雪乃「仕事行くのね…？頑張ってね。」

八幡「その…昨日は少し言いすぎた。すまん。」

雪乃「私の方こそ感情的になってごめんなさい。少し子育てで疲れていたのだけれど、貴方の言うとおり、貴方の責任に感じれば全然よね。」

八幡「なぁ…俺、この事件が終わったら刑事を辞めようと思っている…」

雪乃「それはどうしてかしら…？私たちのためにとでも言うつもりかしら？」

八幡「別にそういうんじゃねぇよ…ただ俺も家族ってのを味わってみたいんだ。」

雪乃「相変わらず、頭の悪い考えね。私たちが我慢すればいいだけの話なのよ…だから貴方は仕事を続けて…」

八幡「でも、その我慢だってもう限界に来てるだろう？」

雪乃「そんな事ないわ…ただ、強いて言えば愛する貴方と毎日、言い合いになるのは辛いわ。」

八幡「なぁ…雪乃…もしかしたら…俺はこの事件で死ぬかもしれない…」

雪乃「どういう事かしら…？」

八幡「実は今日…奴らのアジトへ乗り込む…捜査員と特殊部隊でな。」

雪乃「相手は平成最悪の武装集団だよ！？そんなの無茶じゃない！？」

八幡「だからこそ、成し遂げたら刑事を辞めてもいいと思っている…。」

雪乃「お願い…行かないで…刑事を辞めるなら、今日辞表を出して…」

八幡「それは出来ない…。俺があいつを止めてやらないと…」

雪乃「別に由比ヶ浜さんがああなったのは貴方のせいじゃないじゃない！」

八幡「由比ヶ浜だけじゃない…材木座や戸塚がああなったのは俺の責任だ…」

雪乃「…由比ヶ浜さんはきっと、私と貴方が幸せに暮らしているのが許せないから…暴走しているのよ…なら私が…」

八幡「バカな事言うな。だが由比ヶ浜は捕まれば間違いなく死刑だ…そうなる前に上手く、海外に逃がそうと思ってる…俺が説得出来ればだがな」

雪乃「どうして…？どうして彼女にそこまでするのかしら？家族には命賭けられない貴方がどうして彼女には命を賭けられるの？」

八幡「別にそういう事じゃねぇよ…。それにお前だって親友が死刑になるのは嫌だろう？」

雪乃「私は由比ヶ浜さんより、貴方が死ぬ方が嫌よ…」

八幡「悪い…そろそろ時間だ。行ってくる。」

桐生「待て…」

八幡「桐生さん…どうしてここに？」

桐生「お前一人で行くつもりだな？」

八幡「何の事ですかね？」

冴島「水臭いで…八幡ちゃん…この一件…ワシらも戦う理由があるんじゃ」

秋山「あの組織と東城会が協力関係になれば間違いなく…テロ組織になる…そういう事ですよね？」

桐生「そうだ…今の大吾は冷静な判断が出来なくなっている…奴らと手を組んで、近江連合の本部にミサイルを撃ち込むつもりだ…」

冴島「俺の責任でもある…大吾ちゃんがそこまで追い詰められてるのに気づかんで…若頭として失格や」

ヤクザ「見つけたぞ！」

八幡「クソ…ここじゃ危険過ぎる…でも俺は家族を守らないと…！」

テロリスト「比企谷八幡の関係者は残るはここだけか？」

八幡「ここだけ…もしかして俺の実家は…」

冴島「それなら心配ないで…俺の舎弟の馬場ちゃんと城戸ちゃんがお前の実家の前に張ってる…心配すな」

秋山「桐生さん…冴島さん…ここは俺と八幡で食い止めます…二人は例の倉庫に向かってください。」

桐生「だが…相手はヤクザとテロリストだ…二人で挑むのは無謀だ…」

真島「久しぶりに大暴れするでええええ！どこや！？聞いたで桐生ちゃん！ホンマモンのテロリストとドンパチ出来るんやろ！？」

秋山「念の為に強力な味方を呼んでおきましたよ…？俺たちがいらなくなっちゃうかもしれませんが」

冴島「兄弟の奴…久しぶりに目がキラキラしとる…」

秋山「さっ…この３人がいれば安心でしょ？早く行って…」