凛「極めて愚昧なバレンタインの過ごし方」 (18)

◆ひなビタ♪SSです
◆時期過ぎちゃったけど許してね
◆ほのぼのさせる予定でしたが諸事情によりネチョです

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バレンタイン。
少し前の私なら、商業主義の腐敗的構造、と論じたかもしれない。
しかし今はそうではない。
今の私は、すっかり愚昧な恋愛的で堕落した人間になっていたから。

「りんちゃーん♪」

私の部屋の扉を開けて入って来た少女。
栗色の綺麗な長い髪。頭の上には丸まったアホ毛があり、彼女の感情で動く。
彼女は山形まり花。私の、恋人。
これは同性愛だ。しかし、それがなんだと言うのか。
同性愛とは非生産的な退廃的なもの。まさに私の趣向。
だが、彼女に対する感情は私の滅亡愛好主義とは違うもので。
それよりも大きな、愛という感情。
熱烈な思いが彼女に対して燃え上がっている。
そして一方のまり花も、そんな私の思いを受け止めてくれているのだ。
でなければ、今のような事にはなっていないはずで。

「りんちゃん、準備はいい?」

「え、ええ」

今の私は、一糸纏わぬ裸だった。

確かに私は、まり花に対して裸体を露わにした事なんて数え切れない程にある。
だけど、いつもこうしている訳じゃない。
露出狂では断じて無い。
そうなるのは彼女と二人きりの時だけ……いや、今はそれはいい。
今回のは、プレイの一環。

「じゃありんちゃん、早速していくね?」

目の前のまり花はにこにこと笑みを浮かべている。
これから何をするのか理解しているのだろうか。
いや、深く把握しているからこその表情か。
今彼女が右脇に抱えているのは銀色のボオル。
その中には並々と液状のチョコレートが収められているのだ。
普段は台所にあるべきものを部屋に持ち込んで今からどうするか?

「ふふふふー♪」

まり花は刷毛をチョコレートに浸す。
べったりとブラシ部分に付着する茶色いチョコレート。
それを私の肌にべた、と塗りたくり始めた。

「ふんふんふーん♪」

私にチョコレートを塗るまり花はなんとも楽しげ。
きっと私は頬を紅潮させてしまっているだろう。
これでは塗ったチョコレートが溶けてしまうかもしれない。

この案は実は私から提案したものだ。
毎年バレンタインではお互いにチョコレート交換を行う。
が、基本的にはその後性行為が始まる。
これが嫌とかそういう事はない。お互いにそう思っているからそうなるのだから。
今回は趣向を凝らし、こうなったのである。
……実際は私は料理が不得意なため、若干不安定なチョコレートを渡すのが心苦しかったのだ。
結構練習はしているつもりだ。
しかし、上達するのには時間が掛かる。
それにたまには特殊なプレーというのも……いや、なんでもない。
いや、寧ろそちらが主題かも……。

「ふふふ、りんちゃんの白い肌がチョコレート塗れだよっ?」

「貴方が塗ったんでしょう……」

「りんちゃん、とってもおいしそうなんだよう……舐めていい?」

「す、好きにしなさいよ……」

私は照れ臭そうにまり花に言い捨てる。
これは性分だから致し方無い部分はある。
でも本当は、早く舐めて欲しかった。
どくどくと私の心臓は大きく高鳴っていたのだから。

「じゃあ、いただきまーす♪れろっ」

「ひ、っ」

生暖かな舌が私の肌を撫でる。
べっとりと付着するまり花の唾液。
やはりそれも熱を持っている。
それはすぐに冷めてしまうもの。
まり花は唾液を更に私の身体に塗っていく。
まるでさっきのチョコレートを上書きするかのように。
実際は舐め取っているのだけれど。
舌の感触に私は精神を舐め取られているような感覚すらして。

「りんちゃんあまーい」

「そ、それはチョコレート塗ってるからでしょ」

「そうだけど、甘いんだもん」

そう言ってまたまり花は私にチョコレートを塗る。
また舌でぺろぺろと肌を舐められるのだ。
それだけで、私の心臓は高鳴ったまま収まらなくなってしまう。

「じゃあ、次は、おっぱいさん!」

まり花は今度は私の胸にチョコレートを塗り始める。
最近大きくなった私の乳房。
別に小さいほうが合理的とか大きいのがどうとか、そういうのを論じる気は無い。
ただ、私がこうなったのはきっとまり花のせいなのだろう。
思いで膨らむ、という事が実際に起こるとは思わなかったけれど。

「りんちゃんのおむね、マシュマロさんみたいだよう……」

塗っているまり花が恍惚としている。
通常は逆ではないのか。
まぁまり花らしいと言えばまり花らしい。

「じゃあチョコレートマショマロさんをもぐもぐするよっ!」

そう言ってぱく、と私の胸に吸い付くまり花。
ぺろぺろと舌で撫でられて、唇で啜られて。
擽ったいような、こそばゆいような。
痺れるような感覚も強い。

「あ、はぁ、っ」

刺激に対して荒く息を吐き出す。
どくどくと高鳴る鼓動は確実に彼女へ伝わってしまっている。
彼女はこの鼓動を感じてどう思うのだろう。
スイーツな彼女なら喜ぶだろうか。
私ならば……喜ぶかしら。


「ちゅ、ちゅっ」

「ひ、いっ」

急に強い刺激が走る。
これは舐められるものじゃない。
自身の胸に目を向けると、まり花が私の乳頭をしゃぶっていた。

「ま、まりか、何も、出ないからっ」

「ちゅ、ん、ちゅっ」

まり花は私の言葉を聞いているのだろうか。
もし聞いていてもやめるかどうかは怪しい所。
彼女はし始めると止まらない傾向がある。
私を攻めている時とかは特に……いや、なんでもない。

「ん、ちゅ、れろれろ、っ」

舌で愛撫される私の胸。
強い快楽が身体を駆け巡っている。
下手をするとこれだけでオーガズムになってしまいそうで。
それは流石に抵抗があるが、やめて、貰えないと、本当……。


「ん、ふふふ、りんちゃんびくびくしちゃってかわいいねっ」

「まり、か」

胸を吸うのをやめてすりすりと愛撫されて。
敏感になってしまっている私にはそれだけでも十分に快楽と化す。
それだけで、私の視界は白く染まりかける。

「えいえい」

またまり花は私にチョコレートを塗りつけてくる。
今度は唇にべったりと。
愚昧なまでの甘さを味覚に感じる。

「りんちゃん」

すかさず接吻をされる。
そういえば、まだ今日はしていなかったっけ。

「んー」

遠慮も無く舌を私の口内へ押し込まれる。
私も抵抗したりはせず、彼女の思うがままだ。

「ちゅ、ちゅ、っ」

舌が一方的に私の口内を愛撫する。
生暖かな唾液を塗られていく。
唾液にチョコレートも混在しているせいで、非常に甘い。
そんな甘味も私の意識を更に不定形に融解させる。

「ん、ぷぁ、ん、ちゅ、くっ」

「れる、れろ、ちゅぱっ、ちゅ」

私の口元から唾液の混合液が零れるのが分かる。
だが、今の私では拭うことすら出来やしない。
もっとまり花に愛されたくて。
思考は目の前の彼女の事ばかり。
唾液が触れ合う音もなんだか妙に遠方の音に感じられる。
本当は私とまり花が鳴らしているのに。

「んっ、はぁ、あ……まり、かあ」

「りんちゃん、もっと、きもちよくなりたいよね」

にこっ、と彼女は笑みを浮かべた。

「りんちゃん、足広げて?」

素直に私は足を広げる。
既に私の秘部は洪水じみてまり花からの刺激を待っている。
実際に今もどろ、と零れ出たのが分かった。

「ふふふーもうどろどろ……♪」

「は、恥ずかしいわ」

「大丈夫だよっ、今からそういうの、全然分かんなくなっちゃうからねっ」

ふう、と股座に息を吹きかけられる。
それだけで私は快楽を感じてしまい、びく、と身体を揺らした。

「折角だしここにもーっ」

べた、とそこにもチョコレートを塗られて。
塗られた刺激で悲鳴を上げそうになった。
いや、上げていたかもしれない。
最早私の意識は覚束なくなっている。
ただただ、まり花から愛されるのを待ち望んでいる獣。

「おいしそうだよりんちゃあん……ちゅ」

「ひぐ、っ!」

強い刺激。
指じゃなくて、舌で撫でられて。
チョコレートを秘部に塗って来た時から理想はしていたけれど。
繊細な動きは出来ないけど、指とはまた違う感覚がある。
でも、今の私ならばどんなものでも快楽を感じてしまうだろう。
まり花ならば、尚更。

「ああ、っ!あああ、っ、ああ」

喘ぎが私の口から引っ切り無しに発せられている。
声を抑えるなんて出来ない。

「ちゅ、ちゅっ、ちゅ、ん、れろ」

まり花は休みなく私の愛液を舐め取っている。
彼女はやはり楽しげ。
チョコレートを混ぜているから、という理由もあるだろう。
私の愛液とチョコレートを混ぜたチョコレートドリンク。
悪趣味だ。しかし、まり花になら構わない、と思う自分がいて。
それはどうしようもない感情なのだろう……。

「まり、っ、まりか、あ、ああ、っ」

思考が薄れる。
快楽に押し流されているかのような。
まり花が与えてくれる刺激はいつも私を堕落させる。
退廃的で、でも短絡的。
私という人間は、前はこんな愛に溺れるような存在ではなかったのに。
そう思ってはみるものの、今更戻る事はできないだろう。
考えてはみるけど、戻りたいとも思わない。
今の私には、まり花が一番大事な存在だから。
こんな思考も、愛欲という愚かな感情に囚われているからか。
でも、それで構わない。
それで……。

「あ、も、もう、まり、まり、っ、ああああ」

「ん、りんちゃん、ちゅ、ちゅく、ちゅぷっ……」

頭が真っ白に染まる。
でも、私は明らかに幸福感を感じていた。

「まり、っ、か、あ、あ、あ、あああああああああっ!!!」

私に似合わない大声。
そんな声を発しながら、私はオーガズムに到達した。

「……ちゃん、りんちゃん」

「ん……」

重たい身体。
まだ四肢の先に痺れたような感覚がある。
肌はあちこちべたついたままだ。
どうやら、少し気絶していたみたい。
そんなに強い刺激だったかな……。

「だいじょうぶ?」

「ええ、大丈夫よ……」

ゆっくりと身体を起こす。
まだ気怠さはあるけれど、これくらいなら大した事はない。
もっと酷い時もあった。
足腰がまるで機能しなくなって。
あれは酷かったな、本当……。

「ならいいかな、ねえねえりんちゃん」

「何かしら」

私はまり花に尋ねる。
ちょっとわざとらしい気もした。
だって、彼女が言いたいことはよく分かっていたから。

「ねえ、りんちゃん、わたしにも……」

熱い視線を送ってくるまり花。
ちょっと照れているのも可愛らしい。
さっきは私にあんなにしてくれていたのに。
それに返事なんて愚問。
今日は、ずっとこうやって過ごすのだから。

「いいわ、いっぱい、愛してあげる、まりか……♪」

そう囁いて、まり花の頬に手を添える。
柔らかで暖かい。
そんな感触を感じながら、私はまり花にキスをした。

おわり

お疲れ様でした
りんりん先生のシングル「Five Drops 05 -bergamot mint-」は今日2月17日発売です

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