律子「悩めるアナタの相談室!」 まゆ「Q&A RADIOですよぉ」 (27)


律子「皆さんこんばんわ。今夜も悩めるアナタの相談室、『Q&A RADIO』のお時間がやってまいりました」

律子「メインパーソナリティの秋月律子です!」

律子「この番組はリスナーの皆さんからお寄せいただいた様々な『お悩み』のご相談について」

律子「ズバリ! 解決するためのお手伝いをしていこう……という内容でお送りしていきます」


律子「それでは今夜のお悩み紹介の前に、進行を手伝ってくれるアシスタントをご紹介しましょう」

律子「優しく頼れるお姉さんとしてただいま人気上昇中、アイドルの佐久間まゆちゃんです!」


まゆ「皆さんこんばんわ。ただいまご紹介にあずかりました、佐久間まゆです♪」

まゆ「今夜も精一杯頑張りますので、よろしくお願いしますねぇ」

律子「はーいこちらこそ。よろしくね!」


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『Q&A RADIO』


律子「――さてさて、今回の相談を紹介する前にですね……アシスタントのまゆちゃんは、最近なにか悩み事とかあったりするのかな?」

まゆ「そうですねぇ……強いてあげるなら……ワンちゃんの問題、でしょうか?」


律子「ワンちゃんの悩みと言うと……近所の飼い犬の鳴き声がうるさーい! とか?」

まゆ「鳴き声というか、躾がなってないんですよ。いつも私の邪魔ばかりしてくる、迷惑なワンちゃんがいまして」


律子「あー、いますね。やんちゃなワンちゃんって……それで、邪魔してくるっていうのは具体的にどういった内容で?」


まゆ「今までは気にする程でもなかったんですけど。最近になって急に距離が近くなったというか、馴れ馴れしくなったというか」

まゆ「とにかく隙あらば側に寄りたがりますから……そのたびに引き離すのが大変なんです」


律子「ふむ。つまりまゆちゃんが犬に懐かれちゃって、大変だー! と」

まゆ「いえ。懐かれてるのは私じゃなくて、まゆのプロデューサーさんなんですよぉ」

律子「あぁ、なるほど! 犬嫌いのプロデューサーに近づくワンちゃんを引き離すのに、まゆちゃんが苦労しているってお悩みなわけね!」

律子「そっかー。身近に犬嫌いの子がいるから分かるけど、そういう人に限って犬からは好かれたりするんですよねー」


まゆ「あれって、何でなんでしょう? ワンちゃんに好かれるフェロモンでもあるんでしょうか?」

律子「匂いかぁ……それもあるかも知れないけど……動物の持つ習性かもしれないわね」

まゆ「習性……ですか?」


律子「動物って、怖がると逆に追いかけて来るって言うじゃない? それに、犬は悲しかったり、疲れてる人の気持ちも分かるんだって」

律子「だから、そういう人を慰めるために、側にいてあげようって近づく事もあるみたい」

律子「つまり、そのワンちゃんは仕事で忙しいプロデューサーさんを癒してあげようとして、側に寄って行ってるのかもしれないわね」


まゆ「なるほど……そういう考え方もあるんですねぇ」

律子「でしょ? と、いうわけで。この問題の解決策としてアドバイスするなら、プロデューサーさんにしっかり休養をとってもらうのが良いんじゃないかな?」

律子「一番は、プロデューサーさんがその犬に慣れる事だけど……こればかりは、すぐにってワケにはいかないわよね」


まゆ「それじゃあ、プロデューサーさんにはまゆのとっておきの場所で……ゆっくりと、疲れを癒してもらう事にします♪」

律子「いやー。お役に立てたようでなにより……それではここで、一旦CMです!」

――――
――

メルヘンチェーンジッ!

『きゃはっ☆ 可愛いにんじんの形をしたウサミン印のチョコレート! キャロルチョコが期間限定で発売中!』

『バーコードを集めて応募すると、抽選で1000名の方に等身大ウサミンロボぬいぐるみが当たるキャンペーンも実施中ですよぉ!』

『お買い求めはお近くのスーパーやコンビニで!それでは、ウーサミンっ!』

ミミミンミミミンウーサミン!

――
――――


律子「チョコかぁ……最近は甘い物食べるのが怖いのよねぇ」

まゆ「女の子の共通の悩みですよね。ついつい食べすぎちゃいます」


律子「はい! と、言うわけで。さっそく今夜のお悩みを紹介していきましょう! それじゃあまゆちゃん。お願いね」

まゆ「はぁい。ペンネーム『夫(おっど)愛するオッドアイ』さんからのお悩みです」

律子「強烈な駄洒落ですが、旦那さんを愛する気持ちが伝わってくる名前ですね」


まゆ「『律子さんまゆさん、こんばんわ』」

律子「はーい。こんばんわー」

まゆ「『私は今年で二十五歳の独身なのですが――』」

律子「前言撤回! オッドアイさん、独身でした」


まゆ「『最近職場に、気になる人ができたんです。

でも、人見知りな私は飲みに誘う事はできても、それ以上のアプローチが上手く出来なくて困ってます』」

まゆ「『何か自然に出来る、良い方法はないでしょうか? 未来の旦那さんの為にも、よろしくお願いします』……だそうですよぉ」


律子「色々と突っ込むところがあるけど……とりあえず、一つずついきましょうか」

まゆ「そうですねぇ。好きな人に上手くアプローチできないところなんて、私も同じなので共感しちゃいます」

律子「いや、そこじゃなくて……とはいえオッドアイさん、飲みに誘う事はできるんだ」


まゆ「気になる人との日常的なコミュニケーションはとれてるという事ですねぇ」

律子「そうよね。仲良く無かったら、飲みに誘うのは難しいだろうし……人見知りだっていうけど、その点で言うとハードルはグッとさがるかな」


まゆ「お葉書には書いてませんでしたけど、飲みに行くという事は相手の男性もお酒を飲まれるんですよねぇ?」

律子「おっ? 何か良いアイディアが浮かんだかな?」

まゆ「でしたら、お酒をたぁくさん飲ませて……酔いつぶれたところを介抱してあげるのはどうでしょうか」

律子「居酒屋で飲みすぎた彼を優しく介抱する……面倒見の良さと母性をさりげなくアピールってわけね!」


まゆ「律子さん、違いますよぉ……酔わせた彼を、まず自宅に連れ帰りますよねぇ?」

律子「……んんっ?」

まゆ「そして、ベッドの上で優しく介抱して――」

律子「す、ストップストーップ!! まゆちゃん! それは介抱の意味が違う!」


まゆ「……そうなんですかぁ? でも、事務所の先輩はこの方法を使えばイチコロだって」

律子「どんな先輩よっ! と、とにかく、その方法は却下です却下!」

まゆ「しょぼん」


律子「まったく……まさかまゆちゃんからそんな発言が飛び出してくるとは思わなかったわ」

律子「……ところで、その先輩とやらはその方法で彼氏をゲットしたの?」

まゆ「いいえ。そもそも連れて帰る時点で、皆から阻止されたらしいです」

『Q&A RADIO』


まゆ「それじゃあ今度は、律子さんに聞いてみましょう……律子さんは、どういった方法でアプローチするのが良いと思います?」

律子「そうねぇ。でも、やり方は違うけど母性を見せて行く路線って言うのは、アリだと思うな」

まゆ「具体的にはどういった方法でしょう?」


律子「例えば、仕事の合間にちょっとした差し入れをあげたり……料理ができるなら、さりげなくお弁当の話を切り出してみたり」

まゆ「お弁当ですか……魅力的ですけど、自作のお弁当を勧めるのは少し難易度が高くありませんか?」


律子「そこはほら、お昼をこう……見るからにバランスの偏ったお弁当で済まそうとしているところに近づいて」

まゆ「ふんふん」


律子「そういうのも良いですけど、身体の事を考えるとバランスが大事ですよーって感じで、まず心配してますアピールをする」

律子「次に、私もお弁当なんですけど……良ければ明日からアナタの分も用意しましょうか……って」

まゆ「あぁ、それなら自然な流れできっかけが作れますね」


律子「……そうしたら、『でもこの弁当、作ってもらった物なんで』って、笑顔でバッサリ切られました」

まゆ「えっ……」


律子「何でも最近料理を始めたって子がまだお弁当を作るのに慣れてなくて」

律子「いつも量を作りすぎちゃうから、余ったおかずを詰めたお弁当を貰ってるんだって……」

律子「ご飯を用意するだけで良いので安く上がって助かるとまで言われちゃいましたね。あの時は辛かったなぁ……」

まゆ「り、律子さんが遠い目を……か、帰ってきてくださぁ~い!」

『Q&A RADIO』


まゆ「それでは最後のコーナー。今日のまとめになります」

律子「えー、まとめとしては……ズバリ! 『アナタを心配していますアピール』で彼の気を引いてみよう!」

律子「と、いう感じになりましたぁ」


律子「……改めて考えると、酷くいい加減な気がする。結局、お弁当も渡せてないし」

まゆ「でも女の子に心配されて、この子は自分に好意を寄せてるんじゃないかって勘違いする話って良くありますよね?」

律子「それもそうね。じゃあ、その心配してますっていう優しさで彼の気を自分に向けてみるという事で!」

まゆ「オッドアイさん。頑張ってみて下さいね♪」


律子「この番組では引き続き、皆さんからのお悩みを募集しております」

まゆ「お悩みをお持ちの方からの相談は、葉書やメールで受け付けてますので……詳しくは番組HPよりご確認下さい」

律子「――さて、そろそろお別れの時間がやってまいりました」

律子「『Q&A RADIO』、お相手はわたくし秋月律子と」

まゆ「アシスタントの佐久間まゆでお送りいたしました」


まゆ「それでは皆さんお休みなさい……良い夢が見れますように♪」

律子「ではまた次回の放送でお会いしましょう。合言葉は――」


「「Q&A――」」


――後日 某所
 

P「あの……楓さん」

楓「なんでしょうか、プロデューサー」

P「仕事中、差し入れだって渡されたこれなんですけど」

楓「……どうかされましたか?」

P「コーヒーとかなら分かるんですが、なんで胃腸薬なんですか?」

楓「最近の暴飲暴食で、プロデューサーの心肺が心配……なんて」

P「あぁ、そういうことでしたか……わざわざ心配してくださって、ありがとうございます!」

楓「ふふっ……どういたしまして♪」


 おわり

はい。おしまいです。
りっちゃんの「Q&A」聞いて書きたくなっただけなんだ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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