真尋「今日も今日とて寒い」 (26)

真尋「クー子が羨ましいよ」ボォ

クー子「………」

真尋「…」

クー子「少年」

真尋「?」

クー子「私は暖房器具じゃない」

真尋「じゃ歩く暖房器具で」

クー子「…」



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ニャル子「いやー本当あったかいですねー」

真尋「なんでお前が隣に来るんだよ…」

ニャル子「え、真尋さんの隣にいちゃ駄目なんですか!?」

真尋「質問に質問で答えるなよ」

クー子「ニャル子なら永遠に私が温めてあげる…///」

ニャル子「ちょクー子!火弱く!強くしないで!」

ニャル子「全く!クー子の所為で危うく火事起きそうだったじゃないですか!」

クー子「私はニャル子の為に…」

ニャル子「だからって全快にする必要ないでしょ!?」

真尋「……」<ベラベラ

ハス太「どうしたの?真尋くん」

真尋「?いや別に…」

ニャル子「あ、今週のドライブ見るのすっかり忘れてました!」

ニャル子「録画してて良かった…」

真尋「え?」

ニャル子「真尋さん!一緒にドライブ見ましょうよ!」

真尋「え?今やってるのってゴーストだろ?」

ニャル子「……」

クー子「?」

ハス太「?」

ニャル子「えと…真尋さん?」

真尋「あれ、何か変な事言った?」

ニャル子「今年って何年ですか?」

真尋「………2016」

ニャル子「……………」

ニャル子「あ、あははははは」

ニャル子「どうしました真尋さん?もしかしてもうツッコミ役飽きたんですか?」

真尋「ごめんいってるいみがわからない」

ニャル子「………」

ニャル子「はい少しそこに正座して下さい」

真尋「はぁぁ!?」

真尋「えーと要するに、僕は何らかの理由でタイムスリップしちゃって今に至っちゃった的な」

真尋「この解釈でいいんだな?」

ニャル子「はい。恐らくですけど」

ニャル子「まさか真尋さんはフォークの使い手だけじゃなくタイムトラベラーでもあったとは…」

クー子「少年凄い」

真尋「凄いじゃ済まないと思いますが」

真尋「というか僕は意図的にやった訳じゃないんだ」

ニャル子「ほう。悪の組織が真尋さんにあんな事やこんな事を…」

ニャル子「おのれディケイドォォ」

真尋「何でディケイドが出てくるんだよ!」

ニャル子「うーん…」

ニャル子「あ、そうだ!という事は2015年の記憶があるんですよね!?」

真尋「ああ…多分」

ニャル子「とうとう私と真尋さんが熱い一夜を過ご(ry

真尋「一生ないな」

ニャル子「ちょっと!今酷い台詞聞こえましたけど!?」

真尋「幻聴だろ」

ニャル子「じゃあじゃあ2015年に何があったか教えてくださいよぅ」

ニャル子「私とキスした回数が1000回越えたとか!」

真尋「ごめん数えてない」

真尋「ええっ……と…」

真尋「クー子…クー子…」

ニャル子「なっ…真尋さん!なんで浮気なんかするんですか!」ユサユサ…

真尋「まだ何も言ってないだろ」

ハス太「そうだよとりあえず真尋くんの話を聞こうよ」ゴゴ

真尋「……」

真尋「…思い出せない」

ニャル子 ハス太「えええ~!?」

ニャル子「なんですか!何か私達に言えない事でもあるんですか!?」

ハス太「真尋くんは僕を一生愛すって言ったよね!?」

真尋「お、落ち着いて」

真尋「後ハス太。そんな台詞は言ってない」

真尋「混乱しすぎたせいか上手く思い出せない」

真尋「多分いつも通り平凡…じゃないけど普通に暮らしてたぐらいかな」

ニャル子「ちぇ。つまらないですねぇ」

ニャル子「あ、じゃあさっき言ってたゴーストってなんですか!?」

ニャル子「新しい仮面ライダーの話是非聞きたいです!」

真尋「え?あーあれは確か…」

・・・

真尋「……」

真尋「…勉強もこれじゃただ復習してるだけだよな…」

真尋「ふぁ…」

真尋「これぐらいにしてゲームでもするか」ガチャ

クー子 真尋「…」

真尋「せめてノックはしてくれ…心臓に悪い」

真尋「で、どうした?クー子」

クー子「ニャル子が構ってくれない」

クー子「のでここに来た」

真尋(理由が結局よく分からないけどまあいいや)

真尋「じゃあ一緒にゲームする?」

クー子「」コク

1P LOSE

真尋「……」

クー子「これで17-0」

真尋「くそもう一回だクー子!」

クー子「もう0時…寝ないと…」

真尋「勝つまで寝ない!」

クー子「えぇ…」




・・・

ニャル子「……真尋さん?」

クー子
真尋(下敷きになってる)

真尋 クー子「zzz」

ハス太「これはいわゆる事後ってやつだね…」

ニャル子「早くなんとかしないと…」つパールのようなもの

真尋「ああ怖かった怖かった」

真尋「いきなり包丁で刺してくるもんな」

真尋「クー子は大丈夫か?」

クー子「大丈夫、問題ない」

真尋「そうか」

真尋「ほんと昨日はすまない!僕が熱中し過ぎたせいで…」

クー子「気にしないで。私が少年の部屋行ったから」

クー子「それに…少年とゲームするの楽しかった」

真尋「………」

真尋「クー子が休み?」

ニャル子「なんか体調崩したらしいですねぇ…」

ニャル子「まあ熱高いだけで多分ただの風邪だし大丈夫でしょう」

真尋「……そうか。折角そろそろ春休みだってのにな…」

ニャル子「でも風邪ぐらいなら1週間足らずで治りますよ」

ニャル子「真尋さんは心配性ですねぇ。私が風邪になってもそんな優しくしないのに」

真尋「流石に僕はそんな酷くないから」

クー子「うぅ…」クラクラ…

ニャル子「うーん…」

ニャル子「もう発熱してから一ヶ月は経ってますよ…」

ニャル子「なのに一向に下がる気配なし…」

ハス太「どういう事なのかな…」

ニャル子「風邪にしては長いですねぇ…」

ニャル子「多分地球の病気だろうとは思いますが…」

ニャル子「ありましたっけこんなの…」ピッピッ…

真尋「とりあえず病院に連れて行った方が…」

ニャル子「そうですね…」

ニャル子「い、いいいい異常なしてどういう事ですか!」

医師「どうもこうもそのままですよ」

医師「体外も体内の細胞もどれも然程変化している点は見つけられなかったという事です」

ニャル子「い、一ヶ月も発熱状態の奴のどこが異常ないんですか!」

医師「確かに一ヶ月も熱にうなされるなどという風邪は見た事も聞いた事もありません」

医師「が、何かしらの病気の症状も見当たらない」

医師「ただ長引いているだけだと思いますが…」

ニャル子「なっ…」

医師「まあ、あくまでうちの病院での話ですが」

医師「……恐れ入りますが何回言われました?これ」

真尋「…これを除いて…3回…です」

医師「……まあそれでも風邪じゃないと言い張るなら他の病院をまわって下さい」

医師「これ以上長引くと体力も持たないでしょう」

クー子「……」

真尋「……ニャル子出よう」

ニャル子「え、ちょ真尋さん!」

ニャル子「これで7回目…」

真尋「今日はここでおしまいだな…」

ニャル子「そんな…もう明後日学校始まっちゃいますよ…」

真尋「………明日からは僕が行く」

ニャル子「!?」

真尋「ニャル子はもう学校の事だけ考えろ」

ニャル子「そんなっ…私だってクー子…」

真尋「万が一お前がうつったら面倒な事になるだろ」

真尋「それに僕はもう今年分の勉強をしている」

真尋「最悪不登校でも…」

ニャル子「でもそしたら退…」

真尋「…」

ニャル子「…」

真尋「安心してくれニャル子。そんな数ヶ月も行かない訳じゃないんだ」

ニャル子「真尋さん…」

ニャル子「…もしかしてこの病気の事知っているんですか?」

真尋「……そんな訳ないだろ」

真尋「まあだとしても素人の僕がプロに言ったところで意味ないし」

真尋「さっさと帰ろう。もうクー子も限界だろ…」

クー子「……少年…」

真尋「大丈夫か?クー子」

クー子「………少年…学校は?」

真尋「人の心配している暇があるなら早く病気を治せ」

クー子「うぅ…」

クー子「…っぃ…」

真尋「?」

クー子「熱いょ…ニャル子…」

真尋(日に日に悪化しているな…)

真尋(早く病気を発見して治療してもらわないと…)

クー子「はぁ…はぁ…」

真尋(だからって1日に何箇所も行けるようなスタミナはないぞ…)

真尋(でも手遅れになるよりは…)

医師『特にこれといって体に問題は…』

医師『がんなどの病気ではないですね…』

真尋「くそ!また駄目か!」

ニャル子「真尋さん…」

ハス太「真尋くん…もう3ヶ月経つよ…」

真尋「分かってるよもう…!」

ニャル子「もう何十も行ったのに異常がないんだったら手の施しようが…」

真尋「じゃあなんで治らないんだ!」

真尋「それどころか悪化している!」

真尋「風邪ならとっくに治ってる筈だ!」

ニャル子「うう…」

クー子「っ……!」

真尋「!?クー子どうした!」

クー子「……呼……らい…」

ニャル子「まずいですよ真尋さん…これって…」

真尋「……呼吸困難か?」


医師「……恐らくですが…」

医師「CEABVにかかっている可能性があります」

ニャル子「しーいーえーびーぶい?やたら長いですねぇ」

医師「通称慢性活動性EBウイルス感染症」

ニャル子「ま、まんかつどうせいい

真尋「少し黙れ」

医師「……まあ無理もありませんね。EBウイルスはご存知でしょうか」

真尋「いえ…」

医師「その名の通りEBウイルスに感染した時の病気なのですが」

医師「実は成人の9割が保有してるんです」

真尋「でもそしたら大抵の医師は分かるのでは…」

医師「いえ。だからこそ分からないのです」

医師「このCEABVにかかるのはごく稀な事でEBウイルスがある事自体は然程問題じゃないのです」

ニャル子「成る程分からん」

医師「ですから重体などにならない限り断定されない厄介な病気です」

真尋「……はぁ…」

真尋「それでその……」

医師「………」

医師「…成功率は…正直低いです」

医師「5、6……いえ7割と考えて頂ければ…」

ニャル子「そ、そんな…」

医師「聞けば大分前から症状が出てるとか」

真尋「はい…」

医師「……遅くなる程大変な事になります。催促するわけではありませんが…」



真尋「……」

医師『慎重に、手がつけられなくなる前に…』

ニャル子「50%…2回に…1回」

真尋「……手術…受けるべきか否か…」

・・・

真尋「入るぞークー子」

クー子「…うん」

真尋「…」ガチャ

クー子「おはよう。少年」

真尋「クー子。話がある」

クー子「話?」

真尋「かくかくしかじか」

ニャル子(流石真尋さん。シリアスシーンで平然と略している!そこに痺れる憧れるゥ!)

クー子「……」

真尋「成功率は低い」

真尋「だけど、成功すれば自由だ」

真尋「僕がクー子にどうこうしろなんて言う権利はない」

真尋「苦痛の生…いや正直それでも生きれるか分からない」

真尋「安楽の死なら…まあ縁起は悪いけど楽しく終わる事ができる」

真尋「とても大事な事だ。クー子。お前が決めるんだ」

クー子「……」

>>19 受けますか、受けませんか

受ける

クー子「……私はまた少年とゲームしたい…」

クー子「それにニャル子とあんな事やこんな事やそんな事や

ニャル子「病人なのにハイなんですねクー子」

クー子「……だから受ける」

真尋「………」

ニャル子「ま、クー子はこんなんで死ぬ程やわじゃねーですよ!」

ニャル子「50%もあればきっと大丈夫ですよ!」

真尋「…そうだな」


真尋(それから本格的な闘病生活が始まった)

真尋(とりあえず病院に入院させできるだけ安静な状態にした)

真尋(夏休みは極力空いてる日にはお見舞いには行っていた)

真尋(まあ2学期は1人で大丈夫とは言っていたけど)

真尋(そんなこんなで文化祭直前に差し掛かっていた10月下旬)

ニャル子「真尋さん真尋さん!文化祭ですよ!」

真尋「張り切ってるな…」

ニャル子「当たり前じゃないですか!真尋さんと文化祭満喫デート出来るんですよ!」

真尋「言っとくがうちも模擬店あんの忘れるなよ」

ニャル子「……」

ハス太「焼きそば買って帰りにクー子ちゃんにあげようよ」

真尋「…それもそうだな…」

ニャル子「文化祭楽しみだなっ♪~」

真尋「……」



真尋「体調どうだ?クー子」

クー子「…いつも通り」

真尋「なら…良くないか」

真尋「で、でももう直ぐ手術受けられるからきっと…」

真尋「良くな…」

真尋「……」


クー子「夕日…綺麗…」

真尋「……」

クー子「どうしたの?…少年」

真尋「別に何でもない…」

クー子「……少年」

真尋「どうした?クー子」

クー子「手…」

真尋「………」

ポン…

クー子「……あったかい…」

真尋「っ!?」

クー子「……ありがとう少年」

真尋「な、何言っているんだクー子…いきなり改まって」

クー子「…またゲーム…一緒にさせてくれて」

真尋「ま、また?」

クー子「…………」

真尋「クー子?おいクー子。起きろよ。クー子」

真尋「クー子クー子クー子クー子」ユサユサ…






真尋「!」パチッ

真尋「…………」

真尋「ここは…」

真尋「…今日の日付…」ピッピッ

真尋「……っ!」

真尋「…」ゴォ…

ニャル子「おっはようございます!真尋さん!」

ニャル子「真尋さん?」

真尋「寒いからあったまってるだけだよ」

ニャル子「はぁ…」

ニャル子「あっ!今週のゴースト見るの忘れてました!」

ニャル子「録画しててよかった……」

真尋「………あれ、ニャル子」

ニャル子「?」

真尋「 ク ー 子 は ? 」

ニャル子「……えとはい?」

真尋「いやだからクー子はどこにいるんだって言ってるんだよ…」

ニャル子「え、あははははそういう事ですか成る程成る程」

ニャル子「く、クー子ならか、界王様の所へ修行にしに行ってますよ」

ニャル子「なんつってははははは……はは、は…」

真尋「………」

ニャル子「その…真尋さん?」<ダダッ

ニャル子「真尋さん!」

真尋(そうだった。クー子は別の病気で死んでいたんだった)

真尋(どうやら夏休み終わって数日後更に症状が悪化していたらしい)

真尋(………僕達を安心させる為嘘をついたのだ)

真尋(結果クー子には何もしてやれなかった…)

真尋(……当の本人は自分なりに精一杯生きる事ができたかよかったのだろうか)

真尋(これはこれでグッドエンドなのだろうか)

真尋(いや、結局の所クー子は後悔していたに違いない

真尋(でなきゃ夢に出てこない)

真尋(………ごめんよ、クー子)

ついこの間まで松来のニュースを知りませんでした

私もクー子好きだったのでもうあの声が聞けないのはとてもショックです

書いてる途中で知りましたが実際には2013年から症状が出てたとか

病気に悩まされながらもFや他のアニメの収録していたと考えると胸が痛くなります

松来未祐さん、今まで本当にありがとうございました

※すみません。>>9の、包丁じゃなくてパールでしたね

>>25すみません松来さんです。松来なんて呼べません

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