幼「結婚するって言ったじゃん」(29)

男「いきなりなんなんだよ」

幼「結婚するって……」

男「はぁ?」

幼「言った!」

男「ない」

幼「言いました!」

男「いやいやいつ言ったよんな事」

幼「8年前」

男「……なんだって?」

幼「8年前私と結婚してくらるって約束した」

男「え?」

幼「忘れただなんて言わせないから」

男「いやいやいやいやいや...」

幼「もうこれは約束した事だから取り消しは効かないよ?」

男「約束を捏造するなや」

幼「じゃあ男のお母さんに聞いてみる?男のお母さんなら覚えてるはずだよ」

男「いいだろぉう、聞いてやろう!」







男「マジでした」

幼「でしょ?」

男「なんてこったい、今からDメール送らないといけないじゃないか」

幼「ね?だから結婚しようね」

男「てかそもそも8年も経てば時効だろ」

幼「馬鹿なこと言わないで」

男「8年前だぜ?お前8歳だろ?どうせ結婚が何だかも分からずにノリで約束したようなもんじゃん?」

幼「私は……」

男「え?」

幼「私はずっと想い続けてたのにィ!」グスッ

男「oh」

幼「8年間!ううんもっと前から男の事が好きで!あの時やっと通じ合えたと思ったのに!ずっと待ってたのに!こんなの酷いよぉ!」ウエエエン

男「大泣きかよ泣きてえのはこっちだよ畜生」

幼「絶対結婚してやるんだがら!」グスッ

男「そもそも歳の差何歳よ?おいら27だぜ?」

幼「そんなもの関係ない!」

男「フリーター歴10年のベテランだぜ?」

幼「私は男が好き!」

男「小学生サイコー!」

幼「私が小学生になるから!」

男「おいらホモなんだぁ」

幼「じゃあ性転換する!」

男「(なにこれ怖い)」

男「あぁでも俺彼女いるんだわ」

幼「? 私たちは夫婦だよ?」

男「いや違うから。お前じゃなくて」

幼「……私以外に女がいるというの?」

男「せや」

幼「…………誰?」ハイライトオフ

男「!?」

幼「男……教えて?今すぐそいつ消してやるから」

男「え、ちょ、おい」

幼「男を誑かす悪い女は私が始末してあげるでと男もダメだよ?私がいながら他の女と仲良くしちゃでも私は男の事大好きだから許してあげる!」

男「おい!待て!冗談だ!」

幼「………冗談?」

男「そもそもなんで俺なんだよ?そりゃ昔からの知り合いとはいえ周りにはもっといけてる男がおるだろ?お前可愛いんだからさ」

幼「か、可愛い!?」

男「なんでそこで照れる」

幼「だって、私が子供の頃いじめられてた時体を張って助けてくれたじゃん!」

男「相手は年下なのに張るも何も無いさね」

幼「それに男の顔もスゴいカッコいいよ?」

幼「ボサボサな髪に無精髭……真っ黒な目に濃い顔」

男「(不摂生な身だしなみに死んだ目ってまんまニートじゃないか!)」

男「(俺はニートじゃない、燃え尽きただけだ)」

幼「ね、私男の事大好きだから……」

男「まさか8年前の約束を忘れてないとはな?」

幼「私は本気だったから。男も同じだよね?」

男「そんなん本気にするわけなきゃろうwwww」

幼「……」ハイライトオフ

男「これデジャヴ」

幼「自慢じゃないけど私いっぱい告白された事あるんだよ?」

男「自慢じゃん」

幼「違う!でも、全部断ったの」

男「うん」

幼「……全部男との約束のためなんだからね?」

男「(なんだか重いよ)」

男「お前は近所のお兄さん的な何かと恋愛を履き違えてるんじゃないか?」

幼「それでもいいよ?この気持ちが間違いでも私は男のそばに一生いたいから」

男「(一人の時間が減るとか恋愛はやはりクソである)」

幼「もう8年前経ったから……ね?それだけを言いにきたの!じゃあね、男!」タッタッタッ

男「言いたいことだけ言って帰りやがった」

男「(毎日外出してる時点でこれは俺の長所と言っても過言じゃない。もはや俺はニートではない)」

男「ただいま」ガチャ

幼「おかえり!」

男「間違えましたー」バタン

男「……これどうすりゃええねん」

犬「ワンワン」

男「はぁー」

犬「ちゃんと向き合えワン」

男「無茶言うなよ」

犬「これもまた汝に背負われし運命なり…」zzz

男「一時の気の迷いだ、幼が帰るまで街をうろつこう」

幼「ねえ?何で閉めたの?」ガチャ

男「そりゃお前、いないはずの人間が家にいたら誰でも驚くだろ?」

幼「私は妻だから問題ないよ?」

男「お前は妻じゃない」

幼「あ、そっか!まだ入籍してなかったね」

男「これからもする予定なぞないワァ!」

幼「わっ!」

男「馬鹿め、俺は色恋沙汰に興味はない」

幼「あ、ご飯作ってるからね?」

男「聞いちゃいねぇ」

幼「男って毎日食事はインスタントラーメンとかでしよ?」

男「何で知ってるんだよ」

幼「ゴミ袋」

男「あぁ」

幼「それでね、私だらしない格好の男は好きだけど、さすがに生活習慣までだらしなかったらダメかなと思って」

男「それで押し掛けたと?」

幼「妻ですから」エッヘン

男「余計なお世話じゃ」

幼「今日はカレーよ?」

男「褒めて使わすぞ」

男「頼んでないとはいえ、俺の苦手な家事をしてくれるというのは素直にありがたいんだ」

幼「妻ですから」エッヘン

男「でもさ、考えてみろ?この俺にお前を養えるだけの金があると思うか?答えるまでもない!答えは───」

幼「それも心配いらないよ」

男「無だァァー!」

幼「私の家は……その、裕福だから、ね?」

男「……そうでした」

幼「これでずっと一緒だね!」

男「(自分の親の次は相手の親のすねかじるってどんな畜生だよ親の顔が見てみたいわ)」

幼「それに私のパパもママも男の事すっごい気に入ってるから」

男「なんでだろうな?」

男「て待て、結婚てのはお前の親も公認なのか!?」

幼「当たり前でしょ?早く結婚してってうるさいんだから」

男「それアラサーの女に言う言葉だぞ」

幼「それだけ男の事を認めてるの」

男「訳がわからないよ」

幼「ね?心配いらないからね」

男「(俺の親もどうせこれみよがしに相手の親に俺を押しつけるつもりだな?全く、なんて親だ!そんな親の元で育つ子供はろくなもんじゃないのだろうな……)」

男「(クソ、お金の話題じゃ振りきれない、てかむしろ逃げ道を塞がれた気がするぞ)」

男「(他に何か突破口は無いのか?)」

幼「~♪」

男「(背丈も低いし可愛いし正直小動物みたいで後ろ姿見るとつい可愛がりたくなる」

男「(だが、これとそれとほれとは別だ)」

男「(急すぎるじゃないか)」

幼「男ー!早く食べよー!」

幼「ねぇ、味はどう?」

男「美味しい」

幼「えへへ」

男「でもなんか変な味しないか?」

幼「!」

幼「ねえ、なんか変な感じしない?」

男「変な感じ?」

幼「その、眠くなったりとかさ」

男「あー、最近確かに眠たくなるよなたまに」

幼「……え?」

男「あぁ、カレーは美味しかったが不法侵入はやめろよ?」

幼「(おかしい、いやでもそんなすぐに効くはずないのかな……?)」

幼「(それからも全然効かなかった)」ズーン

幼「(男の体ってどうなってるの!?)」

男「おい、いい加減帰れ」

幼「……いやだ」

男「嫌だじゃねえよ」

幼「今日は泊まってけってママが」

男「俺の拒否権はどこいった」

男「そんなこと許可しないぞ」

幼「じゃあ私はどこで泊まればいいの?」

男「んなん知るか家帰れよ」

幼「あ、これお父さんから」サッ

男「ん?」ビリッ サッ

野口1「やぁ」

野口2「やぁ」

男「よーし!ふかふかのベッドじゃなくてごめんな!ほ今すぐ用意するぞー!」

男「まだ早いけどもう寝るわ」

幼「歯磨きしたの?」

男「お前は俺のオカンか」

幼「一緒に寝よ♪」

男「それは無理だ」

幼「何で?」

男「汚いから近付かない方がよい」

幼「男だったら私を汚していいよ」

男「……いやいや、」

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