キョン「石焼イモ」 (21)

昔書いてエタらせてしまったssのリベンジです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456668433

キョン「寒いな…」

ハルヒ「そ、そうね」

秋に入り、学校が終わる頃にはもう日は沈んでいた。

太陽の暖かさが何処かへと引っ込んだ公園に、俺とハルヒは二人でベンチに腰掛けていた。
我慢できないほどじゃない、でも、少し冷える秋の風が俺たちの間に吹きすさぶ。

キョン「……」

ハルヒ「……」

クソっ、なんでこういう時に限ってしゃべらないんだこいつは。 いつもは頼まなくても勝手にガトリングガンの如く喋っているというのに

キョン・ハルヒ「なぁ「ねぇ」」

キョン「…な、なんだ?」

ハルヒ「え!? え、ええと、星、綺麗よね」

キョン「ん? ああ、確かに星が良く見えるな」


秋の夜空は良く澄んで星が綺麗だった。 周りの木々のざわめきとあいまって少し落ち着く。

いつからだろうか……俺がハルヒに魅かれていったのは。

キョン「……」

初めはその傍若無人と言ってもいい振る舞いに目をひそめたりもした。 それからもハルヒは変わらず、自由気ままに、傍若無人に、奔放に走り回る…ハルヒのままでい続けた

いつからだろう

俺がハルヒを好きになったのは


キョン「…ハルヒ」ギュッ

ハルヒ「ふぇっ! ちょ、ちょっとあんたなななに手なんか握ってんのよ!! そそ、それになんか近いわよ」

いつからなんて、俺には分からない
いつの間にかハルヒに魅かれ、いつの間にかハルヒを好きになっていた

キョン「ハルヒ…」ギュッ

ハルヒ「ふえっ」

ハルヒを抱きしめる。 ハルヒの匂いが、俺の鼻腔をくすぐる

キョン(初めてかもしれないな…こんなに近くでハルヒの匂いを感じるのは)

ハルヒ「あああああんた、なな「好きだ」 」

ハルヒ「ふえっ?」

キョン「好きだ、ハルヒ。 俺はお前のことが---涼宮ハルヒのことが、好きだ」

ハルヒ「っ!」

何故だろうか、今までずっと言えなかった言葉が…今は何度でも言える気がする 。

ハルヒ「……」

キョン「……」

静寂がその場を満たす 。
今になって不安になってくる 。
ハルヒが俺の告白を受けてくれなかったら。ハルヒが…ハルヒがーー

ハルヒ「……私も」ボソッ

キョン「えっ?」

ハルヒ「私も…あんたのことが好きって言ったのよっ…この、バカキョン!」

キョン「…ハルヒ……ハルヒっ!」

ハルヒ「あっ」

思わずハルヒの体を抱き寄せる。

秋の夜風に冷えた俺の体はハルヒの暖かさを十二分に伝えた。

ハルヒと顔を見合わせる。
ハルヒの頬が紅くなってるのは、この夜風のせいだろうか

ハルヒ「……」

キョン「……」


ハルヒが、目を閉じたーーー

キョン(っ、心臓の音ってこんなにうるさかったのか?)

キョン(もう少しでハルヒの唇にーー)

高鳴るこの胸と、唇を潤し、近づいたその時---。




『石焼イモ〜おイモおイモおイモおイモ、おイモだよ~~』





……焼イモ屋のいやにのんびりした声が、焼き芋の美味しそうな匂いとともに夜空を駆けていった

キョン「…」

ハルヒ「…」




ハルヒ「……っ、ぷっ、あははは!」

キョン「……はぁ」

堪えきれずに笑い出してしまうハルヒと、ため息をつくしかない俺。

キョン「さっきまでいい雰囲気だったというのに…」

ハルヒ「本当にそうよ! あーあ、あんなに緊張したの人生で初めて」

俺としてはかなり残念なのだが、ハルヒは緊張から解放されたてハイになってるのか、別にそうでもないようだった

キョン「なんだか雰囲気じゃないな……すまないと思うがまた次のっーー!」

機会に、と言おうとした俺の唇をハルヒの唇が、問答無用に塞いだ 。

ハルヒ「ーーー」

キョン「ーーー」

いったいどの位の間唇を合わせていたのか
永遠のように続くと思えるほど濃密な時間だった

ハルヒ「ーープハっ」

キョン「っーー、ハ、ハルヒ?」

ハルヒ「えへへ、初めてのキス、しちゃった」

キョン「ーー!!」

ヤバい--これは反則だろ可愛すぎるだろおい神様。

キョン「ハ、ハルヒ「あ、そうだキョン」」

キョン「な、なんだハルヒ?」

ハルヒ「焼き芋の匂い嗅いでたらお腹ぎ空いてきちゃった。 雰囲気を壊した罰として買ってきなさいよね!」

やはりハルヒはハルヒだった 。

キョン「雰囲気を壊したのは俺の責任では無いと思うんだが」

ハルヒ「いいから買ってきなさい! これは団長命令よ!」

キョン「はいはい」

なんだかんだ何時ものような感じに戻ってしまった。

だが--やっぱり、俺はハルヒの笑顔を見ると逆らえないようだ。






16歳の夜、俺とハルヒは恋人になった。













2年後




ガチャ

古泉「おや? あなたもいらしてたんですね?」

キョン「あぁ。 ここに来るのももう最後なんだなと思ってな…」

古泉「僕たちも、もう卒業……ですね」

キョン「……」

思えば色んなことがあった。
ハルヒと付き合ってからも冒険じみたことは変わらず起きた。

キョン「お前の仕事ももう終わったんだろ?」

古泉「はい。 前から段々弱くなってきたんですが、今日、この卒業式を迎えて僕たちの超能力は完全に消え去りました」

古泉「これで…僕たち、いえ、涼宮さんも開放されました」

キョン「開放…か」

古泉「えぇ開放ですよ。 元々彼女一人に背負わせていいようなことではなかったんです」

ある事件を境にハルヒの能力は古泉達の超能力も綺麗さっぱり消失していた 。

その事件でハルヒが自分の能力を自覚してしまいこれまでで一番の地球の危機が起きたのだが、まぁなんやかんやあって今は無事に卒業式を迎えられた。

キョン「ハルヒはどこ行ったんだ?」

古泉「長門さんと一緒に、見学に来てくれた鶴屋さんと朝比奈さんにあってますよ」

キョン「そうか」

去年卒業した鶴屋さんと朝比奈さんは、わざわざ大学を休んでまで俺たちの卒業式に来てくれた。

本当に、ありがたい話だ。

古泉「長門さんも嬉しそうでしたよ。 こんな事を言うのは失礼ですが、あの長門さんがあんな顔をするなんて思いもしませんでした」

キョン「そうだな。 長門も、ハルヒも……色々変わったな」

朝比奈さんや長門も今ではただの人間に戻っていた。

未来人や宇宙人も例外なく能力を失い、朝比奈さんは現代に残りただの大学生として、長門は人間になりただの女の子として生きている。



非日常を望んでいたハルヒが最後に望んだのは、当たり前のように友達と過ごしていく日常だった。

古泉「はい。 鶴屋さん主催の卒業パーティに置いてかれてしまいそうですからね」

キョン「卒業式の日にまでハルヒを怒らせたくないからな」

キョン「……」

最後に、SOS団の部室を目に焼き付け、部屋を出た。

---
--


ハルヒ「パーティー楽しかったわねキョン!」

俺の部屋でハルヒが元気に声を張り上げる。

卒業パーティーが終わったあと、俺はハルヒを家に上げた。

キョン「ああ。 まさか長門があんなにノリノリでカラオケするとは思わなかった」

鶴屋さんの実家の座敷で行われた卒業式パーティーでは、鶴屋さんの提案で何故かカラオケ大会が開催された。

そこで長門はノリノリでJPOPを熱唱したのだった。


ハルヒ「それに最後は有希泣いちゃったのよねー。 なんていうか、あの子も成長したわね」

キョン(お前も一緒に泣いてたがな)

ハルヒ「あっ」

ハルヒ「ちょっといいキョン?」

何かに気づいたハルヒが、部屋の電気を消した。

キョン「どうしたんだハルヒ?」

ハルヒ「ほら---月が綺麗よ」

キョン「おおっ。 本当に綺麗だな」

雲ひとつない夜空に、煌々と輝く満月があった。

ハルヒ「……月の光って、意外に明るいのね」

キョン「……」

月の光が、部屋を、そしてハルヒの顔を消えない魔法のように照らしていた。

キョン「…ハルヒ」

ハルヒ「キョン…」

震えるハルヒの両手を握りしめる。


ハルヒ「優しく……してね?」

キョン「ハルヒ……」


吸い寄せられるように、俺はハルヒの口を、精一杯優しくふさいだ。

ハルヒ「---」

キョン「---」


まるで、今この瞬間だけ切り取られて絵になっているかのようだ。

永遠に、この瞬間が続いていきそうな気になる。


キョン「ハルヒ…良いか?」

ハルヒ「……うん。 いいよ、キョン」

制服のボタンを、1つずつ外していく。


キョン(ハルヒ---)

愛おしい。 俺はハルヒが愛おしい。

この気持ちが、溢れてしまいそうになる程、ハルヒを愛している。

キョン「いくぞ…….ハルヒ」

ハルヒ「きて…キョン」


制服の最後のボタンを外そうとしたその時---







『石焼イモ〜おイモおイモおイモおイモ、おイモだよ~~』






キョン「あっ」

月の明かりが雲に隠れて無くなり、ハルヒを見失った。


キョン「……はは、まったく、俺たちらしいな」

キョン「また焼き芋買ってくるか?」

ため息を殺して、ハルヒに笑ってみせた。


ハルヒ「……バカキョン」

ハルヒが顔を俺の胸に埋める。

キョン「はいはい」

優しく、ハルヒの体を抱きしめた---。






こうして、俺とハルヒの18才の夜は過ぎていった---






今日はここまで

次の投下で多分最後です。

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
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