Revenge・of・A KITE(30)

地獄 魔女の谷


桜木六郎太「なぁ、何時間経った?」


狡噛慎也「……2時間だ。心配するな」

「地獄じゃ、こういう事はよくある」

アンちゃん「それでも長過ぎんだろ、2時間は」

狡噛「広ずきて道を知ってるヤツでも迷う……それが地獄だ」

アンちゃん「……」


クジ引きで負け、やむなくある<品物>を地獄側に届ける役目を果たすハメになった天界 公安課 所属の通称『目付きが鋭いイケメンコンビ』は2時間も

地獄のイギリス冥界にある名所、魔女の谷で2時間待ちぼうけを食らっていた。

そして遂に


アンちゃん「おい……」

狭噛「今度はなんだ?」

アンちゃん「来たぞ」

狭噛「……」


正面から4台のシボレー・ブレイザーが2人の元へ向かっていた。

だが、2人は本能的になぜか違和感を覚えた。


ガチャッ


「すみません、遅れてしまって」

狭噛「いや……こっちも先ほど来たばかりだ」


狭噛はそう言いつつ、H&K USP45(改)の安全装置を解除した。

ハマーH3の運転席から様子を見守るアンちゃんもH&K MP5A3 (改)のチャージングハンドルを後ろに引いた。

それを察したのか輸送班 隊長と思われるニワトリマスクは笑みを浮かべながら

ニワトリマスク「あのー」

「抵抗せずに品物を渡した方かいいですよ。あなた方2人では拙には勝てないですし」

「まぁ、個人の意見なんですけどね」

狭噛「ずいぶんと…… 自信があるみたいだな」

ニワトリ「実はこれでも”弥勒候補”でしたから」

狭噛「弥勒……」


笑みを浮かべてニワトリは指を鳴らした。


アンちゃん「くそっ⁈」


ブレイザーから武装した数人のスマイルマスク達が降りてきた。

折りたたみストック仕様のAKMS(改)のフルオート射撃が狭噛を撃ち抜いた。


貫通してアンちゃんも被弾した。


狭噛「がはっ……」

ニワトリ「すみません、やっぱり」

「ここで寝てて下さい」

狭噛「おっ……お前は…」


ニワトリ「お疲れさまでした」


ニワトリの背後からライダーヘルメットを被りボディスーツを着込んだ女がグロック19(改)で狭噛の頭頂部を撃ち抜いた。


ニワトリ「宮宮、早く品物を」

宮宮 恋「はっ」


宮宮とスマイルマスクと共にハマーから品物を強奪した。


そのまま、ブレイザーに乗り込み魔女の谷から離れた。

同時刻、冬木大橋


美綴実典「はぁ…はぁ…」


彼は追われていた。

腹部を刺され、大量出血で危険な状態でありながらある”情報”を深山町に居る-

信頼できる相手に渡す為に。

だが、腹部からの出血によって意識は混濁し視界はボヤけもはや気力だけで足を進めていた。

そんな実典をシマウママスクを被った謎の女が追撃した。

抵抗しようとするも顎を金属バットでフルスイングされ、右肩も砕かれた。

地面に力なく座り込んだ実典は自分の頭をかち割ろうとするシマウママスクにこう呟いた。


実典「やってられねーな、クソッタレ」


頭にバットが振り下ろすとシマウママスクは何事もなかったかのように新都に戻って行った。

冬木大病院 特別病室


宮城リク「ミノォォオオオリィィィ!!!!」

遠坂 凛「うるさい!静かにしなさい‼︎」


碇シンジ「落ち着いて、リンちゃん」

「リク……安心して大丈夫。意識不明の重体だけど彼は生きてる」

リク「大丈夫じゃねぇだろ…」


溜め息をつきながら特別病室の窓を覗くと

姉である綾子が心配そうな顔で実典の手を握っていた。


リクはなんとも言えない顔でシンジに質問した。


リク「で……襲ったヤツは?」

シンジ「シロウ君」

衛宮士郎「これが資料です」

リク「……資料?」


士郎が渡したのは警察の捜査資料だった。

襲撃された時間、場所などが記載されており

容疑者の姿も事細かに書かれていた。


リクは1分で読み終えると資料を士郎に返し、シンジにこう言った。


リク「同時刻に……妙なことが起きなかったか」

シンジ「妙なこと……ああっ」


実典襲撃と同時刻に地獄で起きた、狭噛と桜木が品物を強奪された一件をリクに話した。


リク「なるほど。その一件も動物軍団の仕業ってワケだな」

シンジ「そうゆうことで、僕たちも捜索してるんだけどなかなか尻尾を出さないだよね」

リク「よし……じゃっ」

リク「お前んトコの有能な部下2人を貸してくれ」

シンジ「…アレ?」


シンジはリクの相棒である”アーカード”の名が出てこなかった事に対して尋ねた。


シンジ「相棒のアーカードさんは?」

リク「有休だ。それより早く部下を貸せ」

シンジ「あ、うん……ちょっと待ってね」


意外そうな顔をしつつシンジは本社に連絡した。

5分後、冬木大病院前


宜野座伸元「社長、御苦労さまです」

相田ケンスケ「珍しいな…… ふたりが一緒にいるなんて」


リク「なんで、Wメガネ?」

シンジ「言ったじゃん、有能な部下を呼んでくれって」

リク「確かにそうだけどよぉ…… 他にも居るじゃねぇか朱ちゃんや性別変わったヤツとかさ」


シンジ「2人は今現在、アマルガム・ネオの全国コンサートで忙しいからムリだよ」

リク「なぁ……”アイツ”の職業なんなんだ?」


ケンスケ「モデル兼メイクアップアーティスト……をやってるアマルガムのボーカルだな」

ギノ「他にもやってる可能性は無きにしも非ずですが」

シンジ「そういう事だから…… 後はヨロシク」

ギノ「はっ」

ケンスケ「Yes、ボス」


リクは苦笑いしながらWメガネを連れて病院を後にした。

ハンヴィーM1151 車内


リク「なぁ、資料見たか?」

ケンスケ「いやっ……見てないな」

ギノ「本部に送られてはいません」

リク「じゃ、見とけ」


2人にそう言って資料を渡した。

リク「実典が会おうとしていた情報提供者ってのが」

ギノ「霜月美佳っ⁈」

リク「LSDからクビを宣告されてから”私立八光学園”で美術教師やってるそうだ」


ケンスケ「会いに行くのか?」

リク「もちろん。話を聞きに」


そう呟いて笑みを浮かべた。

おーい……

藤野 清志「んっ……」


おきんしゃいって


キヨシ「ん?」

起きんか‼︎


キヨシの額に痛みが走った。
頭を押さえながら目を開けると


レイン「なにしとるんじゃおめーわ」


ロン毛のカツラを被ったレインが全力で金八先生のモノマネをしながらキヨシの目の前に居た。

キヨシ「……だれ?」

レイン「後で説明するから、それよりハイ」


レインはかつらを投げ捨てるとキヨシにSIG P210(改)を渡した。


キヨシ「モデルガン…じゃないな」

レイン「立って。時間がない」


モスバーグM590 コンパクト・クルーザー(改)のフォアエンドをコッキングしキヨシの手を引いて独房から走り出した。

私立八光学園 敷地


スマイル「ウゴッ……ぐべら?!」

スマイル「ダグラスッ?!」

レイン「邪魔邪魔、ジャマァァッ‼︎」


キヨシの手を引きながらM590 コンパクトを器用に片手で乱射しながらスマイル・マスクを蹴散らしながら校舎を疾走した。


キヨシ「あわわわわ?!すみませんが、どこ目指してるんですか?!」

レイン「生徒会室!」

キヨシ「ええっ⁇」



キヨシは一瞬、真顔になったが頭が理解する前にレインの異様な身体能力に圧倒されただ手を引かれるしか出来なかった。

生徒会室

ガチャン‼︎


レイン「ふぅ~あぶないあぶない」

「動くな」


レインの首元に突如、木刀が突きつけられたが


レイン「それはこっちのセリフだよ」

「っ?!」


木刀を突きつける相手の額にレーザーポインターが当てられた。

動揺しているのを察したレインはこう提案した。

レイン「ここでやり合うのはバカみたいだからさ」

「同時に武器を下ろさない?」


相手は少し無言になると


「わかった」


とレインの首元から木刀を引いたが


レイン「なんちゃって」


身体を回転させる勢いと同時に回し蹴りで木刀を蹴り飛ばし襟首を掴んで一本背負いで投げ飛ばした。

倒れた相手の顔面にH&K USP コンパクト(改)の銃口を突きつけた。

隅っこで縮こまっていたキヨシが


キヨシ「別当……副会長」

レイン「えっ?」

別当リサ「おまえ……キヨシか?」

レイン「えっ⁇知り合い?」

キヨシ「”表”生徒会副会長です……」


冷汗をかきながらレインはリサを立たせると頭を下げながら謝罪した。


レイン「ごめんなさい……敵かと勘違いしてました」

別当リサ「いやっ……私の方こそ悪かった」


2人のやりとりを見ているウチにキヨシはある事を思い出した。


キヨシ(あっ……そういえば)

(独房に裏生徒会の会長と副会長が置き去りだ)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom