【ワールドトリガー】桜子「お茶会をしましょう!」 辻・小夜子「(……えっ?)」 (145)


こんばんは。

1.ワールドトリガーのSSです。

2.キャラ崩壊が凄まじいです。

3.物凄く短いです。


何か意見があれば教えて頂けると嬉しいです。

それでは、よろしくお願いします。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455888082


ボーダー本部内、実況ルームにて……。


桜子「さあ始まりました! 第1回、ボーダー内交流お茶会・1on1編! 
   このお茶会では、普段交流の機会がない隊員の2名を、とある1室に閉じこめ……ではなくお招きして、
   そのお二人にお茶や軽食、会話を楽しんでいただきながら、仲を深めてもらうことが目的です! 
   記念すべき第1回では、二宮隊の辻先輩と那須隊の志岐先輩に参加して頂いています!」




ボーダー本部内、お茶会ルームにて……。


辻・小夜子「(どうしてこうなった……)」


桜子「お茶会の模様は、海老名隊オペレーター、武富桜子がお送りします!
   また、今回はゲストとして、二宮隊の犬飼先輩、那須隊の日浦隊員にお越し頂いています!」

犬飼「辻ちゃん、期待してるよ!」

茜「志岐先輩、頑張ってくださいっ!」

辻・小夜子「(一体どうしろと……)」


桜子「そして、シークレットな特別ゲスト! 
   愛の近距離攻撃手にして、玉狛第二・三雲隊長のお母様! 三雲香澄さんにもお越し頂いております!」

香澄「どうぞよろしく」

辻・小夜子「(……えっ、なぜ?)」


玉狛支部内・テレビモニターの前にて……。


修「どうして母さんが!? ……嫌な予感しかしない……」

遊真「ん? どうしたオサム。頭なんて抱えて」

千佳「だ、大丈夫、修くん?」

烏丸「顔色悪いぞ」


小南「あ、アレよ、修。き、きっと変なことにはならないわよ! ……たぶん」

木崎「……気分転換に、オムライスでも食べるか?」

修「……はい。ありがとうございます……」

千佳「(でも、どうして香澄さんがあの場所にいるんだろう……?)」


ボーダー本部内、実況ルームにて……。


桜子「これより、実況ルームとお茶会ルームとの通話回線を一部切断します! これにより、お茶会ルームと実況ルーム間の
   通話は一部不可能になります!あ、でも、全てではありませんが、進行役である私の声はお茶会ルームに聞こえますのでご心配なく! 
   そしてもちろん、お茶会ルームの会話はこれまで通り全て、実況ルームに聞こえますよ!」



ボーダー本部内、お茶会ルームにて……。


辻・小夜子「(いや、ちょっ、待っ……)」


ガシャンという音と共に、通話回線が一部切断された。

桜子は、自分の許可した声だけが聞こえる専用回線モードにする。

※これにより、〔〕内の会話だけがお茶会ルームの人間に聞こえるようになる。


桜子〔では辻先輩、志岐先輩。早速、会話をお願いします!〕

辻「」

小夜子「」


小夜子「(……ど、どうしよう。……やっぱ後輩だし、私の方から話しかけるべき……かな?)」

辻「(……ど、どうすれば。……やはり先輩として、俺の方から話しかけるべき……か?)」



辻・小夜子「(だけど……)」


辻「(目を合わせることすら……出来ない! お願いです、助けて下さい犬飼先輩……)」

小夜子「(男の、それも年上の先輩に話しかけるなんて……無理! お願い、助けて茜……)」


そんな感じで、桜子の会話開始発言から1分経っても、お互いに一言も話せずにいた。


桜子「おっとぉ! 辻先輩と志岐先輩、お互い一言も話せず、固まってしまっているぅっー!!!」

香澄「初々しいわね」

犬飼「辻ちゃん! とりあえず、趣味の話からしてこう! そこから話を広げるんだ!」

茜「志岐先輩! こういう時は、お天気の話から始めるのが良いと思います!」


桜子「そして、お茶会ルームには全く聞こえてないし、頼まれてもいないのに
   アドバイスを頑張って送っている、チームの健気な先輩と後輩がいるぞォー!」

香澄「微笑ましいわ」

桜子「でも香澄さん。このままだと一向に話が進みませんよ?」

香澄「そうね。じゃあちょっと早いけど、辻君と志岐さんに、今から言う事を伝えて貰えるかしら」

桜子「分かりました!」


---

辻・小夜子「(な、何か話さないと……。でも……)」

桜子〔辻先輩、志岐先輩。お二人に香澄さんから伝言があります〕

辻・小夜子「?」

桜子〔あと30秒以内にどちらかが話しかけないと、このお茶会の時間を6倍にするそうです。
   予定では45分くらいのつもりでしたが、6倍になると4時間30分になりますね! いやぁー、実況のしがいがあります!〕

辻・小夜子「」


小夜子「(こ、このお茶会が……)」

辻「(あと4時間以上……?)」



辻・小夜子「(……し、死んでしまう)」



桜子〔あっ、ちなみに延長の分岐点まであと7秒です〕

辻・小夜子「!?」


辻「(まずい……!)」

桜子〔あと4秒〕

小夜子「(このままじゃ……!)」

桜子〔あと2……〕

桜子が残りカウントを言いかけた、その時だった。


小夜子「し、ししっ!」

小夜子が叫ぶように言葉を発した。

辻「……?」

そして、しどろもどろになりながらも、こう続けた。







小夜子「し、しし、塩昆布は……好き、ですか?」







桜子「言ったぁああああああああああああああああっー!!!!! 
   志岐先輩、噛みながらも、ついに言葉を発したあああああああああああああっ!!!!!!」

茜「やったあああっ!!!! すごいです、志岐先輩! 今夜は記念に、那須先輩達と一緒に塩昆布パーティをしましょう!」


その頃、ボーダー本部内・那須隊控え室、テレビモニター前にて……。


那須「分かったわ、茜ちゃん。準備は任せて。小夜ちゃんのストックだけじゃ足りないだろうから、
   今から塩昆布を箱買いしてくるわ。行ってくるわね、熊ちゃん」

熊谷「ちょっ、待って、玲。塩昆布はあたしが買いに行ってくるから、玲はここにいて」

那須「でも、いつも買い出しは熊ちゃん達がやってくれてるし……。小夜ちゃんが頑張ってるんだから、今日は私も頑張らないと……」


熊谷「……全く、これだから玲は……(仲間のためなら、自分の体が弱い事なんて気にしないというか……)」

那須「駄目……かしら?」

熊谷「うん、1人は駄目。だから、一緒に行こう。エスコートなら任せなさい、どこにでも連れてってあげるわ。
   もちろん玲には、パーティのために体力は残しておいてもらうけどね(ニコッ」

那須「……ふふっ。ありがとう、熊ちゃん」


場面が戻り、実況ルームとお茶会ルームにて……。


犬飼「やるね、志岐ちゃん! さあ、辻ちゃん。志岐ちゃんの言葉にどう返す?」

香澄「ここの返答は重要ね」



辻「(……塩昆布か。そうだな……)」


辻は目を瞑り、自分の塩昆布に対する認識ついて考える。

考えに考え、数秒後、静かに目を開き、一呼吸置いた後、満を持してこう言った。







辻「あまり食べたことがないから……よく分からないな」






小夜子「そ、そうですか……」

辻「すまない……」

小夜子「いえ……」

辻「……」

小夜子「……」


この、辻と小夜子の一連のやりとりを見た犬飼は、


犬飼「アウトぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

思いっきり叫んだ。

犬飼「アウトだよ、辻ちゃん! 勇気を出して話しかけてきてくれた女の子に対して、ちょっとそっけないよ!
   もっと塩昆布の話を広げようよ! 塩昆布の全てを語り明かそうよ! そして相変わらず、目を合わせられてないよ!」

茜「お、落ち着いて下さい、犬飼先輩」


犬飼「ご、ごめん、日浦ちゃん。そうだね、落ち着こう。それに信じてるよ。いくら辻ちゃんが女の子を苦手でも、このまま終わるわけがないって……!」


辻「(……不覚だな。せっかく志岐さんが話しかけてきてくれたのに、話を繋げられなかった。きっと犬飼先輩も呆れてるだろう。
   ……相手が女子だからなんて、言い訳にならない。志岐さんが好きなものの話をしてくれたんだ、俺も好きなものの話をしよう)」


辻は覚悟を決める。


辻「……志岐さん」

小夜子「な、何ですか?」







辻「恐竜は……好きかな?」







桜子「女子相手に恐竜の話をぶっこんだあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

香澄「これは一種の賭けね。どう思う、犬飼君?」

犬飼「駄目でしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


以上で前半終了です。後半は数日中に投下したいと思います。

読んで下さった方々、ありがとうございました! 

ではまた。


皆さん、お待たせしてすみません。

明日か明後日の夜には、後半を投下できそうです。よろしくお願いします。


皆さん、お待たせしました。

これから後半の内容を投下していきます。


叫んだ勢いそのままに、犬飼は言う。

犬飼「どうしてよりによってそれをチョイスしたのって感じですよ!? 
   いや、辻ちゃんの考えは何となく分かります。おそらく、志岐ちゃんが好きなものの話をしてくれたから、
   その流れで辻ちゃんも好きなものの話をしたんでしょう」

犬飼「でも、恐竜、シュークリーム、バターどら焼き、と3つの好きなものがあって、なんで恐竜の話をしようと思ったのかが分からない! 
   女の子相手だったら、どう考えても恐竜以外をチョイスするべきでしょ! 日浦ちゃんもそう思わない!?」


茜「えっ? 辻先輩のチョイス、たぶん正解だと思いますよ?」

犬飼「なぜ!?」

茜「えっと、志岐先輩ってゲームも好きなんですけど、今ハマってるゲームが恐竜を育てるゲームなんですよ」

犬飼「奇跡だ」


辻「へえ、ジュラシックファームって言う名前なのか、そのゲーム。恐竜を育てたり、戦わせたりできる……、と」

小夜子「は、はい。今はアルゼンチノサウルスって恐竜を育ててます」

辻「世界最大の大きさだと言われてる草食恐竜か。確か……、全長は30メートルを超えていたはず」

小夜子「よ、よくご存じですね。そうなんです、アルゼンチノサウルスってすごく大きくて、草食恐竜なのに肉食恐竜を倒せるレベルなんですよ。
    でも大きすぎる分、育てるのが大変で、餌代とか物凄いんです」


辻「なるほど。確かに、餌代は物凄くかかりそうだ。だけど、育てるの面白そうだな」

小夜子「は、はいっ。手間暇かけた分だけ強くなってくれるんで、すごく面白いです!」

辻「志岐さんの話を聞いてたら、興味が出てきたよ。でも俺、そもそもゲーム機を持ってないから、まずはゲーム機を買う事から始めないとな……」

小夜子「じゃあ、その……、良かったらゲーム機、か、貸しましょうか?」


辻「……え? 志岐さん、今ジュラシックファームやってるのに、ゲーム機を貸したら困らない?」

小夜子「あ、それなら大丈夫です。私、ゲーム機は1種類につき最低2台は持ってますから。
    ゲーム機の名前は同じでも、型番が違うと性能が違ったりしますし……」

辻「そうなのか、すごいな……。…………、じゃあ、悪いけど、1台貸してもらおう、かな」

小夜子「わ、分かりました。明日、持ってきますね」

辻「うん、ありがとう。志岐さん」


---

桜子「順調です!!! 辻先輩と志岐先輩、順調に会話が出来ています!!!!」

犬飼「辻ちゃん、立派になったね……(涙目」

茜「どぅわああああああああああああ~~~!!! 志岐先輩、良かったですうううう~~~~!!!!(号泣」

桜子「そしてなぜか、ゲスト2人が泣いているぅううううー!!!!! 私にはよく分かりませんが、チームメイトからすると、感動の場面の様です!!
   ちなみに香澄さん、辻先輩と志岐先輩の会話が弾んだ要因は何だと思われますか?」


香澄「やっぱり、お互いの好きなものがうまく噛みあった事が大きいわね。辻君は恐竜、志岐さんはゲーム。この2つを、ジュラシックファームによって上手く繋げることが出来た。
   そして、お互いに共通の話題が出来たことで、ぎこちなさが残るものの、会話をすることが可能になった。辻君はほんのわずかな時間だけど、目を合わすことが出来るようになったし、
   志岐さんも社会生活に支障がきたさないレベルで話せるようになった。首尾は上々と言えるわ」

桜子「では香澄さん、そろそろ?」

香澄「そうね。始めましょうか。もう1人のシークレットゲストに準備をお願いしましょう。連絡をとってくれる?」

桜子「分かりました!」


犬飼・茜「(もう1人のシークレットゲスト?)」

桜子「香澄さん、連絡とれました! 準備OKだそうです!」

香澄「じゃあ早速、辻君と志岐さんに今からやる事を伝えてもらえるかしら?」

桜子「任せて下さい!」


---

桜子〔辻先輩、志岐先輩。ちょっとよろしいですか?〕

辻・小夜子「?」

桜子〔突然ですが、これからお二人には、軽食タイムをとって頂きます!〕

辻・小夜子「軽食タイム?」


桜子〔はい! これはお茶会ですので、会話はもちろんですが、軽食やお茶を楽しむ場でもあるんです!〕

辻「(……あっ。そういえば、目の前のテーブルの上にずっとお茶が置いてあったけど……)」

小夜子「(緊張してて、全く手を付けられてなかった……)」

桜子〔そこで今回、お二人に召し上がって頂く軽食を、あるゲストの方に作って頂きました!〕


小夜子「(あるゲスト? ……誰だろう?)」

辻「(軽食か……。シュークリームかバターどら焼きだと嬉しいな……)」

桜子〔ではその方に登場して頂きましょう! 第2のシークレットゲストの登場です!!〕

桜子がそう言った次の瞬間、お茶会ルームの入り口のドアが開いた。




加古「私よ」



辻・小夜子「」



---

茜「ど、どういうことなんですか!?」

犬飼「加古さんが作った軽食……? 駄目だ、嫌な予感しかしない……」

茜「で、でも、あくまで軽食ですから、ご飯を炒める系の料理じゃないですよ、きっと!」


犬飼「そ、そうだね。きっと、ご飯を炒める系以外の料理に違いない……! 
    そ、それに確か、加古さんはリンゴが好きらしいから、リンゴを使ったデザートかもしれない!」

茜「それです! きっとそういう系のデザートのはずです!!! もしくはチョコレートとか!!!」

犬飼「だ、だよね!」


小夜子「あ、あの、加古さん。一応聞いておきたいんですけど、加古さんが作る軽食って……何なんですか?」

加古「もちろん炒飯よ(ニコッ」

辻・小夜子「」

加古「腕によりをかけて作ったから、期待して待っててね。志岐ちゃん、辻くん」

辻・小夜子「(あっ、駄目だ。死ぬ)」


---

香澄「という訳で、これから辻君と志岐さんには、加古さんお手製の炒飯を食べてもらいます」


犬飼「逃げて!!! 2人とも、早く逃げて!!!!」

茜「ベイルアウトを!!! ベイルアウトをして下さい!!! 志岐先輩、辻先輩!!!!」


犬飼「駄目だ……ベイルアウトは無理なんだよ、日浦ちゃん! 
   オペレーターである志岐ちゃんはもちろん、トリガーを起動してない辻ちゃんも、ベイルアウトは出来ないんだ……!」

茜「そんな……!」

犬飼「香澄さん! どうしてこんな事を!?」

香澄「それに答える前に……犬飼君。吊り橋効果って、知っているかしら?」


犬飼「それって……、マンガや映画とかでよくある、ピンチになった男女がそのピンチを乗り超えた際に、お互いの仲が強く深まる現象のことですか……?」

香澄「そうね、それで大体合ってるわ。つまり何が言いたいかと言うと、ピンチの材料として加古さんの炒飯を使い、辻君と志岐さんの仲を深めましょう、って事よ。
   これがさっきの問いに対する答えね。お茶会は、お茶会に参加した2人の仲を深めることが主な目的だし、こうするのが手っ取り早くて効果が高い方法だと思ったの」

犬飼「」


---

その頃、玉狛支部内・テレビモニター前にて……。

修「」

遊真「おーい、オサム。だいじょうぶか?」

小南「し、しっかりしなさい、修!」

千佳「修くん……」

修「(……痛い。心が痛い。僕はレイジさんのオムライスを食べれたのに、
    辻先輩と志岐先輩は母さんのせいで、加古さんの炒飯を食べさせられそうになってるなんて……)」

烏丸「(……これまでに見たことがないくらい悲観的な顔をしてるな、修)」

木崎「(これ以上修の精神状態が荒れないことを祈ろう)」


---

場面が戻り、ボーダー本部内・実況ルームにて……。


犬飼「香澄さん! 加古さんの炒飯を食べたら死ぬんですよ!? 
   ピンチどころの話じゃありません! 確実にバッドエンドなんです!!!」

香澄「そうね。確かに、普通に食べたらバッドエンドになるわね。
   だから、バッドエンドではなく、ピンチの状態で終わらせるために、ある提案をさせて貰うわ」

茜「ある提案……?」

香澄「桜子さん。お茶会ルームの2人に、ルールの説明をお願い」

桜子「はい、分かりました!」


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ボーダー本部内・お茶会ルームにて……。


桜子〔辻先輩と志岐先輩、これから軽食をとる際のルールを説明します!〕

辻・小夜子「……ルール?」

桜子〔加古さんには、調理室で10種類の炒飯を作って頂きました!
   辻先輩と志岐先輩には、その中から1つの炒飯を選んで食べて頂きます!〕

辻・小夜子「(いや、選ぶも何も、どれを選んでも死ぬんですが……)」


桜子〔すみません、加古さん。作った炒飯を、調理室からこの部屋まで運んで頂けますか?〕

加古「分かったわ。辻くん、志岐ちゃん、ちょっと待っててね」

そう言って、加古は一度、お茶会ルームから出て行った。
それと同時に、入り口のドアが閉まる。

桜子〔……さて、ここからが本題です。加古さんがこの部屋に戻ってくるまでの間、
    お2人には2つの選択肢の中から1つを選択して、その選んだ選択肢の内容を実行して頂きます!〕


辻・小夜子「(……いや、だから、選択肢があろうとなかろうと死ぬことに変わりないし……。 ……でも、もしかすると、助かる選択肢もあ……)」

桜子〔まず1つ目の選択肢。このまま普通に加古さんが炒飯を運んでくるのを待つ、です!〕

小夜子「(……やっぱり駄目か。死刑執行を待つ囚人の気分って、こんな感じなのかな……)」

辻「(最後に、シュークリームとバターどら焼きを食べたかった……)」


桜子〔そして2つ目の選択肢は、この待ち時間を利用して、救援を呼ぶ、です!〕

辻・小夜子「ほら、結局死…………………………って、救援!?」

桜子〔はいっ! 2つ目の選択肢を選んだ場合、お2人には、ボーダーに所属する隊員の中から1名を選んで頂き、
   その1名の方に助けを求めることが出来ます。お茶会時間の150分延長と引き換えにはなりますが、その方に炒飯を食べて頂くことが可能で……〕

辻・小夜子「2つ目の選択肢でお願いします」

桜子〔分かりました!〕


---

香澄「最初は時間延長にあれだけ恐怖していたのに、今回はとても早いスピードで時間延長がある選択肢を選んだわね。
   桜子さんはこの結果をどう思う?」

桜子「そうですね、やはり死を避けるためというのもあるでしょうが、お茶会開始時と比べ、
   辻先輩と志岐先輩の仲が深まっているので、時間延長は以前ほど苦になっていないと考えられます!」

香澄「なるほど。確かにそうね」


香澄と桜子が会話しているのを尻目に、茜と犬飼はアイコンタクトをとる。

茜「(犬飼先輩、これって……!)」

犬飼「(うん、多分俺も日浦ちゃんと同じことを考えてる。そしておそらく、辻ちゃんと志岐ちゃんも。
    ……いける。これなら誰も犠牲を出さずに、炒飯を攻略できる……!)」


犬飼「(……基本的に、加古さんの炒飯を食べた人間は、死ぬ。
    これは辻ちゃんも志岐ちゃんもよく分かっているはずだ。だから通常であれば、他人に炒飯を押し付ける選択はとれない。
    他人への思いやりの心が強い2人ならば尚更だ。……けれど、今回のケースならば、他人に押し付ける選択がとれる……! なぜなら……)」

茜「(香澄さんは、救援で呼べるボーダー隊員の“指定”はしなかった。つまり、ボーダー隊員であれば、“誰でも”呼べる……!)」

犬飼「(すなわち……、ボーダー隊員で唯一と言っていい、炒飯を食べても死なない鉄の胃袋の持ち主である、“あの子”を呼べる……!)」

犬飼・茜「(この炒飯勝負、…………勝った!)」


---

桜子〔では、辻先輩と志岐先輩、救援に呼びたい隊員名を教えて下さい!〕

辻「(……正直、この場にこれ以上女子が増えるのは色々キツいが、迷っている時間はないな……)」

辻「……志岐さん。呼ぶのは……、“あの子”だよね?」

小夜子「は、はい、その通りです。“あの子”なら、炒飯をなんとかしてくれるはず……です」

辻「分かった。じゃあ……一緒に言おう。せーの……!」




辻・小夜子「加古隊の黒江隊員……!」


桜子〔あっ、すみません。それは無理です〕


辻・小夜子・茜・犬飼「!?」



辻「な、なぜ……?」

小夜子「ボーダー隊員なら誰でもいいんじゃ……!?」

桜子〔黒江隊員はお二人が選んだ以外の9種類の炒飯を食べる役目があるので、呼ぶことはできないんです〕

辻・小夜子「…………は?」


---

犬飼「香澄さん、こんなのずるいですよ! どうして最初から言ってくれなかったんですか!?」

香澄「言おうとは思ったわ。実際、桜子さんが説明しようとしていたのだけど、
   辻君と志岐さんが説明を遮ってしまったから、言うことは出来なかったのよ」

茜「遮った?」

香澄「ほら、桜子さんが2つ目の選択肢を提示した時よ。
   あの時、辻君と志岐さんはすぐにその選択肢を選んだけれど、実はまだ桜子さんの説明は途中だったのよ」

犬飼・茜「」


---

小夜子「(……終わった)」

小夜子は絶望しながら、テーブルに突っ伏した。

辻「(……まさか、救援を呼ぶことが出来ない場合があるなんて思わなかった。でも、それならもしかすると……)」

辻は頭に浮かび上がった更なる不安要素を確認するため、桜子に問いかける。


辻「……1つ、質問があるんだけど」

桜子〔はい? 何でしょう?〕

辻「仮に、このまま救援を呼べずにいると……どうなる?」

桜子〔加古さんの炒飯を、辻先輩と志岐先輩に食べて頂くことになります! 
   また、2つ目の選択肢を選んだのに救援を呼べなかったペナルティとして、こちらの部屋にいるお2人にも、炒飯を食べて頂くことになります!〕


辻「……一応確認しておくけど、その2人というのは……?」

犬飼・茜「(嫌な予感しかしない)」

桜子〔ご想像の通りです! 犬飼先輩と日浦隊員です!!!〕

辻・犬飼・茜「」


辻はかつてない絶望感を味わいながらも、この状況を打開する手がないかを必死に考える。

辻「(……考えろ、考えるんだ。このままだと俺と志岐さんだけではなく、犬飼先輩達も犠牲になってしまう……! 
   だが、どうすればいい? 救援を呼ぶとしても、あの子(黒江)の他に炒飯に耐えられる人間なんているのか?」

辻「(……最悪、俺はどうなってもいい。でも、志岐さんや犬飼先輩達を犠牲にするわけにはいかない……! 
   ……やりたくはないが、ここは心を鬼にするしかない……か)」

辻は桜子に問いかける。


辻「もう1つ、質問がある……」

桜子〔何でしょうか?〕

辻「他に救援で呼べない隊員を、全て教えてくれ」

桜子〔防衛任務中につき、草壁隊、太刀川隊、東隊、諏訪隊の隊員は呼ぶことが出来ません。
   また、現在本部にいないため、二宮隊の二宮隊長、那須隊の那須隊長と熊谷隊員、玉狛支部と鈴鳴支部の隊員も呼ぶことは出来ません〕


辻「……それで全員か?」

桜子〔はい、全員です!〕

辻「……分かった。それなら……、」







辻「三輪隊の三輪隊長を呼んでくれ」






---

その頃、ボーダー本部内・三輪隊作戦室、テレビモニター前にて……。


奈良坂「三輪、電話が鳴ってるぞ」

部屋の中では、電話のコール音が響いていた。


三輪「……絶対にとらない」

奈良坂「強情だな」

三輪「……それはこっちのセリフだ。お前は、俺に向けてるソレを何とかしろ」

奈良坂「……それは無理だな」

奈良坂は、イーグレットの銃口を三輪に向けていた。


奈良坂は、辻が三輪を指名した瞬間、トリガーを起動していたのだ。

三輪は突然のことに対応が遅れ、トリガーを起動できていなかった。

また、この状況に巻き込まれるのを避けるためか、古寺と米屋、月見の姿は既になくなっていた。

奈良坂「俺は師匠として、日浦を死なせるわけにはいかない。
    だからお前には、絶対に電話をとってもらう。……選んでくれ三輪。ここで死ぬか、炒飯で死ぬかを」


三輪「……ボーダーのトリガーでは、人は殺せないぞ」

奈良坂「……そうだな。普通なら気絶する程度だろうな。だがもし仮に、弾の当たり所が“悪すぎれば”どうだろう。
    そしてその同じ当たり所に、何発も撃ち込まれたら、一体どうなるんだろうな」

三輪「……」

奈良坂「……」


三輪「…………」

奈良坂「…………」

三輪「………………」

奈良坂「………………」


長い沈黙と膠着状態が続き、そして……。





三輪「……分かった。電話をとる」





三輪が折れた。


奈良坂「……悪いな」

三輪「……勝算が全くないわけじゃない。だからこそ、辻も俺を選んだんだろう」


そう言って三輪は、電話をとった。


---

数分後、お茶会ルームにて……。


桜子〔それでは、ピンチヒッター・三輪先輩の登場です!!!〕


お茶会ルームの入り口が開き、三輪が部屋の中に入る。

三輪「……」


辻「三輪、すまない……」

三輪「……焼肉」

辻「……え?」

三輪「今度、焼肉を奢れ。それで手を打ってやる」

辻「……! 分かった、いいとこの焼肉を奢る。約束しよう」


三輪「……ならいい」

三輪がそう言った数十秒後、お茶会ルームの入り口が再び開いた。

加古「あら、秀次くん。久しぶりね」

三輪「……お久しぶりです、加古さん」


加古「今回は秀次くんが私の炒飯を食べてくれるみたいね、嬉しいわ(ニコッ」

三輪「……それで、炒飯は……?」

加古「うん、運んできたわ。ちょっと待ってて」

加古はそう言って、部屋の外に置いておいたコンテナを部屋の中に入れる。


そしてコンテナに載っていた10種類の炒飯を、テーブルの上に置いていく。

加古「どれも自信作よ、好きなのを選んでね」

三輪「……」




小夜子「つ、辻先輩。……み、三輪先輩は、だ、だだ、大丈夫ですかね……?」

辻「……」


---

茜「ど、どうしましょう、犬飼先輩! このままじゃ三輪先輩が!」

犬飼「いや、……ものすごく分が悪い賭けにはなるけど、俺と辻ちゃんの考えが同じなら、勝てなくはないかもしれない」

茜「えっ!?」

香澄「気づいたようね、犬飼君」


犬飼「……香澄さん。もしかして、こうなることが最初から分かってたんですか?」

香澄「いいえ。私は迅君のようなサイドエフェクトは持ってないから、未来の事は知れないわ。
   だから、こういう展開になるようにした、と言うべきかしら」

茜「???」

香澄「日浦さん。私は吊り橋効果の説明の時に言ったわ。バッドエンドにはしない、ピンチの状態で終わらせると。
   つまり、犠牲を出す気は最初からなかったのよ」


香澄「事前の調査で、三輪君が元々は、加古さんと同じチームだったことは分かっていたわ。
   東君、二宮君、加古さん、三輪君で元A級1位のチームだったことをね。
   そして、元々同じチームであったのなら当然、加古さんの炒飯の存在を知っていただろうし、何度も食べたことがあったに違いないわ」

香澄「何度も食べたということは、何度も死ぬこともあったでしょう。でも、毎回必ず死んでいたとは言い切れないわ。
   ほぼ全部ハズレだったとしても、1つくらいは食べれる炒飯があったのかもしれない。私は、その食べれる炒飯を探すことにしたわ。二宮君の力を借りてね。
   あと、加古さん炒飯のスペシャリスト・堤君の力も借りたわ。全ては、食べれる炒飯を三輪君に用意するために」

犬飼「じゃあまさか、二宮さんが今本部にいない理由って……」

香澄「ええ。事前の取り決めで、万が一にでも辻君に指名されないように、私が外に逃がしたわ」


---

その頃、三門市の某焼肉屋にて……。


二宮「(……やはり、焼肉には白米がよく合うな)」

二宮は1人焼肉を楽しんでいた。

店員「お待たせしました! 追加のうおォン焼肉セットです! ……あ、お客様、お飲み物が空ですね。何かお持ちしましょうか?」

二宮「ジンジャーエールをくれ」

店員「かしこまりました!」


---

場面が戻り、ボーダー本部内にて……。


辻「(……俺は、誰かを救援で呼ばなければならないと覚悟した時、ある4人が対象として頭に浮かんだ。
   二宮さん、東さん、堤さん、三輪の4人だ)」

辻「(堤さんは言わずとしれた加古さん炒飯のスペシャリストだし、他の3人は元々加古さんと同じチームだったから、加古さんの炒飯に対する知識は他の一般隊員より深いと思った。
   この4人なら、食べても死なない炒飯の判別が出来るはずだ、と)」

辻「(そのため、この4人が救援で呼べるかを確認した。結果、三輪だけが呼べることが分かり、三輪を呼ぶことにした。
   三輪には断られる可能性もあったが、その可能性は低いと踏んだ。なぜなら……、)」


香澄「(三輪君が救援要請を受けなければ、日浦さんが炒飯を食べることになるから。
    それは奈良坂君が全力で阻止するでしょうし、実際そうなったわ)」

香澄「(……まあ、日浦さんはこんな駆け引きに自分が関わってるなんて知りもしないだろうけれど。……日浦さんには、悪いことをしてしまったわね)」

香澄「(あと、他に言うことがあるとすれば、辻君が三輪君だけを指名するように、タイミングを狙ってお茶会を開催したことかしらね)」

香澄「(堤君はもちろん、堤君に次いでよく死ぬ太刀川君。加古さんと同じチームだった東君。
    そして、黒江ちゃんと同じく山奥の分校で育ち、炒飯耐性を持っていると思われる緑川君。この子達がいる隊が、防衛任務に当たるタイミングを狙ってお茶会を開催したわ)」


香澄「(……さらに強いて言うなら、辻君が加古隊や那須隊の他の隊員、氷見さんに救援を求める可能性も私は考えたけれど、その考えはすぐ捨てたわ。
     だって、黒江ちゃんのように炒飯耐性があることが確定している女の子ならともかく、確定してない“女の子”を辻君が呼ぶ可能性は著しく低いもの)」

香澄「(……それと、そもそも辻君ではなく、志岐さんが救援を呼ぶ隊員を考える可能性があった、と考える人もいるだろうけど、その考えも私は途中で捨てたわ。
     なぜなら、志岐さんは未だ“引きこもり”気味であり、那須隊の子達以外との交友関係は少ないから。
     だから、黒江ちゃんのように有名な炒飯耐性を持っている子は知っていても、他の炒飯耐性がありそうな子は知らないから呼ぶことは出来ない、と踏んだわ)」

香澄「(仮に、呼ぶにしても男の子は論外。同じ那須隊の子達に至っては、大切な仲間だからこそ、呼ぶことは出来ないでしょうしね。
    ……それに、引きこもり気味の子がいきなり他人に、加古さんの炒飯を食べて下さいと頼むのは、ハードルが高すぎるわ。……以上の理由から、辻君主導で救援を呼ぶと考えたの)」


香澄「……さて、そんな感じで作り出したこの状況だけど、三輪君は私の期待通り、炒飯を攻略してくれるかしら?
   加古さんには10種類の炒飯を指定して作ってもらったけれど、その中で食べれる炒飯は1つだけよ」

犬飼「……その食べれる炒飯っていうのは、本当に大丈夫なんですよね?」

香澄「ええ。約束しましょう、賭けてもいいわ」


---

そして、お茶会ルームにて……。


桜子〔では三輪先輩、炒飯を選んで下さい!!!〕

三輪「……処理を開始する」


三輪は神経を集中し、毒性が低いと思われる炒飯を探す。




三輪「それ(食べると致命的な炒飯)はもう知ってる……!」


自身の記憶と嗅覚、視覚をフルに活用し、1つ1つの炒飯を見定めていく。







丁寧に、そして慎重に精査していき……ついに、その炒飯を見つけた。


その炒飯は、見た目は普通であれど、何故かストロベリーの香りが漂っている。


だが、三輪は確信していた。


三輪「(この炒飯なら、覚悟を決めて食べれば死ぬことはない! 重傷で済む……!)」

三輪はスプーンを持ち、構える。


---

桜子「香澄さん! これはっ!」

香澄「ええ。勝ったわ……!」

犬飼・茜「(やったっ!)」


---

三輪「(炒飯が)くたばれ!」

スプーンで炒飯を掬い、口に入れようとした、その時だった。











加古「あっ、ちょっと待って、秀次くん」


三輪「……………………はい?」



加古「その炒飯はまだそれだと完成形じゃないの」

三輪「……昔食べさせてもらった時は、この状態が完成形でしたが?」

加古「昔はね。でもその炒飯、何となくインパクトが足りないと思って、つい昨日改良したの。改良版は、このあんかけをかけて食べるのよ」

そう言って加古は、炒飯の上に虹色のドロッとした液体をかけた。

その液体に触れた炒飯の米粒が、何故か黒く染まっていく。

加古「さあ、召し上がれ(ニコッ」

三輪「」


---

桜子「か、香澄さん……。これは……」

茜「な、なにかまだ手があるんですよね……?」

犬飼「そ、そうに決まってるよ。……で、ですよね、香澄さん……?」

香澄「……詰んだわ」

犬飼・茜・桜子「」


---

三輪「……なんだ。そこにいたんだ、姉さん…………、ごふっ」

辻「三輪! 目を覚ましてくれ、三輪!!!」

小夜子「あわわわわ……」

医療隊員1「駄目です! 意識がありません!! 呼吸も止まりかけています!!!」

医療隊員2「急げ、早く医務室に運ぶんだ!! 絶対に死なせるな!!!」

医療隊員1「りょ、了解!!」


---

犬飼・茜「(……なんて地獄絵図だろう)」

香澄「……やっぱり、次回からは炒飯は無しにした方がいいわね」

桜子「そ、そうですね……」

茜「? あ、あの……、次回というのは……?」


香澄「第2回目のお茶会の事よ」

犬飼「えっ、(これだけの被害を出したのに)まだやるんですか!?」

香澄「ええ。ちなみに第2回では、修に参加してもらうわ」

犬飼「修って……、メガネく……じゃなくて、三雲くんのことですか!?」

香澄「そうよ。でも、相手の女の子はまだ決めれていないのよね。
   今のところ、千佳ちゃん、小南さん、木虎さんの誰かに参加して貰おうと思ってるのだけど。
   まあ修には、女の子の人数分、連続で出て貰えば問題ないわね。早速、第4回までの日程を決めておかないと」


---

その頃、玉狛支部内・テレビモニター前にて……。


遊真「(……なるほど)」

烏丸「(つまり……、このお茶会自体が、香澄さんによって仕組まれたもの……)」

木崎「(全ては、修をお茶会に参加させ、女子と仲を深めさせるための下準備……というか布石だったわけか。4日前のホワイトデーを思い出すな……)」


※ホワイトデーの事については、以前に書いた、
【ワールドトリガー】遊真「オサムってモテるのか?」 修「は?」というSSをご覧下さい。


修「は、早く行かないと……!」

千佳「お、落ち着いて修くん……」

小南「そうよ、落ち着きなさい、修!」

修「離してください、小南先輩!千佳! 僕は、これ以上犠牲が出る前に、母さんを止めなくちゃいけないんです!!
  僕が……、僕がなんとかしないと! 僕のせいで三輪先輩が犠牲に……! だから僕が、僕がぁあああああああああああああああああああああああ!!!」

烏丸「(……修の精神状態が大分ヤバいことになってるな)」

遊真「(生きろ……、オサム)」


---

それから数時間後、お茶会当日の夜。ボーダー本部内・那須隊休憩室にて……。


茜「志岐先輩、今日はお疲れ様でした! 塩昆布、沢山食べてください!」

那須「そうね。今日は小夜ちゃんのお祝いだもの。沢山食べてね」

熊谷「まあ、塩昆布だけだと流石に飽きると思うから、桃缶とりんごとソフトクリームも用意したよ。好きなのを食べな」


小夜子「あ、ありがとうございます、那須先輩、熊谷先輩、茜」

小夜子は、目の前に置かれた大量の食べ物に戸惑いつつも、まずは一番近くに置かれていた塩昆布に手を伸ばした。


小夜子「(うん、美味しい)」


茜「そういえば、三輪先輩が無事で良かったですよね!」

熊谷「私と玲は買い物してたから詳しくは知らないけど、一時期はかなり危なかったらしいね」

那須「でも、無事で本当に良かったわ」

茜「そうですね!」


茜がそう言ったすぐ後、小夜子が傍で開いていたノートパソコンから、
メールの着信を知らせる音が鳴った。

小夜子「?(誰からだろう?)」

小夜子は片手でパソコンを操作し、送り主を確認する。

すると、その送り主は、つい数時間前に連絡先を交換した、ある先輩であることが分かった。


メールには、以下の事が書いてあった。

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志岐さんへ

こんばんは、辻です。

志岐さんが話してくれたゲームだけど、早速ゲーム屋に行って見つけたよ。

まだゲーム機を借りれてないから、正直買うのはどうかと思ったけれど
ゲームソフトの近くで流れていたPVを見ていたら、つい買ってしまった。

恐竜の育成も、協力プレイも、対戦プレイも、すごく楽しそうだったから。

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小夜子「ふふっ」

小夜子は、辻の行動や感想に、なんとなくおかしくなって笑う。



けれど、次の一文を読んだことで、小夜子の顔は……、


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だから、志岐さんと一緒にゲームを遊べるのを、とても楽しみにしてる。

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赤く染まった。




熊谷「ほほう。楽しそうだね、小夜子」

那須「小夜ちゃん、辻君ととても仲良くなったのね。嬉しいわ」

茜「志岐先輩、青春ですね!」


小夜子「み、皆、いつの間に///!?」

小夜子のすぐ後ろには、笑顔の女の子3人がいた。


熊谷「小夜子」

那須「小夜ちゃん」

茜「志岐先輩」


小夜子「……な、何ですか?」




熊谷・那須・茜「頑張って!!!」


小夜子「な、なな、何を頑張れっていうんですか~~~///!!!」





終わり。




以上で終了です。

ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました!

悲報
加古さんの炒飯は大体絶品

二宮さん加古さんの炒飯食った事ないのか…


>>141

>>144


BBFで知った時、「マジか超やっちまった!」と思いました。

加古さんに深くお詫び申し上げます。

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