【足洗邸の住人たち。】福太郎「ええ日和ですなあ。」こま「ですナ。」 (32)

足洗邸の住人たち。ssです。

こまニャンの『人間の耳』ネタです。

もし本編で言及があったネタなら申し訳ないです。

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福太郎「桜もあんなに咲いとる。もう春ですなァ。」ポケー

こま「春ですナ。」ポケー

福太郎「なんか、前もここで桜見ながらこんな話したような気ぃしますね。ははは。」ポケー

こま「変わらないことは大事ですのナ。日々を無事に重ねられるというのは、喜ばしいことですのナ。」ポケー

福太郎「そういうもんですかねぇ。」ポケー

こま「そういうもんですナ。」ポケー

福太郎「……。」ポケー

こま「……。」ポケー

福太郎「……管理人ちゃん。」

こま「ナ?」

福太郎「ずっと、気になっとることが有るんやけど。」

こま「どうぞナ。」

福太郎「すごい失礼なこと聞くかも知れんけど、ええ?」

こま「失礼でないかも知れないナ。」

福太郎「うん。……管理人ちゃんて、猫やんな?」

こま「猫又ですナ。」シッポフリフリ

福太郎「で、人間の社会で人間と共存するために、人間の姿しとるねんな?」

こま「ですナ。」

福太郎「ネコミミとかシッポとか、めっちゃかわいいけどな。」

こま「ありがとなのナ。」ゴロゴロ

福太郎「うん。せやけど、そない言うたらな。」

こま「ナ?」

福太郎「『人間の耳』は?」

こま「……。」

福太郎「普段、髪で隠れとるやろ? せやから、人間やったら耳がついとるトコって、どないなっとんかなー、って。」

こま「……。」

福太郎「ずっと、気になっててん、けど。な……。」

こま「……。」

福太郎「……。」

こま「……。」

福太郎「えーっと。」ドナイシヨ

こま「……。」

福太郎「ごめんなさい。」

こま「別に怒ってないナ。」

福太郎「ちょっと、頭温かくなっとったみたいです。」

こま「ほんと違うナ。ただちょっと、珍しいナーって思ってたのナ。」

福太郎「何がです?」

こま「福ちゃんが、そうゆうコト訊くのが、ですナ。」

福太郎「へ?」

こま「福ちゃんが好奇心旺盛なのは、『足洗邸』の住人たちみんなが知ってるナ。それどころかご近所でも有名ナ。」

福太郎(褒められとんか貶されとんか。)

こま「でも、基本的に福ちゃんは、みんなのために何かしてくれることは有っても、みんなのことをあまり自分から聞こうとはしなかったはずナ。」

福太郎「あー……そうでしたかね。」

福太郎(あんまり馴染むと、後が辛いと思っとったからな。)

こま「だから、なんだか福ちゃんから「カベ」が消えたような気がして、ちょっと嬉しかったナ。」ニコー

福太郎「『珍しい』やなくて?」

こま「どっちもナ。以前の福ちゃんとは、ちょっと変わったナ?」

福太郎「まぁ確かに、越してきてからいろいろあったしなぁ……。『大召喚』以降、今までの人生で一番濃いぃ時間やったかも知れんな。」

こま「みんなで過ごして、乗り越えてきましたナ。だからこうして、一緒に過ごせる今があるのナ。」

福太郎「『信頼』ってヤツですかね。」

こま「ンー、そんな感じですかナ。義鷹だって福ちゃんと馴染むとは思わなかったナ。」

福太郎「総入れ歯、最初は追い出す気でいたらしいですね。奴さんは。俺を。」

こま「住人たちと触れ合うことで福ちゃんが少しずつ変わって、それと一緒にみんな少しずつ変わっていったのナ。「変わらないことは大事」とは言ったケド、変化と成長とは別なのナ。」

福太郎「まァ確かに、物の見方を変える、角度を変えるゆうことを覚えるのは、画家にとっても大切ですからね。」

こま「そゆことですナ。だから福ちゃん。改めて言うナ。」






こま「『足洗邸』に、ようこそ。」




福太郎「……はい。」

こま「こまたちはあ、家族ナ。これまでと、そしてこれからをともに分かち合っていくのナ。」

福太郎「そうですね。改めて、よろしくお願いします。」

こま「こちらこそ、よろしくなのナ。ふふふ。」

福太郎「ははは。……」


福太郎(はぐらかされてもーた……。)

福太郎(怒ってないとは、家族やからとは言うても、越えてはあかんラインはあるゆう事か。)

福太郎(そらそうよ。馴染みすぎて、距離感測れんよーなったか? 福太郎……。)

こま「……ところで、福ちゃん。福ちゃん?」

福太郎「ふえ!? あ? はい! 福ちゃんですよ!?」

こま「うん。知りたいのナ?」

福太郎「え? 何が……?」

こま「『人間の耳』。」

福太郎「え。」

こま「こまの、『人間の耳』。が、どうなってるのか。」

福太郎「あ。」

こま「知りたいのナ?」

福太郎「いや、その。」

こま「さっきも言ったケド、こまは怒ってはいないのナ。」

福太郎「えっと、」

こま「だから、」






こま「福ちゃんが見たいなら、こまは別に良いのナ。」




福太郎「」

こま「でも、こまが『見せたい』わけではないのナ。」

福太郎「」

こま「福ちゃんが『見たい』のだから、見ればいいのナ。」

福太郎「せやけど、あの。」

こま「こまは、何もしないナ。」

福太郎「えと。髪、とか……。」

こま「かき上げれば、見えるナ?」

福太郎「」

福太郎「あ、ほな、失礼して……。」

こま「はいナ。」

福太郎「い、いきます。」


ドキドキ
福太郎「」オソルオソル
ドキドキドキドキ
福太郎(もうちょいで、手ぇ、届くな。)

ドキドキドキドキドキドキドキドキ
福太郎(あ。髪、柔らか……。)フワッ

ドッドッドッドッドッドッドッドッ
こま「ン……。」ピク

ドドドドドドドドドドドドドドドド
福太郎(もうちょい、もうちょいで……。)

ドドドドドドドドドドドドドドドド

ドバンッ

福太郎「へ」


お仙「どりゃあああ!!」ドギャーン


福太郎「アイター!?」ズシャーン


こま「」ビクゥ


福太郎「な、何すんの!? 何すんねん!?」

お仙「福ちゃんこそ何してんのさ!? イタイケなニャンニャン相手に! どんないかがわしい事しようとしてたの!?」

福太郎「いかがわしい事ないわ! 俺はただ、管理人ちゃんの髪を」

お仙「髪!? 髪髪モフモフ!? カリカリモフモフクンカクンカスーハーペロペロ!?」

福太郎「ちゃうわ。髪の下の、耳をな」

お仙「耳!? ちっちゃなニャンニャのお耳をニャンニャン!!?」

福太郎「何言うてんの!? つーかなんで俺飛び蹴りされたん!? アタマ持ってかれるか思たわ!」

お仙「私はこの邸の家神ですので!」ババーン

福太郎「理由を言え言うとんねん!」

お仙「この邸内のことは何でもオミトオシなんだよ! なんかポヮポヮした空気を感じたので駆け付けた次第!」

福太郎「ポヮポヮて何や!?」

お仙「なんかこう、ポヮポヮした、しゃらくさいポヮポヮした空気を! 略してシャラポワを!」

福太郎「シャラポワ言いたいだけやな!?」

こま「……。」

ヤイヤイ
ダイタイフクチャンハネー、ワタシトイウモノガアリナガラー!!
イヤイヤイヤイヤ、ナンモシテヘンヤロ!!
ワタシダッテ、ミミニハチョットジシンアルンダカラ!! ホラ、チョットエルフッポイ
タシカニ、オオ、プニプニシトル
アフン!! ナニサワッテンノヨ!!
ギニャー!!
ヤイヤイ


こま「……いい日和ですのナ。」

こま「……。」

こま「」スピー

終わりです
ありがとうございました。

帰宅後にでもhtml化依頼します

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