドン
ドン

ちなつ「往生際の悪い…!」


西垣『一方的な展開だな

爆弾を置きながら逃げる歳納選手を追いかける吉川選手

歳納選手の方が爆弾の火力も所持数も遥かに上回っているが、グローブ相手には両刃の剣だぞ?』


ドゴーン!
ドゴーン!


西垣『しかもなんだ?中央の広いスペースを逃げ回ればいいのに

わざわざ狭い壁があるところまで入っていく…』

ちなつ(??

逃げ回るだけなら、同じ所をグルグル回ればいいはず

なのになんで京子先輩は壁がある所へ…)

京子「ぜぇ…はぁ…!」タタタタッ

ドン
ドン
ドン

ちなつ「ちっ……まだそんな無駄なことを!」

ボカボカボカッ!

ドゴーン!

京子「ひいっ!」

ちなつ「きゃっ!?

か、火力が上がってる!!
京子先輩、逃げ回りながら壁を壊して、アイテムを回収してたの?」

京子「さ、流石にこれ以上火力上げるのは私も危ない…!


どこだ……

一体『どこ』にいるんだ!」

京子「も…もう限界…はぁ…はぁ…

これで…決める!」

ドンドンドンッ!
ドンドンドンドン!!

ちなつ「くっ!

はぁぁぁ!チーナアッパー!」
ボカッボカッボカッ

ちなつ「数が多過ぎる…!

ここはいったん離れて…」ササッ

ドゴーン!


「ひええぇ!!」

ちなつ「…?
今の叫び声は…?」

ビーーーーッ!


赤座あかり、アウト

ちなつ「………え?」

京子「や…やった…


賭けに勝った………」ゼェゼェゼェ

あかり「ケホケホ!

うわぁぁぁん!

あんなに爆弾あっちこっちにばらまかれたら、あかりにも避けきれないよぉ!」真っ黒コゲ

ちなつ「あかりちゃん!?

いつの間にそこにいたの?
てかなんでやられてるの?」

京子「ふぅ…私の思った通りだ

結衣の台詞とこれだけ走り回ってあかりが見つからなかったってことは

あかり、透明になる能力だったんでしょ?」

あかり「うん…」グスッ

あかりの『特殊能力』

【透明化】

任意に姿を消すことができる

透明化中は無敵ではない
透明化中は爆弾を置くことは出来ない

透明化中は結衣の『場所把握能力』でも見えなくなるが、それ故に透明化能力があることを結衣にすぐにバレてしまった

京子「正直ちなつちゃんには適わないと思ったから、隠れてるあかりをあぶり出してしまおうってわけさ」

ちなつ「はぁ…だからあかりちゃんが隠れてそうな壁が多い所に、爆弾を置きまくってたんですね」

あかり「うぅ…京子ちゃんたちが走りながら爆弾投げ飛ばしてたから…

安全な場所はないと思って外に出たとたん、爆弾が目の前に…


ケホッ!」

京子「まぁあかりがやられるか私がやられるかの賭けだったよ

でも、ちなつちゃんに追いかけられるのはあまりいい気はしなかったかな…」

ちなつ「京子先輩…」

京子「やっぱり私はちなつちゃんを追いかける方になりたいな!

ちなちゅ~!
決勝頑張ろうね~!」ギュウウ

ちなつ「ギャー!離れて下さい!」ジタバタ

西垣「あ~聞こえるか~

歳納選手、吉川選手
予選通過おめでとう」

京子「あ、はい!」

ちなつ「ありがとうございます!」

西垣「決勝戦が始まるまで、選手控え室で待っててくれ」

京子「了解!行こ、ちなつちゃん」

ちなつ「ゆっくり休みたいですね…」

あかり「待ってぇ!
あかりも行くよぉ!」タタタッ


Aブロック予選通過

歳納京子(能力、不明)
吉川ちなつ(能力、グローブ)


予選敗退

船見結衣(能力、場所把握)
赤座あかり(能力、透明化)

ちょっと休憩します

Bブロック試合開始


カーンッ

櫻子「…私のこの『特殊能力』を活かすには…

スピードupを優先的に集めよう
ニヒヒ、みんな驚くぞ!」


西垣『さて静かな立ち上がりを見せるBブロック

まずは全員爆弾で道を作り、アイテムを集める作業に入ったか』


ドゴーン!


西垣『…っと…
ほお…

古谷選手の『特殊能力』は一目でわかるな

単純に強力、ふふ、みんなはどうやって古谷選手に立ち向かうのか見ものだ』

ドゴーン!

櫻子「ふぅ、スピードupが3個か、とりあえずはこんなもんでいいかな
後は適当に進みつつ…


お?」

向日葵「!」

櫻子「向日葵だ!

真っ直ぐ向こうにいる」

向日葵「…」

ドン

櫻子「ん?

向日葵も私に気づいたハズだけど、あんなに遠くに爆弾置いてなんの意味が…

…!」ハッ

ドゴーン!

櫻子「うわ危ない!!!

ここまでどころか、端まで爆風が届いた!?嫌な予感がしたから隠れて良かった!」

向日葵「くっ…!
直線上でボケーッとしてるから、チャンスだと思ったのに…!」

向日葵の『特殊能力』

【フルパワー】

最大火力
爆弾数最大所持


向日葵「こうなったら直接打って出ますわ!」ダダダッ

ドンドンドン

ドゴーン!

櫻子「うわわわ!そんなの反則だぁぁぁぁ!!!」ダダダッ

向日葵「待ちなさい!!」ダダダッ

櫻子「…」ササッ

向日葵「逃げ足の速い…!」キョロキョロ

向日葵「まあいいですわ、爆弾を置きまくって壁と言う壁を破壊しつくして、あぶり出してあげますからね」

櫻子「向日葵!!」バッ

向日葵「しまっ…後ろに回られた!

しかし、だからといって私の能力の前には…」

櫻子「くらえ!!


おっぱいターーーッチ!!!」ボイーン

向日葵「は?

キャアアアアア!!!?////////」

櫻子「火力がデカいのはおっぱいがデカいからか!

イヤミか!」

向日葵「か、関係ありませんわ!!!」

櫻子「それ逃げろーーー!」ダダダッ

向日葵「待ちなさい櫻子!!
よくも!」

ドン

向日葵「え?」

ドン

向日葵「あ…あら…?」

ドン

向日葵「わ、私の爆弾が!勝手に地面に置かれる!?

なぜ!?」

櫻子「やった……!

『垂れ流し』だ!」

ドン

向日葵「なんですって!?」

櫻子の『特殊能力』

【ドクロ】

触れた相手にランダムでマイナス効果をつける

マイナス効果は以下の4つ
爆弾垂れ流し
超鈍足
爆弾設置不可能
火力最低化

1人に何度触れても効果は重複しない、始めの1回だけ


向日葵「垂れ流し?

しまった!私は爆弾所持数が最大…!」

ドン

向日葵「に、逃げられない!!」

ドゴーン!

向日葵「きゃああああっ!!!」

ビーーーーッ!


古谷向日葵、アウト


櫻子「勝った…

向日葵に勝った!!!
うわーい!!!」ピョンピョン


――――――――――

千歳「古谷さんが…
うちも頑張らな」トテトテ

千歳「この辺り、壁が全然無い…

壁と爆弾に挟まれる心配はあらへんけど、それはこっちも相手も同じこと

アイテム集めに集中するのもええけど、あまり得策とは言えへんな」キョロキョロ

綾乃「ち…千歳?」ビクッ

千歳「綾乃ちゃん?
ここは綾乃ちゃんのエリアやったんやね」

綾乃「え、ええそうよ!
見ての通り、アイテムはいっぱい集めたわ!」ジリ…

千歳「ふふ…そんなに警戒せんでもええよ」

綾乃「…?」ジリ…

千歳「なぁ綾乃ちゃん

うちと組まん?」

綾乃「え?」


西垣『ふむ、面白いな

Aブロックの船見選手も、予選のうちからペアを組むことを提案していたな

確かに良い手ではある
池田選手と杉浦選手が組めば、後は大室選手との2対1
ほぼ確実に決勝にいけるが果たして…』


綾乃「…断るわ」

千歳「…綾乃ちゃん…」

綾乃「悪いわね千歳

私、予選は自分の力だけで進みたいの
お互い決勝に行けたら、その時に一緒に頑張りましょ?」

千歳「せやけど…」

綾乃「ありがとう」

千歳「?」

綾乃「千歳、私に戦う勇気がないから、支えてくれようと思ったんでしょ?

大丈夫、生徒会副会長として、私、戦えるわ
優勝したいもの

お願いしたいこと…あるから…」

千歳「綾乃ちゃん…


優勝のお願いは歳納さんとのデート?」

綾乃「なっ、なななななな!?/////」

千歳「ふふ、隠さんでもええよ

だからこそ綾乃ちゃんには確実に優勝してもらうためのペア…

だったんやけど、心配いらなかったみたいやな」クスッ

綾乃「うう…///」

千歳「実はうちの願いも綾乃ちゃんと全く同じ…」

綾乃「え?」

千歳「綾乃ちゃんと歳納さんのイチャイチャデートを考えてたんや!」

綾乃「なっ!なんですってぇぇ!!?////」

千歳「しかもうちのはちょっと過激や!

こうなったらうちの考えたイチャイチャアハ~ンな大人のデートをしてもらうで!」

綾乃「そ、それも良いわね…///


って、いやいやいや!そんな恥ずかしいこと出来ないわよ!
もっとピュアなデートのため、千歳を勝たせるわけには行かないんだから!」

綾乃「くらいなさい!」

ドン

千歳「こんな壁が全くないところで爆弾置かれてもなんも怖くないわ

それにうちの『特殊能力』の前に爆弾は無意味やで!」

スッ

綾乃「眼鏡を外した…?」

~~~~~~~~~~

京子「綾乃、優勝おめでとう」

綾乃「歳納京子…」

京子「優勝のお願いは、私を好きにするって願ってくれてありがとう…」ファサ…

綾乃「あわわ///あわわわ////」

京子「私の心の爆弾…最大火力で爆発させて欲しいな…」

チュ~ッ

~~~~~~~~~~

千歳「たまらんわぁ~!」

ドバドバ
シュウウ…

綾乃「はっ、鼻血で爆弾を消した!?」

千歳の『特殊能力』

【爆弾無効化】

鼻血で隣接した爆弾の導火線の火を消し、無効化させる

無効化された爆弾は消える


西垣『便利だが
爆弾にやられる前に貧血で死にそうな能力だな』

綾乃「爆弾を消すだなんて!?

それなら…!」ササッ

千歳「逃げても無駄やで~
おとなしくうちの妄想の餌食に~」タタタッ

綾乃「そんなの絶対いや~~!!!」ササッ

千歳「そんなジグザグに逃げたところで…!」サッ

千歳「え!!?!?」ピタッ

千歳「ば、爆弾!?
いつの間にこんなに沢山…?

四方八方爆弾だらけやん!
爆弾を置いた音も聞こえんかったで!?」

綾乃「いくら千歳でもこの量の爆弾を一度には消せないでしょう!」

ドン

千歳「しもた!後ろに!
せめてこれを消して脱出を…」
綾乃「遅いわよ!」

ドゴーン!

ビーーーーッ!

池田千歳、アウト

千歳「そんな…
いつの間にあれほど爆弾を…」ケホケホ

千歳「壁がないから、爆弾を置かれてもすぐに逃げられると思った盲点をつかれたわ…

綾乃ちゃん、やるなぁ…」

綾乃「あなたが欲望にまみれて周りが見えてなかっただけよ」

千歳「ふふ、そうやね…」

西垣「ご苦労

Bブロック試合終了だ

大室選手も杉浦選手も見事だった」


Bブロック予選通過
大室櫻子(能力、ドクロ)
杉浦綾乃(能力、不明)


予選敗退
古谷向日葵(能力、フルパワー)
池田千歳(能力、爆弾無効化)


西垣「全員集まったかな?
よく頑張ったな諸君!

これで予選は終わりだ!」

あかり「あれ!?
CとDブロックは!?」

西垣「CとDブロックの内容は残念ながらアレだ
あまりにも盛り上がりに欠ける内容だったので省略する!

理由は決勝が始まったら教えよう」

あかり「そうですか…」

西垣「それでは予選の結果を伝えると共に、予選敗退者の能力も発表しよう!

決勝には関係ないと思うが、こういう能力もあったんだなと参考にして欲しい」

決勝進出者


Aブロックペア
吉川ちなつ
歳納京子

Bブロックペア
大室櫻子
杉浦綾乃

Cブロックペア
赤座あかね
吉川ともこ

Dブロックペア
松本りせ
ミラクるん

西垣「続いて、予選敗退者とその能力だ」


予選敗退者

Aブロック
赤座あかり(透明化)
船見結衣(場所把握)

Bブロック
古谷向日葵(フルパワー)
池田千歳(爆弾無効化)

Cブロック
大室撫子(能力コピー)
※触れた相手の能力をコピーする、重複可能

池田千鶴(ダッシュ)
※直線距離を高速で移動できるが、なにかにぶつからなければ止まれない


Dブロック
大室花子(メダル)
※触れただけで相手を倒せる

くらげ(壁通過)
※壁をいくらでも通過して移動できる

西垣「決勝が始まるまでしばらく休憩タイムだ

Aブロックは充分休めたと思うが、Dブロックはさっき終わったばかりだからな

有効にこの時間を使ってくれ」

京子「なるほどね、決勝相手の情報でも探ってみるかな」キョロキョロ

京子「あっ、綾乃ー!」

綾乃「歳納京子!?」

京子「綾乃も決勝行けたんだね!

おめでとう!お互い頑張ろうね!」

綾乃「あ、ありがとう…」

京子「で…

綾乃の能力ってなに?」

綾乃「言うわけないでしょう」ハァ

京子「ケチー」ブー

綾乃「…ふふっ」

櫻子「ねーちゃん!花子!
私決勝行けたよー!

あれ~?2人は~?もしかして予選落ち~?」プークスクス

撫子「…」イラッ

花子「…」イラッ

櫻子「だらしがないな~!
ほれほれ!櫻子様に情報を出しなさい

CとDの決勝に行った人の能力わかるんでしょ?」

撫子「悔しいからアンタには絶対教えない…」

花子「花子もだし」

櫻子「なんだとー!」


撫子(それに『アレ』は…教えたところでどうしようもないからね…)

千歳「千鶴~」

千鶴「姉さん
姉さんも負けちゃったんだね」

千歳「せやね~、うちらにはこういった競技は合わへんのかな」

千鶴「…どうかな、少なくとも、私がいたCブロックは酷かったよ」

千歳「…?」

綾乃「…それ、私も聞いていいかしら?」

千鶴「杉浦さん…

うん、姉さんと杉浦さんだけになら、少しだけ教えてもいいよ」

綾乃「ありがとう、少しでも構わないわ」

千鶴「あれは…そう、Cブロックは開始5分で勝負がついたんだ」

綾乃「ご、5分?

序盤のアイテム集めと敵探しだけでも、普通10分は掛かるわよ?」

千鶴「そんなの関係なかった

Cブロックはあまりにも一方的な展開過ぎて、私たちはあの人から逃げ回ることしか出来なかったんだ

あんなの…反則だよ…」

千歳「『あの人』?」

千鶴「うん、赤座あかりさん

断言出来るよ
優勝はあの人以外ありえない」

綾乃「…」ゴクリ

結衣「…」

京子「結衣、何見てるの?」

結衣「ん、ああ、この予選敗退者の能力を見てたんだ」

ちなつ「色々な能力がありますね」

あかり「うん、結衣ちゃんの能力も凄いけど、他の人もなかなか…」

結衣「そうなんだよ、自惚れじゃなくて私の能力も決して悪くはないし

古谷さんのフルパワーや花子ちゃんのメダル…
敗退者でも、誰が優勝してもおかしくないだろ?それに勝った決勝進出者…いったいどんな能力が飛び出すのか…

京子、ちなつちゃん、気を付けてね」

京子「あったぼうよ!」

ちなつ「結衣先輩!絶対勝ちますから、見守ってて下さいね!」

あかね「あかり、ここにいたのね」スッ

あかり「お姉ちゃん!
決勝おめでとう!」

あかね「うふふ、ありがとう
あかりは負けちゃったのね

ちょっと安心したわ

お姉ちゃん、あかりにだけは手を出せないもの」ナデナデ

あかり「えへへ」

あかね「でもそれとこれとは話が別


誰があかりに爆弾なんて置いたのかしら?」

京子「!」ビクッ

ちなつ「!」ビクッ

あかね「あかりにもしもヤケド痕が残ったら…」ゴゴゴゴゴ…

京子(私が置いた爆弾です…)ガクガク

ちなつ(私が殴り飛ばした爆弾です…)ガクガク

あかり「もう!お姉ちゃん!
あかりは大丈夫だよぉ」

あかね「あら、ならいいのよ

それにあかり以外なら、誰が相手だろうと同じこと

私が通った跡には


草一本残さないわ」

京子(怖ぇぇぇ…)ブルブルブル

結衣(ラスボス感ぱねぇ…
私決勝行かなくて良かった…)ガタガタガタ

ちなつ(今ここでギブアップしたいくらいです…)ガクガクガク

あかり(お姉ちゃんと京子ちゃんたち、どっち応援すればいいのかなぁ)ウーン

西垣「それでは決勝戦を始める!

選手は指定位置にて待機

予選敗退者は応援席に移動!」

結衣「頑張れよ京子、ちなつちゃん」

あかり「みんな頑張ってね!」

京子「任せろって!」

ちなつ「京子先輩の面倒は私が見ますからね!」

向日葵「櫻子!あなた負けたら承知しませんわよ!」

千歳「綾乃ちゃ~ん
ファイトやで~」

櫻子「杉浦先輩!頑張りましょうね!」

綾乃「ええ大室さん!」

撫子「…櫻子、気を付けるんだよ」

千鶴「杉浦さん、頑張れ…」

ともこ「あかねちゃん、私頑張るからね!」

あかね「期待してるわ」フフッ

花子「…櫻子、頑張れだし」

ミラクるん「りせちゃん!
よろしくねっ☆」キャルルン

りせ「…」コクン



西垣「それでは決勝戦………


試合開始!!!」

今日はここまでです

次で終わらせたいですね

決勝戦開始

カーンッ

京子「よろしくねちなつちゃん!」

ちなつ「こちらこそよろしくお願いします

早速ですが、壁を壊して進みましょうか
2人が爆弾を置くと色々と危ない気がするので、私が置きますね」

京子「そうだね、そうしようか」

ちなつ「とりあえずここに…」


ビーーーーッ!


京子ちなつ「!?」バッ

京子「え?早っ!誰!?」

赤座あかね、アウト


ともこ「…あかねちゃん…?」

あかね「…あら?」コホッ

>>73

トリップミスりました

京子「あかりのねーちゃんが…?

ッ!マズい!!
ちなつちゃん!爆弾を置くのストップ!」

ちなつ「え?すみません、もう置いちゃいました」

ドン

京子「ダメ!離れて!」グイッ

ちなつ「きゃっ!?」

ドゴーン!

京子「…」ホッ…

ちなつ「?
なんなんですか?

爆弾、別に普通じゃないですか」

京子「…あかりのねーちゃんがやられた時、一瞬2つのパターンが頭をよぎったんだ…」

ちなつ「?」

京子「ちなつちゃん、今あかねさんがどうしてやられたと思う?」

ちなつ「えっ…

まさか、ミスからの自爆…とか?」

京子「違うよ、もしも開幕に端に爆弾を置いてしまってのミスだとしたら

同じ場所からスタートしたちなつちゃんのお姉さんも巻き添えをくらってたはず」

ちなつ「あ、そうか…そうですね」

京子「となるとこれは、誰かの『特殊能力』による攻撃しかない」

ちなつ「…」ゴクリ

京子「おそらくあかねさんは、さっきのちなつちゃんみたいに、自ら爆弾を置く役だった…

しかしそれが何らかの理由で爆風に当たった」

ちなつ「そ、それで?」

京子「一番最初に頭に浮かんだのは、『爆弾を置いたらすぐに爆発してしまう能力』を受けていたこと

多分これ系の能力の発動は『相手に触れる』か『試合開始と同時に全員に及ぶ』かの2種類だけど、状況からして後者の『全員に及ぶ』だと思った」

ちなつ「だから私に爆弾を置くなって言ったんですね」

京子「うん、だけど爆弾は普通に爆発したし

あかねさん以降犠牲者は出てないから、この能力は違うと思う」

ちなつ「…もう一つのパターンを聞かせて下さい」

京子「…ここで試合前のあかねさんのあの自信

そしておそらく誰かがチート能力を持ってたとして…

大胆過ぎる推理だけど、これが一番しっくりくる」

京子「あかねさんの『特殊能力』は

『無敵』なんじゃないかな」

ちなつ「…はい?」

京子「だったら開幕直後、自分が置いた爆弾の前にいた理由がわかるでしょ?」

ちなつ「でも…

う…

…た、確かに…」

京子「多分あかねさんの戦法は

爆発したところに爆弾を置いて引火させ続ける…

まさに歩く火柱
そんなところかな?」

ちなつ「ちょっ…反則過ぎませんかそれ?」

京子「まーね、もしそんなのが相手だったら私諦めてたよ」

ちなつ「ですね…私のグローブでもどうこう出来る訳が…

え?ちょっと待って下さい

だってあかりちゃんのお姉さん
たった今やられたじゃないですか」

京子「そう、それが誰かが持ってる『特殊能力』のせいで、あかねさんがそれに気づかすに自爆してしまったと考えれば

辻褄が合う!」

ちなつ「そ、その『特殊能力』ってもしかして…!」

京子「『特殊能力無効化』!
これしかない!」

西垣『歳納選手、見事大正解!

そう、私がCブロックとDブロックの試合内容を省略したのはこれが理由だ

Cブロックは赤座あかね選手の能力により、誰も手が出せず逃げ回るしか出来ない地獄絵図だった

そしてDブロックは誰かの『特殊能力無効化』の能力により、誰も能力を使えず地味な試合になってしまったからだ!』

向日葵「Cブロックの方々が可哀想ですわ…」

撫子「…」ズーン

千鶴「…」ズーン

赤座あかねの『特殊能力』

【ファイヤーマン】

自分が置いた爆弾、相手が置いた爆弾関係なく、爆風に対して完全無敵

あくまでも爆風に無敵なので、タイムリミット間近に降ってくる壁に潰されればアウト

花子の『メダル』にも触れればアウト


西垣『なに?反則能力だと?

何を言う、赤座あかね選手はこの能力でも今負けたんだぞ』

結衣「そういう問題かなぁ…」

京子「私とちなつちゃんは『能力無効化』を持ってないから、BかDブロックの誰かが持ってるんだね」

ちなつ「そ…そこまでのことを、あかねさんがアウトになった瞬間に考えついたんですか…?」

京子「まぁね

そもそも初めから、『能力無効化』はもしかしたらあるかな~って予想はしてたよ」

ちなつ「…」ポケー

京子「ちなつちゃん?」

ちなつ(京子先輩凄い…

なんでこんなに頼りになるの…?

うぅ、結衣先輩と決勝行きたかったけど、京子先輩もなんか…


なんか…
かっこいい…///)

京子「ちなつちゃん?
大丈夫?」ズイッ

ちなつ「!?///

だだだ大丈夫です!
さ、行きましょう!」ギクシャク

京子「よしよし、まずはアイテム集めようか」

ちなつ「あ…そうだ」

ドン

ちなつ「えいっ!」

ポスッ

ちなつ「あ、やっぱりグローブ使えないや」

京子「も~、それを今説明したじゃーん!」

ちなつ「いや、確認みたいなもので、信じてなかったわけじゃないですよ?」

京子「ほんとかな~」

ちなつ「…でもこれ…
チャンスじゃないですか?」

京子「ん?」

ちなつ「だって、今は全員能力が使えないんですよね

あかねさんみたいなチート能力者を封じてる今なら、私たちも平等に戦えますよ」

京子「…どうかな、それだと五分五分の戦いになるよね

やっぱり能力ありきの、相手の能力がわかった上で、こっちがどう対処するか考えるのが一番安全じゃないかな」

ちなつ「なるほど」

京子「今はもう少し慎重に進んで、交戦は控えよう

おそらくみんなそう思ってるかもしんない」

ちなつ「それもそうですね」

京子「それに…もし私の予想が正しければ…」

ちなつ「?」

京子「次にやられるのは、無効化の能力者だと思う」

ちなつ「…?

なに言ってるんですか?
誰がその能力者かなんて、わからないですよね?」

京子「…」


――――――――――

ドゴーン!


りせ「…」

ミラクるん「やったぁ!アイテムだぁ!」

りせ「…」

ミラクるん「りせちゃんのおかげで、安全にアイテム回収できるね!」

りせ「…」コクリ

ミラクるん「あっ、あっちの通路にもアイテムあったよ

あれはりせちゃんにあげる!」

りせ「…」タタタッ

ミラクるん「…」ニヤリ

ドン

りせ「!」

ミラクるん「これで逃げられないよ

ごめんね騙しちゃって
あなたの能力のおかげで、開幕1人倒せたけど
その後はみんな慎重になったみたいで動きはなくなった

わかる?
『能力無効化』はもう必要ないの」

りせ「…!」

ミラクるん「普通の試合なんて、普通に負けちゃう可能性があるし

何より地味過ぎて面白くないの

私が目立たないじゃない☆」

りせ「…」

ミラクるん「安心してりせちゃん

こんな地味な能力よりも
私の能力の方が確実に勝てると思ってのことよ

必ず優勝出来るわ

だからね

バイバイ♪」

りせ「…!」

ドゴーン!

西垣『松本ーー!!!』

りせの『特殊能力』

【特殊能力無効化】

りせがフィールド内にいるかぎり、選手全員の『特殊能力』を封じる


ビーーーーッ!


松本りせ、アウト


――――――――――

京子「ん…?」

ちなつ「会長がアウトになって、力が溢れてきた…

よし!
チーナアッパー!」

ボカッ!

ちなつ「やった!能力が戻りました!」ピョンピョン

京子「…やはり…

能力が封じられて困るのは、ペアとて同じ
会長は仲間に…ミラクるんにやられたか…」

ちなつ「でもここはミラクるんに感謝しないといけませんね

やっぱり能力があると安心します」

京子「そうだね、でも能力が戻ったのは他の選手も同じだよ」

ちなつ「でもでも、一番危険な『無敵』能力者はもういないんですよ?」

京子「…だと良いけど…」


――――――――――

ミラクるん「うふふふふ

予選でも私の能力は封じられて使えなかった…

でも今は違う!

私の能力を思い知りなさい!

絶望しなさい!

必殺☆

ミラクるん・ドンキ!!!」

ズ ド ン !

全員「「!?」」

西垣『こ…これは!?

ミラクるん選手がマジカルステッキで地面を叩いたら…


選手全員の動きが止まった!?』

ミラクるん「おイタをするコはめった打ち☆」


――――――――――

京子「なんだ…!?

身体が!
身体が動かないっ!!?
これは!これは敵の攻撃か!!」

ちなつ「きょ、京子先輩!!


爆弾が!」

京子「しまった!!!

今爆弾置いたところなのに!!
爆弾が目の前にあるのに動けない!」

ちなつ「ひぃ!」

京子「くっ…!
こんなところで…」

ちなつ「…っ!」

京子「…!


…?」

ちなつ「…?爆発しない…?」

ガクンッ

京子「!?
身体が動く!

ちなつちゃん!爆弾から離れて!」

ちなつ「はい!」サッ

ドゴーン!

京子「ふぅ…危なかった…」

ミラクるんの『特殊能力』

【タイムストップ】

10秒間、全選手の動きと爆弾のカウントを止める

自分は動ける上に爆弾が置けるが、タイムストップ中は爆発せず、タイムストップが終わってから爆弾はカウントされる

能力の使用回数に制限はないが、連続して発動はできない
数十秒のリロードが必要


結衣「『ファイヤーマン』並にチートだろこれ…」

京子「ちなつちゃん無事?」

ちなつ「はい…

今の、誰かの『特殊能力』ですよね…」

京子「うん、人と爆弾のカウントを止める能力ってところかな

こりゃチートだわ」ナハハ

ちなつ「……」

ちなつ「…笑ってる場合じゃありません!

こうしてる間にもまた時間を止められて、爆弾に囲まれたらどうするんですか!

どうして京子先輩はそう楽観的にいられるんです!」

京子「ち、ちなつちゃん…?」

ちなつ「あっ…

す…すみません…
ちょっと不安になっちゃって…」シュン

京子「…よしよし」ギュッ

ちなつ「…っ」

京子「大丈夫だよ、誰が相手だろうと、この京子ちゃんがちなつちゃんを守ってあげるからね」ヨシヨシ

ちなつ「…ごめんなさい
私の能力が地味で…」

京子「ん?」

ちなつ「京子先輩、予選で結衣先輩を倒しましたよね

その時京子先輩なら結衣先輩の『特殊能力』がわかったはずですし

その後もあかりちゃんの『特殊能力』もすぐ見破ったじゃないですか

結衣先輩の『場所把握』とあかりちゃんの『透明化』
どっちも私の『グローブ』なんかよりもずっと便利です

決勝で勝つには、私を予選で倒した方が…」

京子「えいっ」ムニー

ちなつ「!?
いひゃい!いひゃい!」ムニー

京子「あはは!ちなつちゃん変な顔~!」ケラケラ

ちなつ「もう!京子せんぴゃい!」

京子「な~に言ってんのさ、ちなつちゃん

私、予選はちなつちゃんから逃げ回るので精いっぱいだったんだからね!」

ちなつ「あ…

そうでしたね…」

京子「ん…でも、確かに
結衣にはペアを組まないかって誘われたよ」

ちなつ「それを断って結衣先輩を倒したんですか!?」

京子「うん…なんかね

結衣はあんなに便利な能力を持ってても、隠れることや逃げ回ることを優先しててさ…

ちょっと、ペアとしてはね…
あかりも最後まで隠れてたし…

うう、なんて言えばいいのかな…」

ちなつ「…」

京子「でもでも、ちなつちゃんは一目見たときから全力で私に向かって来たじゃん

だから私その時、『特殊能力』なんて関係なく、ちなつちゃんなら頼れるって思って…
ちなつちゃんしかいないって…

ああもう!

相手の『特殊能力』を推理する時はスラスラ言えたのに、こういう時は上手く説明出来ない…」アセアセ

ちなつ「…ぷふっ」

京子「ちょ!」

ちなつ「なんなんですか京子先輩、さっきまではあんなに格好良かったのに」クスクス

京子「うう…ごめんよ、ちなつちゃんを元気づけようとしたんだけど…」

ちなつ「こちらこそ弱気になってごめんなさい…」

京子「…へへっ」

ちなつ「…ふふっ」

京子「一緒に頑張ろうね」

ちなつ「はい!」ギュッ


――――――――――

あかり「京子ちゃん…ちなつちゃん…

良かったよぉ…」グスッ

結衣「…戦場ど真ん中でなにイチャついてるんだよ…

しかも私にダメ出しして…
いや、良いけどさ…」

西垣『どうした船見、やはりお前も決勝に行きたかったか?』

結衣「いえ、こうして見てるとわかりますが、チート能力者ばかりですよね…
多分、私の能力じゃ活躍出来ないと思いますよ…」

西垣『…

多分、歳納がお前を見限ったのは、そこだと思うな』

結衣「どういうことですか?」

西垣『便利な能力ほど、その能力に頼りきってしまいがちだ

どこか油断がある
赤座(姉)も松本も、だから早々に負けたんだ』

あかり「そうですよね
あかりも予選の後半は、『透明化』で隠れることしか考えてなかったなぁ」

西垣『赤座(妹)は歳納の『特殊能力』知ってるか?

私の見た感じでは恐ろしく地味だぞ

多分場合によっては『最弱』レベルだな』

あかり「えぇっ?

結衣ちゃん、そうなの?」

結衣「…うん」

西垣『その歳納がここまで残っているのは

『特殊能力』とは別の力
『地力』ってヤツのおかげだ

それが備わっていないと、どんなチート能力だって決勝ではなんの役にも立たない』

あかり「へぇぇ…

京子ちゃん、凄いんだねぇ…」

結衣(ということは、京子も相当不安なハズだ

おそらくちなつちゃん以上に…


京子、頑張れ!)

続きは深夜にします

なかなか終わりませんねぇ


――――――――――

ミラクるん「あら?」

ともこ「うう…

あかねちゃん…私1人でも頑張るからね…」キョロキョロ

ミラクるん「うふふふ!

絶好のカモね!
私の力の前には誰だって無力だということを教えてあげるわ☆

くらいなさい!

ミラクるん・ドンキ!」


ズ ド ン !


ともこ「!?

また身体が…!」

ミラクるん「見えてしまっていることが、逆に恐怖でしょ?」スタスタ

ともこ「しまった!」

ドンドン

ミラクるん「はい爆弾
これで詰みね♪」

ともこ「あなたがこの能力者ね…」

ミラクるん「知ったところで遅いわ


サヨナラ☆」


ガクンッ!

ともこ(身体が動く!

タイムストップ中に置いた爆弾は、能力解除後にカウントされるみたいね…

ならまだよ!)

ドカッ!

ミラクるん「!」

ゴロゴロゴロゴロ!

ミラクるん「爆弾を蹴り返した!?」

ドゴーン!

ミラクるん「きゃあ危ない!!!」

ともこ「やった脱出した!
今のうちに逃げないと…!」タタタッ

ミラクるん「ああ待ちなさい!

くっ!この能力は連発出来ない…!

逃したか…」

西垣『これは吉川(姉)選手見事!

対処出来ないと思われていた『タイムストップ』から逃げ出せた!』

ともこの『特殊能力』

【キック】

隣接した爆弾を一直線に、モノ(人、壁、爆弾)に当たるまで蹴り転がすことが出来る

蹴りたい爆弾の進行方向のすぐ隣にモノが置いてあると、その爆弾は蹴ることが出来ない

転がしている間にも爆弾はカウントされる


西垣『妹がグローブで姉がキックとは面白いな』

向日葵「そう言えば、櫻子も撫子さんも花子ちゃんも、『相手に触れる』系の能力でしたわね

姉妹で共通点があるみたい…」

結衣「なるほど
あかりは『透明』、あかねさんは『火柱』を『身に纏う』能力か」


――――――――――

京子「タイムストップは二回目だけど、誰かやられてはいないみたいだね」

ちなつ「タイムストップから逃げられる能力もあるんでしょうか…?」

京子「うーん…」

タタタッ

京子「ん?」

ドカッ!

綾乃「きゃっ!?」ドテッ

京子「うわっ!?」ドテッ

綾乃「とっ歳納京子!?

ごめんなさい!」

京子「綾乃?ごめん私もボーっとしてたよ」

綾乃「あっ、歳納京子、服に汚れがついてるわよ」パンパン

京子「ほんと?
サンキュー」

綾乃「いいのよ、私のせいだし」

京子「気にすんなよ~」

綾乃「うふふ」

ちなつ「あの…

お2人さん?」

京子「ハッ!

て、敵!
綾乃覚悟!」アワアワ

綾乃「とととと歳納京子覚悟!」アワアワ

ちなつ「緊張感ないなぁ…」

綾乃「まずは距離を離さないと…」タタタッ

京子「あっ!逃がすか!」タタタッ

ちなつ「京子先輩!

がむしゃらに追いかけるのは危険ですよ!」タタタッ

ちなつ「えっ?」

スタタタタタッ…

ちなつ「えぇっ!ちょっと!

2人とも足速すぎでしょ!
待って…


待ちなさいコラァ~!」タタタッ

綾乃「歳納京子

吉川さん遅れてるわよ?」タタタッ

京子「すぐ来るよ

それに綾乃のペア、さくっちゃんの姿が見えないのが不気味でね

綾乃を私たちが追い詰めたと思ったら、隠れてたさくっちゃんに挟まれる可能性もあるから、この行動は間違ってはいない!」タタタッ

綾乃「流石に頭の回転は早いわ…

それでこそ歳納京子!

でもね!」ザッ

京子(止まった?攻撃が来る?

いやしかし、こんな壁が全くないところに爆弾を置いたところで…)ピタッ

綾乃「安心して、大室さんはいないわ

訳があって別行動を取ってるの」

京子「ふぅん…?

確かに2人一緒に行動すると、一気にやられる可能性があるから別行動もありとは思ったけど…

それじゃあ私とちなつちゃんの2対1になっちゃうよ?」

綾乃「それも安心して


私1人でも問題ないないナイアガラよ!」

ドン

京子(爆弾を置いた?

本当にここで戦うつもりか?
それとも時間稼ぎ…)

ドゴーン!

京子「ぐぁぁっ!!!?」


西垣『歳納選手が炎に包まれた!

杉浦選手が置いた爆弾が一瞬で爆発!

予選で池田(姉)選手を倒した時と同じように、杉浦選手の爆弾は爆発のタイミングが違う…

やはりこの能力は…!』

綾乃の『特殊能力』

【リモコン】

自分が置いた爆弾を任意のタイミングで爆発させることが出来る

多数爆弾を置いても、好きな爆弾から爆発できる


結衣「やっぱりあったのか『リモコン』!」

あかり「ああぁ…

京子ちゃん…あんなにあっさり負けちゃった…」

結衣「…いや」

あかり「え?」

結衣「京子は…『まだ』大丈夫だ」

京子「ゲホゲホ!

綾乃は『リモコン』か!
こりゃ自信あるわけだ!」

綾乃「歳納京子!?

今確実に当たったはず…
どうして…?」

京子「ふふふ…」ニヤリ

綾乃「…
まさか…歳納京子は『無敵』能力者…?

そんな…そんな…」ゾクッ

京子「ヒッヒッヒ…
さあ…今度はこっちの番だ!」

綾乃「い…いやぁぁぁぁ!

来ないでぇぇぇ!!」

京子(こんなところで『特殊能力』を使ってしまったのは痛いけど…

ここは確実に綾乃を倒す!

追いかけ回してれば、いずれちなつちゃんも追いつくだろうし、焦らせれば自滅も充分にありえる!)タタタッ

綾乃「ひぃっ!
来ないで!」

ドン

京子「おっと!
同じ手はくらわないよ!」サッ

ドゴーン!

京子「さぁ綾乃!
覚悟して…」

綾乃「…」ピタッ

京子「…綾乃?」

綾乃「…

歳納京子

どうして、今の避けたの?」

京子「!」ビクッ

綾乃「…初めに赤座さんのお姉さんがやられた時、お姉さんが『無敵』能力者だと思ったわ」

京子(綾乃も気づいてたのか!)

綾乃「でもあなたが爆弾に平気だったのを目の当たりにして、あなたが『無敵』だと…」

京子「…」ゴクリ

綾乃「爆発を避けた今
どうやら違ったようね」ジリッ

京子「いやいやわからないよ!?

つい反射で避けただけかもしれなくて、私が『無敵』かも…!」ジリッ

綾乃「もう一度あなたを爆破すればわかるわ!」ダダッ

京子(や、ヤバいヤバいヤバい!!

バレた!)

京子の『特殊能力』

【残機数+1】

1試合に1度だけ、やられてもその場で復活できる


西垣『予選で船見選手に自爆戦法をしたと思ったら

吉川選手相手には逃げ回っていたのはこういうことだったのか』

結衣「最初は『無敵』だと思ったけど、本当にそうだったらあかねさんの戦法を取るはずだからなぁ」

あかり「えっ?えっ?

さっき結衣ちゃんたち、京子ちゃんの能力は強くないって言ってたよね?

でもミスしても一度は復活できるんでしょ?

凄くない?」

結衣「自分を強化する能力ではないから、常に素の力で戦うしかない

それに私の時みたいに道連れするのは確実だけど
その後はなんの力もないからな…」

あかり「そんな…」

結衣「しかも道連れも出来なくなった上に、まだ選手は沢山残ってる…

京子…!」

あかり「京子ちゃん…!」

西垣『やれやれ、お前たち2人は試合の流れも読めてないのか?』

あかり「え…?」

西垣『確かに今歳納選手はピンチだが、この状況を打破すればどうなるか…』

結衣「…?」

西垣『まぁ見ておくんだな』

綾乃「えいっ!」

ドンドン

京子「うわわわ!」ササッ

綾乃「そっちね!」ダダッ

京子「綾乃の方が足が速い!

しかも私が爆弾置いたら、直ぐに爆発させて誘爆の恐れがある!

ちなつちゃんどこ~!!?」

綾乃「スキあり!」

ドン

京子「ひええ!?」タタタッ

綾乃「そうよ…
そっちに逃げなさい…!」タタタッ

ドン

京子「なんだ…?なんで爆発させないんだ…?

しかもこの置き方…


あっ!?」

綾乃「気づいたところで遅いわ歳納京子!

後はここに置けば!」

ドン

京子「しまった!爆弾に囲まれた!

足が速い綾乃に逃げ道を誘導されてたのか!!」

綾乃「やったわ…

歳納京子!
私の勝ちよ!」

京子「うう…悔しいけど…

私の負けだよ…」

綾乃「さて、『リモコン』のスイッチを押して終わりね


…何か言い残すことはある?」

京子「う、うん…

じゃあ一つだけ…」

綾乃「なに?」

京子「映画で今と似たようなシーンってよくあるじゃん?

悪者が主人公に銃を向けてさ
さっさと撃てばいいのに、『冥途の土産だ』とかなんとか余計な事をペチャクチャ喋るシーン…」

綾乃「…あるわね

それがなに?」

京子「…今がそれだよ!」




ちなつ「チーナアッパァァァ!!!」

ボカッ!

綾乃「ば、爆弾が殴り飛ばされた!?」

ちなつ「オマケのチーナアッパー!」

ボカボカボカッ!

ドンドンドンッ!

綾乃「そんな!!?

歳納京子を囲んでいた爆弾が…
私を飛び越して…

しまった!逆に囲まれた!?逃げ道が!!」

ちなつ「助けに来ましたよ京子先輩!

行きましょう!」グイッ

京子「うん!」

タタタッ

綾乃「あああ!?待ちなさい!

くぅっ!出られない…!」

タタタッ

綾乃「そんな…そんなぁ…」ガクリ


綾乃「ふ、ふふ

負けたわ、歳納京子…

優勝しないと…許さないんだから…」

カチッ

ドゴーン!

ビーーーーッ!

杉浦綾乃、アウト


ちなつ「…杉浦先輩、自爆したんですね…」ハァハァ

京子「…」フルフル

ちなつ「…京子先輩?
どうしたんですか?

あ…もしかして怒ってます…?
すみません、追いつくのが遅くなって…」

京子「ちなちゅ!ちなちゅちなちゅ~~!!!」ガバッ

ちなつ「きゃあ!?///」

京子「ちなちゅ最高!

すっごい格好良かった!!
まさにヒーロー登場!って感じ!

王子様みたい!!
私痺れちゃった!////」スリスリ

ちなつ「は…はぁ?///」

京子「わっ、私!私ね!

ちなつちゃんがちなちゅで…!

格好良くて…!」

ちなつ「お、落ち着いて下さい…」

京子「…」スウッ

京子「ちなつちゃんがパートナーで本当に良かったよ!」スリスリ

ちなつ「どどどうも…///」
(まるで『人生のパートナー』って言われてるみたいじゃない///)

ちなつ「は、離れて下さい!///」

京子「やだやだちなちゅーーー!!!!」



ミラクるん「ミラクるん・ドンキ!!!」

ズ ド ン !

京子ちなつ「!?」

ミラクるん「まぁ~ったく…

見せつけてくれちゃって…」スタスタ

京子「ミラクるん!?

ほ、本物だ!!」

ちなつ(うわっ、本当に私にソックリ…)

すいません今日はここまでで~

ミラクるん「ま、そうやって抱き合ってくれてるおかげで…」

ドンドン

京子「あっ!」

ミラクるん「一度に2人倒せるから楽でいいわ☆」キャルン

京子「…大丈夫

あの爆弾は、タイムストップが解除されてからカウントされるはず」ボソッ

ちなつ「…はい、任せて下さい」ボソッ

ミラクるん「さよなら、幸せそうなお2人さん♪」

ガクンッ!

ちなつ「解除された!

チーナアッパー!」

ボカッ!

京子「それ逃げろ!」ダダッ

ミラクるん「ああああ!!?

ムキィ!!
もう!あなたも爆弾を動かすの!?」ダダッ

京子「『あなたも』?

てことは残りの相手…
さくっちゃんかちなつちゃんのお姉さんが『爆弾を動かす能力』を持ってるってことだね!?」タタタッ

ちなつ「冷静に推理する前にミラクるんをどうにかしましょうよ!」タタタッ

京子「え?いや~

『タイムストップ』相手に正面きって戦えないなぁ

強すぎるよ」

ちなつ「諦めが早いですよ!?」ガーン

ミラクるん(ふふふふ

逃げ回りなさい考えなさい
そうすれば次の能力が使えるまでの時間稼ぎになるわ!

次は『グローブ』でも対処しきれない程爆弾を置けばいい話よ!)

京子「一つだけ、この状況を打破する手があるんだけど…」

ちなつ「え?なにかあるんですか?

やりましょう!早く教えてください!」

京子「う、う~ん…

仕方ないか…」ザッ

ちなつ「え?止まるんですか?」ピタッ

ミラクるん「?」ピタッ

京子「ミラクるんの次の手はわかってる

恐らく『グローブ』対策に、相当の数の爆弾を置かれるよ

そうなったらちなつちゃんでも逃げられないでしょ?」

ちなつ「え…?」

ミラクるん「あらあらあら?

それがわかってるのに、逃げなくていいのかしらぁ?」

京子「逃げるのは1人でいい


…ちなつちゃん
私から離れて」

ちなつ「はぁ?」

京子「このままじゃ2人とも一緒にやられる

なら、私が囮になるから、ちなつちゃんは今は逃げて機会を持って…」

ちなつ「京子先輩…!?」

京子「もう能力のない私には、残ってもちなつちゃんの足手まといにしかならない…

それにミラクるんは厄介な能力を持つちなつちゃんより先に、私を狙ってくるはず

だから…!」

ちなつ「なっ…何馬鹿なことを…!」

ミラクるん「ちなつちゃんと言ったわね

安心して?
そこのきょーこ先輩の次は、すぐにあなたの番だから♪」スッ

京子「ちなつちゃん!
離れてっ!!」ドンッ

ちなつ「きゃっ!」ドサッ

ちなつ(なんで…?

ついさっき協力して杉浦先輩を倒したばかりじゃない

私をヒーローって言ってくれたのに、私のために犠牲になるの?

京子先輩を足手まといなんて一瞬たりとも思わなくて…
むしろ誰よりも頼りになるって思ってたのに…

ああ、頭が追いつかないや…)

ミラクるん「まずはあなたからね!」

京子「…っ!!」グッ

ミラクるん「覚悟!


ミラクるん・ドン……」




櫻子「ミラクるん、ターーーーッチ!!!!」パシッ

京子「!?」

ちなつ「!?」

ミラクるん「!?」

櫻子「よし!思い知ったか!!」アッカンベー

ミラクるん「ちょっと!なによあなた…」グググッ

ミラクるん「!?


か…身体が…重い!?」グググッ

櫻子「『ドクロの超鈍足効果』だ!」

ミラクるん「なんですって…!!!???」ノロノロ

京子「さくっちゃん…!

た、助かった…
いや、それ以上にこれはチャンスだ!

ちなつちゃん!今のうちに2人でミラクるんを倒すよ!」

ちなつ「え!?あっ
はい!」

ミラクるん「くうう!

ならばミラクるん・ドンキ!」

ズ ド ン !

ミラクるん「動きは遅くなったけど…
この能力なら逃げ切れるか…?」ノロノロ

ガクンッ!

ちなつ「タイムストップ解けました!」

京子「よし、ミラクるんを追いかけよう」

櫻子「…」ザッ

京子「…!」ビクッ

ちなつ「櫻子ちゃん…」

櫻子「…

ミラクるんはこっちです」タタッ

京子「さくっちゃん…!」

櫻子「あんなふざけた能力、残しておいても危険なだけです

さっさと一緒に倒しちゃいましょう」

あかり「どういうこと?

どうして敵の櫻子ちゃんが京子ちゃんたちに協力するの?」

西垣『でる杭は打たれる

あまりにも強い人間は、時に周りの人間に手を組まれて狙われてしまう
生存競争の結果だよ』

結衣「大室さんもそこに気がつくとは、さすがここまで残ってるだけはあるね」

向日葵「むしろサルのような動物的直感かと思いますわ」





櫻子「今なんか向日葵にバカにされたような気がする!」ムカッ

櫻子「いた!」ササッ

ミラクるん「捕まらないわよ!

ミラクるん・ドンキ!」

ズ ド ン !

ちなつ「また使われた!
これで5回目です

探してる間に能力をリロードされちゃあキリがありませんよ」

京子「大丈夫大丈夫
考えがあるんだ

ねっ、さくっちゃん」

櫻子「はい!歳納先輩」

ちなつ「え?

な、なにが?

櫻子ちゃんにはわかるの?
なんか悔しい…」

京子「ミラクるん発見!」

ミラクるん「しつこ~い!

ミラクるん・ドン…はっ?」クルッ

ミラクるん「外壁…
しまった…ここは端っこ

逃げる方向を誘導された!」

京子「そしてここに爆弾を置いて詰みだミラクるん!」

ドン

櫻子「こっちにも爆弾!」

ドン

ミラクるん「どこが詰みよ?

あなた達の火力は見切ってあるわ、そんな遠くに置いたって私には届かない

爆発した後で『タイムストップ』でまた逃げて見せるわ!」

ビビィーーー!

ミラクるん「…?

この音は?

誰かがやられた音じゃないわね…」

京子「ミラクるん!

時間を止めすぎて自分の体内時計が狂ったな!

今が試合開始何分後かわからないだろう!」

ミラクるん「え?

………

しまった!」

ヒュルルル

ミラクるん「か、壁が落ちてくる!

逃げ…逃げたら爆発に当たる!?
タイムストップで…間に合わない!

きゃああああ!!!」


ズシーーーーン!
プチッ

ビーーーーッ!

ミラクるん、アウト


西垣『素晴らしい作戦だ!

爆弾ではミラクるんを倒せないと考え、試合終了5分前に壁が落ちてくる端にミラクるんを誘導したわけか』

ズシーン!ズシーン!

京子「うわわ!とりあえず私たちも避難しよう!」

櫻子「ひぇぇぇ!」

ズシーン…ズシーン…

京子「ふぅ…

中央までくれば一安心…
でもしばらくはこの壁の雨は止みそうにないな…」

櫻子「ですね、でもこのままボーっとしてる時間もありませんし…」

ちなつ「…」ゴクリ

タタッ

ともこ「危ない危ない
急に壁が降ってくるんだもの
隠れてる場合じゃないわ…」ハァハァ

ちなつ「あっ」

ともこ「あらちなつ?
無事だったのね」

京子「…残るは4人か…
ずいぶん減ったなぁ…」

櫻子「…」チラッ

ともこ「…」コクッ

京子「さてさて、もう時間もないし、ラストバトルと行きますか…」

櫻子「ですね、歳納先輩」ギロッ

ともこ「そうね、ちなつ」スッ

ちなつ「え?」ビクッ

京子「さくっちゃん…?」

櫻子「私が2人にマイナス効果をつけます!

お姉さんはその後に攻撃して下さい!」ダッ

ともこ「任せて!」ダッ

京子ちなつ「えぇっ!?」

結衣「な、なんだ!?

急に大室さんとちなつちゃんのお姉さんが、何も言わないのに手を組んだぞ」

西垣『大室(次女)選手、さっきのミラクるんの時と同じように
とっさの状況判断に強いようだな』

結衣「そうか!
今は京子とちなつちゃんが唯一のペアだから、大室さんとちなつちゃんのお姉さんには強敵なんだ…!

2対1対1じゃなくて、2対2の状況を作り出したのか」

あかり「強い方が狙われるって、凄い試合だねぇ」

結衣「それだけじゃない
おそらくコレで京子かちなつちゃんどちらかが負けたとする」

あかり「そうなると1対1対1になるんだよね?」

結衣「いや、残り時間が少ないから確実に倒せる相手は倒したいはず

だから大室さんとともこさんペアはまだ解散しない

今度は1対2で京子かちなつちゃんに襲いかかるぞ!」

あかり「そ、そんなぁ!」

結衣「ここにきてペアであることが不利になるとは…!」

ともこ「ええいっ!」

ドン

ゴロゴロゴロ

京子「爆弾を転がす能力か!
ちなつちゃん避けて!」

ちなつ「きゃっ!」

ドゴーン!

ちなつ「危な…
私と似た能力を…

京子先輩、無事ですか?」

京子「うん…なんとか…」

櫻子「ちなつちゃん隙あり!

タッチ!」パシッ

ちなつ「なっ……!?」

京子「ちなつちゃん!」

櫻子「くふふ…
これでちなつちゃんもマイナス効果だ!」

ちなつ「マイナス効果…?」

櫻子「そだよん!

爆弾垂れ流し
超鈍足
爆弾が置けなくなる
火力最低化

この4つのどれかをランダムでちなつちゃんに付けたのさ!」

ちなつ「ええええ!?」

京子「ちなつちゃん!どの効果かわかる!?」

ちなつ「え?え?

垂れ流してはいないですし、動きも普通…

なら…





…………」

ちなつ(…ということは…?)

スカッ

ちなつ「あれ?」

スカッスカッ

ちなつ「爆弾が……


置けない…?」

櫻子「あ~りゃりゃご愁傷様
こりゃ戦力外通告?」

ちなつ「ぐぅっ…!」

櫻子「ちなつちゃん覚悟!」

ドン

京子「ちなつちゃん!」

ちなつ「甘い!
爆弾が置けなくたってぇ!!」

ボカッ

櫻子「爆弾を殴り飛ばした!?」

ドゴーン!

櫻子「やっかいな能力だなぁ…
なら、今度は歳納先輩だ!」

京子(ヤバっ!
既になんの能力も持ってない私にマイナス効果はヤバい!

ちなつちゃんはグローブのおかげでしばらくは安全だから…)

京子「ここはいったん逃げるしかない!」ダダダッ

櫻子「逃がしませんよ!

お姉さん!私は歳納先輩を追いかけます!

ちなつちゃんをよろしくです!」

ともこ「わかったわ!」

櫻子「…おっと
その前に…」クルッ

ともこ「…?

ど、どうしたの?」

ともこ(まさか、私にもドクロを付ける気…?)ジリッ

櫻子「お姉さん

誰?」

ともこ「え?」

櫻子「ちなつちゃんに似てるし、ちなつちゃんのことを知ってましたよね…?」

ともこ「それはそうよ
だって私は…」

櫻子「あっ!

わかった!

未来から来たちなつちゃんでしょ!!」ズバリ

ともこ「どうしてそこで『姉』だと思わなかったの!?」




向日葵「バカ櫻子…
今まで格好良かったのに台無しですわ…」

ちなつ「あのねぇ櫻子ちゃん…
この人は私のお姉ちゃんよ」

櫻子「ええ!!?マジ!?

そりゃビックリ!」

ともこ「未来から来た方がビックリするわよ…

はじめまして
吉川ともこです」ペコッ

櫻子「えへへ、大室櫻子です!

あっ!歳納先輩追いかけなきゃ!
待てぇ~い!!!」ダダダッ

ともこ「…」ポカーン

ちなつ「…」

ともこ「…なんか…凄い子ね…」

ちなつ「…うん…なんか…ごめん…」

ちなつ「じゃなくて!
私も京子先輩を追いかけなきゃ!」

ゴロゴロゴロ

ちなつ「!」

ともこ「先へは行かせないわよ」

ちなつ「無駄よお姉ちゃん、私の能力はグローブ
爆弾の1個や2個じゃ私は止まらない…」

ドンドンドンドン!

ちなつ「!?」

ともこ「ならご希望通り…
爆弾を増やしてあげる

予選と決勝で隠れ続けられたから、アイテムは沢山拾えたの」ニコッ

ちなつ「…上等…!」

京子「ハァハァ…ここまでくれば…」タタタッ

櫻子「いた!歳納先輩発見!」ダダダッ

京子「うわ!さくっちゃん速すぎ!
フィールドが狭くなってるから逃げ切れないか!

クソッ!
爆弾で距離を稼ぐしか…」

ドンドン

櫻子「ふふん
そんな悪あがき」ヒョイヒョイ

ドゴーン!

京子「軽々と避けられた!?」

櫻子「ほい、追いつきましたよ」ザッ

京子「う……うぅっ…」タジタジ…

京子「まさか…さくっちゃんがこんなに強いなんてね…」

櫻子「そうですか?
私はそうは思ってませんけどね」

京子「え?」

櫻子「だってこの『ドクロ』、わざわざ相手に近づいて触らないと行けないんですよ?

危なすぎじゃないですか
それに相手を弱くするだけで、私自体はなんの強化もされませんから、内心不安でいっぱいでしたよ」

京子「…私の能力も似たような感じかな…」

櫻子「だから私はこの能力を最大限に活かすために、スピードup以外のアイテムには目もくれないで素早さだけを上げました」

京子「…そう言えば綾乃と別行動をとってたのは…?」

櫻子「『ドクロ』も『リモコン』も、ペアで行動すると効率が悪いですし

何より一番危険なミラクるんに『ドクロ』を付けたかったんです」

京子「凄いね…それをさくっちゃんが考えたの?」

櫻子「え?杉浦先輩の作戦ですよ」エッヘン

京子「そ、そう…」

櫻子「ま、その作戦のおかげでこうやって歳納先輩にも勝てますし

はい、タッチ」パシッ

京子「!!」

櫻子「さて、どんな効果かな?」ワクワク

京子「…私の能力で優勝出来るとは最初から思ってなかった…」

櫻子「?」

京子「マイナス効果が何かわからないけど、こうなったらさくっちゃんも道連れにする!」

櫻子「なっ!?」

京子「もう少しでここは壁が降ってくる場所だ!

私に触れるために近づいてくるのを待っていたのさ!」ダッ

櫻子「うわぁぁ!

来るなぁぁ!」

京子「…」ノロノロ

櫻子「…」ヒラリ

京子「…あれ?」ノロノロ

櫻子「…」ヒョイ

京子「あれ?さくっちゃん?
身体が重いよ?」

櫻子「…『超鈍足効果』ですね…」

京子「しまったぁぁぁ!!!!

ここまで来てさくっちゃんを捕まえられない!!!」ノロノロ

櫻子「な、なんかラッキー!」

京子「爆弾で自爆も、さくっちゃんを壁に潰すことも出来ない…!」

櫻子「はぁ…
なんか拍子抜けですね…」

ドン

京子「ううっ!」

櫻子「この爆弾で歳納先輩はアウト

後は爆弾が置けないちなつちゃんを倒して、ともこさんとバトルか…」

京子(こんな所でアッサリやられるなんてね…

格好良く、さくっちゃんを道連れにするつもりだったのに…

あぁ…ちなつちゃんと2人で優勝したかったなぁ…

ごめんね、ちなつちゃん…)


キョーコセンパーイ!


京子「…ん?」

櫻子「おや?」

ちなつ「京子先輩!!!」ダダダッ

ともこ「ちなつ!待ちなさい!」ダダダッ

京子「ちなつちゃん!!!?」

ちなつ「京子先輩!待ってて下さい!
今その爆弾をどかしますからね!!」

京子「ちなつちゃん!
もう間に合わないよ!」

ちなつ「ダメです!

京子先輩は私が絶対助けますから!!」

京子(マズい!このままだとちなつちゃんがここに来た途端に爆発しちゃう!

ちなつちゃんが巻き添えに…!)

ともこ「行かせないわ!」ザッ

ちなつ「どいてお姉ちゃん!

私が京子先輩を…京子先輩を!」

櫻子「おっとっとちなつちゃん!
私もいるよん!」ザッ

ちなつ「くっ…!」

京子(良かった…これでちなつちゃんは間に合わない…

爆発に巻き込まれないで済む…)

京子「ありがとうちなつちゃん…

最後にちなつちゃんの顔が見れて良かった…


大丈夫、ちなつちゃんなら優勝出来るよ…」

ドゴーン!

ちなつ「京子先輩ぃぃーーー!!!!」

ビーーーーッ!

歳納京子、アウト


ちなつ「あ…あぁ…

京子先輩…」ペタリ

櫻子「残るは3人!」

ともこ「立ちなさいちなつ、まだ終わってないわ」

ちなつ「…お姉ちゃん…」

櫻子(今ならちなつちゃんを倒せる…!)

ドン

櫻子「!?」

ともこ「悪いけど櫻子ちゃん、私はあなたを狙うわよ!」

櫻子「えぇっ!?」

ともこ「ちなつを倒すのは簡単…
なら今私にとって脅威になるのは『ドクロ』を持ってる櫻子ちゃんだけ!」

櫻子「せっ、戦略的撤退!」タタタッ

ともこ「『キック』能力者に背中を見せて逃げるのは得策ではないわね」

ドカッ

ゴロゴロゴロ

櫻子「うわぁ!危なっ!」ササッ

ドゴーン!

ともこ「フィールドが狭くなった分、隠れる所も少ないから狙い撃ちよ!」

ゴロゴロゴロ

ドカッ

ゴロゴロゴロ

櫻子「ひぃぃぃ!

火力も爆弾数も多い上に爆弾を転がせるなんて近づく隙がない!」

櫻子「いったんここで様子を見るか…

ここなら蹴った爆弾は通り過ぎるはず…」コソコソ

ともこ「…」ピタッ

ともこ(通路奥じゃなくて、手前からチラチラ様子を見てるわね…)

ともこ「…なら」

ドン


ちなつ「…?

お姉ちゃん、爆弾蹴らないで何を…」

ともこ「…」

ちなつ「ば、爆発しちゃうよ?」

ともこ「今よ!
えいっ!」

ドカッ

ゴロゴロ

櫻子「こりないなぁ、どうせその爆弾は…」

ドゴーン!

櫻子「うわぁぁぁぁ!!!!?」

ちなつ「!
櫻子ちゃんを通り過ぎないで、目の前で爆発した!?」

ともこ「簡単なことよ

爆発するタイミングが読めれば、転がしてる好きな所で爆発させることが出来るわ

1人でいる時間が長かったから、いくらでも練習する時間があったのよ」

西垣『ボンバーマンの基本戦術だな

相手からすれば急に転がってきた爆弾が目の前で爆発する、恐ろしい手だ』

ビーーーーッ!

大室櫻子、アウト


ズシーン…

ズシーン…


ともこ「…壁が降ってくるの、止まったわね」

ちなつ「…うん」

ともこ「フィールドもほとんど埋まって、狭い通路が少しだけになっちゃった」チラッ

ともこ「あと1分…」

ちなつ「どうするの?私は爆弾置けないよ?」

ともこ「考えてあるわ…

お姉ちゃんと純粋に勝負をしましょう

私が爆弾を1個置いて、私がキック、ちなつがグローブで爆弾をラリーするの

爆発するまでに、相手がやられる爆発圏内に押し込んでいた方の勝ち

面白いでしょ?」

ちなつ「…なによ

お姉ちゃんにしては格好良い決着の付け方じゃない」クスッ

ともこ「ふふっ

ありがと、ちなつ」

ちなつ「最後の相手がお姉ちゃんでよかった」

ともこ「えぇ…私もよ」

ちなつ「じゃあ私、ちょっと離れるから
いつでも爆弾置いていいよ」

結衣「…」ドキドキ

あかり「…ど、どうなっちゃうの?」ドキドキ

結衣「つ、次で勝負が決まるんだよ…」

あかり「でも、ともこさんの爆弾、火力高かったよねぇ

2人とも負けちゃうかも…」

結衣「見た感じ通路の端から端までは届かない程度だったから、無茶をしなければ大丈夫だよ」

あかり「ともこさんが爆弾を2つ置いたらどうなるのかな…」

結衣「それはないよ
『グローブ』は爆弾を飛び越せるけど
『キック』は爆弾を飛び越せない

ともこさんの前に爆弾が2つあったら詰みだから、爆弾を2つ置くのはありえない

ともこさんは爆弾を1つしか置くことが出来ないんだ」

ともこ「先に言うけど、お姉ちゃんは爆弾をすぐに蹴るから安心して?

さっきみたいにタイミングを計ったりしないから」

ちなつ「…ふぅん

余裕ってわけ?」

ともこ「違うわ

私はちなつと純粋に勝負がしたいの
どっちが勝つかは時の運でいいわ」

ちなつ「…私はお姉ちゃんと違って、爆発の正確なタイミングは読めないよ

だから私もすぐに爆弾を返すね」

ともこ「あらぁ楽しみ」

ちなつ「でもね

私は『確実』に勝ちたいの!」

ともこ「…ふふっ」

ドン

ともこ「やってみなさい!」

ドカッ

ゴロゴロゴロ

ちなつ「チーナアッパー!」

ボカッ!

結衣「ともこさんもちなつちゃんも直ぐに爆弾を返した!」

あかり「これじゃあ勝負は運次第だね!」

ちなつ(…そう思わせるのが私の作戦!

みんな驚くといいわ!!)ダッ

ともこ「!?

飛ばした爆弾を追いかけて来た!?」ギョッ

結衣「ちなつちゃん!?なんのつもりだ!

ともこさんが蹴る爆弾の前に行けば、確かにともこさんは蹴れなくなるけど…!」

あかり「まさかちなつちゃん、道連れにする気!?」

ともこ「ちなつ!?

まさかお姉ちゃんと一緒にやられて、決勝戦を再戦するつもり!?」


結衣「そうか!

再戦に持ち込んで、今度はドクロにやられずに『確実』に勝つように計画を立てるんだな!」


ともこ「ちなつ…そこをどいて
再戦がどういうことかわかる?

今度は対策を立てたあかねちゃんや、ミラクるんと戦うのよ?」

ちなつ「…道連れも再戦する気も

はなっから無いわ」

ともこ「じゃ、じゃあ、そこをどいて…」

ちなつ「もちろんどくよ」

ともこ「…?」

ちなつ「ただし





爆弾は置いてくね」

ドン

結衣「えっ?」

あかり「えっ?」

西垣『えっ?』


ともこ「………えっ?」

西垣『ななななんと!?

吉川(妹)選手が爆弾を置いて
吉川(姉)選手を閉じ込めたぞ!?』

結衣「ちなつちゃんは『ドクロ』で爆弾が置けないはずだ!!!」

あかり「どどどうしてぇ!?!?」

ともこ「ちなつ!?!?

こ、これはいったい…!?」

ちなつ「ごめんねお姉ちゃん
私、みんなに嘘ついたの」

ともこ「え?」

ちなつ「櫻子ちゃんに触られた時、とっさに

嘘の『マイナス効果』にかかったふりをしてみたの

本当は『火力最低化』だったのよ

さっきお姉ちゃんが櫻子ちゃんと戦ってるときに、爆弾が置けることを確認したわ

落ちてくる壁に直ぐ潰されるように爆弾を置いたから、誰も気がつかなかったでしょ?」

ともこ「そんな!?

爆弾を置けなくなるフリをしてなんの意味があるの!」

ちなつ「なんの意味?

こうやってお姉ちゃんを騙して、勝った結果は理由にならない?」

ともこ「でも!


う…

…そう…ね…」ガクッ

ともこ「ちなつ…」

ちなつ「ん?」

ともこ「私の負けよ…

優勝おめでとう…」

ちなつ「ありがとう、お姉ちゃん」

ともこ「あぁ…勝って…
あかねちゃんとデートしたかったわ…」

ドゴーン!

ピピーーーーーッ!


吉川ともこ、アウト


吉川ちなつ、歳納京子ペア

【【【優勝】】】

ワァァァァァァァ!!!


西垣『おめでとう!

吉川(妹)選手!
歳納選手!』

結衣「ちなつちゃん!」タタタッ

ちなつ「結衣先輩っ!!」

結衣「ちなつちゃん凄いよ!
私たち、応援席のみんなも騙されちゃった!!」

ちなつ「えへへへぇ~///」テレテレ

あかり「ちなつちゃぁぁぁん!」ギュウウ

ちなつ「あかりちゃぐぇぇ!」

あかり「うわぁぁんちなつちゃん良かったよぉぉ!!!

優勝おめでとう~~!!」ワーンワーン

ちなつ「く、苦しい…
もう、どうしてあかりちゃんが泣くのよ!」

京子「ちょっとちょっと!

私も優勝者なんだよ!?」

あかり「あ、京子ちゃん」

結衣「お前、最後ふっつーに大室さんに負けてたよな」

京子「おいっ!酷いよ!」

結衣「冗談だよ
京子、おめでとう

言っちゃなんだが、よくあの能力であそこまで戦えたよ」ナデナデ

あかり「京子ちゃんのひらめきがあったからこそだね!

京子ちゃんもすっごく格好良かったよぉ!」

京子「おぉ…///もっと誉めるがいいさ…///」

櫻子「杉浦先輩!
ごめんなさい負けちゃいました!」ドゲザ

綾乃「ちょちょっ!頭上げて大室さん!

あなたは本当に凄かったわ!す、素敵だったわ!」

櫻子「…本当ですか!?」ペカッ

向日葵「正直、私も感心しましたわ

櫻子…
えっと…格好良かったですわよ…///」

櫻子「おぉ…!」

撫子「うん、私も、もしかしたら櫻子が優勝するんじゃないかって思った

良くやったね」

花子「櫻子凄いし!
帰ったら花子とボンバーマンやるし!」

櫻子「おおおおっ!!?
なんかテレますなぁ…////」

千歳(土下座してる大室さんを囲んで誉めてる…

シュールな図やなぁ…)

ともこ「あかねちゃんごめんなさい…

私、負けちゃった…」シュン

あかね「気にしないでいいのよ

ちなつちゃんに騙されていたとは言え、ちなつちゃんにも勝てるチャンスをあげたともこも良くやったわ

立派よ」

ともこ「あかねちゃん…」ジーン

あかね「ふふっ

ともこにご褒美をあげないとね

明日でいいかしら?」

ともこ「…?
なんのこと?」

あかね「デート
私としたかったんじゃないの?」

ともこ「…え?」

あかね「ともこ、ちなつちゃんに負ける前に言ってたわよ」

ともこ「…私、口に出してた?」

あかね「ええ、はっきりと」

ともこ「……はぅ…/////」プシュー

あかね「でも優勝してないのに、ともこの願いを聞くのもおかしいかしら…」

ともこ「おっ、おかしくないわ!

これは優勝とか関係なく!
私個人のお願いよ!
デート!
デートしたいです!////」グィッ

あかね「そ、そう?
わかったから落ち着いて…」

りせ「…」

ミラクるん「…

なによ

裏切っておいて負けてやんのって思ってるんでしょ?」

りせ「…」フルフル

ミラクるん「ふんっ

見てなさい、次は絶対優勝してやるわ!」

りせ「…」

ミラクるん「あなた!次は私のパートナーにふさわしい能力で参加しなさい!

また2人で決勝に行くわよ☆」

りせ「…!」コクコク

本当あと少しなんですが、続きはまた…

西垣「歳納、吉川

お疲れ様、そしておめでとう
いいボンバーマンだったぞ」

ちなつ「いいボンバーマンってなんですか…」

西垣「さっそくだが、優勝者は誰にでもなんでも命令できる

まずは吉川から、誰に命令する?」

ちなつ「…」

京子「ちなつちゃんの願いは決まってるじゃ~ん

結衣~、覚悟した方がいいぞ~?」ニヒヒ

結衣「え、私か?

お…お手柔らかに頼むよ…」ハハ…

ちなつ「…京子先輩」

京子「…え?」

ちなつ「京子先輩、どうして試合が終わってから、私と目を合わせてくれないんですか?」

京子「え、あ

その」

ちなつ「答えて下さい」ジロ

京子「あう…
えっと…

私、大した能力でもないのに…

ちなつちゃんに色々と偉いこと言っちゃってさ…」

ちなつ「言いましたねぇ」

京子「うっ…あと、格好いいとこ見せようと、色々無茶もした…かな…」

ちなつ「しましたねぇ

私を助けるとか言って、突き飛ばしましたよねぇ」

京子「ち…ちなつちゃん…


あの、怒ってる…?」ビクビク

ちなつ「怒ってますねぇ

あげくの果てに、私からさっさと離れて櫻子ちゃんに負けてましたよね?

能力もないのに

私から離れましたよねぇ?」

京子「あ、あれは、爆弾置けなくなったちなつちゃんが2人がかりで狙われないために…
とっさに…」

ちなつ「グローブ持ってる私が狙われるとでも?」

京子「あの時はいっぱいいっぱいで…

ちなつちゃんを守りたくて…
でも結局カッコ悪かったからさ…ちなつちゃんに申し訳なくて…

ちなつちゃんの顔を見るのがつらくて…」

ちなつ「またそんなコトを


私の願いを言います

京子先輩!

目を閉じて歯を食いしばって下さい!!」

京子「ひっ!?」ビクッ

京子(た、叩かれる!!)ギュッ










チュッ








京子「……………ふぇ?」パチクリ

ちなつ「…ふんっ!
こんなもんで許してあげます!////」

京子「え?へ?////

今、なんかほっぺにチュッって////
ちなつちゃん?////」カァァァ

ちなつ「知りません!

とってもとっても格好良かったくせに、急に情けなくなった京子先輩なんか知りません!」プイッ

京子「ゆゆ結衣!?

今今ちなつちゃん私になにしたの?///」

結衣「…私も知らん///」

あかり「はわわ…///
あかり、なにも見てないからね///」

京子「…でも、ほっぺに、ちなつちゃんの

急にちなつちゃんの髪の匂いがしたと思ったら

チュッって///


はぅぇぇ…////」プシューー///

結衣「京子!?」

京子「…」グッタリ

結衣「ダメだこりゃ、すっかり茹でダコみたいになってる

先生

すみませんが、京子の願い事は明日でいいですか?」

西垣「ん?構わないが、そんな時間があるかな…」

結衣「え?」

西垣「今日は第1回目だと言ったろう?

第1回があるなら第2回もあるんだ

明日は選手をシャッフルした第2回

明後日は新しい能力やアイテムを追加しての第3回

明明後日さらにそれをシャッフルした第4回

まだまだ毎日続くからな」

ちなつ「…は?」

西垣「そういうことだ

今日はもう解散しよう
各自明日に備えて休むように!」





………


………………


ちなつ「身体がもちませんっ!!!!」





終わり

終わりました!

ありがとうございます

また近いうちにゆるゆりで何か書くので、よろしくお願いします

m(_ _)m

>>66
大事な部分名前間違ってました、訂正


綾乃「ご、5分?

序盤のアイテム集めと敵探しだけでも、普通10分は掛かるわよ?」

千鶴「そんなの関係なかった

Cブロックはあまりにも一方的な展開過ぎて、私たちはあの人から逃げ回ることしか出来なかったんだ

あんなの…反則だよ…」

千歳「『あの人』?」

千鶴「うん、赤座あかねさん

断言出来るよ
優勝はあの人以外ありえない」

綾乃「…」ゴクリ

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