質屋「使用済みパンツ、ですか…?」(8)

質屋「ちょっとそれは…」

筋肉「ホワイ?」

質屋「いや、だって…」

ベッチョリ グッショリ

質屋「洗濯すらしてないでしょ、そのパンツ」

筋肉「え、その方が付加価値高くなるんじゃないのか?」

質屋「誰も得しないですよ!」

筋肉「だが知り合いの女子高生はそうやって小遣い稼ぎしてるって言っていたぞ!」

質屋「女子高生と筋肉ダルマじゃ世間の需要度が違うんですよ。てか今時の女子高生ってそんな事してるんですか…」

筋肉「くそっ、どうしても早急に金が必要なんだ…どうしても今日発売のプロテインを買わなければならないんだ!」

質屋「プロテインかよ!」

筋肉「新製品でな。あの有名な元プロ野球選手が協力開発したんだ。あの有名な、きよは…」

質屋「おっとそれ以上は言わない方がいいですよ」

筋肉「何故だ、別にやましい事があった訳じゃ…」

質屋「あったの!色々あったの!俺巨人ファンだからあまり触れないで」

筋肉「くわたー、止めて止めてー!」

質屋「触れんなってんだろうが!」

筋肉「さぁて芋づる式に元巨人選手がずるずると…」

質屋「止めろや!…やめ、ろや…」

ガックリ

質屋「…」

筋肉「隙あり!」

カポッ

質屋「なっ、パンツを俺にかぶせ…」

プワァン



質屋「な、なんだこの匂い…いや、フェロモン…脳内麻薬…脳内麻薬が!脳内麻薬が!溢れるぞぉ!脳内麻薬が!」

筋肉「あの、あんまり麻薬麻薬って連呼しない方が…」

質屋「たかまってきた!」

ブルルン

質屋「テ ン シ ョ ン 上 が っ て き た」

筋肉「ひいっ、引くわ」

質屋「キヒヒッ…キヒッ…そうさ、分かっていたんだ。あの頃の白い彼はいないって…ある意味、粉まみれで白いけどさ」

質屋「俺の好きな選手は皆…みぃんな…黒くなる…」

質屋「ある意味彼は物理的に黒くなったけどさ」

質屋「くそぅ…何だか全てがどうでもよくなってきた」

筋肉「ならパンツ(使用済み)を質にいれても…いいかな?」

質屋「いいともー!」

テレーテッ

こうして筋肉はパンツ(使用済み)を質に入れ現金を手にし

新発売のプロテインを買った。

そのプロテインを誰がプロデュースしようと

美しく汗迸る肉体に罪は無いのだから…

【完】

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