セイバー「地面に剣が突き刺さっている……」 (61)

冬木市

セイバー「今日も良質なものを買うことができました。軍資金をくれたシロウに感謝しなければ」

「フハハハハハハ!!! やはりどいつもこいつも雑種にして雑兵!! 烏合の衆とはこのことか!!」

セイバー「む……」

ギルガメッシュ「全く。期待通りの低俗さだな。哀れを通り越し、愉快にもなるというものだ。フハハハハハハ!!!」

セイバー(英雄王……。一体、何をしているのでしょうか……)モグモグ

「これほんとに抜けるのー?」

「絶対に抜けないんじゃないの、ギルー」

ギルガメッシュ「我が虚偽を吐くとでもいうのか。たわけめ。我は絶対にして、唯一の王。下郎共に恥を晒すわけがなかろう」

セイバー(子どもが集まっていますが……)

セイバー「……」モグモグ

ギルガメッシュ「ん? おぉ!! そこにいるのはセイバーではないか。そんな外野で観覧せずともよい。こちらへこい」

セイバー「なにをされているのですかー?」

ギルガメッシュ「おい。お前たち、道を開けろ」

「「はーい」」

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セイバー「これは……。地面に剣が突き刺さっている……」

ギルガメッシュ「セイバーであれば、既に察していよう」

セイバー「この剣を抜けるものを探していたということですか」

ギルガメッシュ「その通りだ」

「でも、絶対に抜けないんだー」

「すっごくかたいの」

セイバー「このような児童に何をさせているのですか、英雄王」

ギルガメッシュ「なぁに。この剣を抜けるものが現代にいるのか、知りたくてな」

セイバー「どういうことですか」

ギルガメッシュ「この剣は真の勇者でなければ引き抜くことができん代物でな」

セイバー「英雄王ですら、引き抜けないと」

ギルガメッシュ「我は王。勇者などというつまらぬ肩書ではない」

セイバー「何故、このような場所にそのように神聖な剣が……?」

ギルガメッシュ「古よりこの剣を引き抜けるだけの猛者がいなかっただけの話だ。まぁ、雑種共が束になろうともこの剣は地面から離すことはできなかったようだがな。なんとも滑稽だろう」

セイバー「つまり、この大地に刺さっている剣は英雄王ですら所持していない聖剣というのですか」

ギルガメッシュ「我が有していない宝具が存在しないことなど万に一つもありえぬが、引き抜いてみないことには分からんな」

セイバー「よもや、この剣は原典にして、唯一無二の宝具……」

ギルガメッシュ「どうだ、セイバー? 児戯にも等しいが、興味はあるか」

「ギルとこのお姉ちゃん、なにいってるんだろう?」

「ちゅーに、ってやつじゃないかな」

セイバー「私がこの聖剣を引き抜ければ、私が所持してもいいのですか」

ギルガメッシュ「無論だ」

セイバー「それは重畳。英雄王すら手にしたことのない宝具を得られるというのであれば、とても有意義だ」

ギルガメッシュ「自信に満ちているな」

セイバー「私を誰だと思ってる。――私は、騎士王。既に一度、聖剣を引き抜いた身だ」キリッ

ギルガメッシュ「では、やってみせよ」

「だいじょうぶなのー」

セイバー「この程度なら、片手で十分でしょう」グッ

セイバー「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」グググッ

ギルガメッシュ「……」

>>4
ギルガメッシュ「我が有していない宝具が存在しないことなど万に一つもありえぬが、引き抜いてみないことには分からんな」

ギルガメッシュ「我が有していない宝具が存在するなど万に一つもありえぬが、引き抜いてみないことには分からんな」

セイバー「ふうぅぅぅ……!!!」ググググッ

「ぬけないねー」

「ねー」

セイバー「中々、しっかりと突き刺さっているようですね。では、大人げはありませんが、両手でいかせてもらいます」

ギルガメッシュ「期待しているぞ、セイバー」

セイバー「括目していてください。騎士王たる所以をここで証明してみせます……!!!」グッ

セイバー「はぁぁぁぁぁ!!!!」ググググッ!!!!

ギルガメッシュ「……」

セイバー「あぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!」

「おねえちゃん、むりなんじゃ……」

「えぇ……」

セイバー「はぁ……はぁ……。この聖剣、かなりの業物と見ました。簡単にはいかないようですね」

ギルガメッシュ「策はあるのか」

セイバー「全力でいかせてもらいます」シャラン

「あれー、へんしんしたー! すげー!! おねえちゃん、すげー!! ほんきだー!!」

セイバー「いくぞ!!!」

セイバー「エクス――」グッ

セイバー「――カリバァァァァァ!!!!!」グググググッ!!!!!!

ギルガメッシュ「……」

セイバー「アァァァァァァァ!!!!!!!」

「だめだねー」

「おねえちゃん、むりしないでー」

セイバー「はぁ……はぁ……」

ギルガメッシュ「……」

セイバー「……!!」

セイバー(え、英雄王の目……明らかに哀れんでいる……!! なんたる屈辱……!!)

ギルガメッシュ「なんとも無様だな、セイバー。そんなお前も愛らしいが」

セイバー「世辞は結構だ。絶対に抜いてみせる!! うおぉぉぉぉぉ!!!!!」

「おねえちゃん……」

ギルガメッシュ「愛い奴め」

夕方

士郎「セイバー、どこまで散歩にいったんだ……」

凛「士郎がお小遣いを渡しすぎたから、遠くまで行ったんじゃないの」

士郎「いや、セイバーにはおやつ代で1000円しか渡してないぞ」

凛「まぁ、あのセイバーが市外に行くとも思えないけど」

桜「せんぱーい!! セイバーさん、みつけましたー!!」

士郎「ホントか! どっちだ!!」

桜「向こう、なんですけど……」

士郎「ありがとう、桜!!」

桜「あ……」

凛「どうしたの、桜? 浮かない顔してるけど」

桜「それが、セイバーさんの様子がおかしくて」

凛「なにかしてたの?」

桜「空をずっと見上げていて……」

凛「はぁ?」

セイバー「……」

士郎「セイバー!!」

セイバー「シロウ……」

士郎「こんな時間までなにしてたんだ? もうすぐ夕飯だぞ」

セイバー「……」

士郎「ほら、帰ろう」

セイバー「私は……サーヴァントとして……失格です……」

士郎「え?」

セイバー「私は、シロウの傍にいる資格などないのかもしれません……」

士郎「なにか、あったのか?」

セイバー「この剣が……剣が……」

士郎「剣……? なんだ、これ。地面に突き刺さってる……?」グッ

士郎「ぬけ、ないな……! これ、どうやったら抜けるんだ?」

セイバー「真の勇者にしか引き抜くことはできません」

士郎「そう、なのか」

セイバー「すみません、シロウ」

士郎「どうして謝るんだ」

セイバー「私は、自惚れていたのかもしれません。過去の栄光に縋り、自分を見失っていたのです」

士郎「……?」

凛「つまり、その剣が抜けなかったから、セイバーは自信を失っちゃったんでしょ」

セイバー「リン……。はい、その通りです。私のような惰弱者など、シロウには相応しくありません……」

桜「セイバーさん……」

士郎「なんでさ?」

セイバー「え……?」

士郎「この剣が抜けないからって、セイバーが弱いとかそういうことにはならないんじゃないのか? セイバーは強いし、尊敬できる。あと、なにより、美人だ」

セイバー「シロウ……!」

士郎「ただ真の勇者じゃなかっただけだ。気にすることは――」

セイバー「……」

士郎「あ、あれ? セイバー?」

凛「多分、セイバーが一番気にしてるところなんじゃないの?」

衛宮邸

セイバー「……」

桜「セイバーさん、元気がないですね。おかわりもいつもより2杯も少ないです」

士郎「そうだな……」

凛「騎士王としては突き刺さってる剣が抜けなかったのは、ショックなのかもね」

士郎「なんでさ?」

凛「アーサー王の伝説。どういうのだったか、知らないわけじゃないでしょ」

士郎「あ、ああ……。そっか、セイバーは……」

凛「そういうことよ。一度出来たことが出来なかった。それって結構悔しいもんよ。魔術師だろうと騎士王だろうと一緒ってことね」

桜「セイバーさんがあのままなのは、嫌です。食費は浮きますけど」

凛「そうよね。あんなに落ち込んだセイバーを見るのは、士郎に怒られたとき以来よね」

桜「先輩、どうにかセイバーさんを元気づけてあげてください」

士郎「そうはいっても……」

凛「手っ取り早い解決策は一つしかないわよね」

桜「やっぱり、あの剣を……?」

凛「それしかないわ」

士郎「けど、真の勇者にしかあの剣は抜けないって……」

凛「なら、あの剣には何らかの魔術で封印が施されていることになる。その封印を解く方法を調べるべきね」

桜「あの、もし真の勇者にしか引き抜くことができないという話が本当なら……?」

凛「なんらかの因子を持つものにしか反応しないようにできているかもね」

士郎「だったら、無理なんじゃないか」

凛「そうとも限らないわ。所詮は魔術。魔法でも使われていたらお手上げだけど、魔術の鍵なら壊しちゃえばいいだけよ」

士郎「お前……」

凛「いいじゃない。あれには呪詛が巻きついている様子もなかったし」

桜「弄ったときに発動する仕掛けだったら……」

凛「そのときはそのときよ。とりあえず調べてみましょ。私としてもセイバーが落ち込んでいるとこは見ていたくはないもの」

士郎「ありがとう、遠坂」

凛「別に、お礼なんていらないわ。これは私個人のためでもあるもの」

桜「姉さん。そんなに照れなくても」

凛「照れてない! ほら、行くわよ 桜!!」

桜「はーいっ」

士郎「よし、俺も――」

凛「何を言ってるのかしら、士郎。あのセイバーを一人にさせちゃう気?」

士郎「え……でも……」

桜「今はセイバーさんの傍にいてあげてください」

凛「本当の引き籠りになったら、どうするつもりよ」

士郎「そんなことになるわけないだろ」

凛「分からないわよ。俗世にまみれた今のセイバーならね」

士郎「むぅ……」

凛「そーだ。士郎はセイバーにイメージトレーニングでもさせておきなさいよ」

士郎「イメージトレーニング?」

凛「そう。魔術の訓練でも大事でしょ」

士郎「まぁ、そうだけど」

凛「それじゃ、よろしくね」

桜「行ってきます、先輩」

セイバー「何故だ……私は……セイバーだというのに……あの聖剣……一体……」

士郎「セイバー!! ちょっと庭まできてくれ!!」

セイバー「シロウ……? なんでしょうか……?」

セイバー「――どうしたのですか?」

士郎「これを見てくれ。俺なりに再現してみた」

セイバー「その剣は……」

士郎「一度、触れたから投影は簡単だった。セイバー、ここで引き抜くイメージを固めるんだ」

セイバー「イメージを? そんなことをしても……」

士郎「できないって思いこむことが一番ダメだ」

セイバー「……」

士郎「セイバーなら、絶対に抜けるさ」

セイバー「そう、でしょうか」

士郎「俺の好きなセイバーはいつも凛々しく、前を向いてるじゃないか」

セイバー「……!」

士郎「できる。セイバーは、最強のサーヴァントなんだからな」

セイバー「はぁぁぁぁ!!!」スポッ

セイバー「シロウ!! 抜けました!!」

士郎「その調子だ!! セイバー!!」

セイバー「では、もう一度」ザンッ

セイバー「はぁぁぁ!!!」スポッ

セイバー「シロウ!!」

士郎「うん。いいぞ」

セイバー「はっ!」ザンッ

セイバー「ふんっ」スポッ

セイバー「シロー!!」

士郎「もっと続けてイメージを固めるんだ」

セイバー「はいっ!!!」

士郎「よかった。セイバー、ちょっと元気になってくれた」

セイバー「ふんっ」スポッ

セイバー「シロウ!! できました!!」

公園

桜「どうですか、姉さん」

凛「うーん。これといって、封印が施されている様子もないのよね……」

桜「ライダーはどう?」

ライダー「何も感じません。少なくともルーンの類で何らかの仕掛けがある可能性は皆無でしょう」

凛「ライダー、一応、貴方も抜いてみてくれない?」

ライダー「分かりました。行きます」グッ

ライダー「ふっ……!!!」ググッ

桜「どう?」

ライダー「はぁ……。ビクともしませんね」

凛「ちょっと周りを掘ってみましょうか」

ライダー「よろしいのですか?」

凛「剣そのものにじゃなく、地面に魔術を使われているかもしれないわ」

桜「なるほど。流石姉さん」

ライダー「では、ベルレフォーンで周囲の土を抉りましょうか」

凛「待った! そんなことしたら剣まで吹っ飛んじゃうでしょ」

ライダー「あ……」

桜「もー、ライダーったら」

ライダー「すみません……」

凛「地道に掘っていくしかないわ」

ライダー「そうですね」ジャララ

ライダー「……」ザックザック

桜「これで何かが分かればいいんですけど」

凛「そうね……」

ライダー「む……?」

凛「どうしたの?」

ライダー「ここの土が異様な硬さなのです」

桜「ライダーでも掘れないの?」

ライダー「ええ」

凛「離れて。ガンドを撃つわ」キュィィン

ドォォォン!!!

凛「どう?」

ライダー「ダメですね。リンのガンドでも穿つことができないとは」

凛「決まりね。やっぱり剣には何も封印はない。問題は地面のほうよ」

桜「では、この土をどうにかすれば解決ですね」

ライダー「問題はどのような封印なのか、ですが」

凛「とりあえず、ガンドでできるところまではやってみましょうか」

桜「でも、それって大丈夫ですか。剣が折れちゃったりとか」

凛「ないない。こんだけ頑丈に封印されているんだから、ちょっとやそっとで壊れたりはしないわよ」

桜「は、はぁ」

凛「ガンドで封印が偶然解けちゃうかもしれないし、試す価値は十分にあるわ」

ライダー「壊れてしまうの間違いではないでしょうか」

凛「行くわよ!! ガンド!!! ガンド!!! ガンドガンド!!!!」バキュン!!!!バキュン!!!!

ドォォォン!!! ドォォォォン!!! ドォォォォォン!!!! ドォォォォォン!!!

ライダー「リン、ほどほどにしておいたほうが」

凛「ふぅ……。これだけ撃てば、流石にぶっ壊れたんじゃない?」

桜「……」

ライダー「……」

凛「さーくら、どう? ライダー? どうして、黙ってるの?」

桜「姉さん……」

凛「ん?」

ライダー「剣が粉砕していますが」

凛「え……?」

桜「残っているのは辛うじて、柄の部分……」

凛「ちょ、なんでよ!? これって宝具なんでしょ!? 金ピカも持ってるかどうかわからんない聖剣の類なんじゃないの!?」

ライダー「……」

桜「……」

凛「待って!! そ、そーよ!! イリヤなら! イリヤなら治してくれるんじゃないかしら!! すぐに呼びましょう!! ね!? 良いアイディア!!」

桜「ライダー、もしかして、この剣……」

ライダー「ええ。あり得ますね」

イリヤ「何事かと思ったら、リンの尻拭いをさせられるとはね」パァァァ

凛「だから、謝ってるじゃないの」

イリヤ「はい。これでいい?」

凛「ありがとう、イリヤ。流石ね」

イリヤ「こんな時間に呼び出さないでよね。ふあぁぁ」

凛「バーサーカーもありがと」

バーサーカー「……」コクッ

イリヤ「けど、剣の先は地面に埋まってるから、そこまで直そうとすれば、また元通りになるわよ」

凛「この際、仕方ないわ。元に戻して」

イリヤ「リンがそういうなら戻すけど」パァァァ

凛「助かるわ!」

イリヤ「で、この剣をセイバーは抜くことができずに落ち込んじゃったわけね」

凛「そう。で、どうして抜けないのかを調べていたら、事故で壊れちゃったのよ」

イリヤ「ふぅん」

桜「あの、イリヤさんならどういった魔術が施されているのか、わかりますか?」

イリヤ「封印というより、結合といったほうが正しいかもしれないわ」

凛「結合?」

イリヤ「そう。リンがガンドで根元を撃ち、剣が木端微塵になっても剣先だけが地面に残っていたことを考えればね」

ライダー「地面と一体化している、ということですか」

凛「それだと、誰にも抜けないんじゃないの?」

イリヤ「そうね。バーサーカー、ちょっと抜いてみて」

バーサーカー「……」コクッ

バーサーカー「■■■■■――!!!!!!!!」グググググッ!!!!!!

桜「こ、これで抜けなかったら……」

ライダー「サクラの予想は当たっているかもしれませんね」

バーサーカー「■■■■■――!!!!!!!!」グググググッ!!!!!!

バーサーカー「■■■■■――!!!!!!!! ■■■■■――!!!!!!!!!!!」グググググッ!!!!!!

イリヤ「バーサーカー。もういいわ」

バーサーカー「■■■■■――!!!!!!!!」フルフル

イリヤ「悔しいのは分かるわ。でも、もうやめなさい、バーサーカー」

バーサーカー「……」

桜「あの、バーサーカーさんが悪いわけじゃないですから」

バーサーカー「……」

ライダー「サクラ、今の彼に何を言っても意味はありません。そっとしておきましょう」

桜「う、うん」

バーサーカー「……」

凛「やっぱり、地面と一体化していのね」

イリヤ「いくらバーサーカーでもこんな細い取っ手だけでこの一面を持ち上げることは物理的に不可能ね」

凛「ってことは、この剣、宝具でもなんでもないってこと?」

イリヤ「そこまでは分からないわね。本物かどうかは確かめた?」

凛「どうやって確かめるのよ?」

イリヤ「……リン、あなたのサーヴァントはそこまで無能だったかしら」

凛「アーチャー……? あ、なるほどね」

イリヤ「まったく」

凛「ちょっとうっかりしてただけじゃないの!」

アーチャー「ふむ。この剣か」

凛「どう? それって宝具?」

アーチャー「どれどれ……」

アーチャー「――私の中にこの剣の設計図がある」

凛「それって……」

アーチャー「間違いなく、宝具だろう。名称などはわからないが」

ライダー「無銘の剣ですか」

アーチャー「そうなるか。宝具ならば、何らかの呼称はあってもいいとは思うが。不思議な剣だ」

イリヤ「アーチャーが一度は触れたことがある剣。それなら、無銘であろうが宝具なんでしょうね」

凛「一体化してるけど、本物か。なんとしても引っこ抜いてみたいわね」

アーチャー「私もこの剣には興味がある。協力しよう」

凛「あら、随分と紳士的ね」

アーチャー「なに。刀剣には煩くてね」

イリヤ「とりあえず、一体化している原因を調べないと」

バーサーカー「……」

桜「宝具だったんだ……」

ライダー「サクラの予想は外れてしまいましたね」

イリヤ「なにか思い当たることでもあったの?」

桜「この剣は実は宝具でも聖剣でもなんでもなくて、ただ悪戯でここにあるだけなんじゃないかなって」

ライダー「あの英雄王ならば気まぐれでそういうことをしてもおかしくはないかと」

イリヤ「まぁ、そうだけど、そこまで馬鹿馬鹿しいことはしないんじゃない?」

ライダー「セイバーの気を惹きつけるためならば、それぐらいのことは慣行しそうですが」

アーチャー「そのような問答は無意味だろう」

凛「アーチャーが知っていた。それで十分でしょ」

ライダー「そうですね。では、剣を抜く方法を考えましょう」

凛「いい? 前提条件としてこの剣はセイバーが抜かなきゃいけないことだけは忘れないで」

桜「はい」

アーチャー「やれやれ。騎士王にも困ったものだな」

イリヤ「さて、どんな魔術ならこの一体化を解けるのかしら」

凛「そこよね。難しいわ」

教会

ギルガメッシュ「今日の酒は格別だ。普段ならこのような安酒は口にせんが、それでも美味と我の舌が言っている」

ランサー「何かしてきたのか」

ギルガメッシュ「なぁに。戯れてきただけよ。下々の者とな。フハハハハハハ!!!」

ランサー「暇そうでいいな」

ギルガメッシュ「王とは暇でなくてはならない。玉座から離れる者など王にあらず」

ランサー「そうかよ」

カレン「英雄王。俗世を満喫しているようですね」

ギルガメッシュ「貴様の提案、中々の嗜好となりそうだ」

カレン「それはよかったです。私も喜ばしい限り」

ギルガメッシュ「アハハハハハ。いい、実にいいぞ!! あのセイバーですら、目を輝かせていたからなぁ!! 愉快、愉快!! アハハハハハハ!!!」

カレン「ふふふ」

ランサー「なんか吹き込んだのか?」

カレン「誰も手にすることはできないものが、手の届く場所にあるとしたら、ヒトはどのような行動をとるのか。少しだけ興味があったもので」

ランサー「よくわかんねえけど、ろくでもねえことなんだろうな」

衛宮邸 庭

セイバー「――この手に、その運命を受け入れる」

セイバー「私は騎士王、アーサーとしてこの地に立つ!!!」

セイバー「はぁぁぁぁぁ!!!!」グッ

セイバー「ふっ!」スポッ

士郎「……」

セイバー「シロウ。もう十分でしょう」

士郎「なにが?」

セイバー「あの剣、今は抜ける予感しかしません」

士郎「やるのか」

セイバー「私も一度は聖剣を抜いた者としての矜持があります」

士郎「明日でもいいんじゃないか」

セイバー「最強のクラス、セイバーとして、私はあの剣を抜かなくてはなりません」

士郎(セイバーの負けず嫌いが、こんなところで……)

セイバー「行きますっ」ダダダッ

公園

凛「ちっ。見た目に反して剣が脆すぎる」

ライダー「大地を削るだけの力には耐えられないようにできているようですね」

アーチャー「では、剣自体を強化させてみればどうだろうか」

イリヤ「ダメね。それでもなお、地面に施されている魔術が勝っているわ」

桜「お手上げなんですか……」

凛「キャスターだったら打開策の一つぐらいは用意してくれるでしょうけど」

ライダー「代わりに肉体の一部を要求されかねませんね」

アーチャー「同じ剣を投影し、若干ずれた地点に突き刺しておくという手もあるが」

凛「ちょっと、アーチャー」

アーチャー「いや、すまない。冗談だ。そのような子供だましではセイバーを謀ることなど――」

凛「いい考えじゃないの」

アーチャー「な、なに。凛、本気か」

凛「セイバーならきっと機嫌よくなってくれるわ」

ライダー「接待ですか」

凛「この剣を抜くことはサーヴァントでも現時点では無理。セイバーのことだから明日の朝にでもきっと抜きに来るに違いない」

イリヤ「時間はないってことね」

凛「そう。再度、セイバーがこの剣を抜くことに絶望してしまえば、衛宮邸がどうなるのか、考えたくもないわね」

桜「うーん、食費が大幅に……」

アーチャー「だが、ぬか喜びを抱かせれば、その反動こそ厄介になる」

凛「バレなきゃ大丈夫よ。アーチャーなら、この程度の剣は完璧に投影できちゃうでしょ」

アーチャー「しかしだな……」

凛「時間がないのよ、アーチャー。迷ってなんていられない」

アーチャー「……致し方ない。気は進まないが、私の提案だ。実行しよう」

イリヤ「大丈夫かしら」

ライダー「いくらセイバーでも……いや、セイバーだからこそということもありえますが……」

イリヤ「愛でたくなるぐらいの鈍感さんならいいんだけどね」

アーチャー「投影、開始」

アーチャー「――できたぞ」

凛「さっすが。それじゃ、その剣を突き刺して、突き刺さっている剣は粉砕しておきましょう。これで解決よ」

数分後

セイバー「……」

士郎「セイバー!! 待ってくれ!!」

セイバー「私の愚行を止めないでください、シロウ。これは、私の騎士道なのです」

士郎「よくわからないけど」

セイバー「あった。変わらず、かの地に佇んでいる」

士郎「あの剣……」

士郎(もう遠坂たちがなにかしたのか……? 何も変わってないように思えるけど)

セイバー「マスター」

士郎「は、はい」

セイバー「そこで見ていてください」

士郎「やっぱり明日にしないか? ほら、もう夜も更けたし」

セイバー「昼夜は関係ありません。私は万全です。あれだけ修行を積んだのですから」

士郎「でも……」

セイバー「心配いりません、シロウ。私は、貴方の剣です」キリッ

士郎「セイバー!!!」

セイバー「私は騎士王。アーサー・ペンドラゴン。私に抜けぬ剣などありはしない」

士郎(遠坂……信じていいんだよな……)

セイバー「いざ、尋常に……」グッ

士郎「……!」

セイバー「はぁぁぁぁぁ……!!!」ゴォォォォォ

士郎(セイバーの周りに風が……!!)

セイバー「聖剣よ!! 我が声に応えよ!!!」ググッ

セイバー「であぁぁぁぁぁ!!!!!」スポッ

士郎「おぉ!!」

セイバー「――シロウ」

士郎「セイバー……やったな……」

セイバー「英雄王の宝物庫にすら存在しない聖剣……。なんと、神々しい……」

士郎「帰るか」

セイバー「はいっ!」

衛宮邸

凛「ただいまー」

桜「せんぱーい? あれ……」

ライダー「不在のようですね」

凛「セイバーもいないみたいだけど。まさか、また夜の見回りでも始めちゃったのかしら」

桜「二人きりで夜の街を歩くなんて……セイバーさん……羨ましいなぁ……」ゴゴゴッ

ライダー「サクラ、落ち着きなさい」

凛「あの唐変木と魂まで甲冑を着込んでる二人じゃ、どうしたってそういうことにはならないと思うけど」

桜「それもそうですね」

ライダー「まさか……。あの剣を抜きにいったということは……」

凛「うっ……。確かに、あり得るわね」

桜「でも、あれはもう誰でも抜けますから、問題はないんじゃないですか」

凛「そうだけど。もう少し細工をしたかったわ。セイバーにしか反応しないように魔術を――」

士郎「ただいま」

セイバー「ただいま戻りましたっ」

凛「あ、あら、セイバー、士郎。おかえり」

ライダー「どちらへ行かれていたのですか」

セイバー「これを見てほしい」

桜「あ……!」

凛「抜いたの?」

セイバー「はいっ。やはり、聖剣は私を選んでしまったようです」

凛「おめでとう、セイバー!」

セイバー「いえ。当然の結果だった、というだけです」

桜「(セイバーさん、とっても嬉しそう)」

ライダー「(彼女がここまで露骨に頬を緩ませるとは。余程、悔しかったのでしょうね)」

凛「これでセイバーの憂いもなくなったわけね。ほんと、よかったわ」

セイバー「明日、英雄王にこのことを報告しなければなりませんので、私は褥へと入ります」

凛「あ、ああ、うん。おやすみ」

セイバー「シロウ、ありがとうございました。貴方のおかげで、私はここにいることができる」

士郎「そんなことないって。セイバーだってがんばったじゃないか。俺は何もしてない」

セイバー「おやすみなさい。シロウ」

士郎「おやすみ、セイバー」

凛「――どうやら、成功してくれたみたいね」

士郎「でも、どうやったんだ?」

桜「あの剣は、本物ではないんです」

士郎「なに……」

凛「アーチャーが投影したものなの。本物の剣はバーサーカーが砕いて、証拠になる破片はイリヤが持って帰ったわ」

士郎「アーチャーが……」

凛「ま、限りなく本物に近い贋作ね。いいじゃない、これで誰も不幸にはならないんだし」

士郎「なんか納得できないけど、セイバーは確かに幸せそうだった……」

凛「そういうこと。今回は、これで良しってことにしておきなさい」

士郎「……そうだな」

凛「あぁー、なんか疲れちゃった。私もねよーっと」

士郎「助かったよ、遠坂。サンキュ」

凛「士郎のためにやったんじゃないんだから、お礼はいらないわよ。おやすみぃ」

ライダー「残る問題は真実が明るみにでてしまわないかということでしょうか」

士郎「む……」

桜「明日、報告しにいくって言っていましたけど……」

ライダー「彼の英雄王ならば、贋作かどうかは一目で見抜いてしまう危険性もあります」

士郎「あいつも持っていないっていうなら、真贋の確かめようはないと思うけど」

ライダー「……」

桜「一応、引き留めますか?」

士郎「変に気を回すとセイバーに感づかれるかもしれないし、それはやめておこう」

ライダー「では、むざむざと死地へセイバーを送り込むということですか」

士郎「そうはいってない。俺がついていくさ」

ライダー「シロウ。あの男を止めることができるのですか」

士郎「そのときが来るなら、やるしかない。セイバーの笑顔を守るためにも」

ライダー「分かりました。そこまでの覚悟があるというなら、私からは何もありません。失礼します」

桜「あ、ライダー」

士郎(俺は選択肢を間違ったのか……。いや、これでいいんだ。いざってときは、戦う。そう決めた)

翌朝 道場

セイバー「ふっ!! はっ!!」ブンブンッ

士郎「セイバー、朝から鍛錬か」

セイバー「おはようございます。ええ、この聖剣を振らずにはいられなくて」

士郎「そっか」

セイバー「もう朝食の時間でしょうか」

士郎「うん。もうできてる」

セイバー「では、食事にしましょう」

士郎「ところで、セイバー。今日は、そのアイツに会いに行くんだよな」

セイバー「はい。英雄王の驚く顔が目に浮かびます」

士郎「俺も一緒に行っていいか」

セイバー「何故ですか?」

士郎「いや、なんとなく、その、セイバーと一緒に散歩するのも、悪くないかな、って」

セイバー「なるほど。私もシロウと共に歩くほうが幸せを感じることができます。是非、お願いしたい」

士郎「あ、ああ。なんか、照れるけど、一緒に行こう」

アインツベルン城

イリヤ「いくわよ、バーサーカー」

バーサーカー「……」

セラ「お嬢様? どちらへ?」

イリヤ「少し出かけてくるわ。帰りは遅くなると思うから、待ったなくていいわよ」

リズ「イリヤ、またシロウのところ、いくの」

イリヤ「そうだけど、シロウに会うのが目的じゃないわ」

セラ「どういう意味でしょうか」

イリヤ「この剣の残骸。ちょっと調べてみたの」

セラ「例の地面に突き刺さっていたという聖剣の欠片ですか」

イリヤ「聖剣どころか、駄剣もいいところね。なんの価値もありはしないわ」

セラ「というと?」

イリヤ「これ、市販されてる」

リズ「どこで買える?」

イリヤ「デパートのおもちゃ屋さんにあるわ。今朝、バーサーカーが読んでた新聞の広告に同じ商品が載ってたから間違いないわ」

セラ「しかし、その剣はアーチャーが記憶していたということだったのでは」

イリヤ「形状からしてこれと全く同じよ?」ペラッ

セラ「確かに……。で、では、アーチャーが記憶していたことはどう説明するのですか」

イリヤ「過去にアーチャーがこの玩具を触れていた、としか考えられない」

リズ「でも、この商品、今日が発売日」

イリヤ「えぇ!? そーなの!?」

リズ「ここに書いてある」

セラ「ということは、アーチャーはこの玩具の試作品に触れていたと考えるべきですね」

リズ「どうして、触れるの」

イリヤ「そもそも、なんでアーチャーがそんなものに触る必要が……」

セラ「お嬢様。これは一つの仮説ですが、アーチャーがその剣を用意したということは考えられませんか」

イリヤ「え……」

セラ「対処法まで彼の提案だったのであれば、全てを手引きしていた可能性があります」

イリヤ「そんな、アーチャーが……」

バーサーカー「……」

公園

セイバー「英雄王は現れるでしょうか」

士郎(できれば現れないでほしいけど……)

「先客が虫けらだけならば、ここを塵にしていたところだが、セイバーも一緒とはな」

セイバー「……!」

ギルガメッシュ「オケラ風情がセイバーの腹心を気取るな。目障りだ」

士郎「そんなつもりはない」

セイバー「英雄王。貴方を待っていた」

ギルガメッシュ「ほう……」

セイバー「これを見てほしい」ドヤァッ

ギルガメッシュ「ぬ……そ、それは……」

セイバー「ここに突き刺さっていた聖剣です。私が、この手で、抜きました」

ギルガメッシュ「……」

セイバー「聖剣は私を選びました。約束通り、これは私がもらい受けます」

ギルガメッシュ「クッ……ククッ……」

セイバー「英雄王も有していない原典の聖剣。エクスカリバー弐式と名付け――」

ギルガメッシュ「アハハハハハハハ!!!! ハハハハハハハハハ!!!!!」

セイバー「な、なにがおかしい、英雄王」

ギルガメッシュ「フハハハハハハハハ!!! これが笑わずにいられるか!!! セイバー!!! お前のその愛くるしさ!!! この腕で抱いてやりたいぞ!!!」

セイバー「なに……」

ギルガメッシュ「羽虫にも劣る畜生は、我が何故こんなにも片腹を痛めているのか分かっているはずだな」

士郎「……」

セイバー「シロウ? どういうことなのですか。英雄王は一体、何を……」

ギルガメッシュ「呼吸だけでなく、喋ることも許してやろう。セイバーに真を語ってやるがよい」

士郎「……」

セイバー「なんのことだ」

ギルガメッシュ「クククク。どうした、何故、語ろうとしない。我が許しているのだぞ」

士郎「お、まえ……」

ギルガメッシュ「言えぬか。ハハハハハハハハハハ!!!!! これは実に愉悦だ!!! セイバーを哀れむか!!!」

セイバー「シロウ!! 説明してください!! 何を私に隠しているのですか!!」

士郎「そ、れは……」

ギルガメッシュ「もうよい。喋るな。空気が澱む」

士郎「ぐっ……」

ギルガメッシュ「我が教えてやろう、セイバー」

士郎「やめろ!!!」

ギルガメッシュ「――その聖剣は、贋作だ」

セイバー「な……に……」

士郎「この野郎ぉぉ!!!」

ギルガメッシュ「吠えるな、畜生が。今、我が語っている」

セイバー「これが、贋作……? ふっ。英雄王も地に落ちましたね。何故、そのような下らない嘘を」

ギルガメッシュ「信じぬか。いいだろう。その曇った双眸に映せ。真がなにかをな。ゲート・オブ・バビロン」パチンッ

セイバー「シロウ!!」

士郎「――トレース、オン!!」ギィィン!!!

セイバー「はぁぁぁ!!」ギィィィィン

ギルガメッシュ「アハハハハハハハ!!! いいぞ!! 必死にもがけ!! その先には真実しかないがな!!!」

士郎「はぁ……はぁ……」

セイバー「シロウ、無事ですか」

士郎「な、なんとか」

ギルガメッシュ「我が姫よ。後ろを見ろ」

セイバー「後ろ……」

士郎「セイバー!! 見ちゃだめだ!!」

セイバー「……」

ギルガメッシュ「我が財が抉った地には、何が残っている」

セイバー「こ、これは……聖剣の……剣先……?」

ギルガメッシュ「お前が抜いた剣は五体満足だというのに、おかしなことだな」

セイバー「し、ろ……う……」

士郎「違うんだ、セイバー……これは……」

ギルガメッシュ「真の剣が抜けぬと分かるや、破壊し、贋作を用意した。いかにも下種が考えそうなことだ」

セイバー「……」

士郎「それ以上、言うんじゃねぇぇ!!」

ギルガメッシュ「王を謀り、侮辱したのは他ならぬ貴様だ!!!」

士郎「ぐっ……」

ギルガメッシュ「貴様も分かっていたのだろう。この事実、セイバーが動き出した時点で蓋をすることはできぬとな」

士郎「……」

ギルガメッシュ「甲斐甲斐しく、王の側近者としてここまで連れ添ったものの、所詮は劣等種。手も足も出なかったな」

ギルガメッシュ「まぁ、我から言わせれば、貴様らの手足では王に触れることもできんがな」

ギルガメッシュ「立場を弁えろ!!!」

セイバー「私は……聖剣を……抜いたわけでは……なかったのか……」

士郎「話を聞いてくれ、セイバー」

セイバー「わたしは……わたしは……」

ギルガメッシュ「なんとも儚いことだ。セイバーよ。考え直せ。やはり、お前には我しかおらぬ」

セイバー「くっ……」ダダダダッ

士郎「セイバー!!!」

ギルガメッシュ「逃げ出すか!! フハハハハハハ!!!! いいぞ!!! セイバー!!! その敗走!! 実に愛おしい!!!」

ギルガメッシュ「愛い奴め!! アハハハハハハハ!!!!」

衛宮邸

イリヤ「どういうこと?」バンッ

大河「ひっ。ど、どど、どうしたの、イリヤちゃん? この広告の玩具が欲しいの? これって朝の戦隊モノの玩具よねー。こういうのに興味あるんだー。お姉ちゃん、意外だなー」

イリヤ「タイガは黙ってて」

大河「はい」

凛「これ……」

ライダー「件の聖剣ですね」

桜「瓜二つです」

イリヤ「あれはただの玩具だったのね、リン」

凛「な、なんで私に言うのよ」

イリヤ「これを宝具だって言ったのは、誰だったかしら」

凛「それは……」

ライダー「待ってください。現代で形状が酷似した刀剣が生まれても不思議はありません」

桜「そ、そうです。デザインが偶然、一緒だっただけかもしれませんし」

イリヤ「そんな偶然は認められないわ。大体、この剣はどの時代に出てくるのよ。どんな書物を漁っても出てこないし」

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