京太郎「サンキュー岩手!フォーエバー岩手!!」 (188)


このSSは『咲-Saki-』の須賀京太郎が主役となります。

時系列はNAVERまとめを参考にしております。
舞台は>>1が実際に旅行した場所となります。
営業内容や時間は、当時から変化している場合もあります。
田舎をディスリスペクトするつもりはありません。

以上のことに注意して頂けると助かります。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455939299

18:30頃からの予定ですの~ん

では、予定通り始めます~


盛岡駅前ホテル


京太郎「…………」

京太郎「岩手の旅も今日で終わりか……」

京太郎「なんだか、あっという間だったよな……」

京太郎「色んな観光名所を見て楽しんだし」

京太郎「色んな人に出会って仲良くなれたし」

京太郎「本当に来て良かったよなぁ……」


京太郎「さーて、最終日だから盛岡市内の観光か?」

京太郎「盛岡には何度か泊まったけど……」

京太郎「泊まっただけで何も調べてなかったな」

京太郎「ググッてもパッとしたのが見つからん」トットン

京太郎「とりあえず、駅にでも行ってみるか」

京太郎「観光案内所もあるだろうし」


盛岡駅


京太郎「開いてなかったよ観光案内所」

京太郎「9時からか、チェックアウト早過ぎたな」

京太郎「うーん、このまま待つのも時間もったいな――」

おばちゃんX「兄ちゃん、道教えてくれまっか?」

おばちゃんY「ウチら迷ってまんねん」

おばちゃんZ「東口のバス停てどっちでっか?」


京太郎「ん?俺ですか?」

おばちゃんX「XYZって知っとるか?」

おばちゃんY「もう後がないってことやで」

おばちゃんZ「この状況やと助けてくれっちゅう意味や」

おばちゃんX「まぁ、ウチらも老い先短いし」

おばちゃんY「助けても意味ないかもしれんけどな」

おばちゃんZ「ギャーハッハッハッハッハッ!!」


盛岡駅前 東口


京太郎「えーと、ここになりますね」

おばちゃんX「サンキューな、兄ちゃん」

おばちゃんY「盛岡駅前もそこそこデカいやん」

おばちゃんZ「青森駅とは比べ物にならんで」

「……あら、みなさん、こちらですよ」

京太郎(ん?誰かと待ち合わせしてたのか?)


おばちゃんX「おー、トシさんやないかい!」

トシ「どうもどうも、お久しぶりですねぇ」

おばちゃんY「おはようさん!」

トシ「おはようございます、みなさん朝からお元気で」

トシ「道には迷いませんでした?」

おばちゃんZ「そこの兄ちゃんが案内してくれたで」

トシ「あらあら、そうだったんですか」


トシ「熊倉トシです、どうぞよろしく」ペコリ

京太郎「あ、須賀京太郎といいます」ペコッ

トシ「……須賀君は、高校生かい?」

京太郎「はい、そうです」

トシ「偉いねぇ、道案内してあげるなんて」

京太郎「いえいえ、俺もよく助けてもらってるんで」


京太郎「初めて盛岡駅に着いた時は少し迷いましたし」

トシ「あら?須賀君はこの土地の子じゃないのかい」

京太郎「はい、長野県から一人旅で来てまして」

トシ(それなのに道案内なんて、優しい子だねぇ……)

トシ「遠いところから大変だったでしょう?」

京太郎「そうですね、でも岩手って結構面白かったです」

京太郎「観光名所へのアクセスもしっかりしてますし」


トシ「そうかい、色々見て回ったんだろうねぇ」

京太郎「はい!凄く良い体験ができました!」

京太郎「実は、今日の夕方に長野に帰る予定なんです」

京太郎「最後にどこか見て帰ろうと思ってたんですけど」

京太郎「盛岡周辺の観光名所が見つからなくて……」

京太郎「少し困ってました、あはは」


トシ「だったら『小岩井農場』なんてどうだい?」

トシ「盛岡駅からJRで2駅の距離だから近いのさ」

トシ「それに、ここから農場までのバスもあるんだよ」

京太郎「『小岩井農場』、ですか……」

京太郎「あれ?農場って、一般人が入れるんですか?」

おばちゃんXYZ「モチのロンでおまんがな!」


京太郎「おばさんたちも行ったことあるんですか?」

おばちゃんX「いや、よう知らんわ」

おばちゃんY「ノリで言ってみただけや」

おばちゃんZ「でもトシさんが言うなら間違いないで」

京太郎「じゃあ、俺もノリで行ってみます」

京太郎「ありがとうございました!」ペコリ

トシ「気をつけて行ってきなさいねぇ」


小岩井農場 まきば園


京太郎「バスで約30分、直ぐに着いたよ」

京太郎「入口は……うん、普通だな」

京太郎「だけど……」キョロキョロ

京太郎「駐車場、車が一杯だ……」

京太郎「人多過ぎじゃね?盛岡駅前より多い気がする」


京太郎「……なぁにこれぇ」

京太郎「とんでもなく広いんだけど……」キョロキョロ

京太郎「凄いな、こんなところがあったのか……」

クソガキ共「ワーワーワー!」

京太郎「家族連れには最高の場所だな」

京太郎「…………」


京太郎「家族……か……」

京太郎「俺もいつかは家庭を持てるんだろうか?」

京太郎「いや、それよりも……俺の将来……」

京太郎「…………」

京太郎「あああ!なんで観光地でブルーに――」ドッ


「い、いたた……」


京太郎「す、すみません!気づいてなく…………あれ?」

ハギヨシ「いえいえ大丈夫……あ、君は確か……」

京太郎「県予選のときに助けてくれた人じゃないですか!」

ハギヨシ「おやおや、これは驚きました」

ハギヨシ「こんなところでお会いするなんて」

京太郎「あのときはありがとうございました!」ペコリ


ハギヨシ「――なるほど、須賀君も一人旅でしたか」

京太郎「萩原さんもですか?」

ハギヨシ「ええ、お嬢様から休暇をいただきましてね」

ハギヨシ「羽を伸ばさせてもらっています」

京太郎(お嬢様て……でも執事っぽい服着てる……)

京太郎(ていうか夏にこの服着て熱くないのかな?)


ハギヨシ「でも、やはりここは良い所ですねぇ」

京太郎「小岩井農場に来たことがあるんですか?」

ハギヨシ「はい、一度だけですが」

ハギヨシ「去年の今頃でしたか、タマタマ旅行券が当たりまして」

ハギヨシ「こちらで販売している乳製品が大変美味しく」

ハギヨシ「お屋敷のみなさんからも好評をいただきました」


ハギヨシ「須賀君はご旅行、楽しんでいますか?」

京太郎「はい、本当に良い旅ができました……」

ハギヨシ「……ですが、今は何か迷っておられる」

京太郎「え!?」

ハギヨシ「ぶつかる前、考え込んでいる様に見えました」

京太郎「…………」


ハギヨシ「これも何かの縁です」

ハギヨシ「私などでよければですが、相談に乗りますよ」

京太郎「……」

ハギヨシ「せっかくの観光に来ているのです」

ハギヨシ晴れた気分でいた方が得だと思いますが?」

京太郎「萩原さん……」

ハギヨシ「口は硬い方だと思いますのでご安心を」クスッ

京太郎「……実は――」


まきば園内 山麓館農場レストラン


ハギヨシ「…………」

京太郎「と、いうことになりまして……」

ハギヨシ「…………」ゴクゴク

京太郎「あの……聞いてます?」

ハギヨシ「聞いていますよ、うーむ……」コト


ハギヨシ「旅行中に5人の女性から好意を持たれた」

ハギヨシ「……まとめるとそんなところですか」

京太郎「そうなんですよ……」

ハギヨシ「それは困りましたねぇ……」

京太郎「……」

ハギヨシ「恋人がいない私に答えられるかどうか……」

京太郎(いやいや、貴方は絶対モテモテでしょ……)


ハギヨシ「とりあえずですが……」

京太郎「は、はい……」

ハギヨシ「私が最初に感じたことを言わせてもらいます」

ハギヨシ「須賀君は……」

京太郎「…………」ゴクリ

ハギヨシ「まるでハーレムアニメの主人公みたいですね」

京太郎「は、萩原さーん!」ドテッ


ハギヨシ「んふふ、まぁ、それは冗談なのですが……」

ハギヨシ「申し訳ありません、相談されても何の役にも立てず」

ハギヨシ「結局は、誰を選ぶかなんて須賀君次第ですよ」

京太郎「そ、そうなんですが……」

ハギヨシ「はて、そういう相談ではないのですか?」

京太郎「萩原さんは……県外のことは詳しいんですか?」

ハギヨシ(なるほど、そういうことですか……)


ハギヨシ「とりあえず出ましょうか」ガタッ

京太郎「は、はい」ガタッ

ハギヨシ「相談の続きは後でいいですか?」

ハギヨシ「須賀君は本日帰られるのでしょう」

ハギヨシ「でしたら、観光地で充分に遊ばないと」

ハギヨシ「私は1度来ていますので案内致しますよ」

京太郎「あ、ありがとうございます!」


京太郎「うわ~、子供ばっかりだな~」

京太郎「やっぱこういうとこはデカい公園があるんですね」

ハギヨシ「客層は家族連れがメインですからねぇ」

ハギヨシ「アルマジロボールに水上ハムスター、トランポリン」

ハギヨシ「それに、隣を見てください」

京太郎「アーチェリーもやれるんですか……」

ハギヨシ「テーマパークというよりアミューズメントパークですね」


京太郎「萩原さん!馬いますよ!」

ハギヨシ「こちらでは乗馬体験ができるんですよ」

ハギヨシ「1周が120~130mぐらい、ですかね」

ハギヨシ「それと馬車にも乗れます」

京太郎「馬車の方はコース長くないですか?」

ハギヨシ「500mくらいですかねぇ、どちらも1週500円です」

ハギヨシ「そこの自販機で買えますよ」


京太郎「乗ります!両方乗ります!」

ハギヨシ「乗り物がお好きなのですね」ニコニコ

京太郎『おおっ!すげっ!』

塞『うっわー!』キラキラ

船頭『これが青の洞窟のん』

京太郎「……はい」


京太郎「あれ?乗馬ってポニーも乗れるんですか?」

ハギヨシ「よく見てください、ポニーは子供用です」

ハギヨシ「130cm以下はポニー、それより上は馬になります」

京太郎(あの人ならポニーの方に案内されるかも)クスッ

京太郎『ほら、中三だって、俺は高一、おかしくない』

胡桃『』

ハギヨシ「……写真、お撮りしますよ♪」


京太郎「ありがとうございました、萩原さん」トコトコ

ハギヨシ「乗馬の写真、バッチリ撮れまし――」

おにゃのこ1「うはは、ポニー発見ですのだ!」ダダダ

京太郎(こんなデコボコ道で走るとコケるぞ、あの子)

おにゃのこ1「のだっ!?」

スッテンコロリン

京太郎「あ、やっぱり転んだ……」


おにゃのこ1「のだ!痛いですのだ!」

おにゃのこ1「…………」

おにゃのこ1「びぇぇえええええぇん!!」

京太郎(あぁ、怪我しちゃったかな?)

おにゃのこ2「いたい?だいじょうぶ?」ナデナデ

ハギヨシ(んっ……)


おにゃのこ2「いたいのいたいの、とんでいけ~」

おにゃのこ1「おねーちゃ……」ウルッ

京太郎「あ……」

京太郎『まだ引っ張りますか、それ』

白望『貴方は私の妹分だから』ナデナデ

京太郎(シロねぇ……元気かな……)

おにゃのこ1「やっぱり痛いのだ……」グスッ

おにゃのこ2「」ガーン


京太郎「あ、親たちかな?側に行きましたね」

ハギヨシ「怒られていますね、微笑ましい光景ですが」

ハギヨシ「走るのなら広場で走れば安全です」

京太郎「広場って、入口から直ぐ正面のですか?」

ハギヨシ「ええ、雄大な岩手山が見えいたでしょう」

ハギヨシ「そういえば、八幡平にも行かれたと聞きましたが?」

京太郎「はい、八幡平からも岩手山が見えました」


ハギヨシ「あちらからの景色はどうでしたか?」

ハギヨシ「とても素晴しいと聞きておりますので」

京太郎「えぇ、それはもう……」

京太郎『ととととと、豊音さん!?』

豊音『////』

京太郎「……美しいものが見れましたよ」


ハギヨシ「どうですか?格別でしょう?」ペロペロ

京太郎「うめー!かなり濃厚なソフトクリーム!」ペロペロ

京太郎「そういや花巻でもソフト食べましたよ、箸で」

ハギヨシ「箸を使うのですか、面白い食べ方ですね」

京太郎「かーちゃんにはチーズの土産を買っていこうかな」

ハギヨシ「賞味期限にはご注意くださいね」

ハギヨシ「ご家族以外ならクッキーや饅頭等もお勧めです」


京太郎「わお、SLまで展示してるんですね」

ハギヨシ「このSL、実はホテルだったのですよ」

京太郎「え?マジですか?」

ハギヨシ「2008年までですけど……」

ハギヨシ「国内最後の『SLホテル』として営業したらしいです」

京太郎「へ~、ここって本当に色々あるんですね~」

ハギヨシ「だからこんなに賑っているのでしょうね」

ハギヨシ「そうだ、1度外に出てみませんか?」


小岩井農場 どんぐりコロコロ


京太郎「もう、ほんっと!緑がないんだよね!」

ハギヨシ「変な人たちが来ちゃうので止めましょう」

京太郎「でも代わりにたくさん木がありますね」

京太郎「シャレオツな製品が一杯です」

ハギヨシ「岩手県の木工製品を集め展示販売してるのです」

ハギヨシ「まきば園からも歩いてこれる距離ですし」

ハギヨシ「こちらも見る人が結構いるのですよ」


ハギヨシ「ちなみに手作り体験や森林体験も――」

京太郎「…………」キョロキョロ

ハギヨシ「……?何か探しています?」

エイスリン『HAVE A NICE TRIP!(旅行の絵)』ニコッ

京太郎『サンキュー!エイスリンさんもね!』

京太郎「絵画とかも、見たいですね……」

ハギヨシ「これはこれは、絵にも興味があるのですね」

京太郎「はい、より好きになりました……」


小岩井農場 一本桜


京太郎「こんなところもあったんですね……」

ハギヨシ「この桜の木、有名な撮影スポットなのですよ」

ハギヨシ「後ろの岩手山と一緒に写るし良い絵になります」

ハギヨシ「春などは特に凄いらしいですよ」

ハギヨシ「咲き誇る1本の桜の木と雪化粧が残る岩手山」

京太郎「夏のこの景色も充分綺麗ですよ!」


ハギヨシ「……須賀君、本日の観光も楽しめましたか?」

京太郎「もちろんですよ!すっごく楽しかったです!」

ハギヨシ「んっふ♪それはようございました」

ハギヨシ「旅行では、各県が勧める名物や特産物を食べる」

ハギヨシ「観光名所を見たり、その地の行事を体験する」

ハギヨシ「まぁ、存分に楽しむということが大事ですから」

京太郎「忘れられない夏になりましたよ……」


ハギヨシ「ネットで拝見しましたが、冬の観光も良さそうです」

ハギヨシ「まきば園は雪まつり会場にもなります」

ハギヨシ「雪像展示、スノートレインやそり滑りもできます」

ハギヨシ「イルミネーションは東北最大級だそうで」

京太郎「そんなにですか!?」

ハギヨシ「それと、車で1時間程走れば温泉街に着きます」

ハギヨシ「雫石町の『鶯宿温泉』、そこそこ有名ですよ」


京太郎「探そうと思えば、たくさん探せるんですねぇ」

ハギヨシ「ええ、その通りなのです」

ハギヨシ「どんな地域でも見所は少なからずあるもの」

ハギヨシ「季節によって、違った味も出てくるのも面白い」

ハギヨシ「田舎でも良い所は確かに存在します」

ハギヨシ「そして……その逆もまた然り、なのです……」

京太郎「……え?」


ハギヨシ「須賀君、卒業後のことはどう考えていますか?」

京太郎「いえ、今のところ具体的なことは何も……」

ハギヨシ「そうですよね、もっと簡単な質問に変えましょう」

ハギヨシ「長野県、いや地元で暮すイメージが強い?」

京太郎「は、はい……」

ハギヨシ「普通はそうですよねぇ……」


ハギヨシ「悲観させるつもりがないことを前提に聞いてください」

ハギヨシ「田舎に、明るい未来を期待し過ぎるのは危険です」

京太郎「…………」

ハギヨシ「貴方の高校から上京する人たちも……」

ハギヨシ「実際多いと思います、その理由をどう考えますか?」

京太郎「……娯楽が少ない、ですか……?」


ハギヨシ「娯楽の数は確かに少ないですね」

ハギヨシ「ですが、もっと根本的なものです……」

ハギヨシ「ネットの発達で、昔に比べ遥かに良くなりました」

ハギヨシ「リアルタイムや多種多様な趣味」

ハギヨシ「特定の分野の勉強、買い物に行ける場所」

ハギヨシ「それらを強く望まないのでしたら」

ハギヨシ「田舎でも、充分に不自由なく暮らせます」


ハギヨシ「ただ、人間が生きていく為には……」

ハギヨシ「最低限の資金がどうしても必要になります」

ハギヨシ「田舎ですと、その資金の入手額や入手方法」

ハギヨシ「それらが都会に比べて非常に少ない」

ハギヨシ「それは……紛れもない事実なのです……」

京太郎「……で、でも……」

京太郎「東京は物価が異常に高いってよく聞きますけど……」


ハギヨシ「正確には家賃、土地代が高いということですね」

ハギヨシ「物価は大して変わりません」

ハギヨシ「いや、田舎の方が高いかもしれませんね……」

京太郎「そ、そうなんですか……?」

ハギヨシ「テレビでも見たりしませんでしたか?」

ハギヨシ「お馴染みの安売りスーパー」

ハギヨシ「都会でも安いところなんていくらでもあります」


ハギヨシ「でも、須賀君が1番不安に思っていることは」

ハギヨシ「岩手県、つまり見知らぬ地……」

ハギヨシ「そこでずっと暮らしていくこと、ですね?」

京太郎「…………」

ハギヨシ「そういった可能性も頭によぎったのでしょう?」

ハギヨシ「今回の旅で出会った子と縁がある可能性もある」

京太郎「そうです……」


ハギヨシ「田舎は大変ですよ~」

ハギヨシ「病院まで行くのにも苦労する可能性が高い」

ハギヨシ「大きい病院なんてある方が珍しいですからね」

ハギヨシ「それに、車が必ずと言っていいほど必要になります」

ハギヨシ「東京で乗らないことを前提に考えますと」

ハギヨシ「田舎では、維持費がとても掛かってしまいます」

京太郎「…………」


ハギヨシ「それに人との距離の問題もあります……」

ハギヨシ「人間関係はどの地域や会社でもあるでしょう」

ハギヨシ「ただ、田舎は距離が近過ぎるかもしれません」

ハギヨシ「良い意味でも、悪い意味でも……」

ハギヨシ「下手をしたら、逃げ出せる場所すらない」

ハギヨシ「そのような所も実際にあるのです」


ハギヨシ「田舎は都会に比べて世界が狭くなります」

ハギヨシ「ですが、それを批判するつもりはありません」

ハギヨシ「ただ、どうしても……」

ハギヨシ「古い価値観を押し付けられてしまいますとね」

ハギヨシ「郷に入れば郷に従えの意識が濃く、強い」

ハギヨシ「それは仕事面でも表れるときがあるのです」


ハギヨシ「田舎の求人票を見たことがありますか?」

京太郎「い、いいえ……」フルフル

ハギヨシ「給与・休日・福利厚生、学歴関係なく酷いものです」

ハギヨシ「労働基準ギリギリ、いや実態は……」

ハギヨシ「裏では明らかに越えているでしょうね」

ハギヨシ「その基準が、田舎では当たり前と考えられている」


ハギヨシ「タチが悪いのは……」

ハギヨシ「それを悪い事だと認識していないところでしょう」

京太郎「認識、ですか……」

ハギヨシ「ええ、企業倫理がまだまだ低いのです」

ハギヨシ「民間企業でホワイト会社と呼ばれる会社など」

ハギヨシ「2割あればかなり良い方だと思われます」

ハギヨシ「そう考えますと、私はとても恵まれていますね」ニコッ


ハギヨシ「そして、北東北や北海道等の雪国の田舎」

ハギヨシ「今、私が話したデメリットに加え……」

ハギヨシ「雪害の苦労も加わると想像してください」

京太郎「雪、ですか……」

ハギヨシ「自分の住まいや車以外にも会社の除雪」

ハギヨシ「これは、中々に重労働となりますよ」


ハギヨシ「雪のせいで時間と体力も無駄に消耗してしまう」

ハギヨシ「東京では雪が数cm積もっただけで大騒ぎですが」

ハギヨシ「そうですね、例えば青森市の例を挙げてみますか」

ハギヨシ「人口30万人クラスの都市としては世界一の豪雪地帯」

ハギヨシ「その青森なんて、1車線丸々消えてしまうくらいです」

ハギヨシ「想像してみますととても恐ろしいですね♪」

京太郎「…………」


京太郎「あの、本当に悲観的にさせようとしてませんよね……?」

ハギヨシ「んふふ、あまりにモテモテな須賀君に対して」

ハギヨシ「少しイジワルしたくなっちゃいました」ニコニコ

京太郎「…………」

ハギヨシ「と、いうのは冗談ですよ」

ハギヨシ「あくまで客観的にデメリットを述べたつもりです」


ハギヨシ「現に、少子高翌齢化で人口は右肩下がりですが」

ハギヨシ「大きな都市を持つ県では人口が増えています」

ハギヨシ「田舎から都会へ……まぁ……」

ハギヨシ「逃げる方が圧倒的に多いことを証明していますね」

ハギヨシ「誰も、無駄な苦労は背負いたくありませんから」

京太郎「萩原さんの言うことは正しいかもしれませんが……」

ハギヨシ「……須賀君、田舎は本当に良い所だと思いますよ」


ハギヨシ「今回の旅行で、貴方は色々と楽しめたはずです」

ハギヨシ「長野県の2/3以下の人口しかない県でも充分に」

京太郎「…………」

ハギヨシ「都会に比べれば、田舎はゴミゴミしてなくて広い」

ハギヨシ「空気は良く、水も美味いく、自然が豊かです」

ハギヨシ「東京の狭い部屋で暮らすのなら……」

ハギヨシ「田舎では同じ家賃で広い住居に住めますよ」


京太郎「それも客観的な意見なんですか……?」

ハギヨシ「はい、そのつもりですよ、ですが……」

ハギヨシ「だからこうしろ、と言うつもりはありません」

ハギヨシ「押し付けることは良いことではありませんからね」

ハギヨシ「……須賀君、選ぶのは自分自身なのです」

ハギヨシ「どんな状況にあっても結局は当人が選択します」


ハギヨシ「何処に住むか、どんな仕事をするか……」

ハギヨシ「そのときの選択肢が少なかったとしても、です」

ハギヨシ「ただ、騙されたという思考にはなってほしくありません」

京太郎「……え?」

ハギヨシ「実際に田舎で暮らすことを選んだ場合……」

ハギヨシ「そのことに対しての考えです」


ハギヨシ「テレビ等でよく見る田舎移住の特集や支援の番組」

ハギヨシ「あの『光』の部分だけを信じ込んではいけません」

ハギヨシ「実際に住んで後悔というありがちなパターン」

ハギヨシ「貴方に歩んでほしくありませんので……」

ハギヨシ「自分の選択には責任を持てる大人になってほしい」

ハギヨシ「私自身もそうありたいと思ってきました」

京太郎(……責任、か……)


ハギヨシ「私は田舎が大好きですよ」ニコリ

ハギヨシ「今、貴方と一緒に見ているこの景色」

ハギヨシ「とても美しいではありませんか……」

ハギヨシ「この『光』の部分は、本当に素晴しいものです」

京太郎「……ええ、そう思います」

ハギヨシ「そして、『光』には『影』がしたがう……」


ハギヨシ「都会でも田舎でも関係ありません」

ハギヨシ「どんな場所でもそれは絶対に存在します」

ハギヨシ「その現実から目を逸らさなければ……」

ハギヨシ「きっと、その選択に納得ができるはずです」

ハギヨシ「後悔することがあったとしても、ね♪」

京太郎「…………はい!」


ブロロロロロロ

京太郎「盛岡駅まで送ってくれるなんて、助かります」

ハギヨシ「いえいえ、気にしないでください」

ハギヨシ「本日の宿泊先が盛岡市なので」

京太郎「萩原さんはいつまで岩手にいるんですか?」

ハギヨシ「んふふ、私は明日の朝に帰りますよ」

ハギヨシ(夕御飯は『じゃじゃ麺』にしますかねぇ)


盛岡駅前


京太郎「ありがとうございました!」ペコリ

ハギヨシ「それでは、またお会いしましょう」

ハギヨシ「須賀君がどう考え、選択するのか……」

ハギヨシ「楽しみにしていますよ」ニコニコ

京太郎「が、頑張ります!」


ゴトンゴトン ゴトンゴトン

京太郎「岩手県、楽しかったな……」

『テンパイソクリーワーイワーイ』

京太郎「ん?家から?もしもし」ピッ

京母『もしもし?京太郎かい?』

京母『今日……帰ってくるんだよね?』


京太郎「うん、夜になっちまう、かな?」

京太郎「飯食べてから帰ろうと思ってるけど」

京母『お父さんと迎えに行くよ、御飯一緒に食べましょう』

京太郎「え?そんな、別に無理しなくても――」

京母『いいんだよ、そんなこと気にするんじゃないよ』

京母『そうだ、お寿司にしましょう!アンタ好きだったろ?』

京太郎「お、おう……ありがとな」


長野県 某寿司屋


京父「どうだった?岩手県は?」

京太郎「面白かったよ、後で写真見せる」

京母「怪我も病気も、大丈夫だったんだろうね……?」

京父「帰ってきたばかりだが、直ぐIHがあるんだろう?」

京太郎「まーね、東京だから今度は近いよ」

京母「慌しいねぇ……」


京太郎「あ、そうだ、母ちゃんこれ……」ガサッ

京太郎「色んなチーズ買ってきた、食べてくれよ」

京母「お土産……そんなつもりでお金渡したんじゃないよ」

京母「自分の楽しむ分に使えば良かったのに……」

京太郎「いや~、日頃の感謝……かな」

京太郎「いつも美味しい御飯ありがとう、母ちゃん」

京母「っ……!」ガタッ


京母「ばっ!似合わないことするんじゃないよ!」タタタ

京太郎「か、母ちゃん……?」

京父「……直ぐに戻ってくるよ」

京太郎「お、おう……ならいいけど」

京父「実は母さんな、ずっとお前のこと心配してたんだぞ」

京太郎「……え?」


京父「岩手県の天気や気温もよく見てたよ」

京父「怪我してないか?風邪ひいてないか?」

京父「お前がいない間、ずっと気にかけていたんだ」

京太郎(それで、迎えも寿司も……)

京太郎「俺、本当に感謝してる、母ちゃんにも父ちゃんにも」

京父「京太郎……」


京父「お前……少しデカくなったな……」ボソッ

京太郎「えー?何か言った?」パクパク

京父「いや…………ところで俺にお土産は?」

京太郎「うん、当然買ってきたぜ」ガサッ

京父「……なんだこれは?」

京太郎「ん?見ての通りヌイグルミだけど?」


京太郎「『わんこきょうだい』って岩手のゆるキャラ」パクパク

京父「 い ら ね ー !! 」

京父「なんでだよ!酒買ってこいよ、岩手産ワインとか!」

京太郎「だって未成年だぜ、俺」パクパク

京父「あっ!お前さっきから金皿ばかり取ってるな!」

京太郎「やっべ、バレテーラ!」モグモグ

京父「何枚食うんだ!このイヤしんぼめ!!」


某日 雀荘 Roof-top


久「さ~て、いよいよインターハイよ!」

優希「明日東京に殴り込みだじぇ!」

まこ「各自、忘れ物はせんようになぁ~」

和(エトペン、何匹持っていこうかな……)

咲「……京ちゃん、何持ってるの?今日は打ち合わせだよ?」

京太郎「お土産だ、みんなで食べてくれよ」ドサッ


優希「おおっ!なんだこれは!!」

京太郎「クッキーだよ、口に合うかは分からんけど」

和「え……?もらっちゃていいんですか?」

まこ「小岩井農場?小岩井……おお、岩手県じゃな」

久「あら?旅行にでも行ってきたの?」

咲「でも、京ちゃんのお母さん、私スーパーで結構見たよ?」

京太郎「ああ、今回は一人旅だったんだよ」


咲「一人!?京ちゃん一人だけで行ったの!!?」

優希「犬が一人で切符を買えた?うそ……だろ……?」

和「もう、失礼ですよ!ゆーき!」

久「へー、ちゃんと英気を養ってきたみたいじゃない」

まこ「岩手は楽しかったかの?」

京太郎「はい!もし行く機会があれば、案内してあげますよ!」

久「あらあら、頼もしいこと言ってくれるじゃないの」

咲「…………」


8月4日 東京国際フォーラム


アナ「長野、清澄高校、33番」

京太郎「あれ?33番?てことは――」

まこ「おっ……!」

京太郎「たった今、会場を賑せた姫松高校と第三シードの」

まこ「キングクリムゾン!」

まこ「関係無い話は消し飛び……全ての登場人物は……」

まこ「この時間の中で動いた足跡を覚えていないッ!」


          -=ニニニニニ==-
          |XX,-(゚д゚)-、XX|
          |Xl .⌒  ⌒ lXx|
          |X}(◎) (◎){XX|
          |Xl  ↓   |XX|
          \  ヾ二)  /X/
    ____/⌒``ヽ ,,ー‐,,   "⌒ヽ____
   |____し'⌒/ⅩⅩⅩⅩⅩ/"⌒し′__|::|

   |____(ⅩⅩⅩⅩⅩ./_______|::|

    |____/⌒ ヽ、ⅩⅩⅩ/______|::|
    |____しイ"i  ゙`   ,,/._______|::|
l二二二二二二 l |二二二二二二二二l__:|

 | |::|   | |::|  し′        | |::|  | |::|
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京太郎(ちなみに岩手県はどこが代表なんだろう?)

京太郎(そういや塞さんもインターハイの選手だったよな)

京太郎(何の競技か聞くの忘れてたけど――)

アナ「只今より、全国高校麻雀大会、開会式を行います」

京太郎「……あり?染谷先輩、抽選って終わりましたっけ?」

京太郎「ん?いない…………あ!いつのまに整列してる!」

京太郎「ええい!何かわからんが応援だッ!」


『頑張れー!清澄ーーーー!!』

エイスリン「!!?」ピクッ

胡桃「……え?この声」ハッ

豊音(わわわ!似てる声が聞こえたよー!)ドキドキ

白望「立ってるのダル~」ボー

塞(気のせい、よね?)キョロキョロ


トシ(あら、あそこにいるのは……)


東京都 某ホテル


塞(いけないいけない!腑抜けてるぞ私!)パシッパシッ

豊音「さえ!気合入ってるよー!」

白望「初戦は3日後……まだまだ先……」グデーン

胡桃「気合入れ過ぎると空回りするよー」

塞「分かってるって、大丈夫…………ん?」

エイスリン「~~~~♪」カキカキ


塞「…………」ジー

胡桃「エイちゃん……さっきから何描いてんだろ?」

白望「……オトコじゃない?ダルい」

エイスリン「エヘヘ……////」ニコッ

塞「はっ!?」ガタッ

胡桃「マジで!?」ガタタッ

豊音「うわわ!いいな!いいなー!」


胡桃「エイちゃん彼氏いたの!?」

エイスリン「チッ、チガウ!……マ、マダ!トモダチ////」

白望「『まだ』……ねぇ……」

豊音「えー!見せて、見せてー!」キャッキャッ

エイスリン「ダ、ダメ……////」スッ

塞(き、気になるな!見たいけど――)

トシ「……あら?この絵、須賀君じゃないか」ガチャ


全員「!!!!!?」


トシ「上手だねぇ~」ナデナデ

『情熱が音を立てーて 崩れ落ちる瞬間を――』

トシ「あれま、誰からかしら?」ピッ

トシ「あらあら、赤土さんじゃないかい」

トシ「もう東京には着いたのかい?ええ――」ガチャバタン


全員「…………」


白望「エイスリン、その絵見せてもらっていい?」

エイスリン「…………」パッ

『 須賀!? 京ちゃん 京太郎君! 京太郎!! 』

全員「…………え?」

豊音「ええっ!みんな京太郎君と知り合いなのー!?」

塞「どっ、どうやら……そうみたいね……」

胡桃(あ、頭痛くなってきた……)クラッ


胡桃「エイちゃん!何かされなかった!?」

胡桃「スケベなアイツのことだからみんなに迷惑を――」

塞「いやいや、そういうことはしない真面目な子でしょーに」

エイスリン「…………!」コクコク

胡桃(何でこんなに評価されてるの!?)

豊音「京太郎君はエッチじゃないよー!」ニョワー


豊音「一緒にお風呂入っても足しか触られてないもん!」

胡桃「( ゚з゚):;:゙;;:゙;ブブッー!」

エイスリン「」

塞「」

白望「あ、豊音も一緒に入ったんだ、『私たち』と同じだね」

胡桃「( ゚з゚):;:゙;;:゙;:;:゙;;:゙;ブーーーーー!?」


豊音「シロたちも?そっかー、花巻温泉に泊まったんだよね」

塞(……もしかして京太郎の想い人って、みんなのこと!?)

塞(ど、どうしよ……私完全に出遅れちゃってるじゃない……)

エイスリン「……ワ、ワタシ!」

エイスリン「スガクンスキ!ダイスキ!!」

塞「エイスリン……」


豊音「えへへー!私も京太郎君が大好きだよー!」

白望「私もほっぺにチューした、好みのタイプだったから」

塞「」

エイスリン「」

白望「……あ、そういえば胡桃は唇にしてた、ズルい」

胡桃「あっ、あれは別に!……ノリよ!その場のノリ!!」

豊音「くるみも京太郎君が好きなんだー!」パァア


胡桃「すすす、好きな訳あるかーーーー!!」

胡桃「事故よ!全部事故!アイツの存在自体が事故!!」

胡桃「初対面でアイツの○★○咥えちゃったのだって――」

白望「」

エイスリン「」

塞「」

豊音「」

胡桃「……………………あ、あれ?」キョロキョロ


胡桃「いや、これはその……」アセッ

白望「ごめん、それは流石にドンビキ……」

豊音「あ、あんなに……おっきぃのを……////」ゴクッ

塞(そそそそそ、そんなに大きいの……!?)ゴクリ

エイスリン「フエェ……」グスッ

白望「……あ、エイスリン」

エイスリン「ウェェエエエエエェエエン!!」ポロポロ


塞「――と、言うことがありまして」

トシ「少し目を離したらそんなことがあったのかい」

トシ「帰ったら泣いてる子が二人もいたから驚いたよ」

エイスリン「ウゥ……」グスグス

豊音「うぅ……」グスグス

胡桃「トヨネは意味不明なもらい泣きだけど……」

白望「だる~……」グデーン


トシ「このままじゃ、試合に影響がでちゃうねぇ……」

塞「いえ!それはちゃんと――」

トシ「ふふふ、無理は良くないよ」

トシ「そうかい、みんな須賀君に恋しちゃったのかい」

胡桃「わ、私は別に……」ゴニョゴニョ

白望「はい、ライバル一人消えましたとさ~」

胡桃「勝手に消すなー!」プンスカ


トシ「でも、みんなはずっと仲良しだったじゃないか」

トシ「私にはあんたたちが争うとは思えないんだよねぇ……」

エイスリン「……ケンカ……ゼッタイダメ……」

白望「でも、全員譲るつもりないんでしょ?ねぇ、胡桃」クルッ

胡桃「わっ、私にフラないでよ!」プイッ

豊音「それならみんなで結婚すればいいんだよー!」

塞「いや、それは色々とマズいと思――」

トシ「そうだねぇ、それが一番良い方法なんだろうねぇ」


塞「そうですよねぇ…………えっ!?」

胡桃「く、熊倉先生!日本では重婚は禁止です!」

トシ「だろうねぇ、だけど結婚は無理でもやりようはあるさ」

トシ「昔は日本でも一夫多妻的慣習があったんだよ」

白望「今は現代社会……ダルい規則ばっか……」

トシ「現在の北欧や欧米では婚外子も増えているんだ」

豊音「うわーい!それなら決定だよー!!」

エイスリン「グレートダゼッ!(ハーレムの絵:18禁)」パッ


トシ「後は、御両親の問題とあんたたちの気持ち次第だね」

塞「いやいや、倫理だけじゃなくて経済的な問題も……」

トシ「ああ、それは私に任せておいてくれよ」

トシ「でも、大会が終わるまではきちんと集中なさい」

トシ「テレビ中継があるんだし須賀君も見てるかもしれないよ」

塞「はっ、はい!頑張ります!!」

トシ(須賀君が会場にいることは黙っておこうかねぇ……)

トシ(さて、彼がこの条件をのんでくれるかどうかだけど……)


8月10日 インターハイ6日目


優希「行ってくるじぇ!」ダッ

アナ『永水女子の先鋒は去年の団体戦で――』

京太郎(お、今回の対戦相手達が映ってるな)

アナ『岩手県代表は宮守女子!』

京太郎「宮守?あれ?どっかで聞い――」

白望『ダルい……』

京太郎「ぶーーーー!!」


和「須賀君!?」ビクッ

まこ「なんじゃいきなり!驚いたぞ!」

久「ん?もしかして、この子知り合い?」

和「どことなく雰囲気が須賀君に似てますね」

咲「先鋒から小瀬川、ウィッシュアート、鹿倉、臼沢、姉帯」

京太郎「えええええええ!!!!!?」ガタッ

咲「…………」


咲「オレは麻雀でお前を勝ちとった」

咲「お前の生もお前の死もすべてオレのものだ」

京太郎(凄い偶然だな……うん……)ジー

京太郎「…………」

咲「オレの手の中から出て行きたいと言うのなら――」

京太郎「部長、ちょっと席外します」スタスタ

咲「」


                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {                            /
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         j  j从|  | |、 | | | ト、 │゚. :| ゚. | :|    │!
                 |  ト、圦乂| 乂| \| \| ヽ{ヽ{   イノ
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    -    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |





                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
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          /  \     ニ二二三三三二二ニ    /  イ
            /\_ \ ___   ニニ二三三二ニニ   ∠ イ |
        /  ,ィ   ̄ ̄三三|:ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |
.        厶イ |  i  二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ=  | !
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            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |


豊音「ぼっちじゃないよー、ツモ!2700オールっ!!」

アナ「ついに姫松陥落……!!」

末原「」

豊音(やっ、やったよー!トップを取り返したよー!)

豊音(えへへ♪京太郎君、見てくれてるかなー////)ニコニコ

咲「…………」

霞(……あら?悪霊の気配が……)チラッ


霞「門前清一ツモイーペーコーで……4000・8000!」

豊音(わっ、追い抜かれちゃったよー……)

末原「ツモ! 1000・2000」

豊音(姫松もまだまだ食らいついてくる……)

豊音(でも絶対に諦めないもん!勝ち進むよー!)

霞「…………」チラッ

咲「もうハギ京が手に入らないのなら……」ポツリ


:;,.:;,.:;,:;:;,:.;:,.:;,...:...;:;.....:;::;;...               ....:;.:,:;,:.:.:,,,:;:;,,,,.,:;::,.,:;;:.,.:;::,;.:;,:.;:,;,.;
:;.:;,.::.,::,:;:,;,:.,;.;;.,:.;,:,::.;..:;..      ,,.:.:.::. ̄:.:.:.. .、   :;:;:;:;:;;  rァ  ,,.,:;:;:;:;:;;:;:;:;::;,.:;
:;,;.:;,:.;,:,:..;,.:.:,;.:,,;.;.:,;..:  ー-=‐''" ......::..:.:.:..:.:.:..::.:...丶            ,.:;.,:.,:,.;.,:.;,:,;.:;
:,;.;.,:.;;.;..,;.:.;,:;..;:,:,:;..    `¨ラ..:. .:. .:.: .:.:.:.: : : :..::.:.:::ヾ 、         :;,:.;,:;.;,.;,::;,.:;
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:;,.;,...:;,:.;,:;.:,,.;..;:,;.:;;:;,.:;  厶イ::/:::::::'.ニ\::::|/○}イ:::ィ:N   .l    ノ      ,.;:,;.,.
:,;.:;.;.;;.:,;.:;,::,:::.;,:..;:,;.,:.;    |Λ:〔ト、'.ニニヽ|-ニニノイノ .ノ    }. 斗'        ::;:;,.
:;,.:,;:,:.:.;.:.;:;,:;.:,;:;.:,:,:.;:  ノ)   `}:入       /ン     ´           ;:,.;:;
:.;,:.;:,:.,::.:,:.;,:;.:,;:;.:;:    `    }Λ{:.>r--- ´l<_                   ,:,;.:;
:,;:.;..;,:;.:,;:::.;,:;.:;:   ___   r--y''"´ |   ノ    ̄二二ヽ  .  -‐'フ    .,:.;:,
:,;.:;.:,::.:,;.::,;...:;  ./    )  .|     ‘. ̄´ /   .ィ⌒ 、 ヽ'く   /    '',,::
:,;:.;.;,:;.:;,:;,:;:,;:..   l 厂 ̄   Λ     ‘. ./  .イl7    、  ` ァ        ;:.,:;.
:,;:;.:;,:;...:.:.:...:,;:,.. ヾ     イ  \    ‘ / .ィl|:|ル      \/     ,.....,:,:;.:,
:;,:.;;.......;,:;,:;.:;,,,.;:,:.,,...  く\  .|弋≧=彡□≦=-彡 、    /ム      ,..,:.;,:.;,:,;.:;
:,;.:.;;.;,:::;,:,:.;.;;.,:;:,:,:,:;..;.;,:;. \\ :|   ̄ /liノ心     〕ト、//ヽl  ,.,,:;,.:;,:;.,:;.:,:.,.:,;:


咲「ツモ、嶺上開花 2000・4000」

咲「ツモ、 2000・3900」

咲「ツモ、嶺上開花 2000・4000」

末原(殺りたい放題やないか……!!)ブルブル

咲「クカカ!クココ……!カン!!」ゴゴゴゴゴゴ

豊音(ちょー怖いんだけどー……)ブルブル

末原「あ、ツ、ツモです……4000・8000です、はい……」

咲「あ゛?」ギロッ


末原「すすす!すんまへん……!」ペコペコ

咲(チッ、下っぱのカス能力が……!)

咲(おまえらごときの浅知恵でこの宮永咲の能力)

咲(『嶺上開花』の上を行くことは絶対にない……)

咲(くぐり抜けることもないッ!いくらカスみたいでもな……)

咲「フフフ……ククク……」

咲「“帝王”はこの宮永咲だッ!!依然変わりなくッ!」


咲「ツモっ……!嶺上開花 400・800」

豊音「わぁぁあぁ ありがとうございましたぁぁぁ」

咲(トップから奈落に転落wwwwwwwwざまぁwwwwwwww)

霞「はっ!」ゴゥ

咲「うっ!きゅふふふふふ…………うぅ~」サァアー

咲「……あれ?私今まで何してたんだろ?」キョロキョロ

末原(な、なんや?さっきまでの殺気が急に……)

霞(ホモ豚の悪霊、ちゃんと消えたかしら?)


霞「お疲れ様でした」ペコリ

末原「ありがとうございました!」ホッ

咲「ありがとうございました♪」ペッコリン

咲(ハギ京はもう古いよね、時代はハギ秋だよ!)

豊音「良かったらサインくださぁぁああぁぁいぃ」

咲「え?はい、いいですよ」ニコッ


京太郎「やったな咲!すげぇ」

咲「うん、ありがと京ちゃん」

和「あれ?須賀君いつのまに?」

優希「いたりいなかったり慌しい奴だじぇ」

久「作者から忘れ去られてただけじゃ――」

まこ「キングクリムゾン!」


         ___
       /×( ゚Д゚)
       |×( ´∀`)
       |××××|
.       ≡≡≡≡≡
       (××⌒) ) _
   / ̄ ̄ ̄ ̄`J  ̄ /\
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
             | |
           / \


        __

       /.(゚Д゚)\
       |.( ´∀` ).|
       |××××|
.       ≡≡≡≡≡
       (××⌒) ) _
   / ̄ ̄ ̄ ̄`J  ̄ /\
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
             | |
           / \


同日 某所


トシ「……あらら、先に来てたのかい」ガチャ

トシ「ちょいと話し込んでしまって遅れちゃったよ」

京太郎「い、いえ……」

トシ「今日は本当にごめんなさいねぇ」ペコリ

トシ「あの子たちに会わせてあげられなくてさ」

トシ「せっかく控え室まで来てもらったのに……」


京太郎「俺の方こそ試合中なのに無神経に訪ねちゃって」

京太郎「……でも、本当に驚きましたよ」

京太郎「選手と顧問のみなさんに既に会ってたなんて」

トシ「ふふふ、偶然ってあるものよねぇ」

トシ「須賀君が清澄高校のマネージャーだったなんて」

京太郎「一応、選手でもあるんですよ、あはは……」

トシ「…………」


京太郎「あの、それで……今夜はいったい?」

トシ「……須賀君は、もう決めたのかい?」

京太郎「…………え?」

トシ「うちの塞から話は聞いてるよ」

トシ「IHが終わったら誰を選ぶのかを決めるって」

京太郎「……」


トシ「須賀君、これは私のカンなんだけどねぇ……」

トシ「本当は決められずに困っているんじゃないかい?」

京太郎「!?」ギクッ

トシ「やっぱりねぇ……」

トシ「私が言うのもなんだけど、本当に良い子たちだからねぇ」

京太郎「いや、あの…………優柔不断ですみません……」

トシ「あらあら、私はあんたの味方だよ」クスクス


トシ「あの子たちもね、みんな須賀君が好きみたいでね」

トシ「結婚しなくても全員で結ばれるならそれでいいみたい」

京太郎「 ( □ )~~~~~~~~ ゚ ゚ 」

トシ「……それは嫌だったかい?」

京太郎「い、いえ!俺だって彼女たちのことが、でも……」

京太郎「養えないのにそんなことにしたらみんなを不幸に――」

トシ「あんたに会わせたい人たちがいる…………どうぞ」ガチャ


おばあちゃんΔΣΩ「ボケェ!」


京太郎「え?どちらさまですか?」

トシ「日本麻雀界の礎を築いた方々よ」

トシ「日本のプロリーグ発足後、初代永世7冠となったΔさん」

トシ「全ての部門・タイトル、グランドスラムを達成したΣさん」

トシ「国際大会で金メダルを獲得した、元世界1位のΩさん」

>>1「すまぬ、今月のテニプリに感化されてしまった……」

京太郎(…………だよね)


おばあちゃんΔ「まーちゃん?モー娘か?ボケェ」

おばあちゃんΣ「まーちゃん?沖縄芸人か?ボケェ」

おばあちゃんΩ「ジャーマン?プロレスか?ボケェ」

トシ「ちなみに、麻雀のことはもう綺麗サッパリ忘れてるよ」

京太郎「はぁ……凄いんだか凄くないんだか……」

京太郎「そのおばあちゃんたちが俺に何の――」

おばあちゃんΔΣΩ「ボケェ!!」


おばあちゃんΔ「ワテらの養子になれや、ボケェ」

おばあちゃんΣ「莫大な遺産が手に入るぞ、ボケェ」

おばあちゃんΩ「ほんで岩手で一生暮らせ、ボケェ」

京太郎「……え?」

トシ「聞いての通りさ、須賀君」

トシ「私は、相続人がいないこの人たちに相談したんだよ」

トシ「最近の流行ってる遺産芸人ってのを知ってねぇ」


京太郎「…………」

トシ「……少し、時間が必要かい?」

京太郎「はい……ありがとうございます……」

トシ「…………」

おばあちゃんΔ(カカカ、このガキ失格やな)

おばあちゃんΣ(ここで即答したら支援してやったものを)

おばあちゃんΩ(所詮その程度の愛や、誰が遺産やるかい)

おばあちゃんΔΣΩ(この話はご破算や!)ニヤリ


京太郎「あ、そうだ、聞くの忘れるところでした」

京太郎「ちなみに何処に住むことになるんですか?」

トシ「…………え?」

京太郎「俺はどこでも構わないんですけど……」

京太郎「親には曖昧な説明はしたくないんで」

おばあちゃんΔΣΩ「!?」

トシ(須賀君……)ホッ


おばあちゃんΔ「待てや!北とうほぐやぞ!ボケェ」

おばあちゃんΣ「将来性あらへんぞ!ボケェ」

おばあちゃんΩ「長野より遥かに田舎やぞ!ボケェ」

京太郎「え?俺は別に田舎とか気にしませんけど」

京太郎「今住んでるところも割と田舎な方だと思いますし」

京太郎「みんなと暮らせる以上のことなんて望みませんよ」


おばあちゃんΔ「ならなんで即答せんかった!ボケェ」

京太郎「いやー俺は最初から移住も考えていましたけど」

京太郎「養子となると俺だけの問題じゃないと思うんで」

おばあちゃんΣ「即答せんかった理由を言え!ボケェ」

京太郎「……俺、親には感謝してるんです」

京太郎「その親に何も知らせず決めるのはどうかと思って」

おばあちゃんΩ「まさか説得する為の時間か!ボケェ」

京太郎「俺が旅で見てきたもの、感じたもの全てを伝えます」

京太郎「そして必ず説得します!説得してみせます!!」


トシ「……安心したよ、須賀君」

京太郎「……え?」

トシ「その覚悟が見たかった、ですよね?」

おばあちゃんΔΣΩ「…………」

トシ「田舎に住むというのは、実際はとても大変なことさ」

トシ「それを……迷わずに選んでくれた」

トシ「あの子たちのこと、本当に好きなんだねぇ」

京太郎「……はい!」


おばあちゃんΔ「ふん!見直したで!ボケェ」

おばあちゃんΣ「トシちゃん!後は任せるで!ボケェ」

おばあちゃんΩ「帰ってテレビ見るで!ボケェ」

京太郎「え、あの……」

おばあちゃんΔΣΩ「じゃあの!幸せにおなり、や……」

トシ「ありがとうございます」ペコリ


トシ「さて須賀君、卒業後は岩手に住むことになるよ」

京太郎「はい、それと養子にもなるんですよね?」

トシ「ああ、それは大丈夫だよ、あれは脅しの道具さ」

トシ「あの人たちは岩手に定住するだけでも援助してくれるよ」

京太郎「……脅し?え、なんでそんな――」

トシ「あんたの決意を確かめる為に追い詰めてみたんだ」

京太郎「そ、そうだったんですか……」


京太郎「熊倉先生、あの人たちに伝えてください」

京太郎「支援をしていただけることには感謝しますが」

京太郎「その資金は彼女たちの生活費にしか使いません」

京太郎「自分の食い扶持はちゃんと働いて――」

トシ「あら~、ダメよ、ダメダメ」

京太郎「…………は?」

トシ「あんたは種馬としての役目を第一に優先しなきゃねぇ」

京太郎「ぶーーーーーーーー!!!!!?」


トシ「当然だろう、そうでなきゃ岩手に来る意味はないんだから」

トシ「あの方たちも田舎の人口を増やすことを応援してるのさ」

トシ「のほほんと暮らさせる為に支援する甘い考えはしないよ」

京太郎「は、はぁ……」タラタラ

トシ「とりあえず、あんたはご両親にしっかり話しなさい」

トシ「岩手の方は、私が色々と準備しておくからさ」

京太郎「よっ、宜しく御願いします!」ペコッ


インターハイ 個人戦終了後


塞「終わったか……私たちのインターハイ……」

エイスリン「…………」ウルウル

胡桃「で、でも!楽しかったよね!」

白望「ま、ダルくなかった……」

豊音「ちょっと……寂しいよー……」グスッ

トシ「あんたたち、どうせならもう一泊していきなさい」


胡桃「え?なんでですか?」

豊音「友達もみんな帰っちゃいましたよー……」

白望「無駄にいてもダルい……」

トシ「ふふふ、ならゲストでも呼ぼうかねぇ」

エイスリン「ゲスト?」

塞「どういうことで――」


「みなさーーーーん!!」


白望「!?」

エイスリン「!?」

胡桃「!?」

塞「!?」

豊音「!?」


トシ「さて、私はおいとまさせてもらうよ」スタスタ


京太郎「みなさん、お元気でしたか?」

エイスリン「スガクン!!」

白望「なんでここに……?」

京太郎「あはは、実は清澄の麻雀部に所属してまして」

塞「そうだったの!?」

胡桃「やっ、やっぱりあの声は間違ってなかったんだ!」


白望(……そういやどーするの?例の)チラッ

エイスリン(ハーレムケイカク!)チラッ

豊音(断られたらどーしよー……)チラッ

胡桃(きっ、聞くのは部長の仕事だよね?)チラッ

塞(わわわ、私ぃ!?)ビクッ

塞「…………」


塞「あ、あのね……京太郎……」

塞「私たち、みんなで話し合ったことなんだけど……」

京太郎「それは、待ってください!」

全員「……!」

京太郎「男である……俺から言わせてください!」

京太郎「俺は、みなさんのことを――」

 
























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   〈 |_^┘ ',√       |,- 」         |::| イ   エロ展開かと思ったか?
    \ ̄  ',      |  L_      」 |:::ト、
     人   ',___,,,」     ̄ ̄ ̄ト-'::::::::|  残念!キンクリちゃんじゃ!
    / \  ゙、   ミー-‐'`ーゥ   人::∧::〉
   /   |    \   ̄ ̄ ̄    /;;;/V レ
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そして、この男は――
後に伝説として、語り継がれることになる


ドキュメンタリー 須賀京太郎を知る人たち


アナ「母校の長野県、清澄高校出身の方々に聞いてみます!」

N.Hさん「ハンドボール五輪の金メダルは本当に驚きました」

Y.Kさん「当時は『京太郎ポーズ』が流行ったじぇ!」

M.Sさん「あとカピパラに関する論文が海外で表彰されたのう」

H.Tさん「そのどちらも在学中、麻雀部での経験が大きかったのでは?」

H.Tさん「彼が1年生の頃、当時の部長の指導が良かったのでしょう」

S.M先生「ところでこのハギ秋を見てくれ、こいつをどう思う?」パッ

S.M先生「各シリーズが100万部達成したんですよ、きゅふふ♪」


アナ「現在でも深い親交があるという、友人の○○○さん」

○○○「んっふ♪出会いは、今考えてみますと運命的ですね」

○○○「卒業後に岩手県に移住すると聞いたとき……」

○○○「そうですね、あまり驚きはあませんでした」

○○○「今では立派な実業家、相当努力されたと思いますよ」

○○○(『彼女たち』の親とは当時修羅場だっだ聞きましたが……)

○○○(その親たちも、今では孫に囲まれ幸せそうでなによりです)

○○○(ただおじょ……妻が例のシリーズの愛読者なんですよね)

○○○(……やれやれ、困ったものです)


岩手県 某所


家政婦1「それにしても、御当主様は凄いわね~」

家政婦2「長野県の龍門渕コンツェルンとも取引を始めたって」

家政婦3「ますます会社は大きくなっていくのでしょうねぇ」

家政婦1「今では岩手一、いえ、日本5指に入る勢いですもの」

家政婦2「御結婚はされる気はないみたいですけど」

家政婦3「才能豊かなご子息方もいますし……」


家政婦123「須賀家はこれからも安泰でおまんがな!」


2児の母「おかえり~あなた~」テキパキ

4児の母「ダーリン!(ハーレムの絵:全年齢対象)」パッ

3つ子の母「ご主人様、おかえり!」トテトテ

5児の母「おかりなさいませ、旦那様」ペコリ

3児の母「パパー!おかりなさーい♪」ピョンピョン



京太郎「……ただいま!」ニコッ


                                 ,.ー-‐.、
                               ヽ、   ヽ  __
                               /,..-ニ‐- '"_,..)
       _,.‐-、                      ' ´/  , _ 、´
        ' 、 .ノ                    ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
       r   ヽ                , ',. -一' ./..'/     .}
        !    l               / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
.       !     !                / /    {  \ヽ      i'
       l      !              ー'´        `´\ ヽヽ   !
      └! .i! .!┘   _   _             ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
        l !l .!    .l l  //.           ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
       l .l ! l    .| |//          __. \  /  }  .}    ヽ/
        l .! l .!    l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ   `ヽヽ  j  ノ
    __r' 」 l、゙、__| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___ ゙、`'   / ___
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                        / ./.              ヽノ
                          ̄
         旅の記録


第一部 運命の岩手


1日目:一関市
厳美渓、サハラガラスパーク、幽玄洞、猊鼻渓

2日目:一関市~平泉町~水沢市~奥州市~水沢市
観自在王院跡、毛越寺、中尊寺、藤原の郷

ヒロイン:エイスリン・ウィッシュアート


第二部 温泉潮流


3日目:水沢市~花巻市
【花巻南温泉峡】
大沢温泉、ホテル志戸平、藤三旅館、愛隣館

4日目:花巻市~盛岡市
マルカンデパート、宮沢賢治童話村

ヒロイン:鹿倉胡桃 小瀬川白望


第三部 星屑の青春


5日目:盛岡市~八幡平市~久慈市
八幡沼展望台、藤七温泉

ヒロイン:姉帯豊音


第四部 京太郎は砕けない


6日目:久慈市~宮古市~岩泉町~盛岡市
喫茶モカ(5日目)、浄土ヶ浜、青の洞窟、龍泉洞

ヒロイン:臼沢塞


第五部 京ちゃんの風


7日目:盛岡市~雫石町~盛岡市
小岩井農場(一本桜を含む)

ヒロイン:トシさんとハギヨシ、ではなく宮守女子全員


くぅ~疲な反省点

①アクセス方法は主にJRとバス移動
車だともっと自由度が広がりますが、県外観光者の為

②久慈市でアクセスが楽な観光地を紹介をしなかった点
駅近くに、『まちなか水族館』と『あまちゃんハウス』があるのん

③盛岡市の紹介を全くしてなかった点
城跡?銀行?ごめんちゃーいwwwwwwww
同じ市ならまだ青森市の方が観光する場所があると思うのん
でも青森県は車がないと岩手県に比べ遥かに観光しにくいのん

④色々とブチ込み過ぎました
きゅふふふwwwwwwwwサーセンwwwwwwww

⑤ハーレム
ルート?個別END?ねぇよそんなもん!


以上、ホントに完なの~ん、ご視聴ホントにありが㌧

乙!
まだ京ちゃんの娘が活躍する六部が書けるやろ?

乙-

だがキングクリムゾン、てめーはダメだッ!!


>>175
世界一巡しちゃうからアカンのや・・・
すまぬ すまぬ すまぬ

>>178
ボスのチートぶりを反映してみますた

今回の旅行期で不明な点があったら答えられる範囲で答えます
札幌、函館、青森、秋田、山形の旅行の相談もそこそこ答えられます

では、今日はおやすみの~ん、お突き合いありがとうございましたのん

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