【ペルソナ4】×【モバマス】ペルソナ4ジ・アイドルマスターシンデレラガールズ (46)

ペルソナ4とアイドルマスターシンデレラガールズのクロス小説です。

【注意!】
ペルソナ4のストーリーにモバマスのアイドルが登場します

登場人物はほぼ女性です。

キャラによっては元のキャラが崩壊していることもございます。

コミュ選択時に安価がございます。

直接ここで書きこむため、亀更新と誤字脱字が出てきますが、大目に見て頂ければと思います。

それではスタートします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456486313

2011年3月18日――


???「あー。それに最後。――工藤来なさい」


工藤忍「…はい」


???「今日で工藤は、ご家庭の事情でこの学校を転校する」


ざわ・・・ざわ・・・


???「――工藤」


忍「はい…。1年間お世話になりました。たまには連絡してよね…」


???「新しい学校でも、頑張るんだぞ」


忍「はい。ありがとうございました」

2011年4月11日――


忍「今日から、稲羽市っていうところに行くんだけど…」パカ


忍「…誰も見送りなしどころか、誰からも連絡もない…。はあ…」


忍「――本当にアタシ、1年間やって行けるのかな…」


同年2月某日――


忍母「お父さんが海外に赴任することになったの」


忍「え!?アタシも行かなくちゃいけないの?」


忍父「いや。赴任と言っても1年間だ。来年の3月には戻ってくる。それまで忍は叔母さんの所で厄介になるんだ」


忍「おばさん?どこに住んでるの?」


忍母「稲羽市というところ。あなたが小さいころにあったけど、覚えてないかしら?」


忍「…分かんない」


忍父「父さんの妹だ。何かあったら遠慮なく言いなさい。娘もいるから楽しいぞ」


忍「ふうん…」


同年4月11日――


『間もなく、5番線に列車が入ります。黄色い線の内側にお下がりください。この電車は特急――八十稲羽行きです』


忍「――電車が来た。ここから、電車で3時間ほどかかるみたい…」クル


忍「――結局、誰も見送りはなしか」プシュー


忍「指定席とってるから、荷物入れたら眠ろう…」

忍「」ウトウト


スー


忍「ん?――ん!?」


忍「あれ?アタシ、寝過ごしちゃったの!?」


???「ようこそ。ベルベッドルームへ」


忍「え!?なにルーム?それより誰かいるの?」


???「あなたは今、眠りにつかれております。そこをお呼びいたしました」


忍「眠ってるアタシを呼んだ?どういうこと?」


???「あまり細かい所はお気になさらず。私はこのベルベッドルームの主をしております、クラリスと申します」


忍「はあ…。そのクラリスさんがアタシに何か用?」


クラリス「本来、この部屋には『契約』を果たされたものしか来ることが出来ない部屋ですが、あなたは近い未来そうなることが待ち受けているやもしれません」


忍「クラリス…さんの言っていることがよく分からないよ…」


クラリス「今は、まだその時ではございません。ですが、近い未来、また再び相まみえることになるでしょう。本日はご挨拶に伺っただけです」


忍「はあ…。わざわざご丁寧に」


クラリス「――してあなたは、神を信じておいでですか?」


忍「へ?アタシはそういうのはちょっと…」


クラリス「あなたはこの先、訪れる地で大きな災いに巻き込まれてしまうでしょう」


忍「大きな災い?地震とか大火事とか」

クラリス「それは分かりません。ですが、大きな『謎』を解かねばならない運命にあるようです。あなたの運命は今年がその節目に当たり」


クラリス「その『謎』が解けなければ、あなたの行く先は永遠に閉ざされることになるやもしれません」


忍「え?それってし――」


クラリス「ですが、ご心配なさらず」


忍「――煽ってるのクラリスさんじゃん」


クラリス「あなたは近々、何らかの形で『契約』を果たし、私の前に再び現れるでしょう」


忍「『謎』?『契約』?」


クラリス「間もなく、お目覚めの時のようです。詳しくはまたお会いできた時にでも――」


『ご乗車ありがとうございます。間もなく終点、八十稲羽。八十稲羽です――』


忍「――は!もう終点!?急がなくちゃ!」


2011年4月11日(4月2週)午後――


忍「うーん!3時間も座りっぱなしだと腰が痛いなー!――というか」


忍「人がいないなあ…。本当にとんでもない所に来ちゃった感じ…。叔母さんも来てないし…。困ったなあ」トボトボ


ドン


???「キャッ!」


忍「あ、すいません!」


???「――これ、落としたわよ」つメモ帳


忍「え?ああ!おばさんの携帯番号のメモ帳!ありがとう!」


???「気にしなくていいわ。――じゃあね」スタスタ


忍「へえ。こんな田舎町でも、オシャレな人もいるんだなあ」パーパー


???「あ、忍ちゃん!もう着いてたんだ!」


忍「あ、早苗叔母さん!」


片桐早苗「叔母さんは余計よ。――長旅お疲れ様。疲れたでしょ」


忍「3時間も乗ってたから、腰がバキバキで…」

早苗「ふふふ。お疲れ様。――ほら、仁奈。忍ちゃんに挨拶しなさい」


片桐仁奈「…こ、こんにちわでごぜーます…」


早苗「あら、この子ったら恥ずかしいのね」


仁奈「!」バシッ


早苗「アハハ…。痛いわよ。さ、荷物乗せて車に乗りなさい」


忍「はい!これから宜しくお願いします!」


早苗「元気があってよろしい!じゃあ出発するわよ!」ブロロ…


――同年同月午後@稲羽市商店街


早苗「ちょっとガソリンが心もとないから、給油させてね」


ガソスタ店員「らっしゃっせー!」


早苗「レギュラー満タン。現金で」


店員「レギュラー満タンは入りまーす!今日は皆さんでお出かけでしたか?」


早苗「ええ。姪っ子を迎えにね。今日から1年、私の家で住むことになったの」


店員「そうなんすか。――でも、その姪っ子さん顔色変っすよ?」


早苗「え?――忍ちゃん!大丈夫!?」


忍「早苗さんって、普段からこういう運転なんですか?」


早苗「え?――ああ!そうなのよ。車どおりも少ないからつい。ね」

忍「――ついで、100キロ越えにドラフト運転なんてしないでしょ!ちょっとお手洗いに…」


店員「トイレは左手にあるから、大丈夫?」


忍「うん…。ありがとうございます…」タタタ…


仁奈「忍さん…。大丈夫でごぜーますか?」


早苗「少し運転大人しくしないとね」


店員「そうですよ。この間だってタイヤを――」


――――


忍「うー…。頭がガンガンする…」


店員「大丈夫?」


忍「え?はい。ありがとうございました」


店員「いいえ。――君高校生?」


忍「はい。――早苗さんから聞いたんですか?」


店員「うん。都会から来たんだって、ここビックリするほど何にもないっしょ」


忍「そう…。でしょうか?」


店員「ビックリするよ。高校のうちはバイトか、友達んち行くくらいしかやることないし。――あ、うちバイト募集してるんだ。考えておいてね。俺、Pって言うんだ」スッ…


忍「はあ…。その時はよろしくお願いします…」ガシッ


早苗「具合は大丈夫?少し落ち着いて走るから」


仁奈「そうでごぜーます!病人はいたわるのがジョーシキでやがります!」


早苗「ごめんごめん。それじゃ出発するわよ!」


P「あざっしたー!」


P「…」


P「さて、種は蒔いた。後はその種がどんな芽を生むか…」


店員「じっくり見させてもらいますよ…」

4月11日夜――@片桐家


早苗「――ええ。分かったわ。すぐ向かうわね」ピッ


忍「お仕事の呼び出しですか?」


早苗「ええ。アタシ、一応警察官なの。非番だったんだけど、事件が起きたみたいなの。仁奈。今日は帰れないから、戸締りして眠ってね」


仁奈「わかったでごぜーます…」


早苗「忍ちゃんも、今日は早く寝るのよ?体調崩してるんだし」


忍「はい。行ってらっしゃい」


早苗「ええ。いってくるわね」ガララ


忍・仁奈「」


忍「――気まずい!何か話さなくては…」


忍「お母さん、いつもなの?」


仁奈「そうでやがります。でも、もう慣れっこでやがります…」


忍「――うーん。なんか良くないなあ…」『次のニュースです』


テレビ『議員秘書の和久井留美氏と、人気演歌歌手の有浦柑奈さんとの不倫疑惑ですが――』


忍「立派な大人が不倫なんかすんなっての!」


仁奈「そつろんはもう提出したんでごぜーますか?」


忍「仁奈ちゃん!どこでそんなこと憶えたの!」


テレビ『和久井氏の妻である川島瑞樹さんは、口を閉ざしたままです――』


仁奈「テレビで言ってたでごぜーます!忍おねーさん、どういういみでごぜーますか?」


忍「いや、それは…」


テレビ『ジュネスは毎日がお客様デー!来て見て触れていってください!』


テレビ・仁奈「エブリディ・ヤングライフ・ジュ・ネ・ス!」


忍「ジュネス?スーパーなのかな?」


仁奈「そうでやがります!仁奈はジュネスは大好きでやがります!」

忍「そっか。今度、アタシを連れてってね!」


仁奈「おかーさんと一緒に行くでやがります!楽しいでやがりますから!」


>その後、仁奈が眠くなるまで会話に付き合った。


仁奈「あふぅ…。もう眠くなってきたでやがります…」


忍「もうこんな時間だ。アタシももう寝るね」


仁奈「おやすみで…やがります」


忍「うん。おやすみ」





――真実を、知りたければ、捕まえてごらん?


忍「え?」


――でも、今の君じゃ捕まえられないね。


忍「ちょっと何を言っているのよ!?――人影!?」


――へえ。少しは見えるんだ。でも、真実って言うのは、いつでも辛い現実だよ?それでも来るって言うのかな?


忍「――駄目だ。周りが真っ白だ…」


――また会おうね。



――4月12日月曜(4月2週)朝


忍「――なんだったんだろう。あの夢は…」コンコン


仁奈「忍おねーさん。起きてるでごぜーますか?」


忍「仁奈ちゃん、どうしたの?」


仁奈「朝ご飯が出来たでやがります!下で一緒に食べやがるですよ!」


忍「朝食?早苗さんは?」


仁奈「お仕事でもう行ったでごぜーます…」


忍「分かった。今行くよ」


仁奈「いただきますでやがります」


忍「いただきます」


仁奈「学校は途中まで一緒でやがりますから、一緒に行くですよ」


忍「ありがとう仁奈ちゃん。」




仁奈「あいにくの雨でやがります…」


忍「せっかくの初日なのにね…」


仁奈「小学校はこっちだから、ここでお別れでやがります。こーこーはこの道をまっすぐでやがります」


忍「ありがとう仁奈ちゃん!」


仁奈「学校頑張るでやがります!」タタタ・・・


県立八十神高校

忍「――今日から、この学校か。頑張ろう…」

――同日午前@2-2教室


柊志乃「ほら、注目。今日から転校生がうちのクラスに来たわよ。――工藤さん」


忍「は、はい!工藤忍です!よろしくお願いします」ペコリ


パチパチパチ


忍「――まあ、つかみはオッケーかな?」


志乃「席は…脇山さんの隣がいてるわね。そこにかけて頂戴」


忍「はい!」


脇山珠美「工藤さん。よろしくお願い致します。脇山珠美と申します」


忍「あ、ご丁寧にどうも。工藤忍です。――忍でいいよ」


珠美「しかし、忍ちゃんも不運ですな…」


忍「不運?」


珠美「担任の柊先生です。あの人は、常にお酒を飲みながら教鞭をとっているで有名な方です」


忍「え!?それっていいの?」


珠美「あくまで噂ですが、柊先生は顔赤いじゃないですか?」


忍「そうだね。最初はチークの塗りすぎかと思ったけど…」


珠美「肌身離さず、酒瓶を持っているのを見た人がいるらしいですぞ…」


忍「――なんてところに来てしまったんだ!?お酒飲みながら授業する人なんて聞いたことないよ!」


珠美「まあ、あくまでも噂。ですよ」


忍「う、うん…」

――同日放課後@2-2教室


志乃「それじゃ、今日は――」ピンポンパンポン


アナウンス「先生方に申しあげます。ただ今より緊急の職員会議を行います。生徒の皆さんは指示があるまで、校外に出ないように」


志乃「あら、こんな時に会議なんて何かしら?――みんな。指示があるまで待機しておいてね。何かあったら、職員室まで。いいわね?」


忍「――あれを見る限り、お酒を飲んでやってるようには…」


珠美「しかし、ここで足止めというのも困ったものですな」


???「全く、カワイイボクがいないと、旅館が回らないんですよ!早く待機指示が解除されないと困ります!」


忍「珠美ちゃん。と、えっと――」


???「ふふーん!ボクは輿水幸子と言います!よろしくお願いしますね工藤さん!みんな僕のこと幸子と呼んでいるので、工藤さんもそう呼んでもいいですよ!」


忍「よろしく輿水さん。お言葉に甘えて幸子ちゃんって呼ぶね。アタシのことも忍でいいよ」


輿水幸子「分かりました。同じクラスで1年間よろしくお願いします!」


珠美「幸子殿は、輿水旅館の次期女将なんですぞ!忍殿も聞いたことありませんか?輿水旅館。結構テレビや雑誌に出ているんですぞ!」


幸子「珠美さん。それは女将の娘が私だからです」


忍「うーん。旅のこと興味なかったから、見たことなかったかも、ごめんね」


幸子「でも、何かあったら来てくださいね!大きいお風呂も広いお部屋もありますから!」


???「あー。脇山さん…」


珠美「ん?未央殿どうしましたか?そんなよそよそしい雰囲気で」


本田未央「借りたDVD返します!すごく楽しかったです!じゃ!」つ竹刀伝説


珠美「ん?一体」パカ


忍「――見事に真っ二つとなった竹刀伝説のDVDが入っていた」


珠美「チェストー!」バシバシン!


未央「うぎゃー!竹刀で叩くのは無し!無しでしょ!」


珠美「DVDを壊した人に人権はありません!」

未央「ごめんよ!たまたま!事故だったんだよ!次のバイト代は入ったら弁償するから!」


珠美「ああ、珠美のお気に入りの竹刀伝説が…」


未央「壊したお詫びじゃないけど、ビフテキで…」


珠美「…ドリンク付きですよ?」


未央「分かりました!本当にごめんね!じゃ!」タタタ・・・


忍「――待機指示あったのに、行っちゃった…」


珠美「うう…。竹刀伝説なしで珠美はどうやって…」シクシク


幸子「帰りに一緒にCDショップに行きましょう!帰ってくるまでの間に新しいのを買いましょう!」


忍「あ、アタシも一緒に行ってもいいかな?昨日来たばかりでここら辺のことよく分からないんだ…」


幸子「もちろんです!」


珠美「忍殿も幸子殿も申し訳ありません…」


忍「こっちがお願いしたんだから気にしないで。――だけど、霧がすごいね…」


幸子「ここは山に囲まれた盆地ですから、まとまった雨が降ると、霧が出やすいんですよ」


忍「そう…なんだ…」


ファンファンファンファン


珠美「…パトカーのサイレンですね。近くで事件でも起きたのでしょうか?」


幸子「この霧で事故じゃないですか?――早く待機指示解除されないですかね」ピンポンパンポン


『生徒の皆さんに連絡します。待機指示を解除します。霧が出てますから十分に気を付けて下校してください』


珠美「解除になりましたね。CDショップに行きましょう!」

――同日放課後@八十神高校校門前


珠美「でさー。こういうことが――」


???「ムフフ…。あなた幸子さんって言うんですよね?」


幸子「え?ど、どちら様ですか?」


???「一緒に遊びに行きましょう。そして、ムフフ…。ムフフフフ…」


忍「――何だか不気味な子が来た!――でも、制服が違う。他校の子、かな?」


男子生徒「あー。新学期早々、しかも他校生からの輿水の関越えか…」


女子生徒「今年も関所は開かないわよ」


???「ムフフ…。どうするんですかぁ?行くのか行かないのか決めてほしいです…」


珠美「ちょ、ちょっと!幸子殿が困惑しています!」


???「…誰ですかぁ?私は幸子さんとお話してるんですよぉ」


幸子「行きません…」


???「そうですかぁ…。でも、後悔させちゃいますから…。ムフフ…ムフフフフ…」


忍「――なんだったの?今の子…。断られたのに、口元がにやけてた…」


男子生徒「あー。やっぱダメか」


女子生徒「関所越えは無理ね」


幸子「…」


珠美「幸子殿!過ぎたことは気にしちゃいけませんぞ!さ、CDショップへレッツゴーです!」




珠美「そう言えば、忍殿は中央から来たんですよね?」


幸子「稲羽市は何にもない所ですよね」


忍「まあ、中央と比べればね…」


珠美「名物になるようなものも、幸子殿の輿水旅館と、ビフテキくらいしかないし…」


忍「ビフテキ?」


幸子「牛肉のステーキです。でも、どうして広まったのかは誰も分からないんです」


忍「――出自不明の名物って、名物って言っていいのかな?」

忍「あ、早苗さん」


早苗「あら、忍ちゃん。どうしてここに?」


忍「学校の帰り道だけど…」


早苗「あー。そうだったわね…。――はあ、」


早苗「――学校はどうしてここを通るなと言わなかったのかしら!」


珠美「忍殿…。この方とお知り合いですか?」


早苗「私は片桐早苗。忍ちゃんの叔母に当たるの。彼女を1年間預かることになってるの。彼女のことよろしくね」


幸子「そうだったんですね。こちらこそよろしくお願いします」


???「片桐さーん!」


早苗「ごめんね。――井村さん何かわかったかしら?」


井村雪菜「それが全然。ガイシャのことを聞いても、誰も知らないの一点張りですよぉ…。本当にこれ殺人事件――」


早苗「井村さん!部外者がいるの!口を慎んで!」


雪菜「あ!す、すいません!」


珠美「さ、殺人事件って…」


幸子「こんなところで、ですか…」


忍・珠美・幸子「」


幸子「珠美さん…。今日は帰りましょう…」


珠美「それが名案ですな。忍殿も今日は帰りましょう…。殺人事件だなんて…」


忍「う、うん…。仕方ないよ…」


>今日は真っ直ぐ帰ることにした

本日ラスト更新です。続きはまた明日――


――4月12日夜@片桐家


テレビ『最初のニュースです。今日、稲羽市内の民家のアンテナに宙づりとなった女性の死体が見つかりました』


忍「――これ、珠美ちゃんたちと早苗さんが一緒にいた場所だ!本当に殺人事件だったんだ…」


テレビ『亡くなったのは、アナウンサーの川島瑞樹さんで、浮気問題で話題になっている和久井留美氏の――』


仁奈「稲羽で事件…。おかーさん…。帰ってこねーですか…」


忍「仁奈ちゃん…」


忍「――なんて言葉をかけてあげればいいか分からない」


テレビ『稲羽警察署は、一連の不倫事件との関係がないか調べるとのことです』


>その日のニュースはこの殺人事件のことでもちきりで、仁奈を寝かせて自分の部屋に戻った


――4月13日(4月2週)夜@自室


テレビ『ピーガー。ガーガーガー』ブツッ



――4月13日朝@2-2教室


未央「ねー。忍ちゃん!」


忍「なに?――えっと、本田さんだったような…」


未央「今日の放課後、予定ある?」


忍「え?な、ないけど」


未央「良かった!忍ちゃんの歓迎パーティーをジュネスでやろうと思ってたんだ!」


忍「――ジュネス?確か仁奈ちゃんがそんなことを言っていたような…」


未央「俺のおごりで美味い物を――」


珠美「未央殿!それは珠美も行ってもいいでしょうか?」


未央「うん。良いけど…」


珠美「昨日の件、忘れたとは言わせませぬぞ…」


未央「あ…。分かったよ…」


珠美「やった!――幸子殿はどうでしょうか?」


幸子「行きたいんですけど、旅館のお手伝いがあるので…」


珠美「それは仕方がありませぬ。珠美が幸子殿の分まで歓迎しますから!」


未央「お手柔らかにお願いします…」

配役をモバマスキャラに変えたせいでしれっと同姓婚してるのはちょっと吹いた

割とどうでもいいけど横滑りしながら走るのは
×ドラフト
〇ドリフト

更新始めます>>22さん誤字指摘ありがとうございます。


――同日放課後@ジュネスフードコート


珠美「…」ムスー


未央「珠ちゃん…。そんな顔しないでよ…。DVD買えないのに、2人分も買えないって…」


珠美「珠美は肉を要求する―!」


未央「だから無理だっての!」


珠美「まあ、今日の目的は忍殿の歓迎会でございますからね!」


未央「じゃあ。私が音頭をとるよ!――忍ちゃん!稲羽市へようこそ!カンパーイ!」


みんな「かんぱーい!」


未央「そう言えば、忍ちゃんはどうしてここに?」


>忍は転校してきた理由を話した。


未央「あー。そうか…。大変だったな。叔母さんちか…」


珠美「未央殿も半年前に中央から来たんですよね?」


未央「そうだねー。私も親の都合で、ここの店の店長になるためにこっちに来たからなー。なんとなく気持ちはわかるよ」


珠美「でも、商店街の人たちはここのことあまり…」


未央「…やめようよ。こんな話。忍ちゃんの歓迎会なんだし」


――


>中央で売れっ子アイドルとすれ違ったことを話した。


未央「あのリンちゃんに会ったの!?サイン貰っとけばよかったのにー!」


珠美「リンちゃんのプライベート姿なんて一度でいいから見たかったです!」


未央「やっぱ都会ってスゲーよな…。それに比べこっちは…」


珠美「今は、昨日起きた殺人事件のことでもちきりですし…」

未央「そうだよねー。何にもなかったのに…。――ごめん、ちょっと席外すね」タタタ…


珠美「未央ちゃん一体…。あ…」


>未央は別のテーブルで座ってる女性に話しかけて行った


未央「お疲れ様です海先輩。今、休憩ですか?」


杉坂海「ああ、未央ちゃん。お疲れ。そうだよ。今やっと休憩」


珠美「あの人は、杉坂海先輩。商店街で杉坂酒店の娘さんなんだけど…。まさか、ジュネスでバイトをしているとは思いませんでした」


未央「先輩、元気ないですね。どうしたんですか?」


海「昨日、ちょっとね…。はあ…」


未央「あー。殺人事件ですね。学校近いし、殺人犯が近くにいると考えるとブルーですね…」


海「まあ…。そうね…」


未央「何かあったら相談してくださいよ。私と先輩の仲ですから!」


海「フフフ・・・。そうね。その時は頼りにさせてもらうわ。――あそこにいるのって…」


未央「はい。転校生の工藤忍ちゃんです。私と同じクラスなんですよ」


海「へえー。ちょっと挨拶に行こうか」


珠美「あれ、こっちに来ましたね?」


海「こんにちわ。あなたが転校生?噂は3年の所まで来ているよ。アタシは杉坂海。よろしくね」


忍「よろしくお願いします」


海「お互い転校生同士で波長が合うのかしら?未央ちゃん、結構ウザいから、遠慮なく言った方が良いわよ」


未央「ちょ!先輩!それは無いって!?」


一同「あはは!」


忍「未央ちゃんは良いひとです」


海「冗談よ。未央ちゃんは友達少ないから、よろしくね!――さて、バイトに戻りますか!」


未央「頑張ってくださいね!」


海「じゃーねー!」

珠美「驚きました…。杉坂先輩、まさかここで働いていたんですね…」


忍「商店街の酒屋の娘と、商売敵の店長の娘との禁断の恋…」


未央「ちょいちょーい!色々禁断過ぎるでしょ!両方娘!お・ん・な・の・こ!」


珠美「今のご時世、同性同士の恋は禁断ではありませんし」


忍「愛の形は人それぞれだしね」


未央「まあ…。そんな事どうでもいいんだけどさ、先輩…少し元気ないんだよね。それが少し気になったんだけど…」


珠美「上手くはぐらかされてしまったわけですね」


未央「私、本気で先輩の力になりたいんだけど…。どうしたら良いんだろ…」


珠美「ふっふっふ…。未央殿。良いものがありますよ!」


未央「なに?おまじない?占い?」


珠美「『マヨナカテレビ』っていうやつです!雨の日の深夜12時、一人で電源を付けていないテレビを見ると、意中の相手が映るというやつです」


未央「何が出てくるかと思いきや、そういうオカルト系か…」


珠美「しかし!効果絶大らしいですぞ!この間も隣のクラスの男子が見たらしいですが、『俺の意中の相手、川島アナだった!やったー!』と喜んでいたそうですぞ」


未央「らしいとか、だそうです。とか、完全またぎぎじゃん!自分でやってから言ってよね」


珠美「それは…。少し…。怖いじゃないですか…。ですから、未央殿、今夜やってみてはいかがでしょうか?海先輩が出れば…」


未央「まあ、良いとして、今夜雨降るの?降らなかったら、意味ないじゃん」


忍「…降るみたい」


未央「忍ちゃんやる気満々!?」


珠美「決まりですね。今夜12時ですぞ!で、明日、誰が映ったか報告し合いましょう!」


未央「絶対、私のしか聞く気ないでしょ!?」

――同日深夜12時@片桐家自室


ザーザー


>外は雨が降っている。時折雷鳴が光っている…


珠美『雨の日の深夜12時、一人で電源を付けていないテレビを見ると、意中の相手が映るというやつです』


カチャ


忍「――12時過ぎた…。映る様子はないけど…」


ブツッ


忍「テレビが映った!」


忍「…誰?女子生徒…?」


――我は汝


忍「え!?」ズキッズキッ


忍「――頭が…痛い!」


――汝は我


――汝、扉を開く者よ…


忍「はぁー…。はぁー…」


忍「――なんだったんだ今のは?テレビは…」


テレビ「」シーン


忍「気のせい?」コンコン


ズボッ


忍「!?す、吸い込まれて、いく!?」


ズボッ! ガタン!


忍「いたたた…後頭部…打った…」


仁奈「おっきな落としましたけど、だいじょーぶでやがりますか!?」


忍「う、うん…。ゴメン、起こしちゃった?」


仁奈「明日も学校です。早く寝やがってください」


忍「――怒られちゃった…」


忍「一体なんだったんだろう?映った女子生徒と、吸い込まれそうになったテレビ…」


忍「――明日、珠美ちゃんたちにも聞いてみよう」

――4月13日(4月2週)放課後@2-2教室


珠美「未央殿!昨日の夜、見ましたか?」


未央「う、うん…。見たけど…。誰が映った?」


珠美「珠美は女子生徒が映ったんですよ。意中の相手が女の子?」


未央「あー私もなんだ…。なんかどこかで見たことあるんだけど…」


忍「すごく長いポニーテールの子だったけど…」


珠美「…海先輩ですか?今朝のニュース、川島アナの遺体の第一発見者、海先輩って報道されてましたね…」


未央「先輩が疲れていたのは、それのせいだったのかな?私、全然先輩のこと…」


珠美「仕方ないですよ…。普通、高校生の悩みで『遺体の第一発見者』なんて出てくる方がおかしいです」


幸子「珠美さん。今日も旅館の手伝いで帰らなくちゃいけませんので…」


珠美「うん…。幸子殿気を付けて帰ってくださいね…」


未央「さっちー、大変そうだね…。輿水旅館に川島アナがいたって言ううわさもあるし…」


忍「――そう言えば、昨日のテレビの話をしてみようかな?」


>昨日の夜のテレビの話を、珠美たちに話す


未央「寝落ちしたんじゃない?」


珠美「でも、テレビが小さいから、全身が入らなかったって言うのは、結構リアルっぽいですよ」


未央「なら、試してみない?ジュネスには家電コーナーがあって、おっきいテレビも飾ってるんだ」


珠美「そうですね。珠美の家で、テレビ買い換えようかって話があるんです!まずは敵情視察です!」


未央「敵はどこにいるの!?」


>3人でジュネスの家電コーナーに行くことになった

――同日放課後@ジュネス家電コーナー


珠美「ほへー。いっぱいありますね。大きさも、薄型もいっぱいありますぞ!」


未央「えー、お客様、こちらがジュネス最新の――」


珠美「いやいや。大きくシャ○プって書いてありますぞ。――ってこんなにするんですか!?」


未央「まあ最新型だし、予算的にはどんくらい?」


珠美「これくらいです!」イッポン


未央「10万円?」


珠美「1万円です!」


ダッタラ、コノサイズシカナイヨ


忍「――大きいテレビなら、全身入る?」


ズボッ


忍「!!」


コレジャ、タマミノヘヤノテレビヨリチイサイデス!


未央「はぁー。それじゃ、説明書しか――ってうそー!」


珠美「未央殿!売り場で大声は――ってええ!?」


忍「」バタバタ


珠美「さ、最新型は身体ごとテレビに入れるんですね…」


未央「そんなわけないでしょ!色々マズイって!テレビの中に人が入るなんて!とりあえず、引っ張って――」


ズボズボ


珠美・未央「ドンドン入って…」


珠美・未央「ウソー!!」


テレビ「」チャプン

――同日@???


ドサッドサッドサッ!!!


忍「いたた…」


未央「思いいきりお尻から行った…」


珠美「二人とも無事ですか…」


忍「どこ…。ここ…」


未央「すごい霧…。前がまともに見えない…」


珠美「何これ…?一体どこなの?ジュネスの倉庫?」


未央「テレビの裏が倉庫だなんて聞いたことないって…。しかし、なんだこの鉄骨に照明…」


珠美「何だかスタジオみたい…」


未央「スタジオ?――ここってマヨナカテレビの撮影スタジオ?」


忍「それより、ここから早く出ないと…」


珠美「どこから出るんでしょうか?珠美たちは上から落ちてきたような…」


シーン


未央「…上を見ても何も見えない。とにかく出口っぽいのを探そうよ。みんな固まってね…」


――テレビの中


珠美「なんか、建物っぽい所に出てきたね…。マンション?」


未央「霧で一番上は見えないけど、それっぽいね。中に誰かいないか探してみる?」


忍「それ以外に選択肢はなさそうっぽいし、行っていよう…」

未央「おじゃましまーす…」


珠美「誰もいませんね…。――って、忍殿!み、未央殿!」


未央「どうしたの!?」


珠美「壁にかかってるポスター…」


未央「え?――うわっ…」


>壁一面には同じポスターが貼られているが、全て顔の部分が破けて、名前の部分が赤く塗られていて分からない…


忍「誰だろう、このポスターの人…」


未央「この人に相当恨みがある人だよね…。ここまでひどいことするのって…」


珠美「み、未央殿!…これ…」


未央「今度はな…に…」


>部屋の真ん中には椅子が一脚と、その上にはロープと赤い布が輪っかになっている…。


未央「…これってもしかして」


忍「…そっとしておこう」


珠美「でも、これって…」


忍「何も見なかった…。いいね?」


未央「それが良いかも…。想像したら、――うう、気分悪くなってきた…」


珠美「…確かになんかここへんです…。早く戻りましょう…」


スタスタ


忍「誰か…来る?」


未央「え!?」


キュポキュポ


珠美「あ、足音が聞こえる…」

未央「来るならどーんと来なさい!未央ちゃんはもう何も怖がらないぞ!」


???「君たち誰ね?」


>目の前に現れたのは、黄緑色の着ぐるみを着たような物体だ…。手足が異常に短く、良く見ると…。ブサイク?


未央「あ、あんたこそ何ものよ!?」


ぴにゃこら太「ぴにゃはぴにゃこら太だぴにゃ。それ以上でも、それ以下でもなかとよぴにゃ」


珠美「なんなのこいつ…」


ぴにゃこら太「君たちどうやってここに来たぴにゃ!?」


忍「テレビから落ちてきたんだけど?」


未央「こんな不気味な物体相手に物怖じせずに話せるの!?」


ぴにゃこら太「ここは非常に危険ぴにゃ!早く帰れぴにゃ!」


未央「帰りたいんだけどどうやって帰ればいいか分からないのよ!」


ぴにゃこら太「そ、そんな大きな声出さないでぴにゃ…」ブルブル


珠美「…何なんでしょうかこの物体Vは?」


未央「分からない…」


ぴにゃこら太「人が来た気配がしたから、来てみたんだぴにゃ。最近、人が立て続けに来てる雰囲気がするぴにゃ」


未央「最近、人がこっちに来ている?どういうこと?」


ぴにゃこら太「こっちの世界は霧が晴れたら『シャドウ』が暴れて大変危険ぴにゃ!コレで帰るぴにゃ!」


ポポポン!


忍「何も無い所から、テレビが出てきた…」


ぴにゃこら太「さあ、とっとと帰るぴにゃ!」ギュウギュウ


未央「あ、こら!押すな!狭いんだから!」ギュウギュウ


ぴにゃこら太「人を入れている人を見かけたら、『迷惑してるから人を入れないで』って怒ってほしいぴにゃ!」


珠美「そんな無責任な――きゃぁー!」

テレビ「」ペッ


忍・珠美・未央「いったーい!」


未央「何なのあの黄緑の奴は!?」


珠美「『人を入れてる人がいたら、迷惑してるから入れるな』って、どういうこと?」


未央「分からないことだらけだよ…。テレビの中の世界…。顔だけ引きちぎられたポスター。丸い輪っか…。黄緑の――ん?」


未央「ねえねえ!あのポスターってこれじゃない!」


>未央が指差したのは、有浦柑奈のポスターだった。


忍「有浦柑奈って、和久井留美の浮気相手…」


珠美「ということは、あの部屋は…かわし――」


未央「それ以上は考えない方が良いよ…。絶対ヤバいって…」


珠美「う、うん…。なんか寒気してきました。珠美は帰ります…」


忍「うん。アタシもなんか気分悪いし…」


未央「そうだね…。また明日、考えよう…」


――同日夜@片桐家


早苗「おかえり~」


忍「ただ今、戻りました…」


早苗「あら?随分疲れてるわね?まだ、新しい環境に慣れてないのかしらね?」


忍「――テレビの中の世界のことなんて言っても、信じるわけないよね…」


仁奈「おかーさん!忍おねーさん!ご飯にしやがりますよ!」


早苗「そうね!お腹空いちゃったわね!」


忍・仁奈・早苗「いっただきまーす!」


早苗「仁奈。テレビのチャンネル変えて」


仁奈「…分かったでやがります」


テレビ『川島アナ殺人事件で、アイテレビは遺体の第一発見者と接触することが出来ました』


忍「――杉坂先輩だ」


早苗「あー…。もう出ちゃってるんだ…。これだけ小さい街じゃ仕方ないか…」


>今日は疲れているし、雨が降っている早目に部屋に戻ってマヨナカテレビを見ることにする

――4月14日深夜12時@片桐家自室


ブツッ


忍「――映った!」


>昨日と同じ女子生徒が、苦しそうにしている…。映像が昨日よりはっきりして…


忍「杉坂先輩!?」


>杉坂海が苦しそうにしている。そして…


忍「動かなくなった…」


――4月14日(4月2週)朝@稲羽市某所


早苗「クソ!なんでこうなるのよ…!」


雪菜「…」


――同日昼休み@2-2教室


アナウンス『緊急集会を行います。生徒は体育館に集合してください』


未央「えー!お腹空いたよ!サボっていい?」


珠美「志乃先生が未央殿を停学にしても文句言えないと思いますが…」


未央「それはマズイ…」


――体育館


校長『えー。皆さんには悲しいお知らせをしなくてはいけません…』


ザワ・・・ザワ・・・


校長『本校の生徒である、杉坂海さんが今朝、亡くなっていると一報が入ってまいりました』


忍・珠美「!」ドサッ


未央「う、嘘でしょ…。先輩が…」


校長『静粛に。――今回の事件は一連の事件に巻き込まれたのかは分かりません。テレビ局や雑誌の記者が皆さんを質問――』


――教室


珠美「未央殿…」


未央「…二人とも。昨日のマヨナカテレビ見た?」


忍「うん…。あれ、杉坂先輩だったね…」


未央「やっぱり…。何で先輩が…」


珠美「海先輩…。川島アナと同じような状態だって…」


未央「そう…。それにあのぴ、なんとかとかいうブサイクが言っていたでしょ?『最近、人が入り込んでいる』って」


珠美「まさか未央殿、あのテレビの中の世界のことを!」


未央「入り込んだのが川島アナで、殺されて、あの状態になった…。そして海先輩も…あの状態で殺されていた…」


忍「そう考えると、少し合うかも…。川島アナもマヨナカテレビに映っていたって、珠美ちゃん言ってたよね?」


珠美「ですが!それはいささか出来すぎというか…」


未央「出来すぎだけどさ、同じように2回連続でできるかな?」


珠美「珠美は反対です!未央殿!その考えは捨ててください!」


未央「私はまだ何も!」


珠美「未央殿、忍殿を誘ってテレビの中に行こうとしていますよね?」


未央「…」


珠美「あんな危険な世界…。下手したら、未央殿も同じようになってしまいます!それを知って、珠美が行かせると思いますか!?」


未央「忍ちゃん!あの世界に入れるのは、忍ちゃんしかいないの!先輩はどうして死んだのか、なんで死ななくちゃいけなかったのか知りたいの!」


珠美「忍殿!珠美と一緒に未央殿を止めてください!」


忍「…」


未央「私、準備してくるから!忍ちゃん、待ってるから!」タタタ…

珠美「まずいですぞ!未央殿、忍殿が来なくても、一人では入るかもしれません!」


忍「それ、アタシがいたって…」


珠美「止めましょう!」


――同日放課後@ジュネス家電コーナー


珠美「未央殿!」


未央「珠ちゃん!それに忍ちゃん!一緒に来てくれるんだね!」


珠美「反対です!止めに来たんです!死にに向かう友人を止めるんです!」


未央「犬死なんかしないよ。ちゃんとこれを準備したんだよ」つゴルフクラブとロープ


珠美「それでどうするんですか?」


未央「私と忍ちゃんにロープをくくりつけて、テレビの中に入る。何かあったら、ロープで合図するから、珠ちゃんが引っ張る!そうすれば、戻れる!」


珠美「…」


未央「それに敵が来たらこのゴルフグラブで殴る!ジュネスおすすめの1番ウッド!チタン製だから振りぬいたら結構痛いよ」


珠美「そういう問題じゃありません!」


忍「…いい考えだと思う」


珠美「忍殿まで!?」


忍「同じ場所から入れば、あのブサイクに会えるかもしれない…。そうすればまた出してもらえるよう頼むのも手だし、駄目なら…」


珠美「珠美が引っ張り上げる…」


未央「ここで一番腕っぷしが強いの、珠ちゃんだしね!剣道やってる力、ここで見せてよ!」


珠美「多数決の結果ですから、従うしかありません…。ですが、危険だと思ったらすぐ戻ってきてくださいね!」


未央「もち!初めからそのつもりだよ!――行こう忍ちゃん!」


忍「行ってくるね!」


チャポン


珠美「…手ごたえがない。まさか…!」ズルズルズル


つキレテマース


珠美「やっぱり駄目じゃないですかぁ…」グス

本日最終更新です。明日はちょっと用事で更新できません…


ぴにゃこら太「キミたち、また来たぴにゃ!?」


未央「おーいたいた。ちょっとお話いいかな?」


ぴにゃこら太「キミたちどうやってここに!?昨日、あれだけここは危険だって説明したぴにゃ!?――もしかして、キミたちが犯人!?」


未央「何ですと!?このカワイイ未央ちゃんが犯人だって!?聞き捨てならないな!」


ぴにゃこら太「二人は入れられたって感じがしないぴにゃ。どう考えても怪しいぴにゃ…」


忍「もし、あたしたちが犯人なら、今頃アタシたちがぐさぁー!してるよ」


ぴにゃこら太「ヒィッ!」


未央「そういうこと。――昨日、杉坂海って人がここに入ってこなかったか?」


ぴにゃこら太「だれかは分からないけど、キミたちが帰った後、誰かがここに来た気配があったぴにゃ」


未央「忍ちゃん!」


忍「うん。やっぱり杉坂先輩はここに来たんだ…」


ぴにゃこら太「でも、その後、霧が晴れて、『シャドウ』が暴れだした後、また霧が出てきて気配が消えちゃったぴにゃ」


未央「霧?こっちの世界では霧が出ていたんだけど…」


ぴにゃこら太「この世界では霧が晴れると、車道たちが暴れて非常に危険ぴにゃ。だから、霧が晴れる前にキミたちを帰らせたぴにゃ」


忍「そうだったんだ…」


ぴにゃこら太「キミたちが犯人じゃないの、信じてもいいぴにゃ。でも、その代わりここに人を入れるのを止めさせてほしいぴにゃ。ぴにゃはここで静かに暮らしていたぴにゃ…」


未央「そうしたいのは山々だけど、分からない事が多すぎて…」


ぴにゃこら太「非協力的なのは構わないぴにゃ。でも、この世界から出してあげないぴにゃ」


未央「このブサイク…。――でも、今回は丸腰じゃないんだよ!この命綱が――ないんですけど…」


ぴにゃこら太「プークスクスクス」


未央「忍ちゃん。あのブサイク、絞めてもいいかな?」


忍「落ち着いて!出れなくなっちゃうから!」

未央「まあ、それは良いとして…。ここでマヨナカテレビは撮影されているの?」


ぴにゃこら太「マヨナカテレビ?さつえい?なにぴにゃ?」


忍「ここに入れられた人は、真夜中にテレビに映されて、霧が出る日に…」


未央「入れられた人が自分を撮影している?ってこと?ここにいる誰かが撮っている?」


ぴにゃこら太「急に何を言っているのか意味が解らんぴにゃ。ここではサツエイとか、トルなんてことは無いぴにゃ。でも一つだけいえることがあるぴにゃ」


未央「なに?」


ぴにゃこら太「とにかく、こっちに干渉することを止めてほしいぴにゃ。こっちの世界がそのせいでどんどんおかしくなっていくぴにゃ…」


忍「ねえ。一番最後に様子がおかしくなった場所に連れて行ってくれない?」


未央「忍ちゃんナイスアイディア!そこに先輩がいたはずだよ!」


ぴにゃこら太「…いいぴにゃ。付いてくるなら、これを付けるぴにゃ」


>ぴにゃこら太が渡したのはメガネ。度は入ってなさそうだ


未央「何でこんなものを?」


ぴにゃこら太「いいから、早く着けるぴにゃ。こうなった世界にはヒツジュヒンぴにゃ」


未央「うおおおお!」


忍「すごい…。霧がないみたい…」


ぴにゃこら太「さあ、付いてくるぴにゃ」ピニャピニャ


未央「…あのブサイク一体何者なんだろう?」


忍「さあ?」

――同日放課後@テレビの中


未央「…どういうこと?」


忍「ずいぶん、アタシたちよりの世界だね。――未央ちゃん?」


ダッ


忍「未央ちゃん!――何がどうなってるの?」


ぴにゃこら太「ここら辺はここに来た者の現実になるぴにゃ…」


忍「じゃあ、海先輩の現実がここだったってこと?」


ぴにゃこら太「それは分からないぴにゃ。少なくとも、ここに来た人の強いイメージでこうなったことと、あの走って行った子は危険ぴにゃ」


忍「このブサイク!それを持って早く行ってよ!」タタタ…


ぴにゃこら太「え!?ちょっと待つぴにゃ!置いてかないでぴにゃ~」


未央「やっぱり……」


忍「未央ちゃん!」


ぴにゃこら太「はあ…はあ…。身体が重いぴにゃぁ…」


未央「二人とも…」


忍「勝手に行かないでよ!」


ぴにゃこら太「ここは危険ぴにゃ!」


未央「…ごめん。つい身体が動いちゃった…」


忍「ここは…酒屋さん?どうして?」


未央「ココ、海先輩の実家なんだ…」


忍「え!」


未央「商店街の風景が出てきたから、もしかしたらと思って――」


ぴにゃこら太「二人とも!『シャドウ』が…」


忍・未央「え?」

ウギギゴゴゴ


未央「地面から…黒いのが出てきて…」


忍「アタシたちを見ている?」


ぴにゃこら太「気を付けて狙われてるぴにゃ!」


未央「こんな化け物みたいなのに先輩は…」


ぴにゃこら太・忍「危ない!」


ドン!


未央「え?忍ちゃん!」


忍「」


――我は汝


未央「忍ちゃん!――何すんのさブサイク!」ガシッ


ぴにゃこら太「逃げるぴにゃ!シャドウには普通の攻撃はきかないぴにゃ!」


――汝は我


未央「それじゃ、忍ちゃんが!」


ぴにゃこら太「全滅したら、ぴにゃはどうしたら良いぴにゃ!?ここでずっと怯えてなくちゃいけなくなるぴにゃ!」


――双眸を見開きて汝


未央「そんな事できないよ!私のせいで忍ちゃんがああなったら」


――今こそ発せよ!











忍「イザナギ!」


未央「忍ちゃんのいた場所から光…」


ぴにゃこら太「これは…これはもしかして…」


――ペルソナぴにゃ!


イザナギ ―愚者―


未央「ペルソナ?」


ぴにゃこら太「シャドウに対抗できる唯一の手段ぴにゃ!」


忍「行け!イザナギ!」


ゴォォォ ズバッ バシュュュ


未央「すごい…」


ぴにゃこら太「たった一太刀でシャドウが消えたぴにゃ…」


シャドウ「」スー


ぴにゃこら太「シャドウが逃げたぴにゃ!」


忍「ふぅ…」


未央「忍ちゃん!」ギュー


忍「未央ちゃん!は、恥ずかしいよ…」


未央「ごめんね!危ない所を身を挺して…」


忍「あはは…。身体が勝手に動いちゃって…。考えなしで…。心配かけてごめんね」


未央「バカ!私の命の恩人だよ!――でも、何なの今のは?」


忍「ペルソナ?とかいうの?とっさに口から出た言葉だから…」


ぴにゃこら太「おみそれしたぴにゃ!」


忍「へ?」


ぴにゃこら太「この世界でシャドウに対抗できる力を持っているとは…。今からセンセーと呼ばせてくださいぴにゃ!」


忍「まあ、良いけど…。--センセー?何の?」

忍「でも…。この力があれば、今みたいのが出てきても――」


――何度言ったらわかるんだ!


未央「え?忍ちゃん何か言った?」


忍「未央ちゃんじゃないの?」


――なんでジュネスでバイトしてるんだ!


――ジュネスのせいでうちがどれだけ苦労しているか分かってるでしょ!?


未央「この酒屋の中から聞こえる!行こう忍ちゃん!」


忍「うん!」


ぴにゃこら太「」


ぴにゃこら太「――冷たい現実と、暖かいウソ。この世界に偽りはない。全部が真実で現実…」


未央「こら!ブサイク!怖じげづいてるのか!早く来てよ!」


ぴにゃこら太「口が悪いぴにゃ…。センセーのおかげなのに…」


――同日放課後@杉坂酒店


――お前が近所でどういわれているか分かってるんだろ!?


――代々続いてきたこの店をなんだと思ってるんだい!?長女として恥ずかしくないのかい!?


――金か!?それとも男か!?


未央「な、何これ…。先輩はこんなことを言われ続けていたの…。私には何にも言ってくれてない…」


――ずっと、ずっと言えなかった…。


忍「この声…」


未央「先輩の声だ!」

――アタシの本当の気持ち…。


――アタシは、未央ちゃんのこと…。


未央「本当の気持ち…」ゴクリ


――ウザいと思っていた。


未央「へ?」


忍「え?」


――店長の娘だからって近づいたのに…


――アイツ、勘違いして頼られてるって思って…


未央「せ、先輩…」ガクッ


――自分は頼られてるって思って、盛り上がって…近寄ってきて…


――ほんともう嫌!親も、店も、商店街も、未央も全部嫌!


未央「先輩…」


???「あーあ。振られちゃったねえ…。可哀想なアタシ…」


未央「今度は…何…」


忍「え…」


ぴにゃこら太「そんな…」


未央?「つまんない…。全部がつまんない!こんな世界!壊れたらいいのにね!」


――未央ちゃんが二人!?

未央「な、何コイツ…。世界が壊れたらいい?つまらない?私はそんなこと思ってない…」


未央?「思ってない?あはは!とんだお笑い草だね!退屈な田舎暮らし!刺激の無い毎日!起きて、退屈な授業を受けて、店の手伝い、そして眠る!これの繰り返しがつまらなくないでしょ!」


忍「あの未央ちゃんみたいなやつは…?」


ぴにゃこら太「多分、未央ちゃんとかいう人の――」


未央「そんなこと思ってない!あんたに何がわかるのよ」


未央?「分かるよ。分かってるよ。全部ね。だって私は――」


――あんた(未央ちゃん)の影だから(ぴにゃ)!


忍「未央ちゃんの影…」


未央?「そろそろ自分の本性をだしたら?いつまで我慢したジブンを演じる気なの?」


未央「本性を出す?演じる?全部これが私!これ以上でも、これ以下でもない!」


未央?「はあ…。まだ言ってんの…。ようやく手に入ったじゃん、退屈な日常をぶっ壊す楽しい『事件』が、ワクワクする『出来事』。そしてヒーローになれるこの『瞬間』をさ!」


未央「先輩が死んでるのに、楽しい?ワクワクする?ふざけないで!」


未央?「ふざけてなんかないよ。待ってたじゃん。事件を解決して見せるなんて思ってるんじゃないの?ヒーローになった気分でさ」


未央?「先輩のときだってそうだよ。『困ってる先輩を助けたら、アタシ、あの人のヒーローになれるんじゃない!?』ってさ!そしたら、ものすごいカウンターくらったけどね!あははは!」


未央「何なのよ…」


未央「私はそんなこと思ってない!アンタなんか…私じゃない!」


未央?「同じ身なりで、ホントのこと言ったのに…。私じゃないって言い張るんだ…」


未央「そうよ!アンタは私じゃない!私は違う!」


未央?「違うなら…。私は本田未央じゃない…。私から私は解き放つんだ――」


未央「な、なに…。何が起きてるの…」


忍「未央ちゃんの影が…大きくなっていく」


ぴにゃこら太「未央ちゃんの影の力が暴走してるぴにゃ!」


未央の影「私はこの時を待っていた!本物を殺して私が本田未央になるんだぁ!」


未央「違う…。私は…、私は…」

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