男「******の夜……?」(5)

「******、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。
                    僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば
   僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
                           「うん。僕だってそうだ。」
「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」
                「僕わからない。」
「僕たちしっかりやろうねえ。」
                    「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ。」
「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
                 どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」
「ああきっと行くよ。ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集ってるねえ。
                あすこがほんとうの天上なんだ。あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」
「******、僕たち一緒に行こうねえ。」
             ・
             ・
             ・
 「何かあったんですか。」
                           「こどもが水へ落ちたんですよ。」
「*****、******が川へはいったよ。」    
                   「どうして、いつ。」
         「――――――!」
                 「――――!――――!!」
       「もう駄目です。落ちてから――――――」
                        
――――――――――――――――――――――――――――――


男「……っ!…………はぁ……はぁ…………」

男「…………夢……か…………」

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