【モバマス】目覚めたキモチ (43)

モバマスSSです

百合注意

至らない点もあるかと思いますがよければ見てください

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最近モヤモヤすることがある

映画をみていてもいつの間にか終わっていたなんてことも一度だけあった

お仕事は大変だけど楽しい

プロデューサーさんも私たちのために頑張ってくれてる

おかげで毎日楽しい

……じゃあ私のモヤモヤは一体なんなのだろう?

わからない……

――

幸子「フフーン、今日もカワイさ全開でしたね! さすがボクです」

まゆ「プロデューサーさん、まゆのことちゃんとみてましたぁ?」

P「もちろん見てたさ、よくやってくれてたよ」

まゆ「うふふ♪ うれしいです」

P「幸子もお疲れさん。この調子で頼む」

幸子「当然です! もっと僕のカワイさをアピールしていかないといけませんからね」

P「さてそれじゃ帰る……あれ? 小梅は?」

幸子「そういえば戻ってきませんね?」

まゆ「先に戻ってといってましたよ小梅ちゃん」

P「そうか、ならちょっと待つか」

ガチャ

P「五秒も待たなかったな」


P「五秒も待たなかったな」

小梅「みんな……お疲れ様です」

P「お疲れ~、なんかあったのか?」

小梅「えっとね……担当の人がプロデューサさんのこと居たら呼んでほしいって頼まれて」

P「んん? どうしてまた?」

小梅「私も呼んでほしいって言われただけだから……」

P「まあ行けばわかるか。悪い、三人とも少し待ってくれ」

まゆ「わかりました」

幸子「女の子をあんまり待たせちゃだめですからね!」

P「はいはい、じゃあ行ってくるね」

――

幸子「ん~……」

まゆ「どうしました? 幸子ちゃん」

幸子「今度ボクあのドラマのヒロインやることになったんです」

まゆ「恋する乙女の役でしたっけ?」

幸子「ええそうです。カワイイボクはどんな役だってこなしちゃいますよ!」

まゆ「ヒロインをやらせてもらえるなんてステキですねぇ ……じゃあどうしてそんなに悩んでいたんでしょう?」

幸子「……」

まゆ「?」

幸子「そのですね……えっと……恋ってよくわからなくってですね……どう表現したものかと」

まゆ「恋ですか?」

幸子「ええ、まゆさんは恋ってどんなものか知りませんでしょうか?」

まゆ「私の考えでよかったらお話しましょうか?」

幸子「そうですね、一人で悩んでもでないものはでないでしょうからお願いしちゃいます」

まゆ「わかりました」

まゆ「恋、それは特定の人のことで頭がいっぱいになってしまったりその人のことを想うと胸が苦しくなったりすることだと思います」

幸子「それが恋なんですか?」

まゆ「もちろん私が言ったものも恋だと思います。ですが一言に恋といってもいろんな恋があると思います」

まゆ「燃えるように熱く情熱的な恋もありますしひっそりと心の片隅で想い続ける恋だってあります」

まゆ「でも……やっぱりどんな恋もその人のことが大好きでしかたなくなっちゃう……それが恋なんだと思います」

幸子「う~ん、わかったようなわからないような」

まゆ「感情の面もありますし難しいかもしれませんね、私の意見でよければ参考にしてください」

幸子「ありがとうございますまゆさん」

まゆ「いえいえ♪」

幸子「ちなみにまゆさん、今恋してたりするんですか?」

まゆ「さあ……どうなんでしょうねぇ♪」

幸子「なんか含みのある言い方ですね……」

小梅(…)

幸子「小梅さんは恋ってなんだと思います?」

小梅(……)

幸子「小梅さーん、もしもーし」

小梅(もしかして……)

幸子「小梅さん!」

小梅「えっ!? ど、どうしたの幸子ちゃん?」

幸子「さっきから呼びましたよ。全然反応がなくて心配しましたよ?」

まゆ「具合悪かったりします?」

小梅「だ、大丈夫だよ?」

幸子「本当ですか?」ピタッ

小梅(!?)

幸子「熱はないみたいですね、体調には気をつけてくださいね」

小梅「えっと…その……うん、ありがとう」

数日たったある日のこと



P「避けられてる?」

幸子「はい…なんだかそんな気がします」

P「どうしてそう感じた?」

幸子「小梅さん目を見て話してくれなくなったんです。返事もなんだか素っ気なくなった気がしますし……」

P「ん~そうかな?俺は特に感じないんだよな」

幸子「…多分ボクだけです。そういうことをするのは」

幸子「見たんです、他の人と楽しそうにお話している姿を……」

P「……」

P「すまない、気を悪くしたなら謝る」

幸子「いいですよ、ボクは寛大なので許してあげますよ」

P「ともかく話してくれてありがとうな、ちょっと小梅の様子に注意しとく。幸子もあんまり気を落とすなよ?」

幸子「ボクを誰だと思ってるんですか? やるべきことはちゃんとできますので心配しないでくださいよ?では失礼します」ガチャ

P(……だいぶ無理してるな)

P「……」

P「…………で、まゆお前いつまで机の下にいるんだ」

まゆ「うふふ、やっぱり気づいてたんですね」スッ

P「なんとなく潜んでるタイミングが最近わかるようになってきた」

まゆ「流石まゆのプロデューサーさんですねぇ」

P「もっとも今回は出るタイミングを失ってた感じだったけどな」

まゆ「相談の内容が内容ですから」

P「なあ…まゆは小梅をみてどう思う?」

まゆ「そうですねえ…なんだか小さなミスが多い気がします。大きいミスはしてないですが」

まゆ「あとは声をかけても返事がすぐ返ってこなかったりです」

P「しかしどうしたものか、安直になにかあったって聞いても多分だめだろうし」

まゆ「……まゆに任せてもらえませんか?」

P「……なにか考えがあるのか?」

まゆ「はい、あります。うまくいくかはわかりませんが…」

P「……なら頼む。本来こういことは俺がすべきなんだろうが」

まゆ「プロデューサーさんのためですから、気にしないでください♪ それにあの二人が沈んでいるのも嫌ですから」

P「ありがとうな、まゆ」

一度切ります しばらくしたら戻ります

まゆ(で、たしかに小梅ちゃんと二人になることはできたのですが…)

小梅「今日はありがとう…まゆさん」

まゆ(…ホラーを観に行くのはやっぱり怖いです…)フルフル

小梅「え、えっと…大丈夫?」

まゆ(でも小梅ちゃんと二人になる口実にはこれが一番ですから…頑張りましょう)

小梅「……えい」(脇腹指ツン)

まゆ「ひゃあ!?」

小梅「あ、帰ってきた」

まゆ「も、もう!いきなりはびっくりしますよ小梅ちゃん!」

小梅「ご、ごめんなさい…でも呼んでも返事なかったから」

まゆ「あ、それは…ごめんなさい」

小梅「ううん、大丈夫…だよ。 それにしてもまゆさんから映画に誘われるなんてびっくり」

まゆ「この前のお仕事で映画のチケット頂いたのですが幸子ちゃんもプロデューサーさんも都合があわなくて」

小梅「あ、それにこのチケットもうすぐ期限だね」

まゆ「それで小梅ちゃんならどうかなって。ホラーは正直怖いですがプロデューサーさんからもお誘いされましたし小梅ちゃんと一緒に観て楽しめるようになろうと」

小梅「まゆさんも…ホラー映画好きになってくれると、いいな…」

まゆ(プロデューサーさん、映画が終わったらまゆのこと抱きしめてくれますか?)

ウワー!クルナ…!クルナアア!!

アイテクレ!!アケテクレェ!!コンナトコロデシニタクナインダ!!

ギャアアアアアアアアアアアアアア…!!

ベキベキベキ グチャ ……バリバリ…

まゆ「」

小梅「す、すごくいい映画…だったね、まゆさん」

まゆ「」

小梅「し、死んでる…!!」

まゆ「アア…プロデューササン……マユハ…マユハモウダメデス…」

小梅「……」

まゆ「アハハハハ、キレイナオハナバタケガミエマスヨォ」

小梅「ど、どうしよう……」


しばらくして……

まゆ「すいません、ようやく落ち着きました」

小梅「ううん、大丈夫だよ?面白かったし…」

まゆ「できれば秘密にしてくださいね? 特にプロデューサーさんには」

小梅「う、うん…いわないよ。また一緒にいきたいね」

まゆ「そ、その…ええ、また機会があればいきたいですね」

小梅「えへへ…楽しみ」

まゆ「……久しぶりに楽しんでる小梅ちゃんを見た気がします」

小梅「え?」

まゆ「最近の小梅ちゃんずいぶん調子悪そうでしたから…」

小梅「そんなに変だった?」

まゆ「少なくとも周りが違和感を感じるくらいには違いました」

小梅「……」

まゆ「ごめんなさい、怒ったりしてるんじゃないの。でも周りの人はすごく心配してますから」

小梅「…そう…だったんだ」

まゆ「私も力になれるならなります。小梅ちゃん、最近何かありましたか?」

小梅「……」

まゆ「……」


小梅「わ…私の、部屋で…そこで話す、から…」

まゆ「はい、いきましょう」

――

まゆ「おじゃまします」

小梅「ど、どうぞ、あ、お茶いれるね」

まゆ「はい、ありがとうございます」

まゆ(本当に映画が好きなんですね、棚にいっぱいDVDがあります)

小梅「まゆさん、どうぞ」スッ

まゆ「いただきますね」ゴクッ

小梅「……」

まゆ「話しやすいタイミングでいいですから、ゆっくりでかまわないです」

小梅「……」

まゆ「……」

小梅「だ、誰にも、い、言わない?」

まゆ「はい、秘密は守ります」

小梅「……」

小梅「まゆさん、前に…幸子ちゃんに…えっと、こ、恋のこと…話してたよね?」

まゆ「ええ、私個人の考えもありますが確かに私は恋についてお話させていただきました」

小梅「そのときまゆさん、『特定の人のことで頭がいっぱいになってしまったりその人のことを想うと胸が苦しくなったりすること』っていってた、よね…?」

まゆ「……ええ、いいました」

小梅「……最初、は憧れかと思ったの…わ、私とは、違うところもいっぱいあって、それでモヤモヤするのかと思ってた…」

でも違った。憧れだけじゃ、なかったの…

この人の笑顔をもっと見てみたい

この人ともっとお話したい

この人のことをもっと知りたい

そして…この人ともっと一緒にいたい

そう思ってました

そんなときにまゆさんの恋の話を聴いて…もう尊敬や憧れの想いなんてとっくに越えていて

この人が私は好きでしかたないんだって…そう確信に変わっていきました

まゆ「……」

小梅「……こ、これが私が…悩んでいる…こと」

まゆ「いまも…悩んでいるのですか?」

小梅「う、うん」

まゆ「…伝えないんですか?」

小梅「……言えないよ……」

まゆ「……アイドルだからですか」

小梅「違うよ…」

まゆ「……では…どうして?」

小梅「……」ジワッ

小梅「だってその人は…!!女の子、なんだよ!!まゆさんや私と同じなんだもん!!」

まゆ「!!」

小梅「こんなこと、知られたら…きっと嫌われるから……でも苦しいよ……ねえまゆさん…私、どうすればいいのかな……?」

まゆ「……じゃあ幸子ちゃんが避けてるって感じたのは…」

小梅「うん…知られることが怖かった…嫌われることも怖かった」



                    だって私は 輿水 幸子 が大好きだから


――

幸子「ハァ……」

P「やっぱり心配か?」

幸子「当り前ですよ…あんな泣きはらした顔みたんですから」

P「……」

幸子「……」

P「……」

幸子「ボクがなにかしてたのなら謝りたいです。それでまた小梅さんが前みたいに戻るならいくらだって謝ります」

P「……」

幸子「でも、それすら…ボクは許されないんですよね」

P「あの娘はそんなこと思ってなんかないさ」

幸子「じゃあどうしてボクは避けられてるんですか! そりゃあボクだって小梅さんが理由もなしに避けるなんて思いません!」

P「……」

幸子「だから辛いんです…ずっと一緒にお仕事もしてきたのに…突然拒絶された気がして……」

P「これだけは言っておく」

幸子「え」

P「確かに理由は幸子で間違いない。でもなこれはある意味小梅自身の問題だ」

幸子「それってどういう…」

P「悪いがこれ以上は本当に言えないんだ。でもいずれあの娘はちゃんと答えをもってくる」

幸子「…本当ですか?」

P「ああ、だけど幸子もあの娘の答えを拒絶しないでくれ。それをすると今度こそあの娘は…立ち直れなくなる」

幸子「わかりました」

P「あとこれだけは言っておこう。幸子のことを嫌ったりはしてないから。そこは安心してくれ」

幸子「……はい」

まゆ(むしろ大好きですのにね)

幸子「で、なんでまゆさんはプロデューサーさんの机の下にいるんですか?」

まゆ「あら、今回はばれちゃいました」

幸子「ずっといたんですか?」(今回は?)

まゆ「ええずっとですよ」

P「なんか事務所じゃここが住居になってる」

幸子「ええ…」

まゆ「あ、そうです幸子ちゃん」

幸子「はい、なんでしょう?」

まゆ「幸子ちゃんも無理はしないでくださいね?」

幸子「気遣いありがとうございます」

まゆ「私からも小梅ちゃんのこと…よろしくお願いします」

幸子「…早くカワイイボクのことをちゃんとみてほしいです」

P「ん、もうこんな時間か。車もってくるから待ってて」

まゆ「気を付けてくださいね」

P「ああ」

――

『小梅ちゃんはどうしたいんですか』

『ど、どうって』

『抱いてしまった気持ちには嘘はつけません。ですからその上で聞きます。小梅ちゃんはどうしたいですか?』

『……』

『すぐに答えは出せないと思います。でも今のままだとよくないと私は思います』

『うん…幸子ちゃんを困らせてる』

『時間はかかるとは思いますが小梅ちゃんはちゃんと答えをみつけてください。相談なら受けますから』

『ありがとう……』

――

小梅「……」

小梅「……」

小梅「……ぁ」

小梅「うん? 私、寝てた?」

小梅「……変な時間に寝ちゃった…」

ブウウウ…

小梅「電話? 誰からかな…」

小梅「……! 幸子ちゃん…」

小梅(……でなきゃ)

小梅(ちゃんと話せるかな…)ピッ

幸子『夜遅くすいません。 小梅さんですか? ボクです』

小梅『う、うん…あってる、よ…』

幸子『その、大丈夫ですか今?』

小梅『えっ、と…う、うん……大丈夫…だよ』

幸子『ありがとうございます、小梅さん…』

小梅『……うん、何?』

幸子『なにかあったんですか? …なんて聞きませんボクは待ってます』

小梅『……』

幸子『簡単なことじゃないんですよね? だったらボクは待ちます。 小梅さんが打ち明けれるまで』

小梅『……』

幸子『だから…ちゃんと教えてください……』

小梅『……』

幸子『このまま小梅さんがボクになにも言わないでどこかにいってしまうのは…とっても辛いんですから…!』

小梅『……!』

幸子『すいません…失礼します』

小梅『ま、待って! いまどこにいるの!?』

幸子『え? それはボクの部屋ですけど』

小梅『い、いまから行くから!』

幸子『ま、待ってください! 今日はもう遅いです。 話すなら…明日にしましょう』

小梅『あ、う、うん、…ごめん』

幸子『いえ、大丈夫ですよ。 それに…今はボクもちょっと冷静になれそうにないです。 ……ではまた明日』

小梅『う、うん、また明日』

小梅(……ちゃんと伝えよう)

小梅(伝えないと、多分後悔するから…)

小梅(……今日はちゃんと休もう)

――

幸子「……」

小梅「……」

幸子「…ゆっくりでいいですからね」

小梅「……」スゥー

小梅「……」ハァー

小梅「ごめんなさい…幸子ちゃんのこと、避けて、傷つけてたこと…」

幸子「いえ…少なくとも嫌われてないことは知ってましたから」

小梅「え…? ど、どうして」

幸子「プロデューサーさんですよ。 あ、でも勘違いしないでください! ボクもこれだけしか聞いてないんです」

小梅「……そっか」

幸子「だからこそボクは知りたいんです。 小梅さんの行動の理由を」

小梅「……最初は…よくわからない違和感だったんだ。 その人のことが頭の中に浮かんで…」

幸子「……」

小梅「最初は、わからなかったの… 憧れ? 目標? ライバル? そうなのかなって考えた…」

……どれも違う気がしたの…もちろん幸子ちゃんはすごく努力もしているし尊敬しているところも、たくさんあるよ

でもね…あるときにその答えがわかったんだ

この人のことをもっと知りたい 

この人ともっと話がしたい

この人に私のことを知ってほしい

この人と…一緒にいたいなって

気がついたら私は恋してた…まゆさんの話を聴いて、ようやく確信した

でもその人は女の子だから

私の気持ちはきっと、普通じゃないから…

その人に気持ちを知られることが怖かった

嫌われるかもしれないと思った

知られたら離れてしまう気がして

だから私は逃げてたんだ

でもそれはその子を傷つけて……

嫌われることは怖いけど

大好きな人が傷ついていくのはもっと辛いから……

だから私は…

小梅「……」

幸子「……その好きな人というのは…」

小梅「うん……幸子ちゃんのこと」

幸子「そうだったん…ですね」

小梅「うん…」

幸子「……」

小梅「……」

幸子「ありがとうございます。 話してくれて」

小梅「……」

幸子「……小梅さん、前にも言いましたがボクは恋のことをよく知りません。だから小梅さんの抱いている想いのすべてを理解することはできません」

幸子「……でも、なんででしょうね? …すごく嬉しいんです」

小梅「えっ?」

幸子「ボクもよくわからないんです! でも…小梅さんの言葉でなんだかすごく暖かくなった気がするんです」

小梅「……」

「小梅さん、ボクのこの感情はもしかしたら小梅さんとは違うものなのかもしれません」

「でもちゃんと知りたいんです! この気持ちの本当の意味を、小梅さんがみつけたように!!」

「……だから…一緒に探してくれませんか? この気持ちの答えを…」



「……はい!」



以上です ここまで読んでくださってありがとうございました!

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